特許第6068041号(P6068041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068041
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】作動力伝達機構
(51)【国際特許分類】
   F16C 1/14 20060101AFI20170116BHJP
   F16C 1/12 20060101ALI20170116BHJP
   E03C 1/22 20060101ALN20170116BHJP
【FI】
   F16C1/14 Z
   F16C1/12
   !E03C1/22 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-174698(P2012-174698)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-34979(P2014-34979A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】392028767
【氏名又は名称】株式会社日本アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100165663
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 光宏
(72)【発明者】
【氏名】北川 浩平
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−052312(JP,U)
【文献】 特開昭54−017446(JP,A)
【文献】 特開昭50−136549(JP,A)
【文献】 実開昭53−097245(JP,U)
【文献】 実開昭53−155941(JP,U)
【文献】 特開2004−284586(JP,A)
【文献】 実開昭62−056817(JP,U)
【文献】 実開平04−046221(JP,U)
【文献】 特開2012−012833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 1/00− 1/28
E03C 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動力を伝達する作動力伝達機構であって、
作動力を伝達するための可撓性のある管状の伝達部材と、
固定部材に固定され、少なくとも一部が前記伝達部材の内部に挿入されることで、該伝達部材を可動に支持する支持部材と
を備え
前記伝達部材の両端には、外部から作動力を受け、または外部に作動力を作用させるための作動部材がそれぞれ取り付けられており、
少なくとも一方の前記固定部材は、前記作動部材の一部が貫通可能な貫通孔を有しており、
前記貫通孔を設けた固定部材に対応する前記作動部材は、前記貫通孔を貫通し、一部が前記固定部材を挟んで前記伝達部材と反対の面側に突出する状態で組み付けられている作動力伝達機構。
【請求項2】
請求項1記載の作動力伝達機構であって、
前記支持部材は、単線またはより線ワイヤで形成され、
前記伝達部材は、密着コイルバネで形成されている作動力伝達機構。
【請求項3】
請求項1または2いずれか記載の作動力伝達機構であって、
前記支持部材の少なくとも一方の端は、前記固定部材の内部または前記伝達部材と反対の面側において屈曲させた状態で固定されている作動力伝達機構。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載の作動力伝達機構であって、
前記伝達部材の軸に交差する方向の動きを、該伝達部材の外側から規制する規制部材を備える作動力伝達機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動力を伝達するための作動力伝達機構に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽の排水栓装置等では、排水栓と別に設けられた操作部による遠隔操作で排水栓を開閉する機構が用いられることがある。特許文献1は、かかる排水栓装置の例を開示する。
【0003】
図1は従来技術における排水栓装置4の構成を示す説明図である。排水栓装置4は、排水口装置1と操作部2で構成される。排水口装置1は、浴槽100の底部101に取り付けられており、排水口104を開閉する装置である。排水口装置1の開閉操作をするための操作部2は、浴槽100の側壁102の上部に張り出したフランジ部103に取り付けられている。
