特許第6068038号(P6068038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6068038保護装置を有するプラスチック容器を殺菌するための設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068038
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】保護装置を有するプラスチック容器を殺菌するための設備
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/08 20060101AFI20170116BHJP
   B65B 55/04 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   B65B55/08 B
   B65B55/04 N
   B65B55/04 A
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-174048(P2012-174048)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2013-43698(P2013-43698A)
(43)【公開日】2013年3月4日
【審査請求日】2015年7月23日
(31)【優先権主張番号】10 2011 052 862.8
(32)【優先日】2011年8月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ クノット
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター フランケンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ショイレン
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−514292(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/011079(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/08
B65B 55/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の殺菌ユニット(4)が配置される可動なキャリア(2)を備え、
前記殺菌ユニットの各々は、特に電荷担体の供給源(42)である放射の供給源と、容器(10)の内部空間に口(10a)を通って挿入することができるように設計された棒状体(12)と、該棒状体(12)に備えられ、電荷担体を出すことができる出口窓と、容器を保持するための複数の保持ユニット(14)と、を含み、
該保持ユニット(14)は、前記棒状体(12)の長手方向(L)に該棒状体(12)に対して可動である殺菌するための設備(1)であって、
当該設備(1)の特定のモードにおいて前記棒状体(12)の少なくとも一部を保護体(18)の内側に位置させるようにする保護装置(20)を含み、
前記保護装置(20)は、殺菌される容器(10)が前記保護体(18)として機能するようにされていることを特徴とする設備(1)。
【請求項2】
前記保護装置(20)は、前記保護体(18)を前記棒状体(12)の長手方向(L)に移動するための移動機構であって、保護装置が前記特定のモードにおいて前記棒状体(12)の少なくとも一部を前記保護体(18)の中へ挿入するようにさせる移動機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項3】
前記キャリアは、回転可能なキャリアであることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項4】
前記保護体は、前記特定のモードにおいて、前記棒状体(12)に対して非接触の態様で配置されることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項5】
当該設備(1)を洗浄するための洗浄ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項6】
各々の殺菌ユニット(4)は、前記保持ユニット(14)を前記棒状体(12)に対して移動する、及び/又は前記保護体(18)を前記棒状体(12)に対して該棒状体(12)の長手方向に移動する少なくとも1つの電気モータ駆動ユニット(24)を含むことを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項7】
当該設備(1)は、前記棒状体(12)に対して前記保護体(18)を固定するために少なくとも1つの安定ユニットを備えることを特徴とする請求項1に記載の設備(1)。
【請求項8】
