【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による容器を殺菌するための設備は、複数の殺菌ユニットが配置された可動なキャリアを含み、殺菌ユニットの各々は、放射線の発生源又は放射線放射装置及び/又は電荷担体の供給源と、容器の内部空間へ口を通って挿入することができるように設計された棒状体とを備えている。さらに、電荷担体を出すことができる出口窓が、棒状体に備えられている。さらに、容器を保持する複数の保持ユニットが備えられ、該保持ユニットが棒状体の長手方向において棒状体に対して可動である。
【0006】
本発明によれば、該設備は、特定の運転モードにおいて棒状体が少なくとも一部を保護体の内側に位置されるようにする保護装置を含む。
【0007】
以下で、本発明は、電荷担体放射体、特に電子放射体に関して説明されている。そのような電荷担体放射体がきわめて繊細であるため、本発明は、この目的にも特に有利である。しかしながら、本発明が、例えば、特に容器に挿入され得るUVランプ、X線放射体、又は放射線放射体等のさまざまな放射線放射装置にも適用され得ることに、注意すべきである。
【0008】
したがって、少なくとも1つの設備のモードにおいて、特に棒状体だけでなく、例えば出口窓を保護する特別な保護の対策をとることが提案される。したがって、特に、システムの洗浄及び殺菌工程の間に、ビームフィンガの保護が備えられるべきである。したがって、これらの工程の間に、例えば、保護される棒状体を覆うように、対応する容器を移動又は横断することが提案される。
【0009】
モードは、特に設備の運転モードを意味するものと理解されるが、この構成のモードの間に容器が殺菌される必要はない。例えば、システムの修理又はそれの洗浄も、そのようなモードであると理解することができる。しかしながら、これは、好ましくは、例えば保持ユニットの昇降移動を行うことができる駆動部等の、設備の少なくとも1つの駆動部を駆動させることができるモードである。また、設備の部品の組立及び分解工程は、そのようなモードで実行されることができるが、システム全体の組立、即ち、(初期の)設置は、特に本発明に関する運転モードとは見なされない。
【0010】
上述のように、棒状体は、保持装置に対して、又はこれらの保持装置に保持された容器に対して移動されてもよい。これに関連して、保持装置を容器の長手方向に可動にすることが可能であるが、棒状体自身を移動させることも可能であり、そして、棒状体及び保持装置の両方を移動させることも可能である。電荷担体は、特に電子である。
【0011】
さらに好ましい方法においては、全ての棒状体は、前記モードにおいて保護体の中にそれぞれ移動される。好ましくは、保護体は、少なくとも出口窓を完全に囲み、特に好ましくは、棒状体の底部に面して又は端部に面して停止される。
【0012】
しかしながら、保護体にとって、棒状体の大部分、好ましくは、棒状体の全体をそれの周方向において囲むことも可能であり且つ好ましい。好ましくは、保護体は、棒状体を、それの長さの少なくとも30%を超えるように、好ましくはそれの長さの少なくとも50%を超えるように、好ましくはそれの長さの少なくとも70%を越えるように、特に好ましくはそれの長さの少なくとも90%を越えるように、囲む。
【0013】
さらに好ましい実施形態においては、棒状体は、キャリア上に備えられる。用語「保護手段」は、以下では、保護体及び保護体の移動機構を含むユニット全体を意味すると理解される。好ましくは、正確に1つの保護体、例えば保護カバーは、前記モードにおいて各々の棒状体に備えられる。好ましくは、ひとたび棒状体が保護体の中に移動されると、棒状体の対称軸が保護体の対称軸に一致する。
【0014】
このモードにおいて、それらの棒状体は、特に、保護体を提供され、又はそれらの中にそれぞれ移動され、前記モードにおいて、運転の間に容器が存在しない位置にいる。そのような位置は、例えば、殺菌設備の出口スターホイールと入口スターホイールとの間の位置であってもよい。
【0015】
さらに好ましい実施形態においては、保護手段は、保護体を棒状体の長手方向に移動させるための移動機構であって、前記特定モードにおいて棒状体が少なくとも一部を保護体の中に挿入されるようにする移動機構を含む。好ましくは、上述のように、全ての棒状体は、部分的で好ましくは同じ方法で、保護体の中にそれぞれ挿入されている。これは、やはり、保護体を容器の長手方向に移動させる、例えば棒状体を覆うようにそれらを押す移動機構であってもよい。しかしながら、移動機構が、棒状体それら自身を移動すること、又は各々それ自身を保護体の中へ移動することも考えられる。
【0016】
さらに好ましい実施形態においては、キャリアは、回転可能なキャリアである。したがって、この実施形態においては、設備は、回転機械である。
【0017】
さらに好ましい実施形態においては、保護体は、前記特定の運転モードにおいて、棒状体に対して非接触の態様で配置されている。この方法において、棒状体を保護体の中へ挿入する工程の間に、棒状体の損傷が回避されることを達成することができる。
【0018】
さらに好ましい実施形態においては、設備は、設備を洗浄するための洗浄ユニットを含む。ここで、この洗浄ユニットは、例えば洗浄媒体を設備又は設備の部品に当てる複数のジェットノズルを含むことができる。したがって、例えば、固定された洗浄ノズルは、備えられていてもよく、個々の洗浄ユニット又は殺菌ユニットは、洗浄するためにこれらのノズルに対して移動してもよい。
【0019】
以上の他に、さらに設備は、設備自身を殺菌のための殺菌ユニットを含んでもよい。ここで、殺菌工程も、洗浄媒体により実行されることができるが、殺菌工程にとって、やはりUV照射又は電子線照射等の照射により実行されることも考えられる。
【0020】
