特許第6067926号(P6067926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6067926加速度センサ及び加速度センサの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067926
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】加速度センサ及び加速度センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/08 20060101AFI20170116BHJP
   G01P 15/125 20060101ALI20170116BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20170116BHJP
   G01P 15/13 20060101ALI20170116BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   G01P15/08 102E
   G01P15/125 Z
   G01P15/08 101A
   H01L29/84 Z
   G01P15/13 B
   B81B3/00
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-510957(P2016-510957)
(86)(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公表番号】特表2016-522896(P2016-522896A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】EP2014000833
(87)【国際公開番号】WO2014177243
(87)【国際公開日】20141106
【審査請求日】2015年12月25日
(31)【優先権主張番号】102013007593.9
(32)【優先日】2013年5月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508233962
【氏名又は名称】ノースロップ グルマン リテフ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Northrop Grumman LITEF GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100107847
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 聡
(72)【発明者】
【氏名】ガイガー,ヴォルフラム
(72)【発明者】
【氏名】バルトーロメイチック,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ラインフェルダー,ペーター
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3528539(JP,B2)
【文献】 特許第4156946(JP,B2)
【文献】 特許第5790297(JP,B2)
【文献】 独国特許出願公開第102011083487(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0031185(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/105314(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0029629(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C19/56
G01P15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面を有する基板(1)と、
前記基板面に略平行な正の偏位方向(x)に沿って、前記基板(1)に対し相対的に移動可能な標本おもり(6)であって、前記標本おもりとともに移動可能な櫛型電極(7a)を有し、前記可動櫛型電極(7a)が、前記正の偏位方向(x)に沿って延びる複数の歯(8a)を有する標本おもり(6)と、
前記基板(1)へ固定的に連結された対向電極(2a)であって、固定櫛型電極(3a)により構成され、前記固定櫛型電極(3a)が、前記正の偏位方向(x)とは反対の方向に沿って延びる複数の歯を有し、前記可動櫛型電極(7a)の前記歯(8a)が、前記固定櫛型電極(3a)の前記歯(4a)と係合する対向電極(2a)と、
前記基板(1)へ固定的に連結されたシールド電極(9a)であって、前記標本おもり(6)の偏位動作中における前記標本おもり(6)の空気圧減衰を増大するのに適したシールド電極とを備えた加速度センサにおいて、
