(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、日毎の最終の前記電池残量を前記電池残量測定部より取得し、この取得した日毎の最終の前記電池残量を参照することにより、特定の曜日で前記電池残量が所定の容量下限しきい値未満であったり、所定の容量上限しきい値以上であったりした場合、前記特定の曜日の、前記マージンとして付加した所定の容量を大きくしたり小さくしたりする、
ことを特徴とする請求項3記載の電池式電子装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る電池式電子装置の一例を示す図である。
【0018】
本実施の形態に係る電池式電子装置1は、充電部2と、電池残量測定部4と、制御部3とにより構成される。
【0019】
図1には、二次電池も記載してある。二次電池は、リチウムイオン電池等であり、電池式電子装置1の内部に電力を供給して電池式電子装置1を動作させる。二次電池は、予め内蔵されていたり、別途ユーザにより組み込まれたりする。
【0020】
電池式電子装置1は、携帯電話、スマートフォン等の携帯情報機器を含み、二次電池の電力により動作する。
充電部2は、例えば充電器に接続し、この充電器から入力される充電電力を、充電指示信号が入力されている間、二次電池に供給することで二次電池を充電する。
【0021】
電池残量測定部4は、現時点における二次電池の残量を測定した結果である電池残量情報を出力する。
【0022】
制御部3は、電池残量測定部4から入力される電池残量情報に基づき求めた、所定の第2の期間の二次電池の使用量をこの使用量に対応する目標充電容量に、二次電池の残量が達するのに要する期間、充電指示信号を充電部2に供給する。
【0023】
次に、本実施の形態の電池式電子装置の動作を説明する。
【0024】
制御部3により、所定の第1の期間の整数倍だけ前の少なくとも1つの時点における、電池残量測定部4から入力される電池残量情報に基づき、所定の第2の期間の二次電池の使用量を求める。そして、この使用量に対応する目標充電容量に、二次電池の残量が達するのに要する期間、充電指示信号を充電部2に供給する。所定の第1の期間とは、例えば、週、10日、月等であり、これらに限られない。所定の第2の期間とは、例えば、日である。
【0025】
このように、本発明の第1実施の形態によれば、電池残量情報に基づいて求めた所定の第2の期間の二次電池の使用量に対応する目標充電容量に、二次電池の残量が達するまで充電する。
【0026】
このため、本発明の第1の実施の形態によれば、ユーザのスケジュールを登録しなくても、ユーザが使用すると推定される使用量まで充電するので、ユーザの利便性を損なわずに満充電を回避し二次電池の劣化を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る電池式電子装置の一例を示す図である。
【0027】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態をより具体化したものである。主に第1の実施の形態と相違する部分について説明する。
【0028】
本実施の形態に係る電池式電子装置1は、二次電池と、充電部2と、電池残量測定部4と、制御部3とにより構成される。
【0029】
充電部2は、接続された充電器に基づき二次電池を充電する。
【0030】
電池残量測定部4は、二次電池を監視し、監視結果に基づき、現時点における二次電池に充電されている容量である電池残量(mAh:ミリアンペアアワー)を示す電池残量情報を出力する。電池残量情報は、電池残量(mAh)の満充電時の電池容量に対する百分率(%)である。
【0031】
制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報に基づき、日毎の二次電池の使用量を求める。そして、充電器が充電部2に接続された場合、求めた二次電池の使用量に基づき、充電部2に接続した日の曜日に応じた使用量を検出し、この使用量を目標充電容量に決定して充電指示を出力する。そして、二次電池の電池残量が目標充電容量に達した際に、充電指示の出力を停止する。
【0032】
充電器は、商用交流電源に接続して電池式電子装置1に設置された二次電池を充電するための機器であり、通常、電池式電子装置1の購入時に添付され、二次電池に対応したものである。充電器は、例えばACアダプタであり、商用の交流電力を直流電力に変換し、所定の規格に応じて、所定の電圧、電流を出力する。例えば、USB(Universal Serial Bus)規格の場合は、5Vであり、規格(500mA)以内の電流を出力する。
【0033】
次に、本実施の形態の電池式電子装置の動作を説明する。
【0034】