さらに好ましい実施形態においては、各々の殺菌ユニットは、把持要素を棒状体に対して移動する、及び/又は保護体を棒状体に対して棒状体の長手方向に移動する少なくとも1つの電気モータ駆動ユニットを有する。先行技術においては、カムローラ又は固定されたそれぞれのカムは、通常、そのようなビームフィンガを移動するために使用される。
【0021】
しかしながら、本発明による設備の場合には、例えば洗浄工程の間に、特にキャリアの回転位置とは無関係に、いくつかの、好ましくは全てのビームフィンガをそれらの保護体の中へ挿入することが望まれる。したがって、この場合には、全ての保護体の統一された移動又は配置は、この洗浄モードにおいて有利である。したがって、ビームフィンガに対する個々の保護体の移動を互いに切り離すことが提案される。換言すると、電気モータ駆動部(例えば、リニアモータ及び/又はサーボモータ)は、特に棒状体に対する個々の把持要素又はそれぞれの保護体の独立した移動となるようにする。しかしながら、空気式及び/又は油圧式の駆動部も、駆動部としての使用について考慮することができる。
【0022】
さらに好ましい実施形態においては、保護装置は、殺菌される容器が保護体として機能するようにされている。この実施形態においては、追加の保護体が存在せず、運転の間に殺菌される容器が同時に保護体としても機能するようにされている。これらの容器は、棒状体がいずれにせよそれらの中へ移動させなければならないため、比較的適している。この目的のため、例えば洗浄モードにおいて、容器、即ち、瓶又はプリフォームを棒状体又はビームフィンガを覆うように移動することが可能である。好ましくは、このときの間に、放射線の放射又は電荷担体の放射は、中断される。
【0023】
さらに好ましい実施形態においては、設備は、棒状体に対して保護体を固定する又はそれぞれ殺菌するために、少なくとも1つの安定ユニットを含む。したがって、例えば、容器が止まる止め具が備えられてもよい。この方法においては、保護体に対するある程度の激しい衝撃がビームフィンガに損傷を生じないようにすることができる。
【0024】
しかしながら、容器を例えば下方から安定させる保持体を備えることも、可能である。
【0025】
さらに本発明は、容器、特に、プラスチック容器を殺菌するための設備を運転する方法に関する。ここで、殺菌される容器は、それぞれ可動なキャリアにより保持されて所定の経路に沿って搬送される。ここで、キャリア上に配置された複数の殺菌ユニットが備えられることができ、各々の殺菌ユニットは、これらの容器の中へ口を通って挿入され且つ電荷担体及び/又は放射線を容器の内壁に当てる棒状体を備えている。このプロセスにおいて、これらの電荷担体及び/又は放射線は、棒状体の出口窓を通って放出され、棒状体を容器の中へ挿入するために、棒状体に対する容器の相対移動は、棒状体の長手方向に生じる。
【0026】
本発明によれば、設備のさらなるモードにおいて、棒状体は、それぞれ当該体の少なくとも一部を囲む保護体の中に挿入され、この挿入も、棒状体の長手方向における保護体と棒状体との間の相対移動により実行される。
【0027】
上述のように、放射は、電荷担体の放射であってもよく、例えばUV放射等の他の種類の放射であってもよい。UV放射の場合には、出口窓は、電子放射体の場合よりもかなり大きくなるように選択されることができ、例えばUV光源を完全に囲むことができる。
【0028】
棒状体の保護体の中へのこの挿入は、特に洗浄工程を実行するために行われる。ここでは、好ましくは、棒状体は、殺菌される容器の中へ移動される。しかしながら、例えば追加の保護カバー等の追加の物体を備えることも、可能である。
【0029】
さらに好ましい方法においては、全ての棒状体は、例えば洗浄モードであってもよい前記モードの間に、実質的に同じ距離だけ保護体の中へ移動される。これは、この場合において、運転の間に、例えば周方向におけるキャリアの出口スターホイールとキャリアの入口スターホイールとの間等の、保護体が存在しない位置にも備えられることを意味する。
【0030】
したがって、好ましくは、各々の殺菌ユニットは、保護体を備える。
【0031】
好ましくは、方法の一工程において、設備は、保護体を備えており、特に好ましくは、各々の殺菌ユニットは、保護体を備える。しかしながら、これは、特に自動的に実行される。最初に洗浄工程に先立って各々の殺菌ユニットに容器を備え、それぞれのビームフィンガ又はそれぞれの棒状体をこの容器の中へ挿入することも、可能である。
【0032】
好ましい方法においては、2つの連続した洗浄及び/又は殺菌工程が、前記モードにおいて実行される。
【0033】
1つの工程は、以下のように実行されることができる。製造工程の完了後に、各々の棒状体が、好ましくはそれぞれのリフト機構によって保護体の中へ移動される。この保護体は、専用の保護形状、容器、又はプリフォームであってもよい。しかしながら、製造工程と対照的に、ここでは、全ての棒状体は、保護体の中に配置される。
【0034】
次いで、システムは、電源を断たれ、例えば一時的に停止させられる。さらなる方法の工程において、システムは、洗浄工程を実行するために開くことができる。この後で、システムが好ましくは手作業で洗浄される。さらなる工程において、システムは、(特に、安全手順を使用して)閉じることができる。最後に、システムの自動殺菌が行われることができ、最終的に製造工程が再開されることができる。
【0035】
したがって、さらなる好ましい実施形態においては、設備は、殺菌される容器が通過するクリーンルームも含む。ここで、このクリーンルームは、好ましくは筒状の形態で容器の搬送経路を囲むことができる。これは、容器の殺菌も無菌の条件下で行なわれることを意味する。
【0036】
さらに、上述の回転可能なキャリアの少なくとも1つの壁が、同時に、このクリーンルームの壁も形成することが考えられる。
【0037】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面から明らかになるであろう。