特許第6068466号(P6068466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6068466ヨーグルトスムージー用キットおよびそれを作製するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068466
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】ヨーグルトスムージー用キットおよびそれを作製するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23C 9/12 20060101AFI20170116BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   A23C9/12
   A23L2/00 A
【請求項の数】18
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2014-520336(P2014-520336)
(86)(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公表番号】特表2014-520552(P2014-520552A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】US2012046531
(87)【国際公開番号】WO2013010020
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年5月12日
(31)【優先権主張番号】61/507,076
(32)【優先日】2011年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506298415
【氏名又は名称】ドール・パッケージド・フーズ・エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】507274803
【氏名又は名称】カーギル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ダウンズ, レイモンド ウォレン
(72)【発明者】
【氏名】ロダシー, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】デル ロサル, アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】カバリーニ, ビンセント エム.
【審査官】 大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/009419(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0008754(US,A1)
【文献】 特表2009−508501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨーグルトスムージーキットであって、該キットは、
内部ボリューム、開放上端部、閉鎖底端部、および該上端部と該底端部との間に配置された境界印を有する容器であって、該内部ボリュームは、該境界印によって該境界印の上の上側ボリュームと該境界印の下の下側ボリュームとに分けられている、容器と、
複数の凍結ヨーグルトペレットであって、該凍結ヨーグルトペレットは、
乳タンパク質、
乳脂肪、
ヨーグルト菌培養物、
砂糖、
定剤ミックス、
および複数の凍結果実片
を含む、複数の凍結ヨーグルトペレットと、
を含み、ここで、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの質量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しく、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの合計脂肪含量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.003倍〜0.010倍の間に等しく、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの合計炭水化物含量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.020倍〜0.065倍の間に等しく、
該複数の凍結果実片のグラムでの質量が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットの質量以下であり、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しいヨーグルトスムージーキット。
【請求項2】
前記複数の凍結果実片が、イチゴ、バナナ、ブルーベリー、パイナップル、マンゴー、モモ、ナシ、リンゴ、オレンジ、およびこれらの組合せからなる群からの果実を含む、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項3】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片のグラムでの合計質量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.180倍〜0.550倍の間に等しい、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項4】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片のグラムでの合計炭水化物含量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.027倍〜0.082倍の間に等しい、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項5】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積で提供される、約0.086g/mlの砂糖濃度を有する液体と混合したとき、8°Bx〜18°Bxの間のブリックス値を有するスムージーをもたらす、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項6】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積の水と混合したとき、8°Bx〜18°Bxの間のブリックス値を有するスムージーをもたらす、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項7】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積の、約0.086g/mlの砂糖濃度を有する液体と混合したとき、0.305カロリー/ml〜0.920カロリー/mlの間のカロリー含量を有するスムージーをもたらす、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項8】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積の水と混合したとき、0.305カロリー/ml〜0.920カロリー/mlの間のカロリー含量を有するスムージーをもたらす、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項9】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片のグラムでの合計食物繊維含量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.007倍〜0.025倍の間に等しい、請求項に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項10】
第2の複数の凍結ヨーグルトペレットをさらに含む、請求項1に記載のヨーグルトスムージーキットであって、該第2の複数の凍結ヨーグルトペレットのビーズが、前記複数の凍結ヨーグルトペレットのビーズとは異なる組成を有する、ヨーグルトスムージーキット。
【請求項11】
前記上側ボリュームの体積が、前記下側ボリュームの体積の0.15倍〜0.6倍である、請求項1に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項12】
前記下側ボリュームが、100mL〜400mLの間である、請求項1に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項13】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記下側ボリュームに等しい体積から、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換わる体積を引いた体積で提供される液体を用いて振盪されると、前記複数の凍結ヨーグルトペレットが実質的に溶解し、2853cP〜3800cPの間の粘度を有するスムージーをもたらす、請求項1に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項14】
前記液体は、前記下側ボリュームの体積のおよそ0.62倍の体積で提供される、請求項13に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項15】
前記液体は、オレンジジュースである、請求項13に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項16】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットの質量は、前記複数の凍結果実片の質量に等しい、請求項1に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項17】
前記複数の凍結ヨーグルトペレットの質量は、前記下側ボリュームの体積のおよそ0.19倍であり、前記複数の凍結果実片の質量は前記下側ボリュームの体積のおよそ0.19倍である、請求項1に記載のヨーグルトスムージーキット。
【請求項18】
ヨーグルトスムージーキットを生成するための方法であって、
ヨーグルトスムージーキットの容器に液体を付与し、
前記ヨーグルトスムージーキットは、
内部ボリューム、開放上端部、閉鎖底端部、および該上端部と該底端部との間に配置された境界印を有する容器であって、該内部ボリュームは、該境界印によって該境界印の上の上側ボリュームと該境界印の下の下側ボリュームとに分けられている容器と、
複数の凍結ヨーグルトペレットであって、該凍結ヨーグルトペレットは、
乳タンパク質、
乳脂肪、
ヨーグルト菌培養物、
砂糖、
安定剤ミックス、
および複数の凍結果実片
を含む、複数の凍結ヨーグルトペレットと、
を含み、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの質量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しく、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの合計脂肪含量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.003倍〜0.010倍の間に等しく、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの合計炭水化物含量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.020倍〜0.065倍の間に等しく、
該複数の凍結果実片のグラムでの質量が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットの質量以下であり、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しく、
前記付与された液体の体積は、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換わる体積を引いた前記下側ボリュームに等しく、
前記ヨーグルトスムージーキットおよび前記液体を振盪すると、前記複数の凍結ヨーグルトペレットが実質的に溶解し、2853cP〜3800cPの間の粘度を有するスムージーをもたらす、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.分野
本開示は一般に、ヨーグルトスムージー用キット、より具体的には、凍結ヨーグルトベースペレットを含むヨーグルトスムージーキットに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
凍結した、より正確には部分的に凍結した飲料は、世界中で消費者に楽しまれている。フローズン飲料の例としては、ミルクセーキ、フローズンカクテル、ダイキリ、ピニャコラーダ、マルガリータ、ミルクセーキ、冷凍コーヒー、冷凍レモネード、果物のスムージー、およびグラニタがある。一般に、フローズン飲料は、水の凝固点またはその付近の温度で出され、飲料に望ましい「冷たさ」を与える。場合によっては、フローズン飲料は、飲料全体にわたって混ざった液体水および氷の分散した結晶の両方を有し得る。この分散液は、フローズン飲料の望ましい温度および口当たりの両方をもたらす。小児にとって、特に、フローズン飲料は、同時に望ましくもあり、栄養価も高い場合がある。
【0003】
しかし、フローズン飲料の「冷たさ」をもたらすことは、この飲料を調製することを困難にし得る。フローズン飲料は、ほぼ完全に凍結している(例えば、ポプシクル)、ほぼ完全に液体(例えば、完全に液体飲料)である、または不十分に分散している(例えば、液体中のアイスキューブ)であることができない。例えば、ミルクセーキなどのある特定のフローズン飲料は、ミルクなどの流体、アイスクリームなどの凍結構成要素、および果実またはチョコレートシロップなどの香味料を完全に混合することによって調製されることが多い。ミルクセーキの濃い、クリーミーな口当たりで、雪解け状の粘稠度を得るために、成分の非常に長い、かつ/または扱いにくいブレンドが必要になることが多い。硬化したアイスクリームを混合することができる機械式ミキサーを使用する必要がある場合があり、作製者は、しばしば様々な成分をまとめなければならず、一般に、平均的消費者が望ましくないと気付く取り組みを必要とする。グラニタなどの他のフローズン飲料については、混合しながら制御された様式で液体混合物を凍結させるのに冷凍機などの特殊な装置が必要である。さらに、調製は、風味および舌触りの適切なバランスが実現されていることを保証するために、成分のかなり正確な測定を必要とする場合がある。
【0004】
後に消費するために前もって調製され、それによって調製の困難のいくつかを改善してきたフローズン飲料は、一般的な消費者からの抵抗に遭っている。多くの場合、消費者は、風味、口当たり、クリーミーさ、および全体的に氷のように冷たい、さわやかな品質が欠けていることを嫌う。消費者は、保存可能期間が限られていること、または所望の舌触りを実現するための加熱装置(例えば、電子レンジ)の必要性も嫌う場合がある。さらに、このような予め調製された飲料は、高い割合の水が含まれているために、輸送するのに相対的に重く、困難であり得る。
