特許第6068488号(P6068488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6068488多段デジタル加算機能を備える動画像センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068488
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】多段デジタル加算機能を備える動画像センサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/378 20110101AFI20170116BHJP
   H04N 5/374 20110101ALI20170116BHJP
【FI】
   H04N5/335 780
   H04N5/335 740
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-539282(P2014-539282)
(86)(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公表番号】特表2014-533025(P2014-533025A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2012070658
(87)【国際公開番号】WO2013064380
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年10月2日
(31)【優先権主張番号】1160040
(32)【優先日】2011年11月4日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514049298
【氏名又は名称】イー・2・ブイ・セミコンダクターズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイエ,フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ブニュ,アンリ
【審査官】 松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−539733(JP,A)
【文献】 特開2009−290659(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/217661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/378
H04N 5/374
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間遅延および電荷加算画像センサであって、その前記電荷加算は前記センサと前記画像との間の相対的移動と同期され、センサはピッチDで分散されたN行の画素を含み、1列の中の階層iの各画素は、前記移動の方向に連続的に配置された第一および第二のフォトダイオード(PPDa、PPDb)と、前記フォトダイオードから電荷転送ゲートによって分離された3つの電荷蓄積ノードとを含み、これらの蓄積ノードは、前記2つのフォトダイオード間に配置された中央ノード(NDC)と、隣接する前記画素と共有される2つの他のノードとを含み、これらのノードは階層iの前記画素の前記第一のフォトダイオードと階層iの前記画素のすぐ下流に位置する階層i+1の前記画素の前記第二のフォトダイオードとの間に配置された下流ノード(NDE)と、階層iの前記画素の前記第二のフォトダイオードと階層iの前記画素のすぐ上流に位置する階層i−1の前記画素の前記第一のフォトダイオードとの間に配置された上流ノード(NDEi−1)であり、前記センサは、
−階層iの各画素に関連付けられた階層iのアナログ/デジタル変換回路(CONV)と、
−前記転送ゲートと前記変換回路を制御して、フォトダイオードからその側面に位置する前記蓄積ノードの一方または他方に電荷を転送し、その後、これらの電荷を変換する手段であって、これが、前記画像が前記画素の行の前記ピッチと等しい距離だけ移動するのにかかる時間Tpである期間Tpの周期的サイクルで、2段階で行われ、
−第一段階の終了時に、前記2つのフォトダイオードの前記電荷が前記中央ノードに転送され、
−期間Tp/2の第二段階の終了時に、階層iの前記画素の前記第一のフォトダイオードの前記電荷と階層i+1の前記下流の画素の前記第二のフォトダイオードの前記電荷とが前記下流ノードに転送され、その後、前記下流ノード内にある前記電荷が階層iの前記画素に関連付けられる階層iの前記変換器(CONV)の中で変換される
ようになっている手段と、
−階層iの前記変換回路の中で、2段階サイクル中に実行された前記1回または複数の変換の結果を、それに先行するサイクルの終了時に階層i−1の前記変換回路の中に予め累積されていた結果と累積する手段と、
をさらに含む画像センサ。
【請求項2】
前記画素が略正方形であることを特徴とする、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項3】
前記中央ノードまたは前記下流ノードを相互に独立して選択することにより、そこに含まれる電荷を読み出す選択手段が提供されることと、前記第一段階の終了時に、前記電荷が前記中央ノードに転送された後に、このノードの前記電荷が、階層iの前記画素に関連付けられた階層iの前記変換回路で変換されることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の画像センサ。
【請求項4】
前記中央ノードと前記下流ノードが導体によって電気的に接続されて電気的共通ノードが形成されることと、前記電気的共通ノードに含まれる前記電荷が、前記第一段階の終了時ではなく、前記第二段階の終了時にのみ階層iの前記変換回路で変換されることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の画像センサ。
【請求項5】
前記共通ノードをリセットする手段が提供され、前記第二段階中ではなく、前記第一段階中に電荷が前記中央ノードに転送される前にこのノードをリセットすることを特徴とする、請求項4に記載の画像センサ。
【請求項6】
前記アナログ/デジタル変換回路の各々がカウンタを含み、その値が、変換対象の信号のアナログ値に比例して増加され、階層iの前記画素に対応する前記カウンタの前記値が、同じサイクルの2つの段階間ではなく、周期的2段階サイクルの開始時に、次の階層i−1の前記変換回路の前記カウンタによって累積された結果である値に設定されることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ。
【請求項7】
