特許第6067945号(P6067945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6067945太陽光発電モジュールの追尾装置及びその取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067945
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】太陽光発電モジュールの追尾装置及びその取付方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/32 20140101AFI20170116BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20170116BHJP
【FI】
   H02S20/32
   H02S20/10 D
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-528018(P2016-528018)
(86)(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公表番号】特表2016-539611(P2016-539611A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】CN2014073991
(87)【国際公開番号】WO2015096288
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】201310728619.X
(32)【優先日】2013年12月26日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516127156
【氏名又は名称】杭州帷盛科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】楊 新科
(72)【発明者】
【氏名】朱 建静
(72)【発明者】
【氏名】鄭 杭
(72)【発明者】
【氏名】丁 鋒軍
(72)【発明者】
【氏名】薛 新穎
(72)【発明者】
【氏名】黄 旅文
(72)【発明者】
【氏名】陳 云云
(72)【発明者】
【氏名】孫 四春
(72)【発明者】
【氏名】王 敏杰
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−172145(JP,A)
【文献】 特開平10−051019(JP,A)
【文献】 特表2016−504901(JP,A)
【文献】 特表2015−521018(JP,A)
【文献】 特開2014−167947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
H02S 20/32
H02S 30/20
H01L 31/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立柱を含み、
隣接する2つの立柱の間に主軸が設けられており、
主軸に太陽光発電モジュールが設けられており、
隣接する2つの主軸は連結軸を介して連結されており、
連結軸は立柱に回転可能に固定されている、
太陽光発電モジュールの追尾装置であって、
前記立柱の上端面が立柱取付面であり、
立柱の上部に貫通孔が設けられており、
貫通孔内に軸受構造を介して連結軸が取り付けられており、
連結軸の横断面は主軸の横断面より小さく、
連結軸と主軸は軸連結構造により連結されている、
ことを特徴とする太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項2】
前記軸受構造は、立柱に固定される軸受台を含み、
軸受台内に軸受が設けられており、
軸受台と軸受との間に位置決め構造が設けられており、
軸受構造と連結軸との間に固定部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項3】
