(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外障子の召合わせ框と内障子の召合わせ框の少なくとも一方は、見付方向または見込方向に変形した際に、前記第1部材と第2部材が向かい合わない位置までの変形に止める補強材が設けられてないことを特徴とする請求項1または2記載のサッシ。
前記内障子を構成する召合わせ框には、室外側壁部から見込方向に突出する基部と、該基部から見付方向に伸びる煙返し部とが形成され、前記外障子を構成する召合わせ框には、室内側壁部から見込方向に突出する基部と、該基部から見付方向に伸びる煙返し部とが形成され、前記内障子の煙返し部と前記外障子の煙返し部の各先端部に前記第1部材と第2部材が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサッシ。
前記内障子の召合わせ框と前記外障子の召合わせ框の一方にはクレセントが設けられ、前記内障子の召合わせ框と前記外障子の召合わせ框の他方にはクレセント受けが設けられ、前記第1部材と第2部材は、少なくとも前記クレセント及びクレセント受けから離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のサッシ。
前記内障子の召合わせ框と前記外障子の召合わせ框の一方には、対向する召合わせ框に対して当接する気密材が設けられ、該気密材は、設けられる前記内障子の召合わせ框または前記外障子の召合わせ框の外周端部よりも内周側寄りに配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のサッシ。
前記上框と下框には、前記上枠に形成される上レール部及び前記下枠に形成される下レール部にそれぞれ対向する振止部品が設けられ、該振止部品は、前記上框または下框が前記上枠または下枠の内周面に接近した際に、前記上レール部または下レール部を保持または室外側に押圧する引き寄せ部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のサッシ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
障子の操作性等の理由から、障子を軽い力で移動させることができるサッシが望まれている。障子の重量を低減するため、上下框や召合わせ框に補強部材を設けないようにすることが考えられる。しかし、火災発生時に高温に晒され熱膨張が発生することで伸びや反りが発生し、さらに内外温度差が顕著に発生することも重なって、内外障子間に隙間が生じることとなる。
【0009】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、補強材がなくても火災発生時における召合わせ框の反りを抑制し、内外障子間の隙間を発生させないようにすることのできるサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係るサッシは、上枠と下枠及び左右の縦枠を枠組みしてなる枠体に、上框と下框、縦框及び召合わせ框を框組みしてなる框体を有する内障子と外障子を納めてなるサッシにおいて、
前記内障子を構成する召合わせ框の室外側壁部には、見付方向に伸びる第1部材が設けられ、前記外障子を構成する召合わせ框の室内側壁部には、見付方向に伸びる第2部材が設けられ、
前記召合わせ框の見付方向において、前記第1部材は前記第2部材に対して前記外障子が開く方向に離れた位置に配置され、前記第2部材は前記第1部材に対して前記内障子が開く方向に離れた位置に配置され、
前記第1部材及び前記第2部材は、火災時に
前記上框及び下框が伸長することで前記召合わせ框が見付方向に
離れるように移動した
際に、当接長さに十分な裕度をもって召合わせ框の見込方向の反りを規制することを特徴として構成されている。
これにより、框体の框材が熱によって伸びた場合に、第1部材と第2部材とが近づいて見込方向に向かい合わせることができる。また、火災発生時にも召合わせ部に隙間を生じさせることがなく、防火性能を十分に確保することができる。
【0011】
また、本発明に係るサッシは、前記上框と下框及び召合わせ框の端部が前記枠体に接触した状態で、前記第1部材と第2部材とが向かい合うことを特徴として構成されている。これにより、召合わせ框が変形しようとした際に、第1部材と第2部材で規制することができる。
【0012】
さらに、本発明に係るサッシは、前記外障子の召合わせ框と内障子の召合わせ框の少なくとも一方は、見付方向または見込方向に変形した際に、前記第1部材と第2部材が向かい合わない位置までの変形に止める補強材が設けられてないことを特徴として構成されている。これにより、障子の重量を小さくすることができる。
【0013】