容器(10)、特にプラスチック容器を殺菌するための設備(1)を運転させる方法であって、
可動なキャリア(2)に配置される複数の殺菌ユニット(4)が備えられ、
該殺菌ユニットの各々が、容器(10)の口を通って容器(10)の中へ導入され且つ電荷担体を容器(10)の内壁に当てる棒状体(12)と、容器(10)を保持し且つ搬送する保持ユニット(14)とを備え、
電荷担体が前記棒状体(12)の出口窓を通って放出し、
前記保持ユニット(14)による、前記棒状体の長手方向における前記棒状体(12)に対する容器(10)の相対移動が、該棒状体(12)を容器(10)の中へ挿入するように実行される設備(1)を運転させる方法であって、
前記設備(1)のさらなるモードにおいて、前記棒状体(12)がそれぞれ該棒状体の少なくとも一部を囲む保護体(18)の中へ挿入され、
この挿入も、前記棒状体(12)の長手方向(L)における前記保護体(18)と前記棒状体との間の相対移動により実行され
殺菌される容器(10)が前記保護体(18)として機能するようにされていることを特徴とする方法。
【請求項9】
全ての棒状体(12)は、前記モードにおいて前記保護体(18)の中へ挿入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
2つの連続した洗浄及び/又は殺菌工程が前記モードにおいて実行されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、特に、プラスチック容器を殺菌するための設備及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器を殺菌するためのさまざまな方法が先行技術から知られている。例えばH等の液体及び/又は気体の媒体を容器に当てることが知られている。その他に、最近では、放射線及び/又は電荷担体が殺菌の目的で容器に当てられる設備及び方法も知られている。そのようにする際に、ビームフィンガを容器の内側へ挿入し、この容器に内側から電荷担体、特に電子を照射することが可能である。これらのビームフィンガは、一方ではフィンガが容器の内側へ口を通って挿入でき、他方では必要とされる高い電子の加速を達成できることを確保するように、比較的繊細及び/又は比較的薄肉となるように設計されなければならない。さらに、そのような設備は、多くの場合に、電荷担体の出口窓を冷却するための冷却装置も含む。
【0003】
以上の結果として、そのような殺菌装置は、例えば汚染又は攻撃的な洗浄剤に対して非常に繊細なだけでなく、特に衝撃に対しても繊細である。したがって、実際には、例えばこれらのビームフィンガへの衝撃の結果として、特に洗浄工程又は保全作業の際に、破損及び故障がしばしば生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、容器を殺菌するための設備の改善された保護を備える設備及び方法を提供するという目的に基づく。本発明によれば、この目的は、独立請求項の主題によって達成される。好ましい実施形態及びさらなる発展が、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による容器を殺菌するための設備は、複数の殺菌ユニットが配置された可動なキャリアを含み、殺菌ユニットの各々は、放射線の発生源又は放射線放射装置及び/又は電荷担体の供給源と、容器の内部空間へ口を通って挿入することができるように設計された棒状体とを備えている。さらに、電荷担体を出すことができる出口窓が、棒状体に備えられている。さらに、容器を保持する複数の保持ユニットが備えられ、該保持ユニットが棒状体の長手方向において棒状体に対して可動である。
【0006】
本発明によれば、該設備は、特定の運転モードにおいて棒状体が少なくとも一部を保護体の内側に位置されるようにする保護装置を含む。
【0007】
以下で、本発明は、電荷担体放射体、特に電子放射体に関して説明されている。そのような電荷担体放射体がきわめて繊細であるため、本発明は、この目的にも特に有利である。しかしながら、本発明が、例えば、特に容器に挿入され得るUVランプ、X線放射体、又は放射線放射体等のさまざまな放射線放射装置にも適用され得ることに、注意すべきである。
【0008】
したがって、少なくとも1つの設備のモードにおいて、特に棒状体だけでなく、例えば出口窓を保護する特別な保護の対策をとることが提案される。したがって、特に、システムの洗浄及び殺菌工程の間に、ビームフィンガの保護が備えられるべきである。したがって、これらの工程の間に、例えば、保護される棒状体を覆うように、対応する容器を移動又は横断することが提案される。
【0009】
モードは、特に設備の運転モードを意味するものと理解されるが、この構成のモードの間に容器が殺菌される必要はない。例えば、システムの修理又はそれの洗浄も、そのようなモードであると理解することができる。しかしながら、これは、好ましくは、例えば保持ユニットの昇降移動を行うことができる駆動部等の、設備の少なくとも1つの駆動部を駆動させることができるモードである。また、設備の部品の組立及び分解工程は、そのようなモードで実行されることができるが、システム全体の組立、即ち、(初期の)設置は、特に本発明に関する運転モードとは見なされない。
