特許第6068075号(P6068075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068075
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/58 20060101AFI20170116BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   B65H29/58 B
   B65H5/06 M
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-208141(P2012-208141)
(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公開番号】特開2014-61977(P2014-61977A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】山上 剛
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−032517(JP,A)
【文献】 特開2005−145576(JP,A)
【文献】 特開2003−182906(JP,A)
【文献】 実開平02−055662(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12 〜 29/24
B65H 29/52
B65H 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進入経路からスイッチバック経路へと進入した用紙をスイッチバック搬送し、出口経路へと送り出すスイッチバックローラ対と、
前記進入経路における用紙の一方の面側をガイドする第1ガイド板と、
前記スイッチバック経路および前記出口経路における用紙の一方の面側をガイドする第2ガイド板と、
前記スイッチバックローラ対による搬送方向を調整する調整部と、
前記スイッチバックローラ対および前記調整部を制御する制御部とを備え、
前記進入経路から前記スイッチバック経路へとつながる経路は、その合流点において屈曲した経路であり、前記スイッチバックローラ対により搬送される用紙の後端が第1ガイド板を抜けると用紙の腰により前記第2ガイド板側へ移動するようになっており、
前記制御部は、用紙の種類に応じて、前記スイッチバックローラ対による搬送方向を調整するよう前記調整部を制御し、
また、前記制御部は、用紙の後端が第1ガイド板を抜ける前に、前記スイッチバックローラ対による用紙の搬送速度を減速させることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、用紙の後端が第1ガイド板を抜ける時点における前記スイッチバックローラ対による用紙の搬送速度を、用紙の種類に応じて調整することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記スイッチバックローラ対による搬送方向、スイッチバック後の搬送において前記第2ガイド板に平行な方向に対して前記第2ガイド板側に傾いた方向とするよう前記調整部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙をスイッチバック搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置等において、用紙を上下反転させるためにスイッチバック搬送を行う搬送装置が知られている。
【0003】
このような搬送装置において、スイッチバックローラに用紙が進入する進入経路と、スイッチバックローラから用紙を送り出す出口経路とを切り替えるために、反転爪を用いたものがある。
【0004】
反転爪は、その先端が進入経路側のガイド板にバネで付勢されている。スイッチバックローラに進入する用紙は、反転爪を押し下げながら通過する。スイッチバックローラに進入する用紙が通過すると、反転爪はバネの力により元の位置に戻る。これにより、出口経路が確保される。
【0005】
しかしながら、上述の反転爪を用いると、用紙の先端が破損する等のダメージが生じるおそれがある。特に、高速搬送の場合や、腰の弱い用紙を搬送する場合、用紙のダメージが生じやすくなる。
【0006】
また、用紙の先端の引っかかりを抑えるために、反転爪は櫛歯形状に形成されている。このため、用紙に波状の腰が発生し、これにより搬送経路のガイド板に用紙が接触して騒音が発生することがある。
【0007】
そこで、反転爪を使用せずに、搬送経路の屈曲と用紙の腰を利用して経路の切り替えを行う搬送装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この搬送装置では、搬送経路に沿って屈曲した用紙の後端がガイド板を抜けて、用紙が腰により形状を回復することで後端の向きが変わることを利用して、経路の切り替えを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−32517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の反転爪を使用しない搬送装置では、用紙が腰により形状を回復したときに出口側のガイド板に衝突し、騒音が発生することがある。特に、高速搬送の場合や、腰の強い用紙を搬送する場合、この騒音が大きくなる。