【0005】
特許文献1(米国特許第7,615,245号)では、液体(例えば、ミルク)と混合したとき、フローズン飲料を作製するのに使用することができる凍結ペレットが提供されている。得られる飲料は、ミルクセーキまたはアイスクリームシェークタイプ飲料に関する消費者需要の多くを満たすことができる。しかし、消費者は、他のタイプのフローズン飲料、例えば、ヨーグルトスムージーおよび果物のスムージーなども楽しむ。ヨーグルトスムージーおよび果物のスムージーは、消化を補助するための生きた活性な培養物(すなわち、生菌)ならびに食物繊維およびビタミンを含むことができるので、特に、栄養的に望ましいと見なされている。特に、ヨーグルトスムージーおよび果物のスムージーは、ミルクまたはアイスクリームシェークと同じ成分を共有するが、ミルクまたはアイスクリームシェークに見られない成分も含み、共通成分(ingredients-in-common)でさえ、実質的に異なる比率で提供される場合がある。
【0006】
生きた活性な培養物を含有するヨーグルトスムージーに関して、ヨーグルト中に存在する生菌および細菌培養物は、かねて定評があり、腸の健康をもたらすことが公知である。lactobacillusおよびBifidobacteriumの株は、食事で消費される場合、腸内ミクロフローラの健康に寄与することが示されている。
【0007】
生菌は、ヒトの腸内の微生物の通常のバランスを維持することによって健康を改善すると考えられている微生物である。これらは、いくつかの食品中に含有されており、栄養補給剤としても販売されている。さらに、生菌は、抗生物質を摂取している人のためになり得るという一貫した証拠を、研究者らは見出した。例示的な知見は、Journal of the American Medical Associationの2012年5月9日版に見つけることができる。
【0008】
既成のヨーグルトスムージー製品では、生きた活性な培養物の量は、液体状態を考慮すると経時的に減少し、その結果、関連した健康に良い利点が同時に減少する。一般に、完成品1つ当たり、1グラム当たり最大10個までの細菌を得る必要があり、これらは、飲料の保存可能期間にわたって、液体状態の中で急速に死に絶え得る。
【0009】
凍結微生物の生存能は公知であり、凍結状態で培養物を貯蔵し、生存能を維持するのに、極低温技術が使用されており、凍結状態は、液体状態での貯蔵より好ましく、安定であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7,615,245号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、特殊な装置を必要とすることなく容易かつ迅速に調製することができるフローズン飲料、例えば、ヨーグルトスムージーまたは果物のスムージーなどの必要性が残っている。特に、栄養価が高いとともに満足感を与えるフローズン飲料を容易かつ便利に調製することが消費者に可能になる製品の必要性が残っている。さらに、細菌安定性が改善したヨーグルト飲料の調製を可能にする製品の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
簡単な概要
一実施形態では、本開示は、液体を混合しながら組み合わせる際の、ヨーグルトスムージーの調製において使用するためのヨーグルトスムージーキットを提供する。キットは、内部ボリューム、開放上端部、閉鎖底端部、および上端部と底端部との間に配置された境界印(demarcation)を有する容器であって、内部ボリュームは、境界印によって境界印の上の上側ボリュームと境界印の下の下側ボリュームとに分けられている、容器を含む。キットは、少なくとも乳タンパク質、乳脂肪、ヨーグルト菌培養物、砂糖(sugar)、および安定剤ミックスをそれぞれが有する複数の凍結ヨーグルトペレットを容器内部にさらに含む。キット内の複数の凍結ヨーグルトペレットは、容器の下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しい、グラムでの合計質量を有する。さらに、キット内の複数の凍結ヨーグルトペレットは、容器の下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.003倍〜0.010倍の間に等しい、グラムでの合計脂肪含量を有する。さらに、キット内の複数の凍結ヨーグルトペレットは、下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.020倍〜0.065倍の間に等しい、グラムでの合計炭水化物含量を有する。
【0013】
別の実施形態では、本開示は、関連する健康上の利益を伴った低温凍結細菌培養物の微生物安定性が改善されたヨーグルトスムージーキットを提供する。本ヨーグルトスムージーキットは、凍結(液体ではなく)状態で維持されるとき、培養物の生存能を改善し、それは、関連した健康上の利益を実現することにとって重要である。本明細書で提供されるヨーグルトスムージーキットおよびその使用の実施形態では、キットは、使用直前に液体と組み合わせ、液体媒体中での貯蔵に起因する急速な細菌死滅の可能性を回避する。したがって、ブレンダーまたはミキサーを使用することなく、容器内で、消費時点で凍結ヨーグルトペレットを液体とこのように組み合わせることにより、好都合な飲料形態における細菌生存能の改善という利点がもたらされる。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
ヨーグルトスムージーキットであって、該キットは、
内部ボリューム、開放上端部、閉鎖底端部、および該上端部と該底端部との間に配置された境界印を有する容器であって、該内部ボリュームは、該境界印によって該境界印の上の上側ボリュームと該境界印の下の下側ボリュームとに分けられている、容器と、
複数の凍結ヨーグルトペレットであって、該凍結ヨーグルトペレットは、
乳タンパク質、
乳脂肪、
ヨーグルト菌培養物、
砂糖、
および安定剤ミックス
を含む、複数の凍結ヨーグルトペレットと、
を含み、ここで、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの質量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しく、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの合計脂肪含量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.003倍〜0.010倍の間に等しく、
該複数の凍結ヨーグルトペレットのグラムでの合計炭水化物含量は、該下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.020倍〜0.065倍の間に等しい
ヨーグルトスムージーキット。
(項目2)
複数の凍結果実片をさらに含み、
該複数の凍結果実片のグラムでの質量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090倍〜0.275倍の間に等しい、項目1に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目3)
前記複数の凍結果実片が、イチゴ、バナナ、ブルーベリー、パイナップル、マンゴー、モモ、ナシ、リンゴ、オレンジ、およびこれらの組合せからなる群からの果実を含む、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目4)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片のグラムでの合計質量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.180倍〜0.550倍の間に等しい、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目5)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片のグラムでの合計炭水化物含量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.027倍〜0.082倍の間に等しい、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目6)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積で提供される、約0.086g/mlの砂糖濃度を有する液体と混合したとき、8°Bx〜18°Bxの間のブリックス値を有するスムージーをもたらす、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目7)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積の水と混合したとき、8°Bx〜18°Bxの間のブリックス値を有するスムージーをもたらす、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目8)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積の、約0.086g/mlの砂糖濃度を有する液体と混合したとき、0.305カロリー/ml〜0.920カロリー/mlの間のカロリー含量を有するスムージーをもたらす、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目9)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片が、前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片によって置き換えられた体積を引いた、前記下側ボリュームにほぼ等しい体積の水と混合したとき、0.305カロリー/ml〜0.920カロリー/mlの間のカロリー含量を有するスムージーをもたらす、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目10)
前記複数の凍結ヨーグルトペレットおよび前記複数の凍結果実片のグラムでの合計食物繊維含量が、前記下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.007倍〜0.025倍の間に等しい、項目2に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目11)
をさらに含む、項目1に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目12)
第2の複数の凍結ヨーグルトペレットであって、該第2の複数の凍結ヨーグルトペレットのビーズが、前記複数の凍結ヨーグルトペレットのビーズとは異なる組成を有する、ペレット。
(項目13)
前記上側ボリュームの体積が、前記下側ボリュームの体積の0.15倍〜0.6倍である、項目1に記載のヨーグルトスムージーキット。
(項目14)
前記下側ボリュームが、100mL〜400mLの間である、項目1に記載のヨーグルトスムージーキット。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、例示的なヨーグルトスムージーキット容器を表す。
図2図2は、例示的なヨーグルトスムージーキット容器を表し、切り取り図は、凍結果実片と混ざった凍結ヨーグルトペレットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
以下の説明は、例示的な方法、パラメータなどを示す。しかし、このような説明は、本開示の範囲を限定するものとして意図されておらず、例示的な実施形態の説明として代わりに提供されていることが認識されるべきである。
【0016】
一般に、本開示は、ミルクセーキなどのフローズン飲料を含めた飲料を調製するための方法および製造品を提供する。本明細書において、「フローズン飲料」は、一般に約5°F〜約40°F、または約28°F〜約36°Fの温度範囲(調製時)の飲料を意味する。フローズン飲料は、一般に、低度〜中等度のせん断応力の条件下で流れることができる。フローズン飲料は、ある特定の実施形態では、約100〜約150センチポアズ、例えば、約110〜115センチポアズ、または約120〜約135センチポアズの粘度(調製時)を有することができる。
【0017】
本明細書で記載するように、ミルク、甘味料、および安定剤ミックスを含有する凍結ペレットは、ミルクセーキまたはクリーミーな果実飲料などのフローズン飲料を迅速に調製するのに使用することができる。ある特定の場合では、凍結ペレットは、ミルク、クリーム、イヌリンを含めた1種または複数の甘味料の混合物、および安定剤ミックスを含有することができる。液体が凍結ペレットに添加され、振盪した後、フローズン飲料が生成される。飲料の濃厚さは、例えば、より多くの液体を添加することによって、消費者の好みに調整することができる。したがって、(ストロー有りもしくは無しで)飲み、またはスプーンを用いて消費することができる飲料を調製することができる。いくつかの実施形態では、本方法および物品は、2セットの凍結ペレットを使用する。他の実施形態では、1セットの凍結ペレットを適切な液体と混合して、フローズン飲料をもたらす。
【0018】
やはり本明細書で記載するように、凍結ペレットは、生きた活性な培養物を含めた細菌培養物、および発酵乳製品を含有することができる。本明細書において、このようなペレットは、凍結ヨーグルトペレットと呼ばれる場合がある。凍結ヨーグルトペレットは、非ヨーグルト凍結ペレット、例えば、甘味料、安定剤などに関して記載した成分の1種または複数を含むことができる。凍結ヨーグルトペレットは、液体と組み合わせて、振盪後にフローズン飲料を形成することができる。
【0019】
さらに記載するように、凍結ヨーグルトペレットは、フローズン飲料を便利に作製するためのキット中に含めてもよい。このようなヨーグルトスムージーは、流体(例えば、水、ミルク、または果汁)を添加するために予め指定された体積を有する容器内に配置された、予め測定された量の凍結ヨーグルトペレットを含むことができる。凍結ヨーグルトペレットの量および組成は、指定体積の流体を添加した後に、望ましい特性、例えば、栄養組成、温度、および口当たりなどを有するシェークをもたらすように選択されているはずである。
【0020】
凍結ペレット
本明細書に記載の方法および物品は、第1のセットの凍結ペレット、または第1および第2のセットの凍結ペレットを使用することができ、第1の凍結ペレットおよび第2の凍結ペレットと本明細書で呼ぶ。
【0021】