時間遅延および電荷加算画像センサであって、その前記電荷加算は前記センサと前記画像との間の相対的移動と同期し、そのセンサはピッチDで分散されたN行の画素を含み、各画素は略正方形であり、2より大きい整数PであるP個の、前記画像の正面での前記センサの前記移動の方向に連続的に配置されたフォトダイオードを含み、前記画素の前記フォトダイオード間および所与の画素列のうちの隣接する画素の前記フォトダイオード間の電荷蓄積ノードを有し、前記フォトダイオードと前記蓄積ノードとの間に転送ゲートを有し、前記蓄積ノードは列導体と、1列内の画素数と同数のアナログ/デジタル変換回路に接続されていてもよく、各変換回路は各段階でP−1回の同時アナログ/デジタル変換を実行することができ、これらの変換はP−1個の蓄積ノードの前記電荷に対応し、前記転送ゲートが、1つのフォトダイオードからの前記電荷を前記フォトダイオードの下流に位置する蓄積ノードか上流に位置するノードのいずれかに、前記画像が距離Dだけ移動するのにかかる時間に対応する期間の周期的サイクルで転送するように制御され、前記サイクルが等しい期間のP個の段階を含み、前記ゲートの前記制御が、各段階で、前記フォトダイオードから電荷を受け取らない蓄積ノードがあり、電荷を受け取らない蓄積ノードは新しい段階ごとに循環置換されるように行われ、それ以外の蓄積ノードが受け取った前記電荷が、1つの周期の異なる段階にわたり、およびN個の連続的周期にわたり、前記移動と同期してデジタル化され、相互に加算され、前記加算された結果が毎回、前記P個の段階において同じではないが、P段階の前記サイクル中に同じ画像部分を見ていた2つの隣接するフォトダイオードから発せられているようになっている画像センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は線形時間遅延および積分センサ(TDIセンサ)に関し、その中では、観察対象のシーンの複数の点からなる線の画像が、複数の行の感光素子がそのシーンの中の所与の線を、そのシーンがセンサの正面で行に対して垂直に通過する間に連続的に観察することによって再構成される。
【背景技術】
【0002】
センサはたとえば、衛星による地球観測システムにおいて使用される。これらは、感光画素の複数の平行な行を含み、異なる行を制御する回路の順位付け(露光時間を制御してから、光誘起電荷を読み出す)がシーンとセンサの相対的移動と同期され、それによってセンサのすべての行が観察対象シーンの中のある1本の線を見る。その後、生成された信号が、観察された線の各点について点ごとに加算される。
【0003】
理論上の信号対ノイズ比は、センサの行数Nの平方根に比例して改善される。この数は、用途(工業の品質管理、地上観測、歯科用パノラマX線撮影またはマンモグラフィ)に応じて数行から約100行の範囲で変動しうる。
【0004】
電荷転送センサ(CCDセンサ)では、信号の点ごとの加算は、ある画素行の中に、先行する画素行の中で生成され、累積された電荷をシーンとセンサの相対的移動と同期して明け渡すことによって、読み出しノイズを発生させずに自然に達成される。観察対象シーンの線が生成した電荷をN回累積した最後の画素行がその後、出力レジスタに転送されて、読み出し段階では、電圧または電流に変換される。
【0005】
このような電荷転送センサは、隣接する転送ゲートが少なくとも2つのポリシリコンレベルから生成されて、第二のレベルが第一のレベルを部分的に覆うような従来の技術か、1つのポリシリコンゲートレベルを利用する技術のいずれかで製作され、このような1つのレベルを採用する技術のほうが、現在のCMOS論理集積回路製造技術とより適合する。
【0006】
しかしながら、CMOS技術に基づく能動画素を使用する電荷センサは有利であり、その一例が国際公開第2008/034794号パンフレットに記載されている。電荷は行ごとに転送されるのではなく、これは、能動画素が電荷転送モードで動作せずに、列の導体に電圧を供給するからである。異なる画素行によって見られた所与の画像線に対応する信号を加算するために、アナログ/デジタル変換を使って、各画素の出力のデジタル表現と、移動中に連続的にその画像点を見たN個の画素から発せられたN個のデジタル値が加算される。しかしながら、同出願で説明される原理では、本当の意味での相関二重サンプリング読み出しは行えない。
【0007】
これに加えて、時間遅延および積分センサの場合に遭遇する1つの問題は、センサの正面でのシーンの相対的運動は継続するが、画素情報が別々に処理されるという事実により、変調伝達関数が劣化することである。それゆえ、画素のピッチの白黒の線の画像からセンサからの出力として供給されるのは、画像が静止していればユニタリ値のピーク間信号振幅であるが(純粋に幾何学的な変調伝達関数が除かれる)、画像が移動していると、そのピーク間振幅は0.64にすぎない。この0.64という数値は、変調伝達関数の移動成分である(変調伝達関数全体をさらに劣化させうる、その他の要素に関するその他の成分がある)。
【0008】
もちろん、理論上の解像度を増大させることによって低い変調伝達関数を補償するために、画素のサイズを小さくすることもできる。画素のピッチを2で割ると、解像度は2倍になる。しかしながら、この場合、アナログ/デジタル変換器の数もまた倍にしなければならない。
【0009】
CMOS技術に基づく画素を用いた画像撮影の別の制約は、同じ持続時間であるが、行ごとに時間をずらした連続的なウィンドウ(ローリングシャッタ動作モード)中ではなく、できれば持続時間を調整できる同一の時間ウィンドウ中にすべての画素行を露光させる必要がある(グローバルシャッタ動作モード)という点である。
【0010】
最後に、思い出されることとして、4つまたは5つのトランジスタを含むCMOS技術に基づく画素で撮影される画像はkTC読み出しノイズを受け、相関二重サンプリングを実行することによってこれを低減させるように試みる必要があり、これは、ある電荷蓄積ノードにアクティブ状態の電荷を転送する前に、このノードのリセットレベルの読み出しを試行しなければならないことを意味する。既知のCMOS技術に基づくセンサにおいて、グローバルシャッタ動作モードは本当の意味での相関二重サンプリングと両立しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2008/034794号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、CMOS能動画素を採用するTDIセンサ構造を提供することであり、この構造は、移動に関連する変調伝達関数の数値を増大させ、その一方で、本当の意味での相関二重サンプリング読み出しと、好ましくは積分時間が調整可能なグローバルシャッタ動作モードを可能にする。この目的のために、あるセンサが提供され、その(一般的に正方形の)画素は、センサの正面での画像の移動方向に連続的に配置された少なくとも2つの、任意選択により3つまたは4つでさえもよいフォトダイオードを含み、その画素のフォトダイオード間および所与の画素列のうちの隣接する画素のフォトダイオード間に電荷蓄積ノードを有し、各フォトダイオードに関連付けられた、そのフォトダイオードとその側面に位置する2つのノードとの間の2つの転送ゲートを有する。階層iのある画素の蓄積ノードは列導体に接続され、ある列内の画素と同数のサンプリングおよびアナログ/デジタル変換回路がある。転送ゲートは、1つのフォトダイオードからフォトダイオードの下流に位置する蓄積ノードまたは上流に位置するノードに電荷を転送するように制御される。このゲート制御は、複数の段階(その画素内のフォトダイオードと同じ段階)で構成される周期的サイクルで実行される。このサイクルの周期とは、センサとシーンが相互に関して、画素の高さと等しい、すなわち1列の画素のピッチと等しい距離だけ移動するのにかかる時間である。各段階で、フォトダイオードから電荷を受けない蓄積ノードがあり、それ以外は隣接するフォトダイオードから電荷を受け取り、電荷を受け取らないノードは新しい段階ごとに循環置換される。それ以外の蓄積ノードが受け取った電荷は、ある1期間の中の異なる段階にわたり、および連続的なN個の期間にわたり、時間をずらしてデジタル化されて、一緒に加算される。この加算は移動と同期して行われ、すなわち、異なるフォトダイオードであるが、異なる段階において同じ画像部分を見ていたそれらから発生される電荷が加算される。