前記軸受は、別体式軸受であり、同じ構造の2つの軸受本体を含み、
軸受本体の端部にフランジが設けられており、
2つの軸受本体が軸受台の両端からそれぞれ軸受台内に挿入されており、
前記軸受本体が半円形であり、
前記軸受台は、円柱形であり、
軸受本体のフランジが軸受台の外縁に当接し、
軸受本体の長さが軸受台の長さ以下である、
ことを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項4】
前記位置決め構造は、軸受台の2つの端面にそれぞれ2つの位置決め溝が設けられており、
位置決め溝が同一直径の両端に位置し、
前記軸受本体のフランジに位置決め突起が設けられており、
位置決め突起が円弧形のフランジの中部に設けられており、
前記固定部材は、ホールドフープである、
ことを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項5】
前記立柱は、横断面が「H」字形を成し、立柱縁板及び立柱縁板の両側の立柱フラップを含み、
立柱縁板に貫通孔が設けられており、
軸受台は貫通孔内に挿設されており、
軸受台の外縁が立柱縁板に溶接されており、
軸受台の下方に補強リブが設けられており、
補強リブが2つであり、
補強リブが立柱縁板の表面と裏面に設けられており、
補強リブの両端が立柱フラップに溶接されており、かつ、リブの内円面が軸受台の外円面と溶接されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項6】
前記連結軸の横断面は、トラック形状であり、
前記主軸は、スクエアシャフトであり、
主軸の幅が連結軸の幅より大きく、
主軸の端部に主軸コネクタが設けられており、
主軸コネクタが位置決め構造及び固定構造を含み、
連結軸に主軸コネクタと対応する固定構造が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項7】
主軸コネクタは、主軸キャップを含み、
主軸キャップが主軸の端部に溶接されており、
固定構造は、互いに平行な2つの固定板を含み、
2つの固定板が主軸キャップに溶接されており、
2つの固定板間の距離が連結軸の直径以上であり、
前記位置決め構造は、円弧形のバッフルであり、
バッフルの角度が連結軸の角度と同じであり、
バッフルが固定構造を構成する2つの平行な固定板間に位置し、
バッフルの両端がそれぞれ両端の固定板に溶接されており、
固定板及びバッフルに固定孔が設けられており、
固定孔は長穴であり、
連結軸の2つの互いに平行な側面及び上下2つの円弧形面に、固定孔と対応する貫通孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項8】
前記太陽光発電モジュールは、太陽光発電モジュール枠組み内に取り付けられており、
太陽光発電モジュール枠組みが押圧ブロックによりビームに固定されており、
ビームが主軸に固定されており、
ビーム上方に開口溝が設けられており、
ビーム上方に裏板が取り付けられており、
裏板に接地スペーサが取り付けられており、
裏板の下方に締結装置が設けられており、
押圧ブロックが締結装置を介して太陽光発電モジュール枠組みを接地スペーサに固定する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項9】
前記裏板は、中心に貫通孔が設けられており、
貫通孔内に押圧部材が設けられており、
前記押圧部材は、押圧板及び押圧板の下方に設けられているフックを含み、
押圧板の面積が貫通孔の面積よりも大きく、
押圧板が接地スペーサに押圧されており、
フックが2つあり、
2つのフックが互いに平行であり、
フックの本体の内側に係止溝が形成されており、
係止溝内に締結装置が設けられており、
締結装置が細長いナットであり、
細長いナットの中心にねじ穴が設けられており、
細長いナットと裏板下面との間の距離が開口溝の爪の厚さと同じである、
ことを特徴とする請求項8に記載の太陽光発電モジュールの追尾装置。
【請求項10】
太陽光発電モジュールの追尾装置の取付方法であって、