凍結ペレットは、液体を添加して手で混合したとき、ペレットの効率的な分解を可能にする形状、サイズ、体積、および表面積を有する。一般に、混合は、10秒〜2分、またはこれらの間の任意の値(例えば、約15、20、30、45、60、75、90、または105秒)以内に完了する。第1および第2の凍結ペレットは、独立して、任意の形状、サイズ、体積、表面積、および色を有することができる。例えば、ペレットは、球、長円形、立方体、円柱、長方形、菱形、もしくは他の奇抜な形状(例えば、花、星、顔)、または様々な形状の混合物であり得る。一般に、第1の凍結ペレットおよび第2の凍結ペレットは、独立して、相対的に均一なサイズおよび形状のものである。例えば、第1の凍結ペレットは、特定のサイズの球とすることができ、一方、第2の凍結ペレットは、異なるサイズの立方体とすることができる。代わりに、第1および第2の凍結ペレットはともに、同じサイズの球であってもよい。一般に、凍結ペレットは、約1mm〜約20mm、またはこれらの間の任意の値(例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19mm)の直径を有し得る。ある特定の実施形態では、ペレットは、約4mm〜約10mmの直径を有することができる。第1および第2のペレットは、同じ色(例えば、第1および第2の凍結ペレットは、白色である)であっても、2つの異なる色(例えば、第1の凍結ペレットは、白色である一方、第2の凍結ペレットは、青色である)であってもよく、またはペレットは、独立して、色の混合物(例えば、第1の凍結ペレットは、赤色および黄色であり、第2の凍結ペレットは、白色および黄色である)であってもよい。
【0022】
第1の凍結ペレットまたは第1および第2の凍結ペレットの組合せを使用してフローズン飲料を調製することができる。したがって、第1の凍結ペレットは、2つの方法でフローズン飲料を調製するのに使用することができる:1)第1の凍結ペレットは、適切な液体と混合してフローズン飲料をもたらすことができ、または2)第1の凍結ペレットを、第2の凍結ペレットおよび適切な液体と組み合わせて(例えば、混合して)フローズン飲料をもたらすことができる。選ばれる方法に応じて、フローズン飲料を調製するのに使用される第1の凍結ペレットの配合および量、ならびに液体の量は、以下に論じるように多様となり得る。
【0023】
第1の凍結ペレットは一般に、フローズン飲料のクリーミーな口当たりおよび風味に寄与する。第1の凍結ペレットは、ミルク液、甘味料、香味料、および安定剤ミックスを含む。クリーム液も第1の凍結ペレット内に一般に含められる。ある特定の場合では、第1の凍結ペレット中に含められる甘味料として、イヌリンおよび/または他のフラクトオリゴ糖を挙げることができる。任意選択の成分としては、緩衝液、脂肪、油、タンパク質、着色剤、酸味料、発泡剤、抗発泡剤、クラウディファイヤー(cloudifier)、繊維源、保存剤、抗酸化剤、マスキング剤、および栄養添加剤がある。
【0024】
第2の凍結ペレットは、本明細書に記載のフローズン飲料の氷のように冷たい雪解けの舌触りに寄与することができる。いずれの理論によっても束縛されないが、第2の凍結ペレットは、第1の凍結ペレットおよび添加される液体と混合すると相対的に容易に分解するのに適した氷晶形成物を有すると考えられる。第2の凍結ペレットは一般に、ミルク液、甘味料、および安定剤ミックスを含む。上記に示した任意選択の成分も企図されている。
【0025】
ある特定の実施形態では、第1の凍結ペレットは、必要とされる唯一のペレットである場合がある。例えば、ある特定の場合では、第1の凍結ペレットは、ミルク液、クリーム液、安定剤ミックス、イヌリンなどの1種または複数のフラクトオリゴ糖を含めた甘味料、および香味料を含むことができる。
【0026】
凍結ペレットの調製
第1または第2の凍結ペレットを調製するために、諸成分は、一般に、適切な量で混合し、成分の分散および可溶化を助長するために、必要であれば加熱する(例えば、約185°Fなどの約150°F〜約190°Fに加熱する)。混合物は、均質化し、かつ/またはせん断力で処理してもよい。混合物は、例えば、連続フロー法、多段法、またはバッチ法で、FDAに認可された方法によって低温殺菌することができる。必要であれば、低温殺菌および/または均質化した後、混合物を冷却する、例えば、約4℃〜約12.5℃などの約2℃〜約20℃の間の温度に冷却してもよい。冷却された混合物は、熟成期間にわたって、例えば、約4時間〜約24時間、冷却された温度のままであることができる。熟成は、安定剤ミックスの好都合で均質な分布に寄与し得る。香味料および/または甘味料は、加熱前、加熱後、または特に、香味料または甘味料が揮発性または熱に敏感である場合、冷却後に添加することができる。混合物中に空気をホイップし、または取り込むと、体積またはオーバーランを増やすことができるが、オーバーランは、凍結後の最適なペレット品質をもたらさない場合があり、したがってオーバーランをもたらすために空気を取り込むことは、回避されることが好ましい。凍結前に、混合物は、最小のオーバーラン、例えば、約102%未満のオーバーラン、または約100%未満のオーバーランを呈し得る。オーバーランは、空気を取り込んだ(例えば、ホイッピングにより)混合物の重量を、空気が取り込まれていない混合物の重量から差し引き、空気が取り込まれた混合物の重量によって除し、100を乗じることによって計算することができる。
【0027】
続いて混合物を凍結させることができる。例えば、混合物を、適切な金型内で凍結させて、所望の形状および/またはサイズのペレットをもたらすことができ、または例えば、スラブとして凍結させ、続いて切断して適切な形状およびサイズにすることができる。混合物は、ドライアイスもしくは液体窒素に曝露することによって、またはフリーザーを使用して凍結させてもよい。いくつかの実施形態では、混合物は、ペレット形成の間に凍結される。例えば、球状ペレットは、液体窒素源内に混合物を落下させる(例えば、重力または陽圧によって)ことによって形成することができる。例えば、米国特許第5,126,156号、同第5,664,422号、および同第6,000,229号に開示された方法も参照。ある特定の実施形態では、フリーザー、例えば、Frigoscandia Equipment FloFreeze(登録商標)個人用急速フリーザー(IQF)を使用して、凍結ペレットを調製することができる(Frigoscandia Equipment,FMC Corp.)。または、ペレットに噴霧して、水を含む様々な成分の連続層を築くことができる。
【0028】
凍結させた後、ペレットをコーティングすることができる。コーティングは、互いおよび/または容器に対してペレットの自由流を補助することができ、ペレットに対する風味、色、または安定性に場合により寄与することができる。例えば、コーティングは、冷膨潤デンプン(cold swelling starch)などの炭水化物、トレハロースもしくはスクラロースなどの甘味料、2% SAG100と1%クエン酸ナトリウムの混合物などの消泡剤、カゼイン酸ナトリウムなどのタンパク質、または脂肪とすることができる。
【0029】
凍結させた後、ペレットを約−10℃〜約−30℃(例えば、約−20℃)で硬化またはテンパリングすることができる。硬化またはテンパリングは、任意の時間、例えば、約1時間〜約1週間、またはそれ以上にわたって行うことができる。熟成および/またはテンパリングにより、流通する間の温度変動に対してペレットをより安定な条件(例えば、好都合な溶融速度、好都合な溶融温度)にすることができる。
【0030】
第1または第2の凍結ペレット中に含めるためのミルク液としては、全乳、脱脂乳、1%ミルク、2%ミルク、コンデンスミルク、無脂肪乳、豆乳、ライスミルク、オート麦ミルク、バターミルク、およびこれらの混合物がある。再構成された粉乳も使用することができる。ミルク液は、乳糖の入っていないものであってもよい。いくつかの実施形態では、全乳が、第1および/または第2の凍結ペレット用ミルク液として使用される。
【0031】
一般に、ミルク液は、第1の凍結ペレットの約25重量%〜約78重量%である。本明細書において、重量百分率は、凍結前の混合物中の適切な成分の百分率を反映する。例えば、ミルク液は、第1の凍結ペレットの約50重量%〜約60重量%、約65重量%〜約75重量%、または約38重量%〜約50重量%であり得る。ある特定の場合では、ミルク液は、第1の凍結ペレットの約68重量%〜約72重量%、またはこれらの間の任意の値(例えば、約69、70、または71%)である。一般に、ミルク液は、第2の凍結ペレットの約60重量%〜約85重量%、または約80重量%〜約85重量%である。
【0032】
例えば、ヘビークリーム、ライトクリーム、レギュラークリーム、およびハーフアンドハーフを含めた、第1の凍結ペレット中に含めるためのクリーム液は、およそ15%〜45%の範囲の脂肪含量を有し得る。再構成されたドライクリームも使用することができる。クリーム液は、乳糖の入っていないものであってもよい。クリーム液は一般に、本発明のフローズン飲料、例えば、ミルクセーキの濃い、クリーミーな味および口当たりに寄与する。一実施形態では、ヘビークリーム(40%脂肪含量)が第1の凍結ペレット中に使用される。
【0033】
第1凍結ペレット中のミルク液とクリーム液の合計量は、約62重量%〜約92重量%、または約80重量%〜約87重量%の範囲となり得る。他の実施形態では、第1の凍結ペレット中のミルク液とクリーム液の合計量は、約62重量%〜約78重量%、約68重量%〜約72重量%、または約82重量%〜約86重量%の範囲となり得る。一般に、第1または第2の凍結ペレット中の乳脂肪の全量は、約4%〜約10%、またはこれらの間の任意の値(例えば、約5、6、7、8、または9%)の範囲である。
【0034】
安定剤ミックスは一般に、フローズン飲料の濃い口当たり、ボディ、粘度、および安定性に寄与する。安定剤ミックスは、以下、すなわち、ガム、乳化剤(emulsifer)、および安定剤のうちの1つまたは複数を含むことができる。安定剤ミックスは一般に、第1の凍結ペレットの約0.15重量%〜約2重量%(例えば、約0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、または1.9%)、および第2の凍結ペレットの約0.2重量%〜約0.6重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、安定剤ミックスは、第1の凍結ペレットの約0.1重量%〜約0.4重量%の範囲内(例えば、約0.3%)、および第2の凍結ペレットの約0.3重量%〜約0.5重量%の範囲内で提供される。他の実施形態では、第1の凍結ペレット用安定剤ミックスは、約0.6〜約1重量%、または約1重量%〜約1.4重量%の範囲内で提供することができる。本発明で使用するための安定剤ミックスは、市販されている場合があり(例えば、Daritech FR102(Degussa)、安定剤ミックスとしては、グアーガム、カラギナン、ならびにモノグリセリドおよびジグリセリドがある。この安定剤ミックスは、デキストロースで標準化されている。他の場合では、安定剤ミックスは、適切なガム、乳化剤、および/または安定剤を、例えば、他のペレット成分に添加する前に、または他のペレット成分と混合中に混合することにより、含めることによって調製することができる。
【0035】
安定剤ミックス中に含めるためのガムは、例えば、クリーム分離、乳清分離、相分離、シネレシス、およびタンパク質凝固からフローズン飲料の物理的安定性を増強するように選択することができる。例えば、ガムは、脂肪を乳化し、乳清タンパク質を捕捉し、得られるフローズン飲料に懸濁、粘度、およびボディをもたらすのに役立ち得る。第2の凍結ペレット用安定剤ミックス中に含められるガムはまた、添加される液体と混合した後の、第2の凍結ペレット中の氷晶形成物の容易な分解を増強することによって、フローズン飲料の雪解け状品質に寄与し得る。
【0036】
一般的なガムとしては、カラギナン、アルギネート、キサンタンガム、セルロースゲル、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、ゼラチン、ペクチン、グアーガム、およびタラガム、またはこれらの混合物がある。いくつかの実施形態では、カラギナン、カラギナンとグアーガム、またはカラギナンとゼラチンを、第1の凍結ペレットの安定剤ミックス中に使用することができる。カラギナンは、紅藻から得られる食品グレート多糖のファミリーである。本発明で使用するためのカラギナンとして、κ、λ、およびιカラギナン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。カラギナンは、乳製品または乳製品流体を含有するフローズン飲料に特に有用となり得る。ある特定の実施形態では、ゼラチンが、第2の凍結ペレット中に単独で、またはカラギナンと組み合わせて使用される。ガムのブレンドは、果汁または果実濃縮物を含むフローズン飲料に有用となり得る。カラギナンを含めたガムは、FMC(Princeton、N.J.)、およびRousselot(DuBuque、Iowa)から入手可能である。
【0037】
安定剤ミックス中に含められる乳化剤は、脂肪を乳化するのに役立ち、フローズン飲料の安定性、粘稠度、および口当たりに寄与し得る。食品グレードの乳化剤は、当技術分野で一般に公知である。乳化剤の非限定的な一般的な例としては、蒸留モノグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(DATEM)、レシチン、乳化性デンプン(例えば、オクテニルコハク酸無水物デンプン)、タピオカデンプン、冷膨潤デンプン、変性レシチン、ポリソルベート60または80、ナトリウムステアリルラクチレート、プロピレングリコールモノステアレート、コハク酸化モノグリセリドおよびジグリセリド、アセチル化モノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸のプロピレングリコールモノエステルおよびジエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のラクチル酸エステル(lactylic ester)、モノステアリン酸グリセリル(glyceryl monosterate)、プロピレングリコールモノパルミテート、グリセロールラクトパルミテート、ならびにグリセロールラクトステアレート、ならびにこれらの混合物がある。乳化剤は、例えば、FMC Biopolymer(Philadelphia、Pa.)、Central Soya(Fort Wayne、Ind.)、Danisco(Copenhagen、デンマーク)、CPKelco(San Diego、Calif.)、TIC(Belcamp、Md.)によって市販されている。
【0038】
安定剤ミックス中に含められる安定剤は、舌触り、口当たり、および氷晶サイズ制御に寄与し得る。食品中に含めるのに適した安定剤は、市販されており、当技術分野で公知である。一般的な例としては、セルロース、ゲル化剤、ホイッピング剤(whipping agent)、例えば、ダイズホイッピング剤、および抗酸化剤がある。
【0039】
第1および第2の凍結ペレットはまた、甘味料を含む。甘味料は、フローズン飲料の風味および甘味に寄与し、かつ膨化抑制剤、安定性抑制剤、および融点降下剤として機能し得る。使用される甘味料の量は、例えば、使用される香味料、消費者の好み、望まれるカロリー含量などによって変化することになる。一般に、甘味料は、第1の凍結ペレットの約10重量%〜約25重量%、または約12%〜約15%の量で含められる。第2の凍結ペレットについては、甘味料は一般に、約10重量%〜約20重量%、または約14重量%〜約17重量%の量で含められる。
【0040】
甘味料は、栄養になるものであっても、栄養のないものであってもよい。本発明で使用するための甘味料の例としては、砂糖、トレハロース、スクロース、スクラロース、マルトデキストリン、コーンシロップ、コーンシロップ固体、高マルトースシロップ、砂糖固体、フルクトース、ラクトース、デキストロース、イヌリンなどのフラクトオリゴ糖、アセサルフェームカリウム、ネオテーム、サッカリン、アスパルテーム、高フルクトースコーンシロップ、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、およびこれらの混合物がある。