さらにまた、本発明に係るサッシは、前記内障子を構成する召合わせ框には、室外側壁部から見込方向に突出する基部と、該基部から見付方向に伸びる煙返し部とが形成され、前記外障子を構成する召合わせ框には、室内側壁部から見込方向に突出する基部と、該基部から見付方向に伸びる煙返し部とが形成され、前記内障子の煙返し部と前記外障子の煙返し部の各先端部に前記第1部材と第2部材が設けられることを特徴として構成されている。これにより、内外の召合わせ框が離れるように移動した場合にも、第1部材と第2部材が確実に対向するように配置される。
【0014】
そして、本発明に係るサッシは、前記第1部材と第2部材のいずれか一方は、他方の前記基部に形成される開口部を挿通されて見付方向に伸びることを特徴として構成されている。これにより、第1部材または第2部材が見付方向により長くなるように設計することができる。
【0015】
また、本発明に係るサッシは、前記内障子の召合わせ框と前記外障子の召合わせ框の一方にはクレセントが設けられ、前記内障子の召合わせ框と前記外障子の召合わせ框の他方にはクレセント受けが設けられ、前記第1部材と第2部材は、少なくとも前記クレセント及びクレセント受けから離れた位置に設けられていることを特徴として構成されている。これにより、内外障子の相対位置を固定するクレセントから遠いために変形しやすい部分を補強することができる。
【0016】
さらに、本発明に係るサッシは、前記内障子の召合わせ框と前記外障子の召合わせ框の一方には、対向する召合わせ框に対して当接する気密材が設けられ、該気密材は、設けられる前記内障子の召合わせ框または前記外障子の召合わせ框の外周端部よりも内周側寄りに配置されることを特徴として構成されている。これにより、気密材から障子の外周側端部までの距離をできるだけ大きくすることができる。
【0017】
さらにまた、本発明に係るサッシは、前記上框と下框には、前記上枠に形成される上レール部及び前記下枠に形成される下レール部にそれぞれ対向する振止部品が設けられ、該振止部品は、前記上框または下框が前記上枠または下枠の内周面に接近した際に、前記上レール部または下レール部を保持または室外側に押圧する引き寄せ部を有することを特徴として構成されている。これにより、上框や下框と枠体との間に隙間を発生させないようにすると共に、上框や下框が大きく変形することに伴って内外の召合わせ框がより大きく離れることを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る本発明のサッシによれば、框体の框材が熱によって伸びた場合に、第1部材と第2部材とが近づくので、内外障子の召合わせ框における見込方向の変形を抑制することができ、反りを効果的に防止することができる。
【0019】
また、請求項2に係る本発明のサッシによれば、召合わせ框が変形しようとした際に、第1部材と第2部材で規制ができ、召合わせ框の変形を抑制できるから、内外障子の召合わせ部における隙間の発生を防止することができる。
【0020】
また、請求項3に係る本発明のサッシによれば、障子の重量を小さくできるので、障子の開閉操作を容易にして、操作性を向上させることができる。
【0021】
さらにまた、請求項4に係る本発明のサッシによれば、内外の召合わせ框が離れるように移動した場合にも、第1部材と第2部材が確実に対向するので、召合わせ框の反りを抑制することができる。
【0022】
そして、請求項5に係る本発明のサッシによれば、第1部材または第2部材を見付方向により長くすることができ、框体の変形が大きい場合でも、より確実に隙間の発生を防止することができる。
【0023】
また、請求項6に係る本発明のサッシによれば、クレセントから遠いために変形しやすい部分を補強できるので、召合わせ框の全長に渡り反りを抑制し、内外障子の召合わせ部における隙間の発生を防止することができる。
【0024】
さらに、請求項7に係る本発明のサッシによれば、気密材から障子の外周側端部までの距離が大きくなるので、内外障子の召合わせ框が離れる方向に移動しても、気密材の当接状態を維持することができる。
【0025】
さらにまた、請求項8に係る本発明のサッシによれば、上下框の振止と共に、召合わせ框の大きな移動を防止できるので、サッシ全体として確実に隙間の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。
図1には本実施形態のサッシの縦断面図を、
図2には本実施形態のサッシの横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、本実施形態のサッシは、建物開口部に取付けられる枠体1内に、内障子2と外障子3を引き違い状に納めてなる引き違いサッシである。
【0028】
枠体1は、いずれもアルミなどの金属材からなる上枠10と下枠11及び左右の縦枠12、12を方形状に枠組みして構成されている。内障子2は、いずれも金属材からなる上框20と下框21、縦框22及び内召合わせ框23を方形状に框組みしてなる框体4内に、ガラス板からなるパネル体5を納めて構成されている。外障子3は、いずれも金属材からなる上框20と下框21、縦框22及び外召合わせ框24を方形状に框組みしてなる框体4内に、ガラス板からなるパネル体5を納めて構成されている。
【0029】
