(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記現在フレームの画素データ信号によって前記表示パネルで消費される原電流値が増加するほど前記現在フレームのスケールファクターは減少することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記現在フレームのスケールファクターは前記過電流防止電流値を前記原電流値で割った値の1/γ二乗値を有し、前記γは前記表示パネルのガンマ値であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
前記下限基準電流値と前記基準電流値との差、及び前記上限基準電流値と前記基準電流値との差は前記基準電流値の1%以内であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記階調変換部は、前記現在フレームの画素データ信号を格納するフレームメモリと、 前記現在フレームの画素データ信号の階調を変換する画素データ変換部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記現在フレームの画素データ信号によって前記表示パネルで消費される原電流値を計算する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の表示装置の駆動方法。
前記変換電流値が前記基準電流値と前記予め設定された所定範囲内にあるか否かを比較する段階において、前記変換電流値が前記基準電流値と前記予め設定された所定範囲を逸脱する場合、
前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターと異なり、前記変換電流値から前記基準電流値を引き算した値が増加するほど、前記現在フレームのスケールファクターと前記以前フレームのスケールファクターとの差は増加することを特徴とする請求項12に記載の表示装置の駆動方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一課題は、使用可能期間を増加することができる有機発光表示装置のような表示装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の課題は、過電流の発生を最小化することができる有機発光表示装置のような表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の課題は、有機発光表示装置のような表示装置の信頼性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、本発明は有機発光表示装置のような表示装置を提供する。前記表示装置は複数の画素を含む表示パネルと、現在フレームのスケールファクター(factor)が乗算された現在フレームの画素データ信号の階調を変換する階調変換部と、変換電流値と過電流防止電流値とを比較して前記現在フレームのスケールファクターを生成するスケールファクター生成部とを含む。前記変換電流値は、前のフレーム(以下では以前フレーム(previous frame)という)のスケールファクターが乗算された前記現在フレームの画素データ信号によって前記表示パネルで消費される電流値であり、前記過電流防止電流値は、前記表示パネルの最大消費電流値より小さく、前記最大消費電流値より小さい基準電流値より大きく設定される。
【0010】
前記変換電流値が前記過電流防止電流値より大きい場合、前記過電流防止電流値が増加するほど前記現在フレームのスケールファクターは増加される。
【0011】
前記現在フレームの画素データ信号によって前記表示パネルで消費される原電流値が増加するほど前記現在フレームのスケールファクターは減少される。
【0012】
前記現在フレームのスケールファクターは前記過電流防止電流値を前記原電流値で割った値の1/γ二乗値を有し、前記γは前記表示パネルのガンマ値でありうる。
【0013】
前記変換電流値が前記過電流防止電流値より小さい場合、前記スケールファクター生成部は前記変換電流値、下限基準電流値及び上限基準電流値を比較して前記現在フレームのスケールファクターを生成し、前記下限基準電流値は前記基準電流値より小さい値に設定され、前記上限基準電流値は前記基準電流値より大きく、且つ前記過電流防止電流値より小さく設定される。
【0014】
前記下限基準電流値と前記基準電流値との差、及び前記上限基準電流値と前記基準電流値との差は前記基準電流値の1%以内でありうる。
【0015】
前記変換電流値が前記下限基準電流値と前記上限基準電流値との間の値を有する場合、前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターと同一でありうる。
【0016】