【0041】
トレハロースは、α,α−1,1連結で結合した2つのグルコース分子を含有するユニークな天然に存在する二糖である。この構造は、化学的に安定な非還元糖をもたらす。いずれの理論によっても束縛されないが、トレハロースは、フローズン飲料の望ましい凍結融解特性に寄与すると考えられる。トレハロースは、10%スクロース溶液と比較した場合、スクロースの45%の甘さである。さらに、味覚プロファイルは、うまくバランスが取れており、トレハロースの穏やかな甘味により、フローズン飲料中の他の風味を高めることが可能になり得る。
【0042】
スクラロースは、高甘味度の砂糖代用品であり、これは、名称Splenda(登録商標)の下で販売されている。これは、ノンカロリーであり、スクロース(白砂糖)より約600倍甘いが、食品用途に応じて、320〜1,000倍甘く変更することができる。この白色結晶性粉末は、砂糖のような味がするが、その甘味においてより強い。他の高甘味度の砂糖代用品としては、アスパルテーム、サッカリン、アセサルフェームカリウム、およびネオテームがある。
【0043】
イヌリンなどのフラクトオリゴ糖繊維は、オリゴ糖および多糖のフルクタン群に属する。これらは、P2−1結合によって連結されたフルクトース単位の直鎖から構成され、一般に、グルコース単位によって末端をなしている。フラクトオリゴ糖は、下腸内の有益なBifidobacteriaの増殖を促進することができ、食事性カルシウムの吸収増大に役立ち得る。いずれの理論によっても束縛されないが、イヌリンおよび/またはフラクトオリゴ糖繊維を添加すると、飲料安定性、遅い溶融を改善することができ、フローズン飲料の口当たり、風味保持力、およびクリーミーさを改善することができる。
【0044】
マルトデキストリンは、コーンスターチの脱重合を制御することによって生成されるグルコースポリマーの混合物である。これらは、100のデキストロース標準と比較した場合の還元力の尺度であるデキストロース等価によってほとんどの場合分類される。
【0045】
第1または第2の凍結ペレットのいくつかの実施形態では、トレハロース、またはトレハロースとスクラロースの組合せ、またはトレハロース、コーンシロップ、およびスクラロースの混合物が、甘味料として使用される。他の実施形態では、マルトデキストリン、またはマルトデキストリンと砂糖固体(例えば、スクロース)の組合せ、またはマルトデキストリン、砂糖固体、およびスクラロースの組合せが使用される。さらに他の実施形態では、スクラロース、砂糖、コーンシロップ、およびコーンシロップ固体の混合物が使用され、またはスクラロース、コーンシロップ固体、コーンシロップ、イヌリン、およびマルトデキストリンの混合物が使用される。甘味料は、例えば、Cargill Inc.(Wayzata、Minn.)およびMcNeil Specialty(Fort Washington、Pa.)によって市販されている。
【0046】
第1の凍結ペレットは、1種または複数の香味料も含む。香味料は、人工であっても、天然であってもよい。香味料の量は、香味料自体、甘味料含量、および消費者の好みに依存することになる。一般に、香味料は、第1の凍結ペレットの約0.1重量%〜約2重量%の量で存在することになる。適当な香味料としては、柑橘および非柑橘果実風味;香辛料;ハーブ;植物性薬品;チョコレート、ココア、もしくはチョコレートリカー;コーヒー;バニラ豆から得られる香味料;木の実抽出物;リキュールおよびリキュールエキス;フルーツブランデー蒸留液;芳香族化学物質、イミテーションフレーバー;ならびにこれらのいずれかの濃縮物、抽出物、またはエッセンスがある。例えば、純粋なバニラもしくはエチルバニリン、またはこの2つの組合せを使用してバニラミルクセーキを調製することができる。香味料は、一般に第1の凍結ペレットと同じ範囲内で、第2の凍結ペレット中に場合により含めてもよい。香味料は、例えば、Rhodia USA(Cranbury、N.J.)、IFF(South Brunswick、N.J.)、Wild Flavors,Inc.(Erlanger、Ky.)、Silesia Flavors,Inc.(Hoffman Estates、Ill.)、Chr.Hansen(Milkwaukee、Wis.)、およびFirmenisch(Princeton、N.J.)から市販されている。
【0047】
特定の口当たり、クリーミーさ、安定性、および粘稠度のフローズン飲料をもたらすことが必要とされ、または望まれる場合、追加の任意選択成分を、第1または第2の凍結ペレット中に取り入れてもよい。フローズン飲料中に含めるための任意選択成分の例は、当技術分野で一般に公知であり、これらとしては、緩衝液、脂肪、繊維源、クラウディファイヤー、タンパク質、着色剤、マスキング剤、保存剤、酸味料、発泡剤、抗発泡剤、および栄養添加剤がある。
【0048】
フローズン飲料のpHを調整するための緩衝液も、第1または第2の凍結ペレット中に含めることができる。一般に、飲料は、約2.0〜6.9のpHを有することができる。例えば、ミルクセーキのpHは、約6.5〜約7.2、または約6.6〜約6.9の範囲となり得る。他のフローズン飲料は、より低いpHを有し得る。緩衝液は、食品グレードであるべきである。一般的な緩衝液としては、オルトリン酸緩衝液、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどがある。他の緩衝液には、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウムが含まれる。緩衝液は、フローズン飲料の所望pHを実現する量で含められるべきであり、最終製品および選択される液体(例えば、ジュース対ミルク)に依存することになる。
【0049】
食品グレードの天然または人工着色剤を、凍結ペレット中に場合により含めてもよい。これらの着色剤は、一般に公知であり、当技術分野で利用可能なものから選択することができ、合成色(例えば、アゾ染料、トリフェニルメタン、キサンテン、キニーネ、およびインジゴイド)、カラメル色、二酸化チタン、赤色3号、赤色40号、青色1号、ならびに黄色5号を含む。天然着色作用剤、例えば、ビートジュース(ビートレッド)、カーミン、クルクミン、ルテイン、ニンジンジュース、ベリージュース、香辛料抽出物(ウコン、アナトーおよび/またはパプリカ)、ならびにカロテノイドなども使用することができる。選択される着色剤のタイプおよび量は、最終製品および消費者の好みに依存することになる。例えば、バニラフローズン飲料は、白色またはクリーム色からより黄色の範囲となり得る。着色剤の量は、使用される場合一般に、凍結ペレットの約0.005重量%〜約0.01重量%の範囲となる。着色剤は、例えば、Wild Flavors,Inc.(Erlanger、Ky.)、McCormick Flavors(Hunt Valley、Md.)、CHR Hansen(Milwaukee、Wis.)、RFI Ingredients(Blauvelt、N.Y.)、およびWarner−Jenkinson(St.Louis、Mo.)から入手可能である。
【0050】
脂肪も、第1または第2の凍結ペレット中に場合により含めてもよい。本明細書において、「脂肪」には、液体油状物および固体または半固体脂肪の両方が含まれる。脂肪は、舌でのクリーミーな感覚に寄与し、フローズン飲料に耐溶融性を付与することができる。適当な脂肪としては、限定することなく、部分的もしくは完全に硬化した植物油、例えば、綿実油、ダイズ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、パーム油、キャノーラ油、パーム核油、ラッカセイ油、MCT油、米油、サフラワー油、ヤシ油、菜種油、ならびに中および高オレイン酸対応物;またはこれらの任意の組合せなどがある。バター脂肪などの動物性脂肪も使用することができる。含められる脂肪の量は、最終製品に依存することになるが、一般に、凍結ペレットの約0重量%〜約20重量%、または約0%〜約10%の範囲である。脂肪および油は、例えば、Cargill,Inc.(Wayzata、Minn.)、Fuji Vegetable Oil(White Plains、N.Y.)、ADM(Decatur、Ill.)、およびLoders−Croklaan(Channahon、Ill.)から市販されている。
【0051】
繊維源も、第1または第2の凍結ペレット中に場合により含めることができる。全食物繊維含量を増やし、口当たり、舌触り、およびボディを加え、ペレット系を安定化させ、風味を高め、脂肪を置きかえる(例えば、脂肪模倣体として)のに、可溶性および不溶性繊維源の両方を使用することができる。繊維源の例としては、アラビノガラクタン、ペクチン、βグルカン、イヌリン、フラクトオリゴ糖、マルトデキストリン、難消化性デンプン、サイリウム、CMC、微結晶性セルロース、アルギネート、アラビアガム、部分的に加水分解されたグアーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、キサンタンガム、およびカラスムギ繊維がある。繊維源の量は、最終製品中の所望の特性に応じて変化することになるが、一般に、凍結ペレットの約0.1重量%〜約10重量%、またはこれらの間の任意の値(約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5重量%)の範囲となり得る。ある特定の場合では、繊維源は、凍結ペレットの約1重量%〜約4重量%の範囲となり得る。
【0052】
タンパク質またはペプチドを、例えば、栄養食品目的のために、かつ/またはフローズン飲料の粘稠度、ホイッピング特性、滑らかさ、口当たり、および安定性にこれらが寄与するために、凍結ペレット中に含めることができる。一般的なタンパク質としては、カゼイン、ダイズタンパク質(例えば、ダイズタンパク質分離物または加水分解産物)、アルブミン、無脂乳固形物、乳タンパク質、乳清タンパク質、イネタンパク質、コムギタンパク質、カラスムギタンパク質、およびこれらの混合物がある。タンパク質加水分解産物も使用することができる。例えば、米国特許第5,024,849号および同第6,287,616号を参照。タンパク質を、そのままで供給することができ、または例えば、先に記載のミルク液またはクリーム液のコンポーネントとすることができる。タンパク質は、例えば、New Zealand Milk Products(Lemoyne、Pa.)、Land O’Lakes(St.Paul、Minn.)、Cargill,Inc.(Wayzata、Minn.)、およびDuPont Protein Technologies(St.Paul、Minn.)から入手可能である。
【0053】
保存剤を、経時的に反応および変化する傾向のあるいくつかの成分として含めることができる。例としては、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、および安息香酸ナトリウムがある。人工甘味料または異臭、例えば、いくつかの栄養成分中に見出される草、マメ、またはチョークの風味などをマスクするのに、マスキング剤を含めることができる。酸味料は、切れ味および酸味をもたらすことができ、やはり保存に寄与し得る。クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アスコルビン酸、乳酸、リン酸、および酒石酸を、酸味料として使用することができる。酸味料は、Cargill,Inc.(Wayzata、Minn.)、およびADM(Decatur、Ill.)から入手可能である。
【0054】
凍結ペレットは、例えば、体重増加または減少、心血管の健康、小児の健康、老人の健康、女性の健康などを促進するために、1種または複数の栄養添加剤および/または健康添加剤も含有することができる。栄養添加剤および/または健康添加剤の適当な例としては、タンパク質(例えば、上述したような);脂肪;炭水化物;トリグリセリド;繊維(例えば、ダイズ繊維);アミノ酸(例えば、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、チロシン);L−カルニチン、タウリン、m−イノシトール;核酸;脂肪酸(ω−3脂肪酸、例えば、EPAおよびDHAなど;ポリ不飽和、単不飽和、および飽和脂肪酸、例えば、リノレン酸、α−リノレン酸(alpha-linolenic)、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびアラキジン酸など);植物フィトステロールおよび植物フィトスタノール;イソフラボン(例えば、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ダイジン、ゲニスチン、グリシチン、6’’−O−アセチルダイジン、6’’−O−アセチルゲニスチン、6’’−O−アセチルグリシチン、6’’−O−マロニルダイジン、6’’−O−マロニルゲニスチン、および6’’−O−マロニルグリシチン);緑茶抽出物;ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E、K、C、葉酸、チアミン、リボフラビン、ビタミンB6およびB12、ナイアシン、コリン、ビオチン、パントテン酸);β−カロテン;フィロキノン;ナイアシンアミド;ミネラル(ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、リン、マグネシウム、ヨウ素、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロム、モリブデン);グルコサミン硫酸塩;コンドロイチン硫酸;ヒアルロン酸;s−アデノシルメチオニン;オオアザミ;タンポポ、ゴボウ、ニンジン、ショウガ、イチョウ(ginko bilboa)、カフェイン、ガラナ、イヌリン、ゼアキサンチン、ロスマリン酸、リコペン、ルテイン、ブドウ抽出物、亜麻の種子、ならびに塩があり、先に記載の化合物の塩、および先に記載の化合物の誘導体を含む。ビタミンおよびミネラルは、例えば、Roche Vitamins,Inc.(Parsippany、N.J.)から入手可能であり、植物性栄養素および炭水化物は、Cargill,Inc.(Wayzata、Minn.)から入手可能である。
【0055】
凍結ヨーグルトペレットおよび凍結ヨーグルトペレットの調製
本明細書に記載の方法および物品(キットなど)も、凍結ヨーグルトペレットを使用することができる。凍結ヨーグルトペレットは、物理的特性(例えば、ペレットのサイズ、形状、および溶融プロファイル)ならびに組成特性(例えば、成分、添加剤、および含有物)を含めた、(非ヨーグルト)凍結ペレットに関して本明細書で論じたのと同じ一般的な特性を有することができる。特に、凍結ヨーグルトペレットは、凍結ヨーグルトペレットを使用して作製されるフローズン飲料の口当たり、ボディ、粘度、および/または安定性を改善するための安定剤を含むことができる。さらに、凍結ヨーグルトペレットは、(非ヨーグルト)凍結ペレットに関して上記で論じたのと同じ一般的な様式に従って、かつ同じ装置を使用して調製することができる。
【0056】
