【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
製造例で得られた積層樹脂の物性測定および実施例ならびに比較例で得られた合成樹脂積層体の評価は以下のように行った。
【0040】
<質量平均分子量>
あらかじめ標準ポリスチレンをクロロホルムに溶かしてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した検量線を基準にして、(メタ)アクリレート共重合体とポリカーボネート樹脂を同様にGPCで測定した。両者の比較により、それぞれの質量平均分子量を算出した。GPCの装置構成は以下の通り。
【0041】
装置:Wates 2690
カラム:Shodex GPC KF−805L 8φ×300mm 2連結
展開溶媒:クロロホルム
流速:1ml/min
温度:30℃
検出器:UV・・・486nm ポリカーボネート
RI・・・特殊アクリル
【0042】
<吸水率>
JIS−K7209に準処して、各材料ペレットをシャーレに厚さが5ミリを超えないように薄く広く入れて温度80℃のオーブンに一晩入れて乾燥させた。その後温度23℃、相対湿度50%に設定した環境試験機に24時間投入した。状態調整をしたペレットを三菱化学社製の微量水分測定装置CA−200で窒素気流下にて吸水率[%]を測定した。
【0043】
<ガラス転移点>
JIS−K7121に準処して、各材料ペレットをBRUKER製の熱分析装置TG−DTA2000SAに適量セットした後、窒素雰囲気下20℃/分の速度で昇温して、ガラス転移点Tg[℃]を測定した。
【0044】
<高温高湿曝露試験>
試験片を10×6cm四方に切り出す。試験片を2点支持型のホルダーにセットして温度23℃、相対湿度50%に設定した環境試験機に24時間以上投入して状態調整した後、反りを測定した。(処理前)次に試験片をホルダーにセットして温度85℃、相対湿度85%に設定した環境試験機の中に投入し、その状態で120時間保持した。さらに温度23℃、相対湿度50%に設定した環境試験機の中にホルダーごと移動し、その状態で4時間保持後に再度反りを測定した。(処理後)そりの測定は取り出した試験片を電動ステージ具備の3次元形状測定機を使用し、試験片は上に凸の状態で水平に静置し、1ミリ間隔でスキャンし、中央部の盛り上がりを反りとして計測した。(処理後反り量)−(処理前そり量)を形状安定性として評価した。厚み1mmの試験片は無塗装品および両面塗装品については変化量300μ以下を合格とし、片面塗装品については変化量1000μ未満を合格とした。厚み0.5mmの試験片は無塗装品および両面塗装品については変化量600μ以下を合格とし、片面塗装品については変化量1900μ以下を合格とした。なお当該測定機の測定限界は2000μであり、それ以上反るものは測定不能とした。
【0045】
<鉛筆引っかき硬度試験>
JIS K 5600−5−4に準拠し、表面に対して角度45度、荷重750gで
樹脂層(A)の表面に次第に硬度を増して鉛筆を押し付け、きず跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度として評価した。ハードコート未処理の試験片については鉛筆硬度HB以上を合格とし、ハードコート処理の試験片については鉛筆硬度H以上を合格とした。
【0046】
<耐衝撃性試験>
試験片を80mm四方に切り出した。温度23℃、相対湿度50%の環境に24時間以上放置して状態調整した後、直径50mmの円形フランジに
樹脂層(A)を上にして固定し、
樹脂層(A)上に先端半径2.5mmの金属製錘を錘の先端部分が衝突するように落下させた。次第に錘の重量を40g→160gと重く、あるいは錘を落下させる高さを増して、加える落下エネルギーを増加させた。破壊の生じなかった最も高い落下エネルギー[J]を耐衝撃性として評価した。厚み1mmでハードコート未処理およびハードコート片面処理およびハードコート両面処理の試験片については落下エネルギーが0.9J未満で破壊の生じないものを合格とし、厚み0.5mmでハードコート未処理、ハードコート片面処理およびハードコート両面処理の試験片については落下エネルギー0.3J未満で破壊の生じないものを合格とした。
【0047】
<耐光性試験>
本試験はハードコート(a2)を塗布した試験片について実施した。試験片を8×5cmに切り出した。温度23℃、相対湿度50%の環境に24時間以上放置して状態調整した後、樹脂層(A)側を上側にしてアルミ製粘着テープで中央部が露光するように鉄板に貼り付けた。これを出力19mWのUVBランプ(280〜360nm)を取り付けたブラックボックスにセットして72時間照射させた。UVB照射前後のYIを測定してΔYIが1以下を合格とした。
【0048】
<耐熱性試験>
本試験は表層側をハードコートした試験片について実施した。試験片を10×20cmに切り取り、外周の内側1cm全周にカッターで直線状にキズをつけた。これを所定の温度に昇温した乾燥機に一角をつまんで吊り下げるようにセットした。30分放置後に乾燥機から取り出してキズをつけた枠内にクラックがない時の温度が120℃以上のものを合格とした。
【0049】
製造例1〔積層樹脂(A11)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)としてメタブレンH-880(三菱レイヨン社製、質量平均分子量:14,000、c1/c2=33/66)30質量%と、ポリカーボネート(D)としてユーピロンE−2000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、質量平均分子量:36,000)70質量%とを仕込みブレンダーで30分混合後、スクリュー径26mmの2軸押出機(東芝機械製、TEM−26SS、L/D≒40)を用い、シリンダー温度240℃で溶融混錬して、ストランド状に押出してペレタイザーでペレット化した。ペレット化は安定して製造できた。
【0050】
製造例2〔積層樹脂(A12)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)とポリカーボネート(D)の仕込み比率を40:60にした以外は製造例1と同様にペレット化を行なった。ペレット化は安定して製造できた。
【0051】
製造例3〔積層樹脂(A13)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)とポリカーボネート(D)の仕込み比率を50:50にした以外は製造例1と同様にペレット化を行なった。ペレット化は若干不安定であったが製造可能であった。
【0052】
製造例4〔積層樹脂(A14)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)とポリカーボネート(D)の仕込み比率を60:40にした以外は製造例1と同様にペレット化を行なった。ペレット化は不安定で製造不可能であった。
【0053】
製造例5〔積層樹脂(A15)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)とポリカーボネート(D)の仕込み比率を20:80にした以外は製造例1と同様にペレット化を行なった。ペレット化は安定して製造可能であった。
【0054】
製造例6〔積層樹脂(A21)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)としてメタブレンH-880(三菱レイヨン社製、質量平均分子量:14,000)30質量%と、ポリカーボネート(D)としてユーピロンS−3000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、質量平均分子量:27,000)70質量%とを仕込みブレンダーで30分混合後、スクリュー径26mmの2軸押出機(東芝機械製、TEM−26SS、L/D≒40)を用い、シリンダー温度240℃で溶融混錬して、ストランド状に押出してペレタイザーでペレット化した。ペレット化は安定して行なわれた。
【0055】
製造例7〔積層樹脂(A22)用ペレットの製造〕
(メタ)アクリレート共重合体(C)とポリカーボネート(D)の仕込み比率を40:60にした以外は製造例6と同様にペレット化を行なった。ペレット化は安定して行なわれた。
【0056】
製造例8〔樹脂層(A)に被覆する熱硬化性樹脂組成物(a1)の製造〕