【0010】
上述のように、棒状体は、保持装置に対して、又はこれらの保持装置に保持された容器に対して移動されてもよい。これに関連して、保持装置を容器の長手方向に可動にすることが可能であるが、棒状体自身を移動させることも可能であり、そして、棒状体及び保持装置の両方を移動させることも可能である。電荷担体は、特に電子である。
【0011】
さらに好ましい方法においては、全ての棒状体は、前記モードにおいて保護体の中にそれぞれ移動される。好ましくは、保護体は、少なくとも出口窓を完全に囲み、特に好ましくは、棒状体の底部に面して又は端部に面して停止される。
【0012】
しかしながら、保護体にとって、棒状体の大部分、好ましくは、棒状体の全体をそれの周方向において囲むことも可能であり且つ好ましい。好ましくは、保護体は、棒状体を、それの長さの少なくとも30%を超えるように、好ましくはそれの長さの少なくとも50%を超えるように、好ましくはそれの長さの少なくとも70%を越えるように、特に好ましくはそれの長さの少なくとも90%を越えるように、囲む。
【0013】
さらに好ましい実施形態においては、棒状体は、キャリア上に備えられる。用語「保護手段」は、以下では、保護体及び保護体の移動機構を含むユニット全体を意味すると理解される。好ましくは、正確に1つの保護体、例えば保護カバーは、前記モードにおいて各々の棒状体に備えられる。好ましくは、ひとたび棒状体が保護体の中に移動されると、棒状体の対称軸が保護体の対称軸に一致する。
【0014】
このモードにおいて、それらの棒状体は、特に、保護体を提供され、又はそれらの中にそれぞれ移動され、前記モードにおいて、運転の間に容器が存在しない位置にいる。そのような位置は、例えば、殺菌設備の出口スターホイールと入口スターホイールとの間の位置であってもよい。
【0015】
さらに好ましい実施形態においては、保護手段は、保護体を棒状体の長手方向に移動させるための移動機構であって、前記特定モードにおいて棒状体が少なくとも一部を保護体の中に挿入されるようにする移動機構を含む。好ましくは、上述のように、全ての棒状体は、部分的で好ましくは同じ方法で、保護体の中にそれぞれ挿入されている。これは、やはり、保護体を容器の長手方向に移動させる、例えば棒状体を覆うようにそれらを押す移動機構であってもよい。しかしながら、移動機構が、棒状体それら自身を移動すること、又は各々それ自身を保護体の中へ移動することも考えられる。
【0016】
さらに好ましい実施形態においては、キャリアは、回転可能なキャリアである。したがって、この実施形態においては、設備は、回転機械である。
【0017】
さらに好ましい実施形態においては、保護体は、前記特定の運転モードにおいて、棒状体に対して非接触の態様で配置されている。この方法において、棒状体を保護体の中へ挿入する工程の間に、棒状体の損傷が回避されることを達成することができる。
【0018】
さらに好ましい実施形態においては、設備は、設備を洗浄するための洗浄ユニットを含む。ここで、この洗浄ユニットは、例えば洗浄媒体を設備又は設備の部品に当てる複数のジェットノズルを含むことができる。したがって、例えば、固定された洗浄ノズルは、備えられていてもよく、個々の洗浄ユニット又は殺菌ユニットは、洗浄するためにこれらのノズルに対して移動してもよい。
【0019】
以上の他に、さらに設備は、設備自身を殺菌のための殺菌ユニットを含んでもよい。ここで、殺菌工程も、洗浄媒体により実行されることができるが、殺菌工程にとって、やはりUV照射又は電子線照射等の照射により実行されることも考えられる。
【0020】
さらに好ましい実施形態においては、各々の殺菌ユニットは、把持要素を棒状体に対して移動する、及び/又は保護体を棒状体に対して棒状体の長手方向に移動する少なくとも1つの電気モータ駆動ユニットを有する。先行技術においては、カムローラ又は固定されたそれぞれのカムは、通常、そのようなビームフィンガを移動するために使用される。
【0021】
しかしながら、本発明による設備の場合には、例えば洗浄工程の間に、特にキャリアの回転位置とは無関係に、いくつかの、好ましくは全てのビームフィンガをそれらの保護体の中へ挿入することが望まれる。したがって、この場合には、全ての保護体の統一された移動又は配置は、この洗浄モードにおいて有利である。したがって、ビームフィンガに対する個々の保護体の移動を互いに切り離すことが提案される。換言すると、電気モータ駆動部(例えば、リニアモータ及び/又はサーボモータ)は、特に棒状体に対する個々の把持要素又はそれぞれの保護体の独立した移動となるようにする。しかしながら、空気式及び/又は油圧式の駆動部も、駆動部としての使用について考慮することができる。
【0022】