【0013】
最も単純なケースである2段階動作式のセンサの場合、正方形の画素は、下流フォトダイオードと上流フォトダイオードと呼ぶことのできる2つのフォトダイオードと、2つのフォトダイオード間に配置された中央電荷蓄積ノードと、その画素の下流フォトダイオードと当該の画素のすぐ下流に位置する上流フォトダイオードとの間に配置された下流電荷蓄積ノードと、当該の画素の上流フォトダイオードとすぐ上流に位置する画素の下流フォトダイオードとの間に配置された上流蓄積ノードとを含む。したがって、下流ノードは、上流ノードと同様に、2つの隣接する画素間で共有される。
【0014】
より正確には、2段階動作の場合、本発明によれば、時間遅延および電荷加算画像センサが提供され、その電荷加算はセンサの正面での画像の相対的移動と同期され、このセンサはピッチDで分散されたN行の画素を含み、移動方向のある列の中の階層iの各画素は、略正方形であり、移動方向に連続して配置された第一および第二のフォトダイオードと、フォトダイオードから電荷転送ゲートによって分離された3つの電荷蓄積ノードとを含み、蓄積ノードは、2つのフォトダイオード間に配置された中央ノードと、隣接する画素により共有される2つの他のノードとを含みこれらのノードは、階層iの画素の第一のフォトダイオードと階層iの画素のすぐ下流に位置する階層i+1の画素の第二のフォトダイオードとの間に配置された下流ノードと、階層iの画素の第二のフォトダイオードと階層iの画素のすぐ上流に位置する階層i−1の画素の第一のフォトダイオードとの間に配置された上流ノードである。センサは、
−各画素に関連付けられたアナログ/デジタル変換回路と、
−転送ゲートと変換回路を制御して、フォトダイオードからその側面に位置する蓄積ノードの一方または他方に電荷を転送し、その後、これらの電荷を変換する手段であって、これが、画像が画素行のピッチと等しい距離だけ移動するのにかかる期間Tpである期間Tpの周期的サイクルで、2段階で行われ、
−第一段階の終了時に、2つのフォトダイオードの電荷が中央ノードに転送され、
−第二段階の終了時に、階層iの画素の第一のフォトダイオードの電荷と階層i+1の下流の画素の第二のフォトダイオードの電荷が下流ノードに転送され、その後、下流ノード内にある電荷が階層iの画素に関連付けられる階層iのアナログ/デジタル変換器の中で変換される
ようになっている手段と、
−階層iの変換器の中で、2段階サイクル中に実行された1回または複数の変換の結果を、それに先行するサイクルの終了時に階層i−1の変換器の中に予め累積されていた結果と累積する手段と、
をさらに含む。
【0015】
第一の実施形態において、中央ノードまたは下流ノードを相互に独立して選択することにより、そこに含まれている電荷を読み出す選択手段が提供され、特に、ノードは相互に独立してリセットされてもよく、電荷は、ノードごとに独立して、リセットした後に読み出されても、電荷を転送した後に読み出されてもよい。この場合、第一段階の終了時に、電荷が中央ノードに転送された後に、このノードの電荷が、階層iの画素に関連付けられた階層iの変換回路で変換される。
【0016】
他の実施形態において、中央ノードと下流ノードは導体によって電気的に接続されて電気的共通ノードが形成され、ノードを相互に独立して選択するための手段は提供されず、この場合、電気的共通ノードに含まれる電荷は、第一段階の終了時ではなく、第二段階の終了時にのみ階層iの変換回路で変換され、異なるフォトダイオードから発せられる2段階の電荷は共通ノードでアナログ式に加算された後にデジタル化される。共通ノードをリセットする手段が提供され、電荷が下流ノードに転送される前の第二段階中ではなく、電荷が中央ノードに転送される前の第一段階中にこのノードをリセットする。
【0017】
3段階動作の場合、好ましくは略正方形の画素は、移動方向に連続的に配置された3つのフォトダイオードと、フォトダイオード間の2つの中央蓄積ノードと、隣接画素と共有される他の2つのノードとを含み、これらのノードはそれぞれ、階層iの画素の第一のフォトダイオードとすぐ下流に位置する階層i+1の画素の最後のフォトダイオードの間の下流蓄積ノードと、階層iの画素の最後のフォトダイオードとすぐ上流に位置する階層i−1の画素の第一のフォトダイオードの間の上流蓄積ノードであり、フォトダイオードと蓄積ノードとの間に電荷転送ゲートが、画素の内部と2つの隣接画素のフォトダイオード間の両方にある。転送ゲートは3つの連続する段階中に、蓄積ノードのうちの2つは電荷を受け取るが、3つ目は受け取らないように作動される。電荷を受け取らないノードは1つの段階から次へと循環置換され、蓄積ノードに転送された電荷が毎回、その画素が見た所与の画像部分に対応するようになっている。これらの蓄積ノードの電荷は3段階中に読み出されてデジタル化され(それぞれの変換は、各段階で、電荷を受け取った蓄積ノードの各々について実行され、すなわちここでは、1段階につき2回の変換)、加算は3段階にわたって実行され、この加算結果は毎回、3段階で同じではないが、3段階のサイクル中に同じ画像部分を見ていた2つの隣接するフォトダイオードから発せられたものであるようになっている。画像の正面でのセンサの移動中に同じ画像部分を見ていたN個の画素に関する変換結果のデジタル加算がさらに実行される。
【0018】
4段階動作または、5つ以上の段階を含む動作もまた想定可能であるが、それによって複雑さが増し、変調伝達関数において得られる改善幅がわずかとなる。
【0019】
より一般的に言えば、P個の段階について、好ましくは略正方形の各画素は、画像の正面のセンサの移動方向に連続的に配置されるP個のフォトダイオードを含み、その画素のフォトダイオード間および所与の画素列のうちの隣接する画素のフォトダイオード間の電荷蓄積ノードを有し、各フォトダイオードに関連付けられる、フォトダイオードとそれに隣接する2つの蓄積ノートの間の2つの伝達ゲートを有し、蓄積ノードは、列導体と、1列内にある画素と同数のアナログ/デジタル変換回路に接続されるように選択されてもよく、各変換回路は、P−1個の蓄積ノードの電荷に対応するP−1回の同時変換を実行でき(すなわち、ある画素に関連付けられる変換回路は、平行して動作するP−1個のサンプリング回路とP−1個の変換器を含む)、転送ゲートは、1つのフォトダイオードからそのフォトダイオードの下流に位置する蓄積ノードまたは上流に位置するノードのいずれかに、画像が距離Dだけ移動するのにかかる時間に対応する期間Tpの周期的サイクルで電荷を転送するように制御され、このサイクルは同じ期間のP個の段階を含み、ゲートの制御は、各段階において、フォトダイオードからの電荷を受け取らない1つの蓄積ノードがあり、電荷を受け取らないノードは新しい段階ごとに循環置換され、それ以外の蓄積ノードが受け取った電荷は、ある期間中の異なる段階にわたってデジタル化され、相互に加算されて、加算結果が毎回、2つの隣接するフォトダイオードから発せられたものであり、これらはP個の段階で同じではないがP個の段階のそのサイクル中に同じ画像部分を見ていたそれらであるようになっている。画像の正面でのセンサの移動中に同じ画像部分を見ていたN個の画素に関する変換結果のデジタル加算がさらに行われる。