枠体1を構成する上枠10は、内周面10aの室内外端部からそれぞれ垂直方向に伸びる室内側面10bと室外側面10cを備え、これら室内側面10bと室外側面10cの間には、内障子2の上辺を長手方向に案内する内上レール部10dと、外障子3の上辺を長手方向に案内する外上レール部10eとが、それぞれ内周面10aから突出状に形成されている。
【0030】
枠体1を構成する下枠11は、内周面11aが室内外方向に段差を有するように形成されており、室内側が高く、室外側が低くなっている。この内周面11aのうち高い側の室内側には、内障子2の下辺を長手方向に案内する内レール部11bが、内周面11aのうち低い側の室外側には、外障子3の下辺を長手方向に案内する外レール部11cが、それぞれ突出状に形成されている。
【0031】
下枠11の室内側面には、内障子2を構成する下框21の室内側面と対向する内障子対向部11dが形成され、その先端部には気密材11fが設けられて、この気密材11fが内障子2の室内側面に当接することで、内障子2下辺の気密性を確保している。また、下枠11には、内レール部11bの下部から室外側に突出し外障子3を構成する下框21の室内側面と対向する外障子対向部11eが形成され、その先端部には気密材11fが設けられて、この気密材11fが外障子3の室内側面に当接することで、外障子3下辺の気密性を確保している。
【0032】
枠体1を構成する縦枠12は、内周面12aの室内外端部からそれぞれ垂直方向に伸びる室内側面12bと室外側面12cを備えている。縦枠12のうち、閉じた状態の内障子2が配置される側の内周面12aには、内障子2の外周面に向かって突出する中間フィン部12dが形成されている。また、室内側面12bを構成する面のうち内周面12aより見付方向内側に突出する部分は、内障子2を構成する縦框22の室内側面と対向する室内フィン部12fとなっている。室内フィン部12fの先端部には、気密材12gが設けられて内障子2の室内側面に当接し、内障子2縦辺の気密性を確保している。
【0033】
縦枠12のうち、閉じた状態の外障子3が配置される側の内周面12aには、外障子3の外周面に向かって突出する中間フィン部12dが形成されている。また、中間フィン部12dより室内側の内周面12aからは、外障子3を構成する縦框22の室内側面と対向する室内フィン部12fが突出しており、その先端部には気密材12gが設けられて外障子3の室内側面に当接し、外障子3縦辺の気密性を確保している。
【0034】
框体4を構成する上框20は、内周側にはパネル体5の端部を納めるパネル飲込部20aを有し、外周側には上枠10の内上レール部10dまたは外上レール部10eを飲み込んで案内されるレール案内部20bを有している。レール案内部20bは断面凹状となっており、その開口付近には室内外にそれぞれ気密材20cが設けられていて、これらが内上レール部10dまたは外上レール部10eに当接することで、内障子2及び外障子3上辺の気密性を確保している。
【0035】
框体4を構成する下框21は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部21aを有している。下框21の外周側、すなわち下端部には戸車21dが設けられており、戸車21dが下枠11の内レール部11bまたは外レール部11cに載置されることにより、内障子2や外障子3を移動自在としている。
【0036】
下框21の室内側面には、下端部が下方に延出された室内面延出部21bが形成されている。内障子2の室内面延出部21bは下枠11の内障子対向部11dと対向し、外障子3の室内面延出部21bは下枠11の外障子対向部11eと対向して、気密材11fに当接する。下框21の室外側面にも、下端部が下方に延出された室外面延出部21cが形成されている。室外面延出部21cは、内レール部11bまたは外レール部11cの上端より下方まで延出されており、風雨の室内側への吹き込みを防止している。
【0037】
框体4を構成する縦框22は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部22aを有している。縦框22の外周側には縦枠12の中間フィン部12dを飲み込む凹状のフィン飲込部22cが形成されている。フィン飲込部22cを構成する室内側面は、縦枠12の室内フィン部12fに設けられる気密材12gに対して当接し、これによって内障子2及び外障子3縦辺の気密性を確保している。
【0038】
縦框22のパネル飲込部22aには、長手方向中間位置の室内側部分に、樹脂製のピース状からなる縦引き寄せ部材25が設けられている。縦引き寄せ部材25は、内障子2または外障子3が閉じた状態で、パネル飲込部22aの室内側面と縦枠12の中間フィン部12dとに挟まれる形状を有しており、内障子2または外障子3を閉じた際に、縦框22が室内外方向に振れないようにすると共に、内障子2または外障子3を室内側に引き寄せて、縦框22が確実に縦枠12の気密材12gに当接するようにしている。
【0039】