前記可動櫛型電極(7a)は、前記正の偏位方向(x)に略垂直な櫛前方面を有する櫛前方辺を有し、
前記シールド電極(9a)は、前記櫛前方面に略平行なシールド電極面を有し、
前記櫛前方面及び前記シールド電極面は、互いに対向し、
前記櫛前方面及び前記シールド電極面の距離は、前記標本おもり(6)の偏位動作中に変化し、
前記距離の変化は、前記標本おもり(6)の空気圧減衰を増大させるのに適していることを特徴とする加速度センサ。
【請求項2】
前記標本おもり(6)及び前記シールド電極(9a)は同電位であることを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記対向電極(2a)及び前記シールド電極(9a)は、分離層(12)を介して互いに連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記標本おもり(6)は、前記標本おもり(6)とともに移動可能な第2の可動櫛型電極(7b)を有し、前記第2の可動櫛型電極(7b)が、前記正の偏位方向(x)とは反対の方向に沿って延びる複数の歯(8b)を有し、
前記加速度センサは、前記基板(1)へ固定的に連結された第2の対向電極(2b)を備え、前記第2の対向電極(2b)が、第2の固定櫛型電極(3b)により構成され、前記第2の固定櫛型電極(3b)が、前記正の偏位方向(x)に沿って延びる複数の歯(4b)を有し、前記第2の可動櫛型電極(7b)の前記歯(8b)が、前記第2の固定櫛型電極(3b)の前記歯(4b)と係合し、
前記加速度センサは、前記基板(1)へ固定的に連結された第2のシールド電極(9b)を備え、前記第2のシールド電極(9b)が、前記標本おもり(6)の偏位動作中における前記標本おもり(6)の空気圧減衰を増大させるのに適し
前記第2の可動櫛型電極(7b)は、前記正の偏位方向(x)に略垂直な櫛前方面を有する櫛前方辺を有し、
前記第2のシールド電極(9b)は、前記第2の可動櫛型電極(7b)の前記櫛前方面に略平行なシールド電極面を有し、
前記第2の可動櫛型電極(7b)の前記櫛前方面及び前記第2のシールド電極(9b)の前記シールド電極面は、互いに対向し、
前記第2の可動櫛型電極(7b)の前記櫛前方面及び前記第2のシールド電極(9b)の前記シールド電極面の距離は、前記標本おもり(6)の偏位動作中に変化し、
当該距離の変化は、前記標本おもり(6)の空気圧減衰を増大させるのに適していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記シールド電極(9a)及び前記第2のシールド電極(9b)は、互いに一体的に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の加速度センサ。
【請求項6】
前記標本おもり(6)が、前記正の偏位方向(x)に沿って偏位動作でき、かつ、前記正の偏位方向(x)に垂直かつ前記基板面に平行な方向(y)について実質的に固定的に支持されるように、ばね部材(5)が、前記標本おもり(6)及び前記基板(1)を互いに結合することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加速度センサ。
【請求項7】
基板面を有する基板(1)を形成し、
前記基板面に略平行な正の偏位方向(x)に沿って、前記基板(1)に対し相対的に移動可能な標本おもり(6)であって、前記標本おもり(6)とともに移動可能な櫛型電極(7a)を有し、前記可動櫛型電極(7a)が、前記正の偏位方向(x)に沿って延びる複数の歯(8a)を有する標本おもり(6)を形成し、
前記基板(1)へ固定的に連結された対向電極(2a)であって、固定櫛型電極(3a)により構成され、前記固定櫛型電極(3a)が、前記正の偏位方向(x)とは反対の方向に沿って延びる複数の歯(4a)を有し、前記可動櫛型電極(7a)の前記歯(8a)が、前記固定櫛型電極(3a)の前記歯(4a)と係合する対向電極を形成し、
前記基板(1)へ固定的に連結されたシールド電極(9a)であって、前記標本おもり(6)の偏位動作中における前記標本おもり(6)の空気圧減衰を増大するのに適しているシールド電極(9a)を形成する加速度センサの製造方法において、
前記可動櫛型電極(7a)は、前記正の偏位方向(x)に略垂直な櫛前方面を有する櫛前方辺を有し、
前記シールド電極(9a)は、前記櫛前方面に略平行なシールド電極面を有し、
前記櫛前方面及び前記シールド電極面は、互いに対向し、
前記櫛前方面及び前記シールド電極面の距離は、前記標本おもり(6)の偏位動作中に変化し、
前記距離の変化は、前記標本おもり(6)の空気圧減衰を増大させるのに適していることを特徴とする加速度センサの製造方法。
【請求項8】
さらに、前記標本おもり(6)の偏位動作の最適な減衰を調整するために、前記加速度センサのガス圧を調整することを特徴とする請求項7に記載の加速度センサの製造方法。