電池残量測定部4は、常時、二次電池に対する充放電を監視する。そして、二次電池に充電される電流と同一の充電電流(mA)が流れた時間(h)との積(mAh)の積分値と、電池式電子装置1の内部等に供給されて消費される電力となる、二次電池の放電電流(mA)と同一の放電電流が流れた時間(h)との積(mAh)の積分値と、の差を、常時求める。そして、この求めた差の値を電池残量とし、この電池残量を示す情報を常時出力する。また、電池残量測定部4は、二次電池の出力電圧を監視し、この電圧に対応して求められる電池残量情報(%)を常時出力するようにしてもよい。電池残量情報と電池電圧とは一対一に対応し、一般に、電池残量情報は、電池残量情報を電池電圧に対応させた所定のグラフにより求めることができる。
【0035】
制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報に基づき、日毎の二次電池の使用量を求める。すなわち、制御部3は、1日の始まり、充電の直前と直後、及び1日の終わりの各時点の電池残量情報を取得し、1日の始まりの時点で取得した電池残量情報から、1日の終わりの時点で取得した電池残量情報の差分を求める。そして、この差分に、その日に充電した電池容量分を加え、日毎の二次電池の使用量を求め履歴として格納部(不図示)に格納する。ここで、充電した電池容量とは、充電の直後の時点の電池残量情報から充電の直前の時点の電池残量情報の差である。
【0036】
また、制御部3は、次のようにして、日毎の二次電池の使用量を求めてもよい。すなわち、制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報を所定の周期(例えば、5分毎)で取得し、今回取得したものが前回取得したものよりも小の場合のその差の累積に基づき、日毎の二次電池の使用量を求め履歴として格納部(不図示)に格納する。所定の周期は、5分毎にかぎらず、精度、格納部のメモリ容量等、電池式電子装置1の状況により適宜変更して良い。
【0037】
そして、ユーザの操作に基づき、電池式電子装置1に設置する二次電池を充電するために、電池式電子装置1を、商用交流電源に接続された所定の充電器(ACアダプタ)に接続する。すなわち、充電器を充電部2に接続する。
【0038】
次に、制御部3は、充電部2に充電器が接続されたことを、例えば、充電器が出力する所定の電圧に基づき検出する。そして、格納部(不図示)に格納した日毎の二次電池の使用量に基づき、充電部2に接続した日の曜日に応じた使用量を検出し、この使用量を、充電容量の目標を示す目標充電容量にする。そして、制御部3は、充電指示を充電部2に出力する。充電器に接続された充電部2は、充電器が出力した所定の電流(例えば、規格の最大値500mA)を、二次電池に対して流して二次電池の充電を開始する。
【0039】
そして、制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報で示す二次電池の電池残量が目標充電容量に達した際に、充電指示の出力を停止する。充電部2は、二次電池の充電を停止する。
【0040】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、電池残量情報に基づいて求めた日毎の二次電池の使用量に基づき、充電部に接続した日の曜日に応じた使用量を検出し、この使用量を目標充電容量にしてこの目標充電容量まで充電する。すなわち、ユーザの行動予定を示すスケジュールの登録なしで、ユーザが使用すると推定される使用量まで充電する。
【0041】
このため、本発明の第2の実施の形態によれば、ユーザのスケジュールを登録しなくても、ユーザが使用すると推定される使用量まで充電するので、ユーザの利便性を損なわずに満充電を回避し二次電池の劣化を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
図2は、本発明の第3の実施の形態及び第4の実施の形態に係る電池式電子装置の一例を示す図である。
【0042】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態の電池式電子装置1に格納部5と、位置情報取得部6を加えて、第2の実施の形態をより具体化したものである。主に第2の実施の形態と相違する部分について説明する。
【0043】
本実施の形態に係る電池式電子装置1は、二次電池と、充電部2と、電池残量測定部4と、制御部3と、格納部5と、位置情報取得部6とにより構成される。
【0044】
格納部5は、制御部3の制御に基づき、日毎の二次電池の使用量を履歴として格納する。また、日毎の最終の電池残量を履歴として格納する。
【0045】