【0020】
異なる段階中のデジタル加算と、同じ画像部分を見ていたN個の画素間の加算を容易にするために、アナログ/デジタル変換回路の各々が、変換されるべき信号のアナログ値に比例してその値が増大するような1つのカウンタ(または、より一般的に言えば、P個の段階があるとするとP−1個のカウンタ)とともに動作するようになされ、階層iの画素に対応するカウンタの値が、同じサイクルの中の2段階(または3またはそれ以上の段階)間ではなく、2段階(または3またはそれ以上の段階)からなる周期的サイクルの開始時に、先行する階層i−1の変換回路の対応するカウンタにより累積された結果である数値に設定されるようになされる。
【0021】
本発明のその他の特徴と利点は、添付の図面に関連して行われる以下の詳しい説明を読むことによって明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるセンサの一般的構成を示す。
図2】5つのトランジスタを含むCMOS能動画素を概略的に示す。
図3】2段階動作モードのための、本発明により配置された画像列を概略的に示す。
図4】2段階の周期的サイクルを採用する動作モードのための、本発明によるセンサに関する一連の画像撮影を示す。
図5】1列内の画素の回路図を示し、各画素はそれぞれのアナログ/デジタル変換回路に関連付けられている。
図6図3〜5のセンサの動作のタイミングチャートを示す。
図7】1画素の2つの蓄積ノードが電気的に接続されている他の実施形態の中の回路図を示す。
図8図7のセンサの動作のタイミングチャートを示す。
図9】3段階動作モードのための画素構造を示す。
図10】1つの3段階サイクルにおける画像撮影の概略を示す。
図11図9の構造の動作のタイミングチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、一般的な時間遅延および電荷加算画像センサの構造を示す。センサはN行の画素を含み、観察対象の画像はセンサに関して、行に垂直、すなわち画素列に平行な、矢印DPLで示される方向に移動する。移動速度は、光によって生成される電荷の積分と読み出しのシーケンスと同期され、それによって、ある列内の画素のピッチをD、移動速度をVとすると、電荷の積分と読み出しは、期間Tp=D/Vで周期的に実行される。ある期間中に複数の画素行のうちの1つから読み出された電荷は、先行する期間中に(矢印DPLの方向に関して)先行する画素行から読み出された電荷に加算される。電荷は、N行の画素が所与の画像部分を連続的に観察することに対応するN個の期間にわたって加算される。
【0024】
画素は、CMOS技術で作製される能動画素である。これらは画素内の電荷/電圧変換を実行し、各画素はそれを照明する光により生成される電荷を収集して、ある期間中に収集された電荷に対応する電位を出力導体に転送する。出力導体は、所与のコラムの全画素に共通する列導体である。画素は行ごとにアドレス指定されて、ある行の各画素はその列導体に電位を供給し、その後、その列導体は次の行の画素に対応する電位を受け取る。行デコーダDEC1は、このような行の連続的アドレス指定を実行する。
【0025】
列導体上に存在する電位は、好ましくは二重サンプリングによってサンプリングされ、N行の画素マトリクスの外に設置されたデジタル/アナログ変換器によってデジタル化される。図1の構造では、変換回路マトリクス(サンプリングおよびアナログ/デジタル変換)が提供され、それぞれの変換回路はマトリクス内の各画素に関連付けられ、第二の行デコーダDEC2は、ある変換回路行を、それに関連する画素行がコンバータDEC1によって選択された時に選択する役割を果たす。
【0026】
それゆえ、ある画素行が、期間Tp中にこの行の正面で画像が移動する時にこの行の画素によって生成された信号(電位)の読み出しのために選択されると、サンプラと変換器の行が同時に選択される。各画素について、デジタル値の結果が生成される。この結果は、先行する画素行により先行する期間中に取得された結果に加算され、この画素行は前記先行する期間中に同じ画像部分を見ていたものである。加算はデジタルで行われる。
【0027】
一般的なシーケンス回路SEQは、デコーダDEC1とDEC2および制御回路ADCCTRLに必要な制御信号を生成する。回路SEQはクロック信号CLKによって制御され、これは読み出しのタイミング全体を決定する。
【0028】
回路ADCCTRLは、十分に定義されたタイミングでカウンタランプ信号とクロック信号および変換制御パルスを提供するコンバータを制御する回路である。
【0029】
最後に、デコーダDEC2はまた、各変換回路行のためのサンプリング制御パルスも生成する。
【0030】
図2は、ある列の中の階層iの例示的な個々の画素Pを示し、この個々の画素は半導体基板上に形成される。画素は好ましくは、略正方形(破線で示される)であり、行方向と列方向の両方にピッチDで分散され、一般的に行方向と列方向の解像度は同じであることが望ましい。画素Pは従来の能動画素であり、これは、
−一般に埋め込みフォトダイオードと呼ばれる、すなわち表面電位がそれを覆う薄いドープ表面層によって固定されるフォトダイオードPPDと、
−基板中へのn型拡散である電荷蓄積ノードNDと、
−フォトダイオードと蓄積ノードとの間にあり、フォトダイオード内で生成された電荷を蓄積ノードに転送する転送信号TRAにより制御可能な転送ゲート(斜線部)と、
−供給電源Vddに接続されたドレインと、蓄積ノードNDに接続されたゲート(斜線部)と、ソースとを有する読み出しトランジスタであって、蓄積ノードの電位を表す電位をそのソースに供給する読み出しトランジスタと、
−所与の行の全画素に共通する行導体を介して供給され、デコーダDEC1から発せられる信号SELによって制御されるゲートを含む行選択トランジスタであって、選択トランジスタのドレインが読み出しトランジスタのソースに接続され(または、そのソースと同じ拡散から作製され)、選択トランジスタのソースが所与の列の全画素の出力を形成する列導体CCに接続され、信号SELによってその画素が選択されると蓄積ノードの電位が列導体に供給されるような行選択トランジスタと、
−蓄積ノードの電位をリセットするゲートであって、リセット信号RSTによって制御され、蓄積ノードと基準電位Vrefまで上昇されたドレインとの間に配置されたゲートと、
−最後に、フォトダイオードの電位をすべてリセットするゲートであって、フォトダイオードとVrefでありうる基準電位まで上昇されたドレインとの間に配置され、信号GRによって制御されて、フォトダイオードが電荷を蓄積しないようにして、そのマトリクスの全画素のための所望の電荷積分時間を定めることを可能にするような、任意選択のゲートと、
を含む。
【0031】
画素Pは、列導体CCに、
−まず、ノードNDが信号RSTによってリセットされた後に、リセット電位、
−次に、電荷がフォトダイオードからノードNDに信号TRAによって転送された後に、有用な信号電位、
を供給する。
【0032】
これらの動作の順序は、サンプリング時にkTC型の読み出しノイズを極小化できる本当の意味での相関二重サンプリング測定を得ようとするのであれば、重要である。
【0033】
上記の2つの電位は、階層iの行がデコーダDEC1によって選択された時に、デコーダDEC2によって同時に選択される階層iのサンプリング回路に供給される。