【請求項9】
さらに、前記標本おもり(6)の偏位動作の最適な減衰を調整するために、予め定められたガス圧における、前記加速度センサの前記可動櫛型電極(7a)及び前記シールド電極(9a)の間の距離を選択することを特徴とする請求項7又は8に記載の加速度センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサ及びそのような加速度センサの製造方法に関する。特に、本発明は、加速度センサの基板面に平行な加速度を測定するための微小電気機械(micro-electro-mechanical)加速度センサと、そのような微小機械加速度センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械加速度センサは、加速度を検出することができる微小システム又はMEMS(微小電気機械システム)である。通常、この目的を達成するために、センサの加速によってセンサの基板に対し相対的に偏位する少なくとも1つの標本おもり(又は振り子)が用いられる。この目的を達成するために、標本おもりは、例えば、ばねにより、移動可能となるように基板に連結される。
【0003】
加速度を検出するための電極(以下、「可動電極」という)は、標本おもりの一部であり、基板上には、固定された対向電極が可動電極に対向して配置されている。標本おもりの偏位によって可動電極及び対向電極間の距離が変化すれば、これが制御ループ(閉ループ)によって検出され、対応する電圧が両電極に印加され、標本おもりがリセットされる。ここでは、印加電圧の高さが、加速度の決定に用いられる。
【0004】
2次元以上の加速度を検出可能にするために、空間軸の一つとそれぞれ平行である検出軸をそれぞれ有する3つの同一の加速度センサを用いてもよい。代わりに又は加えて、異なる方向に偏位することができる複数の標本おもりを同じ基板上に設けることもできる。
【0005】
それらの好都合な線形動作ゆえに、互いに係合する(又は交互配置された)複数の電極を有する加速度センサが有益であることが知られている。ここで、可動電極及び対向電極は、櫛型電極として形成され、各櫛の複数の歯が互いに係合している。可動電極及び対向電極は、このようにしてキャパシタを形成する。初期化のためにキャパシタの電極に印加されるべき初期化電圧は、ほぼ全ての偏位について、標本おもりの偏位に線形である。
【0006】
しかしながら、この交互配置された電極の問題は、減衰がないことであり、加速度が高いときに、例えば、可動電極が対向電極又はスペーサに当たり、機械的な欠陥や不正確又は利用不能な測定結果を招くおそれがある。
[先行技術文献]
[特許文献1]ドイツ公開公報第10 2011 083487号
[特許文献2]米国公開公報第2012/031185号
[特許文献3]国際公開公報第2006/105314号
[特許文献4]米国公開公報第2007/029629号

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、標本おもりの偏位動作の減衰を増大させた櫛型電極であって、係合する複数の櫛型電極を有する加速度センサを提供することを目的とする。この目的は、独立請求項の発明により解決される。有利な実施形態は、従属クレームに記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による加速度センサは、例えば、基板面を有する基板を備えることができる。また、当該加速度センサは、基板と相対的に、基板面に平行な正の偏位方向(x)に概ね沿って移動可能である標本おもりを備える。標本おもりは、標本おもりとともに移動可能な櫛型電極を備える。可動櫛型電極は、正の偏位方向(x)に沿って延びる複数の歯を有する。また、加速度センサは、基板に固定的に連結された対向電極を備え、対向電極は固定櫛型電極を備える。固定櫛型電極は、正の偏位方向(x)とは反対の方向に延びる複数の歯を有する。可動櫛型電極の歯は、固定櫛型電極の歯と係合している。さらに、加速度センサは、基板へ固定的に連結されるシールド電極を備える。シールド電極は、標本おもりの偏位動作中に、標本おもりの空気圧減衰を増大させるのに適している。
【0009】
以下において、用語「空気圧減衰」は、例えば、部分容積の増加又は減少に起因する減衰を意味する。例えば、ガスは、減少させられる部分容積から増加させられる部分容積へと流れる。用語「空気圧減衰」については、以下で、さらに詳述する。
【0010】
さらに、可動櫛型電極は、正の偏位方向(x)と略垂直な櫛前方面を有する櫛前方辺を備える。シールド電極は、櫛前方面と略平行なシールド電極面を有する。
【0011】
ここで、櫛前方面及びシールド電極面は、互いに対向していてもよい。標本おもりの偏位動作中、櫛前方面及びシールド電極面間の距離は変化し、当該距離の変化は、標本おもりの空気圧減衰を増大させるのに適している。
