(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中間層は、前縁部が前記前縁フレームに板バネを介して支持され、この板バネの弾性力によって前記後縁部側が上方に付勢されるプレート部材から構成される請求項4記載の車両用シート。
前記シートクッション部は、2つのサイドシート部を有してなり、これらの各サイドシート部に対応する位置に前記メインパッド部を備えている請求項1〜5のいずれか1に記載の車両用シート。
前記サイドシート部を構成する前記メインパッド部は、前縁部が、前記クッションフレームの前縁フレームよりも前方に突出する形状を有し、前記前縁部には、断面形状で前方ほど間隔が広がる切り欠き部が幅方向に形成されていると共に、この切り欠き部を介して上側前縁部と下側前縁部とを備える形状に形成され、前記上側前縁部を前記下側前縁部に近接する方向の荷重が付与されることにより、前記上側前縁部を復帰方向に付勢する弾性が作用する請求項6又は7記載の車両用シート。
前記センターシート部を構成する前記周縁パッド部の幅広の側部は、前縁部が、前記クッションフレームの前縁フレームよりも前方に突出する形状を有し、前記前縁部には、断面形状で前方ほど間隔が広がる切り欠き部が幅方向に形成されていると共に、この切り欠き部を介して上側前縁部と下側前縁部とを備える形状に形成され、前記上側前縁部を前記下側前縁部に近接する方向の荷重が付与されることにより、前記上側前縁部を復帰方向に付勢する弾性が作用する請求項7記載の車両用シート。
前記クッションフレームにおいて、前記シートクッション用パッドを構成する前記サイドシート部のメインパッド部の両側部に対応する位置の前記前縁フレーム及び後縁フレーム間に、ワイヤが掛け渡され、該ワイヤを利用して前記シートクッション用被覆部材が取り付けられている請求項6〜9のいずれか1に記載の車両用シート。
前記体幹支持プレートは、所定以上の荷重がかかることにより、上下方向の中途部分を中心として略く字形に変形する構成である請求項11又は12記載の車両用シート。
前記溝の側壁面に一方の面ファスナが取り付けられていると共に、前記シートバック用被覆部材又は前記シートクッション用被覆部材に他方の面ファスナが取り付けられており、前記他方の面ファスナを前記溝内に挿入した際、その逆方向に離脱させようとすると前記各面ファスナのフック部及びループ部が係合する方向となり、各面ファスナの接合力がせん断方向に機能するように前記各面ファスナが取り付けられている請求項15記載の車両用シート。
前記リヤシート支持用フロア部は、前記クッションフレームの少なくとも一方のサイドフレームが、前記リヤシート支持用フロア部の車幅方向に沿って外方に突出し、突出する少なくとも一方のサイドフレームの下方に物品を収容可能な空間部が形成されている請求項18記載の車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の車両用リヤシートは、上記した構成からなるため、シートクッション部におけるクッション性は、シートクッション用パッドの厚さへの依存度が比較的高い。そのため、クッション性を高めようとするとパッドが厚くなり、重量が増す。パッドの厚さを所定の程度に収め、各種のバネ材を併用することも考えられるが、構造が複雑化し、使用するバネ材の種類、大きさ等によってあまり軽量化できない場合もある。一方、バックフレームで用いられるパネルフレームは、フレーム構造が簡易になる上に、前後から付与される荷重に対する強度を容易に高くできるいう利点は有するものの、重量が増加しがちである。特に、近年の省エネルギーに対する強い要望という点でも、車両用リヤシートの重量はより軽量であることが求められている。なお、これらの点は、リヤシートに限らず、フロントシートにおいても同様である。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、簡易な構成で、シートバック部の薄型化、軽量化を図ることができる車両用シートの提供を課題とする。また、本発明は、シートバック部の薄型化、軽量化に加え、シートバック部の軽量化も図ることができる車両用シートの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の車両用シートは、シートクッション部とシートバック部を備えた車両用シートにおいて、前記シートクッション部が、前後に所定間隔をおいて配設される前縁フレーム及び後縁フレームと、前記前縁フレーム及び後縁フレームの対応する各端部間に配設される一対のサイドフレームとを備えるクッションフレームと、前記前縁フレームを上側から被覆し、着座者の臀部下を支持する位置まで延びるメインパッド部と、前記メインパッド部の側部及び後縁部を取り囲み、前記メインパッド部の後縁部の下面を支持する位置まで延びる下面支持部を有する形状に形成された周縁パッド部とを備えてなり、前記メインパッド部と前記周縁パッド部の隣接する側部同士のうちの前方寄りの一部が連結され、前記メインパッド部の後縁部が前記周縁パッド部の下面支持部から上方に離間した状態で成型されてなるシートクッション用パッドと、前記シートクッション用パッドを被覆し、前記メインパッド部の後縁部を前記周縁パッド部の下面支持部に押しつけるように配設されることにより、前記メインパッド部の後縁部側が上方に付勢される弾性を付与するシートクッション用被覆部材とを有して構成されることを特徴とする。