さらに好ましい実施形態においては、保護装置は、殺菌される容器が保護体として機能するようにされている。この実施形態においては、追加の保護体が存在せず、運転の間に殺菌される容器が同時に保護体としても機能するようにされている。これらの容器は、棒状体がいずれにせよそれらの中へ移動させなければならないため、比較的適している。この目的のため、例えば洗浄モードにおいて、容器、即ち、瓶又はプリフォームを棒状体又はビームフィンガを覆うように移動することが可能である。好ましくは、このときの間に、放射線の放射又は電荷担体の放射は、中断される。
【0023】
さらに好ましい実施形態においては、設備は、棒状体に対して保護体を固定する又はそれぞれ殺菌するために、少なくとも1つの安定ユニットを含む。したがって、例えば、容器が止まる止め具が備えられてもよい。この方法においては、保護体に対するある程度の激しい衝撃がビームフィンガに損傷を生じないようにすることができる。
【0024】
しかしながら、容器を例えば下方から安定させる保持体を備えることも、可能である。
【0025】
さらに本発明は、容器、特に、プラスチック容器を殺菌するための設備を運転する方法に関する。ここで、殺菌される容器は、それぞれ可動なキャリアにより保持されて所定の経路に沿って搬送される。ここで、キャリア上に配置された複数の殺菌ユニットが備えられることができ、各々の殺菌ユニットは、これらの容器の中へ口を通って挿入され且つ電荷担体及び/又は放射線を容器の内壁に当てる棒状体を備えている。このプロセスにおいて、これらの電荷担体及び/又は放射線は、棒状体の出口窓を通って放出され、棒状体を容器の中へ挿入するために、棒状体に対する容器の相対移動は、棒状体の長手方向に生じる。
【0026】
本発明によれば、設備のさらなるモードにおいて、棒状体は、それぞれ当該体の少なくとも一部を囲む保護体の中に挿入され、この挿入も、棒状体の長手方向における保護体と棒状体との間の相対移動により実行される。
【0027】
上述のように、放射は、電荷担体の放射であってもよく、例えばUV放射等の他の種類の放射であってもよい。UV放射の場合には、出口窓は、電子放射体の場合よりもかなり大きくなるように選択されることができ、例えばUV光源を完全に囲むことができる。
【0028】
棒状体の保護体の中へのこの挿入は、特に洗浄工程を実行するために行われる。ここでは、好ましくは、棒状体は、殺菌される容器の中へ移動される。しかしながら、例えば追加の保護カバー等の追加の物体を備えることも、可能である。
【0029】
さらに好ましい方法においては、全ての棒状体は、例えば洗浄モードであってもよい前記モードの間に、実質的に同じ距離だけ保護体の中へ移動される。これは、この場合において、運転の間に、例えば周方向におけるキャリアの出口スターホイールとキャリアの入口スターホイールとの間等の、保護体が存在しない位置にも備えられることを意味する。
【0030】
したがって、好ましくは、各々の殺菌ユニットは、保護体を備える。
【0031】
好ましくは、方法の一工程において、設備は、保護体を備えており、特に好ましくは、各々の殺菌ユニットは、保護体を備える。しかしながら、これは、特に自動的に実行される。最初に洗浄工程に先立って各々の殺菌ユニットに容器を備え、それぞれのビームフィンガ又はそれぞれの棒状体をこの容器の中へ挿入することも、可能である。
【0032】
好ましい方法においては、2つの連続した洗浄及び/又は殺菌工程が、前記モードにおいて実行される。
【0033】
1つの工程は、以下のように実行されることができる。製造工程の完了後に、各々の棒状体が、好ましくはそれぞれのリフト機構によって保護体の中へ移動される。この保護体は、専用の保護形状、容器、又はプリフォームであってもよい。しかしながら、製造工程と対照的に、ここでは、全ての棒状体は、保護体の中に配置される。
【0034】
次いで、システムは、電源を断たれ、例えば一時的に停止させられる。さらなる方法の工程において、システムは、洗浄工程を実行するために開くことができる。この後で、システムが好ましくは手作業で洗浄される。さらなる工程において、システムは、(特に、安全手順を使用して)閉じることができる。最後に、システムの自動殺菌が行われることができ、最終的に製造工程が再開されることができる。
【0035】
したがって、さらなる好ましい実施形態においては、設備は、殺菌される容器が通過するクリーンルームも含む。ここで、このクリーンルームは、好ましくは筒状の形態で容器の搬送経路を囲むことができる。これは、容器の殺菌も無菌の条件下で行なわれることを意味する。
【0036】
さらに、上述の回転可能なキャリアの少なくとも1つの壁が、同時に、このクリーンルームの壁も形成することが考えられる。
【0037】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明による設備の概略図を示している。
図2a図2aは、本発明を説明するための図を示している。