【0012】
標本おもりは、例えば、その慣性に起因して加速中に偏位することができるとともに、一定時間の後に、弾性的復元力によって、標本おもりの休止位置に戻ることができる。また、例えば、可動櫛型電極及び固定櫛型電極に、或いは、対向電極に印加される電圧は、静電気力によって標本おもりを偏位させることができる。標本おもりの偏位動作中、(櫛前方面及びシールド電極面の)対向する面間の距離の変化は、例えば、櫛前方面及びシールド電極面の間の容積を変化させることができる。容積の変化は、標本おもりの空気圧減衰の増大に貢献することができる。
【0013】
また、標本おもり及びシールド電極は、同電位になることもできる。
【0014】
この目的を達成するために、例えば、対応する電気的接続を用いた電圧印加によって、標本おもり及びシールド電極を同電位にすることができる。標本おもり及びシールド電極が同じ電位であれば、それらの間に引き寄せる、あるいは、反発する静電気力は存在しない。従って、標本おもりの偏位動作は、標本おもり及びシールド電極間の静電気力によって妨げられない。このことは、加速度測定の精度を向上させることができる。
【0015】
対向電極及びシールド電極は、分離層によって互いに機械的に接続されていてもよい。
【0016】
絶縁層は、例えば、シールド電極及び対向電極間の電気的分離を確保する酸化被膜であってもよい。対向電極間及びシールド電極が機械的に互いに接続されていれば、このことは、対向電極の機械的安定性を確保しつつ、シールド電極をより薄く形成することができるという利点がある。これにより、例えば、空間を節約し、及び/又は、機械的安定性を確保することができる。
【0017】
標本おもりは、例えば、標本おもりとともに移動可能な第2の可動櫛型電極を備えていてもよく、第2の可動櫛型電極は、正の偏位方向(x)とは反対の方向に沿って延びる複数の歯を有する。さらに、加速度センサは、基板に固定的に連結された第2の対向電極を備えていてもよい。第2の対向電極は、第2の固定櫛型電極により構成され、第2固定櫛型電極は、正の偏位方向(x)に沿って伸びる複数の歯を有する。第2の可動櫛型電極の複数の歯は、第2の固定櫛型電極の複数の歯と係合している。加速度センサは、基板へ固定的に接続された第2シールド電極を備える。第2シールド電極は、標本主部の撓み動作の間、標本主部の空気圧減衰を増加するのに適する。加速度センサは、基板へ固定的に連結される第2のシールド電極を備える。第2のシールド電極は、標本おもりの偏位動作中に、標本おもりの空気圧減衰を増大させるのに適している。
【0018】
第2の可動櫛型電極及び第2の固定櫛型電極により、例えば、正の偏位方向(x)、及び、正の偏位方向(x)の反対方向における加速度をより正確に検出することができる。そこで、正及び負のx方向に沿った偏位に対し、加速度検出のための電極、又は、標本おもりの偏位リセットのための電極がそれぞれ存在する。
【0019】
シールド電極及び第2のシールド電極は、互いに一体的に接続されていてもよい。
【0020】
この目的を達成するために、例えば、シールド電極及び第2のシールド電極としての機能する単一の電極を備えていてもよい。このことは、例えば、シールド電極又は第2のシールド電極の機械的安定性において有利になり得る。さらに、そのような配置により、例えば、シールド電極と第2のシールド電極との間の隙間を省くことができるので、基板上の空間を節約することができる。
【0021】
さらに、加速度センサは、標本おもり及び基板を互いに結合する少なくとも1つのばね部材を備え、標本おもりは正の偏位方向(x)に沿って偏位動作することができ、かつ、基板面に並行であって正の偏位方向(x)に垂直な方向(y)に沿って標本おもりを強固に支持することができる。
【0022】
基板面に垂直な方向(z)における標本おもりの支持も実質的に固定されていてもよい。
【0023】
偏位動作又は検出すべき加速度がない方向についての標本おもりの固定支持体により、例えば、可動櫛型電極と固定櫛型電極との間の距離がx方向に沿ってのみ変化し、y方向又はz方向に沿って変化しないので、加速度測定の精度を向上させることができる。
【0024】
加速度センサの製造方法は、基板面を有する基板の形成と、前記基板面に略平行な正の偏位方向(x)に沿って、前記基板に対して相対的に移動可能な標本おもりの形成とを備えてもよく、前記標本おもりは、前記標本おもりとともに移動可能な櫛型電極を有し、前記可動櫛型電極は、前記正の偏位方向(x)に沿って延びる複数の歯を有する。前記方法は、前記基板へ固定的に連結された対向電極の形成をさらに備えてもよく、前記対向電極は、固定櫛型電極により構成され、前記固定櫛型電極は、前記正の偏位方向(a)とは反対の方向に沿って延びる複数の歯を有し、前記可動櫛型電極の前記歯は、前記固定櫛型電極の前記歯と係合している。また、前記基板に固定的に連結され、前記標本おもりの偏位動作中における前記標本おもりの空気圧減衰を増大させることに適したシールド電極の形成をさらに備えてもよい。
