(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
モバイルルーターなど、持ち歩いて中継通信を行うことができる通信機器は、バッテリーによる駆動を行うため、少しでも消費電力を抑えることが求められている。そこで、消費電力を抑えた省電力モードを設け、中継通信を行わない場合は省電力モードに移行し、中継通信を行う場合は省電力モードから復帰する通信機器が提案されている。
【0003】
省電力モードを設けた通信機器として、特許文献1の遠隔制御システムが開示されている。
図18は、特許文献1に係る遠隔制御システムのブロック図である。遠隔制御システム400は、制御される側(被制御側)の通信装置500と、制御する側(制御側)の通信装置600を含んで構成される。通信装置600は、第1制御通信部610と、第2制御通信部630を有している。通信装置500は、受信整流部510と、送受信部530を有している。通信装置500は、判定部550及び電源制御部570を有している。
【0004】
図19は、特許文献1に係る遠隔制御システム400の動作を示すシーケンス図である。
【0005】
通信装置500が待機の状態にある(S0)間に、通信装置600の制御サブシステムにおいて通信装置500に対する起動制御がなされ、第1制御通信部610に伝達される(S1)。第1制御通信部610は通信方法(1)により、通信装置500に対して認証情報を含む起動制御信号を送る(S2)。
【0006】
通信装置500の受信整流部510は当該起動制御信号を受信して整流及び増幅し、受信した認証情報に基づき判定部550が認証の成否を判定する(S3)。認証が成功すると、認証の成功を表す信号が電源制御部570に送られ(S4)、電源制御部570が送受信部530に対して電源を投入するように制御することにより送受信部530が起動される(S5)。
【0007】
送受信部530は、起動後に通信方法(2)により、通信装置600に対して送受信部530の起動応答の信号を送る(S6)。通信装置600の第2制御通信部630は当該起動応答の信号を受信して、次に通信方法(2)により被制御サブシステムに対する起動指示の信号を送る(S7)。
【0008】
通信装置500の送受信部530は上記の起動指示の信号を受信して、被制御サブシステムに伝達する(S8)。被制御サブシステムは当該起動指示の信号を受けて起動され(S9)、送受信部530を介して通信装置600に対して起動応答の信号を送る。当該起動応答の信号は第2制御通信部630により受信されて、制御サブシステムに伝達される(S10)。
【0009】
その後、制御サブシステムは第2制御通信部630を、被制御サブシステムは送受信部530をそれぞれ介して、互いに双方向通信を行うことができる(S11)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
図1乃至
図9を参照し、第1の実施形態に係る通信機器について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る通信機器のブロック図である。
図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係る第1通信機器100は、第1通信手段101と、第2通信手段102と、第3通信手段103を有する。また、本発明の第1の実施形態に係る第1通信機器100は、第1通信手段101、第2通信手段102、及び第3通信手段103を制御する制御手段110を有する。
【0019】
第1通信手段101、第2通信手段102、及び第3通信手段103は、種々の通信方式を採用する通信手段を用いることができる。それぞれの通信手段が採用する通信方式は、全て同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0020】
それぞれの通信手段は、二つの状態に切り替わる。二つの状態は、起動の状態と、起動の状態よりも消費電力が少ない、又は電力を消費しない、待機の状態からなる。制御手段110は、それぞれの通信手段の状態を切り替えることができる。
【0021】