【0007】
前記シートクッション用パッドは、前記メインパッド部の後縁部の下面を支持する下面支持部を支持層とし、前記メインパッド部を柔軟層とした場合に、前記周縁パッド部の下面支持部と前記メインパッド部との間に、前記メインパッド部よりも相対的に硬い素材からなる中間層が配設された3層構造となっていることが好ましい。前記中間層は、前縁部が前記前縁フレームに支持され、後縁部が前記周縁パッド部の下面支持部と前記メインパッド部との間に位置する部材であることが好ましい。前記中間層は、前縁部が前記前縁フレームに支持され、前記周縁パッド部の下面支持部と前記メインパッド部との間に位置する後縁部側が上方に弾性的に付勢されるように設けられている部材であることが好ましい。前記中間層は、前縁部が前記前縁フレームに板バネを介して支持され、この板バネの弾性力によって前記後縁部側が上方に付勢されるプレート部材から構成されることが好ましい。前記シートクッション部は、2つのサイドシート部を有してなり、これらの各サイドシート部に対応する位置に前記メインパッド部を備えていることが好ましい。
【0008】
前記シートクッション部は、前記2つのサイドシート部を有すると共に、これらの各サイドシート部間に、所定幅のセンターシート部を有しており、前記周縁パッド部は、前記各サイドシート部の外側の側部と、前記各サイドシート部間に位置する幅広の側部と、前記各サイドシート部のそれぞれの後縁部に対応する位置に設けられた前記下面支持部とを有して形成されており、前記周縁パッド部の幅広の側部が、前記センターシート部に対応している構成であることが好ましい。前記サイドシート部を構成する前記メインパッド部は、前縁部が、前記クッションフレームの前縁フレームよりも前方に突出する形状を有し、前記前縁部には、断面形状で前方ほど間隔が広がる切り欠き部が幅方向に形成されていると共に、この切り欠き部を介して上側前縁部と下側前縁部とを備える形状に形成され、前記上側前縁部を前記下側前縁部に近接する方向の荷重が付与されることにより、前記上側前縁部を復帰方向に付勢する弾性が作用する構成であることが好ましい。
【0009】
前記センターシート部を構成する前記周縁パッド部の幅広の側部は、前縁部が、前記クッションフレームの前縁フレームよりも前方に突出する形状を有し、前記前縁部には、断面形状で前方ほど間隔が広がる切り欠き部が幅方向に形成されていると共に、この切り欠き部を介して上側前縁部と下側前縁部とを備える形状に形成され、前記上側前縁部を前記下側前縁部に近接する方向の荷重が付与されることにより、前記上側前縁部を復帰方向に付勢する弾性が作用する構成であることが好ましい。前記クッションフレームにおいて、前記シートクッション用パッドを構成する前記サイドシート部のメインパッド部の両側部に対応する位置の前記前縁フレーム及び後縁フレーム間に、ワイヤが掛け渡され、該ワイヤを利用して前記シートクッション用被覆部材が取り付けられている構成であることが好ましい。
【0010】
前記シートバック部は、前記クッションフレームにブラケットを介して連結されるバックフレームを備え、前記バックフレームが、略方形状に形成された外枠フレームと、前記外枠フレーム内で上下方向に沿って配置され、着座者の背を支持する体幹支持プレートとを有して構成されることが好ましい。前記シートクッション用パッドが前記センターシート部とその両側の前記サイドシート部とを備え、前記バックフレームを構成する前記外枠フレームは、前記一方のサイドシート部及び前記センターシート部とを合わせた幅を有するように略方形状に形成された第1外枠フレームと、前記他方のサイドシート部に対応する幅を有するように略方形状に形成された第2外枠フレームとを有してなり、前記第1外枠フレーム内に、前記一方のサイドシート部及び前記センターシート部のそれぞれに対応して、所定間隔をおいて2つの前記体幹支持プレートが設けられており、前記第2外枠フレーム内に、前記他方のサイドシート部に対応して前記体幹支持プレートが設けられていることが好ましい。
【0011】
前記体幹支持プレートは、所定以上の荷重がかかることにより、上下方向の中途部分を中心として略く字形に変形する構成であることが好ましい。前記体幹支持プレートは、断面略コ字状に形成されていることが好ましい。前記シートバック部においける前記バックフレームに支持されるシートバック用パッド又は前記シートクッション部における前記クッションフレームに支持されるシートクッション用パッドの適宜位置に、溝が形成されており、前記溝内に、前記シートバック用パッドを被覆するシートバック用被覆部材又は前記シートクッション用パッドを被覆するシートクッション用被覆部材が面ファスナを介してつり込まれることによって意匠用の形状アクセントが形成されていることが好ましい。前記溝の側壁面に一方の面ファスナが取り付けられていると共に、前記シートバック用被覆部材又は前記シートクッション用被覆部材に他方の面ファスナが取り付けられており、前記他方の面ファスナを前記溝内に挿入した際、その逆方向に離脱させようとすると前記各面ファスナのフック部及びループ部が係合する方向となり、各面ファスナの接合力がせん断方向に機能するように前記各面ファスナが取り付けられていることが好ましい。