撹拌翼と滴下装置を備えた混合槽に、メチルトリメトキシシラン100質量部と酢酸1質量部を加えて混合し、氷水浴で冷却して0〜10℃に保持しながら撹拌した。次いで平均粒径10〜20nmのコロイダルシリカ30重量%溶液(日産化学工業社製、商品名:スノーテックス30)84質量部を滴下し10℃に保持しながら4時間撹拌した。更に平均粒径10〜20nmのコロイダルシリカ25〜26重量%溶液(日産化学社製、商品名:スノーテックスIBA−ST)84質量部を滴下し20℃に保持しながら50時間撹拌した。酢酸セロソルブ45質量部と、イソブチルアルコール50質量部と、ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体(信越化学工業社製、商品名:KP−341)0.02質量部とからなる混合物を25℃に保持しながら1時間かけて滴下混合し、2,4−ジヒドロキシベンゾフェエノンを樹脂分100質量部に対して10質量部添加し熱硬化性樹脂組成物(a1)を得た。
【0057】
製造例9〔樹脂層(A)に被覆する光硬化性樹脂組成物(a2)の製造〕
撹拌翼を備えた混合槽に、トリス(2−アクロキシエチル)イソシアヌレート(Aldrich社製)60質量部と、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:215D)40質量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、商品名:DAROCUR TPO)1質量部と、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Aldrich社製)0.3質量部と、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN234)1質量部からなる組成物を導入し、40℃に保持しながら1時間撹拌して光硬化性樹脂組成物(a2)を得た。
【0058】
製造例10〔基材層(B)に被覆する光硬化性樹脂組成物(b)の製造〕
撹拌翼を備えた混合槽に、1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#260)40質量部と、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製、商品名:U−6HA)40質量部と、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1/2/4縮合物20質量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、商品名:DAROCUR TPO)2.8質量部と、ベンゾフェノン(Aldrich社製)1質量部と、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN234)1質量部からなる組成物を導入し、40℃に保持しながら1時間撹拌して光硬化性樹脂組成物(b)を得た。
【0059】
実施例1
軸径32mmの単軸押出機と、軸径65mmの単軸押出機と、全押出機に連結されたフィードブロックと、フィードブロックに連結されたTダイとを有する多層押出装置を用いて合成樹脂積層体を成形した。軸径32mmの単軸押出機に製造例1で得た積層樹脂(A11)を連続的に導入し、シリンダ温度240℃、吐出速度2.1kg/hの条件で押し出した。また軸径65mmの単軸押出機にポリカーボネート樹脂(B1)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロンS−3000、質量平均分子量:27,000)を連続的に導入し、シリンダ温度270℃、吐出速度30.0kg/hで押し出した。全押出機に連結されたフィードブロックは2種2層の分配ピンを備え、温度270℃として(A11)と(B1)を導入し積層した。その先に連結された温度270℃のTダイでシート状に押し出し、上流側から温度130℃、140℃、180℃とした3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、(A11)と(B1)の積層体(E1)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A11)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果2.5μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果2.3J以上で合格であり、総合判定は合格であった。
【0060】
実施例2
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の吐出速度を3.0kg/hとし、ポリカーボネート樹脂(B1)の吐出速度を20kg/hとした以外は、実施例1と同様にして(A11)と(B1)の積層体(E2)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A11)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果9.8μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果2.3J以上で合格であり、総合判定は合格であった。
【0061】
実施例3
実施例1で得た積層体(E1)の(A11)層上に、製造例8で得た熱硬化性樹脂組成物(a1)を硬化後の塗膜厚さが3〜8μmとなるようバーコーターを用いて塗布し、25℃で15分間乾燥した後、130℃に設定した熱風循環乾燥機で1時間硬化して(A11)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F1)を得た。高温高湿暴露試験の結果13μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果4Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果2.3Jで合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0062】
実施例4
実施例1で得た積層体(E1)の(A11)層上に、製造例9で得た光硬化性樹脂組成物(a2)を硬化後の塗膜厚さが3〜8μmとなるようバーコーターを用いて塗布しPETフィルムで覆って圧着し、光源距離12cm、出力80W/cmの高圧水銀灯を備えたコンベアでラインスピード1.5m/分の条件で紫外線を照射し硬化させてPETフィルムを剥離し、(A11)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F2)を得た。高温高湿暴露試験の結果10μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果2.3Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0063】
実施例5
実施例1で得た積層体(E1)の(A11)層上に、製造例9で得た光硬化性樹脂組成物(a2)を硬化後の塗膜厚さが3〜8μmとなるようバーコーターを用いて塗布しPETフィルムで覆って圧着し、また(B1)層上に製造例10で得た光硬化性樹脂組成物(b)を硬化後の塗膜厚さが3〜8μmとなるようバーコーターを用いて塗布しPETフィルムで覆って圧着し、光源距離12cm、出力80W/cmの高圧水銀灯を備えたコンベアでラインスピード1.5m/分の条件で紫外線を照射し硬化させてPETフィルムを剥離し、(A11)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F3)を得た。高温高湿暴露試験の結果3μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.88Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0064】
実施例6
実施例3で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例2で得た積層体(E2)を使用した以外は、実施例3と同様にして(A11)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F4)を得た。高温高湿暴露試験の結果49μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果4Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果2Jで合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0065】