内障子2の框体4を構成する内召合わせ框23は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部23aを有している。内召合わせ框23の室外側壁部23cには、断面略L字状に形成された煙返し部23dが形成されている。また、内召合わせ框23の室外側壁部23cには、気密材23eが設けられていて、外召合わせ框24に対して当接している。
【0040】
外障子3の框体4を構成する外召合わせ框24は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部24aを有している。外召合わせ框24の室内側壁部24bには、断面略L字状に形成された煙返し部24dが形成されている。内召合わせ框23の煙返し部23dと外召合わせ框24の煙返し部24dは、内障子2と外障子3が閉じた状態において互いに近接し、これによって内障子2と外障子3の召合わせ部分における隙間が塞がれ、さらに、内召合わせ框23の気密材23eが外召合わせ框24の室内側壁部24bに当接することによって、召合わせ辺の気密性を確保している。
【0041】
また、内召合わせ框23の外周側面には、クレセント6が設けられ、外召合わせ框24の内周側面には、受け金具7が設けられ、内障子2と外障子3が閉じた状態で、クレセント6を操作して受け金具7に係止させることで、内障子2と外障子3が開かないようにロックすることができる。
【0042】
図3には、
図2のうち内障子2と外障子3の召合わせ部分拡大図を示している。内召合わせ框23の煙返し部23dは、内召合わせ框23の室外側壁部23cから見込方向に突出する基部23fの室外側先端から内障子2の見付方向内側に向かって伸びるように形成されている。外召合わせ框24の煙返し部24dは、外召合わせ框24の室内側壁部24bから室内側に向かって突出する基部24fの室内側先端から外障子3の見付方向内側に向かって伸びるように形成されている。
【0043】
内召合わせ框23の煙返し部23dと外召合わせ框24の煙返し部24dは、内障子2と外障子3が閉じた状態で互いに近接しあっている。なお、煙返し部23d、24dは互いに当接していてもよい。内召合わせ框23の煙返し部23dは、近接する側の面が、基部23f側から先端側に向かって室内側から室外側に向かう傾斜面状となっており、外召合わせ框24の煙返し部24dは、近接する側の面が、基部24f側から先端側に向かって室外側から室内側に向かう傾斜面状となっていて、内障子2と外障子3を閉じた際に、煙返し部同士が確実に近接するようになっている。火災が発生してサッシが高温に晒された際には、煙返し部23d、24dは互いに当接しあう。ただし、この場合に互いに近接するものであってもよい。
【0044】
内障子2の煙返し部23dは、先端部が延長された第1部材23gを有し、外障子3の煙返し部24dは、先端部が延長された第2部材24gを有している。第1部材23gは、内召合わせ框23及び外召合わせ框24の見付方向において、第2部材24gに対して外障子3が開く方向に離れた位置に配置されている。また、第2部材24gは、内召合わせ框23及び外召合わせ框24の見付方向において、第1部材23gに対して内障子2が開く方向に離れた位置に配置されている。すなわち、両者は見付方向において互い違いとなっていて、互いに向かい合っていない状態となっている。
【0045】
図2において、サッシの開口幅Wは、左右の縦枠12、12における内周側端部間の距離であり、このサッシの開口幅Wに対する、煙返し部23d、24dが当接あるいは近接し合う長さXの比率は、一定以上の長寸状となるように設定されている。その比率の算出方法については後で詳述する。
【0046】
図4には、火災が発生してサッシが高温に晒された際の内障子2と外障子3の召合わせ部分拡大図を示している。火災が発生してサッシが高温に晒されると、框体4を構成する各框材には熱膨張が生じ、内召合わせ框23と外召合わせ框24は長手方向に伸びると共に、上框20及び下框21の長手方向への伸びに引っ張られる。一方で、召合わせ部分の上下中央部には、前述のようにクレセント6が設けられていて、内召合わせ框23と外召合わせ框24とが固定されている。このため、内召合わせ框23は、見付方向においては、上下端部側がそれぞれ内障子2が配置される側の縦枠12から離れる方向に移動し、上下中央部はほぼ元の位置を維持するので、内障子2が配置される側の縦枠12に向かって凸状となるように屈曲変形する。また、外召合わせ框24は、見付方向においては、上下端部側がそれぞれ外障子3が配置される側の縦枠12から離れる方向に移動し、上下中央部はほぼ元の位置を維持するので、外障子3が配置される側の縦枠12に向かって凸状となるように屈曲変形する。
図4は、見付方向の変形量が大きい内召合わせ框23及び外召合わせ框24の端部付近の断面図であり、内障子2は図中左方向に、外障子3は図中右方向に、それぞれ移動しようとする。
【0047】
また、火災の際には、サッシの室内側または室外側の一方が高温に晒されるため、框体4の室内側面と室外側面には、大きな温度差が生じる。サッシの室外側が高温に晒された場合は、框体4の室外側面の温度が高く、室内側面の温度が室外側面よりも低くなるので、内召合わせ框23と外召合わせ框24は、見込方向において、いずれも室外側に向かって凸状となるように屈曲変形する。