第1の実施形態に係る第1通信機器100は、第1通信手段101の通信先と第3通信手段103の通信先を中継通信することができる。例えば、第1通信手段101がパーソナルコンピューターと通信し、第3通信手段103が無線基地局と通信する場合、パーソナルコンピューターと無線基地局との間で、通信を行うことができる。
【0022】
次に
図2及び3を用いて、本発明の第1の実施形態に係る第1通信機器100の動作について説明する。
図2及び
図3は、第1通信機器100の第1通信手段101の通信先が、第2通信手段102と通信可能な通信手段を有するか否かを確認する動作を示すシーケンス図である。上方から下方へ向かって時間が経過するものとする。
【0023】
まず、
図2に基づき説明する。第1通信手段101が、中継通信を開始する通信開始信号を受信すると(A1)、第1通信手段101は制御手段110に通信開始信号を送信する(A2)。制御手段110は、通信開始信号を受信すると、第1通信手段101の通信先が第2通信手段102と通信可能な通信手段を有するか否かを確認する通信手段確認信号を第1通信手段101に送る(A3)。第1通信手段101は、通信手段確認信号を第1通信手段の通信先に送信する(A4)。第1通信手段101は、通信手段確認信号を送信したことを通知する通信手段確認信号送信通知を制御手段110に送信する(A5)。制御手段110は、後述する制御判断を開始する(A6)。
【0024】
第1通信手段101の通信先から、第1通信手段101の通信先が第2通信手段102と通信可能な通信手段を有することを示す通信可能信号を受信すると(A7)、第1通信手段101は通信可能信号を制御手段110に送る(A8)。また、第1通信手段101の通信先が第2通信手段102と通信可能な通信手段を有しないことを示す通信不可信号を受信すると(A7)、第1通信手段101は通信不可信号を制御手段110に送る(A8)。通信可能信号又は通信不可信号を受信した制御手段110は、後述する制御判断にしたがって、制御を決定する(A9)。
【0025】
図3は、第1の実施形態に係る第1通信機器100の別の動作示すシーケンス図である。
図3におけるB1からB6までの動作は、
図2におけるA1からA6までの動作と同じである。
図3は、第1通信手段101が通信可能信号または通信不可信号のいずれも受信しなかった場合の動作を示す。この場合も、後述する制御判断に基づき(B6)、制御決定が行われる(B7)。
【0026】
図4は、
図2及び
図3の、制御手段110における制御判断(A6、B6)で行われる判断のフローチャートを示している。制御手段110は、まず、第1通信手段101が通信可能信号を受信したか判断する(S101)。通信可能信号を受信していた場合は(YES)、以後、通信開始信号を第2通信手段が受信するよう第2通信手段102を制御する決定をする(S102、以下第1モードという)。
【0027】
第1通信手段101が通信可能信号を受信していない場合は(NO)、以後、通信開始信号を第1通信手段が受信する第2モードで第1通信手段101を制御する決定(S105)をすることが出来る。以下では、第1の実施形態に係る通信機器の動作例として、通信不可信号を受信した場合と、通信可能信号と通信不可信号のいずれも受信しなかった場合を示す。
【0028】
第1通信手段101が通信可能信号を受信していない場合は(NO)、第1通信手段101が通信不可信号を受信したか判断する(S103)。通信不可信号を受信していた場合は(YES)、以後、通信開始信号を第1通信手段が受信するよう第1通信手段101を制御する決定をする(S105、以下第2モードという)。
【0029】
第1通信手段101が通信不可信号を受信していない場合は(NO)、第1通信手段101が通信手段確認信号送信通知を受信してから所定時間経過したか判断する(S104)。所定時間はあらかじめ設定しておいても良いし、任意に設定しても良い。所定時間を経過していた場合は(YES)、以後、通信開始信号を第1通信手段が受信する第2モードで第1通信手段101を制御する決定をする(S105)。所定時間を経過していない場合は(NO)、S101以降の処理を繰り返す。
【0030】
図5及び6は、第1の実施形態に係る通信機器の動作を示すシーケンス図であり、制御手段110における制御決定(A9、B7)を行った後の通信開始信号の受信動作を示している。
【0031】