軸受及び軸受台を用いて立柱の貫通孔内に連結軸を取り付け、立柱の上端面を杭打ち機器の応力面として、杭打ち機器を用いて軸受構造及び連結軸を付けた立柱を地面に打ち込み、主軸を連結軸と一体に連結させる、組み合わせた立柱の取付ステップと、
ビームを連結軸に取り付け、太陽光発電モジュールを太陽光発電モジュール枠組み内に取り付け、太陽光発電モジュール枠組みを押圧板によりビームに固定し、ビームの接地スペーサが太陽光発電モジュール枠組み外の薄膜を刺し通して接地を実現し、太陽光発電モジュールをビームに取り付けた後、押圧ブロックで押圧し、ボルトで捻じ込む、組み合わせた主軸の取付ステップと、
吊り上げ機器を用いて組み合わせた主軸を施工終了後の組み合わせた立柱に取り付けるステップと、
を含むことを特徴とする太陽光発電モジュールの追尾装置の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光追尾装置に関し、特に太陽光発電モジュールの追尾装置及び追尾装置の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新しいエネルギー及び再生可能なエネルギーの開発は全世界が直面している共通の課題である。新しいエネルギーにおいて、太陽光発電が多く注目されている。コストがあまりに高いため、まだ市場にはほとんど出回っていない。太陽光発電市場の見通しは良いが、太陽エネルギーの利用率が低いため、建設費が高く、投資収益率が低い問題がある。
従来、太陽光発電モジュールの取付方式には主に固定方式、自動追尾方式の2種ある。固定方式に比べると、自動追尾方式は、発電量を約20%増加でき、より良い市場見通しが立つ。しかし、現在研究されている太陽光発電モジュールの追尾装置は、構造が複雑で、現場の取付周期が長く、取付者に対する要求が高いという欠点を有するため、太陽光追尾装置の普及を妨げている。よって、更なる改善と簡素化が必要である。特許文献1に、太陽光発電パネルの発電効率を高めることができるとある。この構成は、複数の太陽光発電パネル及び複数の太陽光発電パネル支持枠を含み、各太陽光発電パネルの両端及び中部に太陽光発電パネル支持枠を介して他の太陽光発電パネルが接続され、複数の太陽光発電パネル支持枠の下部が支持機構に接続され、支持機構の片側に追尾機構が設けられている。追尾機構により、太陽の位置に従い変化し、太陽電池パネルは最適な照射角を保持する。しかし、太陽光発電モジュール機器があまりに大きく、各部材を吊り上げて取り付けるのは容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案公告第202854613号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、取り付けやすく、構造がシンプルで、現場の取付難度及び要求は低く、取付周期が短く、コストが小さい太陽光発電モジュールの追尾装置及びその取付方法を提供する。本発明によれば、従来の技術における太陽光発電モジュールの追尾装置の部材が多く、取付周期が長く、現場の取付難度が高く、現場の取付要求が多い技術的問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、以下の技術的解決手段を提案する。
本発明に係る太陽光発電モジュールの追尾装置は、
立柱を含み、
隣接する2つの立柱間に主軸が設けられており、
主軸に太陽光発電モジュールが設けられており、
隣接する2つの主軸は連結軸を介して連結されており、
連結軸は立柱に固定されており、
前記立柱の上端面が立柱取付面であり、
立柱の上部に貫通孔が設けられており、
貫通孔内に軸受構造を介して連結軸が取り付けられており、
連結軸の横断面は主軸の横断面より小さく、
連結軸と主軸は軸連結構造により連結されている。
