特許第6068057号(P6068057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6068057経皮投薬装置及びその装置に使用される薬液注入針
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068057
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】経皮投薬装置及びその装置に使用される薬液注入針
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   A61M5/32
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-185893(P2012-185893)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-42616(P2014-42616A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000225740
【氏名又は名称】南部化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】稲生 昭典
【審査官】 落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−509735(JP,A)
【文献】 特開2003−334247(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/095494(WO,A1)
【文献】 特公昭28−2395(JP,B1)
【文献】 特表2010−524646(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/112916(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0238038(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0123386(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0191065(US,A1)
【文献】 特開2005−087521(JP,A)
【文献】 特表2005−531383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器の先端部に取り付けられる薬液注入針であって、
該薬液注入針は、ほぼ円筒状の薬液注入針の本体と、該本体の先端部から前方へ延出された突出部と、該突出部の先端表面より突出する複数本の針とを有し、
該複数本の針の先端が該針の長手方向に対して斜めに切断されて針の先端に薬液の吐出口が形成され、
該複数本の針が一列に配列されていると共に、各針に形成された薬液吐出口が同方向を向き、
該突出部の外面には第1の面が該複数の針の配列方向および該針の長手方向に沿って形成されており、
該複数本の針の薬液吐出口の向きが、該第1の面が面する側の反対側を向いており、
該薬液注入針を該第1の面が皮膚側に倒れるように傾斜させた状態で該複数本の針を皮膚の表面に突き刺したときに、該本体と該針の先端との間で該第1の面が該皮膚に接触しないように、該第1の面は配置されている薬液注入針。
【請求項2】
前記突出部の外面に、第2の面が前記第1の面と対向するように前記複数本の針に対して該第1の面と反対側に該第2の面が形成され、該第1の面と第2の面はほぼ平行である、請求項1に記載の薬液注入針。
【請求項3】
前記薬液注入針の本体の断面の外形はほぼ円形であり、前記突出部の断面の外形はほぼ長方形又は長円である、請求項2に記載の薬液注入針。
【請求項4】
前記針の最大外径が0.1〜0.6mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の薬液注入針。
【請求項5】
前記複数本の針は3本であり、該3本の針が一列に配列され、かつ該針に形成された薬液吐出口が同方向を向いている、請求項1〜4のいずれかに記載の薬液注入針。
【請求項6】
薬液が充填される注射器と、該注射器の先端部に取り付けられる薬液注入針と、を有する経皮投薬装置であって、
該薬液注入針は、ほぼ円筒状の薬液注入針の本体と、該本体の先端部から前方へ延出された突出部と、該突出部の先端表面より突出する複数本の針とを有し、
該複数本の針の先端が該針の長手方向に対して斜めに切断されて針の先端に薬液の吐出口が形成され、
該複数本の針が一列に配列されていると共に、各針に形成された薬液吐出口が同方向を向き、
該突出部の外面には第1の面が該複数の針の配列方向および該針の長手方向に沿って形成されており、
該複数本の針の薬液吐出口の向きが、該第1の面が面する側の反対側を向いており、