【0025】
加速度センサの前記製造方法は、前記標本おもりの前記偏位動作を最適な減衰に調整するための加速度センサのガス圧の調整をさらに備える。
【0026】
加速度センサの前記製造方法は、前記標本おもりの前記偏位動作を最適な減衰に調整するために、前記加速度センサの所定のガス圧時における可動櫛型電極とシールド電極との間の距離の選択をさらに備える。
【0027】
ここで、例えば、最適なガス圧(又は充填圧)、又は、可動櫛型電極とシールド電極との間の最適な距離は、標本おもりの最適な減衰をもたらすことができる。また、加速度センサを充填するために用いられるガス種の選択により、最適な減衰を達成することができる。最適な減衰のためには、減衰は、標本おもりが強く減衰され、それゆえに実質的に偏位できないような強さではなく、例えば、可動及び固定櫛型電極、若しくは、可動電極、若しくは、標本おもり及びスペーサが互いに当たるような弱さでもない。
【0028】
以下では、本発明の実施形態、それらの機能及びそれらの利点について、図面を用いて詳述する。実施形態の要素は、互いに排他的でない限り、互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による加速度センサの概略平面図である。
図2】本発明による加速度センサの概略平面図であり、標本おもり、対向電極及びシールド電極の電気配線設備の概要が図示されている。
図3】本発明による加速度センサの概略平面図であり、対向電極及びシールド電極が分離層を介して互いに機械的に連結されている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、投影面に平行な正の偏位方向(x方向)に沿った加速度を測定する加速度センサの概略平面図である。当該投影面には、加速度センサのさらなる部材が配置された基板1の基板面がある。これより以下では、x軸がセンサ軸であり、その方向に沿って(正又は負の)加速度が測定される。y軸は、x軸に垂直であり、図1の例では、投影面に平行又は基板1の基板面に平行に配置されている。z軸は、x軸及びy軸に垂直であり、従って、図1の投影面又は基板面の法線である。
【0031】
対向電極2a及び第2の対向電極2bは、基板1へ固定的に連結される。図1の実施形態によれば、2つの対向電極2a及び2つの第2の対向電極2bがそれぞれ図示されているが、対向電極2a又は第2の対向電極2bの数は、これに限定されない。例えば、1つの対向電極2a及び1つの第2の対向電極2bのみであってもよいし、それぞれ2以上の対向電極2a及び2以上の第2の対向電極2bであってもよい。さらに、例えば、対向電極2aのみを備え、第2の対向電極2bを備えていなくてもよい。
【0032】
基板1に固定的に連結された対向電極2aは、固定櫛型電極3aを有する。各固定櫛型電極3aは、負のx方向、すなわち、正の偏位方向(x)とは反対の方向に沿って延びる複数の歯4aを有する。固定櫛型電極又は各対向電極2aは、基板に固定的に連結されるため、固定櫛型電極は「固定済」として示される。固定櫛型電極は、例えば、櫛前方辺と、当該前方辺に直交して延びる複数の歯4aとを有するように形成される。
【0033】
同様にして、基板1に固定的に連結された第2の対向電極2bは、第2の固定櫛型電極3bによって構成され、第2の固定櫛型電極3bは、正の偏位方向(x)に沿って延びる複数の歯4bを有する。また、これらの第2の固定櫛型電極は、上述した通り、櫛前方辺と、櫛前方辺から延びる複数の歯4bとを有する。図1による実施形態によれば、各対向電極2a及び各第2の対向電極2bは、2つの櫛型電極(固定櫛型電極3a又は第2の固定櫛型電極3b)をそれぞれ有するが、固定櫛型電極3a又は第2の固定櫛型電極3bの数はこれに限定されない。例えば、対向電極2aごと又は第2の対向電極2bごとに、1つの固定櫛型電極3a又は1つの第2の固定櫛型電極3bのみをそれぞれ備えていてもよいし、2以上の固定櫛型電極3a又は3以上の第2の固定櫛型電極3bをそれぞれ備えていてもよい。
【0034】
さらに、第2の対向電極2bを備えることなく、対向電極2aのみを備えることにより、負のx方向に沿って延びる歯4aを有する櫛型電極3aにより構成される対向電極2aのみが基板に固定された実施形態も考えられる。
【0035】
1又は複数のばね部材5を用いて、標本おもり6は、多くの場合、基板1に連結された「振り子」として示される。ばね部材5は、標本おもり6及び基板1を互いに結合し、標本おもり6は、正の偏位方向(正x方向)及び正の偏位方向とは反対の方向(負のx方向)に沿って偏位動作を行うことができる。ここでは、慣性により、例えば、負のx方向に沿って基板1が加速しているとき、標本おもり6は、正のx方向において、基板1に対し相対的に偏位する。標本おもり6は、ばね部材5を介して基板1へ接続されることにより、正及び負のx方向に沿って偏位することができるが、y方向及びz方向については実質的に固定されるように支持される。