【0010】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、騒音を低減できる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る搬送装置の第1の特徴は、進入経路からスイッチバック経路へと進入した用紙をスイッチバック搬送し、出口経路へと送り出すスイッチバックローラ対と、前記進入経路における用紙の一方の面側をガイドする第1ガイド板と、前記スイッチバック経路および前記出口経路における用紙の一方の面側をガイドする第2ガイド板と、前記スイッチバックローラ対を制御する制御部とを備え、前記進入経路から前記スイッチバック経路へとつながる経路は、その合流点において屈曲した経路であり、前記スイッチバックローラ対により搬送される用紙の後端が第1ガイド板を抜けると用紙の腰により前記第2ガイド板側へ移動するようになっており、前記制御部は、用紙の後端が第1ガイド板を抜ける前に、前記スイッチバックローラ対による用紙の搬送速度を減速させることにある。
【0012】
本発明に係る搬送装置の第2の特徴は、前記制御部は、用紙の後端が第1ガイド板を抜ける時点における前記スイッチバックローラ対による用紙の搬送速度を、用紙の種類に応じて調整することにある。
【0013】
本発明に係る搬送装置の第3の特徴は、前記スイッチバックローラ対による搬送方向は、スイッチバック後の搬送において前記第2ガイド板に平行な方向に対して前記第2ガイド板側に傾いた方向であることにある。
【0014】
本発明に係る搬送装置の第4の特徴は、前記スイッチバックローラ対による搬送方向を調整する調整部をさらに備え、前記制御部は、用紙の種類に応じて、前記スイッチバックローラ対による搬送方向を調整するよう前記調整部を制御することにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る搬送装置の第1の特徴によれば、用紙の後端が第1ガイド板を抜ける前に用紙の搬送速度を減速させる。これにより、第1ガイド板を抜けた用紙の後端部が第2ガイド板に衝突することによる騒音を低減できる。
【0016】
本発明に係る搬送装置の第2の特徴によれば、用紙の後端が第1ガイド板を抜ける時点における用紙の搬送速度を、用紙の種類に応じて調整する。これにより、第1ガイド板を抜けた用紙の後端部が第2ガイド板に衝突することによる騒音をより低減できる。
【0017】
本発明に係る搬送装置の第3の特徴によれば、スイッチバックローラ対による搬送方向が、スイッチバック後の搬送において第2ガイド板に平行な方向に対して第2ガイド板側に傾いた方向である。これにより、用紙がカールしている場合でも、スイッチバックされた用紙が第1ガイド板に衝突、接触することを低減できる。この結果、搬送不良を低減できる。
【0018】
本発明に係る搬送装置の第4の特徴によれば、用紙の種類に応じてスイッチバックローラ対による搬送方向を調整することで、より搬送不良を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態に係る搬送装置が設けられた排紙装置の全体概略図である。
図2図1に示す排紙装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図3】反転部の要部の構成図である。
図4】スイッチバック時の搬送経路の切り替えの説明図である。
図5】調整部の構成図である。
図6】スイッチバックローラ対による搬送方向の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0021】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送装置が設けられた排紙装置の全体概略図、図2は、図1に示す排紙装置の制御系の構成を示すブロック図、図3は、反転部の要部の構成図、図4は、スイッチバック時の搬送経路の切り替えの説明図、図5は、調整部の構成図である。以下の説明において、ユーザが位置する図1の紙面表方向を前方とする。また、図1に示すように、ユーザから視て、上下左右を上下左右方向とする。
【0023】
図1図2に示すように、排紙装置1は、排紙部2と、排紙台3と、昇降駆動部4と、一対のサイドフェンス5A,5Bと、エンドフェンス6と、フェンス駆動部7と、台車8と、制御部9とを備える。なお、請求項の搬送装置は、排紙部2の一部(後述の反転部12)と、制御部9とを有する。
【0024】
排紙部2は、排紙装置1の左側に接続された印刷装置(図示せず)から送り出された印刷済みの用紙を受け取り、これを排紙台3へと排紙する。排紙部2は、排紙搬送部11と、反転部12とを備える。