また、前記車両用シートはリヤシートとして用いられるのに適する。
【0012】
また、本発明の車両は、車両後方に段差を有して設けられたリヤシート支持用フロア部に、前記車両用シートが、そのクッションフレームを前記リヤシート支持用フロア部に固定して配設されていることを特徴とする。前記リヤシート支持用フロア部は、前記クッションフレームの少なくとも一方のサイドフレームが、前記リヤシート支持用フロア部の車幅方向に沿って外方に突出し、突出する少なくとも一方のサイドフレームの下方に物品を収容可能な空間部が形成されている構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両用シートによれば、シートクッション用パッドが、メインパッド部と周縁パッド部とを有して構成され、メインパッド部の後縁部が周縁パッド部に対して上方に付勢される弾性を有した状態でクッションフレームに設置されている。すなわち、人が着座するメインパッド部は、金属バネ等を配設しなくても、上方への弾性を有している。従って、従来よりも薄い材料(ウレタン等)から形成しても、着座時のストローク感、振動吸収特性、衝撃吸収特性等を所望の特性とすることができ、簡易な構造でありながら、軽量化に貢献できる。
【0014】
また、本発明は、バックフレームをパネルではなく、略方形状の外枠フレームと、この外枠フレームの中に、着座者の背を支持可能に配置した体幹支持プレートを使用した構成である。従って、バックフレーム全体の重量がパネルを用いる場合よりも軽くなり、車両用リヤシート全体の軽量化に資する。すなわち、パネルフレームのように、シートバック部全体の強度を高めるのではなく、荷重がかかる部位である着座者の背の幅方向中心付近を体幹支持プレートで支持し、それを外枠フレームで支えるようにすることで、必要な部位の強度を高めるようにすることで軽量化を図ったものである。これにより、着座者の背をシートバック部に押しつける方向に大きな力が加わった際には、体幹支持プレートで着座者の背を支持しながら、大きな力を外枠フレームで受けるため、外枠フレーム及び体幹支持フレームを含むバックフレーム全体が後方に変位して衝撃を吸収できる。また、前後に大きな衝撃が加わった際、シートクッション部ではクッションフレームを介して前後に衝撃が伝達され、さらに、クッションフレーム及びバックフレームをボディに固定するボディ取付用ブラケットを介してボディに伝達されて効率よく分散される。その一方、車両用シートの背後に配置される荷室内の荷物の前方への移動によって所定以上の荷重がかかった場合には、体幹支持プレートが上下方向の中途部分を中心として略く字形に変形しながら衝撃を吸収することができる。特に、体幹支持プレートは、断面略コ字状に形成されていることが好ましく、それにより荷室内の荷物の移動によってかかる所定以上の荷重を、略コ字状の断面が開くように座屈変形してより効果的に吸収できる。従って、本発明はリヤシートして特に適しているがフロントシートでも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一の実施形態に係る車両用リヤシートの外観斜視図である。
【
図3】
図3は、クッションフレーム及びバックフレームを後方から見た斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、車両用リヤシートの外観斜視図であり、
図4(b)は、
図4(a)のA−A線断面図であり、
図4(c)は、
図4(b)のB部拡大図である。
【
図5】
図5(a)は、車両用リヤシートの外観斜視図であり、
図5(b)は、
図5(a)のC−C線又はD−D線の断面図であり、
図5(c)は、
図5(a)のE−E線断面図であり、
図5(d)は、
図5(b)のF部拡大図である。
【
図6】
図6(a)は、クッションフレーム及びバックフレームを示した斜視図であり、
図6(b)は、
図6(a)のA方向から見たプレート部材及び前縁フレームを示した図であり、
図6(c)はプレート部材を前縁フレームに取り付ける手段を示した図であり、
図6(d)は、
図6(a)のA方向から見たプレート部材及び前縁フレームを示した図であって
図6(b)と異なる角度で示した図である。
【
図7】
図7(a)は、シートクッション用パッドの一部を示した図であり、
図7(b)はシートクッション用パッドを前方から見た斜視図であり、
図7(c)はシートクッション用パッドを後方から見た斜視図であり、
図7(d)はメインパッド部と側部との関係を示した図であり、
図7(e)は
図7(a)のD−D線の断面図であって、メインパッド部がシートクッション用被覆部材で被覆される前の状態を示す図であり、
図7(f)は
図7(a)のD−D線の断面図であって、メインパッド部がシートクッション用被覆部材で被覆された際の状態を示す図である。
【
図8】
図8(a)は、車両用リヤシートの外観斜視図であり、
図8(b)は、シートクッション部を下方向から見た図であり、
図8(c)は、
図8(a)のA−A断面図である。
【
図9】
図9(a)は、車両用リヤシートの外観斜視図であり、
図9(b)は、
図9(a)のC−C線又はD−D線の断面図であり、