追尾システム全体は、複数の太陽光発電モジュール、組み合わせた立柱、組み合わせた主軸などからなる。従来、取付の時は、一般的に、立柱を杭打ち機により打ち込み、次に、立柱に軸受及び主軸などを取り付ける。一定の高さの立柱を打ち込んだ後、軸受及び主軸等を取り付けるため、吊上げ及び取付に手間がかかる。本発明において、立柱に貫通孔を設け、貫通孔内に軸受構造を介して連結軸を取り付ける。取り付けた後、組み合わせた立柱全体を杭打ち機により打ち込む。立柱の上部に貫通孔を設けたため、貫通孔が立柱の長手方向と直交し、立柱の取付時の応力面を変更することなく、取付時の手間を省いた。主軸の横断面が大きいので、太陽光発電部材を固定しやすい。また、主軸の横断面が立柱の幅と大体同じで、連結軸の横断面が主軸より小さく、連結軸を立柱の貫通孔内に取り付けやすい。
【0006】
前記軸受構造は、立柱に固定される軸受台を含み、
軸受台内に軸受が設けられており、
軸受台と軸受との間に位置決め構造が設けられており、
軸受構造と連結軸との間に固定部材が設けられている、
ことが好ましい。
軸受台は立柱に溶接され、追加の取付部材が不要であり、構造がシンプルである。固定部材により、連結軸と軸受構造との相対的位置を固定する。主軸は軸受構造内に貫設した後、主軸は軸受内で回転自在であり、固定部材により主軸と軸受構造を軸方向に相対的に固定する。組み合わせた立柱は、予め取り付け、全体で現場に運び、専用の杭打ち機器により地面に打ち込み、組み合わせた立柱の現場での取付作業を終了する。予め取り付けることで、現場の取付速度を大幅に高め、取付時間を省き、作業効率を向上させる。
【0007】
前記軸受は、別体式軸受であり、同じ構造の2つの軸受本体を含み、
軸受本体の端部にフランジが設けられており、
2つの軸受本体が軸受台の両端からそれぞれ軸受台内に挿入されており、
前記軸受本体が半円形であり、
前記軸受台は、円柱形であり、
軸受本体のフランジが軸受台の外縁に当接し、
軸受本体の長さが軸受台の長さ以下である、
ことが好ましい。
軸受本体にフランジが設けられている。軸受本体を両端から軸受台内に挿入し、2つの軸受本体のフランジが軸受台の外輪に当接して完全な軸受を形成する。軸受本体と軸受台の長さがほぼ同じで、係合性に優れ、主軸に対し完全な支持作用を果たすことができる。位置決め構造を用いて、軸受本体と軸受台を互いに固定し軸受構造を形成する。別体式軸受は取り付けやすく、調整及び交換しやすい。
【0008】
前記位置決め構造は、軸受台の2つの端面にそれぞれ2つの位置決め溝が設けられており、
位置決め溝が同一直径の両端に位置し、
前記軸受本体のフランジに位置決め突起が設けられており、
位置決め突起が円弧形のフランジの中部に設けられており、
前記固定部材は、ホールドフープである、
ことが好ましい。
軸受本体の形状は同じで、両端の任意一端から取付可能である。2つの軸受本体を係合して、軸受台の形状と同じ円柱体を形成する。一方の軸受本体を軸受台の左端から挿入し、上半円の軸受台外縁及び軸受本体のフランジを用いて位置決めする。他方の軸受本体を軸受の右端から挿入し、下半円の軸受台外縁及び軸受本体のフランジを用いて位置決めする。フランジ及び外縁は軸受本体及び軸受台を軸方向において位置決めする。フランジの位置決め突起と、軸受台の位置決め溝との係合により、軸受台及び軸受本体を円周方向に位置決めする。軸受台に2つの位置決め溝が設けられており、軸受本体を取り付けやすい。また、左側に、上半円、下半円のどちらを取り付けてもよく、取付の利便性及び効率を高める。ホールドフープの構造はシンプルで、取り付けやすく、しっかり固定する。
【0009】
前記立柱は、横断面が「H」字形を成し、立柱縁板及び立柱縁の板両側の立柱フラップを含み、
立柱縁板に貫通孔が設けられており、
軸受台は、貫通孔内に挿設されており、
軸受台の外縁が立柱縁板に溶接されており、
軸受台の下方に補強リブが設けられており、
補強リブが2つであり、
補強リブが立柱縁板の表面と裏面に設けられており、
補強リブの両端が立柱フラップに溶接されており、かつ、リブの内円面が軸受台の外円面と溶接されている、
ことが好ましい。
軸受台が立柱中間の立柱縁板に溶接されており、溶接後の安定性を強化するため、軸受台の下方に2枚の補強リブを増加している。つまり、立柱縁板に溶接される軸受台下半円の厚さを増加し、支持面の厚さを増加し、支持強度を高める。