【0034】
図3は、本発明によるセンサの画素列の図を示す。このコラムは図1による一般的な構造の一部を形成するが、この画素の構造は図2のそれと異なり、図2の画素と比較しながら説明する。
【0035】
ここでまた、画素は破線で示されるように略正方形であり、画素の分散ピッチは、好ましくは行方向と列方向の両方にDである。画素の電荷の積分および読み出しサイクルの持続時間はTp=D/Vである。これに対して、この画素は2つのフォトダイオードと3つの蓄積ノード、すなわち下流蓄積ノード、上流蓄積ノード、中央蓄積ノードを含む。しかしながら、下流蓄積ノードはすぐ下流に位置する画素と共有され、上流蓄積ノードはすぐ上流に位置する画素と共有されるため、その列にN個の画素があるとすると、その列の蓄積ノードは合計で3Nではなく2Nである。上流側と下流側は、矢印DPLで示される、画像の移動方向に関して定義される。
【0036】
図3において階層iの画素PはフォトダイオードPPDaとフォトダイオードPPDbと、これらのフォトダイオード間にあるが、その各々からそれぞれの転送ゲートによって分離される中央蓄積ノードNDCと、画素Pのすぐ下流に位置する画素Pi+1の上流蓄積ノードである下流蓄積ノードNDEと、最後に、上流画素Pi−1の下流ノードである上流蓄積ノードNDEi−1とを含む。それぞれの転送ゲートによって、フォトダイオードPPDaから中央ノードNDCまたは下流ノードNDEに電荷が転送されて制御される。同様に、それぞれのゲートによって、フォトダイオードPPDbから中央ノードNDCまたは上流ノードNDEi−1に電荷が転送される。中央ノードに対応するゲートは、画素内の内部電荷転送に対応する転送信号TRAによって同時に制御され、外部の下流および上流ノードに対応するゲートは転送信号TRA’によって制御され、このノードは、その画素の1つにとっては下流ノードであり、もう一方の画素にとっては上流ノードである。
【0037】
ここに示されているフォトダイオードは長方形の表面を有し、それによって2つのフォトダイオード、中央蓄積ノード、上流と下流半々の蓄積ノード、転送ゲート、および各ノードに関連付けられるその他の動作要素が、1辺Dの正方形の中に入る。これらのその他の要素(読み出しトランジスタ、選択トランジスタ、リセットゲート、ドレイン)は、以下にまとめるような、図2の画素と同じレイアウトと同じ機能を有する。
−リセット信号によって制御される各蓄積ノードをリセットするゲート、
−そのゲートが蓄積ノードに接続され、そのソースが列導体CCに接続されている読み出しトランジスタ、
−選択信号によって制御される行選択トランジスタ(注:蓄積ノードは個々に選択され、すなわち、異なる選択信号によって、どの蓄積ノードの電位も読み出せる)と、
−信号GRによって制御される、フォトダイオードの電位を全部リセットするための、任意選択のゲート。
【0038】
本発明の原理は以下の通りである。図1のように、階層iのそれぞれのアナログ/デジタル変換回路CONVは、階層iの各画素に関連付けられ、ここで、変換されるべき電位をサンプリングする回路と、サンプリングされた電位(実際には、サンプリングされた2つの電位の差)をデジタル値に変換する実際のアナログ/デジタル変換器の両方が、簡略的名称の「変換回路」に分類される。これに加えて、当然のことながら、ある画素に関連付けられた変換回路が、デジタル加算機能を直接実行して、1つの周期的サイクルに1つの画素から発せられた結果と先行するサイクル中に他の画素から発せられた結果を加算することが好ましい。同じ画像部分を見るN個の画素から発行されるN個の値を加算する機能はこの場合、各種の変換回路に分散されており、したがって、「変換回路」という名称はまた、このように分散された加算機能も含むことがわかるであろう。
【0039】
本発明によれば、転送ゲートとサンプリングおよび変換回路を制御する手段が、同じ持続時間の2つの段階を有する以下のような周期的サイクルを確立するために提供され、期間Tpは画素行のピッチDにわたる画像の移動に対応する。2つの段階は部分的に重複し、これを以下に示す。
【0040】
1.第一段階
この段階中に2つのフォトダイオードにより積分される電荷は中央ノードNDCに転送されて、その後、中央ノードの電荷が、階層iの画素に関連付けられた階層iの変換回路CONVで変換され、それと同時に、他方の中央ノードの電荷はこの他方の画素に関連付けられている変換回路の中で変換される。
【0041】
2.第二段階
a)この段階中に階層iの画素の第一のフォトダイオードPPDaによって積分される電荷と、この段階中に階層i+1(すぐ下流の画素)の第二のフォトダイオードPPDbによって積分される電荷は、下流蓄積ノードNDEに転送され、同様に、階層iの画素の第二のフォトダイオードPPDbの電荷と画素の階層i−1(上流の画素)の第一のフォトダイオードPPDai−1の電荷が上流ノードNDEi−1に転送される。
b)次に、下流のノードNDEにある電荷が階層iの変換回路CONVで変換され、同様に、同時に画素Pi−1の下流ノードでもある上流ノードNDEi−1にある電荷が階層i−1の変換回路CONVi−1により変換される。
【0042】
これら2つの段階中に階層iの変換回路により実行された変換の結果はこの回路内に累積され、先行するサイクルの終了時に階層i−1の変換回路内に累積された結果に加算される。
【0043】
同じ画像部分を見ていた各種の画素に関連するデジタル加算は好ましくは、次のように実行される。変換回路CONVは好ましくは、変換されるべき電位差によって決定される時間的長さの所与の周期でカウントするカウンタを含むランプ変換器を含み、カウンタの最終値と初期値との間の差は、この電位差と同様の数値を表す。次に、各種の変換回路のカウンタは、階層i−1の回路のカウンタの値が、新たな変換がトリガされる前に階層iの回路のカウンタの初期値として使用されるように接続される。
【0044】
2つの段階の変換結果のデジタル累積は、第一段階の終了後にカウンタの値をリセットしないことによって、すなわち、第二段階の開始時のカウンタの初期値として第一段階の終了時のカウンタの値を保存することによって実現される。第二段階の終了時のカウンタの値は2つの段階の変換結果の合計を表す。
【0045】
図4は、上記の工程を説明する。この図は、画素のフォトダイオードの電荷が中央ノードに向かって、次に下流および上流ノードに向かって、交互に誘導され、第二段階において、画像は2つの段階の間でD/2だけ移動しているものの、フォトダイオードのうち第一段階と同じ画像部分を見ていたものから発せられる電荷が加算される方法を示している。
【0046】
4つのステップが示されており、それぞれ、連続する2サイクルの各段階PH1a、PH1b、PH2a、PH2bの終了時に対応しており、その間に画像は幅Dの画像の線の正面でピッチDの2倍移動する。画素は隣接する幅Dの正方形によって表され、下流および上流蓄積ノードは2つの正方形間の境界線によって表され、中央蓄積ノードは正方形の中央の水平の破線によって表される。画像の線は固定位置で幅D(幅は移動方向に測定される)の斑点部分によって表され、画像に関するセンサの画素の相対的移動は、この細長い構成の正面で下流から上流(図の上から下)に起こる。斑点模様の画像の線は、図をわかりやすくするために、センサの横に示されている。
【0047】