前記変換電流値が前記下限基準電流値と前記上限基準電流値との間の範囲を逸脱する場合、前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターと異なる値を有し、前記変換電流値から前記基準電流値を引き算した値が増加するほど、前記現在フレームのスケールファクターと前記以前フレームのスケールファクターとの差は増加される。
【0017】
前記変換電流値が前記下限基準電流値より小さい場合、前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターより大きいことがある。
【0018】
前記変換電流値が前記上限基準電流値より大きい場合、前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターより小さいことがある。
【0019】
前記現在フレームのスケールファクター及び前記以前フレームのスケールファクターは0より大きく、且つ1以下の値を有することができる。
【0020】
前記階調変換部は、前記現在フレームの画素データ信号を格納するフレームメモリと、前記現在フレームの画素データ信号の階調を変換する画素データ変換部とを含むことができる。
【0021】
前記フレームメモリは前記現在フレームの画素データ信号を前記データ変換部に伝達し、前記画素データ変換部は前記現在フレームの画素データ信号に前記現在フレームのスケールファクターを乗算することができる。
【0022】
前記技術的課題を解決するために、本発明は表示装置の駆動方法を提供する。前記表示装置の駆動方法は、現在フレームの画素データ信号に以前フレームのスケールファクターを乗算して表示パネルで消費される変換電流値を計算する段階と、前記変換電流値と過電流防止電流値とを比較する段階と、現在フレームのスケールファクターを生成する段階と、前記現在フレームのスケールファクターが乗算された前記現在フレームの画素データ信号の階調を変換する段階とを含み、前記過電流防止電流値は、前記表示パネルの最大消費電流値より小さく、前記最大消費電流値より小さい基準電流値より大きく設定される。
【0023】
前記表示装置の駆動方法は、前記現在フレームの画素データ信号によって前記表示パネルで消費される原電流値を計算する段階をさらに含むことができる。
【0024】
前記変換電流値と前記過電流防止電流値とを比較する段階において、前記変換電流値が前記過電流防止電流値を超過する場合、前記現在フレームのスケールファクターを生成する段階において、前記現在フレームのスケールファクターは、前記現在フレームのスケールファクターが乗算された前記現在フレームの画素データ信号によって前記表示パネルで消費される電流値が前記過電流防止電流値より小さく設定される。
【0025】
前記変換電流値と前記過電流防止電流値とを比較する段階において、前記変換電流値が前記過電流防止電流値未満の場合、前記表示装置の駆動方法は前記変換電流値が前記基準電流値と予め設定された(preset)所定範囲内にあるか否かを比較する段階をさらに含むことができる。
【0026】
前記変換電流値が前記基準電流値と前記予め設定された所定範囲内にあるか否かを比較する段階において、前記変換電流値が前記基準電流値と前記予め設定された所定範囲内にある場合、前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターと同一でありうる。
【0027】
前記変換電流値から前記基準電流値を引き算した可変因子を計算する段階をさらに含むことができる。
【0028】
前記変換電流値が前記基準電流値と前記予め設定された所定範囲内にあるか否かを比較する段階において、前記変換電流値が前記基準電流値と前記予め設定された所定範囲を逸脱する場合、前記現在フレームのスケールファクターは前記以前フレームのスケールファクターと異なることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る表示装置は、変換電流値と過電流防止電流値とを比較して第n番目のフレームのスケールファクターを生成するスケールファクター生成部と、前記第n番目のフレームのスケールファクターが乗算された第n番目のフレームの画素データ信号の階調を変換する階調変換部とを含む。前記第n番目のフレームのスケールファクターは前記階調変換された前記第n番目のフレームの画素データによって消費されるすべての電流値が前記過電流防止電流値を超過しないように設定されるので、高信頼性の表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以上の本発明の目的、他の目的、特徴及び利点は添付の図面と、それに係わる以下の望ましい実施形態を通じて容易に理解できる。
【0032】
本発明の一実施形態に係る表示装置を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を説明するためのブロック図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置に含まれた表示パネルを説明するためのブロック図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置の表示パネルに含まれた画素を説明するための回路図である。