本明細書に記載の凍結ヨーグルトペレットは、生きた活性なヨーグルト菌培養物(すなわち、乳酸産生菌)、例えば、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus salivarius subsp.thermophilus、Lactobacillus acidophilus、bifidobacteria、Bifidobacterium animalis subsp.lactis、およびLactobacillus caseiなどを含むことができる。生きた活性培養物の代替としてまたはこれに追加的に、凍結ヨーグルトペレットは、細菌培養プロセスから生じる発酵乳生成物(例えば、発酵乳タンパク質)を含むことができる。
【0057】
特に、ヨーグルト培養物および/または発酵乳生成物を含めると、高脂肪含量を必要とすることなく、望ましい口当たりを有するフローズン飲料の調製が可能になる。凍結ヨーグルトペレットのある特定の実施形態では、より少ない量の凍結ヨーグルトペレットにより、より多い量の(非ヨーグルト)凍結ペレットと実質的に等価な口当たりを付与することができる。
【0058】
フローズン飲料を調製する方法
フローズン飲料を調製するために、第1の凍結ペレット、または第1および第2の凍結ペレットを適切な量で提供し、実質的に均質なフローズン飲料をもたらすのに十分な時間、液体と混合する。「実質的に均質な」とは、フローズン飲料が、著しく溶解していない第1および/または第2の凍結ペレットを呈さず、飲用に適した飲料製品が得られることを意味する。例えば、好ましくは、フローズン飲料は、40%未満、または20%未満、または10%未満、または5%未満の混合後に残っている任意の個々のペレットの体積を有する。第1および第2の凍結ペレットがフローズン飲料を調製するのに使用される場合、第1の凍結ペレットは、通常、第2の凍結ペレットの約60重量%〜約70重量%の量で提供される。混合は、手作業手段によって、例えば、振盪、攪拌、またはブレンドなどによって(例えば、シェーカー内で、手で振盪することによって、または泡立て器もしくはスプーンなどの器具を用いて攪拌もしくはブレンドすることによって)実現され得る。一般に、フローズン飲料は、第1の凍結ペレット、または第1および第2の凍結ペレットを、適切な容器内で液体と手作業で振盪することによって調製することができる。一般に、混合は、約10秒〜約2分、またはこれらの間の任意の値、例えば、約10秒〜約20秒、または約25秒〜1分の時間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、混合は、約30秒で完了する。または、手持ち式のイマージョンブレンダー、垂直ブレンダー(upright blender)、および機械シェーカーも、混合に適した方法である。
【0059】
凍結ペレットを液体と混合する間に、ペレットは、そのペレット形状およびサイズを失い、実質的に均質な流体のフローズン飲料が得られる。先に記載したように、流体飲料は、低度または中等度のせん断応力の下で流れることができるが、せん断応力のまったくない条件下で流れる必要はない。したがって、本発明のフローズン飲料は、動かない状態で相対的に濃厚な非流動特性を呈する場合があるが、低せん断応力の一例であるストローによって飲むことができる。
【0060】
混合液体の一般的な例としては、限定することなく、水、茶(例えば、緑茶、チャイティー)、コーヒー、ココア、全乳、脱脂乳、1%ミルク、2%ミルク、チョコレートミルク、無脂肪乳、ヘビークリーム、ライトクリーム、レギュラークリーム、ハーフアンドハーフ、豆乳、ライスミルク、オート麦ミルク、アルコール飲料、炭酸飲料および無炭酸飲料、バターミルク、ジュース(例えば、柑橘果実ジュースおよび非柑橘果実ジュースまたは野菜ジュース)、ヨーグルトジュース、ならびにこれらの混合物がある。いくつかの実施形態では、オレンジ、グレープフルーツ、ラズベリー、クランベリー、ブラックベリー、リンゴ、ナシ(pear)、レモン、マンゴー、ライム、モモ、セイヨウスモモ、イチゴ、サクランボ、もしくはブルーベリーの果実からの果汁もしくはジュース濃縮物、またはトマト、ニンジン、緑ピーマン、草、もしくはハーブからの野菜ジュースもしくはジュース濃縮物を、混合液体として、またはミルクなどの別の混合液体と組み合わせて使用することができる。選ばれる液体に応じて、様々な飲料が生じることになる。例えば、コーヒーを使用すると、フローズンカプチーノタイプ製品をもたらすことができ、一方、果汁または果汁濃縮物は、果物のスムージータイプ製品を生成することができる。ルートビールなどの炭酸飲料は、フロートタイプの製品を生成することができる。
【0061】
液体は、例えば、混合用に適切な量で、凍結ペレットを含有する製造品中に備えることができ、または消費者によって準備されてもよい。例えば、製造品は、適切な液体が中に入った容器、例えば、ジュースボックスもしくはバッグ、またはミルクカートンを含むことができる。一般に、液体は、約室温〜約40°Fの温度で提供される。
【0062】
第1の凍結ペレットが使用される場合、第1の凍結ペレットは、液体の約50重量%〜約125重量%、またはこれらの間の任意の値(例えば、約60%、70%、80%、90%、100%、110%、または120%)の量で提供される。ある特定の実施形態では、第1の凍結ペレットは、液体の約60重量%〜約70重量%で提供することができる。例えば、第1の凍結ペレット80gを、液体120gと混合することができる。他の実施形態では、第1の凍結ペレットおよび液体は、等量で提供される。例えば、第1の凍結ペレット100gを、液体100gと混合することができる。第1および第2の凍結ペレットを使用する実施形態では、液体は一般に、第1および第2の凍結ペレットの合計重量の約50重量%〜約150重量%の量で提供される。ある特定の実施形態では、液体は、第1および第2の凍結ペレットの合計重量の約70重量%〜約90重量%の量で提供される。例えば、第1の凍結ペレット50g、第2の凍結ペレット75g、および液体100gを混合して、フローズン飲料をもたらすことができる。当業者が認識するように、消費者は、要望通り、より薄いまたはより濃厚な粘稠度の飲料をもたらすように、液体の量を調整してもよい。
【0063】
混合用容器は、プラスチック、金属、またはガラスなどの成分で作製することができる。一般に、容器は、ペレットと液体との効率的な混合を促進するのに適切なサイズおよび形状である。例えば、容器は、効率的な混合のために、ペレットおよび液体の上に適切なヘッドスペースを有するべきである。したがって、容器は、第1および第2の凍結ペレットならびに液体の合計体積の約20%〜約150%のヘッドスペースを組み込んでいる場合がある。さらに、容器は、混合を促進するために、適切に起伏をつけ、かつ/または内部突起を含有してもよい。
【0064】
容器は、カバーを含むことができ、カバーは、例えば、ストローまたはスプーン用開口部を含むことができる。一実施形態では、シェーカー(例えば、マティーニシェーカーと同様のシェーカー)が、容器として使用される。容器は、ペレットおよび/または液体用に、一人分および/または複数人分のサイズの充填ポイントを示す1つまたは複数の線を有してもよい。容器は、振盪中に最小の漏出が起こるようにポジティブクロージャー(positive closure)を有することができる。容器は、凍結融解弾力性および耐久性を有し得る。いくつかの場合では、容器は、ペレットの断熱を増大させることができる。例えば、発泡ラベルは、流通網における凍結融解サイクルからの保護を増大させることができる。容器は、適切な量(例えば、一人分または複数人分)の凍結ペレットを中に含有することができる。このとき、消費者は、所望の液体を添加し、ペレットを液体と混合して、フローズン飲料をもたらすことができる。
【0065】
本方法は、香味料粒子、例えば、果実(例えば、バナナ、イチゴ、ブルーベリー、モモ、ナシ、セイヨウスモモ、サクランボ、ブラックベリー、リンゴ、オレンジ)および/または糖菓(キャンデー、クッキー、ケーキ、スプリンクル、チョコレートフレークなど)などを提供するステップも含むことができる。香味料粒子は、サイズに幅があり得、いくつかの場合では、果実全体(例えば、ブルーベリー)またはキャンデー全体(例えば、M&M’s(登録商標))とすることができる。香味料粒子は、凍結ペレットを液体と混合する前に提供することができる。例えば、刻んだイチゴなどの果実粒子を容器内の凍結ペレットに添加してもよい。液体を添加し、適切に混合した後、果実粒子が全体に分布したフローズン飲料が得られる。代わりに、香味料粒子は、凍結ペレットを液体と混合した後に提供してもよい。例えば、クッキー小片を、得られるフローズン飲料の上に振り掛けてもよい。香味料粒子は、凍結ペレットを含有する製造品中に含めてもよく、または消費者が準備することができる。
【0066】
同様に、本方法は、栄養添加剤および/または健康添加剤を提供するステップも含むことができる。適当な栄養添加剤および健康添加剤は、上記に記載されている。栄養添加剤および/または健康添加剤は、混合する前に提供することができる。例えば、ダイズタンパク質分離物を、容器内の凍結ペレットに添加することができ、液体を添加し、混合した後、ダイズタンパク質分離物を含有するフローズン飲料が得られる。代わりに、栄養添加剤および/または健康添加剤は、フローズン飲料の上に振り掛けることによって、またはスプーンでフローズン飲料中に混合することなどによって、ペレットを液体と混合した後に添加してもよい。
【0067】
ある特定の実施形態では、香味料粒子または栄養添加剤/健康添加剤は、第3の凍結ペレットとして提供される場合がある。例えば、果実またはキャンデーを凍結させ、成形して第3の凍結ペレットにすることができる。第3の凍結ペレットは、ミルク液、ガム、および甘味料を場合により含み得る。ミルク液、ガム、または甘味料が含められる場合、第3の凍結ペレットは一般に、第2の凍結ペレットと同様の比率の成分を含むことになる。
【0068】
凍結ヨーグルトペレットを使用してヨーグルトスムージーを調製する方法
ヨーグルトスムージーフローズン飲料を調製するために、(非ヨーグルト)凍結ペレットに関して上述したように、適切な量の凍結ヨーグルトペレットを、実質的に均質のヨーグルトスムージーをもたらすのに十分な時間にわたって液体と混合する。例えば、同様の混合液体および/または混合容器を、凍結ヨーグルトペレットまたは(非ヨーグルト)凍結ペレットとともに使用するのに選択することができる。
【0069】
一般に、(非ヨーグルト)凍結ペレットと比較した場合、より少ない重量/質量の凍結ヨーグルトペレットが、所与の体積の液体とともに使用される。凍結ヨーグルトペレット中に見られる発酵乳生成物は、等価な量の(非ヨーグルト)凍結ペレットから生じるフローズン飲料の口当たりより、実質的に優れたフローズン飲料の口当たりをもたらし得る。さらに、消費者は一般に、ヨーグルトスムージー中のカロリー含量がより少ないことを好み、それは、ミルクおよびアイスクリームシェークの健康に良い代替案として目を向けることができる。したがって、凍結ヨーグルトペレットは、ミリリットルで測定した、完成ヨーグルトスムージーの体積の約0.090倍〜約0.275倍の、グラムで測定した重量/質量で提供される。例えば、凍結ヨーグルトペレットのグラムでの質量は、完成ヨーグルトスムージーのミリリットルでの体積の0.100倍、0.150倍、0.200倍、または0.250倍であり得る。好適なグラムでの質量範囲は、完成ヨーグルトスムージーのミリリットルでの体積の0.100〜0.270倍、0.150〜0.200倍、またはおよそ0.180倍であり得る。
【0070】
質量による凍結ヨーグルトペレットの提供の代替案として、またはそれと組み合わせて、凍結ヨーグルトペレットの量は、予め選択された栄養素含有量を有するヨーグルトスムージーをもたらすように選択することができる。例えば、凍結ヨーグルトペレットは、凍結ヨーグルトペレットのグラムでの量のうちの合計脂肪含量が、ミリリットルで測定した、完成ヨーグルトスムージーの体積の約0.003倍〜約0.010倍であるように、十分な量で提供することができる。例えば、凍結ヨーグルトペレット中の脂肪のグラムでの質量は、ミリリットルでの完成ヨーグルトスムージーのミリリットルでの体積の0.005倍、0.07倍、または0.009倍であり得る。好適なグラムでの質量の脂肪の範囲は、ミリリットルで測定した、完成ヨーグルトスムージーのミリリットルでの体積の0.004〜0.008倍、0.005〜0.007倍、または約0.006倍であり得る。
【0071】
代わりに、凍結ヨーグルトペレットは、凍結ヨーグルトペレットのグラムでの量のうちの合計炭水化物含量が、ミリリットルで測定した、完成ヨーグルトスムージーの体積の約0.020倍〜約0.065倍であるように、十分な量で提供される。例えば、凍結ヨーグルトペレット中の炭水化物のグラムでの質量は、混合液体のミリリットルでの体積の0.025倍、0.030倍、0.040倍、0.050倍、または0.060倍であり得る。好適なグラムでの質量の炭水化物の範囲は、ミリリットルで測定した、完成ヨーグルトスムージーのミリリットルでの体積の0.025倍〜0.060倍、0.030倍〜0.055倍、0.035倍〜0.050倍、または約0.040倍であり得る。
【0072】
フローズン飲料を調製するための製造品
本開示は、フローズン飲料を調製するための製造品を提供する。製造品は一般に、フローズン飲料を調製するのに適したペレットを含む。第1および第2の凍結ペレットが使用される場合、第1の凍結ペレットは、第2の凍結ペレットの約60重量%〜約70重量%の量で提供することができる。ペレットは、容器内部に「そのまま」含めることができる。例えば、第1および第2のペレットが使用される場合、容器は、両ペレットの混合物を含有することができる。代わりに、ペレットは、包装されていてもよい。例えば、ペレットは、フォイルバッグもしくはビニール袋、ポーチ、またはカップ内にあってもよい。包装は、真空封止されていても、されていなくてもよい。ペレットのパッケージは、容器の内側、容器に横付けされた物品内に存在していても、容器と別個に提供されてもよい。製造品は、一人分または複数人分のフローズン飲料を調製するための量の凍結ペレットを含むことができる。一人分のフローズン飲料は一般に、約200mL〜約400mLの範囲となる。複数人分は、一人分のいくつかの倍数(例えば、2×、3×、4×)とすることができる。
【0073】
製造品は、フローズン飲料を調製するための上述した容器を含むことができる。さらに、製造品は、フローズン飲料を調製するための指示書を含有することができる。一般に、指示書は、作製者が、フローズン飲料をもたらすのに十分な時間にわたって、凍結ペレットを適切な量の液体と混合することができることを示すものである。最後に、製造品は、追加のアイテム、例えば、スプーンもしくはストローなどの器具、混合用液体、先に記載した任意選択の成分、香味料粒子、または第3の凍結ペレットを含むことができる。
【0074】
ヨーグルトスムージーを調製するための製造品(キット)
本開示は、ヨーグルトスムージーを調製するための、キットとも呼ばれる製造品を提供する。このようなキットは一般に、貯蔵、混合、および配膳用の容器として機能を果たすように構成された容器内に提供された所定量の凍結ヨーグルトペレットを含む。
【0075】