実施例7
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例2で得た積層体(E2)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A11)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F5)を得た。高温高湿暴露試験の結果39μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果2Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0066】
実施例8
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例2で得た積層体(E2)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A11)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F6)を得た。高温高湿暴露試験の結果12μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.8Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0067】
実施例9
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例2で得た積層樹脂(A12)を使用した以外は、実施例1と同様にして(A12)と(B1)の積層体(E3)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A12)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果17μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.7Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0068】
実施例10
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例2で得た積層樹脂(A12)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A12)と(B1)の積層体(E4)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A12)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果50μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.47Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0069】
実施例11
実施例3で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例9で得た積層体(E3)を使用した以外は、実施例3と同様にして(A12)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F7)を得た。高温高湿暴露試験の結果85μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果4Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.3Jで合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0070】
実施例12
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例9で得た積層体(E3)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A12)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F8)を得た。高温高湿暴露試験の結果70μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.3Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0071】
実施例13
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例9で得た積層体(E3)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A12)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F9)を得た。高温高湿暴露試験の結果20μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0072】
実施例14
実施例3で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例10で得た積層体(E4)を使用した以外は、実施例3と同様にして(A12)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F10)を得た。高温高湿暴露試験の結果250μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果4Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.38Jで合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0073】
実施例15
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例10で得た積層体(E4)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A12)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F11)を得た。高温高湿暴露試験の結果200μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.38Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0074】
実施例16
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例10で得た積層体(E4)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A12)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F12)を得た。高温高湿暴露試験の結果55μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.33Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は130℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0075】
実施例17
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例3で得た積層樹脂(A13)を使用した以外は、実施例1と同様にして(A13)と(B1)の積層体(E5)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A13)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果95μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.2Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0076】