該薬液注入針を該第1の面が皮膚側に倒れるように傾斜させた状態で該複数本の針を皮膚の表面に突き刺したときに、該本体と該針の先端との間で該第1の面が該皮膚に接触しないように、該第1の面は配置されている経皮投薬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液を経皮投与するための経皮投薬装置と、この経皮投薬装置に使用される薬液注入針に関する。
【背景技術】
【0002】
経口投与できない薬液の人体投与には注射器が用いられる。注射器による投与は痛みを伴う。また、薬液を含むパッチ剤などによる経皮投与も薬効の発現に時間を要し、かつ使用可能な薬液の種類には限りがある。
【0003】
これらの問題を解決するため、極小の直径の針を用いて、針の穿刺による痛みを軽減した経皮投薬装置が提案されている。しかし、針の径を小さくすると、薬液の注射時の流通抵抗が上昇する。特に、粘性のある高分子量の薬液を注射する場合には、注射器のプランジャを押圧操作するときの抵抗が大きい。
【0004】
そこで、薬液の注射時の流通抵抗を下げるために、特表2005−527249号公報(特許文献1)、特開2005−87521号公報(特許文献2)、および特開2003−135598号公報(特許文献3)では、小さい直径の針を複数本用いた経皮投薬装置が提案されている。
【0005】
しかし、これらの経皮投薬装置では、注射針を皮膚に対して垂直に穿刺することになる。そのため、患者によって表皮、真皮など皮内組織の厚さが異なるので、目的とする箇所へ薬液を注入することができない場合がある。比較的長い針を用い、使用者(医者、看護士)の手技によって皮膚へ穿刺する針の深さを調整することも考えられるが、そのような場合には、注射針の先端が誤って神経末端や血管などに到達するおそれがある。
【0006】
注射針の先端が、神経末端や血管などに到達することを防止するために、特開2008−228993号公報(特許文献4)には、薬液を注入する針本体の先端部分が延出方向に向かって湾曲して形成された注射針が提案されている。
【0007】
しかし、この注射針では、注射器の挿入方向と注射針の湾曲方向とが異なるために、注射針の先端を皮内または皮下の目的とする位置へ挿入することが難しい。すなわち、注射針を皮膚へ差し込み始める段階では、注射器を皮膚に対して所定角度で保持し、注射針を差し込むに連れて注射器の傾斜角度を徐々に変えることが必要となる。また、このような注射針を製作するには、針の先端を正確に湾曲加工することが必要となり、製作コストが高くなるという欠点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2005−527249号公報
【特許文献2】特開2005−87521号公報
【特許文献3】特開2003−135598号公報
【特許文献4】特開2008−228993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、注射時の痛みを伴うことがなくかつ薬液の流入抵抗を軽減させながら、患者に応じて、皮内組織に安全に薬液を送ることができる経皮投薬装置およびその装置に使用される薬液注入針を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、薬液注入針を傾けて針先端を皮膚表面に突き刺すことができ、薬液注入針の先端が神経末端や血管などに到達することを防止できる経皮投薬装置および薬液注入針を提供することを目的とする。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、従来に比べて安価に作製できる経皮投薬装置および薬液注入針を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は以下を特徴とする。
(項目1)注射器の先端部に取り付けられる薬液注入針であって、
該薬液注入針は、ほぼ円筒状の薬液注入針の本体と、該本体の先端部から前方へ延出された突出部と、該突出部の先端表面より突出する複数本の針とを有し、
該複数本の針の先端が該針の長手方向に対して斜めに切断されて針の先端に薬液の吐出口が形成され、
該複数本の針が一列に配列されていると共に、各針に形成された薬液吐出口が同方向を向き、
該突出部の外面に、該本体の外面を切欠して設けられた第1の面が形成され、
該複数本の針の薬液吐出口の向きが、該第1の面が面する側の反対側を向いている薬液注入針。
(項目2)前記突出部の外面に、前記第1の面と対向する側に、該本体の外面を切欠して設けられた第2の面が形成され、該第1の面と第2の面はほぼ平行に形成されている、項目1に記載の薬液注入針。
(項目3)前記薬液注入針の本体の断面の外形はほぼ円形であり、前記突出部の断面の外形はほぼ長方形又は長円である、項目1または2に記載の薬液注入針。
(項目4)前記針の最大外径が0.〜0.6mmである、項目1又は2に記載の薬液注入針。
(項目5)前記複数本の針は3本であり、該3本の針が一列に配列され、かつ該針に形成された薬液吐出口が同方向を向いている、項目1〜4のいずれかに記載の薬液注入針。
