(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、再湿糊は、塗布する水が低温の場合、常温と比べて活性化しにくい傾向がある。そのため、低温の水を塗布しても十分に活性化する前に封緘処理が行われることでフラップ部の接着不良が生じてしまう。従って、このような封緘不良を防止するため、再湿糊に対する水の塗布時間を増やすことで、再湿糊の活性化が促されフラップ部の接着不良を低減することが可能である。
【0007】
しかしながら、ジョブ実行中に水塗布時間を常時長くすると、ジョブ開始時から水塗布時間を長くする必要のない環境(例えば、水温が常温に戻ったとき)に戻ったとしても水の塗布量は増大したままであるため、余分に塗布された水により後段の封緘部や搬送経路のローラが濡れ、封緘後に排出される封筒が汚れてしまうという問題があった。また、水の塗布時間を長くすることにより、生産性が低下するという問題もあった。
【0008】
また、上記方法の他に水タンクに貯留された水自体を加温する方法も考えられるが、この方法では加熱により発生した水蒸気の影響で装置内に結露が生じ、装置の故障や湿気による封書の変形等の製品不良が生じる虞がある。
【0009】
さらに、特許文献1の封緘装置は、作製する封書の種類や雰囲気温度に応じて封緘時の貼着時間を可変する封止作業モードを切り替えることで封緘不良を回避しているが、このような制御では常温時における処理時間に比べて低温時における処理時間が長くなる制御であり、再湿糊の活性化は図れるが、やはり生産性が落ちるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、生産性を低下させずに水温に適する水塗布処理を行って信頼性の高い封緘処理を実現することのできる封緘装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するため、請求項1記載の封緘装置は、
封筒フォームの再湿糊部分と接触する水塗布面を有する水塗布部と、
前記水塗布部に対向して配置され、前記封筒フォームの再湿糊部分に水
が塗布
されるように
前記再湿糊部分を前記水塗布面に押し付ける押付部と、
前記押付部を加温する加温部と、
水塗布処理
時に前記押付部による前記水塗布面の加温処理を実行する際の条件温度となる水塗布処理条件温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部で検出された水塗布処理条件温度が所定温度
未満か否か
の判定結果に
基づいて前記押付部及び前記加温部を制御する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記温度検出部で検出された水塗布処理条件温度が所定温度未満であると判定した
とき、
前記加温部により前記押付部を加熱するとともに、加熱された前記押付部を前記水塗布部の水塗布面に当接させた後に離間させ、離間後に前記水塗布部と前記押付部との間に前記封筒フォームを挿入した後、前記水塗布部に前記押付部を近付けて前記封筒フォームの再湿糊部分に水を塗布することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の封緘装置は、請求項1記載の封緘装置において、
前記押付部は、少なくとも前記水塗布面を加温する際に前記水塗布面に当接する第1の部位と、前記再湿糊部分に水を塗布する際に前記封筒フォームを前記水塗布面に押し付ける第2の部位とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の封緘装置は、請求項1又は2記載の封緘装置において、前記温度検出部は、
前記水塗布処理条件温度を検出する第1温度検出センサと、
前記押付部の温度を検出する第2温度検出センサとで構成され、
前記制御部は
、前記第1温度検出センサで検出された水塗布処理条件温度と、前記第2温度検出センサで検出された前記押付部の温度と、予め設定された加温時間設定情報とを照合して得られた加温時間
だけ前記押付部
を前記水塗布
面と接触させて加温することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の封緘装置によれば、水塗布処理条件温度が所定温度