図9(c)は、
図9(a)のE−E線断面図である。
【
図11】
図11は、
図10(b)のH部に相当する拡大図であって、面ファスナの他の取り付け方を説明するための図である。
【
図12】
図12は、クッションフレームとリヤシート支持用フロア部との間に段差を設けた場合の一例を示した図である。
【
図13】
図13(a)は、シートバック耐積荷強度試験の試験方法を説明するための図であり、
図13(b)は、モーメント強度試験の試験方法を説明するための図である。
【
図14】
図14(a)は、シートバック耐積荷強度試験に関する実施例及び比較例の試験結果を示した図であり、
図14(b)は、モーメント強度試験に関する実施例及び比較例の試験結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
図1〜
図6は、本発明を車両用リヤシート1に適用した例を示したものである。この車両用リヤシート1は、シートクッション部10及びシートバック部20を有して構成される。シートクッション部10は、本実施形態では、車幅方向に所定間隔離間した2つのサイドシート部11,12と、それらの間のセンターシート部13とを有している。
【0017】
シートクッション部10は、クッションフレーム100、シートクッション用パッド110、シートクッション用被覆部材120を有して構成される。クッションフレーム100は、車幅方向に伸び、前後に所定間隔をおいて配設される前縁フレーム101及び後縁フレーム102と、前縁フレーム101及び後縁フレーム102の対応する各端部間に配設される一対のサイドフレーム103,104とを備えて構成される。なお、サイドフレーム103,104の下部に車両フロアに設置した際の高さ調整や隙間を埋めるための発泡ビーズ103a,104aが装着される。もちろん、このような高さ調整等が必要のない場合には、発泡ビーズ103a,104aを配設しなくてもよい。後縁フレーム102には、後方に突出するボディ取付用ブラケット105が適宜の間隔をおいて3箇所に設けられており、このボディ取付用ブラケット105をボルトでボディの所定位置に固定して配置される。このように本実施形態では、シートクッション部10のクッションフレーム100が、前縁フレーム101及び後縁フレーム102を有し、両者間にサイドフレーム103,104が掛け渡されている。
【0018】
従って、前後に大きな衝撃が加わった際には、衝撃が前縁フレーム101から各サイドフレーム103,104を介して後縁フレーム102に伝達され、さらに、クッションフレーム100及びバックフレーム200をボディに固定するボディ取付用ブラケット105を介してボディに伝達される構成である。そのため、従来のリヤシートと比較して、シートクッション用パッド110として薄いものを使用しても、衝撃エネルギーが効率よく分散される。また、前縁フレーム101及び後縁フレーム102はいずれもパイプ材から形成され、一対のサイドフレーム103,104も所定太さの棒状部材(内部に一部薄肉加工をしたもの)あるいはパイプ材から形成されている。そして、前縁フレーム101は、
図6(b),(c)に示したように、フック101aを溶接し、これをボディ(フロア等)に固定しているが、本実施形態では、このようにクッションフレーム100がパイプ材等から構成され所定の強度を有しているため、フック101aは、前縁フレーム101に対して少なくとも1箇所設けられていればよく、その点でも構成が簡易かされる。
【0019】
前縁フレーム101及び後縁フレーム102間には、各サイドフレーム103,104と略平行に、車幅方向に沿って4本のワイヤ106が掛け渡されている。具体的には、各サイドフレーム103,104のすぐ内側に2本のワイヤ106,106が配設され、その2本のワイヤ106,106間に車幅方向に略均等間隔で他の2本のワイヤ106,106が配設されており、隣接する各ワイヤ106,106間が、上記した各サイドシート部11,12及びセンターシート部13に対応する位置となっている。
【0020】
隣接する各ワイヤ106,106間には、合成樹脂製のプレート部材107がそれぞれ配設されている。プレート部材107は、平面視で略長方形に形成され、前縁部107aが前縁フレーム101の上部を通過して前方に突出し、後縁部107bが後述するメインパッド部111,112の後縁部1111,1121に対応する位置まで延びる大きさで形成され、後縁部107b側が上方に弾性的に付勢されるように設けられている。これは、各サイドシート部11,12及びセンターシート部13に着座した際のストローク感を出すと共に、振動吸収機能も機能するように配設されるものである。このような付勢力を発生させる手段として、本実施形態では、
図6に示したように、前縁フレーム101の下方から、プレート部材107の前縁部107aに向かって、前縁フレーム101を被覆する湾曲部108aを備えた板バネ108を当接して両者を連結し、この板バネ108の弾性力によって後縁部107bが上方に付勢されるようにしている。
【0021】
シートクッション用パッド110は、発泡ウレタン等から形成されるメインパッド部111,112と周縁パッド部113とを有して構成される。本実施形態では、メインパッド部111,112は、車幅方向に所定間隔離間した位置に設けられ、上記した2つのサイドシート部11,12を構成する。