操作部2と排水口装置1との間は、作動力を伝達するための作動力伝達機構3で連結されている。この作動力伝達機構3は、樹脂製のチューブの内部に密着コイルバネが挿入された構造となっている。密着コイルバネの両端はそれぞれ可動部、即ち、操作部2の操作ボタンおよび排水口装置1の排水栓にラッチ機構等を介して間接的に取り付けられている。樹脂製チューブは、操作時に動かないよう、操作部2および排水口装置1に固定されている。
操作部2の操作ボタンを押すと、その作動力が、伝達機構3の密着コイルバネを介して排水口装置1に伝達され、排水栓を開閉する。
【0004】
作動力伝達機構には、特許文献2に開示されているようにアウターケーシングが操作部側でインナーケーブルに対して相対的に移動する機構もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−246903号公報
【特許文献2】特開2012−12833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
作動力を伝達すべき装置および部位は、多様であり、作動力伝達機構に要求される仕様も多様である。従って、従来の作動力伝達機構では、十分に要求に応えられない場合もあった。
本発明は、かかる課題に鑑み、従来と異なる構造の作動力伝達機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
作動力を伝達する作動力伝達機構であって、
作動力を伝達するための可撓性のある管状の伝達部材と、
固定部材に固定され、少なくとも一部が前記伝達部材の内部に挿入されることで、該伝達部材を可動に支持する支持部材と
を備える作動力伝達機構である。
本発明の作動力伝達機構では、支持部材に支持された伝達部材が移動することで、伝達部材の一端から他端に作動力を伝達することができる。従来技術では、樹脂製チューブ内に挿入された密着コイルバネ等が移動するのに対し、本発明では、支持部材の外側に位置する伝達部材が移動するのである。外側に位置する部材が移動するため、例えば、伝達部材の複数箇所に付属部材を固定することによって、複数箇所に分散して作動力を伝達することが容易に実現できるなど、従来に比して作動力の伝達態様を多様化することができる。
支持部材は、ワイヤ、支柱などを用いることができる。支持部材は、必ずしも伝達部材の全体を貫通している必要はなく、伝達部材の両端からそれぞれ挿入される所定長さのボルト等としてもよい。伝達部材の可動範囲よりも長いボルトを用いれば、十分、支持部材として機能し得る。
本発明において、支持部材および伝達部材は可撓性を有する必要はないが、可撓性を有する材料を用いれば、作動力の伝達経路を柔軟に設定できる利点がある。
【0008】
支持部材と伝達部材の径は種々の設定が可能であるが、支持部材の外径は、円滑な動きが確保できる程度に、伝達部材の内径よりもわずかに小さくすることが好ましい。支持部材の外径を細くしすぎると、伝達部材との間に遊びが大きくなりすぎ、伝達部材に無駄な動きが発生して作動力の伝達を損ねるおそれがある。
【0009】
本発明の作動力伝達機構においては、一例として、
前記支持部材は、単線またはより線ワイヤで形成され、
前記伝達部材は、密着コイルバネで形成されているものとしてもよい。
ワイヤおよび密着コイルバネのいずれも可撓性を有する材料であるため、柔軟な作動力伝達機構を構成することができる。また、支持部材に樹脂製でなく金属のワイヤを用い、伝達部材として密着コイルバネを用いることにより、支持部材および伝達部材の変形を抑制でき、作動力を効率的に伝達できる利点がある。作動力伝達機構を比較的、細く構成することも可能である。
【0010】
本発明の作動力伝達機構においては、
前記伝達部材の両端には、外部から作動力を受け、または外部に作動力を作用させるための作動部材がそれぞれ取り付けられており、
少なくとも一方の前記固定部材は、前記作動部材の一部が貫通可能な貫通孔を有しており、
前記貫通孔を設けた固定部材に対応する前記作動部材は、前記貫通孔を貫通し、一部が前記固定部材を挟んで前記伝達部材と反対の面側に突出する状態で組み付けられているものとしてもよい。
本発明においては、構造上、伝達部材は固定部材と固定部材との内側で移動することになるが、上記構成をとることにより、固定部材の外側から作動力を作用させることができる利点がある。
貫通孔は、種々の寸法、形状で設けることができるが、伝達部材に作動力を円滑に伝達可能とするため、支持部材が固定部材に固定されている取付部位に対して軸対称に設けられていることが好ましい。例えば、取付部位を挟んで上下または左右2箇所に貫通孔を形成し、作動部材の先端を二股に分岐させた上で、各貫通孔から突出させる構成とすることができる。