未満であると判定した際に、まず加温部により加熱された押付部を水塗布部の水塗布面に当接させた後に一旦離間させ、離間後に水塗布部と押付部との間に挿入された封筒フォームの再湿糊部分を押付部で水塗布面に押し付けて水を塗布するため、水塗布面の加温が必要な場合にのみ再湿糊部分と接触する水塗布面を直に加熱させることができる。よって、生産性を低下させることなく必要に応じて確実に再湿糊の活性化を促すことができ、封緘処理後の封筒におけるフラップ部の浮き上がり等の封緘不良を防止することができる。
【0015】
また、請求項2記載の封緘装置によれば、押付部は、
水塗布面を加温するときに水塗布面と当接する第1の部位と、封筒フォームの再湿糊部分に水を塗布するときに封筒フォームを水塗布面に押し付ける第2の部位とを有するため、水塗布面を加温したときに付着した水が、再湿糊部分に対する水塗布処理の際に封筒フォームに転移することを防止することができる。
【0016】
また、請求項3記載の封緘装置によれ
ば、第1温度検出センサで検出された水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサで検出された押付部の温度と、予め設定された加温時間設定情報とを照合して得られた加温時間
だけ押付部
を水塗布部の
水塗布面と接触させて加
温するため、検出した水塗布処理条件温度と加温部温度に適した加温時間で水塗布
面を加温することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。また、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などによりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれる。
【0019】
本例の封緘装置は、既製の封筒又は予め印刷処理された封筒フォームに折り加工を施した封筒に内容物を封入し、この内容物封入後で封緘前の封筒(以下、単に「封筒」という)の所定箇所に予め転写された再湿糊に水塗布処理を施した後、活性化した再湿糊部分にフラップ部を接着させて封緘処理する装置である。
【0020】
なお、以下の説明では、本例の封緘装置を封筒に水塗布処理を行う水塗布処理部及びフラップ部の封緘を行う封緘部として封入封緘装置に搭載する実施例で説明するが、これに限定されることはなく、封緘装置単体として使用することもできる。また、本装置が搭載される封入封緘装置は、封入封緘装置単体として使用する構成、又は封筒フォームや内容物に印刷を行う印刷部となる画像形成装置(一例として、インクジェット記録装置、孔版印刷装置、複写機、レーザプリンタ等)と連結した封書作製装置に具備する構成とすることもできる。
【0021】
また、水塗布処理の制御モードを選択する際の条件温度として、再湿糊に塗布される水の水温、例えば水塗布処理部40の周辺温度や装置内における水塗布処理部40から排出部50に至るまでの搬送経路近傍における環境温度等、水塗布処理に起因する装置内外の各種温度を「水塗布処理条件温度」と称し、本形態では、水塗布処理条件温度として後述する水塗布部材5a周辺の環境温度による処理制御の例について説明する。
【0022】
さらに、本明細書では、一般的に使用される再湿糊が活性化するのに必要な水塗布処理条件温度の最適温度範囲(例えば、20〜25℃)を「常温」として規定し、この常温を下回り再湿糊を活性化するのに不十分な水塗布処理条件温度(例えば、20℃未満)を「低温」として規定する。
【0023】
[封入封緘装置]
まず、本発明に係る封緘装置1が搭載される封入封緘装置100の概略構成について説明する。
図1に示すように、封入封緘装置100は、内容物となる用紙を搬送しながら必要に応じて所定の折り加工を施す内容物折り部10と、封筒となる封筒フォームを搬送しながら所定の折り加工を施す封筒フォーム折り部20と、搬送に伴って封筒フォームで内容物を包み込むように封入する封入部30と、内容物を封入した封筒に予め転写された再湿糊部分に水を塗布する水塗布処理部40と、搬送に伴って水塗布後の封筒を封緘する封緘部50と、封緘処理された封筒を封書として排出台に排出する排出部60と、を備えて構成されている。
【0024】