図5のシーケンス図は、制御決定(A9)で第1モードで制御すると判断された場合の動作を示している。第2通信手段は、第2通信手段の通信先から通信開始信号を受信し(C1)、第2通信手段102は制御手段110に通信開始信号を送信する(C2)。
【0032】
図6のシーケンス図は、制御決定(A9、B7)で第2モードで制御すると判断された場合の動作を示している。第1通信手段は、第1通信手段の通信先から通信開始信号を受信し(D1)、第1通信手段101は制御手段110に通信開始信号を送信する(D2)。
【0033】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る通信機器によれば、あらかじめ第1通信機器100の第1通信手段101の通信先が第2通信手段102と通信可能な通信手段を有しているか否かを登録しておかなくても、自動的に第2通信手段102と通信可能な通信手段の有無を確認することができる。したがって、通信開始信号を第1通信手段101若しくは第2通信手段102のいずれで受信するかを、自動的に設定することが出来る。
【0034】
ここで、第1の実施形態に係る通信機器の動作の一例を示す。
図7は、第1の実施形態に係る通信機器を含む通信システムの一例のブロック図である。第1通信機器100は、
図1の第1通信機器100と同じである。第2通信機器200は、第1通信手段101と通信可能な第5通信手段201と、第2通信手段201と通信可能な第6通信手段202とを有する。また、第3通信機器300は、第3通信手段103と通信可能な第7通信手段301を有する。
【0035】
次に
図8及び9を用いて、第1の実施形態に係る通信機器を含む通信システムの動作を説明する。
図8は、第1通信機器100の第1通信手段101の通信先である第2通信機器200が、第2通信手段102と通信可能な通信手段を有するか否かを確認する動作を示すシーケンス図である。
【0036】
通信開始信号を受信する前、すなわち、中継通信を行っていない状態では、第3通信手段103は待機状態となっている。これにより、電力の消費を低減している。第5通信手段201が第1通信手段101に通信開始信号を送信し(E1)、第1通信手段101は制御手段110に通信開始信号を送信する(E2)。制御手段110は、通信開始信号を受信すると、中継通信を行うため、第3通信手段103の起動を要求する起動要求信号を第3通信手段103に送る(E3)。起動要求信号を受信した第3通信手段103は、起動する(E4)。一方で制御手段110は、通信手段確認信号を第1通信手段101に送り(E5)、第1通信手段101は、通信確認信号を第1通信手段の通信先である第5通信手段201に送信する(E6)。第1通信手段101は、通信手段確認信号を送信したことを通知する通信手段確認信号送信通知を制御手段110に送信する(E7)。制御手段110は、
図4の制御判断を開始する(E8)。
【0037】
第5通信手段201は、第2通信手段102と通信可能な第6通信手段202を有していることから、通信可能信号を第1通信手段に送信する(E9)。なお、図示していないが、第2通信機器200が第6通信手段202に相当する通信手段を有していない場合は、通信不可信号を第1通信手段に送信する構成とすることができる。第1通信手段101は通信可能信号を制御手段110に送信し(E10)、制御手段110は
図4の制御判断にしたがって、制御決定を行う(E11)。第1通信手段101は通信可能信号を受信しているため、以後通信開始信号を第2通信手段102が受信する、第1モードで第2通信手段102を制御すると判断される(
図4、S102)。
【0038】
図9は、第1の実施形態に係る通信機器を含む通信システムの動作を示すシーケンス図であり、制御手段110における制御決定(E11)を行った後の通信開始信号の受信動作を示している。通信開始信号を受信する前、すなわち、中継通信を行っていない状態では、第1通信手段101及び第3通信手段103は起動している必要が無いため、待機状態となっている。これにより、電力の消費が低減される。一方で、通信開始信号を受信するため、第2通信手段102は起動している。第6通信手段202が送信した通信開始信号を第2通信手段102が受信すると(F1)、第2通信手段102は制御手段110に通信開始信号を送信する(F2)。制御手段110は、起動要求信号を第3通信手段103に送信し、起動要求信号を受信した第3通信手段103は、起動する(F4)。一方で制御手段110は、第1通信手段101に起動要求信号を送信し(F5)、第1通信手段101は起動する(F6)。以上の動作により、第1通信手段101と第3通信手段103が起動し、中継通信を行うことが出来るようになる。