ヨーグルトスムージーキットの一実施形態では、容器は、規定内部ボリュームを伴った、開放上端部および閉鎖底端部を有する実質的に円柱状の容器である。容器は、境界印を含む場合があり、この境界印は、内部ボリュームを分けて境界印の上の上側ボリュームおよび境界印の下の下側ボリュームにする。したがって、境界印は、添加されるべき混合液体の体積の視覚的インジケータをもたらす。すなわち、キットの消耗コンポーネント(例えば、凍結ヨーグルトペレット)と組み合わせる際に、下側ボリュームを満たすのに十分な液体の体積。キットの消耗コンポーネントは、もちろん、混合液体と混合すると、完成ヨーグルトスムージーのある割合の体積を占めることになる。占有される体積は、消耗コンポーネントの量および組成に依存することになる。いくつかの実施形態では、内部ボリュームを満たす(すなわち、境界印に到達する)のに必要とされる混合液体の体積は、内部ボリュームの体積のおよそ0.310〜0.930倍である。例えば、特定量の消耗コンポーネント、およびおよそ300mLの内部ボリュームを有する容器は、内部ボリュームを満たすのに混合流体およそ190mLを必要とする場合がある。いくつかの実施形態では、一人分の容器について、下側ボリュームは、100mL〜400mLの範囲となり得る。
【0076】
境界印は、容器の内側または外側(透明もしくは半透明な容器の場合)に付けられる視覚的な印(例えば、線)とすることができる。代わりに、境界印は、容器に取り付けられるラベルまたはスリーブ上に印刷してもよい。一実施形態では、境界印は、容器の周囲を包む、他は不透明なスリーブ内の透明な窓である。境界印のこのような実施形態では、境界印窓の底部の下のボリュームは、容器の下側ボリュームであると理解される。
【0077】
上側ボリュームは、液体を添加した後に、効率的に混合するための適切な量のヘッドスペースをもたらす。いくつかの実施形態では、上側ボリュームは、混合するのに十分なヘッドスペースを提供するために、下側ボリュームの体積の0.15倍〜0.6倍の体積を有する場合がある。
【0078】
容器に加えて、キットは、複数の凍結ヨーグルトペレットをさらに含み、この複数のペレットの合計質量は、下側ボリューム(すなわち、およそ完成ヨーグルトスムージーの体積)のサイズに基づく。例えば、凍結ヨーグルトペレットのグラムでの質量は、下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090〜0.275倍にほぼ等しい。したがって、300mL(およそ10.5液量オンス)の下側ボリュームを有する容器を含むキットは、凍結ヨーグルトペレットの組成、およびキットを使用して作製されるヨーグルトスムージーの所望の最終組成に応じて、およそ30グラム〜90グラムの凍結ヨーグルトペレットを含み得る。完成ヨーグルトスムージーの予想される体積に従って凍結ヨーグルトペレットの量を配分することによって、完成ヨーグルトスムージーの最終的な組成および量が所望の範囲内に維持される。
【0079】
ヨーグルトスムージーキットの好適な実施形態では、キットは、凍結ヨーグルトペレットに加えて複数の凍結果実片をさらに含む。凍結ヨーグルトペレットのみを使用して調製されるヨーグルトスムージーについては、ペレットは、少なくとも2つの目的を果たさなければならない。すなわち、1)これらは、混合流体中にまだ存在しないシェークコンポーネントに寄与しなければならず、2)これらは、混合流体からの熱を吸収するヒートシンクとして作用し、それによって得られるスムージーの所望の全体の温度をもたらさなければならない。重要なことに、凍結ヨーグルトペレットは、依然して実質的に溶解中である間にそのようにしなければならない。したがって、風味、栄養素含有量、口当たり、および最終飲料温度の間で所望のバランスを実現することが困難である場合がある。例えば、高脂肪含量の凍結ヨーグルトペレットを使用すると、口当たりおよび風味に寄与することができるが、望まれない栄養的側面をもたらす場合がある。
【0080】
凍結果実片を添加すると、熱吸収機能の少なくとも一部を、凍結ヨーグルトペレットから開放することが可能になる。特に、果実片はまた、一般に脂肪が少なく、食物繊維および所望の栄養分を含有し得るので、一般に、消費者によって栄養的に好まれる。凍結果実片を含むキットの実施形態では、凍結ヨーグルト片の量および組成は、所望の栄養プロファイル(例えば、低脂肪)および所望のペレット溶解プロファイルを実現することにより重点を置いて選択することができる。凍結果実片は、任意の市販の果実、例えば、イチゴ、バナナ、ブルーベリー、モモ、リンゴ、パイナップル、マンゴー、オレンジ、または入手可能な果実の組合せなどから調製することができる。
【0081】
凍結果実片および凍結ヨーグルトペレットを有するヨーグルトスムージーキットの好適な実施形態では、凍結果実片の合計したグラムでの質量は、下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.090〜0.275倍にほぼ等しい。例えば、凍結果実片のグラムでの質量は、下側ボリュームのミリリットルでの体積(すなわち、およそ完成ヨーグルトスムージーの体積)の0.100倍、0.150倍、0.200倍、または0.250倍であり得る。好適なグラムでの質量範囲は、下側ボリュームのミリリットルでの体積の0.100〜0.270倍、0.150〜0.200倍、またはおよそ0.180倍であり得る。したがって、300mL(約10.5液量オンス)の下側ボリュームを有する容器を含むキットは、キットを使用して作製されるヨーグルトスムージーの所望の最終組成に応じて、およそ30グラム〜90グラムの凍結果実片を含み得る。好適な一実施形態では、凍結ヨーグルトペレットのグラムでの質量は、凍結果実片のグラムでの質量にほぼ等しい。しかし、凍結ヨーグルトペレットと凍結果実片の比は、凍結ヨーグルトペレットの組成、およびキットを使用して作製されるヨーグルトスムージーの所望の最終組成に応じて調整することができる。
【0082】
本明細書で記載するように、ヨーグルトスムージーキットの設計および構成は、一般に、直接的な消費を主には意図されていない凍結ヨーグルトペレットの特性ではなく、得られる完成ヨーグルトスムージーの特性により重点が置かれている。特に、これは、直接的な消費を意図された凍結ペレットと著しく異なっている。凍結果実片を含有するヨーグルトスムージーキットの一実施形態では、凍結ヨーグルトペレットの組成または量は、所望の最終的な完成シェークの栄養プロファイルをもたらすように調整することができる。例えば、凍結ヨーグルトペレットおよび凍結果実片は、容器の下側ボリュームのミリリットルでの体積の約0.027〜0.082倍に等しい、合計した炭水化物のグラムでの質量をもたらすように選択することができる。代わりに、凍結ヨーグルトペレットおよび凍結果実片は、容器の下側ボリュームのミリリットルでの体積の約0.007〜0.025倍に等しい、合計した食物繊維のグラムでの質量をもたらすように選択することができる。
【0083】
ヨーグルトスムージーキットの別の実施形態では、キットは、少なくとも1つのタイプのペレットが凍結ヨーグルトペレットである、異なる2つのタイプの凍結ペレットを含む場合がある。例えば、キットは、本明細書で記載した(非ヨーグルトの)第1の凍結ペレットまたは(非ヨーグルトの)第2の凍結ペレットを含むことができる。代わりに、キットは、異なる組成ならびに/またはサイズおよび形状を有する2つのタイプの凍結ヨーグルトペレットを含んでもよい。
【0084】
ヨーグルトスムージーキットの設計および構成は、得られる完成ヨーグルトスムージーの特性により重点を置くことができるので、消耗キットコンポーネント、例えば、凍結ヨーグルトペレットおよび凍結果実片などの特性および比率は、特定のタイプの混合液体に適応させることができる。例えば、キットの組成は、混合液体として水、果汁、または全乳を用いた使用目的用のキットとして調製することができる。したがって、実質的に同様の完成ヨーグルトスムージーが意図されている場合でさえ、消耗キットコンポーネントの組成は、混合液体の予期される寄与に基づいて実質的に異なり得る。オレンジジュース(これは一般に、およそ0.085g/mlの砂糖濃度を有する)を用いた用途が意図されているキットの一実施形態では、消耗キットコンポーネントの可溶性砂糖含量は、オレンジジュースからの予期される可溶性砂糖の寄与を考慮して、約8°Bx〜約18°Bxの範囲のブリックス値を有する完成ヨーグルトスムージーをもたらすように選択される。同様のブリックス範囲が、水との混合が意図されたキットを使用する完成ヨーグルトスムージーに望まれる場合、消耗キットコンポーネント(例えば、凍結ヨーグルトペレットおよび凍結果実ペレット)からの可溶性砂糖の寄与は、オレンジジュースを用いた用途用のキットと比較して、より高いはずである。この増大は、例えば、凍結ヨーグルトペレット中の可溶性砂糖濃度を上げることによって、または凍結ヨーグルトペレットの全体的な量を増やすことによって影響され得る。好適な実施形態では、完成シェークのブリックス範囲には、10〜14°Bx、11〜13°Bx、および約12°Bxのブリックス範囲が含まれる。
【0085】
消耗キットコンポーネントの特性および比率を決定し得る他の望まれる完成ヨーグルトの特性としては、完成シェークのカロリー含量、脂肪含量、粘度、温度、体積、および生きた活性な細菌培養物含量がある。
【0086】
図1は、例示的なヨーグルトスムージーキット100を表す。キット100は、容器102を含み、この容器は、透明な窓104の形態で境界印を有する。透明な窓104は、容器102のボリュームを分けて、窓104の底部の下の下側ボリューム106、および窓104の底部の上の上側ボリューム108にしている。キット100は、取り外し可能な蓋110をさらに含む。図2もキット100を表し、切り取り図は、消耗品内容物202、すなわち、凍結ヨーグルトペレットおよび凍結果実片の混在を示す。内容物202は、下側ボリューム106の一部を占めるが、流体を添加する前にゆるく充填されている。完成ヨーグルトスムージーを作製するために、混合液体(例えば、オレンジジュース)が、窓104を通して見ることができるまで添加される。その時点で、混合液体の体積は、内容物202によって置き換えられた体積を引いた、下側ボリューム106の体積にほぼ等しい。
【0087】
凍結ペレットを調製するための組成物、方法、および製造品
本開示は、本開示の凍結ペレットを調製するための製造品、方法、および組成物も提供する。一般に、凍結する前は、凍結ペレットは、ウェット成分中の乾燥成分の液体分散系である。したがって、本発明の組成物は、凍結ペレットを調製するのに有用な乾燥成分の混合物、凍結ペレットに有用なウェット成分の混合物、または乾燥成分とウェット成分の液体混合物(分散液)であり得る。例えば、本開示の組成物は、約25重量%〜約78重量%のミルク液、および約12%〜約55%のクリーム液を含む場合があり、ただし、ミルク液とクリーム液の合計量は、約62重量%〜90重量%の範囲である。この組成物は、約10重量%〜約25重量%の甘味料、および/または約0.15重量%〜約2重量%の安定剤ミックスをさらに含む場合がある。
【0088】
本開示の別の組成物は、約60重量%〜約80重量%のミルク液を含むことができる。約10重量%〜約20重量%の甘味料、および約0.2重量%〜約0.6重量%の安定剤ミックスを含めてもよい。いずれかの組成物中の他の任意選択の成分としては、香味料、緩衝液、繊維源、乳化剤、脂肪、油、安定剤、タンパク質、着色剤、および栄養添加剤がある。
【0089】
当業者が認識することになるように、本発明において有用な他の組成物は、適切な流体(例えば、ミルク液)と混合すると、第1または第2の凍結ペレットを調製するための液体混合物を生じる成分の混合物であり得る。例えば、本発明の組成物は、甘味料と安定剤ミックスの混合物を含有し得る。このような組成物は、甘味料コンポーネントと本明細書で呼ばれる。香味料、および先に論じた他の任意選択の成分を甘味料コンポーネント中に場合により含めてもよい。ある特定の実施形態では、甘味料コンポーネントは、乾燥混合物とすることができ、一方、他の実施形態では、甘味料コンポーネントは、ペースト、ゲル、または液体であってもよい。
【0090】
甘味料コンポーネント中の成分の相対量は、第1または第2の凍結ペレットを調製する際に添加される他の成分(例えば、ミルク液などの流体コンポーネント)の量に応じて変更することができる。甘味料コンポーネントと混合するための流体コンポーネントは、ミルク液を含むことができ、クリーム液および/または香味料をさらに含む場合がある。
【0091】
凍結ペレットは、上述した方法を使用して、甘味料コンポーネントと流体コンポーネントの混合物から形成することができる。続いて凍結ペレットを、容器内に包装することができる。
【0092】
本開示の組成物のいずれも、製造品として提供することができる。例えば、甘味料コンポーネントを含む組成物は、販売および調製地点に容易に輸送するため、および容易に注ぎかつ/または混合するために、適切な容器(例えば、ドラム、ポーチ、タブ型容器、トート、バッグ、バケツ、カートン)内に包装することができる。製造品は、器具などの任意選択の物体、混合用容器、または他の任意選択の成分を含有することができる。
【0093】
製造品は、凍結ペレットを調製するための指示書を含むことができる。このような指示書は、凍結ペレットが、甘味料コンポーネントを流体コンポーネントと混合し、混合物から凍結ペレットを形成することによって調製され得ることを示すことができる。例えば、指示書は、甘味料コンポーネントまたはその一部を、適切な量の1種または複数の液体、例えば、クリームおよびミルクと混合し、加熱して乾燥成分を分散させ、冷却し、香味料および/または甘味料を、必要であれば、かつ適切な量で添加することができることを示すことができる。一般に、調製されるペレットのタイプに応じて、指示書は、先に論じた、重量による適切な範囲のミルク液および/もしくはクリーム液、甘味料、安定剤ミックス、ならびに/または香味料を有する液体混合物の調製を指示することができる。例えば、第1の凍結ペレットの調製に有用な製造品は、甘味料コンポーネントを、約25重量%〜約78重量%のミルク液、約10重量%〜約25重量%の甘味料、および約0.15重量%〜約2重量%の安定剤ミックスを有する混合物を得るための液体の全量と混合することができることを示す指示書を含むことができる。さらに、指示書は、液体混合物は、約62重量%〜約90重量%のミルク液とクリーム液の合計量を含んでもよいことを示すことができる。適切な指示書を含めることによって、第2の凍結ペレットの調製に適した液体混合物、例えば、約60重量%〜約85重量%のミルク液、約10重量%〜約20重量%の甘味料、および約0.2重量%〜約0.6重量%の安定剤ミックスを含有する液体をもたらすことができる。
【0094】
指示書は、先に記載した、本発明の凍結ペレットを形成するための1つまたは複数の方法に関する指示をさらに提供することができる。したがって、指示書は、液体混合物は、スラブとして凍結させ、切断して適切な形状にしても、適切な形状およびサイズの金型内で凍結してもよいことを示すことができる。他の方法としては、米国特許第5,126,156号、同第5,664,422号、および同第6,000,229号に記載されたもの、または先に記載したFrigoscandia(登録商標)フリーザーの使用がある。最後に、指示書は、凍結ペレットは、容器内に包装することができることを示してもよい。
【0095】
本開示を以下の実施例においてさらに説明する。これらは、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定しない。
【実施例】
【0096】
(実施例1)
第1および第2の凍結ペレットの調製
【表12】
【0097】