【0048】
さらに、内召合わせ框23と外召合わせ框24の間でも、大きな温度差が生じる。サッシの室外側が高温に晒された場合には、外召合わせ框24が見込方向により大きく変形し、内召合わせ框23は外召合わせ框24よりも小さく変形する。このため、内召合わせ框23の室外側壁23cと外召合わせ框24の室内側壁24bは、見込方向においていずれも室外側に移動しようとするが、外召合わせ框24の方が内召合わせ框23よりも室外側に大きく移動しようとするので、内召合わせ框23と外召合わせ框24は、相対的には室内外に離れる方向へ移動しようとすることとなる。
【0049】
内召合わせ框23と外召合わせ框24は、これら見付方向及び見込方向への移動によって、
図4に示す太い矢印の方向に向かい、結果的に互いに離れる方向に移動する。なお、サッシの室内側が高温に晒された場合には、見込方向における移動方向が逆になり、また、内召合わせ框23の方が、外召合わせ框24よりも大きく変形することとなるが、内召合わせ框23と外召合わせ框24が見付方向及び見込方向においてそれぞれ互いに離れるように移動する点では同様である。
【0050】
内障子2の煙返し部23dと外障子3の煙返し部24dは、それぞれ内召合わせ框23と外召合わせ框24の見込方向の変形に伴って、共に室外側に向かって凸状となるように屈曲変形する。内障子2の第1部材23gは、見込方向の変形量が小さく、外障子3の第2部材24gは、内障子2の室外側壁23cと内障子2の第1部材23gに囲まれた空間内に拘束されるから、第2部材24gは、当該空間内で座屈変形するに止まり、第1部材23gと第2部材24gは、見付方向において外れなければ、見込方向に大きく離れることはない。
【0051】
このような、内召合わせ框23及び外召合わせ框24の変形により、煙返し部23d、24dにそれぞれ形成された第1部材23gと第2部材24gは、見付面内の移動により、互いに近づく。このため、上框20や下框21及び内召合わせ框23、外召合わせ框24の端部が枠体1に接触するまで熱膨張した状態において、
図4に示すように、第1部材23gと第2部材24gは互いに向かい合う状態となり、召合わせ部分における隙間の発生が防止される。
図4で互いに対向した部分が、それぞれ第1部材23gと第2部材24gであり、ここで隙間が発生しないように、煙返し部23d、24dの当接あるいは近接し合う長さXが設定されているから、火災発生時にも召合わせ部に隙間を生じさせることがなく、防火性能を十分に確保することができる。
【0052】
また、第1部材23gと第2部材24gは、少なくともクレセント6から離れた位置に設けられていることが必要であるが、本実施形態では、煙返し部23d、24dの全長に渡って第1部材23gと第2部材24gが形成されており、より確実に隙間の発生を防止することができる。さらには、第1部材23gと第2部材24gが煙返し部23d、24dの全長に渡り形成されているので、クレセント6を有しないサッシであっても、確実に隙間の発生を防止することができる。
【0053】
図3に示すように、内召合わせ框23の室外側壁部23cに設けられる気密材23eは、煙返し部23dに隣接する位置に配置されると共に、内障子2と外障子3が閉じた状態で、外召合わせ框24の室内側壁部24bに対して当接している。すなわち、気密材23eは、内召合わせ框23の見付方向外側端部よりも内周面側寄りとなるように配置されている。
【0054】
気密材23eが当接する外召合わせ框24の室内側壁部24bは、気密材23eに当接される当接面部24hと、見付方向内側端部位置から当接面部24hまでを構成する内周面部24iとを有し、内周面部24iの方が当接面部24hよりも室外側寄りとなるように、両者が段差状に形成されている。
【0055】
図4に示すように、火災が発生して煙返し部23d、24dが離れるように内召合わせ框23と外召合わせ框24が移動したとき、気密材23eが内召合わせ框23の見付方向外側端部よりも内側寄りに配置されていることにより、気密材23eの外召合わせ框24に対する当接状態が維持され、隙間を生じないようにすることができる。本実施形態では、火災発生時にサッシが高温に晒された際に、煙返し部23d、24dが当接した状態を維持することと、気密材23eの当接状態を維持することとが相俟って、内召合わせ框23と外召合わせ框24の間に隙間を生じさせないので、防火性能を十分に確保することができる。
【0056】
また、気密材23eは、高温に晒されても、燃焼せずに形状を保持できる材料によって形成されており、これによって、火災発生時においてより確実に隙間の発生を防止することができる。
【0057】