湾曲した矢印は、電荷がまず中央ノードに(各サイクルの第一段階PH1a、PH2a)、次に下流および上流ノード、すなわち2つの画素間のノード(サイクルの第二段階PH1b、PH2b)に転送されることを表している。
【0048】
画素の右側に、各蓄積ノードの位置に対向して示されている変換回路の番号は、どの回路が各ノードに対応する電位を受け取って、これをサンプリングし、変換するかを示している。以下のことがわかるであろう。
−階層i−1の変換器はまず、中央ノードから画素Pi−1の2つのフォトダイオードによって蓄積された電荷を変換し(PH1a)、次に、下流ノードから、画素Pi−1の下流フォトダイオードと画素Pの上流フォトダイオードから発さられた電荷を変換し(PH1b)、したがって、第二段階では、第一段階のそれと同じ画像の線を見てきた2つのフォトダイオードの集合が利用される。
−次のサイクルPH2a、PH2bの中でも同じことが行われるが、同じ画像の線を考えると、動作が始まるのは画素Pと変換器CONVからであり、そのために、第二のサイクルは変換回路CONV(画素Pに関連付けられている)が実行した変換の結果を先行するサイクルで変換回路CONVi−1が実行した変換の結果に加算しなければならない。
【0049】
図5は画素列(連続する3つの画素Pi−1、P、Pi+1)とこれらの画素に関連付けられる変換回路(CONVi−i、CONV、CONVi+1)が示されている。列導体CCが全画素の出力を接続し、蓄積ノードの電位を変換回路に転送する。画素は、電気回路の形態で表され、図2と3に関して行われた物理的な説明に対応する。
【0050】
後述の構成は、読み出し値が相関二重サンプリング見出し値であることを前提としており、その中では以下の動作が順番で実行される。すなわち、蓄積ノードをリセットし、リセットレベルをサンプリングし、次にフォトダイオードから蓄積ノードに電管を転送し、最後に、電荷を表す有用電位レベルをサンプリングする。
【0051】
さらに、図5の実施形態において、階層iの変換回路は以下を含む。
−2つのサンプリングコンデンサ。一方は第一のサンプリング信号SHRの制御下でリセット電位レベルを保存し、他方は第二のサンプリング信号SHSの制御下で有用電位レベルを保存する。信号SHRとSHSは、信号SELまたはSEL’による蓄積ノード(NDCまたはNDE)の列導体との接続と同期して発生される。
−全変換回路に共通していてもよく、電圧ランプRMPを供給する線形電圧ランプ発生器。このランプが第二のコンデンサの端子に印加される、
−その入力が2つのコンデンサに接続される比較器CMPであって、この比較器は当初、変換開始時に第一の状態を有し、その第二の入力での電位が第二のコンデンサに与えられるランプの影響により、その第一の入力での電位に到達すると、第二の状態に切り替わる。
−ランプの開始から所定の周期でパルスをカウントし、比較器が切り替わった時に比較器の制御下でカウントを停止するカウンタCPT。説明を簡単にするために、クロック信号CLKが示されているが、それは、電圧ランプRMPの開始からのみカウントを許可すると理解しなければならない。
【0052】
カウンタの値は、電圧ランプ中にリセット電位と有用電位の差を表す数値だけ進められる。しかしながら、以下からわかるように、カウンタの初期値は、上流に位置するカウンタの(先行するサイクルの)最終値から設定して、階層iの変換回路CONVで直接、現在の結果が、先行するサイクルの終了時に先行する階層の回路CONVi−1のカウンタの中で得られた値と直接加算されてもよい。それゆえ、N番目のサイクルの終了時のカウンタの値は、N個の連続する読み出しサイクル中に同じ画像部分を見ていたN個の画素で収集された電荷の変換の結果の合計を表す。信号SHIFTにより、変換器CONVi−1の結果を変換器CONVのカウンタに転送できる。
【0053】
画素Pの中央蓄積ノードは、行選択導体SELによって列導体に接続されてもよい。下流蓄積ノードNDEは、行選択導体SEL’によって別々に選択されてもよい。中央蓄積ノードNDCは、信号RSTによってすべて同時にリセットされてもよく、同様に、下流および上流蓄積ノードも信号RST’によってすべて同時にリセットされてもよい。電荷は、全画素に共通する信号TRAによって、ある画素の2つのフォトダイオードから中央ノードNDCに転送されてもよく、同様に、電荷は全画素に共通する信号TRA’によって2つのダイオードから下流および上流ノードに転送されてもよい。
【0054】
全画素に共通する信号GRによって、全フォトダイオードの電位が、選択された積分期間後にリセット可能である。
【0055】
転送信号TRAとTRA’が全画素に共通するという事実によって、グローバルシャッタ動作モードでの動作が可能となり、これは、画素の行の階層iに応じてずらされた期間ではなく、同じ積分期間中に全画素が照明されるため、有利である。これに加えて、グローバルリセッティング信号GRが全画素に共通するという事実によって、共通の積分時間も調節できる。
【0056】
図5の回路は、図6のタイミングチャートに関連して以下の方法で機能し、図6は期間Tpの2つの測定サイクルの2つの段階PH1aとPH1b、次にPH2a、PH2bを示す。
【0057】
以下の信号が示されている。
−周期Tpでのフォトダイオードからの中央ノードへの電荷の転送を制御するTRAと、同じく周期Tpでの下流および上流ノードへの転送を制御するTRA’であり、信号TRA’は信号TRAに関してTp/2だけシフトされている。
−相互に関してTp/2だけシフトされた周期TpのRSTとRST’ゼロ化信号
−周期Tp/2の、所望に応じて採用可能なGR。信号GRの終端は信号TRAの終端に関して、および信号TRA’の終端に関して、時間的に同じ点を有する。
−中央蓄積ノードが列導体CCに接続されている状態で、リセット電位の測定のためか、照明による電位の測定のためかを問わず、行1〜Nを選択する信号であるSEL〜SEL
−ここでも再び、リセット電位の測定のためか、照明による電位の測定のために、下流蓄積ノードが列導体に接続されている状態で、行1〜Nを選択する連続信号であるSEL’1〜SEL’N。
−それぞれの変換回路CONV〜CONVの第一のコンデンサへのリセット電位レベルをサンプリングする信号であるSHR〜SHR。これらの信号は行選択信号に対応して生成され、回路CONVの信号SHRは、信号SELが階層iの行の中央ノードを選択した時に発生され、信号SEL’iがこの行の下流ノードを選択するともう一度発生され、したがって、(同じコンデンサへの)リセットレベルのサンプリングは各変換回路において1サイクルで2回行われる。
−それぞれの変換回路CONVからCONVの第二のコンデンサへの照明による電位レベルをサンプリングする信号であるSHS〜SHS。これらの信号もまた、行選択信号に対応して生成され、回路CONVの信号SHRは、信号SELが階層iの行の中央ノードを選択した時に発生され、信号SEL’iがこの行の下流ノードを選択するともう一度発生され、したがって、(同じコンデンサへの)有用電位レベルのサンプリングは各変換回路において1サイクルで2回行われる。
−最終行のサンプリング信号SHSの後に全変換回路に同時に供給される変換制御信号であるCONV。変換回路信号は、電圧ランプとカウンタによるカウントをトリガし、変換は1サイクルに2回、すなわち1回目は全中央ノードの有用電位のサンプリング後、次に、下流ノードの有用電位のサンプリング後に行われる。