【0022】
周縁パッド部113は、平面視で、全体としては略W字状となる形状を有している。具体的には、各メインパッド部111,112のそれぞれの外側に位置する側部(外方側部)1131,1132と、各メインパッド部111,112の間に位置する幅広の側部(幅広側部)1133と、一方の外方側部1131から幅広側部1133を経てさらに他方の外方側部1132を、それらの後部で一体に連結する後部連結部1134とを有し、これらが一体に形成されている。
【0023】
後部連結部1134は、メインパッド部111,112の幅とほぼ同じかそれよりも狭い幅で前方に若干延びる形状で、厚み方向断面の下側に位置する下面支持部1134aと、下面支持部1134aの後部から厚み方向断面で上方に延び、さらに後方に反り返るように延びる上縁部1134bを有する形状に形成されている(
図7参照))。そして、この上縁部1134bが、クッションフレーム100の後縁フレーム102の上部を被覆し(
図5(b)参照)、各外方側部1131,1132がクッションフレーム100の各サイドフレーム103,104の上部を被覆するように配設される。
【0024】
なお、幅広側部1133は、メインパッド部111,112の間に位置し、センターシート部13を構成する。センターシート部13を構成するため、この幅は人が着座可能な程度で形成される。
【0025】
上記したメインパッド部111,112は、周縁パッド部113の一方の外方側部1131と幅広側部1133の間、他方の外方側部1132と幅広側部1133の間に配置され、各メインパッド部111,112の後縁部1111,1121が周縁パッド部113の下面支持部1134a上に位置するように設けられる(
図5(b)、
図7(e),(f)参照)。また、各メインパッド部111の各側部とこれに隣接する周縁パッド部113の各外方側部1131,1132及び幅広側部1133のうちの前方寄りの部位(
図7(a),(d)の斜線で示した部分(連結部A〜D)同士が連結されている。各メインパッド部111,112と周縁パッド部113は、一体成型で作られており、各メインパッド部111,112と周縁パッド部113は、上記した連結部A〜Dにおいてのみ連結され、各メインパッド部111,112の後縁部1111,1121が周縁パッド部113の下面支持部1134aから上方に離間した状態となるように成型されている(
図7(e)参照)。
【0026】
メインパッド部111,112はさらに、前縁部1112,1122が、クッションフレーム100の前縁フレーム101よりも前方に突出する形状を有している(
図5(b),(c)参照)。また、前縁部1112,1122は、断面形状で側面から見た際に、前方ほど間隔が広がる切り欠き部1112a,1122aが幅方向に沿って形成され、この切り欠き部1112a,1122aを介して上側前縁部1112b,1122bと下側前縁部1112c,1122cとを備える形状に形成されている。従って、人が着座して大腿部の荷重がかかると、上側前縁部1112b,1122bを下側前縁部1112c,1122cに近接する方向に変位するため、上側前縁部1112b,1122bを元に戻す方向に付勢する弾性が作用する。それにより、着座時に大腿部が接した際のストローク感を大きくし、振動吸収機能の向上を果たすこともできる。つまり、大腿部裏を所定の弾性力を作用させて支持する構造を、専用の金属バネ材などを配置することなく、シートクッション用パッド110の構造のみで担わせることができ、この点も、軽量化に寄与する。
【0027】
なお、前縁フレーム101には上記したプレート部材107が板バネ108を介して取り付けられているため(
図6参照)、メインパッド部111,112は、このプレート部材107上に配置されることになる。また、プレート部材107の後縁部107bは、
図5(b)に示したように、周縁パッド部113の下面支持部1134a上に位置するように配置される。これにより、メインパッド部111,112には板バネ108の弾性力も作用する。プレート部材107をこのように配設する結果、下面支持部1134aを支持層としてメインパッド部111,112を柔軟層とした場合に、両者の間の中間層がメインパッド部111,112よりも相対的に硬い素材である硬質の合成樹脂製のプレート部材107から構成されることになる。このため、人の臀部筋肉の当接側は相対的に柔らかなバネ特性を備えたメインパッド部111,112で支持され、着座時の当たり感が柔らかくなる一方で、その下面に相対的に線形性の高いて比較的硬いプレート部材107が位置しているため、集中荷重とならず体圧分散性に優れている。
【0028】
ここで、メインパッド部111,112の間に位置する幅広側部1133は、周縁パッド部113の一部となっている。そのため、その後縁部が上方に付勢されているわけではない。そこで、本実施形態では、後縁部付近にスリット1133dを設け、幅広側部1133を前後に振動しやすくし、それによってより高い振動吸収機能が発揮されるようになっている(
図5(c)、