【0010】
前記連結軸の横断面は、トラック形状であり、
前記主軸は、スクエアシャフトであり、
主軸の幅が連結軸の幅より大きく、
主軸の端部に主軸コネクタが設けられており、
主軸コネクタが位置決め構造及び固定構造を含み、
連結軸に主軸コネクタと対応する固定構造が設けられている、
ことが好ましい。
トラック形状の連結軸の加工は円形から互いに平行な2つの平面を研磨する。2つの互いに平行な平面が主軸との固定を容易にし、2つの円弧面が軸受内での回転を容易にする。円形の連結軸が立柱内への取り付けを容易にする。横断面が小さく、連結軸の横断面が立柱より小さい。主軸を立柱に取り付けた後、予め取り付けた立柱構造を現場で取り付ける。主軸の構造は変わらず、主軸と連結軸を主軸端部の主軸コネクタにより連結し、主軸コネクタの位置決め構造により主軸と連結軸を位置決めする。固定構造により主軸と連結軸を連結する。
【0011】
主軸コネクタは、主軸キャップを含み、
主軸キャップが主軸の端部に溶接されており、
固定構造は、互いに平行な2つの固定板を含み、
2つの固定板が主軸キャップに溶接されており、
2つの固定板間の距離が連結軸の直径以上であり、
前記位置決め構造は、円弧形のバッフルであり、
バッフルの角度が連結軸の角度と同じであり、
バッフルが固定構造を構成する2つの平行な固定板間に位置し、
バッフルの両端がそれぞれ両端の固定板に溶接されており、
固定板及びバッフルに固定孔が設けられており、
固定孔は長穴であり、
連結軸の2つの互いに平行な側面及び上下2つの円弧形面に、固定孔と対応する貫通孔が設けられている、
ことが好ましい。
固定孔はそれぞれ主軸及び連結軸の上方及び側面に位置し、2つの方向から固定する。しっかりしており、回転中の高トルクに耐え、回転軸の回転信頼性を確保する。固定孔は長穴に形成され、固定位置を調整しやすく、取付の利便性を高めた。円弧形バッフルの形状は連結軸の角度と一致し、主軸の体積が回転軸より大きいため、両者を位置決めしやすい。このため、主軸を取り付けるとき、主軸を吊上げて上から下へ配置し、バッフルを回転軸に掛けて両者の位置を決定し、固定構造を用いて両者を固定連結する。
【0012】
前記太陽光発電モジュールは、太陽光発電モジュール枠組み内に取り付けられており、
太陽光発電モジュール枠組みが押圧ブロックによりビームに固定されており、
ビームが主軸に固定されており、
ビーム上方に開口溝が設けられており、
ビーム上方に裏板が取り付けられており、
裏板に接地スペーサが取り付けられており、
裏板の下方に締結装置が設けられており、
押圧ブロックが締結装置を介して太陽光発電モジュール枠組みを接地スペーサに固定する、
ことが好ましい。
裏板に接地スペーサが取り付けられている。押圧ブロックを介して太陽光発電モジュールの枠組みを接地スペーサに押圧したとき、接地スペーサが太陽光発電モジュール枠組みの薄膜を刺し通し、太陽光発電モジュール枠組みを接地する。このため、追加の接地部材と外接する必要がない。押圧ブロックがボルトにより裏板下方の締結装置に固定され、押圧ブロックが太陽光発電モジュール枠組みを接地スペーサに押圧し、接地スペーサを固定する。
【0013】
前記裏板は、中心に貫通孔が設けられており、
貫通孔内に押圧部材が設けられており、
前記押圧部材は、押圧板及び押圧板下方に設けられているフックを含み、
押圧板の面積が貫通孔の面積よりも大きく、
押圧板が接地スペーサに押圧されており、
フックが2つあり、
2つのフックが互いに平行であり、
フックの本体の内側に係止溝が形成されており、
係止溝内に締結装置が設けられており、
締結装置が細長いナットであり、
細長いナットの中心にねじ穴が設けられており、
細長いナットと裏板下面との間の距離が開口溝の爪の厚さと同じである、
ことが好ましい。