図3の回路図にあっては、簡潔な説明のために、第nゲートラインGLn及び第mデータラインDLmに接続された画素を示す。
【0033】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る表示装置は、有機発光表示パネル100と、スキャン駆動部(scan driver)110と、データ駆動部(data driver)120と、電源部130と、タイミング制御部140と、階調変換部150と、スケールファクター生成部(scale factor generator)160とを含むことができる。
【0034】
図2を参照すると、前記表示パネル100は第1方向に延長される複数のゲートラインGL1〜GLnと、前記第1方向に垂直な第2方向に延長される複数のデータラインDL1〜DLmと、複数の画素セルPとを含むことができる。それぞれの前記画素セルPは1つのゲートライン及び1つのデータラインと接続されている。前記第1方向に延長される複数の画素セルPは行を構成することができ、前記第2方向に延長される複数の画素セルPは列を構成することができる。同一の行に含まれた画素セルPは同一のゲートラインに接続されており、同一の列に含まれた画素セルPは同一のデータラインに接続されている。前記ゲートラインGL1〜GLnは隣接した前記行の間で延長することができ、前記データラインDL1〜DLmは隣接した前記列の間で延長することができる。
【0035】
前記ゲートラインGL1〜GLnは前記スキャン駆動部110から供給されたゲート電圧Gvを前記画素セルPに印加することができる。前記データラインDL1〜DLmは前記データ駆動部120から供給されたデータ出力電圧Dvを前記画素セルPに印加することができる。
【0036】
図3を参照すると、前記画素セルPのそれぞれはスイッチング素子、格納素子、及び発光素子を含むことができる。前記スイッチング素子はスイッチングトランジスタTs及び駆動トランジスタTdを含むことができ、前記格納素子はキャパシタCでありうる。前記発光素子は有機発光ダイオードOLEDでありうる。
【0037】
有機発光ダイオードOLEDはアノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間の有機発光体層とを含むことができる。前記有機発光体層はホール注入層(Hole Injection Layer、HIL)と、ホール輸送層(Hole Transport Layer、HTL)と、発光層(Emission Layer、EML)と、電子輸送層(Electron Transport Layer、ETL)と、電子注入層(Electron Injection Layer、EIL)とを含むことができる。前記ホール注入層は前記アノード電極に隣接して配置することができ、前記電子注入層は前記カソード電極に隣接して配置することができる。有機発光ダイオードOLEDはホール注入層とホール輸送層を通じて供給される正孔と電子注入層及び電子輸送層を通じて供給される電子が発光層で再結合することによって発光することができる。
【0038】
前記スイッチングトランジスタTsはデータラインDLmと第1ノードN1との間に接続されている。前記スイッチングトランジスタTsはゲートラインGLnを通じて印加されるゲート電圧Gvによってターンオン(turn-on)され、前記データラインDLmを通じて印加されるデータ出力電圧Dvを第1ノードN1に伝達することができる。前記第1ノードN1に伝達されたデータ出力電圧Dvは第1ノードN1と第2ノードN2との間に接続された格納キャパシタCに格納することができる。
【0039】
前記駆動トランジスタTdは前記第1ノードN1に伝達されるデータ出力電圧Dvによってターンオン(turn-on)されうる。前記駆動トランジスタTdがターンオン(turn-on)される場合、第1電源電圧VDD及び第2電源電圧VSSの電圧差によって駆動電流Iが有機発光ダイオードIに印加されうる。前記第1電源電圧VDDは前記第2電源電圧VSSより高いレベルの電圧を有することができる。前記第1電源電圧VDDは前記有機発光ダイオードの前記アノード(anode)に印加され、前記第2電源電圧VSSは前記有機発光ダイオードOLEDの前記カソード(cathode)に印加されうる。
【0040】
前記駆動電流Iの強度は前記駆動トランジスタTdに印加される前記データ出力電圧Dvによって決められる。前記有機発光ダイオードOLEDの輝度は前記駆動電流Iの強度に比例することができる。したがって、有機発光ダイオードOLEDの輝度はデータ出力電圧Dvによって決められる。
【0041】
再び
図1及び
図2を参照すると、前記スキャン駆動部110は前記電源部130からゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffが入力され、前記タイミング制御部140からゲート制御信号GCSが入力され、前記複数のゲートラインGL1〜GLnのうちのいずれか1つを選択し、選択されたゲートラインにゲート電圧を印加することができる。前記スキャン駆動部110は前記ゲート制御信号GCSに応答して前記ゲートラインGL1〜GLnに供給される前記ゲート電圧のタイミングを調節することができる。