封入封緘装置100は、印刷後の封筒フォーム及び内容物を図中のように同一経路若しくは別経路で搬入し、それぞれ異なる搬送経路で搬送しながら、内容物折り部10において所定の折り加工を施すとともに、封筒フォーム折り部20において封筒の形態となるように必要に応じて折り加工を施す。そして、封入部30において最終的に両者を合流させ、内容物を封筒フォームで包み込むように封入する。その後、水塗布処理部40で封筒フォームの所定箇所に転写された再湿糊に水を塗布して活性化させ、封緘部50で活性化させた再湿糊部分に封筒のフラップ部を接着させ封緘処理をして排出部60から作製した封書を排出している。
【0025】
そして、本例の封緘装置1は、上述した封入封緘装置100における水塗布処理部40及び封緘部50として機能し、検出される水塗布処理条件温度が低温であった場合に、後述する水塗布部材5aを一時的に加温して塗布する水の温度を上昇させることで再湿糊の活性化を図っている。
以下、封緘装置1の装置構成及び処理動作についてそれぞれ詳述する。
【0026】
[封緘装置]
<装置構成>
次に、本例の封緘装置1の構成について説明する。
図2又は
図3に示すように、本例の封緘装置1は、第1搬送部2と、封筒検知部3と、封筒規制部4と、水塗布処理部5と、温度検出部6と、第2搬送部7と、記憶部8と、制御部9とを備えて構成され、封入部30で内容物が封入された封緘前の封筒の封緘処理を行っている。なお、封入封緘装置100の「水塗布処理部40」は、本例の封緘装置1における「水塗布処理部5」として機能するため、以下「水塗布処理部5」として説明する。
【0027】
また、本例の封緘装置1における記憶部8及び制御部9は、説明の便宜上、本装置に独立して搭載する構成として説明するが、本装置が封入封緘装置100搭載される場合は、封入封緘装置100に具備される制御部及び記憶部を兼用して使用する構成とすることもできる。
【0028】
第1搬送部2は、搬送用駆動モータと直結する駆動ローラと、この駆動ローラの駆動に伴って連れ回る従動ローラからなる搬送ローラ対(
図2では2対)で構成されている。第1搬送部2は、制御部9からの搬送制御信号に基づき、前段の封入部30から搬送された内容物を封入した状態の封筒を封筒規制部4に突き当たる位置まで搬送している。また、第1搬送部2は、制御部9からの搬送制御信号に基づき、水塗布処理後の封筒を第2搬送部7まで搬送している。
【0029】
封筒検知部3は、投光器と受光器からなる投受光センサで構成され、第1搬送部2の後端付近に設置される第1封筒検知センサ3aと、第2搬送部7の入口付近に設置される第2封筒検知センサ3bで構成されている。封筒検知部3は、搬送される封筒の一部を検知すると、封筒の検知状態に応じた信号(ON/OFF信号)を封筒検知信号として制御部9に出力している。
【0030】
封筒規制部4は、第1搬送部2から搬送される封筒を適正に水塗布処理する位置(以下、「水塗布位置」という)で規制するため、封筒のサイズに応じて所定方向(本形態では封筒の搬送方向)に移動自在に設けられる断面略J字状の板金で構成されている。封筒規制部4は、制御部9からの規制位置制御信号で実行中のジョブで使用する封筒のサイズに応じた最適な規制位置まで予め移動し、第1搬送部2から搬送される封筒と突き当たることで、封筒を適正な水塗布位置で規制している。なお、封筒規制部4の形状は、封筒のサイズに応じて突き当て位置が可変でき、且つ水塗布処理部5による水塗布処理の邪魔とならない構成であれば、その形状等は特に限定されない。
【0031】
水塗布処理部5は、経路の下方に配置した水タンクの水に浸漬されたフェルト材等からなる水塗布部として機能する水塗布部材5aと、経路の上方に回動自在に軸支され、水塗布位置に搬送された封筒の再湿糊部分を水塗布部材5aに押し付けて水を塗布するとともに水塗布部材5aの水塗布面と接触して加温させる押付部として機能する糊付け板金5bと、制御部9からのモータ制御信号に従って糊付け板金5bを所定方向に回動させる板金用駆動モータ5cとを備えている。
【0032】
糊付け板金5bは、
図4(a)、(b)に示すように、糊付け板金5bにおける封筒搬入側の端部に封筒の再湿糊部分を水塗布部材5aに押し付けるための先端押付部5dが設けられるとともに、封筒の規制位置側の端部に第2温度検出手段6bが設置され水塗布部材5aの水塗布面と接触して加温させるため先端加温部5eが設けられている。また、糊付け板金5bは、先端加温部5eによる水塗布部材5aの加温に際し、効率的に加温可能なようにステンレス等の熱伝導率の高く耐水性・耐熱性に優れた材質(保温性が優れていれば尚可)で構成されている。