【0039】
このように、本発明の第1の実施形態に係る通信機器を含む通信システムでは、第1通信手段101の通信先が第2通信手段102と通信可能な通信手段を有するか否かを確認し、以後通信可能信号を受信する通信手段を自動的に選択する。したがって、特別な設定をすることなく、第2通信機器200が第2通信手段と通信可能な第6通信手段202を有しているかを確認した上で、中継通信を確立することが出来る。
【0040】
なお、種々の通信手段においては、通信速度が高くなるほど消費電力が大きくなることが多い。本発明の第1の実施形態に係る第1通信機器100によれば、第2通信手段102として第1通信手段101より通信速度が低く消費電力が小さい通信手段を採用することにより、第1通信機器100全体の消費電力の低下と、高速な中継通信を両立することができる。すなわち、中継通信を行う際には、通信速度がより高い第1通信手段101を用いることで高速な中継通信を実現することができる。一方、中継通信を行わずに通信開始信号の受信を待つ際には、高速な通信が求められないことから、消費電力がより小さい第2通信手段102を用いることにより、電力の消費を低減することができる。
【0041】
[第2の実施形態]
図10を参照し、本発明の第2の実施形態に係る通信機器について説明する。第1の実施形態では、第1通信手段101が通信可能信号を受信すると、以後第2通信手段102が通信可能信号を受信する第1モードで制御されるが、中継通信を行っている間は、第2通信手段は起動している必要が無い。そこで、第2の実施形態に係る通信機器では、中継通信を行う際に、第2通信手段102を待機させる。
【0042】
図10は、第2の実施形態に係る通信機器100の動作を示すシーケンス図である。第2通信手段102が通信開始信号を受信すると(G1)、制御手段110に通信開始信号を送信する(G2)。制御手段110は、通信開始信号を受信すると、第2通信手段102に待機要求信号を送信し(G3)、第2通信手段102は待機要求信号を受信して待機状態になる(G4)。以上の処理は、第1の実施形態の
図2,3,5,6,8及び9の処理と組み合わせることができる。
【0043】
以上のように、第2の実施形態に係る通信機器は、中継通信を開始する際に第2通信手段102を待機させるため、不要な電力の消費を低減することができる。
【0044】
[第3の実施形態]
図11を参照し、本発明の第3の実施形態に係る通信機器について説明する。第1の実施形態では、第1通信手段101が通信可能信号を受信すると、以後第2通信手段102が通信可能信号を受信する、第1モードで制御がされる。したがって、中継通信を行っている間は第2通信手段を起動させておく必要は無い。一方で、中継通信が中断した場合は、通信開始信号を受信するため、第2通信手段102を起動する必要がある。そこで、第3の実施形態に係る通信機器では、中継通信を中断する、通信中断信号受信を受信するタイミングで第2通信手段102を起動する。
【0045】
図11は、第2の実施形態に係る通信機器100の動作を示すシーケンス図である。第1通信手段101は、第1通信手段の通信先と前記第3通信手段の通信先の中継通信を中断する通信中断信号を受信すると(H1)、制御手段110に通信中断信号を送信する(H2)。制御手段110は、通信中断信号を受信すると、第2通信手段102を起動する起動要求信号を第2通信手段102に送信する(H3)。起動要求信号を受信した第2通信手段102は、起動する(H4)。
【0046】
以上のように、第3の実施形態に係る通信機器によれば、中継通信を行っている間は待機状態の第2通信手段102を、通信中断信号を受信するタイミングで起動することにより、第2通信手段の機能を確保しつつ、消費電力を削減することができる。
【0047】
[第4の実施形態]