実施例18
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例3で得た積層樹脂(A13)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A13)と(B1)の積層体(E6)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A13)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果300μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.46Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0077】
実施例19
実施例3で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例17で得た積層体(E5)を使用した以外は、実施例3と同様にして(A13)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F13)を得た。高温高湿暴露試験の結果450μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果4Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.9Jで合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0078】
実施例20
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例17で得た積層体(E5)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A13)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F14)を得た。高温高湿暴露試験の結果400μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.9Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0079】
実施例21
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例17で得た積層体(E5)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A13)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F15)を得た。高温高湿暴露試験の結果105μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.8Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0080】
実施例22
実施例3で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例18で得た積層体(E6)を使用した以外は、実施例3と同様にして(A13)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F16)を得た。高温高湿暴露試験の結果1500μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果4Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.37Jで合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0081】
実施例23
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例18で得た積層体(E6)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A13)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F17)を得た。高温高湿暴露試験の結果1200μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.37Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0082】
実施例24
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例18で得た積層体(E6)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A13)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F18)を得た。高温高湿暴露試験の結果350μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.32Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0083】
実施例25
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例3で得た積層樹脂(A13)を使用して、その吐出速度を1.1kg/hとし、ポリカーボネート樹脂(B1)の吐出速度を31kg/hとした以外は、実施例1と同様にして(A13)と(B1)の積層体(E7)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A13)層の厚みは中央付近で30μmであった。高温高湿暴露試験の結果80μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.5Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0084】
実施例26
実施例25で積層樹脂(A13)の吐出速度を1.5kg/hとし、ポリカーボネート樹脂(B1)の吐出速度を21kg/hとした以外は、実施例1と同様にして(A13)と(B1)の積層体(E8)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A13)層の厚みは中央付近で30μmであった。高温高湿暴露試験の結果270μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.5Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0085】
実施例27
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例25で得た積層体(E7)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A13)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F19)を得た。高温高湿暴露試験の結果320μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果2Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.2Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0086】
実施例28
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例26で得た積層体(E8)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A13)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F20)を得た。高温高湿暴露試験の結果1100μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果2Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.4Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0087】