このように、本実施形態のサッシでは、火災発生時に高温に晒されても、煙返し部23d、24dと気密材23eによって召合わせ部に隙間を生じさせないようにすることができるので、框材に補強材を設けたり、あるいは加熱発泡材を設けたりする必要がなく、十分な防火性能を確保しつつコストダウンを図ることができる。ここでの補強材とは、内召合わせ框23または外召合わせ框24が見付方向または見込方向に変形した際に、第1部材23gと第2部材24gが互いに向かい合わない位置までの変形に止めるものをいう。
【0058】
本実施形態では、気密材23eを内召合わせ框23の見付方向外側端部よりも内周面側寄りに配置したことにより、前述のように火災発生時にも当接状態を維持するようにしている一方、通常時においては、内障子2と外障子3を開閉する際に、気密材23eの外召合わせ框24に対する当接による摩擦力が抵抗となり、そのままでは開閉のために必要な力が大きくなってしまうという問題が生じる。これに対し、外召合わせ框24の室内側壁部24bは、内周面部24iの方が当接面部24hよりも室外側寄りとなる段差状に形成されているので、内障子2と外障子3を開閉する際に気密材23eが当接する内周面部24iに対する気密材23eの押圧力を小さくし、摩擦力を小さくすることができる。すなわち、通常時において気密材23eによって開閉に必要な力が増大する問題を緩和することができる。
【0059】
框体4においては、上框20及び下框21が大きく湾曲することで、内召合わせ框23や外召合わせ框24がより大きく引っ張られて、召合わせ部における隙間を生じてしまう可能性もあるから、上框20及び下框21についても、振止の対策をなすことが必要となる。
【0060】
図1に示すように、上框20のレール案内部20bには、上振止部品25が設けられている。上振止部品25は、上框20に対して固着される基部25aと、基部25aから上方に向かって伸びる室内立ち上がり部25bと室外立ち上がり部25cとを有して構成されている。基部31から伸びる室内立ち上がり部25bと室外立ち上がり部25cは、長手方向で異なる位置に形成されている。また、室内立ち上がり部25bと室外立ち上がり部25cは、それぞれ立ち上がり位置側が傾斜状となっており、側面視における両者の間隔は、立ち上がり位置側、すなわち奥側に向かって狭くなるように形成されている。通常時において上振止部品25は、上枠10の内上レール部10dの飲み込み深さが小さいため、これと接することはなく、障子の開閉に支障がないようにされている。
【0061】
図5には、火災発生時の状態における上枠10と上框20の位置関係を表した拡大縦断面図を示している。この図に示すように、サッシが高温に晒されて上框20が上枠10の内周面10aに近づくと、上枠10の内上レール部10dを上振止部品25が深く飲み込み、内上レール部10dの先端付近は、上振止部品25の室内立ち上がり部25bと室外立ち上がり部25cによって形成される幅の狭い部分に配置される。これにより、上框20が室内外方向に振れることを防止することができる。上振止部品25は、上框20の長手方向において任意の位置に設けることができる。
【0062】
図1に示すように、下框21の下面部には、下振止部品26が設けられている。下振止部品26は、下框21に対して固着される基部26aと、基部26aから下方に向かって伸びる垂下部26bとを有している。垂下部26bは、上下方向中間部に段差部26cを有し、段差部26c下方の部分が、段差部26c上方の部分よりも室内側寄りとなるように形成されている。通常時において下振止部品26は、下枠11の内レール部11bや外レール部11cには接触しないように配置されており、障子の開閉に支障がないようにされている。
【0063】
図6には、火災発生時の状態における下枠11と下框21の位置関係を表した拡大縦断面図を示している。この図に示すように、サッシが高温に晒されて下框21が下枠11の内周面11aに近づくと、下振止部品26の段差部26cが、内レール部11bまたは外レール部11cの上端部に当接する。垂下部26bは、段差部26cより上方部分が室外側寄りとなるように形成されているから、垂下部26bは内レール部11bまたは外レール部11cを室外側に押圧し、これに対する反力で下框21は室内側に引き寄せられる。これによって、下框21が室内外方向に振れることを防止することができる。下振止部品26は、下框21の長手方向において戸車21dと干渉しない任意の位置に設けることができる。
【0064】
このように、上框20に上振止部品25を、下框21に下振止部品26を、それぞれ設けたことで、火災発生時に上框20や下框21が大きく湾曲することを防止でき、それに伴い、内召合わせ框23や外召合わせ框24の反りも抑制することができるので、召合わせ部における隙間発生をより確実に防止することができる。
【0065】
次に、サッシの開口幅Wに対する煙返し部23d、24dが当接あるいは近接し合う長さXの比率の算出方法について説明する。本発明において、防火性能の基準となるのは、建築基準法第2条第7号の規定に基づく性能評価試験を行って、耐火構造として認定される水準である。具体的には、財団法人日本建築総合試験所の防耐火性能試験・評価業務方法書に定められた性能評価試験に合格することが必要である。この性能評価試験の条件において、内召合わせ框23と外召合わせ框24が離れる方向に最大限移動した場合でも、煙返し部23d、24dの当接状態が維持されるように、長さXの比率を定める。