【0025】
ここで、図1において太線で示す経路が、排紙部2において用紙が搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が排紙経路RD、破線で示す経路が反転進入経路(請求項の進入経路に相当)RI、一点鎖線で示す経路がスイッチバック経路RS、二点鎖線で示す経路が反転出口経路(請求項の出口経路に相当)ROである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路上の搬送方向における上流、下流を意味する。
【0026】
排紙搬送部11は、印刷装置から送り出された用紙を搬送して排紙する。図1図2に示すように、排紙搬送部11は、導入ローラ対21と、導入モータ22と、フェイスアップローラ対23と、上昇ローラ対24と、上昇モータ25と、第1排出ローラ対26と、第2排出ローラ対27と、排出モータ28とを備える。
【0027】
導入ローラ対21は、印刷装置から印刷済みの用紙を排紙装置1へと取り込む。導入ローラ対21は、排紙経路RDの最上流部に配置されている。排紙経路RDの上流端は、印刷装置の搬送経路の下流端に接続されている。
【0028】
導入モータ22は、導入ローラ対21、フェイスアップローラ対23、および後述の第1反転進入ローラ対33を回転駆動させる。
【0029】
フェイスアップローラ対23は、導入ローラ対21により印刷装置から取り込まれた用紙を上昇ローラ対24へ搬送する。フェイスアップローラ対23は、排紙経路RDに沿って導入ローラ対21の下流側に配置されている。
【0030】
上昇ローラ対24は、フェイスアップローラ対23または後述の第2中間ローラ対38から搬送されてきた用紙を第1排出ローラ対26へ搬送する。上昇ローラ対24は、反転出口経路ROとの合流点の下流側近傍の排紙経路RD上に配置されている。
【0031】
上昇モータ25は、上昇ローラ対24を回転駆動させる。
【0032】
第1排出ローラ対26は、上昇ローラ対24から搬送されてきた用紙を第2排出ローラ対27へ搬送する。第1排出ローラ対26は、排紙経路RDに沿って上昇ローラ対24の下流側に配置されている。
【0033】
第2排出ローラ対27は、第1排出ローラ対26から搬送されてきた用紙を排紙台3へ排出する。第2排出ローラ対27は、排紙経路RDの最下流部に配置されている。
【0034】
排出モータ28は、第1排出ローラ対26および第2排出ローラ対27を回転駆動させる。
【0035】
反転部12は、印刷装置から排紙装置1へ取り込まれた用紙を上下反転するためのスイッチバック搬送を行う。図1図3に示すように、反転部12は、経路切替フリッパ31と、経路切替ソレノイド32と、第1反転進入ローラ対33と、第2反転進入ローラ対34と、スイッチバックローラ対35と、スイッチバックモータ36と、第1中間ローラ対37と、第2中間ローラ対38と、中間搬送モータ39と、用紙センサ40と、進入側下ガイド板41と、進入側上ガイド板(請求項の第1ガイド板に相当)42と、出口側上ガイド板(請求項の第2ガイド板に相当)43と、出口側下ガイド板44と、調整部45とを備える。
【0036】
経路切替フリッパ31は、用紙の搬送経路を排紙経路RDと反転進入経路RIとの間で切り替える。経路切替フリッパ31は、排紙経路RDと反転進入経路RIとの分岐点に配置されている。
【0037】
経路切替ソレノイド32は、経路切替フリッパ31を駆動させる。
【0038】
第1反転進入ローラ対33は、経路切替フリッパ31により反転進入経路RIに導かれた用紙を第2反転進入ローラ対34へ搬送する。第1反転進入ローラ対33は、反転進入経路RIに沿って経路切替フリッパ31の下流側に配置されている。
【0039】
第2反転進入ローラ対34は、第1反転進入ローラ対33から搬送されてきた用紙をスイッチバックローラ対35へ搬送する。第2反転進入ローラ対34は、反転進入経路RIに沿って第1反転進入ローラ対33の下流側に配置されている。
【0040】
スイッチバックローラ対35は、反転進入経路RIからスイッチバック経路RSへ進入した用紙をスイッチバック搬送して反転出口経路ROへ送り出す。スイッチバックローラ対35は、用紙のスイッチバック搬送を行うため、正逆転可能に構成されている。スイッチバックローラ対35は、反転進入経路RIとの合流点近傍のスイッチバック経路RS上に配置されている。
【0041】
スイッチバックモータ36は、スイッチバックローラ対35を正転駆動または逆転駆動させる。
【0042】
第1中間ローラ対37は、スイッチバックローラ対35によりスイッチバックされた用紙を第2中間ローラ対38へ搬送する。第1中間ローラ対37は、スイッチバックローラ対35と上昇ローラ対24との間の反転出口経路RO上に配置されている。
【0043】
第2中間ローラ対38は、第1中間ローラ対37から搬送されてきた用紙を上昇ローラ対24へ搬送する。第2中間ローラ対38は、反転出口経路ROに沿って第1中間ローラ対37の下流側に配置されている。