(項目6)薬液が充填される注射器と、該注射器の先端部に取り付けられる薬液注入針と、を有する経皮投薬装置であって、
該薬液注入針は、ほぼ円筒状の薬液注入針の本体と、該本体の先端部から前方へ延出された突出部と、該突出部の先端表面より突出する複数本の針とを有し、
該複数本の針の先端が該針の長手方向に対して斜めに切断されて針の先端に薬液の吐出口が形成され、
該複数本の針が一列に配列されていると共に、各針に形成された薬液吐出口が同方向を向き、
該突出部の外面に、該本体の外面を切欠して設けられた第1の面が形成され、
該複数本の針の薬液吐出口の向きが、該第1の面が面する側の反対側を向いている経皮投薬装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の経皮投薬装置に使用される薬液注入針は、薬液注入針本体の先端部に形成された突出部の先端表面より複数本の針が一列に配列して突出し、該突出部の外面に、該本体の外面を切欠して設けられた第1の面が形成され、複数本の針の先端に形成された薬液吐出口の向きが該第1の面が向く方向とは反対側を向いていることにより、薬液を皮内組織(表皮、真皮など)へ注射する際には、第1の面を皮膚側に配置し薬液吐出口を使用者(医者、看護士など)側へ向けた状態で、薬液注入針を傾けて針先端を皮膚表面に突き刺し、薬液注入針の先端で皮膚をやや持ち上げた状態とし、そしてその状態で針を皮内組織(表皮、真皮など)の所望の位置へ突き刺すことができる。このように、患者の表皮、真皮など皮内組織の厚さに応じて注射器を十分に傾斜させた状態で穿刺することができ、針先端が神経末端や血管などに到達して傷付けることを防止できる。また、従来のように針先を湾曲させることもないので、作製費用が安価である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】注射器の先端に本発明の一実施形態の薬液注入針を取り付ける状態の正面図である。
図2】本発明の一実施形態の薬液注入針の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態の薬液注入針の正面図である。
図4】本発明の一実施形態の薬液注入針の平面図である。
図5】本発明の一実施形態の薬液注入針の右側面図である。
図6】本発明の一実施形態の薬液注入針の左側面図である。
図7】本発明の一実施形態の薬液注入針のA−A線断面図である。
図8】本発明の一実施形態の薬液注入針を皮膚に突き刺している状態の説明図である。
図9】本発明の他の実施形態の薬液注入針の正面図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態の薬液注入針の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明の経皮投薬装置5は、薬液が充填される注射器6と、該注射器6の先端部に取り付けられる薬液注入針1と、を有する。
【0017】
注射器6は、注射器本体7と、該注射器本体7内に挿入されるプランジャ8と、注射器本体7の先端部に形成されたルアーロック部20とを有する。ルアーロック部20は、外筒21と内筒22とを有し、該外筒21の内面にねじが形成されている。
【0018】
図2図7に示すように、薬液注入針1は、ほぼ円筒状の薬液注入針の本体10と、該本体10の先端部から前方へ延出された突出部14と、該突出部14の先端表面より突出する複数本の針11とを有する。
薬液注入針本体10は、基端部が開口する円筒状に形成され、その基端部に、上記ルアーロック部20と係合し得るフランジ12が形成されている。
【0019】
該突出部14の外面に、該本体10の外面を切欠して設けられた第1の面17が形成され、前記第1の面17と対向する側に、該本体10の外面を切欠して設けられた第2の面18が形成されている。該第1の面17と第2の面18はほぼ平行に形成されている。該第1の面17と第2の面18との間の寸法は、該本体10の外径より小さく設定されている。
【0020】
該薬液注入針本体10の断面の外形はほぼ円形であり、前記突出部14の断面の外形は、ほぼ長方形または小判状である。突出部14の先端の角部にアールが形成されている。
薬液注入針本体10の突出部14には、針11を通すための通孔16が複数形成されている。この通孔16は、該本体10の内部に形成された空間部19と連通している。
【0021】
図7に示すように、本実施形態では、通孔16は針11の本数に応じて3つ形成されている。この通孔16は2つあるいは4つ以上でも良い。この通孔16内に針11が挿入されて接着剤などの固着部材によって針11は薬液注入針1の突出部14に固着されている。なお、針11の固着方法は接着に限らず、例えば、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)等の方法を用いてもよい。突出部14の先端部の表面に、通孔16の周囲において凹部15を形成してもよい。凹部15を形成することにより、流動性を有する接着剤をこの凹部15を通して通孔16内に塗布することができる。