【0036】
標本おもり6は、標本おもり6とともに移動可能な少なくとも1つの櫛型電極7aを備え、この「可動」櫛型電極7aは、標本おもり6に固定的に連結され、これによって基板1に対して相対的に移動可能に支持される。1つの固定櫛型電極3aに対し1つの可動櫛型電極7aが標本おもり6上に設けられるのであれば、可動櫛型電極7aの数は、例えば、固定櫛型電極3aの数に依存する。
【0037】
少なくとも1つの可動櫛型電極7aは、例えば、櫛前方辺及び複数の歯8aを有し、可動櫛型電極7aの歯8aは、正の偏位方向(x)、すなわち、正のx方向に延びる。可動櫛型電極7a及び固定櫛型電極3aは、噛合電極として配置される。従って、可動櫛型電極7aの歯8aと、固定櫛型電極3aの歯4aとは、互いに係合している(噛み合っている)。歯8a及び4aは、例えば、y方向に沿って見れば、可動櫛型電極7aの1つの歯8aと、固定櫛型電極3aの1つの歯4aとが互い違いになるように係合している。
【0038】
例えば、それぞれの固定櫛型電極3aに対し、1つの可動櫛型電極7aを備えていてもよい。
【0039】
同様にして、標本おもり6は、標本おもり6とともに移動可能な少なくとも1つの第2の可動櫛型電極7bを備えていてもよい。例えば、1つの第2の固定櫛型電極3bに対し、1つの第2の可動櫛型電極7bを備えていてもよい。
【0040】
第2の可動櫛型電極7bも、櫛前方辺及び複数の歯8bを有し、第2の可動櫛型電極7bの複数の歯8bは、負のx方向、すなわち、正の偏位方向(x)とは反対の方向に沿って延びる。
【0041】
固定櫛型電極3a及び可動櫛型電極7aについての上述した実施形態と同様、第2の可動櫛型電極7bの複数の歯8bも、第2の固定櫛型電極4bの複数の歯4bと係合することができる。
【0042】
上述した櫛型電極の歯は、例えば、加速度センサのアイドルモードにおいて互いに接触しないように、互いに係合している。好ましくは、標本おもり6の偏位動作中に、各櫛型電極間において接触が発生しないように、正及び負のx方向の十分な空間が歯の間に設ける必要がある。相関する電極又は互いに噛み合わされた櫛型電極の配置は、電極に印加されるリセット電圧が、ほぼ全ての電圧において、標本おもり6の偏位に対し略線形であるという長所を有する。歯の先端及び対向櫛前方部の間の非線形の平板コンデンサの影響を実質的に抑制され、それゆえに無視することができるように、例えば、互いに係合する櫛型電極の間にx方向に沿って十分な距離を設けることが、この線形性を確保するのに有利である。
【0043】
加速度センサは、好ましくは、所定の圧力を有するガスで満たされている。従って、櫛型電極の歯の間には、ガス、特にガス分子が存在する。標本おもり6の偏位動作中に、例えば、可動櫛型電極7aが固定櫛型電極3aに向かって移動すれば、ガスは、歯の間の空間から流れ出さなければならない。このことが、標本おもり6の振動又は偏位動作のわずかな「空気圧減衰」をもたらす。
【0044】
従って、以下では、空気圧減衰という用語は、部分容積の増加又は減少に起因する減衰を意味し、例えば、ガスは、減少する部分容積から増加する部分容積へ流れる。ここで、ガスは、その粘性ゆえに一方の部分容積から他方の部分容積へ有限の速度でしか流れることができないので、部分容積間に圧力差が生まれる。従って、例えば、減少する部分容積における超過圧力は、収縮する容積の外壁にかかる力をもたらす。そこには標本おもり6の偏位動作に反して作用する反力があるため、偏位動作又は振動が減衰する。
【0045】
櫛型電極の歯の間の容積変化によって生じる空気圧減衰は、多くの場合、望まれている高い減衰を達成するのに十分ではない。
【0046】
このため、本発明による加速度センサでは、シールド電極9aをさらに備え、標本おもり6の空気圧減衰を増大させている。シールド電極9aは、対向電極2aと同様、標本おもり6がシールド電極9aに対し相対的に偏位するように、基板1に固定的に連結されることが望ましい。例えば、シールド電極9aのシールド電極面が標本おもり6の可動櫛型電極7aの方向を向くように、シールド電極9aを配置してもよい。特に、シールド電極9aは、シールド電極面を有し、シールド電極面は、可動櫛型電極7aの櫛前方辺と略平行で、それと対向して配置されている。シールド電極面及び櫛型電極面は、ここでは、例えば、正の偏位方向(x)に垂直であってもよい。従って、櫛前方面は、標本おもり6の偏位動作中、シールド電極面に向かって移動し、シールド電極9a及び可動櫛型電極7aの間において収縮する容積により、標本おもり6の偏位動作の空気圧減衰を増大させる。
【0047】