実施例29
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例26で得た積層体(E8)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A13)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F21)を得た。高温高湿暴露試験の結果300μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果2Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.35Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0088】
実施例30
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例5で得た積層樹脂(A15)を使用して、その吐出速度を7.0kg/hとし、ポリカーボネート樹脂(B1)の吐出速度を25kg/hとした以外は、実施例1と同様にして(A15)と(B1)の積層体(E9)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A15)層の厚みは中央付近で200μmであった。高温高湿暴露試験の結果130μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果HBで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.3Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0089】
実施例31
実施例30で積層樹脂(A15)の吐出速度を10kg/hとし、ポリカーボネート樹脂(B1)の吐出速度を13kg/hとした以外は、実施例1と同様にして(A15)と(B1)の積層体(E10)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A15)層の厚みは中央付近で200μmであった。高温高湿暴露試験の結果400μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果HBで合格であり、耐衝撃性試験の結果1Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0090】
実施例32
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例30で得た積層体(E9)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A15)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F22)を得た。高温高湿暴露試験の結果520μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果2Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は135℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0091】
実施例33
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例31で得た積層体(E10)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A15)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F23)を得た。高温高湿暴露試験の結果1600μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果2Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.8Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は135℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0092】
実施例34
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例31で得た積層体(E10)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A15)層および(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F24)を得た。高温高湿暴露試験の結果500μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果2Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.7Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は135℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0093】
実施例35
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例3で得た積層樹脂(A13)と、ポリカーボネート樹脂(B1)の代わりにポリカーボネート樹脂(B2)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロンH−3000、質量平均分子量:19,000)とを使用した以外は、実施例2と同様にして(A13)と(B2)の積層体(E11)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A13)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果100μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.43Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0094】
実施例36
実施例4で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例35で得た積層体(E11)を使用した以外は、実施例4と同様にして(A13)層にハードコート(a2)を備えた積層体(F25)を得た。高温高湿暴露試験の結果500μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.34Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0095】
実施例37
実施例5で使用した積層体(E1)(実施例1で得られたもの)の代わりに、実施例35で得た積層体(E11)を使用した以外は、実施例5と同様にして(A13)層および(B2)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F26)を得た。高温高湿暴露試験の結果120μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果3Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.3Jで合格であり、耐光性は0.4で合格であり、耐熱性は125℃で合格であり、総合判定は合格であった。
【0096】
実施例38
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例6で得た積層樹脂(A21)を使用した以外は、実施例1と同様にして(A21)と(B1)の積層体(E12)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A21)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果2.5μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果2.3J以上で合格であり、総合判定は合格であった。