【0066】
性能評価試験では、サッシの室内外一方を、下記(1)式で表される時間m(分)に対応する温度T(m)(℃)となる炉内に20分間晒し、その間に火炎の貫通のないことが求められる。なお、防火性能は、性能評価試験中においてガラス板であるパネル体5が割れないことを前提としている。
T(m)=345×log
10(8m+1)+20 ・・・(1)
【0067】
この条件にサッシを実際に晒した場合の、下框21における温度変化を表1に示す。なお、試験中に下框21の室内外面でそれぞれ計測した温度を平均して、下框21における温度としている。
【0069】
この実験結果から、上框20及び下框21の常温との温度差が559℃となったときの、上框20及び下框21の熱伸び量から想定される内召合わせ框23及び外召合わせ框24の水平方向移動量よりも、煙返し部23d、24dの当接あるいは近接長さXが大きければ、煙返し部23d、24dにおいて当接状態が維持され、隙間を生じないようにすることができると言える。
【0070】
図2に示されているように、縦框22は、縦枠12の内周面との間に隙間を有しており、この隙間の幅n1(mm)の分だけ、上框20及び下框21が横方向に変形可能である。また、上框20と下框21は、端面がシーラー材を介して縦框22に連結されているが、火災の際にはシーラー材は溶融してしまうので、シーラー材の厚みn2(mm)の分も、横方向に変形可能となる。なお、
図2では外障子3についてのみ、n1とn2を示しているが、内障子2についても同様である。よって、上框20及び下框21の横方向逃げ寸法n(mm)は、n1+n2で求められる。本実施形態では、隙間の幅n1は3(mm)であり、シーラー材の厚みn2は1(mm)である。よって、nは4(mm)となる。
【0071】
上框20と下框21単体での横方向への熱伸び量は、これらを構成するアルミ材の線膨張係数をα(1/℃)、上框20及び下框21の長さをL(mm)、上框20及び下框21の常温との温度差をΔtとすると、α×Δt×Lで表される。
【0072】
枠体1に納められた框体4を構成する上框20及び下框21は、縦框22や召合わせ框23、24に両端が拘束され、また、縦枠12の内周面12aにも突き当たるから、無制限に横方向へ熱伸びするわけではなく、反りや撓みなどの変形も生じる。このため、上框20及び下框21の伸び量は、実際にはα×Δt×Lで表される値よりも小さくなる。そこで、この値に実際のサッシを用いて試験した結果得られた低減率Zを乗じることにより、上框20及び下框21の実際に想定される横方向への伸び量が算出される。本実施形態のサッシでは、低減率Zは0.8であった。
【0073】
煙返し部23d、24dでの当接あるいは近接長さXの最低限必要な長さは、内障子2と外障子3の各上框20及び下框21の実際に想定される横方向への伸び量から、上框20及び下框21の横方向逃げ寸法nを減じることで、求められる。すなわち、下記(2)式で表される。
X=α×Δt×L×Z×2−n×2 ・・・(2)
【0074】
本実施形態のサッシにおいて、アルミ材の線膨張係数αは23×10
ー6(1/℃)であり、上框20及び下框21の常温との温度差をΔtは前述の通り559℃、開口幅Wが1800(mm)のサッシにおける上框20及び下框21の長さは868(mm)、低減率Zは前述の通り0.8、上框20及び下框21の横方向逃げ寸法nは4(mm)であるから、これらを(2)式に適用すると、Xは10(mm)となる。よって、煙返し部23d、24dの互いに当接あるいは近接し合う長さは、10(mm)以上とすればよい。Xが10(mm)のとき、Xのサッシの開口幅Wに対する比率は、0.56%であるから、比率としてはこれ以上であればよい。
【0075】
ここで求めたXは、火災発生時に想定される最低限の当接あるいは近接し合う長さであるから、実際のサッシに対しこれを設定するに際しては、裕度を持たせておくことが好ましい。例えば、Xを15(mm)程度に設定することで、より確実に煙返し部23d、24dの当接状態を維持することができる。
【0076】
なお、気密材23eの配置に関しても、外障子3の内周側端部からの距離を、X以上と設定することで、内召合わせ框23と外召合わせ框24が移動しても、確実に当接状態を維持することができる。
【0077】
第1部材23gと第2部材24gの態様としては、これまで説明したものには限られない。
図7には、第2の形態の煙返し部を有するサッシの召合わせ部分拡大図を示している。この図において、内召合わせ框23と外召合わせ框24の構成は、煙返し部23d、24d以外は
図3と同じであるので、説明を省略する。
【0078】
図7において、内障子2の煙返し部23dと外障子3の煙返し部24dは、