なお、水塗布処理条件温度に応じて適宜選択される各制御モードにおける制御内容については、追って説明する。
【0033】
先端押付部5dの形状としては、糊付け板金5bの回動に伴って徐々に封筒を水塗布部材5aに押し付けられるように、回動方向と逆方向に所定曲率で反り返った形状を有している。また、先端加温部5eにおける水塗布部材5aとの接触面は、水塗布部材5aの水塗布面と接触した際に確実に水塗布面が加温できるように、水塗布面の表面積よりも大きく形成されている。
【0034】
さらに、糊付け板金5bを
図4(a)に示すような略H字形状とした目的は、封筒を搬入する際に、封筒が水塗布位置まで確実に搬送されるようにガイドするガイド部分(左右側端及び中央部分)を残しつつ、糊付け板金5bの回動の邪魔とならない形状とするために封筒規制部4の一部に切欠きを設けたためである。
【0035】
これにより、封筒の搬入の際に封筒規制部4が必要なガイド機能を有したまま、糊付け板金5bの回動が可能となっている。また、先端押付部5dと先端加温部5eとを糊付け板金5bの各端部に別配置することで、低温モード時に先端加温部5eが水塗布部材5aが接触したことで付着した水で封筒を汚れることを防止する効果を奏している。
【0036】
なお、糊付け板金5bは、少なくとも先端加温部5eが熱伝導率の高く耐水性・耐熱性に優れた材質で構成されていればよい。
【0037】
板金用駆動モータ5cは、制御部9からのモータ制御信号(モータ正回転制御信号、モータ逆回転制御信号、モータ停止信号)により正回転、逆回転又は停止して糊付け板金5bを所定方向に回動又は所定位置(待機位置や押付位置)で停止している。
【0038】
ヒータ5fは、制御部9からの加熱制御信号(加熱開始信号、加熱停止信号)により加熱制御されることで糊付け板金5b全体を加熱する加温部として機能する。なお、ヒータ5fは、先端加温部5eが水塗布部材5aに接触した際に湿潤した状態を維持しつつ素早く加温できる温度が好ましく、例えば80℃程度が適当である。
【0039】
温度検出部6は、サーミスタ等の周知の温度検出センサであり、水塗布処理条件温度を検出するため、水塗布部材5a近傍に設けられる第1温度検出センサ6aと、糊付け板金5bの加温部5eの温度を検出する第2温度検出センサ6bとで構成されている。
【0040】
第1温度検出センサ6aは、所定周期(例えば、1秒毎)で水塗布部材5a周辺の水塗布処理条件温度を検出すると、この検出した温度を水塗布処理条件温度情報として制御部9に出力している。
【0041】
第2温度検出センサ6bは、制御部9からの温度検出開始信号により先端加温部5eの温度検出を開始し、所定周期(例えば1秒毎)で先端加温部5eの温度を検出すると、この検出した先端加温部5eの温度を加温部温度情報として制御部9に出力している。また、第2温度検出センサ6bは、制御部9からの温度検出停止信号により温度検出処理を停止する。
【0042】
第2搬送部7は、搬送用駆動モータと直結する駆動ローラと、この駆動ローラの駆動に伴って連れ回る従動ローラからなる搬送ローラ対(
図2では1対)で構成されている。第2搬送部7は、制御部9からの搬送制御信号に基づき、水塗布処理後の封筒を受け入れながら再湿糊部分と搬送に伴う折り加工によって形成されるフラップ部とを接着して封緘処理を行い、封緘後の封筒を封書として排出部60に搬送している。
【0043】
記憶部8は、例えばROM、RAM等の半導体メモリやHDD等の各種記憶装置で構成され、本装置で使用可能な封筒のサイズ毎に応じた封筒規制部4の移動位置を規定するための規制位置情報、水塗布処理条件温度が再湿糊において常温又は低温であるかを判定するための閾値となる水塗布処理条件温度判定情報、水塗布処理条件温度が常温であるときの水塗布処理部5の制御モードである常温モードで水塗布処理部5を制御するための常温モード制御情報、水塗布処理条件温度が低温であるときの水塗布処理部5の制御モードである低温モードで水塗布処理部5を制御するための低温モード制御情報、ヒータ5fにより加熱された先端加温部5eの目標設定温度である加温設定温度、先端加温部5eによる水塗布部材5aの加温時間設定情報、実行される封書作製ジョブ情報(例えば、封書の作製数、封筒フォームや内容物、封書等の搬送タイミングや搬送速度、内容物又は封筒フォームの折り回数及び折り位置等が規定された情報)の他、封緘装置1を構成する各部の駆動制御情報を記憶している。