−最後に、全変換器に共通する信号SHIFTであり、これによって階層i−1の変換器の値を階層iの変換器のカウンタに転送して、このカウンタを、階層iの変換器と同じ画像部分を見ていた階層1〜i−1の行の変換結果の累積合計を表す数値で初期化し、変換によって生成される結果は、この初期値に加算される。
【0058】
各段階内の電荷積分時間はTp/2または、Tp/2より小さい時間Tint/2のいずれかであり、この信号の使用時に信号GRの位置を調整することによって調整可能である。信号GRの終端は、全画素の積分時間の開始を定める。パルスTRAとTRA’の終端はそれぞれ第一および第二段階の積分時間の終了を定め、これは、これらの信号がフォトダイオードの内容を蓄積ノードへと明け渡すからである。信号GRが使用されない場合、パルスTRAまたはTRA’の終端はまた、新しい積分時間の開始点も定める。
【0059】
周期的2段階サイクルは、以下のように進む。
第一段階PH1a
−a)時間Tint/2中のフォトダイオード内の電荷の積分。この時間中、変換器は先行する段階中にサンプリングされた信号を変換する。
−b)先行するサイクルの信号が変換されている、積分時間Tint/2の終了に向かって、信号SHIFTは、全変換回路について、階層i−1のカウンタの中に蓄積された結果を階層iのカウンタに転送して、これらの結果に応じてカウンタを初期化した後に、新しい変換を行う。
−c)信号SHIFTの前、中、または後に、積分時間の終了に向かって、全中央蓄積ノードの電位をリセットするためにグローバル信号RSTが発生される。
−d)信号RSTの後に、行1〜Nの中央蓄積ノードが信号SEL〜SELによって連続的に選択され、列導体は毎回、それぞれのリセット電位を受け取り、サンプリング信号SHR〜SHRは毎回、これらの電位を対応する変換器の第一のコンデンサにサンプリングし、信号SEL’は非活性状態のままである。
−e)信号TRAが発生され、全ダイオードの電荷を中央ノードに転送し、制御信号TRA’は非活性状態のままである。
−f)信号TRAの後に、列1〜Nの中央蓄積ノードがもう一度、信号SEL〜SELによって連続的に選択され、列導体は毎回、中央貯蓄積ノードの中に蓄積された電荷を表す有用電位を受け取り、サンプリング信号SHR〜SHRは毎回、これらの有用電位を対応する変換器の第二のコンデンサにサンプリングし、信号SEL’は非活性状態のままであり、したがって、有用電位は、そのリセット電位が事前にサンプリングされたノードに電荷が転送された後にサンプリングされ、その結果、本当の意味での相関二重サンプリングが可能となる。
−g)リセット電位と有用電位のすべてがサンプリングされた後に、変換制御信号CONVが全変換器に同時に印加され、この制御信号は、カウンタの電圧ランプとカウンティングをトリガし、カウンタの増分の量は変換器にサンプリングされた電位差に依存する。
【0060】
ステップfとgは上と下で段階PH1aの一部を成すと考えられ、それは、これらが段階PH1a中に積分される電荷に関するからであるが、これらのステップは第二段階PH1bが始まった後、すなわち、フォトダイオードの電荷の積分が、転送信号TRAの終端後に再開した後も継続する。したがって、2段階は同一であるが、幾分重複する。
【0061】
第二段階PH1b
第二段階も同様に進むが、中央ノードではなく下流ノードに関連する。したがって、第二段階では、信号TRAが非活性状態となって、信号TRA’に取って代わられ、信号SEL〜SELが非活性状態となり、信号SEL’〜SEL’に取って代わられる。
【0062】
さらに、第一段階と異なり、信号SHIFTは発生されず、すなわち、カウンタがリセットされない。これらは、第一段階で積分された電荷の変換の終了時に取得された結果を保持し、したがって、第二段階PH1bで生成された電荷の変換によって、第一段階で得られた結果から、カウンタが進められる。信号SHIFTがもう一度発生されるのは、この第二の変換が終了してからのみである。
【0063】
階層Nの変換回路CONVは、N個の連続的サイクルでN個の変換回路によって見られ、同じ画像部分に対応する照度測定結果を蓄積する。これらは全体的測定結果を供給する。この結果は、周期Tpで出力される。
【0064】
本発明による構造により生成されるノイズは、2つの隣接するフォトダイオードが常にその電荷を自己の蓄積ノードに転送する従来の構造により生成されるものより小さい。具体的には、本発明の構造での転送はノイズを発生させずに電荷を加算し、ノイズを発生させるデジタル加算がこのアナログ電荷加算の後でのみ実行される。
【0065】
上記では、下流蓄積ノードと中央蓄積ノードの各々がリセットトランジスタ、読み出しトランジスタ、行選択トランジスタに関連付けられると考えた。このために、下流ノードには、中央ノードの行選択信号SELとは異なる行選択信号SEL’を必要となった。しかしながら、若干異なる解決策も想定され、すなわち、依然として各フォトダイオードの側面に位置する異なる蓄積ノードと上述のような別の信号TRAとTRA’を提供しながら、2つのノードが導電体を介して電的に接続されるようになされていてもよい(この導体は、実際には集積回路内のn型拡散である2つのノードと接触する)。この変形の実施形態が図7に示されており、その中では中央ノードNDCと下流ノードNDEが導体によって接続されていることが示されている。
【0066】
次に、一方が電荷を受け取るが、他方は受け取らない、2つの物理的に異なるノードが、電気的に言えば、これらが同時にリセットされ、同時に読み出されるという点で共通ノードとなる。
【0067】
段階PH1aでは、2つのノードが、1つの信号RSTによって制御される1つのリセットトランジスタによって同時にリセットされ、それらの共通のリセットレベルがサンプリングされ(SELを発信し、同時にSHRを発信する)、次に、2つのフォトダイオードの電荷が信号TRAによってあるノードに転送され(ここでは、このノードの側面に位置する2つのフォトダイオードから電荷を受け取る中央ノード)、段階PH1bでは、フォトダイオード内で引き続き電荷が積分され、その後、途中リセットされずに、信号TRA’によって共通ノードに再び転送される(ここでは、その側面に位置する2つのフォトダイオードから電荷を受け取る下流ノード)。これら2つの段階で受け取られた電荷は共通の蓄積ノード内でアナログ式に(ノイズを発生させずに)加算され、この加算の後で初めてデジタル化される。したがって、各期間Tpでは1回の変換が行われ、それによってノイズが低減し、変換器の速度の制約が緩和される。
【0068】
共通ノードでそこから得られる電位が、2つの接続されたノードに共通の読み出しトランジスタと選択トランジスタ(SEL)によって列導体に印加され、この電位がパルスSHSによってSELと同時にサンプリングされる。選択導体SEL’はない。
【0069】
この実施形態で、タイミングチャートは図8に示されるものとなり、図6との相違は以下のとおりである。
−周期Tp/2のリセット信号RSTが1つのみ、TRA’の前ではなく、信号TRAの前にある。
−信号SHRとその信号に続く信号SHSの周期はTp/2ではなくTpであり、信号SHRはパルスRSTに続き、かつ信号TRAの前にあり、信号SHSはパルスTRA’に続く。
−信号SEL〜SELはそれぞれ、信号SHR〜SHRおよび、信号SHS〜SHSと同期し、信号SEL’はない。
−変換パルスの周期はTp/2ではなくTpであり、最後の信号SHSに続く。