図7(a)〜(c)参照)。また、着座時のストローク感や振動吸収機能をより向上させるため、幅広側部1133も、メインパッド111,112と同様に、前縁部が前縁フレーム101より前方に突出し、その断面形状で側面から見た際に、前方ほど間隔が広がる切り欠き部1133aが幅方向に沿って形成され、この切り欠き部1133aを介して上側前縁部1133bと下側前縁部1133cとを備える形状に形成され、大腿部裏を所定の弾性力を作用させて支持する構造となっている(
図5(c)参照)。
【0029】
また、幅広側部1133は、
図5(c)に示したように、後縁部の下部に前方から切り込まれたような形状の切り欠き部1133eを有しており、センターシート部13に対応する位置に配置される上記したプレート部材107の後縁部107bは、この切り欠き部1133eに挿入され、幅広側部1133の下面を支持している。従って、この部位も柔軟層と硬い層とその下部の支持層との組み合わせになっており、メインパッド部111,112に相当する位置のサイドシート部11,12と同様に、センターシート部13においても、着座時の柔らかな当たり感と良好な体圧分散性を達成できる。
【0030】
シートクッション用被覆部材120は、シートクッション用パッド110を被覆し、クッションフレーム100を取り囲んで、前縁フレーム101、後縁フレーム102、各サイドフレーム103,104及び各発泡ビーズ103a,104aの下方でロープなどによって絞られて配置される。上記したように、シートクッション用パッド110は、成型時において、メインパッド部111,112の各後縁部1111,1121が周縁パッド部113の下面支持部1134aから上方に離間した状態となっている(
図7(e)参照)。しかし、シートクッション用被覆部材120で被覆されることにより、メインパッド部111,112の各後縁部1111,1121が連結部A〜Dを中心として回動し、各下面支持部1134aに接する方向に押しつけられる(
図7(f)参照)。この結果、メインパッド部111,112の各後縁部1111,1121が連結部A〜Dを中心として上方に戻る方向に常時付勢されることになるため、それにより、所定の弾性力が作用することになる。これにより、特別な金属バネ部材等を用いなくても、あるいは、メインパッド部111,112の厚さが比較的薄いものであっても、この上方への復元力による所定の弾性を作用させ、ストローク感、振動吸収機能等をより向上させることができる。
【0031】
シートクッション用被覆部材120は、具体的には、合成皮革、本革、ファブリックなどの表皮材が用いられ、
図4に示したように、周縁パッド部113の一方の外方側部1131と一方のメインパッド部111の間に位置するワイヤ106、一方のメインパッド部111と幅広側部1133の間に位置するワイヤ106、幅広側部1133と他方のメインパッド部112の間に位置するワイヤ106、他方のメインパッド部112と他方の外方側部1132の間に位置するワイヤ106のそれぞれに対し、合成樹脂製のフック部材106aを介してつり込まれる。そして、シートクッション用被覆部材120の外周部は、周縁パッド部130の外周とメインパッド部111,112の前面を被覆し、それらの下方に回され、外周縁部121の折り返し部に挿入されたロープ122を絞り込むことによって配置される(
図8参照)。
【0032】
図4では、シートクッション用被覆部材120をワイヤ106にフック部材106aを介してつり込んでいるが、
図8及び
図9に示したように、各メインパッド部111,112の両側部に対応するシートクッション用被覆部材120の上面境界部123,124にそれぞれ下面被覆部125,126を縫い継いで連結し、各下面被覆部125,126を、各メインパッド部111,112の側部の隙間を通じて上側から下側に通し、それぞれに対応する位置に存在するワイヤ106,106に掛け回して、各メインパッド部111,112の下面で各下面被覆部125,126の端縁同士を面ファスナ127を介して接続する構成とすることもできる。
【0033】
シートバック部20は、
図2及び
図3に示したように、バックフレーム200、シートバック用パッド210、シートバック用被覆部材220を有して構成される。バックフレーム200は、本実施形態では、車幅方向に6:4の割合で分割され、いずれもパイプ材を略方形状に加工して形成された第1外枠フレーム201と第2外枠フレーム202とを有している。第1外枠フレーム201は、上記した一方のサイドシート部11及びセンターシート部13とを合わせた幅を有し、第2外枠フレーム202は他方のサイドシート部に相当する幅を有している。
【0034】
そして、第1外枠フレーム201の両サイドフレーム201a,201bの下部及び第2外枠フレーム202の両サイドフレーム202a,202bの下部がそれぞれ、クッションフレーム100の後縁フレーム102から後方に突出する3つのボディ取付用ブラケット105の中途にボルト連結されている。
【0035】
第1外枠フレーム201においては、一方のサイドシート部11に着座する人の背(特に背の中心付近)に対応する位置、センターシート部13に着座する人の背(特に背の中心付近)に対応する位置に、それぞれ、該第1外枠フレーム201の上部フレーム201c及び下部フレーム201d間に上下方向に沿って体幹支持プレート203,204が配設されている。第2外枠フレーム202においては、他方のサイドシート部12に着座する人の背(特に背の中心付近)に対応する位置に、該第2外枠フレーム202の上部フレーム202c及び下部フレーム202d間に上下方向に沿って体幹支持プレート205が配設されている。