【0022】
針11の構成材料としては、限定するものではないが、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料、プラスチック材料等が挙げられる。また、薬液注入針1の本体10は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を材料として、射出成形等により製造することができる。
【0023】
この実施形態では、薬液注入針1の突出部14から突出する複数の針11の本数は3本であるが、2本でも4本以上でもよい。好ましくは2〜5本である。薬液注入針1の表面から突出する針11の突出寸法は、0.1〜15mmが好ましく、3〜12mmがより好ましく、5〜10mmが最も好ましい。針11の最大外径は、0.〜0.6mmが好ましく、0.1〜0.4mmがさらに好ましい。
【0024】
特に、針の外径は、31G〜35Gのものが好ましい。
針11の先端は、管状部材を斜めに切断した形状をしている(図3および図4)。針11の先端の切断された切断面の角度は、針11の長手方向に対して10度〜50度が好ましい。典型的には、針の先端に形成された斜めの切断面は、針の長手方向に対して第1の切断面が斜めに形成され、この第1の切断面のほぼ中間点からさらに斜めに切断されて第1の切断面に連続する第2の切断面が形成されているものである。ここで、針の先端が針の長手方向に対して斜めに切断されているとは、このように針の長手方向に対して斜めに第1の切断面が形成され、さらにこの第1の切断面から斜めに第2の切断面が形成されたものなどを含めるものとする。このように針を構成する管状部材が切断されて針11の先端に薬液の吐出口13が形成されている。
【0025】
図3および図4に示すように、突出部14の先端に3本の針が一列に配列され、かつ該針に形成された薬液吐出口13が同方向を向いている。この複数本の針の薬液吐出口13の向きは、該第1の面17が面する方向とは逆方向を向いている。
【0026】
つまり、突出部14の厚みが薄くなっている側を、薬液出口13が向いている。
【0027】
次に、本発明の経皮投薬装置5の使用方法を説明する。
【0028】
注射器6の先端に形成されたルアーロック部20を、薬液注入針1のフランジ12に係合させ、この状態で注射器6を回転させる。注射器6のルアーロック部20と薬液注入針1のフランジ12が係合する。図8に示すように、突出部14の第1の面17側を皮膚S側に向けて、薬液注入針1の付いた注射器6を皮膚表面に対して傾斜させ、薬液注入針1の先端を皮膚Sに突き刺し、皮膚Sをやや持ち上げた状態とし、薬液注入針1を皮膚Sに突き刺す。突出部14の第1の面17が本体10の外面を切欠して形成されていることにより、このように薬液注入針1を皮膚表面に対して十分に傾斜させることができる。また、突出部14の第1の面17を皮膚S側に配した場合、薬液注入針1の薬液吐出口13は、皮膚Sとは反対側(使用者側)を向く。従って、薬液注入針1の先端を皮膚表面に突き刺して皮膚表面を持ち上げ、この状態で皮内組織(表皮、真皮など)に薬液を注射することができると共に、使用者は針先の位置を目視で容易に確認することができる。
【0029】
その後、通常の方法に従って、注射器6のプランジャ8を押圧操作することにより、注射器6内の薬液は薬液注入針1の空間部19内へ入り、さらに薬液注入針1の各針11を通して薬液吐出口13から押し出される。
【0030】
経皮投薬装置5で使用される薬液は、典型的には、薬剤を含有する溶液、ゲルまたは懸濁液である。使用可能な薬剤は、経皮的な投与に適さない薬剤以外であれば実質的に制限されない。
【0031】
図9は他の実施例を示している。上記実施例では、突出部14の外面に第1の面17および第2の面18を形成し、第1の面17および第2の面18がほぼ平行となるようにしたが、第1の面17だけを形成してもよい。
【0032】
この実施例では、第1の面17の反対側に、本体10の外面から連続する半円筒状の面24が形成されている。この半円筒状の面24を使用者側にして注射器を傾斜させればよい。
【0033】
図10に示すように、突出部14の外面に形成した第1の面17として、本体10の外面から連続する傾斜面としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の経皮投薬装置を用いることにより、注射器を傾斜させた状態として、薬剤や化粧品等を皮膚内の所望の位置に経皮投与することができ、また痛みを伴うこともない。また、本発明の注射針は、粘度の高い、分子量の大きい薬液・薬剤を低侵襲で皮内に投与することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 薬液注入針
5 経皮投薬装置
6 注射器
10 薬液注入針本体
11 針
13 吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10