手順:乾燥成分を秤量し、続いてブレンドして分散させた。ミルクおよびクリームを一緒に秤量した。スクラロースおよび香味料を、ミルクおよびクリームに添加した。ミルクとクリームの混合物を泡立てながら、乾燥成分を添加し、この混合物を190°Fに加熱して成分を可溶化した。混合物を熱源から取り出し、氷浴中で40°Fに冷却した。内容物を、厚さ0.25インチの層で浅いパン内に注ぎ、ドライアイスで急速に凍結させた。混合物をフリーザー(0°F)内で一晩テンパリングさせた。パンをフリーザーから取り出し、凍結混合物を切断して一辺がおよそ0.25インチの立方体の形状のペレットにした。ペレットを0°Fで保持し、続いて包装した。
【0098】
他の実施形態では、香味料および/または甘味料(例えば、スクラロース)を、40°Fに冷却した後、添加した。さらに他の実施形態では、混合物を、凍結させる前に低温殺菌する(例えば、FDAの要求に従う方法で)。
【0099】
栄養分析:ESHA Research of Salem Oreg.が公開したGenesis Version 7.01(著作権2001年)を使用して、2000カロリーの食事に基づくパーセントデイリーバリューを含めて、第1の凍結ペレットの栄養素含有量を推定した。この推定に基づくと、第1の凍結ペレット125g分は、以下のものを有することになる:カロリー:190、脂肪からのカロリー:80、全脂肪:9g(14% DV)、飽和脂肪:6g(30% DV)、コレステロール:40mg(13% DV)、ナトリウム:60mg(3% DV)、全炭水化物:23g(8% DV)、食物繊維:0g、糖:22g、タンパク質4g、ビタミンA:6%、カルシウム:10%、鉄:0%、ビタミンC:2%。
【表13】
【0100】
手順:乾燥成分を秤量し、続いてブレンドして分散させた。ミルクおよびコーンシロップを一緒に秤量した。スクラロースおよび香味料を、ミルクおよびクリームに添加した。ミルクとコーンシロップの混合物を泡立てながら、乾燥成分を添加し、この混合物を140°Fに加熱して成分を可溶化し、5分間保持した。混合物を熱源から取り出し、氷浴中で40°Fに冷却した。内容物を、厚さ0.25インチの層で浅いパン内に注ぎ、ドライアイスで急速に凍結させた。混合物をフリーザー(0°F)内で一晩テンパリングさせた。パンをフリーザーから取り出し、凍結混合物を切断して一辺がおよそ0.25インチの立方体の形状のペレットにした。ペレットを0°Fで保持し、続いて包装した。
【0101】
他の実施形態では、香味料および/または甘味料(例えば、スクラロース)を、40°Fに冷却した後、添加した。さらに他の実施形態では、混合物を、凍結させる前に低温殺菌する(例えば、FDAの要求に従う方法で)。
【0102】
(実施例2)
第1の凍結ペレットの配合
以下の表は、本開示の第1の凍結ペレット用に調製した様々な配合物を示す。配合1〜8は、2セットの凍結ペレットを使用する方法および物品における第1の凍結ペレットの調製に有用であり、一方、配合9〜16は、1セットの凍結ペレットを使用する方法および物品において有用である。配合5〜13で使用した「安定剤」は、Gelstar GC200(FMC Corporation、Philadelphia、Pa.)と呼ばれる微結晶性セルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースの市販のブレンドであることに留意されたい。
【表14-1】

【表14-2】

【表14-3】

【表14-4】

【表14-5】

【表14-6】
【0103】
手順:乾燥成分を秤量し、続いてブレンドして分散させた。ミルクおよびコーンシロップを一緒に秤量した。スクラロースおよび香味料を、ミルクおよびクリームに添加した。ミルクとコーンシロップの混合物を泡立てながら、乾燥成分を添加し、この混合物を140°Fに加熱して成分を可溶化し、5分間保持した。続いて混合物を、500および2500PSIで均質化し、続いてパイロット規模の熱プロセスを使用して低温殺菌した。続いてこのミックスを10℃前後に冷却し、続いて4〜24時間の間にわたって熟成させた。パイロット規模の20リットルの液体デュワーを液体窒素で満たして浴を作り出し、ストレーナを通してペレットミックス液体を注ぐことによって液滴を作り出した。これにより、球状である小直径の凍結ペレットが作り出された。
【0104】
他の実施形態では、香味料および/または甘味料(例えば、スクラロース)を、40°Fに冷却した後、添加した。さらに他の実施形態では、混合物を、凍結させる前に低温殺菌する(例えば、FDAの要求に従う方法で)。
【表15】
【0105】
手順:乾燥成分を秤量し、続いてブレンドして分散させた。ミルクおよびコーンシロップを一緒に秤量した。スクラロースおよび香味料を、ミルクおよびクリームに添加した。ミルクとコーンシロップの混合物を泡立てながら、乾燥成分を添加し、この混合物を140°Fに加熱して成分を可溶化し、5分間保持した。続いて混合物を、500および2500PSIで均質化し、続いてパイロット規模の熱プロセスを使用して低温殺菌した。続いてこのミックスを10℃前後に冷却し、続いて4〜24時間の間にわたって熟成させた。パイロット規模の20リットルの液体デュワーを液体窒素で満たして浴を作り出し、ストレーナを通してペレットミックス液体を注ぐことによって液滴を作り出した。これにより、球状である小直径の凍結ペレットが作り出された。
【0106】
(実施例3)
第2の凍結ペレットの配合
以下の表は、本開示の第2の凍結ペレット用に調製した様々な配合物を示す。
【表16-1】

【表16-2】
【0107】
(実施例4)
フローズン飲料の調製
いくつかのフローズン飲料を、本発明の方法および組成物によって調製した。第1の凍結ペレットを使用する方法については、上記に示した配合物9〜14を用いて調製した第1の凍結ペレットを使用した。シェーカーカップ内の第1の凍結ペレット100gを、液体100gとともに30秒間、手作業で活発に振盪した。一般に、混合用液体は、全乳であった。望ましい粘稠度、風味、および口当たりのフローズン飲料を得た。
【0108】
第1および第2の凍結ペレットを使用する方法については、配合物1〜8に対応する第1の凍結ペレット、および配合物1〜5に対応する第2の凍結ペレットを調製した。フローズン飲料を調製するために、第1の凍結ペレットおよび第2の凍結ペレットを、それぞれ40:60の比で、または第1の凍結ペレット50グラムおよび第2の凍結ペレット75グラムをシェーカーカップ内に入れた。最終製品の望まれる粘稠度に応じて、全乳100〜150グラムを、容器内の全凍結ペレット125gに添加した。混合物を約30秒間、活発に振盪し、望ましい粘稠度、風味、および口当たりのフローズン飲料を得た。
【0109】
栄養分析:ESHA Research of Salem Oreg.が公開したGenesis Version 7.01(著作権2001年)を使用することによって、第1の凍結ペレット配合物1を有する第1の凍結ペレット、および第2の凍結ペレット配合物1を有する第2の凍結ペレットを使用して、混合用液体として全乳を用いて上記の通り調製したフローズン飲料の栄養素含有量を推定した。栄養データは、2000カロリーの食事に基づくパーセントデイリーバリューを含む。この推定に基づくと、フローズン飲料250g分は、以下ものを有することになる:カロリー:270、脂肪からのカロリー:120、全脂肪:13g(21% DV)、飽和脂肪:9g(43% DV)、コレステロール:55mg(19% DV)、ナトリウム:120mg(5% DV)、全炭水化物:29g(10% DV)、食物繊維:0g;糖:27g、タンパク質8g、ビタミンA:10%、カルシウム:25%、鉄:0%、ビタミンC:4%。
【0110】
(実施例5)
フローズン飲料の粘度試験
本発明のフローズン飲料を粘度測定によって特徴付けた。設定時間にわたるフローズン飲料の流れ距離を、コンシストメーターデバイス(Bostwick Consistometer、CSC Scientific Co.、Fairfax、Va.)で測定した。結果を、「ゴールドスタンダード」フローズン飲料(例えば、ブレンダーでアイスクリームおよびミルクを用いて家庭で作製される伝統的なミルクセーキ、またはファストフード店から購入されるミルクセーキ)と比較した。一般的な自家製ミルクセーキは、全乳に対して等分のアイスクリーム(例えば、Haagen−Dazs(登録商標))を用いて調製し、家庭用ブレンダーで約15〜20秒間、ブレンドした。
【0111】
2種のフローズン飲料および1種の伝統的なミルクセーキを調製し、Bostwickコンシストメーターチャンバー内にそれぞれの試料を注ぐことによって直ちに試験した。それぞれの氷のように冷たいスラッシュ部分の流れ距離を、15秒間流した後、読み取った。フローズン飲料および伝統的なミルクセーキの残りの部分を5分間静置させ、測定を繰り返した。結果は、以下の通りであった:
【0112】
試料#1
【0113】
時間0におけるフローズン飲料の読み:<0.5cm/15秒 5分におけるフローズン飲料の読み:10cm/15秒
【0114】
試料#2
【0115】
時間0におけるフローズン飲料の読み:0.5cm/15秒 5分におけるフローズン飲料の読み:12cm/15秒 時間0における伝統的なミルクセーキ(自家製)の読み:20cm/15秒 5分における読み:>23cm/15秒
【0116】
一般に、これらの結果は、本発明の方法によって調製したフローズン飲料は、自家製ミルクセーキよりどろどろであり、したがってより濃厚な製品であることを示す。
【0117】
(実施例6)
ペレットの物理的性質の分析
第1のペレットの溶融速度、硬度、および溶融温度を求めるための実験的方法を開発した。2つの異なる甘味プロファイルを有する第1のペレットを調製した。オーバーランの効果も検査した。さらに、コーティングが外観および流動性に影響するか否かを理解するために、3つの異なるコーティングの効果を調査した。
【0118】
ペレットミックスおよびコーティング溶液の粘度を分析した。フリーザー内で4週間貯蔵している間の硬度、溶融速度、および溶融プロファイルについて、凍結ペレットを分析した。さらに、ペレットの溶融性および硬度に対するテンパリングの効果を調査した。この試験の主な知見を以下に示す:
【0119】
1.甘味料として砂糖とイヌリンを組み合わせると、砂糖またはイヌリン単独と比較して、溶融速度がより遅くなった。したがって、イヌリンは、ペレットの溶融挙動を改善することが判明した。
【0120】
2.ペレットの組成またはテンパリングプロファイルのいずれも、溶融性を有意に変更または改善しなかった。
【0121】
3.乳化剤として添加したポリソルベート80は、溶融速度を増大させた。これは、ある特定の状況において望ましくない場合がある。
【0122】
4.デンプンでコーティングしたペレットを例外として、コーティング済みペレットと未コーティングペレットとの間に溶融速度および溶融温度の有意な差異はまったくなかった。
【0123】
5.しかし、コーティング済みペレットは、未コーティングペレットと比較して有意により良好な外観および流動性を有していた。
【0124】
本試験は、2つのフェーズで行った。第1フェーズの間に、2つの異なるペレット組成物を、硬度、溶融速度、粘度、および溶融開始温度について分析した。ペレット組成物の一方をホイップしてオーバーランをもたらし、同様に分析した。第2フェーズは、ペレットの粘度、溶融速度、および溶融開始温度に対する3つのコーティング材の効果を検査することであった。
【0125】
フェーズIの組成物および分析
【0126】
フェーズIでは、2つのペレット配合物を、2つの異なる甘味プロファイルを有するように設計し、一方をホイップして、ペレットの溶融性および硬度に対する組成およびホイッピングの効果を評価した。甘味プロファイルを以下に示す。
【0127】
ペレットI−−砂糖配合物
【0128】
ペレットII−−イヌリン配合物
【0129】
ペレットIII−−砂糖配合物であるが、オーバーランをもたらすようにホイップした
【0130】
表1は、配合物を示す。ペレットI配合物は、オーバーランをもたらすために冷却温度でホイップしたことに留意されたい(ペレットIII)。
【表1】
【0131】
ペレットミックスを185°Fに2分間加熱し、二段ホモジナイザーを用いて500PSIおよび3000PSIで均質化した。このミックスを一晩熟成し、粘度を測定した。ペレットIII配合物を冷却温度でホイップし、オーバーランを、ホイップしていない配合物(ペレットI)と比較した。
【0132】
ペレットおよびパックの両方を、液体窒素を使用してミックスを凍結することによって調製した。
【0133】
ペレットは、ストレーナを通じて液体窒素浴中にミックスを滴らせて丸いペレットを得ることによって調製した。
【0134】
パックは、42+/−2グラムの量でプラスチック容器内にミックスを満たし、続いて液体窒素中に容器を浸漬することによって調製した。
【0135】
ホイップした後、ペレットIIIミックスは、101.4%のオーバーラン値を有していた。しかし、このオーバーランは、空気セルの崩壊に起因して、凍結ペレットおよびパックを生産する間に維持することができなかった。空気セルは、液体窒素と接触すると振動するように思われた。
【0136】
ペレットおよびパックを、2つの異なるフリーザー温度、すなわち、家庭用フリーザー(−10°F(−23.3℃))および商業用フリーザー(−26°F(−32.2℃))内に1週間置いた。1週間の貯蔵を完了した後、試料(ペレットおよびパック)を家庭用フリーザーに移した。テンパリングの効果を、生産して2週間後および4週間後に溶融速度および溶融温度を測定することによって評価した。
【0137】
溶融速度
ペレットミックスの2つの異なるセットの凍結試料、すなわちパックおよびペレットを分析して溶融速度を計算した。
【0138】
パック形状試料
ペレットミックスを試料カップ内に満たして、42+/−2グラムの重量があるパック形状試料を作製した。試料を液体窒素中で凍結させた。メスシリンダーに取り付けられた漏斗の頂部の金網(10穴/cm)上に、凍結パック試料を置いた。5分毎に、滴った体積を最大40分間記録した。部屋の温度は、22℃で一定に保った。分での時間を滴った体積(ml)に対してプロットし、主溶融事象の傾きを溶融速度として採用した。
【0139】
ペレット
メスシリンダーに取り付けられた漏斗の頂部の金網(10穴/cm)上に、ペレット10グラムを置いた。滴った体積を、2分毎に最大10分間記録した。部屋の温度は、22℃で一定に保った。分での時間を滴った体積(ml)に対してプロットし、主溶融事象の傾きを溶融速度として採用した。
【0140】
溶融プロファイル
Mettler DSCを使用してペレットの溶融プロファイルを求めた。試料を、ドライアイスを含む発泡スチロールの箱内に保持して、DSCに装填する前に試料が溶融するのを防止した。DSCサンプリングパンもドライアイス内で保持した。ペレット試料10〜15mgを、サンプラーホルダー内に置いた。DSC試料装填温度を−15℃に調整して、装填中および加熱走査の開始時の溶融を防止した。温度プロファイルを−15℃で1分間保持し、5℃/分の速度で−30℃にさらに冷却し、5℃/分の速度で−30℃から40℃に加熱した。溶融ピークの開始温度を、溶融温度として選んだ。
【0141】
硬度