【0097】
実施例39
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例6で得た積層樹脂(A21)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A21)と(B1)の積層体(E13)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A21)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果10μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果2.3J以上で合格であり、総合判定は合格であった。
【0098】
実施例40
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例6で得た積層樹脂(A21)を使用し、ポリカーボネート樹脂(B1)の代わりにポリカーボネート樹脂(B2)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A21)と(B2)の積層体(E14)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A21)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果10μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Fで合格であり、耐衝撃性試験の結果2Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0099】
実施例41
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例7で得た積層樹脂(A22)を使用した以外は、実施例1と同様にして(A22)と(B1)の積層体(E15)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A22)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果17μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果1.7Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0100】
実施例42
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例7で得た積層樹脂(A22)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A22)と(B1)の積層体(E16)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A22)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果50μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.47Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0101】
実施例43
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、製造例7で得た積層樹脂(A22)を使用し、ポリカーボネート樹脂(B1)の代わりにポリカーボネート樹脂(B2)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A22)と(B2)の積層体(E17)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A22)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果50μmで合格であり、鉛筆引っかき硬度試験の結果Hで合格であり、耐衝撃性試験の結果0.43Jで合格であり、総合判定は合格であった。
【0102】
比較例1
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、MS樹脂(A3)(新日鐵化学製MS樹脂。商品名:MS600)を使用して、軸径32mmの単軸押出機のシリンダ温度を220℃にした以外は、実施例1と同様にして(A3)と(B1)の積層体(E18)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A3)層の厚みは中央付近で60μmであった。さらに実施例5と同様にして積層体(E18)の(A3)層及び(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F27)を得た。高温高湿暴露試験の結果400μmで不合格であり、耐衝撃試験で0.7Jで不合格であり、さらに耐熱性は95℃で不合格であり、総合判定は不合格であった。
【0103】
比較例2
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、MS樹脂(A3)(新日鐵化学製MS樹脂。商品名:MS600)を使用して、軸径32mmの単軸押出機のシリンダ温度を220℃にした以外は、実施例2と同様にして(A3)と(B1)の積層体(E19)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A3)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果1000μmで不合格であり、さらに耐衝撃性は0.19Jで不合格であり、総合判定は不合格であった。
【0104】
比較例3
実施例1で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、ポリメタクリル酸メチル樹脂(A4)(ARKEMA社製、商品名:ALTUGLAS V020)を使用した以外は、実施例1と同様にして(A4)と(B1)の積層体(E20)を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A4)層の厚みは中央付近で60μmであった。さらに実施例5と同様にして積層体(E20)の(A4)層及び(B1)層にそれぞれハードコート(a2)および(b)を備えた積層体(F28)を得た。高温高湿暴露試験の結果1200μmで不合格であり、耐衝撃試験で0.4Jで不合格であり、さらに耐熱性は110℃で不合格であり、総合判定は不合格であった。
【0105】
比較例4
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、ポリメタクリル酸メチル樹脂(A4)(ARKEMA社製、商品名:ALTUGLAS V020)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A4)と(B1)の積層体(E21)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A4)層の厚みは中央付近で60μmであった。高温高湿暴露試験の結果、測定不能で不合格であり、さらに耐衝撃性は0.15Jで不合格であり、総合判定は不合格であった。
【0106】
比較例5
実施例2で使用した積層樹脂(A11)の代わりに、ポリカーボネート樹脂(A5)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロンH−3000、質量平均分子量:19,000)を使用した以外は、実施例2と同様にして(A5)と(B1)の積層体(E22)を得た。得られた積層体の厚みは0.5mm、(A5)層は(B1)との区別がつきにくく(A5)層の厚みは不明であった。さらに実施例3と同様にして積層体(E22)の(A5)層にハードコート(a1)を備えた積層体(F29)を得た。高温高湿暴露試験の結果20μmで合格であったが、鉛筆引っかき硬度試験の結果HBで不合格であり、総合判定は不合格であった。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2-1】
【表2-2】
【0109】
表1および2より、本発明の合成樹脂積層体は高温や高湿な環境における形状安定性、表面硬度、耐衝撃性、耐候性および耐熱性に優れることがわかる。