位置情報取得部6は、電池式電子装置1の所在する位置情報を取得する。位置情報取得部6は、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を有し、この機能により自身の位置情報を取得する。位置情報は、GPS機能により取得したものに限らず、例えば、Wifi(Wireless Fidelity)による無線LAN(Local Area Network)の機能を有する場合には、アクセスポイントの識別子であるSSID(Service Set IDentifier)でも良い。また、3G(3rdGeneration)による通信機能を有する場合には、基地局ID(identification)でも良く、位置情報として使用できるものであるならばどのようなものでも良い。
【0046】
制御部3は、格納部5に格納された日毎の二次電池の使用量に基づき、曜日毎の最大使用量を求め、位置情報取得部6が取得した位置情報に基づき電池式電子装置1が、自宅等の所定のエリアにあると判定した場合に、この求めた最大使用量に基づき、曜日毎の目標充電容量を決定する。最大使用量の代わりに平均使用量を使用しても良い。目標充電容量は、二次電池の使用量(最大使用量又は平均使用量)に、例えば、所定の容量をマージンとして付加したものである。自宅等の所定のエリアとは、GPS(Global Positioning System)機能を有する場合には、予め登録した自宅等の位置や、充電器が差された際のGPS機能により取得した位置を格納しておき、例えば、過去数日の内に充電器が差された位置等である。また、Wifiによる無線LANの機能を有する場合には、SSIDが所定の強度で観測できる場所でも良い。また、3Gによる通信機能を有する場合には、基地局IDが所定の強度で観測できる場所でも良い。従って自宅に限らない。
【0047】
制御部3は、日毎の最終の電池残量を電池残量測定部4より取得して格納部5に格納し、この格納した日毎の最終の電池残量を参照する。そして、この参照に基づき、特定の曜日で最終の電池残量が所定の容量下限しきい値未満であったり、所定の容量上限しきい値以上であったりした場合、この特定の曜日の、マージンとして付加した所定の容量を大きくしたり小さくしたりする。所定の容量値(マージン)は、実験や使用勝手等により、適宜変更して良い任意の値である。
【0048】
一方、制御部3は、位置情報取得部6が取得した位置情報に基づき電池式電子装置1が自宅等の所定のエリアにないと判定した場合には、二次電池に対する所定の満充電容量を目標充電容量に設定する。
【0049】
また、制御部3は、曜日毎の、ユーザの使用する使用量の一日に亘る変動状況を計測して格納部5に格納しておく。そして、位置情報取得部6が取得した位置情報に基づき電池式電子装置1が自宅等の所定のエリアにないと判定した場合に、この格納した使用量の変動状況に基づき、充電器を接続した曜日の充電器を接続した時刻以降の時間で使用する使用量を求める。そして、この求めた使用量と、充電器を接続した時点の電池残量との差分を目標充電容量に設定するようにしても良い。この場合には、格納部5は、制御部3の制御に基づき、曜日毎の、ユーザの使用する使用量の一日に亘る変動状況を格納する。
【0050】
次に、本実施の形態の電池式電子装置の動作を、
図3、
図4、
図5、
図6、及び
図7を使用して説明する。
【0051】
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る電池式電子装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0052】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る電池式電子装置の二次電池の日毎の使用量の履歴の一例を示す図である。横方向を曜日にし、縦方向を過去の週にして、前日から過去4週の二次電池の使用量の履歴を示している。また、1週前から4週前までの間の、曜日ごとの最大使用量と、平均使用量も示している。この週数は4週にこだわることなく、精度、格納部5のメモリ容量等、電池式電子装置1の状況により適宜変更して良い。本図は、当日を月曜日とし、前日である日曜日から過去4週の二次電池の使用量の履歴を示している。使用量の単位は、満充電時の電池容量に対する百分率(%)である。例えば、4週前の月曜日の二次電池の使用量は50%、3週前の火曜日の二次電池の使用量は10%である。この図では、1週前から4週前までの間の、曜日ごとの最大使用量は、月曜日が60%、火曜日が15%、水曜日が5%、木曜日が35%、金曜日が15%、日曜日が100%であることを示している。また、1週前から4週前までの間の、曜日ごとの平均使用量は、曜日ごとに、月曜日が47.5%、火曜日が12.5%、水曜日が5%、木曜日が25%、金曜日が10%、日曜日が77.5%であることを示している。