【0011】
本発明の作動力伝達機構においては、
前記支持部材の少なくとも一方の端は、前記固定部材の内部または前記伝達部材と反対の面側において屈曲させた状態で固定されているものとしてもよい。
このように支持部材を屈曲させることにより、堅固に固定することが可能となる。特に、支持部材に引っ張り荷重がかかる場合に有用である。
固定部材の内部で屈曲させる方法としては、予め固定部材を分割して形成しておき、支持部材を挟み込んで密着させるようにすればよい。固定部材の反対の面側で屈曲させる方法としては、支持部材の端部を貫通させるための貫通孔を固定部材に設け、この貫通孔を貫通させた上で支持部材を屈曲させればよい。
先に説明した通り、本発明では、固定部材に、作動部材を突出させるための貫通孔を設けることもある。かかる構造においては、作動部材の貫通孔および支持部材の取付部位を包含する最小面積の凸領域を避けた位置で、支持部材を固定してもよい。支持部材を固定するためには、固定方法に応じた一定の範囲が必要となるが、このように凸領域を避けて支持部材を固定すれば、固定に要する範囲を考慮する必要なく作動部材の貫通孔を設定できるため、貫通孔の間隔を狭めることが可能となり、作動部材を小型化することができる利点がある。
【0012】
本発明の作動力伝達機構においては、
前記伝達部材の軸に交差する方向の動きを、該伝達部材の外側から規制する規制部材を備えるものとしてもよい。
規制部材としては、例えば、伝達部材が挿入させる導管、伝達部材を屈曲させる部分に設けられるローラー、滑車、ギヤ、支柱などを用いることができる。
こうすることにより、作動力伝達機構の形状、即ち作動力の伝達経路を安定させることができ、効率的に作動力を伝達することができる。ローラーなど規制部材自体が回転可能な構造をとる場合、伝達部材の動きを規制部材によって回転動力として抽出することができる利点もある。
【0013】
本発明は、必ずしも上述の特徴の全てを備えている必要はなく、適宜、一部を省略したり、組み合わせたりして構成することができる。
また、本発明の作動力伝達機構は、必ずしも排水栓装置用に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】排水栓装置の構成を示す説明図である。
図2】作動力伝達機構の構造を示す説明図である。
図3】実施例2における作動力伝達機構の構造を示す説明図である。
図4】インナー材の固定方法を示す説明図である。
図5】実施例3における作動力伝達機構の構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
図2は、作動力伝達機構の構造を示す説明図である。図2(a)は斜視図を示し、図2(b)は断面図を示している。これらに示す通り、作動力伝達機構は、管状の伝達部材10とその中に挿入されたインナー材20を有している。インナー材20は、作動力伝達機構を取り付ける固定部40R、40Lに固定され、伝達部材10を支持するとともに、作動力の伝達経路を決める機能を奏する部材である。伝達部材10は、インナー材20の軸方向に移動することによって作動力を伝達する機能を奏する部材である。
伝達部材10は、密着コイルバネで形成されている。伝達部材10には、種々の材質を適用可能であるが、腐食に対する耐久性という観点から、ステンレス鋼(SUS材)を用いることが好ましい。
インナー材20は、本実施例では、より線ワイヤを用いているが、単線のワイヤを用いても良い。また、荷重が比較的小さい場合には、樹脂製としてもよい。インナー材20としては、伝達部材10の内径よりも外径が細い密着コイルバネを用いることも可能であるが、このような構造にすると、伝達部材10を形成する密着コイルバネの内面側の凹凸と、インナー材20を形成する密着コイルバネの外面の凹凸とが噛み合う形となり、円滑な動きが損なわれるおそれがある。インナー材20として、より線や単線のように、伝達部材10の内面側の凹凸形状と符合しない外面の形状を有する部材を用いれば、こうした弊害を回避でき、円滑な動きを実現できる利点がある。
伝達部材10とインナー材20の径は、種々の設計が可能である。円滑な動きを実現するためには、インナー材20の外径は、伝達部材10の内径よりも小さいことが必要である。一方、作動力の伝達時に、インナー材20と伝達部材10との間の遊びが大きく、伝達部材10が、インナー材20に対して軸と交差する方向に動くと、そのような無駄な動きによって作動力の伝達遅れなどの弊害が生じる。伝達部材10とインナー材20の径は、これらの点を考慮して設定することが望ましく、例えば、インナー材20の外径を、伝達部材10の内径よりも、円滑な動きが確保できる程度にわずかに小さくしておくことが好ましい。