図2b図2bは、本発明を説明するための図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、容器10を殺菌するための本発明による設備1の一部の概略図を示している。図1に示した実施形態において、容器は、プラスチック製プリフォーム10であり、ここでは、その内壁が殺菌される。本発明による設備1は、例えば、プラスチック製プリフォームを膨らませて容器にするストレッチブロー成型機や、プラスチック製プリフォームを加熱するための加熱ユニット等の容器処理システムの前後関係でさらなるユニットに続かれることができる。しかしながら、本発明による設備を、容器、特に、プラスチック容器の殺菌に使用することも可能である。
【0040】
その全体を4で特定されている複数の殺菌ユニットは、回転キャリア2上に備えられているが、これらの殺菌ユニット4のうちの1つだけが図示されている。これらの殺菌ユニット4は、殺菌するためのプラスチック容器と一緒に移動する。
【0041】
殺菌ユニット4の各々は、特に電子源であってもよい電荷担体の供給源42を含んでいる。符号44は、棒状体12の方向に棒状体12を通って電荷担体又は各電子を加速する加速ユニットを示している。出口窓(図示されていない)は、この棒状体12の底端に備えられ、この出口窓を通って、加速された電子が外に放出される。
【0042】
その他では、殺菌ユニットは、好ましくは、プラスチック容器の内側壁へも電荷担体を誘導又は案内する偏向ユニット(図示されていない)を含んでいる。
【0043】
符号14は、例えば、殺菌工程の間に、プラスチック製プリフォーム10を保持するために使用される把持クランプ等の保持ユニットを示している。ここでは、この保持ユニット14は、このようにプラスチック容器10の口を通ってプラスチック容器10の内側に棒状体12を挿入するために、プラスチック容器10の長手方向Lに可動である。ここでは電気モータ、特に、リニアモータとして実現されている対応する駆動ユニット24が、棒状体12に対する保持ユニット14の移動を行う。
【0044】
ここでも、これらの駆動ユニット24は、キャリア26上に備えられ、このキャリア26が、キャリア2のように、回転軸D周りに回転する。
【0045】
符号30は、プラスチック容器が殺菌されるクリーンルームを示している。ここで、このルームは、キャリア2、キャリア26、及び2つのさらなる壁(図示されていない)により区画されている。ここで、特に、図1において、概略的にのみ示されており且つクリーンルーム30の外側を区画する固定外壁32も、備えることができる。好ましくは、この外壁32が固定するように配置される一方で、クリーンルーム30を区画する残りの壁は、移動する、又は回転軸D周りに回転する。
【0046】
さらに好ましい実施形態において、お互いに対して可動であるこれらの壁をシールする少なくとも1つのシールユニット(図示されていない)が、備えられている。そのようなシールユニットの例は、所謂、サージタンクである。しかしながら、設備1の全体をクリーンルーム内に配置させることも可能である。また、例えばプラスチック容器の予備殺菌工程だけが実行されるべきであれば、設備をクリーンルーム内に配置しないことも考えられる。
【0047】
図に示した実施形態においては、殺菌するためのプラスチック容器は、同時に保護体18として使用される。したがって、例えば、洗浄及び/又は殺菌工程の前後において、棒状体12は、プラスチック製プリフォームの中へ移動されることができる。しかしながら、好ましくは、保護体は、通常、棒状体が挿入され得る空洞を含んでいる。好ましくは、保護体は、それぞれの棒状体12が挿入されるために通る開口を除き、さらなる開口を備えていない。しかしながら、それに関して、保護体は、(例えば棒状体12に当てられる)洗浄媒体を排出され得るために通る開口を底端に備えることも考えられる。符号20は、棒状体12を保護するための保護ユニットの全体を示している。
【0048】
図2a及び2bは、本発明による設備1の2つの図を示している。図2aに示されている状況においては、棒状体12は、プラスチック製プリフォーム10の中に移動されており、システムが棒状体12を損傷する恐れなく洗浄することができる。繰り返して言うが、棒状体が容器10又は保護体18の中に挿入されるために通る容器の口10aが、見える。
【0049】
符号16は、電子が棒状体12又はそれぞれのビームフィンガ12から放出するために通る出口窓を示している。この出口窓は、棒状体10の端部12aに備えられている。好ましくは、出口窓を冷却するための冷却ユニットも備えられ、そしてこの目的のために、対応する冷却剤は、例えば棒状体の外側ハウジングとこの棒状体のハウジングの内側に位置する内側ハウジングとの間に通されることができる。
【0050】