テクスチャー分析器(TA−Hdi、Stable Micro Systems)を使用して、商業用および家庭用フリーザー温度の両方で貯蔵したパックの硬度を測定した。試料は、分析するまでドライアイス内で保持した。測定スタンドおよびプローブの表面を、これらの表面上にドライアイスを置くことによって冷却した。試料をテクスチャー分析器に迅速に輸送し、分析を30秒以内に完了して、試料の加温に起因するばらつきを最小限にした。42gのステンレス鋼プローブ(TA−42(45°チゼル(45.degree. Chisel))、Stable Micro Systems)を使用して、硬度に正比例する力を用いて、試料中に7mm侵入するのに必要とされる力を測定した。3回の測定を試料ごとに行った。
【0142】
ミックスの粘度
レオメータ(Paar Physica)を使用することによって、高速から低速(200から0.1s−1)および低速から高速(0.1から200s−1)のせん断速度の関数として、冷蔵庫内で24時間熟成した後に25℃および5℃で、新たに調製したペレットミックスの粘度を測定した。さらに、ペレットミックスの流動挙動を求めた。
【0143】
結果および考察
25℃におけるミックスの粘度は、せん断速度の関数として有意に異なっていなかった。予期されたように、冷蔵温度で一晩熟成した後、ミックスの粘度は、温度の低下に起因して増大した。しかし、5℃においてペレットI配合物とペレットII配合物との間で、粘度の有意な差異はまったく観察されなかった。ミックスの粘度は、せん断速度が減少するにつれて減少した。したがって、ミックスは、せん断減粘性挙動を有していた。これは、生産の間に考慮されるべきである。
【0144】
溶融速度に関しては、ペレットIのペレットは、最速の溶融速度を有しており、その後にペレットIIIのホイップしたペレットが続き、一方、ペレットIIのペレットは、最も遅い溶融速度を有していた。この傾向は、4週間貯蔵した後、変化しなかった。さらに、これらの結果は、2つの異なる温度の間でのペレットのフリーザー温度およびテンパリングは、ペレットの溶融速度を有意に変化させなかったことを示唆する。イヌリンを用いて作製したパックは、最も遅い溶融速度を有していた一方、ペレットIおよびIIIのパックは、最速の溶融速度を有していた。これらの結果は、凍結片のサイズは、ペレット形状でもパック形状でも、溶融速度に影響しない可能性があることを示唆する。配合物の組成、例えば、砂糖対イヌリンは、溶融速度に影響する最も重要なパラメータであるように思われた。
【0145】
一般に、ペレットIおよびIIのパックの硬度は、貯蔵の過程にわたって有意に変化しなかった。ゼロ時において、ペレットIのパックは、最も硬く、一方、ペレットIIのパックは、最も軟らかかった。作製したペレットIIIのパックは、中間の硬度を有していた。2つの異なるフリーザー温度で1週間貯蔵した後、これらの硬度プロファイルは変化した。ペレットIIIのパックが最も軟らかく、その後にペレットIのパックが続いた。ペレットIIのパックが最も硬かった。
【0146】
さらに、フリーザーの温度は、硬度に影響することが判明した。−26°Fで保持されたパックは、−10°Fで保持されたものより硬かった。1週間後、パックを−10°Fでさらに1週間貯蔵した。硬度分析により、最初に−26°F、続いて−10°Fで保持した試料は、わずかに軟らかくなり、一方、全時間−10°Fで保持した試料は、硬くなったことが示された。しかし、パックの表面は、液体窒素中で平面パックを作製することが困難であるために平らでなく、したがって、硬度の比較は、誤解を招く恐れのある場合があることに留意されるべきである。したがって、硬度測定は、2週間貯蔵した後に実施しなかった。
【0147】
溶融開始温度は、DSC分析から得た溶融曲線から求めた。表2は、貯蔵時間の関数としてのペレットの溶融開始温度を表にしている。t=0、ペレットの生産直後で、ペレットIII、I、およびIIの溶融開始温度は、それぞれ、−3.4℃、−4.2℃、および−2.7℃であった。2つの異なるフリーザー温度で1週間貯蔵した後、すべてのペレットを家庭用フリーザーに移した。4週間の貯蔵の最後で、ペレットIおよびIIIは、ペレットIIより低い溶融開始温度を有していた。この結果により、イヌリンを添加すると、流通および貯蔵の間に起こる凍結融解サイクルの間のペレットの安定性を増大させるのに重要となり得る、溶融開始温度を上げることに成功するという結論が確認される。
【表2】
【0148】
フェーズII−−ペレットの挙動に対するコーティングの効果
フェーズIの結果に基づいて、砂糖とイヌリンの混合物を含んだ新しい配合物、ペレットIVを調製した。さらに、別の配合物、ペレットVを調製して、ペレットの溶融性に対する安定剤、ポリソルベート80の効果を判定した。ペレットIVおよびVの配合を表3に示す。
【表3】
【0149】
ペレットを上述したように調製した。ペレットの溶融速度および溶融温度を上述したように求めた。ペレットを商業用フリーザー(−26°F)内に1週間保持し、続いて家庭用フリーザー(−10°F)に移した。ペレットの溶融性および外観に対するコーティング材の効果も検査した。3つの異なるコーティング溶液を調製した:
【0150】
溶液1−− 4%冷膨潤デンプンPolar Tex 06748
【0151】
溶液2−− 2%消泡剤SAG100、1%クエン酸ナトリウム
【0152】
溶液3−− 10%トレハロース溶液
【0153】
コーティング溶液を、ペレットIVのペレットをコーティングするのに使用した。ペレットを、ペレット上にコーティング溶液を吹き付けることによってコーティングし、液体窒素をペレットの上に注いでこれらを冷たく保った。ペレットの表面上に目に見える滑らかなコーティングが形成されるまで、この過程を数回繰り返した。ペレットは、溶液1、2、または3を単独で用いてコーティングした。
【0154】
Mettler DSCを使用して、コーティング溶液の結晶化および溶融挙動を調査した。コーティング溶液を、6〜12ミリグラムの量でDSC試料パン内に置いた。続いて試料パンを室温のDSC内に移した。試料を、2℃/分の速度で−30℃に冷却してこれらの結晶化挙動を観察し、同じ速度で最大15℃に加熱して結晶の溶融挙動を観察した。表4は、コーティング溶液の結晶化開始温度および溶融開始温度を示す。
【表4】
【0155】
結果は、4%冷膨潤デンプン溶液および2% SAG+1%クエン酸ナトリウム溶液の結晶化開始温度は、互いに非常に同様であり、一方、これらの溶融開始温度は、互いに有意に異なることを示した。この結果は、これらの溶液中に使用される固体は、氷晶の構造に影響し得ることを暗示する。10%トレハロース溶液は、他の溶液と比較して、より高い結晶化温度およびより低い溶融開始温度を有していた。したがって、固体の組成もしくは量、または両方は、コーティング溶液の結晶化および溶融プロファイルに影響した。
【0156】
ペレットの溶融温度を、上記に示した方法に従って求めた。フェーズI試験の結果に基づいて先に述べたように、ペレットの溶融挙動に対する、本試験で調査したフリーザー温度の有意な効果はまったくなかった。フェーズIIでは、本発明者らは、アイスクリーム貯蔵条件を模倣することを決めた。したがって、ペレットおよびパックを、商業用フリーザー(−26°F(−32.2℃))内で1週間保持し、続いて家庭用フリーザーに移し、そこで4週間保持した。
【表5】
【0157】
1週間貯蔵した後、ペレットIV(未コーティング)の溶融開始温度は、−4℃前後であった。トレハロースおよびデンプンでペレットIVをコーティングしても、溶融開始温度に有意な差異を生じなかったが、2% SAG+1%クエン酸ナトリウムでコーティングすると、溶融開始温度が0.6℃に上昇した。−26°Fの商業用フリーザー内での1週間の貯蔵時間の後、すべてのペレットを、−10°Fの家庭用フリーザーに移した。家庭用フリーザー温度で2週間貯蔵した後、ペレットの溶融開始温度は、多様であったが、最終的に4週間の最後で、ペレットIVの溶融開始温度は、−4.3℃前後で落ち着いた。トレハロースでコーティングしたペレットは、未コーティングのものよりわずかに高い溶融開始温度を有していたが、その差異は有意でなかった。デンプンでコーティングしたペレットは、トレハロースでコーティングしたペレットおよびSAG+クエン酸ナトリウムでコーティングしたペレットの両方より良好な溶融挙動を有していた。界面活性剤ポリソルベート80を添加しても(ペレットV)、4週間貯蔵した後のペレットIVの溶融開始温度に影響しなかった。
【0158】
デンプンコーティングを除いて、コーティング材は、ペレットIVの溶融挙動に有意に影響しなかった。しかし、コーティング済みペレットは、未コーティングのペレットIVおよびVと比較して、より流動性を有していた。4週間貯蔵した後、未コーティングペレットは、互いにくっつき、容器からこれらを取り出すことが困難であった。したがって、コーティング済みペレットは、未コーティングペレットより良好な外観および流動性を有していた。ペレットをコーティングすると、取り扱い、およびペレットを貯蔵する間重要であり得る貯蔵品質が改善された。
【0159】
ペレットIVおよびVは、最初の2週間の間に溶融速度の差異を示したが、4週間の最後では、溶融速度は、有意に異なっていなかった。一般に、コーティング済みペレットIVのペレットは、未コーティングペレットIVのペレットと比較してより速い溶融速度を有していた。コーティング材のタイプは、溶融速度に有意に影響しなかった。これらの結果は、本発明者らが、ペレットの溶融挙動に対するコーティング材の有意な効果を観察しなかった、DSC分析の知見と一致する。
【0160】
結論−− ペレット挙動に対するコーティングの効果
【0161】
1.コーティング材の溶融挙動および結晶化挙動は、いくつかの差異を示した。デンプン溶液およびSAG+クエン酸ナトリウム溶液の両方は、−20℃前後で結晶化し、一方、トレハロース溶液は、−15℃前後で結晶化した。結晶の溶融温度は、互いに異なることが判明した。これらの結果は、固体の組成もしくは量、または両方は、コーティング溶液の結晶化プロファイルおよび溶融プロファイルに影響することを示唆した。
【0162】
2.ペレットの溶融開始温度は、2週間貯蔵する間で多様であったが、4週間貯蔵した後、これらは、デンプンでコーティングしたペレットを例外として、同様の溶融プロファイルを有していた。ポリソルベート80は、ペレットの溶融速度を上昇させるように思われた。
【0163】
3.デンプンコーティングを除いて、本明細書で使用したコーティングは、ペレットの溶融挙動に有意に影響しなかった。
【0164】
4.コーティング済みペレットは、未コーティングペレットより良好な外観および流動性を有していた。
【0165】
(実施例7)
ペレットの特性に対するスケールアップの効果
本試験の目的は、2つの1400lbバッチで、パイロットプラント規模で生産されるペレットの溶融性を分析することであった。実験室規模およびパイロット規模で生産したペレットの溶融性を比較した。栄養分析および官能評価も実施した。ペレットVIおよびVIIの配合を以下に示す。
【表6】
【0166】
ペレットの溶融速度および溶融温度を表7に示す。
【表7】
【0167】
ペレットVIの溶融開始温度は、−4.5℃であり、一方、ペレットVIIの溶融開始温度は、−2.2℃であった。したがって、イヌリン含有ペレットは、スクロース含有ペレットより高い温度で溶融し始める。さらに、スクロースを用いて作製したペレットVIは、イヌリンを用いて作製したペレットVIIより速い溶融速度を有していた。ペレットVIは、ペレットVIIより5倍速く溶融した。溶融開始温度の差異は、ペレットVIと比較して、ペレットVIIのより良好な温度安定性を示唆し、その理由は、ペレットVIIは、貯蔵および流通の間に溶融しにくいはずであるからである。さらに、ペレットVIIは、実験時間の間その形状を維持し、分子同士間の結合が強い可能性があることを示唆した。
【0168】
ペレットVIの栄養分析により、7.15%の乳脂肪、2.54%のタンパク質、および28.6%の固体が示された。ペレットVIIの栄養分析により、7.87%の乳脂肪、2.65%のタンパク質、および29%の固体が示された。
【0169】
−20°Fで2カ月貯蔵した後、ペレットVIおよびVIIを、先に記載したようにミルクセーキにした。ペレットVIは、バニラ風味を有しているが、少し水っぽく、氷のように冷たい舌触りを有し、いくつかの乳製品のノートを欠くフローズン飲料を生じた。ペレットVIIは、はるかに良好な風味保持力を伴った、クリーミーな口当たりを有するフローズン飲料を生じた。Brookfield粘度計により、イヌリンを含有するペレット(ペレットVII)は、粘度が増大していることが確認された。
【0170】
全体的に、イヌリンは、ペレットの溶融挙動、その形状保持力、およびその官能的品質を改善した。さらに、実験室規模で生産したペレットを調査した先の試験の知見は、ペレットをパイロット規模で生産したとき確認された。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきた。それでもやはり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な改変を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【0172】
(実施例8)
ヨーグルト凍結ペレットの調製および配合
ヨーグルト(すなわち、発酵乳生成物)および生きたヨーグルト菌培養物を含有する凍結ペレットを、実施例1の一般的な手順に従って調製した。
【0173】
以下の表は、本開示による凍結ヨーグルトペレットの様々な配合を示す。
【表8-1】

【表8-2】

【表8-3】
【0174】
ヨーグルトペレットの溶融温度は、一般に、第1および第2のペレットに関して上述した通りであった。具体的には、表8に記載のヨーグルトペレットのそれぞれは、0°F(−17.7℃)より十分上の溶融温度を有していた。したがって、ヨーグルトペレットは、一般的な市販食料品の凍結流通温度で、温度安定であると考えられる。
【0175】
(実施例9)
ヨーグルトスムージーキット
ヨーグルトスムージーキットを、実施例8の凍結ヨーグルトペレットを使用して、本明細書に記載の方法に従って調製した。4つの異なるキットを、それぞれ、凍結果実片と組み合わせて、実施例8の4つの凍結ヨーグルトペレットのうちの1つを使用して組み立てた。
【表9】
【0176】
各容器は、下側ボリュームを満たすのに十分な果汁(例えば、オレンジジュース)、すなわちおよそ6.5液量オンスの果汁を添加するための指示書を備えている。10.5液量オンスの下側ボリュームの残りは、凍結ヨーグルトペレットおよび凍結果実片(およそ4液量オンスの体積、合計)によって占有されている。
【0177】
オレンジジュースを使用して、ミックスベリー、イチゴ、およびイチゴ−バナナスムージーキットによって作製される完成シェークの栄養情報を、以下の表に提供する。
【表10-1】

【表10-2】
【0178】
イチゴスムージーキットを使用して、10の完成ヨーグルトスムージーを調製し、様々な仕上がり特性を評価した。キットは、使用前におよそ家庭のフリーザー温度で貯蔵し、およそ家庭の冷蔵庫温度で貯蔵したオレンジジュース6.5オンス部分を、各スムージーの混合液体として使用した。結果を以下の表に提示する。
【表11】
【0179】
10のすべての試料は、良好なビーズの溶解、良好な舌触り、および良好な風味を示した。
【0180】
本発明のいくつかの実施形態を、本明細書で説明してきた。それでもやはり、本発明の主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な改変を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1
図2