【0042】
例えば、前記スキャン駆動部110は第1ゲートラインGL1から前記第nゲートラインGLnまで前記第2方向に沿って順次に前記ゲート電圧を印加することができる。前記ゲート電圧が印加された前記選択されたゲートラインと接続された画素セルに含まれたスイッチングトランジスタはターンオン(turn-on)され、前記ゲート電圧が印加されない非選択されたゲートラインと接続された画素セルに含まれたスイッチングトランジスタはターンオフ(turn-off)されうる。前記スキャン駆動部110は前記表示パネル100が形成された基板上に直接形成されうる。
【0043】
前記データ駆動部120は前記電源部130からアナログ駆動電圧AVDDが入力され、前記タイミング制御部140から第n番目のフレームの階調変換された画素データ信号R1、G1、B1及びデータ電圧制御信号DCSが入力されうる。前記データ駆動部120は前記階調変換された画素データ信号R1、G1、B1をアナログ電圧に変換し、前記データラインDL1〜DLmにデータ出力電圧を供給することができる。前記階調変換された画素データ信号R1、G1、B1は赤色有機発光ダイオード、緑色有機発光ダイオード、及び青色有機発光ダイオードを含む画素セルにそれぞれ印加されるデータ出力電圧に変換できる。
【0044】
前記電源部130は前記スキャン駆動部110にゲートオン電圧Von及びゲートオフ電圧Voffを供給することができる。前記電源部130は前記データ駆動部120にアナログ駆動電圧AVDDを供給することができる。前記電源部130は前記表示パネル100の画素セルPの有機発光ダイオードOLEDに印加される前記第1電源電圧VDD及び前記第2電源電圧VSSを供給することができる。
【0045】
前記タイミング制御部140には前記階調変換部150から前記第n番目のフレームの前記階調変換された画素データ信号R1、G1、B1が入力される。前記タイミング制御部140は前記階調変換された画素データ信号R1、G1、B1及びデータ電圧制御信号DCSをデータ駆動部120に伝達し、前記ゲート制御信号GCSを前記スキャン駆動部110に伝達することができる。
【0046】
前記階調変換部150には外部から前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bが入力され、前記スケールファクター生成部160から第n番目のフレームのスケールファクター(scale factor)S
nが入力される。前記階調変換部150は前記画素データ信号R、G、BにスケールファクターSnを乗算して表示されるフレームの階調情報を変更することができる。これによって、前記表示パネル100の有機発光ダイオードOLEDに過電流が流れることを防止することができる。
【0047】
前記スケールファクター生成部160は前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bが入力されて前記第n番目のスケールファクターS
nを生成することができる。前記スケールファクターS
nは前記階調変換部150に伝達される。
【0048】
次に、
図4及び
図5を参照して、前記階調変換部150及び前記スケールファクター生成部160を詳細に説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置に含まれた階調変換部及びスケールファクター生成部を説明するためのブロック図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置に含まれたスケールファクター生成部の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
図4及び
図5を参照すると、前記階調変換部150はフレームメモリ152と、画素データ変換部154とを含むことができる。前記フレームメモリ152は前記第n番目のフレームのスケールファクターS
nが生成される間に前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bを格納することができる。前記画素データ変換部154はフレームメモリ152から前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bが伝送され、前記スケールファクター生成部160から前記第n番目のフレームのスケールファクターSnが伝送され、階調変換された画素データ信号R1、G1、B1を計算することができる。前記階調変換された画素データ信号R1、G1、B1は前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bに前記第n番目のフレームのスケールファクターSnが乗算されて階調変換された値を有することができる。