【0036】
体幹支持プレート203,204,205は、上下方向略中央部よりも下方の部位が前面方向に膨出する形状に形成されており、この膨出部203a,204a,205aより上の中途部、すなわち上下方向略中央部が相対的に弱い部分となっている一方、各外枠フレーム201,202に連結されている端部付近は変形しにくい。従って、体幹支持プレート203,204,205は、通常時において人の背を支持しつつ、人の背をシートバック部20に押しつける方向に大きな荷重が付加された場合には、各外枠フレーム201,202に連結されている端部付近が変形しにくいため、各外枠フレーム201,202の上部側が後方に変位するように、各外枠フレーム201,202の全体が後傾する。すなわち、体幹を支える機能を果たしながら、衝撃吸収のために外枠フレーム201,202が後傾していくようになっており、従来のように、第1外枠フレーム201及び第2外枠フレーム202の全ての面をパネル状にしなくても、効率的に荷重を支持し、衝撃を吸収することができる。
【0037】
体幹支持プレート203,204,205はまた、断面形状が略コ字状(あるいはハット形)に形成されている。このため、後方からかかる荷重、特に、荷室の荷物が急ブレーキなどにより前方に移動し、それによって所定以上の荷重がかかる場合、断面略コ字状でそのうち開放面が後方に向いているため(
図3参照)、断面略コ字状の側部が座屈するような変形をする。よって、その変形により衝撃エネルギーを吸収することができる。そしてさらに、その衝撃エネルギーが所定以上であれば体幹支持プレート203,204,205の上下方向略中央部が相対的に弱い部分となっているため、略く字状に変形して衝撃を吸収する。従って、本実施形態のバックフレーム200によれば、前後いずれからかかる衝撃エネルギーも効率よく吸収することができる。
【0038】
第1外枠フレーム201の体幹支持プレート203,204は上下方向略中央部において、具体的には膨出部203a,204aより若干上の部分で車幅方向に沿う補強フレーム206が溶接されている。これにより、体幹支持プレート203,204から外れた位置に衝撃エネルギーが付加された場合でも、この補強フレーム206を介して、体幹支持プレート203,204、第1外枠フレーム201が連係し、上記した作用により、前後いずれの衝撃エネルギーも確実に吸収することができる。
【0039】
第1外枠フレーム201の上部フレーム201cには、体幹支持プレート203,204に対応する位置に、第2外枠フレーム202の上部フレーム202cには体幹支持プレート205に対応する位置に、それぞれヘッドレスト用支持部207が設けられ、このヘッドレスト用支持部207によってヘッドレスト208のヘッドレストフレーム208aが差し込まれて支持される。
【0040】
なお、シートバック用パッド210は、上記したバックフレーム200に一体発泡されて形成される。また、シートバック用パッド210の表面にシートバック用被覆部材220が配設される。シートバック用被覆材220は、上記したシートクッション用被覆部材120と同様の材料で形成することができる。また、本実施形態では、シートバック用パッド210は、バックフレーム200の第1外枠フレーム201及び第2外枠フレーム202にそれぞれ合わせて、車幅方向に6:4で分割された2つのパッド部211,212から構成され、同様に、シートバック用被覆材220は2つの被覆材221,222から構成されている。
【0041】
より詳細には、
図10に示したように、各被覆材221,222は袋状に形成されており、各パッド部211,212の周面を取り囲むように被覆される(
図10(b),(c)参照)。一方のサイドシート部11に対応する一方の被覆材221の両側部及び他方のサイドシート部12に対応する他方の被覆材222の外側の側部には、それぞれシートバック部20の縦方向(上下方向)に沿って、意匠用の形状アクセントとしての縦方向凹状部230が形成されている。この縦方向凹状部230は、まず、シートバック用パッド211,212における対応位置において、凹状の縦方向の溝(縦溝)211a,212aが形成されるように成型する。この際、この縦溝211a,212a内に面ファスナ213を配置して一体に成型する。そして、各被覆材221,222における対応位置に沿って縦方向に面ファスナ223を縫い付け、この面ファスナ223を縦溝211a,212a内に配置された面ファスナ213に接合する。これにより、各被覆材221,222が縦溝211a,212a内に引き込まれ、形状アクセントとしての縦方向凹状部230が形成される(
図10(d)参照)。
【0042】
また、各サイドシート部11,12には、着座者の胸部付近に相当する位置に同様に横方向凹状部240が形成されているが、これも上記同様に、シートバック用パッド211,212の対応位置に横方向の溝(横溝)211b,212bを形成すると共に面ファスナ214を一体に成型して配置し、各被覆材221,222における対応位置に沿って横方向に面ファスナ224を縫い付け、面ファスナ214,224同士を結合させて各被覆材221,222を引き込むことにより形成される(