さらに、標本おもり6の減衰を増加するために、第2のシールド電極9bは、第2の可動櫛型電極7bの櫛前方辺に隣接して配置することができる。特に、少なくとも1つの第2の可動櫛型電極7bは、正の偏位方向(x)に略垂直な櫛前方辺を備えることができる。加えて、第2のシールド電極9bは、第2の可動櫛型電極7bの櫛前方面に略平行なシールド電極面を有し、シールド電極面は、櫛前方面と対向する。標本おもり6の偏位動作中、櫛前方面及びシールド電極面の間の距離は減少する。従って、第2のシールド電極9bも、偏位動作又は振動の空気圧減衰に貢献する。
【0048】
図1に示したように、シールド電極9aとして、かつ、第2のシールド電極9bとして同時に機能する複合シールド電極を備えることもできる。この目的を達成するために、シールド電極9a及び第2のシールド電極9bは、互いに一体的に連結されていてもよい。この複合シールド電極は、例えば、2つの平行なシールド電極面を有していてもよく、シールド電極面の一方は、可動櫛型電極7aの櫛前方面と対向し、シールド電極面の他方は、第2の可動櫛型電極7bの櫛前方面と対向する。従って、複合シールド電極は、正及び負のx方向に沿った標本おもりの偏位動作を効果的に減衰することができる。
【0049】
図2は、本発明による加速度センサの他の実施形態を示す概略平面図である。図2に示した加速度センサは、図1に示された加速度センサと本質的に同じ構成要素を備え、同一の構成要素は、同一の符号で表されている。
【0050】
図2には、各電極の電気配線設備の概要が示されている。ここでは、標本おもり6用の、若しくは、可動櫛型電極7a又は第2の可動櫛型電極7b用の電気端子11aが設けられている。また、対向電極2a及び第2の対向電極2b用の、あるいは、それぞれの固定櫛型電極3a及び第2の固定櫛型電極3b用の電気端子11bが設けられている。
【0051】
閉ループ動作中、標本おもり6の電気端子11aと、対向電極2a又は第2の対向電極2bの電気端子11bとを介して、標本おもり6の偏位を検出することができ、対応する制御ループを用いて、リセット電圧がそこに印加され、初期位置への標準おもり6のリセットがもたらされる。
【0052】
加速度センサが開ループモードで動作していれば、電気端子11a又は11bを介して容量変化を測定することができ、それに基づいて、加速度センサの加速度を算出することができる。
【0053】
また、シールド電極9a又は第2のシールド電極9bに対し、電気端子11cを設けることができる。電気端子11cを介し、シールド電極9a又は第2のシールド電極9bは、共通の電位が与えられる。この目的を達成するために、シールド電極9a及び第2のシールド電極9bの電気端子11cは、例えば、互いに接続されていてもよい。
【0054】
さらに、シールド電極9a又は第2のシールド電極9bは、それらの電気端子11cを介して、標本おもり6と同じ電位が与えられる。シールド電極及び標本おもり6が同一の電位であれば、シールド電極、及び、それぞれの可動櫛型電極7a又は第2の可動櫛型電極7bも同一の電位になる。このことは、シールド電極9a又は第2のシールド電極9bと、それぞれに対向する可動櫛型電極7a又は第2の可動櫛型電極7bとの間に望ましくない静電力が存在しないという効果を奏する。
【0055】
図3は、本発明による加速度センサの他の実施形態を示した概略平面図である。図3に示した加速度センサは、図1に示された加速度センサと実質的に同じ構成要素を備える。同一の構成要素は同一の符号によって表される。
【0056】
図3に示した加速度センサにおいて、シールド電極9a又は第2のシールド電極9bは、複数の分離層12を介して、それぞれの対向電極2a又は第2の対向電極3bに機械的に連結される。このようにして、シールド電極9a及び対向電極2aは、一体構造を形成し、装置の安定性を大幅に向上させている。従って、例えば、図1の実施形態に比べてシールド電極9aをより薄く形成することができる。分離層12は、シールド電極9a及び対向電極2bを互いに電気的に分離することが好ましい。このような電気的な分離は、例えば、シールド電極9a,9b及び標本おもりが同じ電位であれば、特に合理的である。
【0057】
シールド電極9a,9bによって引き起こされる減衰の強さを調節するために、例えば、互いに任意に組み合わせることができる2つのオプションが考えられる。
【0058】
例えば、製造工程中に又は製造工程後に、加速度センサのガス圧(又は充填圧又は内圧)は、標本おもり6の最適な減衰が為されるように調整される。ここで、通常のガス圧(又は充填圧)における空気圧減衰の強さは、ガス圧の高さに応じて増加する。より高いガス圧においては、減衰がガス圧に依存しなくなる。減衰の強さが高すぎず、かつ、低すぎないような最適な値が存在する。
【0059】