【0016】
伝達部材10には、外部からの作動力を受け、また外部に作動力を及ぼすための作動部材31、32が取り付けられている。図2(b)に示すように、作動部材31、32は、伝達部材10をはめ込むための貫通孔31a、32aが形成されており、その内面は、伝達部材10の外面の凹凸と符合する凹凸形状が形成されている。こうすることにより、作動部材31、32を容易に伝達部材10に固定することが可能となる。
図示を省略したが、作動部材31、32が伝達部材10の軸周りに相対的に回転することを抑制するための突起等を、伝達部材10および作動部材31、32の一方または双方に形成しておいてもよい。別の態様として、作動部材31、32が伝達部材10の軸周りに回転しても支障がないよう、作動部材31、32を軸対称な形状としてもよい。
【0017】
図2(b)には、作動力伝達機構の動作を併せて示した。作動部材31に対して、矢印Lまたは矢印R方向に移動させる作動力が加えられたとする。この作動力は、伝達部材10に伝達され、伝達部材10をインナー材20に対して相対的に移動させ、伝達部材10に取り付けられた作動部材32を矢印Lまたは矢印R方向に移動させる。このように本実施例の作動力伝達機構では、インナー材20の外側に設けられた伝達部材10の移動によって作動力を伝達することができる。
図2(b)では、作動部材を2箇所に取り付けた例を示したが、本実施例の作動力伝達機構では、伝達部材10に更に多くの作動部材を取り付けることが可能である。従って、作動力を、容易に2箇所以上に分散して伝達することも可能となる。
【実施例2】
【0018】
図3は、実施例2における作動力伝達機構の構造を示す説明図である。図3(a)は斜視図を示し、図3(b)は断面図を示している。実施例2においても、作動力伝達機構は、インナー材20に対して相対的に移動する伝達部材10を用いて作動力を伝達する点では、実施例1と同様である。実施例2では、伝達部材10に取り付けられる作動部材およびインナー材20が固定される固定部材の形状に特徴がある。
図3(a)に示すように、実施例2の作動力伝達機構では、固定部材45R、45Lには、2つの矩形の貫通孔46R、46Lが形成されている。伝達部材10の端部には、作動部材35R、35Lがそれぞれ取り付けられているが、作動部材35R、35Lの先端に形成された2枚の平行板状の先端部36R、36Lは、貫通孔46R、46Lを貫通している。
図3(b)により、各部材の組み付け状態を説明する。固定部材45R、45Lには、実施例1と同様、インナー材20が固定されている。そして、インナー材20の外側には、軸方向に移動可能に密着コイルバネからなる伝達部材10が取り付けられている。伝達部材10の両端には、それぞれ作動部材35R、35Lが取り付けられている。作動部材35R、35Lには、伝達部材10を挿入するための挿入孔37R、37Lが設けられており、その内面は、伝達部材10の外面の凹凸形状に符合する凹凸面となっている。こうすることにより、作動部材35R、35Lを容易に伝達部材10に固定することができる。
作動部材35R、35Lには、二枚の平板状の先端部36R、36Lが設けられている。そして、この先端部36R、36Lが、固定部材45R、45Lに形成された貫通孔46R、46Lを貫通しているのである。図3の態様では、二枚の先端部36R、36Lに挟まれる中央の位置で、インナー材20が固定されていることになる。
実施例2の作動力伝達機構によれば、次の利点がある。即ち、固定部材45R、45Lで挟まれた側、即ちインナー材20が固定されている側を内側と呼ぶとすれば、図3(a)、図3(b)の構造によれば、作動力を、固定部材45R、45Lの外側から作用させることができることになる。つまり、固定部材45R、45Lやインナー材20が邪魔にならない態様で作動力を作用させることが可能となる。
【0019】
実施例2の作動力伝達機構において、固定部材へのインナー材20の固定は、種々の方法が可能である。
図4は、インナー材20の固定方法を示す説明図である。それぞれ固定部材にインナー材20を固定している部分を拡大して示した。インナー材20の端には、金属製の端部21a,21b、21cが接着、かしめ等によって取り付けられている。端部21a,21b、21cは、インナー材20の直径よりも大きい外接円直径となる断面円形、矩形など種々の形状の部材とすることができる。