【0053】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る電池式電子装置1の二次電池の日毎の最終の電池残量の履歴の一例を示す図である。横方向を曜日にし、縦方向を過去の週にして、前日から過去4週の二次電池の最終の電池残量の履歴を示している。この週数は4週にこだわることなく、精度、格納部5のメモリ容量等、電池式電子装置1の状況により適宜変更して良い。本図は、当日を月曜日とし、前日である日曜日から過去4週の二次電池の電池残量の履歴を示している。使用量の単位は、満充電時の電池容量に対する百分率(%)である。〇は最終の電池残量が所定の容量下限しきい値未満であったことを示している。△は最終の電池残量が所定の容量上限しきい値以上であったことを示している。
【0054】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る電池式電子装置の二次電池のユーザの平日に使用する使用量の一日に亘る変動状況の一例を示す図である。本図は、縦軸は平均使用量、横軸は時刻であり、例えば、充電器を接続した日の曜日に対応する過去4週の平均使用量を、3時間ごとに表している。平均使用量の単位は、満充電時の電池容量に対する百分率(%)である。この図は、例えば月曜日、火曜日等の平日、会社や学校に通う場合の一例を示している。この図では、0(24)時から6時までは、未使用、6時から9時までは1%、9時から12時までは7%、12時から15時までは1%、15時から18時までは2%、18時から21時までは6%、21時から24(0)時までは3%、計20%を一日に使用していることを示している。
【0055】
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る電池式電子装置の二次電池のユーザの休日に使用する使用量の一日に亘る変動状況の一例を示す図である。本図は、縦軸は平均使用量、横軸は時刻であり、例えば、充電器を接続した日の曜日に対応する過去4週の平均使用量を、3時間ごとに表している。平均使用量の単位は、満充電時の電池容量に対する百分率(%)である。この図は、例えば日曜日等の休日等で携帯機器を頻繁に使用する場合の一例を示している。この図では、0(24)時から6時までは、未使用、6時から9時までは5%、9時から12時までは20%、12時から15時までは10%、15時から18時までは10%、18時から21時までは25%、21時から24(0)時までは10%、計80%を一日に使用していることを示している。
【0056】
ここで、
図3のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る電池式電子装置の動作の一例を説明する。
【0057】
電池式電子装置1は、常時、次の動作を行っている。すなわち、電池式電子装置1の電池残量測定部4は、二次電池に対する充放電を、例えば常時監視し、現時点における二次電池に充電されている容量である電池残量(mAh)を示す情報(%)を出力している。また、電池式電子装置1の制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報に基づき、
図4に示すように、日毎の二次電池の使用量を求め履歴として格納部5に格納している。また、制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報に基づき、
図5に示すように、日毎の最終の電池残量を履歴として格納部5に格納している。更に、制御部3は、曜日毎の、ユーザの使用する使用量の一日に亘る変動状況を計測して格納部5に格納している。また、電池式電子装置1の位置情報取得部6は、例えば常時、位置情報を取得している。
【0058】
図3のステップS1では、制御部3は、ユーザの操作に基づき、充電器が充電部2に接続されたか否かを調べ、充電器が充電部2に接続されたことを検出すると、ステップS2へ進む。
【0059】
図3のステップS2では、制御部3は、位置情報取得部6が取得した位置情報に基づき電池式電子装置1が、自宅等の所定のエリアにあるか否かを判定する。電池式電子装置1が、自宅等の所定のエリアにあると判定した場合には、ステップS3へ進む。自宅等の所定のエリアにあると判定しなかった場合には、ステップS4へ進む。
【0060】
図3のステップS3では、制御部3は、
図4で示すように、格納部5に格納された日毎の二次電池の使用量の履歴に基づき、曜日毎の最大使用量(Max(%))求める。そして、この求めた最大使用量に基づき、曜日毎の目標充電容量(T(%))を決定する。すなわち、この最大使用量にマージンMar(%)を加えて、曜日毎の目標充電容量(T=Max+Mar)を決定する。最大使用量の代わりに平均使用量(Av(%))を使用して目標充電容量(T=Av+Mar)としても良い。ここで、計算した結果、Tが100%を超える場合には、T=100%とする。すなわち、この場合は、ユーザの過去の使用実績を踏まえ、ユーザが必要としている充電容量であるとして、100%とする。そして、ステップS5へと進む。