押圧板は接地スペーサを裏板に押圧する。接地スペーサの中心に貫通孔が設けられている。貫通孔をフックが通されており、2つのフック本体は内側に湾曲して弾性係止溝を形成する。細長いナットは、係止溝内に固定されており、押圧ブロックに穿設されるボルトと連結され、押圧ブロックを固定する。同時に、細長いナットは更に押圧部材を裏板に固定することができる。細長いナットの長手方向が裏板の長手方向と一致する。細長いナットは狭い面から開口溝内に挿入され、裏板を所定位置まで動かした後、90°回転させ、細長いナットの長さがビームの横断面の内縁幅と等しく、細長いナットをビーム内に係止し、裏板をビームに固定させる。
【0014】
太陽光発電モジュールの追尾装置の取付方法は、
軸受及び軸受台を用いて立柱の貫通孔内に連結軸を取り付け、立柱の上端面を杭打ち機器の応力面として、杭打ち機器を用いて軸受構造及び連結軸を付けた立柱を地面に打ち込み、主軸を連結軸と一体に連結させる、組み合わせた立柱の取付ステップと、
ビームを連結軸に取り付け、太陽光発電モジュールを太陽光発電モジュール枠組み内に取り付け、太陽光発電モジュール枠組みを押圧板によりビームに固定させ、ビームの接地スペーサが太陽光発電モジュール枠組み外の薄膜を刺し通して接地を実現し、太陽光発電モジュールをビームに取り付けた後、押圧ブロックで押圧し、ボルトで捻じ込む、組み合わせた主軸の取付ステップと、
吊り上げ機器を用いて組み合わせた主軸を施工終了後の組み合わせた立柱に取り付けるステップと、
を含む。
【0015】
組み合わせた立柱、組み合わせた主軸の構造は、上記の追尾装置の構造のように、連結軸を軸受構造により立柱に予め取り付け、太陽光発電モジュールの枠組みをビームに予め取り付ける。立柱を杭打ち機により地面に打ち込む。主軸を立柱に取り付け、吊り上げ機器で組み合わせた主軸を吊上げて、太陽光発電モジュール枠組みのある組み合せた主軸を主軸に取り付けるだけで良い。搬送し難く、取付難度の高い多くの部品は作業台において生産ラインの方式で快速に取り付け可能で、現場の取付時間は短く、取付難度は低い。
【発明の効果】
【0016】
したがって、本発明の太陽光発電モジュール追尾システム及びその取付方法は、以下の利点を有する。立柱に孔を設けた後、軸受及び連結軸を立柱に取り付け、立柱の取付面は従来と変わらず、全体で杭打ち機により打ち込みできるため、作業難度は低い。主軸、ビーム、モジュール等の部品を現場で取り付け完了し、搬送し難く、取付難度の高い多くの部品を作業台において生産ラインの方式で快速に取り付けできるため、現場の取付時間は短く、取付難度は低い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】太陽光発電モジュールの追尾装置の概略図である。
図2図1内のAの拡大図である。
図3図1内の組み合せた立柱の取付分解図である。
図4図1内の主軸の概略図である。
図5図1内の組み合せた主軸の概略図である。
図6図5内のBの拡大図である。
図7図6内の太陽光発電モジュール及び押圧ブロックを除去した後の概略図である。
図8図7内の裏板の概略図である。
図9図7内の裏板の他の方向の概略図である。
図10】太陽光発電モジュールの追尾装置からなる追尾システムである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例を用いて、本発明の技術的解決手段を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(実施例1)
図1及び2に示すように、本発明の実施の形態に係る太陽光発電モジュールの追尾装置は、組み合わせた立柱及び組み合わせた主軸を含む。
組み合わせた立柱は、横断面が「H」字形である立柱3、軸受構造、連結軸2等を含み、組み合わせた主軸は、主軸1、ビーム20、太陽光発電モジュール4等を含む。
主軸1は、2つの立柱3の間に設けられている。
太陽光発電モジュール4は、主軸1に固定されている。
互いに隣接する2つの主軸1は、連結軸2により連結されている。
連結軸2は立柱3に固定されている。
図3に示すように、立柱3は、立柱縁板10及び立柱縁板10の両側の互いに平行な立柱フラップ11を含む。
立柱縁板10は、上端中心に円形の貫通孔を備え、この貫通孔内に円柱形の軸受台7が配置されている。軸受台7の外縁は立柱縁板10に溶接されている。