【0050】
スケールファクター生成部160はデータ計算部162と、データ比較部164とを含むことができる。前記データ計算部162は前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bが入力されて前記第n番目のフレームのスケールファクターS
nを計算するためのデータを計算することができ、スケールファクター決定信号Sdiが入力されてスケールファクターSnを計算し、これを前記データ画素変換部154に伝達することができる。前記データ比較部164は予め設定された値と前記データ計算部162から伝送されたデータとを比較してスケールファクター決定信号Sdiを生成し、これを前記データ計算部162に伝達することができる。前記スケールファクター生成部160は前記表示パネル100で消費される電流値が一定値を超過しないようにスケールファクターS
nを生成することができる。
【0051】
図5におけるS10では、前記データ計算部162は前記表示パネル100の画素セルPで消費される原電流値I及び変換電流値I
Cを計算することができる。前記原電流値Iは前記データ計算部162に伝送された第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bを利用して計算できる。前記原電流値Iは数1のように計算できる。
【0053】
前記ガンマ値γは表示パネル10によって変わる1.8〜2.6の間の定数でありうる。前記ER、EG、及びEBはそれぞれ赤色有機発光ダイオード、緑色有機発光ダイオード、及び青色有機発光ダイオードに含まれた物質の種類によって変わる効率係数でありうる。例えば、E
Rは1であり、E
Gは2であり、E
Bは4でありうる。前記R
γの値は赤色有機発光ダイオードを含む画素セルの個数aだけ足すことができ、前記G
γの値は緑色有機発光ダイオードを含む画素セルの個数bだけ足すことができ、B
γの値は青色有機発光ダイオードを含む画素セルの個数cだけ足すことができる。
【0054】
前記データ計算部162は変換電流値I
Cを計算することができる。前記変換電流値I
Cは第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bが第n−1番目のフレームのスケールファクターS
n−1によって変換された場合、第n番目のフレームで前記表示パネル100が消費する電流値でありうる。前記変換電流値I
Cは前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bに前記第n−1番目のフレームのスケールファクターS
n−1が乗算されて階調変換された値でありうる。例えば、前記変換電流値I
Cは数2のように計算できる。
【0056】
前記データ計算部162は前記変換電流値I
Cを前記データ比較部164に伝達することができる。
【0057】
S20では、前記変換電流値I
Cが計算された後、前記データ計算部162は可変因子Δを計算することができる。前記可変因子(variable factor)Δは変換電流値I
Cと基準電流値I
thとの差値を有することができる。例えば、前記可変因子Δは数3のように計算できる。
【0059】
前記基準電流値I
thは前記表示パネル100の最大消費電流値より小さい値に予め設定された値でありうる。前記基準電流値I
thは前記最大消費電流値の約20〜30%の値を有することができる。例えば、前記表示パネル100の最大消費電流値が30Aである場合、前記基準電流値I
thは6Aでありうる。
【0060】
前記データ比較部164は前記データ計算部162から伝送された前記変換電流値I
Cを、過電流防止電流値I
OP、上限及び下限基準電流値I
th.U、I
th.Lとそれぞれ比較し、スケールファクター決定信号Sdiを前記データ計算部162に送ることができる。
【0061】
S30では、前記データ比較部164は前記変換電流値I
Cと過電流防止電流値I
OPとを比較することができる。前記過電流防止電流値I
OPは前記表示パネル100に流れる電流量が前記過電流防止電流値I
OPを超過しないように予め設定された値でありうる。前記過電流防止電流値I
OPは前記基準電流値I
thより大きく、前記最大消費電流値より小さい値に設定できる。前記過電流防止電流値I
OPは最大消費電流値の約40%でありうる。例えば、前記最大消費電流値が30Aである場合、前記過電流防止電流値I
OPは12Aでありうる。
【0062】
前記変換電流値I
Cと前記過電流防止電流値I
OPとを比較し、前記変換電流値I
Cが前記過電流防止電流値I
OPより大きい場合、前記データ比較部164は前記データ計算部162に第1スケールファクター決定信号Sd1を伝達することができる。前記データ計算部162は前記第1スケールファクター決定信号Sd1に応答して第n番目のフレームのスケールファクターS
nを計算することができる。
【0063】
S35では、前記データ計算部162が前記第1スケールファクター決定信号Sd1に応答し、前記第n番目のフレームのスケールファクターS