【0061】
尚、制御部3は、ステップS3で使用するマージンを、
図5に示す、格納部5に格納された日毎の最終の電池残量を参照して、大きくしたり小さくしたりする。すなわち、制御部3は、充電器が充電部2に接続された本日の曜日で、過去4週内に最終の電池残量が所定の容量下限しきい値未満(〇)であったり、所定の容量上限しきい値以上(△)であったりした場合、使用するマージンを大きくしたり小さくしたりする。この大きくしたり小さくしたりする値は、実験や使用勝手等により、適宜変更して良い。
【0062】
図3のステップS4では、制御部3は、満充電容量を目標充電容量に設定する。すなわち、目標充電容量を100%に設定し、ステップS5へ進む。自宅等のエリアではない場所で、電池式電子装置1に充電器が接続されたということは、ユーザが電池容量をより欲している可能性が高い。このため、満充電容量を目標充電容量とする。
【0063】
また、制御部3は、
図6、
図7で示すように、格納部5に格納された、曜日毎の、ユーザの使用する使用量の一日に亘る変動状況に基づき、充電器を接続した曜日の充電器を接続した時刻以降の時間で使用する使用量を求める。例えば、充電器を接続した曜日が月曜日であり、充電器を接続した時刻が15時であった場合、
図6を参照して、15時以降に使用する、平均使用量は11%である。そして、この11%と、充電器を接続した時点の電池残量との差分を目標充電容量に設定するようにしても良い。
【0064】
図3のステップS5では、制御部3は、充電指示を充電部2に出力し、充電器に接続された充電部2は、充電器が出力した所定の電流(例えば、規格の最大値500mA)を、二次電池に対して流して二次電池の充電を開始する。
【0065】
図3のステップS6では、制御部3は、電池残量測定部4が出力する電池残量情報で示す二次電池の電池残量が目標充電容量に達したか否かを調べ、電池残量が目標充電容量に達した際に、ステップS7へ進む。
【0066】
図3のステップS7では、制御部3は、充電部2への充電指示の出力を停止し、充電部2は、二次電池の充電を停止する。
【0067】
図3のステップS8では、制御部3は、目標充電容量への充電が完了したことを、例えば、LED等の表示部(不図示)によりユーザへ報知し、ユーザの操作に基づき、電池式電子機器(充電部2)の充電器への接続を解除し、終了する。
【0068】
このとき、充電完了の報知後、電池式電子機器(充電部2)の充電器への接続が解除されないまま放置されると、二次電池は電池式電子機器の駆動等に費やされる電力消費により、電池残量が低下する。そして、電池残量の低下が進み、電池残量が所定の容量(この容量は、実験、使用勝手等により適宜変更して良い)以下になった場合、ステップS2へ戻るようにしても良い。
【0069】
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、電池残量情報に基づいて求めた日毎の二次電池の使用量に基づき、充電部に接続した日の曜日に応じた使用量を検出し、この使用量を目標充電容量にしてこの目標充電容量まで充電する。すなわち、ユーザの行動予定を示すスケジュールの登録なしで、ユーザが使用すると推定される使用量まで充電する。
【0070】
このため、本発明の第3の実施の形態によれば、ユーザのスケジュールを登録しなくても、ユーザが使用すると推定される使用量まで充電するので、ユーザの利便性を損なわずに満充電を回避し二次電池の劣化を抑制することができる。
【0071】
また、本発明の第3の実施の形態によれば、曜日に応じた使用量にマージンを加えた目標充電容量まで充電する。そして、日毎の最終の電池残量を参照して、この最終の電池残量が所定の容量下限しきい値未満であったり、所定の容量上限しきい値以上であったりした場合、使用するマージンを大きくしたり小さくしたりする。このため、マージンを大きくして、電池容量が使用量以下になることを回避したり、マージンを小さくして、必要な電池容量を確保しつつ、余分な充電をさせないようにしたりすることができる。
(第4の実施の形態)
図2は、本発明の第3の実施の形態及び第4の実施の形態に係る電池式電子装置の一例を示す図である。
【0072】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態の電池式電子装置1の制御部3と充電部2の動作に、他の動作を加えたものである。主に第3の実施の形態と相違する部分について説明する。
【0073】
本実施の形態に係る電池式電子装置1は、二次電池と、充電部2と、電池残量測定部4と、制御部3と、格納部5と、位置情報取得部6とにより構成される。
【0074】