図12を参照し、本発明の第4の実施形態に係る通信機器について説明する。第3の実施形態では、通信中断信号を受信するタイミングで第2通信手段102を起動する。しかしながら、第1通信手段と第1通信手段の通信先との接続が、断線や停電などで予期せずに切断する場合は、通信中断信号を受信することが出来ない。そこで、第4の実施形態に係る通信機器では、第1通信手段101が第1通信手段と第1通信手段の通信先との接続が切断したことを検出したタイミングで、第2通信手段102を起動する。
【0048】
図12は、第4の実施形態に係る通信機器100の動作を示すシーケンス図である。第1通信手段101は、第1通信手段101と第1通信手段の通信先との通信が切断したことを検出すると(I1)、制御手段110に通信切断検出信号を送信する(I2)。制御手段110は、通信切断検出信号を受信すると、第2通信手段102を起動する起動要求信号を第2通信手段102に送信する(I3)。起動要求信号を受信した第2通信手段102は、起動する(I4)。
【0049】
以上のように、第4の実施形態に係る通信機器によれば、第1通信手段と第1通信手段の通信先との接続が、断線や停電などで予期せずに切断する場合でも、切断を検出できる。これにより、中継通信を行っている間待機状態の第2通信手段102を、通信切断を検出したタイミングで起動することができ、第2通信手段の機能を確保しつつ、消費電力を削減することができる。
【0050】
[第5の実施形態]
図13乃至
図19を参照して、第5の実施形態に係る通信機器について説明する。第1乃至4の実施形態では、第1通信手段101の通信先が第2通信手段102と通信可能な通信手段を有するか否かを確認し、以後通信可能信号をいずれの通信手段で受信するように制御するか選択する。しかしながら、第1通信手段101の通信先となる通信機器が複数ある場合には、第1通信手段101の通信先となる通信機器が変わるたびに当該確認を行わなければならない。そこで、第5の実施形態の通信機器では、第1の通信手段101の通信先を識別する識別番号と、当該識別番号を有する第1の通信手段101の通信先と中継通信を行う際に第1又は第2モードのいずれで制御するかを対応させて記憶する。
【0051】
図13は、第5の実施形態に係る通信機器のブロック図である。本発明の第5の実施形態に係る第1通信機器100は、第1乃至第4の実施形態に係る第1通信手段101、第2通信手段102、第3通信手段103及び制御手段110に加え、情報を記憶する記憶手段120を有する。
【0052】
記憶手段120は、情報を記憶することが出来ればいずれの構成も採用することができ、たとえば、メモリーやハードディスクなどを使用することができる。
【0053】
次に
図14及び15を用いて、本発明の第5の実施形態に係る第1通信機器100の動作について説明する。
図14及び
図15は、第1の実施形態に係る第1通信機器100の第1通信手段101の通信先が、第2通信手段102と通信可能な通信手段を有するか否かを確認する動作を示すシーケンス図である。
【0054】
まず、
図14に基づき説明する。第1通信手段101が、中継通信を開始する通信開始信号を受信すると(J1)、第1通信手段101は制御手段110に通信開始信号を送信する(J2)。制御手段110は、通信開始信号を受信すると、第1通信手段101の通信先を識別する識別番号を取得する識別番号取得要求信号を第1通信手段101に送信する(J3)。第1通信手段101は識別番号取得要求信号を第1通信手段101の通信先に送信し(J4)、識別番号を受信する(J5)。この識別番号を制御手段110が受信すると(J6)、通信手段確認信号を第1通信手段101に送る(J7)。第1通信手段101は、通信確認信号を第1通信手段の通信先に送信する(J8)。第1通信手段101は、通信手段確認信号を送信したことを通知する通信手段確認信号送信通知を制御手段110に送信する(J9)。制御手段110は、制御判断を開始する(J10)。
【0055】
第1通信手段101が第1通信手段101の通信先から、通信可能信号を受信すると(J11)、第1通信手段101は通信可能信号を制御手段110に送る(J12)。また、通信不可信号を受信すると(J11)、第1通信手段101は通信不可信号を制御手段110に送信する(J12)。通信可能信号又は通信不可信号を受信すると、第1の実施形態に係る
図4の制御判断にしたがって、制御決定を行う(J13)。
【0056】
図15は、第1の実施形態に係る第1通信機器100の別の動作を示すシーケンス図である。