nを前記表示パネル100で消費される原電流値Iが過電流防止電流値I
OPを超過しないように設定できる。したがって、前記スケールファクターS
nは数4の条件を満足するように設定できる。
【0065】
前記スケールファクターS
nは前記原電流値Iに反比例し、前記過電流防止電流値I
OPに比例する値を有することができる。前記スケールファクターS
nは数5のように計算できる。
【0067】
前記スケールファクターS
nは前記画素データ変換部154に伝達され、前記第nフレームの画素データ信号R、G、Bに乗算されて階調変換できる。前記階調変換された第nフレームの画素データ信号R1、G1、B1によって消費される最終電流値I
fは数6のように計算できる。
【0069】
前記数2のように、第n−1番目のフレームのスケールファクターS
n−1によって計算された変換電流値I
Cが過電流防止電流値I
OPを超過する場合、前記第n番目のフレームのスケールファクターS
nは前記第n番目のフレームで消費される前記最終電流値I
fが過電流防止電流値I
OPを超過しないように新しく設定できる。
【0070】
本発明の一実施形態によると、n番目のフレームで前記表示パネル100が消費する電流値が過電流防止電流値I
OPを超過しないことによって、前記表示パネル100に過電流が流れることを最小化することができる。これによって、表示パネル100に含まれた有機発光ダイオードに過電流が供給されることを最小化し、高信頼性及び低電力化に最適化され、且つ使用可能期間が増加した表示装置を提供することができる。
【0071】
S40では、前記変換電流値I
Cと前記過電流防止電流値I
OPとを比較して前記変換電流値I
Cが前記過電流防止電流値I
OPより小さい場合、前記データ比較部164は前記変換電流値I
Cが前記下限基準電流値I
th.L及び前記上限基準電流値I
th.Uの範囲内にあるか否かを比較することができる。前記下限基準電流値I
th.Lは前記基準電流値Ithより低く予め設定された値であり、前記上限基準電流値I
th.Uは前記基準電流値I
thより高く予め設定された値でありうる。例えば、前記下限基準電流値I
th.Lは前記基準電流値I
thより前記基準電流値I
thの1%小さいことがあり、前記上限基準電流値I
th.Uは前記基準電流値I
thより前記基準電流値I
thの1%大きいことがある。
【0072】
前記データ比較部164は前記変換電流値I
Cが前記下限基準電流値I
th.L及び前記上限基準電流値I
th.Uの範囲内にある場合、前記データ比較部164は前記データ計算部162に第2スケールファクター決定信号Sd2を伝達することができる。前記データ計算部162は前記第2スケールファクター決定信号Sd2に応答し、スケールファクターS
nを計算することができる。
【0073】
S45では、前記データ計算部162が前記第2スケールファクター決定信号Sd2に応答し、前記第n番目のフレームの前記スケールファクターS
nを前記第n−1番目のフレームのスケールファクターS
n−1と同一に設定できる。したがって、前記変換電流値I
Cが前記表示パネル100で用いられるすべての電流値に該当することができる。上述のように、前記変換電流値I
Cが前記下限及び上限基準電流値I
th.L、I
th.Uの間の値を有する程度に、前記基準電流値I
thと微細な差を有する場合、前記スケールファクターS
nは固定することができる。これによって、前記表示パネル100内に流れる電流量が微細に変動することを防止して、高信頼性の表示装置を提供することができる。
【0074】
もし、前記変換電流値I
Cが前記下限及び上限基準電流値I
th.L、I
th.Uの範囲内の値を有する程度に前記基準電流値I
thと微細な差があっても、前記スケールファクターS
nが変化する場合には、前記スケールファクターS
nが微細に変動(fluctuate)することができる。すなわち、前記変換電流値I
Cがノイズ(noise)などによって前記基準電流値I
thと微細な差が発生する場合も、前記スケールファクターS
nはフレームごとに変動でき、これによって、前記表示パネル100に流れる電流値が変動し、前記表示パネル100の動作が不安定になる恐れがある。
【0075】
しかし、上述のように、本発明の一実施形態によると、前記変換電流値I
Cが前記基準電流値I
thと微細な差があっても、前記下限及び上限基準電流値I
th.L、I
th.Uの間の値を有する場合、前記スケールファクターS
nが固定され、高信頼性の表示装置を提供することができる。
【0076】
前記変換電流値I
Cが前記下限基準電流値I
th.L及び前記上限基準電流値I
th.Uの範囲内にない場合、前記データ比較部164は前記データ計算部162に第3スケールファクター決定信号Sd3を伝達することができる。前記データ計算部162は前記第3スケールファクター決定信号Sd3に応答し、第n番目のフレームのスケールファクターS
nを計算することができる。
【0077】