【0070】
ここでも、積分時間が調整可能なグローバルシャッタ動作モードと本当の意味での相関二重サンプリング読み出しが可能となる。
【0071】
図3〜8の説明は2段階で周期的に動作するセンサに関しているが、段階数がこれより多いと想定することも可能である。略正方形の画素がより多くの数のフォトダイオードに分割され、画素のフォトダイオード間の複数の中央蓄積ノードと、さらに、下流の画素と共有される下流蓄積ノードと上流の画素と共有される上流蓄積ノードがある。
【0072】
次に、変換回路は、所与の段階で複数の蓄積ノードリセット電位値と複数の有用電位値をサンプリングできることが必要となり、回路は各変換ステップで複数回の変換を実行する(各段階に1つの変換ステップがある)。より正確には、P個の段階がある場合、1段階でP−1個のリセット値とP−1個の有用値をサンプリングし、P−1個の電位差を別々に変換することが必要であり、P−1回の変換の結果がデジタルで加算される。
【0073】
たとえば、3段階があれば、各画素内の3つのフォトダイオードと、1つの共有の下流蓄積ノード、1つの共有の上流蓄積ノードと、下流中央ノードと上流中央ノードと呼ぶことのできる2つの中央蓄積ノードがある。
【0074】
次に、蓄積ノードの使用は循環置換され、それによって電荷がフォトダイオードから、これらの段階中に同じ画像部分を見るフォトダイオードの電荷を段階ごとに異なるノード群へと転送する傾向のある方向へと転送されることになる。P−1個のノードが使用され、P番目のノードは使用されず、このノードは循環置換される。
【0075】
1段階の代わりに2段階を使用した時に0.64から0.90へと増大する変調伝達関数は、3段階によってさらにいっそう改善され、0.95に到達する。
【0076】
4段階構造もまた使用でき、これによって変調伝達関数はさらに改善するが、得られる改善幅は、段階数が増えるにつれて徐々に小さくなる。4段階の場合の関数の理論値は0.97であり、得られる改善幅はわずか約2%である。
【0077】
図9は3段階構造を示しており、略正方形の画素1つに3つのフォトダイオードPPDa、PPDb、PPDcがある。図10は、図4と同じ原理に従って、3つの段階PH1a、PH1b、PH1cでの画像撮影の概略を示し、使用されないノードが上流から下流に循環置換されることを示している。
【0078】
図11は3段階動作のタイミングチャートを示し、これには1つの画素の3つの蓄積ノードの各々に関連付けられ、全画素に共通する転送信号TRA、TRA’、TRA’’と、1つの画素のノードの各々に関連付けられ、全画素に共通するリセット信号RST、RST’、RST’’と、1つの画素のノードの各々に関連付けられ、1〜Nの各画素に固有の行選択信号SEL、SEL’、SEL’’と、が関わる。サンプリング信号SHR、SHSは図画が複雑とならないように示されていないが、これらは行選択信号と同期され、当然のことながら、各段階では3つのうちの2つの蓄積ノードが隣接するフォトダイオードから電荷を受け取るため、各段階で2つのサンプリング動作群と2つの変換動作群が実行される。これらのサンプリングは、列導体が1つしかない場合、連続して行われる。変換信号CONVは、2つのアナログ電位差の同時変換を制御する信号である。したがって、これは各段階においてTp/3の周期で繰り返される。信号SHIFTは、変換回路のカウンタを先行するサイクルの終了時の先行する階層のカウンタの値に初期化する。これは、Tpの周期で発生される。
【0079】
各段階に2つの同時のリセット信号があり、3つ目は非活性状態であり、段階が変わる時に循環置換が行われる。同様に、2つの同期の転送信号があり、3つ目は非活性状態のままである。行選択信号に関しては、1つの列導体しかなければ、これらは同時となりえず、この場合、相互に連続し、信号群SEL’〜SEL’が信号群SEL〜SELに続く。ここで再び、各段階は2つの信号群、たとえばSEL〜SELとSEL’〜SEL’を使用し、3番目は非活性状態のままであり、他の段階では循環置換が行われる。
【0080】
階層iの変換回路によって読み出される階層iの画素について、
段落1:まず、階層iの画素の上流ノードと上流中央ノードがリセットされ、2つのリセット電位が行ごとにサンプリングされ、次に、フォトダイオードからこれら2つのノードへの電荷の転送が可能となり(2つのノード間のフォトダイオードの電荷は2つのノード間で共有される)、これらのノードの有用電位が行ごとにサンプリングされ、2つの電位差が同時または連続的に、同じ画像部分を見ていた先行する画素から事前に初期化されていた階層iの変換回路の中で変換され、下流中央ノードは使用されず、電荷を受け取らない。
【0081】
段階2:2つの中央ノードがリセットされ、2つのリセット電位が、段階1後にリセットされていない同じ変換回路にサンプリングされ、次にフォトダイオードから当該の2つのノードへの電荷の転送が可能となり(これら2つのノードに隣接するフォトダイオードの電荷が共有される)、もう一度、2つのサンプルの差か変換回路にサンプリングされ、その中で変換され、上流ノードは使用されないままである。
【0082】
段階3:同じであるが下流中央ノードと下流ノードが使用され、上流中央ノードは使用されない。したがって、使用されないノードは循環置換される。
【0083】
段階3の後に、階層iの変換器の中に蓄積されたカウント結果が、全画素について同時に、階層i+1の変換器のカウンタに転送されて、必要な累積合計が得られる。
【0084】
それゆえ、第一段階PH1aの中で、インデックスiのついた3つの隣接する蓄積ノードを考えると、
−信号RSTの後に得られる第一の蓄積ノードのリセットレベルが、第一の選択パルスSEL中にサンプリングコンデンサにサンプリングされる。
−次に、RSTと同時の信号RST’に続いて得られる第二のノードのリセットレベルが、選択パルスSEL’の間に他のコンデンサにサンプリングされる。
−次に、他のパルスSELと別のパルスSEL’の間に有用レベルが2つの他のコンデンサに(同時の転送パルスTRAとTRA’の後に)蓄積される。
−次に、4つのコンデンサ内に蓄積されたサンプルに基づいて、2回のアナログ/デジタル変換が実行される。
【0085】
次の段階で、工程は第二と第三の蓄積ノードから、リセット信号RSTとRST’の代わりにRST’とRST’、選択信号SELとSEL’の代わりにSEL’とSEL’’、同時転送信号TRAとTRA’の代わりにTRA’とTRA’’等々を使って再開される。
【0086】
あとは循環置換を用いて、第三段階と同様である。
【0087】
カウンタは3段階の新しい周期的サイクルの各々でのみリセットされ、すなわちここでは、段階PH1aで積分された電荷の変換前である。
【0088】
本発明による画像センサは2方向に機能可能な構造を有し、すなわち、画像の移動方向を、TDI動作の利益を失うことなく、逆転することができ、次に、たとえば、カウンタの接続を逆転させるか、または階層iの画素を階層N−iの変換器に関連付けるようにする必要があることがわかるであろう。
【0089】
所望に応じて、Nより少ない画素数nについて電荷を累積させるように選択してもよい。次に、n個の周期の後でカウンタをゼロにし、n番目のカウンタからの出力結果を読み出すことが必要となる。
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