符号48は、安定ユニットを概念的に示している。図2aに示した状況において、この安定ユニット48は、保護体18をキャリアに対してこのように安定させるため、例えばキャリア2上に補完するために形成できる安定ユニット(図示されていない)まで、移動されることができる。この安定ユニット48は、通常、キャリア2、又は棒状体12が通常固定して取り付けられる要素に対して、安定をもたらすような方法で実現することができる。
【0051】
この方法においては、洗浄工程の間に、保護体14と棒状体12との間の相対移動が防止することができる。しかしながら、把持ユニット14がそれの移動ユニットに対して安定されることも可能である。また、例えば、長手方向Lにおいて把持ユニット14の下方に備えられる第2の把持部材等の、口より下方のベース体で容器を支持する追加の安定ユニット(図示されていない)が、備えられることができる。この方法においては、容器は、それの長手方向に沿って2つの異なる位置で保持され、その結果として、容器10のさらなる安定が達成される。
【0052】
運転の間に棒状体をプラスチック容器10の中へ移動させるために使用される駆動ユニット24は、洗浄工程の間に、棒状体12をそれの保護体18の中へ移動するためにも使用される。この目的のために、それぞれの殺菌ユニットの棒状体12の全てをプラスチック製プリフォーム又はプラスチック容器の中へ挿入し、好ましくは図2aに示されるとおりの上方位置の中にそれらを移動することが、可能である。
【0053】
好ましくは、各殺菌ユニット4は、そのような駆動ユニット24をさらに備え、そして、好ましくは、これらの駆動ユニットは、互いに独立して制御されることができる。好ましくは、保持ユニット又は把持ユニット14も、特に、それらが容器10を保持する閉鎖状態とそれらが容器10を解放する開放状態との間で、制御されることができる。
【0054】
上述の洗浄モードを開始するために、これらの把持ユニットの各々を、保護体18の役割を果たすプラスチック容器10で塞ぐことが可能である。
【0055】
これは、運転の間に設備からプラスチック容器を搬出する出口スターホイールの対応した制御により行なうこともできる。ひとたび洗浄工程が実行されると、それらの上に配置されたプラスチック容器10/18を持つ個々の把持ユニット14は、再び下降させられ、それぞれのプラスチック容器10は、設備の外へ移動することができる。好ましくは、容器は、搬出及び/又は廃棄され、そのような搬出は、好ましくは自動的に実行される。
【0056】
特に洗浄目的のために設備に挿入され、好ましくは、洗浄後に再使用することができる専用の保護体を、使用することも可能である。好ましくは、そのような保護体は、それらが把持ユニット14により把持され得るような方法で設計される。ここで、そのような保護体は、例えば、棒状体の直径よりも顕著に大きい直径をそれらに備えることにより、個々の棒状体への損傷の恐れがさらに減少できるような寸法とすることができる。
【0057】
符号52は、保持ユニットを昇降させるための移動機構を覆うカバーユニットを示している。このカバーユニットは、例えばベローズの組であってよい。ここで、このカバーユニットは、好ましくは、クリーンルーム30内に備えられ、又はそれぞれそれ自身でクリーンルーム30の境界を形成する。また、カバーの一部は、好ましくは、昇降移動を可能にするように、追加のベローズの組を備えられるハウジングであってよい
【0058】
カバーユニット内に、(したがって、好ましくはクリーンルームの外から)駆動ユニット24により駆動されて保持ユニットを昇降させる昇降機構58が備えられることができる。
【0059】
ここで、この昇降機構は、駆動ユニット24により動かされる保持棒54を含むことができる。
【0060】
例えば、殺菌するための容器10の断面よりも大きい断面を有する物体の受け入れを許す把持ユニットといったようなもので、プラスチック容器10のための保持ユニット又は把持ユニットを、他の保護体を把持するために対応させることも、可能である。
【0061】
しかしながら、保護体が設備に前もって備えられ、それらの保護体が例えば別個のリフト機構により棒状体を覆うように移動されることも、可能である。また、保護体は、棒状体の一部だけを囲むシールドとして形成されてもよい。本発明による保護設備は、例えばそのような容器を処理するために容器に挿入することができる棒状のUVランプを保護するためにも適する。
【0062】
本出願の出願人は、出願書類に述べられている全ての特徴を、それらが単独又は他の特徴との組み合わせた先行技術を越えて新規である範囲において、本発明の本質であるとして、請求する権利を有する。
【符号の説明】
【0063】
1 設備
2 キャリア
4 殺菌ユニット
10 容器
10a 容器の口
12 棒状体
12a 棒状体の端部
14 保持ユニット
16 出口窓
18 保護体
20 保護ユニット
24 駆動ユニット
26 キャリア
30 クリーンルーム
32 壁
42 電荷担体の供給源
44 加速ユニット
48 安定ユニット
52 カバーユニット
54 リフト棒
58 昇降機構
L 長手方向
D 回転軸
図1
図2a
図2b