【0044】
水塗布部材5aの加温時間を設定する加温時間設定情報は、生産性を考慮しつつ、封書作製装置20における封筒フォーム及び内容物の搬送速度や折り加工速度や搬送路長等の装置仕様に応じた適切な時間幅(例えば、1〜9秒程度)を有しており、第1温度検出センサ6aで検出された水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサ6bで検出された加温部温度とを基に実験等により得られた適切な加温時間をテーブル化した情報である。なお、水塗布部材5aの加温時間は、水塗布処理条件温度や加温部温度が低いほど長くなる傾向にある。
【0045】
制御部9は、例えばCPUやROM、RAM等を搭載するマイクロコンピュータで構成され、記憶部8に記憶される駆動制御情報に応じて、封緘装置1を構成する各部の駆動制御を行っている。具体的には、実行される封書作製ジョブのジョブ内容に応じて使用する封筒のサイズに応じた規制位置情報を記憶部8から読み出し、この情報に応じた規制位置制御信号を封筒規制部4に出力している。また、制御部9は、実行される封書作製ジョブのジョブ内容に応じた搬送制御信号を、第1搬送部2及び第2搬送部7にそれぞれ出力している。
【0046】
さらに、制御部9は、温度検出部6で検出された水塗布処理条件温度情報と、記憶部8に記憶された水塗布処理条件温度判定情報とを比較して水塗布処理条件温度が常温か低温かを判定する。そして、判定結果に適する制御モード(常温モード又は低温モード)に応じたモード制御情報(常温モード制御情報、低温モード制御情報)を記憶部8から読み出し、この読み出したモード制御情報に従って水塗布処理部5を制御している。
【0047】
また、制御部9は、ジョブ実行中に所定間隔で温度検出部6からの水塗布処理条件温度情報を判定しており、ジョブ実行中に水塗布処理条件温度が常温から低温又は低温から常温へと変化したときは、現在行っている水塗布処理後に行う次の水塗布処理の際に、変化した水塗布処理条件温度に対応するモード制御情報を記憶部8から読み出す。そして、読み出したモード制御情報に従って水塗布処理部5を制御する。例えば、ジョブ開始時に水温が低温であったとしても、ジョブ実行中に水温が常温まで上昇したときは、現在低温モードで実行した水塗布処理の次に処理される封筒から常温モードで水塗布処理部5を制御する。
【0048】
モード制御情報による制御として、制御部9は、読み出したモード制御情報に従って板金用駆動モータ5cの回動方向を制御するモータ制御信号(モータ正回転制御信号、モータ逆回転制御信号、モータ停止信号)を水塗布処理部5に出力し、板金用駆動モータ5cの制御を行っている。
【0049】
また、制御部9は、低温モードによる制御を開始すると、ヒータ5fを加熱するための加熱制御信号である加熱開始信号と、第2温度検出センサ6bの温度検出開始を行うための温度検出開始信号とを水塗布処理部5に出力している。さらに、制御部9は、第2温度検出センサ6bからの加温部温度情報に基づく先端加温部5eの温度が記憶部8に記憶される加温設定温度に達したか否かの判定を行っている。そして、先端加温部5eの温度が、加温設定温度に達したときは、ヒータ5fの駆動を停止する加熱制御信号である加熱停止信号を出力している。なお、水塗布処理条件温度の変化により低温モードから常温モードに切り換わったときは、第2温度検出センサ6bに温度検出停止信号を出力し、再度低温モードに移行したときは温度検出開始信号が出力される。
【0050】
さらに、制御部9は、低温モード制御情報による水塗布処理の際に、第1温度検出センサ6aで検出された水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサ6bで検出された加温部温度と、記憶部8に記憶された加温時間設定情報とを照合して加温時間を取得し、この加温時間で水塗布部材5aが加温されるように板金用駆動モータ5cの駆動タイミングを制御している。
【0051】
次に、各モード制御情報に基づく水塗布処理部5における水塗布処理内容とその制御タイミングについて、