【0044】
中間搬送モータ39は、第2反転進入ローラ対34、第1中間ローラ対37、および第2中間ローラ対38を回転駆動させる。
【0045】
用紙センサ40は、第1反転進入ローラ対33と第2反転進入ローラ対34との間において、反転進入経路RI上を搬送される用紙を検出する。用紙センサ40は、光学式センサからなる。
【0046】
進入側下ガイド板41は、図3に示すように、反転進入経路RIおよびスイッチバック経路RSにおける用紙の下面側をガイドする。進入側下ガイド板41は、反転進入経路RIとスイッチバック経路RSとの合流点近傍において、下方向に屈曲している。
【0047】
進入側上ガイド板42は、反転進入経路RIにおける用紙の上面側をガイドする。進入側上ガイド板42は、進入側下ガイド板41の上部に略平行に設けられている。
【0048】
出口側上ガイド板43は、スイッチバック経路RSおよび反転出口経路ROにおける用紙の上面側をガイドする。スイッチバック経路RSと反転出口経路ROとの接続点近傍においても屈曲しない平面状に形成されている。
【0049】
出口側下ガイド板44は、反転出口経路ROにおける用紙の下面側をガイドする。出口側下ガイド板44は、出口側上ガイド板43に略平行に設けられている。出口側下ガイド板44の下端部は、出口側上ガイド板43側の反対側に屈曲している。これにより、用紙が出口側上ガイド板43と出口側下ガイド板44との間に円滑に進入できる。
【0050】
図2図3に示すように、反転進入経路RIからスイッチバック経路RSへとつながる経路は、その合流点において屈曲している。スイッチバック経路RSから反転出口経路ROへとつながる経路は、略一直線状になっている。反転進入経路RIからスイッチバック経路RSへ進入した用紙の後端が、進入側上ガイド板42を抜けると、搬送経路に沿って屈曲していた用紙が、用紙の腰により元の形状を回復する。これにより、図4に示すように、用紙Pの後端が出口側上ガイド板43側へ移動する。この結果、スイッチバック後の用紙が、出口側上ガイド板43と出口側下ガイド板44との間の反転出口経路ROを搬送される。このようにして、スイッチバック時の搬送経路の切り替えが行われる。
【0051】
調整部45は、スイッチバックローラ対35による搬送方向を調整する。図5に示すように、調整部45は、調整モータ51と、駆動ギア52と、扇形ギア53と、ホームポジション(HP)センサ54とを備える。
【0052】
調整モータ51は、扇形ギア53を回転させるための駆動力を発生する。調整モータ51は、パルスモータからなる。
【0053】
駆動ギア52は、調整モータ51の駆動力を扇形ギア53に伝達して扇形ギア53を回転させる。駆動ギア52は、調整モータ51の出力軸51aに取り付けられている。
【0054】
扇形ギア53は、スイッチバックローラ対35の駆動ローラ35aと従動ローラ35bとの接点の位置を変化させる。扇形ギア53は、駆動ギア52と噛み合っている。扇形ギア53の回転中心は、駆動ローラ35aの回転軸55の中心と一致している。扇形ギア53の中央部には、従動ローラ35bの回転軸56が回転可能に支持されている。扇形ギア53が回転すると、駆動ローラ35aの周上を従動ローラ35bが移動し、これらの接点が移動する。駆動ローラ35aと従動ローラ35bとの接点における接線方向が、スイッチバックローラ対35による搬送方向である。したがって、駆動ローラ35aと従動ローラ35bとの接点が移動することにより、スイッチバックローラ対35による搬送方向が変化する。駆動ローラ35aに対して従動ローラ35bが移動してもそれらの中心間距離は一定のため、スイッチバックローラ対35のニップ圧は変化しない。
【0055】
また、扇形ギア53には、HPセンサ54の検出対象である突起部53aが設けられている。
【0056】
HPセンサ54は、扇形ギア53の突起部53aを検出することにより、従動ローラ35bのホームポジションを検出する。
【0057】
排紙台3は、排紙部2により排紙された印刷済みの用紙が積載されるものである。排紙台3は、第2排出ローラ対27の右方の下方に配置されている。排紙台3は、昇降可能に構成されている。
【0058】
昇降駆動部4は、排紙台3を昇降させる。昇降駆動部4は、モータ等を有する。
【0059】
一対のサイドフェンス5A,5Bは、排紙台3上に排紙される用紙の幅方向(前後方向)の位置を規制する。サイドフェンス5A,5Bは、排紙台3の上方にフェンス駆動部7から吊り下げられる状態で設けられ、排紙台3からは分離している。サイドフェンス5A,5Bは、前後方向に離間して並設されている。
【0060】
エンドフェンス6は、排紙台3に排紙される用紙の先端(右端)の位置を規制する。エンドフェンス6は、排紙台3の上方にフェンス駆動部7から吊り下げられる状態で設けられ、排紙台3からは分離している。
【0061】
フェンス駆動部7は、一対のサイドフェンス5A,5Bを互いに接近させる方向または互いに離間させる方向に移動させる。また、フェンス駆動部7は、エンドフェンス6を左右方向に移動させる。フェンス駆動部7は、排紙台3の上方に設けられている。