図15におけるK1からK10までの動作は、
図14におけるJ1からJ10までの動作と同じである。
図15は、第1通信手段101が通信可能信号または通信不可信号のいずれも受信しなかった場合の動作を示す。この場合も、第1の実施形態に係る
図4の制御判断にしたがって、制御決定を行う(K11)。
【0057】
制御判断(J10、K10)は、第1の実施形態と同様に行う。したがって、通信可能信号を受信した場合は、以後第1モードで第2通信手段102を制御する決定をする。また、通信不可信号を受信した場合、又は第1通信手段101が通信手段確認信号を送信してから所定時間経過した場合は、以後第2モードで第1通信手段101を制御する決定をする。
【0058】
最後に、制御判断で判定された第1モード又は第2モードと、J6又はK6で取得した識別番号を対応させて記憶要求信号として記憶手段120に送信し(J14、K12)、記憶手段に記憶する(J15、K13)。
【0059】
図16は、第5の実施形態に係る通信機器の通信手段管理テーブルの一例である。記憶手段には、
図16に示すように、識別番号(1201)と、モード(1202)が対応して表される、通信手段管理テーブルが記憶されている。
【0060】
図17は、第1の実施形態に係る通信機器の動作を示すシーケンス図であり、制御手段110における制御決定(J13、K11)を行った後の通信開始信号の受信動作を示している。
【0061】
第1通信手段101が、中継通信を開始する通信開始信号を受信すると(L1)、第1通信手段101は制御手段110に通信開始信号を送信する(L2)。制御手段110は、通信開始信号を受信すると、第1通信手段101の通信先を識別する識別番号を取得する識別番号取得要求信号を第1通信手段101に送信する(L3)。第1通信手段101は識別番号取得要求信号を第1通信手段101の通信先に送信し(L4)、識別番号を受信する(L5)。この識別番号を制御手段110が受信すると(L6)、識別番号に対応するモードを読み出す、読み出し要求を、記憶手段110に対して行い(L7)、記憶手段120において読み出す(L8)。記憶手段120は読み出し結果を制御手段110に送信し(L9)、以後、記憶手段120から読み出した結果に従い、第1モード又は第2モードのいずれかで制御を行う(L10)。なお、図示していないが、L8において、識別番号を読み出すことが出来なかった場合には、
図14及び
図15のJ7、K7以降の処理を行うことができる。
【0062】
以上のように、第5の実施形態に係る通信機器では、第1の通信手段101の通信先を識別する識別番号と、当該識別番号を有する第1の通信手段101の通信先と中継通信を行う際に第1モード又は第2モードのいずれで制御するかを対応させて記憶することを特徴とする。第1通信手段101の通信先となる通信機器が複数ある場合にも、中継通信を行う第1の通信手段101の通信先が変わるたびに当該確認を行う必要が無くなり、中継通信確立に要する時間を短くすることができ、当該確認を行うのに要する消費電力も低減することができる。
【0063】
本発明の通信機器及び通信機器の制御方法は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0064】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0065】
(付記1)
第1通信手段と、
第2通信手段と、
第3通信手段と、
前記第1及び第2通信手段を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、
前記第1通信手段が、前記第1通信手段の通信先と前記第3通信手段の通信先の中継通信を開始する通信開始信号を受信すると、前記第1通信手段が、前記第1通信手段の通信先が前記第2通信手段と通信可能な通信手段を有するか否かを確認する通信手段確認信号を、前記第1通信手段の通信先に送信し、
前記第1通信手段の通信先が前記第2通信手段と通信可能な通信手段を有することを示す通信可能信号を前記第1通信手段が受信した場合は、以後前記通信開始信号を前記第2通信手段が受信する第1モードで前記第2通信手段を制御し、
それ以外の所定の場合は、以後前記通信開始信号を前記第1通信手段が受信する第2モードで前記第1通信手段を制御することを特徴とする、