図5〜8を参照しながらそれぞれ説明する。本装置における水塗布処理の制御モードとしては、上述したように水塗布処理条件温度が常温であるときの制御モードである「常温モード」と、水塗布処理条件温度が低温であるときの制御モードである「低温モード」が設定されている。
【0052】
また、
図5、7における「糊付け板金位置」とは、糊付け板金5bにおける先端押付部5dと先端加温部5eの位置状態を示している。従って、糊付け動作の際は、先端押付部5dを待機位置から押付位置まで移動させるため、板金用駆動モータ5cを正回転(
図6、8では反時計回り)させている。また、水塗布部材5aの加温動作の際は、先端加温部5eを待機位置から加温位置まで移動させるため、板金用駆動モータ5cを逆回転(
図6、8では時計回り)させている。
【0053】
(常温モードによる水塗布処理)
常温モードのときの水塗布処理について、
図5、
図6を参照しながら説明する。本装置における常温モードは、水塗布部材5a周辺の環境温度である水塗布処理条件温度が活性化に適した温度のとき、すなわち通常時の水塗布処理部5の制御モードである。
【0054】
図5に示すように、常温モードでは、まず封入部30で内容物が封入された封筒が第1搬送部2を介して搬送されると、
図6(a)に示すように第2封筒検知センサ3bによって封筒の端部が検知され、このタイミングt1で制御部9に封筒検知信号(ON信号)が出力される。そして、タイミングt1からタイミングt2に達するまでの間は、第1搬送部2によって封筒が封筒規制部4に向かって徐々に搬送され、
図6(b)に示すように、搬送される封筒が封筒規制部4に突き当たった状態、すなわち、封筒が水塗布位置まで搬送されたタイミングt2で第1搬送部2の搬送動作を停止する。
【0055】
次に、封筒の再湿糊部分に水を塗布するため、
図6(c)に示すように、封筒搬送停止後のタイミングt3でモータ正回転制御信号を出力して板金用駆動モータ5cを正回転させ、糊付け板金5bを反時計回りに回動する。このとき、糊付け板金5bの回動に伴って移動する先端押付部5dは、封筒を押し付けながら再湿糊部分を徐々に水塗布部材5aに近接させ、最終的に
図6(d)に示すように封筒を水塗布部材5aに押し付けることで再湿糊部分に水が塗布される。
【0056】
次に、
図6(e)に示すように、先端押付部5dが押付位置まで到達したタイミングt4でモータ逆回転制御信号を出力して板金用駆動モータ5cを逆回転させ、先端押付部5dを徐々に封筒から離間させて待機位置まで移動させる。そして、先端押付部5dが待機位置まで到達したタイミングt5でモータ停止信号を出力して板金用駆動モータ5cの駆動を停止させる。その後、封筒が水塗布部材5aから完全に離間したタイミングt6で第1搬送部2の駆動を開始し、
図6(f)に示すように、封筒が第2搬送部7に到達するまで封筒規制部4に押し付ける。
【0057】
次に、フラップ部の折り位置が第2搬送部7まで到達すると、第2搬送部7の搬送に伴ってフラップ部を折りながら再湿糊部分とフラップ部とを接着する封緘処理が行われ、
図6(g)に示すように、第2搬送部7まで完全に搬送されるタイミングt7で第2封筒検知センサ3bからの封筒検知信号がON信号からOFF信号に切り換わり、次の封筒に対する水塗布処理へと移行する。
【0058】
(低温モードによる水塗布処理)
次に、低温モードのときの水塗布処理について、
図7、
図8を参照しながら説明する。本装置における低温モードは、水塗布部材5a周辺の環境温度である水塗布処理条件温度が糊の活性化に不十分の温度であるときに、ヒータ5fで加熱した先端加温部5eで水塗布部材5aの水塗布面を設定された加温時間に従って加温し、水塗布面の水温を一時的に上昇させることで再湿糊の活性化を図る水塗布処理部5の制御モードである。
【0059】
なお、以下の説明において、先端加温部5eによる加温時間は、第1温度検出センサ6aで検出された水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサ6bで検出された加温部温度と、記憶部8に記憶された加温時間設定情報とから得られた加温時間によって加温制御するものとする。
【0060】