S50では、前記データ計算部162が前記第3スケールファクター決定信号Sd3に応答し、前記第n番目のフレームのスケールファクターS
nを数7のように計算することができる。
【0079】
前記aは絶対値が1以下の予め設定された正の定数でありうる。前記Nは32〜1024のうちで予め設定された定数でありうる。前記a及び前記Nは前記スケールファクターが0と1との間の値を有するように設定できる。前記Nが
小さい値を有するほど、前記スケールファクターSnの変換量が大きく、したがって、フレームごとに前記表示パネル100で消費される電流値の差が大きくて、表示装置の信頼性及び性能が低下することができる。一方、前記Nが
大きい値を有するほど、前記スケールファクターSnの変換量が小さく、したがって、フレームごとに前記表示パネル100で消費される電流値の差が小さくて、表示パネル100で消費される電流値の制御が容易ではないこともある。前記Nは上述の事項を考慮して設定することができる。例えば、前記Nを256に設定できる。
【0080】
前記変換電流値I
Cが前記下限基準電流値I
th.Lより小さい場合、前記可変因子Δは負の値に計算できる。したがって、前記第n番目のフレームの前記スケールファクターS
nは前記第n−1番目のフレームのスケールファクターS
n−1より大きいことがある。一方、前記変換電流値I
Cが前記上限基準電流値I
th.Uより大きい場合、前記可変因子Δは正の値に計算できる。したがって、前記第n番目のフレームの前記スケールファクターS
nは前記第n−1番目のフレームのスケールファクターS
n−1より小さいことがある。
【0081】
前記第n番目のフレームのスケールファクターS
nは前記画素データ計算部164に伝達され、前記第n番目のフレームの画素データ信号R、G、Bにそれぞれ乗算されうる。
【0082】
図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置のシミュレーション結果を示す図である。
【0083】
図6を参照すると、X軸はフレームの数を示し、Y軸は最大消費電流値を示し、前記最大消費電流値を100と仮定した。図中に示す(a)は上述の本発明の一実施形態に係るスケールファクター生成部を含む表示装置のフレームによる表示パネルの消費電流値を測定したものを示し、過電流防止電流値I
OPは最大消費電流値の約40%で設定し、基準電流値I
thは前記最大消費電流値の25%で設定した。同じく図中に示す(b)は
図5を参照して説明した変換電流値I
Cと過電流防止電流値I
OPとを比較して第n番目のフレームのスケールファクターS
nを設定する段階が省略された場合、表示装置のフレームによる表示パネルの消費電流値を測定したものを示す。(a)の場合、表示パネルで消費される電流値が基準電流値I
thより一時的に高いことがあるが、過電流防止電流値I
OPを超過しない。一方、(b)の場合、基準電流値I
thを超過して一時的に過電流が表示パネルに流れるフレームが存在する。したがって、本発明の一実施形態によると、表示パネルに過電流防止電流値I
OPを超過する過電流が流れることを防止し、表示パネルの信頼性及び使用可能期間が増加することができる。
【0084】
図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置のシミュレーション結果を示す図である。
【0085】
図7を参照すると、X軸は時間sを示し、Y軸は表示パネルの消費電力を示す。図中に示す(c)及び(d)は上述の本発明の一実施形態に係るスケールファクター生成部を含む表示装置の時間による消費電力を測定したものである。(c)は過電流防止電流値I
OPを最大電流値の約40%で設定し、基準電流値I
thを最大電流値の約25%で設定した。(d)は過電流基準電流値I
OPを最大電流値の約40%で設定し、基準電流値I
thを最大電流値の約35%で設定した。(d)は上述の本発明の実施形態に係るスケールファクター生成部が含まれない表示装置の消費電力を測定したものである。上述の本発明の一実施形態に係るスケールファクター生成部を含む表示装置の消費電力は前記スケールファクター生成部を含まない表示装置の消費電力より低い。また。過電流防止電流値I
OPが同一である場合、基準電流値I
thの差によって表示パネルの消費電力を制御することができる。これによって、低電力化に最適化された表示装置を提供することができる。
【0086】
本発明はここで説明する実施形態に限定されず、他の形態に具体化することもできる。さらに、ここで紹介する実施形態は開示された内容が徹底且つ完全になれるように、そして当業者に本発明の思想を十分に伝達するために提供されるものである。
【0087】
ここに説明及び例示される各実施形態はそれの相補的な実施形態も含む。 本明細書で使われた用語「及び/または」は、これと関連して記載された項目のうち、1つまたはそれ以上の任意の組合わせまたはあらゆる組合わせを含み、“/”として縮約して記載されることもある。明細書の全体にかけて同じ参照番号は同じ構成要素を示す。