通信機器。
【0066】
(付記2)
請求項1に記載の通信機器であって、
前記所定の場合には、前記第2通信手段と通信可能な通信手段を有しないことを示す通信不可信号を受信した場合、又は前記通信可能信号若しくは前記通信不可信号のいずれも受信しない場合を含むことを特徴とする、
通信機器。
【0067】
(付記3)
請求項1又は2に記載の通信機器であって、
前記第1モードでは、前記制御手段は、
前記第2通信手段が前記通信開始信号を受信すると、前記第2通信手段を待機するよう制御することを特徴とする、
通信機器。
【0068】
(付記4)
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信機器であって、
前記第1モードでは、前記制御手段は、
前記第1通信手段が、前記中継通信を中断する通信中断信号を受信すると、前記第2通信手段を起動するよう制御することを特徴とする、
通信機器。
【0069】
(付記5)
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信機器であって、
前記第1モードでは、前記制御手段は、
前記第1通信手段が、前記第1通信手段と前記第1通信手段の通信先との通信が切断したことを検出すると、前記第2通信手段を起動するよう制御することを特徴とする、
通信機器。
【0070】
(付記6)
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信機器であって、
さらに、情報を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、
前記第1通信手段が、前記第1通信手段の通信先を識別する識別番号を取得し、
前記識別番号と、前記識別番号を有する前記第1通信手段の通信先との通信を行う際に前記第1モード又は前記第2モードのいずれで前記第2通信手段又は前記第1通信手段を制御するかを、対応させて前記記憶手段に記憶するよう制御することを特徴とする、
通信機器。
【0071】
(付記7)
請求項6に記載の通信機器であって、
前記制御手段は、
前記第1通信手段が前記識別番号を取得し、取得した前記識別番号に対応する前記第1モード又は前記第2モードを前記記憶手段から読み出し、
読み出した第1モード又は前記第2モードで前記第2通信手段又は前記第1通信手段を制御することを特徴とする、
通信機器。
【0072】
(付記8)
第1通信機器と、
第2通信機器とを有し、
前記第1通信機器は、請求項1乃至6に記載の通信機器であり、
前記第2通信機器は、
前記第1通信手段と通信可能な第5通信手段と、
前記第2通信手段と通信可能な第6通信手段とを有し、
前記第5通信手段は、前記通信手段確認信号を受信すると、
前記通信可能信号を前記第1通信手段に送信することを特徴とする、
通信システム。
【0073】
(付記9)
第1通信機器と、
第2通信機器とを有し、
前記第1通信機器は、請求項1乃至6に記載の通信機器であり、
前記第2通信機器は、
前記第1通信手段と通信可能な第5通信手段を有し、
前記第5通信手段は、前記通信手段確認信号を受信すると、
前記通信不可信号を前記第1通信手段に送信することを特徴とする、
通信システム。
【0074】
(付記10)
請求項8又は9に記載の通信システムと、
第3通信機器を有し、
前記第3通信機器は、
前記第3通信手段と通信可能な第7通信手段を有することを特徴とする、通信システム。
【0075】
(付記11)
第1通信手段と、第2通信手段と、第3通信手段を有する通信機器の制御方法であって、
前記第1通信手段が、前記第1通信手段の通信先と前記第3通信手段の通信先の中継通信を開始する通信開始信号を受信すると、
前記第1通信手段が、前記第1通信手段の通信先が前記第2通信手段と通信可能な通信手段を有するか否かを確認する通信手段確認信号を、前記第1通信手段の通信先に送信し、
前記第2通信手段と通信可能な通信手段を有することを示す通信可能信号を前記第1通信手段が受信した場合は、以後前記通信開始信号を前記第2通信手段が受信する第1モードで前記第2通信手段を制御し、
それ以外の所定の場合は、以後前記通信開始信号を前記第1通信手段が受信する第2モードで前記第1通信手段を制御することを特徴とする、通信機器の制御方法。