図7に示すように、低温モードでは、まず封入部30で内容物が封入された封筒が第1搬送部2を介して搬送される際に第1封筒検知センサ3aが封筒の端部を検知したタイミングt11で制御部9に封筒検知信号(ON信号)が出力される。また、このタイミングt11でモータ逆回転制御信号を出力して板金用駆動モータ5cを逆回転させ、先端加温部5eが水塗布部材5aの水塗布面に徐々に近接するように糊付け板金5bを時計回りに回動させる。そして、
図8(a)に示すように、先端加温部5eが加温位置まで移動して水塗布面に接触するタイミングt12でモータ停止信号を出力して板金用駆動モータ5cの駆動を停止し、先端加温部5eで水塗布部材5aを設定された加温時間だけ加温する。また、このタイミングt12で第1搬送部2を駆動させて封筒の搬送を開始する。
【0061】
次に、
図8(b)に示すように、加温時間経過後のタイミングt13で第2封筒検知センサ3bが搬送される封筒を検知すると、水塗布処理部5にモータ正回転制御信号を出力して板金用駆動モータ5cを正回転させ、加温位置にいる先端加温部5eを水塗布部材5aから徐々に離間させる。そして、先端加温部5eが待機位置まで移動したタイミングt14でモータ停止信号を出力して板金用駆動モータ5cの駆動を停止させる。なお、糊付け板金5bが正回転して先端加温部5eが加温位置から待機位置に移動するまでの間(すなわち、タイミングt13からタイミングt14の間)は、第1搬送部2によって封筒の搬送が行われている。また、
図8(c)に示すように、板金用駆動モータ5cの駆動停止後、封筒が封筒規制部4に突き当たり水塗布位置まで搬送されるタイミングt15で第1搬送部2の搬送動作を停止する。
【0062】
次に、封筒の再湿糊部分に水を塗布するため、
図8(d)に示すように、封筒搬送停止後のタイミングt16でモータ正回転制御信号を出力して板金用駆動モータ5cを正回転させ、糊付け板金5bを反時計回りに回動させる。このとき、糊付け板金5bの回動に伴って移動する先端押付部5dは、封筒を押し付けながら徐々に水塗布部材5aに近接させ、最終的に
図8(e)に示すように封筒を水塗布部材5aに押し付けることで再湿糊部分に水が塗布される。
【0063】
次に、先端押付部5dが押付位置まで到達したタイミングt17でモータ逆回転制御信号を出力して板金用駆動モータ5cを逆回転させ、
図8(f)に示すように先端押付部5dを徐々に封筒から離間させて待機位置まで移動させる。このとき、先端押付部5dが待機位置方向に移動するに連れて封筒の再湿糊部も水塗布部材5aから徐々に離間し始め、先端押付部5dが待機位置に戻ったときに封筒が水塗布部材5aから完全に離間する。
【0064】
次に、先端押付部5dが待機位置まで到達したタイミングt18で板金用駆動モータ5cの駆動を停止させる。そして、封筒が水塗布部材5aから完全に離間したタイミングt19で第1搬送部2の駆動を開始し、
図8(g)に示すように、封筒が第2搬送部7に到達するまで封筒規制部4に押し付ける。次に、フラップ部の折り位置が第2搬送部7まで到達すると、第2搬送部7の搬送に伴ってフラップ部を折りながら再湿糊部分とフラップ部とを接着する封緘処理が行われる。
【0065】
そして、第2搬送部7まで完全に搬送されるタイミングt20で第2封筒検知センサ3bからの封筒検知信号がON信号からOFF信号に切り換わる。また、次の封筒に対する水塗布処理が低温モードであった場合は、次の封筒が第1封筒センサ3aで検知されたタイミングt21でモータ逆回転制御信号が水塗布処理部5に出力され、板金用駆動モータ5cを逆回転させて先端加温部5eが水塗布部材5aの水塗布面に徐々に近接するように糊付け板金5bを時計回りに回動させる。
【0066】
そして、
図8(h)に示すように、先端加温部5eが水塗布面に接触するタイミングt22でモータ停止信号を出力して板金用駆動モータ5cの駆動を停止し、先端加温部5eで水塗布面を所定時間加温しながら次の水塗布処理へと移行する。
【0067】
なお、水塗布処理として低温モードが選択されたときにヒータ5fの駆動を開始するが、このとき先端加温部5eが記憶部8に記憶される加温設定温度に達したか否かを所定周期(例えば1秒毎)監視しており、加温設定温度に達したときは加熱停止信号を出力してヒータ5fの駆動を停止する。また、ヒータ5fの加熱停止後に再度先端加温部5eの温度が加温設定温度を下回った場合は、加熱開始信号を出力してヒータ5fの加熱を再開させる。