図4(a)は、インナー材20を90度屈曲させて端部21aを固定部材45aに形成された凹部に埋め込むようにして固定した例である。この例では、作動部材が貫通するための貫通孔46aの間に固定している。この方法によれば、簡易にインナー材20を固定できる利点がある。
図4(b)は、図4(a)と同様の方法でインナー材20を固定部材45bに固定しているが、その端部21bが貫通孔46bを包含する最小面積の凸領域(図中の破線で囲んだ領域A)の外側で固定されている。こうすることにより、端部21bを固定するためのスペースに関わりなく貫通孔46bの位置を設定できるため、貫通孔46bの間隔dを狭くすることができる。従って、貫通孔46bを貫通させる作動部材も小型にすることができ、作動力伝達機構全体の小型化を図ることができる利点がある。
図4(c)は、インナー材20を固定部材45cの表面ではなく、内部に埋め込んで固定する例である。図4(c)に示すように、固定部材45cの内部に、インナー材20の端部21cを保持する空隙を形成し、ここにインナー材20を埋め込むのである。固定部材45cを分割して形成しておき、インナー材20を挟み込んだ上で接着等すればよい。図4(c)の例では、貫通孔46cの間で端部21cを固定している例を示したが、図4(b)のように貫通孔46cで定まる凸領域を回避して端部21cを固定するようにしてもよい。このように、固定部材45cの内部に埋め込む方法によれば、インナー材20を強固に固定することができるとともに、外観も向上させることができる利点がある。
【実施例3】
【0020】
図5は、実施例3における作動力伝達機構の構造を示す説明図である。実施例3も、基本的な構造は実施例1と同様であり、固定部材40R、40Lに固定されたインナー材20に対して相対的に可動な伝達部材10を用いて作動力を伝達する機構である。伝達部材10には作動部材が取り付けられているが、ここでは図示を省略した。
本実施例では、インナー材20および伝達部材10のいずれも可撓性の材料を用いているため、作動力の伝達経路は直線状に限らず、曲線状(両端だけが固定された自由曲線形状も含む)であっても構わない。実施例3の例では、このように曲線状の伝達経路で作動力を伝達できるよう、屈曲する箇所にガイド50、51を備えている。これらのガイド50、51は、矢印のように中心軸周りに回転可能なロ−ラ、ギヤ等で構成されている。伝達部材10が常にガイド50、51に接触している態様とする必要はなく、伝達部材10とガイド50、51との間に遊びを持たせた構造としてもよい。
かかる構造において、伝達部材10が矢印Mのように移動し、作動力を伝達させる場合を考える。このとき、ガイド50、51は、伝達部材10の動きに合わせて、矢印のように回転する。このようにガイド50、51を介在させることによって、作動力の伝達経路を予め規定された位置に保持することが可能となる。また、ガイド50、51が回転するため、摩擦力による作動力のロスを抑制することができる。
さらに、ガイド50、51の回転を、動力として抽出することも可能である。ガイド50、51の回転を積極的に抽出する場合には、伝達部材10がガイド50、51に確実に接触するよう、伝達経路の形状等を十分に規制しておくことが好ましい。また、ガイド50、51と伝達部材10との間の滑りを抑制するため、ガイド50、51を、伝達部材10の凹凸面に符号するギヤなどとすることも好適である。
実施例3において、実施例2の構造を適用することも可能である。
【0021】
本発明は、上述の実施例に限らず、種々の変形例を構成することが可能である。例えば、実施例1〜3の構造は、必ずしも密着コイルバネを用いる必要はなく、樹脂製の伝達部材としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、離隔した2点間で作動力を伝達するために利用可能である。本実施例の作動力伝達機構は、水栓、排水栓装置、洗浄便座の操作機構など、狭く屈曲した経路で、人が操作する比較的小さい作動力を伝達する機構に適しているが、必ずしもかかる用途に限定されるものではない。作動力の伝達経路に柔軟性が求められる種々の機構に利用可能である。
【符号の説明】
【0023】
1…排水口装置
2…操作部
3…伝達機構
4…排水栓装置
10…伝達部材
20…インナー材
21a、21b、21c…端部
31、32、35R、35L…作動部材
31a、32a、37R、37L…挿入孔
36R、36L…端部
40R、40L、45R、45L、45a、45b、45c…固定部材
46R、46L、46a、46b、46c…貫通孔
50、51…ガイド
100…浴槽
101…底部
102…側壁
103…フランジ部
104…排水口
図1
図2
図3
図4
図5