【0062】
台車8は、用紙が積載された排紙台3を排紙装置1から引き出すためのものである。排紙台3が下限位置まで下降すると、台車8上に載置されるようになっている。
【0063】
制御部9は、排紙装置1全体の動作を制御する。制御部9は、CPU、RAM、ROM、HDD等の記憶装置等を備えて構成される。制御部9は、スイッチバック搬送時において、用紙の後端が進入側上ガイド板42を抜ける前に、用紙の搬送速度を減速させる。
【0064】
次に、排紙装置1の動作について説明する。
【0065】
排紙装置1の排紙動作は、印刷装置での印刷動作に応じて行われる。制御部9は、印刷装置から送り出された用紙の上下の向きをそのままにして排紙するか、用紙を上下反転させて排紙するかの指示を印刷装置から受け取る。
【0066】
印刷装置から送り出された用紙の上下の向きをそのままにして排紙する場合、制御部9は、導入モータ22、上昇モータ25、排出モータ28を駆動開始させる。これにより、導入ローラ対21、フェイスアップローラ対23、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27の駆動が開始される。ここで、制御部9は、これらの各ローラ対による搬送速度が、印刷装置が用紙を送り出す速度V1と同じになるよう駆動させる。
【0067】
また、制御部9は、経路切替ソレノイド32により、用紙を導入ローラ対21からフェイスアップローラ対23へ導く方向に経路切替フリッパ31を設定する。また、制御部9は、フェンス駆動部7により、一対のサイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス6の位置を用紙のサイズに応じて調整する。
【0068】
印刷装置から用紙が排紙経路RDに進入すると、用紙は、導入ローラ対21により搬送されつつ、経路切替フリッパ31によりフェイスアップローラ対23へ導かれる。そして、用紙は、フェイスアップローラ対23、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27により搬送され、排紙台3へと排出される。
【0069】
この際、制御部9は、用紙がフェイスアップローラ対23を抜けるタイミングで、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27による搬送速度を、導入速度V1より大きい排出速度V2へと加速させる。
【0070】
その後、制御部9は、用紙が上昇ローラ対24を抜けるタイミングで、上昇ローラ対24による搬送速度をV2からV1へと戻す。そして、用紙が第2排出ローラ対27を抜けるタイミングで、制御部9は、第1および第2排出ローラ対26,27による搬送速度をV2からV1へと戻す。
【0071】
ここで、制御部9は、図示しない複数のセンサによる用紙の検出タイミングに基づき、搬送速度を変化させるタイミングを判断する。
【0072】
一方、用紙を上下反転させて排紙する場合、制御部9は、導入モータ22、上昇モータ25、排出モータ28、スイッチバックモータ36、中間搬送モータ39を駆動開始させる。これにより、導入ローラ対21、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27、第1および第2反転進入ローラ対33,34、スイッチバックローラ対35、第1および第2中間ローラ対37,38の駆動が開始される。
【0073】
ここで、制御部9は、導入ローラ対21および第1反転進入ローラ対33による搬送速度が、導入速度V1となるよう駆動させる。また、制御部9は、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27、第2反転進入ローラ対34、スイッチバックローラ対35、第1および第2中間ローラ対37,38による搬送速度が、導入速度V1および排出速度V2より大きい反転速度V3となるよう駆動させる。
【0074】
また、制御部9は、経路切替ソレノイド32により、用紙を反転進入経路RIへ導く方向に経路切替フリッパ31を設定する。また、制御部9は、フェンス駆動部7により、一対のサイドフェンス5A,5Bおよびエンドフェンス6の位置を用紙のサイズに応じて調整する。
【0075】
また、制御部9は、調整部45により、スイッチバックローラ対35による搬送方向を調整する。具体的には、制御部9は、図6に示すように、矢印61で示すスイッチバック後のスイッチバックローラ対35による搬送方向が、矢印62で示す出口側上ガイド板43に平行な方向に対して、出口側上ガイド板43側に傾いた方向になるよう調整する。制御部9は、このスイッチバックローラ対35による搬送方向、すなわち図6の傾き角度θを、用紙の種類に応じて調整する。具体的には、薄紙等の腰の弱い用紙では、腰の強い用紙よりも傾き角度θが大きくなるようにする。制御部9は、調整モータ51を駆動させることで、傾き角度θを調整する。この際、制御部9は、従動ローラ35bのホームポジションからの調整モータ51の駆動パルス数により、傾き角度θを制御する。