図3のものに比べて見付方向に短く形成されている。内障子2の煙返し部23dは、長手方向の一部が切り欠かれており、内障子2の室外側壁部23cには、煙返し部23dが切り欠かれた部分に先端構成部材23hが固定されている。先端構成部材23hは、室外側壁部23cから見込方向に突出する部分が、煙返し部23dと略同じ形状を有しており、内障子2の煙返し部の一部を構成すると共に、煙返し部23dの先端よりも見付方向にさらに突出する第1部材23gを有している。
【0079】
外障子3の煙返し部24dは、
図3のように見付方向に延長されていないが、
図7では全体が第2部材24gを構成している。また、外障子3の基部24fには、内障子2の煙返し部23dの切欠部分に対応して、開口部24iが形成されている。先端構成部材23hの第1部材23gは、開口部24iを挿通されている。
【0080】
図8には、
図7の内外召合わせ框が離れる方向に移動した場合のサッシの召合わせ部分拡大図を示している。サッシが高温に晒されて内召合わせ框23と外召合わせ框24が離れる方向に移動すると、外障子3の基部24fに形成された開口部24iに挿通されている第1部材23gが、第2部材24gに近づき、内召合わせ框23と外召合わせ框24が最大限移動した状態において、第1部材23gと第2部材24gが互いに向かい合い、隙間の発生を防止する。
【0081】
このように、第1部材23gを見付方向に延長し、外障子3の基部24fに形成された開口部24iを挿通させることによっても、第1部材23gと第2部材24gによる隙間発生防止をなすことができる。前述のように、内召合わせ框23と外召合わせ框24の変形は、クレセント6から離れた位置で大きく生じるから、少なくとも内召合わせ框23の上下端部付近に先端構成部材23hが設けられる。なお、第2部材24g側に先端構成部材を設けて延長し、内障子2の基部23fに開口部を形成して第2部材24gを挿通させるようにしてもよい。
【0082】
図9には、第3の形態の煙返し部を有するサッシの召合わせ部分拡大図を示している。この図においても、内召合わせ框23と外召合わせ框24の構成は、煙返し部23d、24d以外は
図3と同じであるので、説明を省略する。
【0083】
内障子2の煙返し部23dには、先端部に室内側に向かって突出する突起部23iが形成されている。外障子3の煙返し部24dには、先端部に室外側に向かって突出する突起部24kが形成されている。これらの突起部23i、24kは、通常時には内召合わせ框23と外召合わせ框24の見付方向において離れて配置されている。
【0084】
図10には、
図9の内外召合わせ框が離れる方向に移動した場合のサッシの召合わせ部分拡大図を示している。サッシが高温に晒されて内召合わせ框23と外召合わせ框24が離れる方向に移動すると、内障子2の煙返し部23dに形成された突起部23iと、外障子3の煙返し部24dに形成された突起部24kとが近づき、内召合わせ框23と外召合わせ框24が最大限移動した状態において、突起部23i、24k同士が当接し合った状態となる。これにより、煙返し部23d、24dがそれ以上離れないようにすることができ、隙間の発生を防止することができる。
【0085】
図9、
図10においては、内障子2の煙返し部23dと外障子3の煙返し部23dの両方にそれぞれ突起部23i、24kが形成されているが、内障子2の煙返し部23dか外障子3の煙返し部24dのいずれか一方に突起部が形成される構成であってもよい。この場合には、内外召合わせ框が離れる方向に移動した際に、突起部が対向する煙返し部に当接し、摩擦力により煙返し部23d、24dがそれ以上離れないようにして、隙間の発生を防止することができる。この構成において、突起部あるいは対向する煙返し部の表面に細かい凹凸を形成しておくことにより、摩擦力を大きくして、より確実に隙間の発生を防止することができる。
【0086】
煙返し部の形状として、別の形態を採ることもできる。
図11には、第4の形態の煙返し部を有するサッシの召合わせ部分拡大図を示している。本形態では、内召合わせ框23の室外側壁23cが、内周側が室内側寄りで外周側が室外側寄りとなる段差状となっており、外周側の面が内周側に延出されることで煙返し部23dが形成されている。また、外召合わせ框24の室内側壁24bが、内周側が室外側寄りで外周側が室内側寄りとなる段差状となっており、外周側の面が内周側に延出されることで煙返し部24dが形成されている。
【0087】
このように、内召合わせ框23と外召合わせ框24の互いに対向する面を段差状として煙返し部を延出状に形成することもでき、内召合わせ框23と外召合わせ框24の互いに対向する面から突出する基部を形成したものと同様に、煙返し部が近接し合うように構成することができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。本実施形態では、召合わせ部分において隙間を発生させないための構成として、第1部材23g、第2部材24gの他に、気密材23eや上振止部品25及び下振止部品26を設けたが、少なくとも第1部材23g及び第2部材24gがあればよく、気密材23eと上振止部品25及び下振止部品26については、本発明における任意の構成である。