また、例えば、製造工程中に又は設計工程後に、標本おもり6の偏位の最適な減衰が得られるように、可動櫛型電極7a(又は第2の可動櫛型電極7b)とシールド電極9a(又は第2のシールド電極9b)との距離を調整することができる。加速度センサ用の通常の充填圧(例えば、1ミリバール)に関し、この距離が小さくなるほど、減衰の強さは高くなる。
【0060】
当然ながら、上述の方法はともに、最適な減衰に調整するために組み合わせることができる。
【0061】
本発明のさらなる特徴を以下に説明する。
【0062】
本発明は、MEMS加速度測定デバイスにおける減衰を増大させるためのシールド電極9a,9bの使用に関する。噛み合っている電極(図2参照)を有するがシールド電極を有しない構造では、線形動作及び単純なコントローラ設計を実現できるが、小さな減衰しか得られない。
【0063】
振動が発生した場合、このことが好ましくない調整につながるかもしれない。特別に設計された電極(シールド電極)9a,9bを更に用いることにより、予め定められた圧力に対し、ギャップ幅が最適な値となるように、ギャップ幅を介して減衰を調整することができる。
【0064】
フィンガーを係合させる(シールド電極を有しない)従来の構成では、減衰が急速に低下する。その結果、リセット範囲が減少する。ここで、十分に高い減衰を達成するために、多くの場合、高いガス圧が選択される。その結果、温度によってセンサ内部に高い圧力変動が生じ、それゆえに機械的張力の危険性が生じる。より小さな圧力での動作を可能にするには、電極間に非常に狭い隙間が形成されなければならない。これには、高度な製造技術が必要になるので、満足できる解決方法ではない。
【0065】
図1に示したフィンガーを係合させた本発明の電極設計は、的確にレイアウトすれば、x方向に沿った偏位に依存する静電力のほぼ一定且つ線形な力特性をもたらすが、その減衰は小さい。平板キャパシタとして配列されたシールド電極9a,9bは、例えば、可動櫛型電極7a,7bと同一電位であるため、静電力効果に関して効果がなく、静電力効果に関するこの構成の非線形性に対しても効果がないので、ガス充填を介して減衰にのみ寄与する。本発明の他の利点は、ほぼ全ての加工技術を用いて実現できるということにある。更なる利点は、全てのアクティブ構造(全ての可動及び非可動部品)は、単一のDRIEエッチング工程によって製造され、最高の製造精度を実現できることである。
【0066】
図1には、本発明による係合する電極を備えた加速度測定装置が示されている。
【0067】
加速度測定装置は、本質的な部品として、(振り子又は検出おもりとしても表される)標本おもり6を備える。標本おもり6は、支持構造と、正のx方向が有意な方向である可動又は振動電極7aと、負のx方向が有意な方向である可動又は振動電極7bと、局所的に固定されたアンカーに可動構造を結合する曲げばねの梁5とに分離することができる。
可動電極7a,7bに対向して、固定電極3a,3bが配置される。適切な電圧が印加されると、後者は可動構造6に静電力を与える。固定電極3a,3bと、可動構造6上に配置された可動電極7a,7bとは、断続的に互いに係合する。従って、平板キャパシタ配置の効果と、それによる非線形性の効果とが従属して残るように、1つの電極歯の先端と、対向する歯の基端との間に十分な自由空間が残されることに留意すべきである。
【0068】
固定電極3a,3bの前方辺と、可動電極7a,7bの前方辺との間に、シールド電極9a,9bが挿入される。これらは、可動電極7a,7bと同一であるが分離された電位であることが望ましい。これにより、電極の前方辺に作用する反力によって、所望の方向に沿った静電力の減衰が防止される。ここでのさらに重要な特徴は、これらのシールド電極9a,9bが、例えば、シールド電極9a及び可動櫛型電極7a間におけるそれらの大きな面積と、平板キャパシタ配列とにより、減衰部材としての使用に適していることにある。
【0069】
減衰は、シールド電極9a,9b及び可動櫛型電極7a,7bの間の隙間の大きさを介して、また、ガス圧によって、最適となるように調整することができる。大きな減衰値が容易に得られる利点、及び、係合電極を有するがシールド電極9a,9bを有していない従来の電極配置の利点、すなわち、非常に小さな非線形性及び小さな振動配置が、図1に示したシールド電極9a,9bの挿入によって、互いに組み合わせられる。
【0070】
当該製造方法によれば、複合電極構造において、シールド電極9a,9bと固定電極3a,3bとを組み合わせることもできる。シールド電極9a,9bと電極3a,3bとの間には、例えば、酸化層などの分離層を設けることができる。当然のことながら、シールド電極9a,9b及び電極3a,3bが1つのユニットを形成すべき場合にも、同じことが当てはまる。この場合の利点は、構造的剛性が電極3a,3bによって既に提供されていることにある。従って、この実施形態において、シールド電極9a,9bのために要求される空間の大部分は、それぞれの隙間を含めて存在しない。
図1
図2
図3