格納部5は、制御部3の制御に基づき、日毎の、所定時間以上充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として格納する。制御部3は、日毎の、所定時間以上充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として格納部5に格納する。そして、格納部5に格納した、接続開始時刻と接続時間の履歴から充電器が接続された日に対応する接続解除時刻のうちの最も早い時刻を調べる。そして、この調べた最も早い接続解除時刻と充電器が接続された時刻とから、充電器に接続しておくべき時間を求め、この求めた時間で充電を完了する充電電流値を計算(目標充電容量/求めた時間)して出力する。接続解除時刻にマージンを設け、接続解除時刻をマージン分早い時刻にしても良い。充電部2は、制御部3が出力した充電電流値に応じた充電電流によって二次電池を充電する。
【0075】
次に、本実施の形態の電池式電子装置の動作を、
図8、及び
図9を使用して説明する。
【0076】
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る電池式電子装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る電池式電子装置の、日毎の所定時間以上充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間との履歴の一例を示す図である。横方向を曜日にし、縦方向を過去の週にして、前日から過去4週の接続開始時刻と接続時間との履歴を示している。また、曜日ごとの、充電器の接続解除時刻のうちの最も早い時刻(最早接続解除時刻)も示している。この週数は4週にこだわることなく、精度、格納部5のメモリ容量等、電池式電子装置1の状況により適宜変更して良い。本図は、当日を月曜日とし、前日である日曜日から過去4週の履歴を示している。例えば、4週前の月曜日の接続開始時刻と接続時間は、20時と10時間である。3週前の月曜日の接続開始時刻と接続時間は、22時30分と7時間である。この図では、月曜日に対応する、充電器の接続解除時刻のうちの最も早い時刻(最早接続解除時刻)は、5時30分であることを示している。
【0078】
ここで、
図8のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る電池式電子装置の動作の一例を説明する。
【0079】
制御部3は、第3の実施の形態で示した動作に加えて、常時、次の動作を行っている。すなわち、充電器の接続、接続解除を監視し、
図9に示すように、日毎の、所定時間以上充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として格納部5に格納している。ここで、この所定時間以上の接続が所定の時刻(
図9では、時刻24:00)を跨いだ場合のみ、この接続に対応する接続開始時刻と接続時間を格納部5に格納する。この時刻は、ユーザの使用勝手等により、適宜変更して良い。所定時間とは、例えば6時間である。この時間は、6時間にこだわることなく、実験、使用勝手等により適宜変更して良い。
【0080】
図8のステップA1とステップA2は、
図3のステップS1とステップS2と同じである。
【0081】
図8のステップA3では、
図3のステップS3で示した動作に加えて、次の動作を行う。すなわち、制御部3は、格納部5に格納した、接続開始時刻と接続時間の履歴から充電器が接続された日に対応する接続解除時刻のうちの最も早い時刻を調べる。
図9に示すように、例えば、本日(充電器が接続された日)が月曜日の場合は、5時30分である。そして、この調べた最も早い接続解除時刻と充電器が接続された時刻(例えば、21時30分)とから、充電器に接続しておくべき時間を求める。充電器に接続しておくべき時間は、21時30分から翌日の5時30分であるので、8時間である。そして、目標充電容量をこの求めた時間(8時間)で除算した値を充電電流値として決定し、ステップA5へと進む。
【0082】
図8のステップA4では、
図3のステップS4で示した動作に加えて、次の動作を行う。すなわち、制御部3は、例えば、規格の最大値500mAを充電電流値として決定し、ステップA5へと進む。
【0083】
図8のステップA5では、
図3のステップS5の替りに、次の動作を行う。すなわち、制御部3は、充電指示を充電部2に出力するともに、ステップA3又は、ステップA4で決定した充電電流値を充電部2に出力する。充電器に接続された充電部2は、充電器が出力した充電電流値を、二次電池に対して流して二次電池の充電を開始する。
【0084】
図8のステップA6からステップA8は、
図3のステップS6からステップS8と同じである。
【0085】
