【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
作動力を伝達する作動力伝達機構であって、
作動力を伝達するための可撓性のある管状の伝達部材と、
固定部材に固定され、少なくとも一部が前記伝達部材の内部に挿入されることで、該伝達部材を可動に支持する支持部材と
を備える作動力伝達機構である。
本発明の作動力伝達機構では、支持部材に支持された伝達部材が移動することで、伝達部材の一端から他端に作動力を伝達することができる。従来技術では、樹脂製チューブ内に挿入された密着コイルバネ等が移動するのに対し、本発明では、支持部材の外側に位置する伝達部材が移動するのである。外側に位置する部材が移動するため、例えば、伝達部材の複数箇所に付属部材を固定することによって、複数箇所に分散して作動力を伝達することが容易に実現できるなど、従来に比して作動力の伝達態様を多様化することができる。
支持部材は、ワイヤ、支柱などを用いることができる。支持部材は、必ずしも伝達部材の全体を貫通している必要はなく、伝達部材の両端からそれぞれ挿入される所定長さのボルト等としてもよい。伝達部材の可動範囲よりも長いボルトを用いれば、十分、支持部材として機能し得る。
本発明において、支持部材および伝達部材は可撓性を有する必要はないが、可撓性を有する材料を用いれば、作動力の伝達経路を柔軟に設定できる利点がある。
【0008】
支持部材と伝達部材の径は種々の設定が可能であるが、支持部材の外径は、円滑な動きが確保できる程度に、伝達部材の内径よりもわずかに小さくすることが好ましい。支持部材の外径を細くしすぎると、伝達部材との間に遊びが大きくなりすぎ、伝達部材に無駄な動きが発生して作動力の伝達を損ねるおそれがある。
【0009】
本発明の作動力伝達機構においては、一例として、
前記支持部材は、単線またはより線ワイヤで形成され、
前記伝達部材は、密着コイルバネで形成されているものとしてもよい。
ワイヤおよび密着コイルバネのいずれも可撓性を有する材料であるため、柔軟な作動力伝達機構を構成することができる。また、支持部材に樹脂製でなく金属のワイヤを用い、伝達部材として密着コイルバネを用いることにより、支持部材および伝達部材の変形を抑制でき、作動力を効率的に伝達できる利点がある。作動力伝達機構を比較的、細く構成することも可能である。
【0010】
本発明の作動力伝達機構においては、
前記伝達部材の両端には、外部から作動力を受け、または外部に作動力を作用させるための作動部材がそれぞれ取り付けられており、
少なくとも一方の前記固定部材は、前記作動部材の一部が貫通可能な貫通孔を有しており、
前記貫通孔を設けた固定部材に対応する前記作動部材は、前記貫通孔を貫通し、一部が前記固定部材を挟んで前記伝達部材と反対の面側に突出する状態で組み付けられているものとしてもよい。
本発明においては、構造上、伝達部材は固定部材と固定部材との内側で移動することになるが、上記構成をとることにより、固定部材の外側から作動力を作用させることができる利点がある。
貫通孔は、種々の寸法、形状で設けることができるが、伝達部材に作動力を円滑に伝達可能とするため、支持部材が固定部材に固定されている取付部位に対して軸対称に設けられていることが好ましい。例えば、取付部位を挟んで上下または左右2箇所に貫通孔を形成し、作動部材の先端を二股に分岐させた上で、各貫通孔から突出させる構成とすることができる。
【0011】
本発明の作動力伝達機構においては、
前記支持部材の少なくとも一方の端は、前記固定部材の内部または前記伝達部材と反対の面側において屈曲させた状態で固定されているものとしてもよい。
このように支持部材を屈曲させることにより、堅固に固定することが可能となる。特に、支持部材に引っ張り荷重がかかる場合に有用である。
固定部材の内部で屈曲させる方法としては、予め固定部材を分割して形成しておき、支持部材を挟み込んで密着させるようにすればよい。固定部材の反対の面側で屈曲させる方法としては、支持部材の端部を貫通させるための貫通孔を固定部材に設け、この貫通孔を貫通させた上で支持部材を屈曲させればよい。
先に説明した通り、本発明では、固定部材に、作動部材を突出させるための貫通孔を設けることもある。かかる構造においては、作動部材の貫通孔および支持部材の取付部位を包含する最小面積の凸領域を避けた位置で、支持部材を固定してもよい。支持部材を固定するためには、固定方法に応じた一定の範囲が必要となるが、このように凸領域を避けて支持部材を固定すれば、固定に要する範囲を考慮する必要なく作動部材の貫通孔を設定できるため、貫通孔の間隔を狭めることが可能となり、作動部材を小型化することができる利点がある。
【0012】
本発明の作動力伝達機構においては、
前記伝達部材の軸に交差する方向の動きを、該伝達部材の外側から規制する規制部材を備えるものとしてもよい。
規制部材としては、例えば、伝達部材が挿入させる導管、伝達部材を屈曲させる部分に設けられるローラー、滑車、ギヤ、支柱などを用いることができる。
こうすることにより、作動力伝達機構の形状、即ち作動力の伝達経路を安定させることができ、効率的に作動力を伝達することができる。ローラーなど規制部材自体が回転可能な構造をとる場合、伝達部材の動きを規制部材によって回転動力として抽出することができる利点もある。
【0013】
本発明は、必ずしも上述の特徴の全てを備えている必要はなく、適宜、一部を省略したり、組み合わせたりして構成することができる。
また、本発明の作動力伝達機構は、必ずしも排水栓装置用に限定されるものではない。