【0076】
印刷装置から用紙が排紙経路RDに進入すると、用紙は、導入ローラ対21により搬送されつつ、経路切替フリッパ31により反転進入経路RIへ導かれる。そして、用紙は、第1および第2反転進入ローラ対33,34、スイッチバックローラ対35により搬送される。ここで、第1反転進入ローラ対33による搬送速度がV1であるのに対して、第2反転進入ローラ対34およびスイッチバックローラ対35による搬送速度がV1より大きい反転速度V3であるため、用紙は第2反転進入ローラ対34に到達すると加速される。
【0077】
ここで、制御部9は、用紙の後端が進入側上ガイド板42を抜ける前に、用紙の搬送速度を反転速度V3から減速させる。具体的には、制御部9は、用紙の後端が用紙センサ40を通過し、用紙センサ40がON(用紙検出)からOFF(用紙非検出)に切り替わった後、所定時間が経過すると、中間搬送モータ39およびスイッチバックモータ36を制御して、搬送速度の減速を開始させる。減速開始のタイミングおよび減速加速度は、用紙の後端が進入側上ガイド板42を抜ける時点におけるスイッチバックローラ対35による搬送速度Va(<V3)に応じて設定される。
【0078】
搬送速度Vaは、用紙の種類に応じて設定される。具体的には、厚紙等の腰の強い用紙では、軽量紙等の腰の弱い用紙よりも搬送速度Vaを小さく設定される。
【0079】
その後、制御部9は、スイッチバックモータ36を停止させる。スイッチバックローラ対35は、用紙の後端部をニップした状態で停止する。
【0080】
次いで、制御部9は、スイッチバックモータ36の逆転駆動を開始させる。これにより、スイッチバックローラ対35が逆転駆動を開始し、用紙は第1中間ローラ対37へと搬送される。逆転駆動開始後のスイッチバックローラ対35、第1および第2中間ローラ対37,38による搬送速度は、反転速度V3とする。
【0081】
スイッチバックされた用紙は、第1および第2中間ローラ対37,38、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27により搬送され、排紙台3へと排出される。
【0082】
この際、制御部9は、用紙が第2中間ローラ対38を抜けるタイミングで、上昇ローラ対24、第1および第2排出ローラ対26,27による搬送速度を、反転速度V3から排出速度V2へと減速させる。
【0083】
その後、制御部9は、用紙が上昇ローラ対24を抜けるタイミングで、上昇ローラ対24による搬送速度をV2からV3へと戻す。そして、用紙が第2排出ローラ対27を抜けるタイミングで、制御部9は、第1および第2排出ローラ対26,27による搬送速度をV2からV3へと戻す。
【0084】
ここで、制御部9は、図示しない複数のセンサによる用紙の検出タイミングに基づき、搬送速度を変化させるタイミングを判断する。
【0085】
以上説明したように、排紙装置1では、スイッチバック搬送時において、用紙の後端が進入側上ガイド板42を抜ける前に、用紙の搬送速度を減速させる。これにより、進入側上ガイド板42を抜けた用紙の後端部が出口側上ガイド板43に衝突することによる騒音を低減できる。
【0086】
また、排紙装置1では、用紙の後端が進入側上ガイド板42を抜ける時点における用紙の搬送速度Vaを、用紙の種類に応じて調整する。具体的には、腰の強い用紙ほど搬送速度Vaを小さくする。腰の強い用紙ほど、進入側上ガイド板42を抜けたときに出口側上ガイド板43に衝突しやすく、その衝突音も大きくなりやすい。そこで、腰の強い用紙ほど搬送速度Vaを小さくすることで、より騒音を低減できる。
【0087】
また、排紙装置1では、スイッチバック後のスイッチバックローラ対35による搬送方向が、出口側上ガイド板43に平行な方向に対して、出口側上ガイド板43側に傾いた方向になるようにしている。これにより、用紙がカールしている場合でも、スイッチバックされた用紙が進入側上ガイド板42に衝突、接触することを低減できる。この結果、搬送不良を低減できる。
【0088】
また、排紙装置1では、スイッチバックローラ対35による搬送方向(傾き角度θ)を用紙の種類に応じて調整する。具体的には、腰の弱い用紙ほど傾き角度θを大きくする。腰の弱い用紙ほど、カールが大きくなりやすく、スイッチバック後に進入側上ガイド板42に衝突、接触しやすい。そこで、腰の弱い用紙ほど傾き角度θを大きくすることで、より搬送不良を低減できる。
【0089】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 排紙装置
2 排紙部
9 制御部
12 反転部
35 スイッチバックローラ対
41 進入側下ガイド板
42 進入側上ガイド板
43 出口側上ガイド板
44 出口側下ガイド板
45 調整部
RI 反転進入経路
RS スイッチバック経路
RO 反転出口経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6