このように、本発明の第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態により得られる効果に加えて、次の効果がある。すなわち、本発明の第4の実施の形態によれば、日毎の、所定時間以上充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として格納する。そして、この格納した接続開始時刻と接続時間の履歴から調べた、充電器が接続された日に対応する接続解除時刻のうちの最も早い時刻と充電器が接続された時刻とから、充電器に接続しておくべき時間を求める。そして、この求めた時間で充電を完了する充電電流値に応じた充電電流によって二次電池を充電する。このように、通常は、所定の最大電流値で二次電池を充電するのに対し、本発明の第4の実施の形態によれば、充電器に接続しておくべき時間で充電できる充電電流により二次電池を充電する。
【0086】
このため、本発明の第4の実施の形態によれば、充電器に接続しておくべき時間で充電できる、所定の最大電流値より小さい、充電電流により充電するので、充電時の二次電池の発熱を軽減し、二次電池の劣化を抑制することができる。
【0087】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
二次電池により駆動される電池式電子装置であって、
入力される充電電力を、充電指示信号が入力されている間供給することで前記二次電池を充電する充電部と、
現時点における前記二次電池の残量を測定した結果である電池残量情報を出力する電池残量測定部と、
所定の第1の期間の整数倍だけ前の少なくとも1つの時点で、入力される前記電池残量情報に基づき求めた、所定の第2の期間の前記二次電池の使用量に対応する目標充電容量に、前記二次電池の残量が達するのに要する期間、前記充電指示信号を前記充電部に供給する制御部と
を備えたことを特徴とする電池式電子装置。
(付記2)
前記充電部は、接続された充電器に基づき前記二次電池を充電し、
前記電池残量測定部は、二次電池の監視結果に基づき、現時点における前記二次電池に充電されている容量である電池残量を示す電池残量情報を出力し、
前記制御部は、前記電池残量測定部が出力する前記電池残量情報に基づき、前記第2の期間である日毎の前記二次電池の使用量を求め、前記充電器が接続された場合、前記求めた前記二次電池の使用量に基づき前記充電部に接続した日の曜日に応じた使用量を検出し、この使用量を目標充電容量に決定して前記充電指示を出力し、前記二次電池の前記電池残量が前記目標充電容量に達した際に、前記充電指示の出力を停止する、
を備えたことを特徴とする付記1記載の電池式電子装置。
(付記3)
日毎の前記二次電池の使用量を履歴として格納する格納部を更に備え、
前記制御部は、前記格納部に格納された前記二次電池の使用量に基づき、曜日毎の最大使用量求め、この求めた前記最大使用量に基づき、曜日毎の前記目標充電容量を決定する、
ことを特徴とする付記2記載の電池式電子装置。
(付記4)
前記電池式電子装置の所在する位置情報を取得する位置情報取得部を更に備え、
前記制御部は、位置情報取得部が取得した位置情報に基づき前記電池式電子装置が所定のエリアにあると判定した場合に、
前記最大使用量に基づき、曜日毎の前記目標充電容量を決定する、
ことを特徴とする付記3記載の電池式電子装置。
(付記5)
前記制御部は、日毎の、所定時間以上前記充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として前記格納部に格納し、この格納した前記接続開始時刻と前記接続時間の履歴から前記充電器が接続された日に対応する接続解除時刻のうちの最も早い時刻を調べ、この調べた接続解除時刻と前記充電器が接続された時刻とから、前記充電器に接続しておくべき時間を求め、この求めた時間で充電を完了する充電電流値を計算して出力し、
前記充電部は、前記制御部が出力した前記充電電流値に応じた充電電流によって前記二次電池を充電し、
前記格納部は、日毎の、所定時間以上前記充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として格納する、
ことを特徴とする付記3、又は4記載の電池式電子装置。
(付記6)
前記目標充電容量は、前記二次電池の使用量に所定の容量をマージンとして付加したものである、ことを特徴とする付記2、3、4又は5記載の電池式電子装置。
(付記7)
前記制御部は、日毎の最終の前記電池残量を前記電池残量測定部より取得し、この取得した日毎の最終の前記電池残量を参照することにより、特定の曜日で前記電池残量が所定の容量下限しきい値未満であったり、所定の容量上限しきい値以上であったりした場合、前記特定の曜日の、前記マージンとして付加した所定の容量を大きくしたり小さくしたりする、
ことを特徴とする付記6記載の電池式電子装置。
(付記8)