軸受台7の下方に、2つの補強リブ31が設けられている。補強リブ31は長方形で、中心に半円形の円弧面が設けられている。円弧面の半径は軸受台7と同一である。円弧面と軸受台7の外円周表面との連結位置において、補強リブ31の長さが立柱縁板10と同じである。補強リブ31の両端が立柱フラップ11に溶接されている。
2つの補強リブ31は、立柱縁板10の表面と裏面にそれぞれ設けられており、軸受台7の下半円の支持面の厚さを増加し、支持強度を高めている。
位置決め溝12は、軸受台7の両端に設けられ、同一端の2つの位置決め溝12が同一の直径上に位置する。両端の上側の位置決め溝12は同一の母線上に位置する。
軸受台7内に軸受が挿設されており、軸受は2つの同一形状の軸受本体からなる。軸受本体8は、半円形に形成されており、外円周表面の半径が軸受台と同一であり、内円周表面の半径が軸受内に挿設される主軸の半径と同一である。
軸受本体8は、プラスチック軸受であり、軸受本体8の一端に半円形のフランジ5が一体成形されている。半円形のフランジ5の中部に位置決め溝と係合する位置決め突起6が成形されている。
2つの軸受本体8が係合して完全な円柱形軸受を形成し、軸受台7の両端から軸受台7内に挿入されている。一方の軸受本体8は、左端から軸受台7内に挿入されており、軸受本体8のフランジが軸受台7の上半円に当接されている。軸受本体8における位置決め突起6は軸受台左側の上半円の位置決め溝12と係合されている。他方の軸受本体8が右端から軸受台内に挿入されており、軸受本体のフランジが軸受台の下半円に当接されている。軸受本体の位置決め突起が軸受台右側の下半円の位置決め溝12と係合されている。
これにより軸受台と軸受を位置決めする。軸受内に連結軸2が挿設され、連結軸2が隣接する2本の主軸1を連結する。連結軸2は係止溝13が設けられており、連結軸2が軸受内に挿設した後、係止溝内にホールドフープ9を取り付け、ホールドフープ9を用いて、固定締結する。
【0020】
連結軸2の横断面はトラック形状である。
主軸1はスクエアシャフト、つまり、方形の中空鋼管である。主軸1の幅は連結軸の幅よりも大きい。
主軸の端部は主軸コネクタを備え、図4に示すように、主軸コネクタは位置決め構造及び固定構造を含む。連結軸に主軸コネクタと対応する固定構造が設けられている。主軸キャップ17は、主軸コネクタに設けられており、主軸1の端部に連結されている。
固定構造は互いに平行な2つの固定板16を含み、2つの固定板16が主軸キャップ17に溶接されている。2つの固定板16及び主軸キャップ17により、「U」字形キャビティを形成する。2つの固定板16間の距離は連結軸2の直径以上で、連結軸2を内部に収容できる。
位置決め構造は円弧形のバッフル18である。バッフル18の角度は連結軸の角度と同一である。バッフル18は、固定構造を構成する2つの平行な固定板16の間に設けられ、両端がそれぞれ両端の固定板16に溶接されている。連結軸2の、平行な2つの面が固定板16と連結され、円弧形面がバッフル18と連結される。
固定板16及びバッフル18には、固定孔15が設けられている。固定孔15は長穴である。固定板16の固定孔15は「U」字形キャビティの開口端に設けられている。バッフルの固定孔は「U」字形キャビティの中部に設けられている。連結軸の2つの互いに平行な側面及び上下2つの円弧形面に、固定孔と対応する貫通孔14が設けられている。固定するときは、ボルトにより横方向及び縦方向の2つの方向から、「十」字交差しでしっかり固定する。
【0021】
図5、6及び7に示すように、太陽光発電モジュールは太陽光発電モジュール枠組み内に取り付けられている。太陽光発電モジュール枠組みは押圧ブロック19によりビームに固定されている。太陽光発電モジュール装置中部に設けられる押圧ブロック19は「几」字形を成し、両側の太陽光発電モジュール枠組みを同時に押圧できる。太陽光発電モジュール装置の縁部に設けられる押圧ブロック19は段差状を成す。