図10(e)参照)。このように、本実施形態によれば、形状アクセントとしての縦方向凹状部230及び横方向凹状部240を形成するに当たって、面ファスナ213,214,223,224を用いた構造であるため、オームクリップなど金具を使用することなく設けることができ、軽量化、コストの低減化に寄与できる。
【0043】
また、
図10(d)では、縦溝211a,212aの溝底面に面ファスナ213を設けているが、
図11に示したように、縦溝211a,212aの側壁面に面ファスナ213A,213Aを設ける構成とすることが好ましい。この場合、被覆材221,222に縦溝211a,212a内から離脱する方向に加わる力に対し、接合している被覆材221,222側の面ファスナ223と側壁面の面ファスナ213A,213Aとが面方向のせん断力で対抗するため、両者の接合力が強く作用し、離脱しにくくなる。また、被覆材221,222側の面ファスナ223と側壁面の面ファスナ213A,213Aとは、離脱方向に力が作用すると、各面ファスナ223,213A,213Aに形成されているフック部213A1,213A1又はループ部が互いに係合する方向となる向きで設けることが好ましい。これにより、縦溝211a,211aの溝底面は閉塞されているため、溝底面方向に向かってずれて両者の係合が解除されることはないため、縦溝211a,211aの溝内から抜けようとする力がかかった際に面ファスナの接合力がせん断方向に機能し、両者の係合状態は容易には解除されない。なお、横溝211b,212bにおいても側壁面に面ファスナを設けることが好ましい点は同様である。
【0044】
また、シートバック部20に限らず、シートクッション部10に形状アクセントとしての凹状部を設ける場合も同様であり、シートクッション用パッド110の適宜位置に溝を形成し、シートクッション用被覆部材120を上記と同様に面ファスナを介してつり込むようにすることが好ましい。この場合、溝の側壁面に面ファスナを取り付け、せん断方向に係合力が作用するようにすることが好ましいことも同様である。
【0045】
本実施形態によれば、シートクッション部10を構成するシートクッション用パッド110のメインパッド部111,112が周縁パッド部113に対して上方に付勢された一体成型体であり、これをシートクッション用被覆材120で被覆することによって所望のクッション特性を得るに当たって、より薄手、軽量のウレタン材等のクッション材を使用可能である。また、シートバック部20を構成するバックフレーム200の構成も簡易かつ軽量であり、これらを全て組み合わせた全体形状の構造が簡易で軽量化に適している。
【0046】
なお、
図12に示したように、車両のリヤシート支持用フロア部の車幅方向端部に段差を設け、上記の車両用リヤシート1をサイドフレーム103,104のうちの少なくとも一方がこの段差上に位置するように突出させることにより、突出しているサイドフレームの下方を、かさなどの物品を収容可能な空間部として形成することも可能である。
【0047】
また、上記した実施形態では、車両用リヤシート1に本発明を適用しているが、フロントシートにおいて、上記と同様の技術を適用することも可能である。但し、本発明は、軽量で薄肉化を図ることができると共に、所定の振動吸収特性や衝撃吸収特性をより限られたスペースで発揮できる構成であることから、設置スペースが制限されるリヤシートに適用することが特に好ましい。
【0048】
(試験例)
(シートバック耐積荷強度試験)
上記実施形態において説明した車両用リヤシート1(実施例)における第1外枠フレーム201及び第2外枠フレーム202に、所定の大きさ、重量の荷物を後方から所定条件で衝突させる耐積荷強度試験を行った。具体的には、
図13(a)に示した、一方のサイドシート部11に対応する第1外枠フレーム201の各ヘッドレスト用支持部207に配設されたヘッドレストフレーム208aの中央(HR−LH、)センターシート部13に対応する第1外枠フレーム201のヘッドレスト用支持部207に配設された各ヘッドレストフレーム208aの中央(HR−CTR)、他方のサイドシート部12に対応する第2外枠フレーム202のヘッドレスト用支持部207に配設されたヘッドレストフレーム208aの中央(HR−RH)の衝突前後の変位量(前後、上下)を測定することにより行った。比較のため、シートバック部にパネルフレームを用いた従来のリヤシートにも同様の試験を行った。その結果が
図14(a)である。
【0049】
図14(a)に示したように、実施例の方が、前後方向及び上下方向共に、比較例よりも変位量が小さく、後方からの積荷による衝撃に対する衝撃エネルギーの吸収機能に優れている。
【0050】
(モーメント強度試験)
図13(b)に示したように、第1外枠フレーム201の上部フレーム201cの略中央部付近で最も高い部分に、前方から後方に荷重をかけることによりモーメント強度試験を行った。その結果が
図14(b)である。
図14(b)に示したように、実施例の方が比較例よりも規定モーメントでの変位量が小さく、前方からかかる衝撃エネルギーに対する吸収機能も優れていることがわかる。