前記電池式電子装置の所在する位置情報を取得する位置情報取得部を更に備え、
前記制御部は、位置情報取得部が取得した位置情報に基づき前記電池式電子装置が所定のエリアにないと判定した場合に、
前記二次電池に対し予め決められた満充電容量を前記目標充電容量に設定する、
ことを特徴とする付記2記載の電池式電子装置。
(付記9)
前記電池式電子装置の所在する位置情報を取得する位置情報取得部を更に備え、
前記制御部は、曜日毎の、ユーザの使用する使用量の一日に亘る変動状況を計測し、位置情報取得部が取得した位置情報に基づき前記電池式電子装置が所定のエリアにないと判定した場合に、前記計測した前記使用量の変動状況に基づき、前記充電器を接続した曜日の前記充電器を接続した時刻以降の時間で使用する使用量を求め、この求めた使用量と、前記充電器を接続した時点の電池残量との差分を前記目標充電容量に設定する、
ことを特徴とする付記2記載の電池式電子装置。
(付記10)
二次電池により駆動される電池式電子装置の備えた前記二次電池の充電方法であって、
現時点における前記二次電池の残量を測定した結果である電池残量情報に基づき、所定の第1の期間の整数倍だけ前の少なくとも1つの時点で、所定の第2の期間の前記二次電池の使用量を求め、
この求めた使用量に対応する目標充電容量に、前記二次電池の残量が達するのに要するまで前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする二次電池の充電方法。
(付記11)
二次電池を電源として稼働する電池式電子装置の備えた前記二次電池の充電方法において、
現時点における前記二次電池に充電されている容量を示す電池残量に基づき、前記第2の期間である日毎の前記二次電池の使用量を求め、
前記電池式電子装置に充電器が接続された場合、前記求めた日毎の前記二次電池の使用量に基づき前記充電部に接続した日の曜日に応じた使用量を検出し、この使用量を目標充電容量に決定し、前記目標充電容量まで前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする付記10記載の二次電池の充電方法。
(付記12)
前記二次電池の使用量に基づき、曜日毎の最大使用量求め、
この求めた前記最大使用量に基づき、曜日毎の前記目標充電容量を決定する、ことを特徴とする付記11記載の二次電池の充電方法。
(付記13)
前記電池式電子装置の所在する位置情報を取得し、
この取得した位置情報に基づき前記電池式電子装置が所定のエリアにあると判定された場合に、
前記最大使用量に基づき、曜日毎の前記目標充電容量を決定する、
ことを特徴とする付記12記載の二次電池の充電方法。
(付記14)
日毎の、所定時間以上前記充電器に接続していた場合の接続開始時刻と接続時間を履歴として格納し、
この格納した前記接続開始時刻と前記接続時間の履歴から前記充電器が接続された日に対応する接続解除時刻のうちの最も早い時刻を調べ、
この調べた接続解除時刻と前記充電器が接続された時刻とから、前記充電器に接続しておくべき時間を求め、
この求めた時間で充電を完了する充電電流値を計算し、
この計算した前記充電電流値に応じた充電電流によって前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする付記11、12又は13記載の二次電池の充電方法。
(付記15)
前記目標充電容量は、前記二次電池の使用量に所定の容量をマージンとして付加したものである、ことを特徴とする付記11、12、13又は14記載の二次電池の充電方法。
(付記16)
日毎の最終の前記電池残量を前記電池残量測定部より取得し、
この取得した日毎の最終の前記電池残量を参照することにより、特定の曜日で前記電池残量が所定の容量下限しきい値未満であったり、所定の容量上限しきい値以上であったりした場合、前記特定の曜日の、前記マージンとして付加した所定の容量を大きくしたり小さくしたりする、
ことを特徴とする付記15記載の二次電池の充電方法。
(付記17)
前記電池式電子装置の所在する位置情報を取得し、
この取得した位置情報に基づき前記電池式電子装置が所定のエリアにないと判定された場合に、
前記二次電池に対し予め決められた満充電容量を前記目標充電容量に設定する、
ことを特徴とする付記11記載の二次電池の充電方法。
(付記18)
曜日毎の、ユーザの使用する使用量の一日に亘る変動状況を計測し、
前記電池式電子装置の所在する位置情報を取得し、
この取得した位置情報に基づき前記電池式電子装置が所定のエリアにないと判定された場合に、前記計測した前記使用量の変動状況に基づき、前記充電器を接続した曜日の前記充電器を接続した時刻以降の時間で使用する前記使用量を求め、
この求めた前記使用量と、前記充電器を接続した時点の前記電池残量との差分を前記目標充電容量に設定する、
ことを特徴とする付記11記載の二次電池の充電方法。