ビーム20は、主軸ホールドフープ32により主軸1に固定されている。ビーム20の上方に開口溝が設けられており、ビーム上方に裏板21が取り付けられている。裏板21に接地スペーサ22が取り付けられている。裏板21の下方に細長いナット26が固定されている。ビーム20は、U形鋼であり、ビーム20の互いに平行な2つの辺は内側に巻かれて爪状に形成されている。細長いナット26を開口溝に挿入し、90°回転させ、細長いナット26の縁部が爪に係止される。これにより、裏板21をビーム20に固定される。
図8及び9に示すように、裏板21は中心に貫通孔を備え、細長いナット26は、裏板中心の貫通孔と対応するねじ穴27を備える。ボルトが、押圧板19、接地スペーサ22、裏板21を貫通して、細長いナット26のねじ穴に固定されている。裏板21は、中心に貫通孔を備え、貫通孔内に押圧部材が設けられている。押圧部材は、押圧板24及び押圧板24下方のフック25を含み、押圧板24とフック25がプラスチックで一体成形されている。
押圧板24の面積が貫通孔の面積よりも大きく、押圧板24は接地スペーサ22を押圧する。フック25は2つあり、互いに平行である。フック25の本体の内側に係止溝が形成されており、係止溝内に細長いナット26が固定されている。細長いナット26と裏板の下面との間の距離が開口溝の爪の厚さと同一である。
【0022】
接地スペーサに2列の互いに平行なバーブ23が設けられ、太陽光発電モジュール枠組みが接地スペーサに押圧されたとき、太陽光発電モジュール枠組みの薄膜を刺し通し、接地を実現する。
【0023】
図10に示すように、各追尾装置の組み合わせた立柱と組み合わせた主軸を連結した後、組み合わせた伝動を用いて装置全体を回転させる。組み合わせた伝動は隣接する2つの連結軸間に連結されるスイングアーム30を含む。スイングアーム30は、スイングロッド33によりリンケージロッド29に固定されている。リンケージロッド29の端部はプッシュロッド28に連結されている。プッシュロッド28を介してリンケージロッド29を動かし、各連結軸を回転させ、連結軸の回転により主軸を太陽の方向にしたがって回転させる。
【0024】
(実施例2)
次の方法で、太陽光発電モジュールの追尾装置を取り付ける。
【0025】
第1ステップは、組み合せた立柱を取り付ける。立柱上方の中心に孔が設けられている。補強リブは立柱貫通孔の下方に溶接されており、軸受台は溶接されている。別体式軸受を軸受台の両端から挿入し、位置決め構造により固定する。軸受内に連結軸を挿設し、連結軸をホールドフープにより立柱に固定する。立柱の上端面を杭打ち機器の応力面として、杭打ち機器を用いて軸受構造及び連結軸を付けた立柱を地面に打ち込み、主軸を連結軸により一体に連結させる。
【0026】
第2ステップは、組み合せた主軸を取り付ける。主軸ホールドフープを用いてビームを連結軸に取り付け、ビームに裏板を取り付ける。細長いナットの狭い面をビームの開口溝内に挿入し、位置を選択した後、裏板を回転させる。細長いナットと裏板の長手方向は一致し、細長いナットの長さが開口溝より大きく、ビームの横断面の内部幅より小さいため、細長いナットが開口溝の爪に当たり、裏板をビームに固定する。押圧板により太陽光発電モジュール枠組みを接地スペーサに押圧し、接地スペーサのバーブが太陽光発電モジュール枠組み外の薄膜を刺し通して、接地を実現する。太陽光発電モジュールを太陽光発電モジュール枠組み内に取り付け、太陽光発電モジュール枠組みを押圧板によりビームに固定する。ビームにおける接地スペーサが太陽光発電モジュール枠組み外の薄膜を刺し通して、接地を実現する。太陽光発電モジュールをビームに取り付けた後、押圧ブロックで押圧し、ボルトで捻じ込む。
【0027】
第3ステップで、吊り上げ機器を用いて組み合わせた主軸を施工終了後の組み合わせた立柱に取り付け、主軸コネクタの固定構造及び位置決め構造により主軸と連結軸を連結する。連結軸の2つの互いに平行な側面及び上下2つの円弧形面に、固定孔と対応する貫通孔が設けられており、固定するとき、ボルトを用いて横方向及び縦方向の2つの方向に「十」字交差して固定する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10