【0068】
[処理動作]
次に、上述した封緘装置1における水塗布処理の動作について、
図9を参照しながら説明する。
【0069】
まず、所望の封書作製ジョブを入力して封書作製ジョブが開始されると(ST1)、第1温度検出センサ6aで水塗布処理条件温度の検出を開始し(ST2)、現在の水塗布処理条件温度が常温であるか否かの判定を行う(ST3)。
【0070】
このとき、検出した水塗布処理条件温度が常温であったときは(ST3−Yes)、制御部9から常温モードによる水塗布処理を開始し(ST4)、搬送される封筒に対して常温モードによる水塗布処理を実行する(ST5)。
一方、検出した水塗布処理条件温度が常温でなかったときは(ST3−No)、上述した低温モードによる水塗布処理を開始するため第2温度検出センサ6bとヒータ5fを駆動させ(ST6)、先端加温部5eが予め設定された加温設定温度に達したか否かの判定を行う(ST7)。
【0071】
このとき、先端加温部5eが加熱設定温度に達したときは(ST7−Yes)、次に第1温度検出センサ6aで検出された水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサ6bで検出された加温部温度と、記憶部8に記憶された加温時間設定情報とを照合して加温時間を設定する(ST8)。そして、設定された加温時間に従って、搬送される封筒に対して上述した低温モードによる水塗布処理を実行する(ST9)。
一方、先端加温部5eが加熱設定温度に達していないときは(ST7−No)、再度ST7に戻って先端加温部5eの温度監視を行う。
【0072】
そして、ST5及びST9において、水塗布処理が終了すると、現在実行中のジョブが終了か否かを判別する(ST10)。
【0073】
このとき、ジョブが終了であれば(ST10−Yes)、第1温度検出センサ6aによる水塗布処理条件温度の温度検出処理を終了して(ST11)、処理を終了する。
一方、ジョブが終了していない場合は(ST10−No)、第1温度検出センサ6aで水塗布処理条件温度を再検出するため、ST2に戻って現在の水塗布処理条件温度に応じて常温モード又は低温モードによる水塗布処理を実行する。
【0074】
以上説明したように、上述した封緘装置1は、水塗布部材5a近傍に設けられた第1温度検出センサ6aによって検出封書作製ジョブ開始後に現在の水塗布処理条件温度を検出し、この検出した水塗布処理条件温度が再湿糊に対して常温か低温かを判定する。そして、判定した結果、水塗布処理条件温度が常温のときは、記憶部8に記憶される常温モード制御情報に従って、搬入した封筒の再湿糊部分を水塗布部材5aに押し付ける水塗布処理を実行する。
【0075】
また、水塗布処理条件温度が低温のときは、記憶部8に記憶される低温モード制御情報に従って、第1温度検出センサ6aで検出した水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサ6bで検出した加温部温度と、記憶部8に記憶された加温時間設定情報とを照合して得られた加温時間で先端加温部5eによる水塗布部材5aの加温制御を行った後、押付部5dで搬送される封筒の再湿糊部分を水塗布部材5aに押し付ける水塗布処理を実行する。
【0076】
これにより、水塗布処理条件温度が再湿糊の低温であっても、水塗布部材5aの水を一時的に加温させることができるため、生産性を低下させることなく再湿糊の活性化を促すことができ、封緘処理後のフラップ部の浮き上がり等による封緘不良を防止することができる。
【0077】
また、低温モード時に第1温度検出センサで検出された水塗布処理条件温度と、第2温度検出センサで検出された押付部の温度と、予め設定された加温時間設定情報とを照合して得られた加温時間で加温部による水塗布部材の加温制御をするため、検出した水塗布処理条件温度と加温部温度に適した加温時間で水塗布部材を加温することができる。
【0078】
さらに、ジョブ実行中に所定間隔で水塗布処理条件温度の温度検出及び温度判定を行い、水塗布処理条件温度の上昇又は低下によって水塗布処理条件温度が常温から低温又は低温から常温に変化したときは、現在実行中の水塗布処理の次の水塗布処理から新たな制御モードで水塗布処理制御をしているため、常に水塗布処理条件温度に応じた最適な水塗布処理を行うことができる。