特許第6068560号(P6068560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068560
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】自転車用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20170116BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20170116BHJP
【FI】
   B62M6/45
   B62M6/50
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-113013(P2015-113013)
(22)【出願日】2015年6月3日
(62)【分割の表示】特願2014-128926(P2014-128926)の分割
【原出願日】2014年6月24日
(65)【公開番号】特開2016-8044(P2016-8044A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2015年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼本 隆一朗
(72)【発明者】
【氏名】高 俊
(72)【発明者】
【氏名】加藤 歩美
(72)【発明者】
【氏名】臼井 真
(72)【発明者】
【氏名】西原 大平
(72)【発明者】
【氏名】土澤 康弘
【審査官】 佐々木 芳枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−144061(JP,A)
【文献】 特開2013−075592(JP,A)
【文献】 特開2000−095180(JP,A)
【文献】 特開2013−223399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45
B62M 6/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動をモータによって補助可能な駆動ユニットを制御する自転車用制御装置であって、
操作部と、
前記操作部を操作すると、前記駆動ユニットを駆動する制御部と、
前記モータの回転速度に基づいて、自転車の車速を推定する車速推定部と、
前記自転車の車輪の回転状態に基づいて、前記自転車の車速を求める車速検出部と、を備え、
前記制御部は、前記自転車の速度が第1の速度域のとき、前記車速推定部によって推定した速度に基づいて前記駆動ユニットを駆動し、前記自転車の速度が前記第1の速度域よりも高い第2の速度域のとき、前記車速検出部によって求めた速度に基づいて、前記駆動ユニットを駆動する、自転車用制御装置。
【請求項2】
前記自転車に設けられる変速機の状態を検出する変速状態検出部をさらに備え、
前記車速推定部は、前記変速状態検出部によって検出された変速機の状態と、前記モータの回転速度と、車輪の周長に関する情報とに基づいて、前記自転車の車速を推定する、請求項1に記載の自転車用制御装置。
【請求項3】
前記変速状態は、変速比または変速段である、請求項2に記載の自転車用制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記自転車の速度が前記第2の速度域を超えると、前記駆動ユニットの駆動を停止する、請求項1から3のいずれか1項に記載の自転車用制御装置。
【請求項5】
前記車速検出部は、前記自転車の車輪に設けられる磁石と、この磁石を検出する磁石検出部とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の自転車用制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記操作部が操作されて、前記駆動ユニットを駆動しているときに、前記モータの出力トルクが、予め定めるトルクを超えないように前記駆動ユニットの出力トルクを制限する、請求項1から5のいずれか1項に記載の自転車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、特に、人力駆動をモータによって補助可能な駆動ユニットを制御する自転車用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動をモータによって補助可能な駆動ユニットを制御する制御装置において、押し歩き時にモータを駆動可能な制御装置が従来知られている(たとえば、特許文献1参照)。従来の制御装置では、押し歩き操作部の操作中はモータを駆動し、操作が解除されるとモータを停止する。また、従来の制御装置では、自転車の走行速度を検出し、押し歩きのときには、車速が時速5Km以下になるようにモータが制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−263290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の制御装置では、押し歩きのための専用の押し歩き操作部が必要になり、押し歩き操作部と、走行時に人力駆動力を補助する通常のアシスト操作部との2つの操作部が必要になる。
【0005】
また、従来の制御装置では、車速センサによって検出された車速によって車速が時速5Kmを超えないようにモータを制御する。自転車に設けられる車速センサは、車輪に設けられる磁石を検出する磁石検出部を有する。このような構成の車速センサでは、たとえば、時速3Km以下の速度では、磁石検出部から出力される時間当たりのパルス数が少ないため、車速を精度よく検出しにくい。このため、従来の制御装置では、押し歩きのためのモータの制御を精度よく行えない。
【0006】
本発明の課題は、簡素な構成で押し歩きのときにモータを駆動することができるようにすることにある。
【0007】
本発明の別の課題は、自転車の車速が低速であっても押し歩きときのモータの制御を精度よく行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自転車用制御装置は、人力駆動をモータによって補助可能な駆動ユニットを制御する装置である。自転車用制御装置は、操作部と、制御部と、を備える。操作部は、第1の操作方法および第2の操作方法によって操作可能である。第1の操作方法で操作部を操作すると、制御部は、駆動ユニットを駆動することなく予め定める機能の設定状態を変更する。第2の操作方法で操作部を操作すると、制御部は、駆動ユニットを駆動する。
【0009】
この自転車用制御装置では、操作部を第1の操作方法で操作すると、制御部は、第予め定める機能の設定状態を変更する。予め定める機能の設定状態としては、たとえば、駆動ユニットを駆動しない設定状態、人力に応じてモータが補助する補助力のレベルの設定状態等が挙げられる。第2の操作方法で操作部を操作すると、駆動ユニットが駆動されて、車両に推進力を与えるので、押し歩き時にはユーザの負荷が低減される。ここでは、一つの操作部を異なる操作方法によって操作することによって、駆動ユニットを駆動することなく機能の設定状態の変更と、駆動ユニットの駆動と、選択的に行える。このため、簡素な構成でアシスト制御できるようになる。
【0010】
制御部は、第2の操作方法で操作部が操作されている間、駆動ユニットを駆動してもよい。この場合には、第2の操作方法で操作部を操作するのを止めると、駆動ユニットが停止する。
【0011】
制御部は、第2の操作方法で操作部が操作されたとき、駆動ユニットの駆動を開始してもよい。この場合には、第2の操作方法で操作することによって駆動ユニットが駆動を開始する。ここでは、駆動ユニットを駆動し続けるために操作部を操作し続ける必要がない。
【0012】
制御部は、第2の操作方法で操作部が操作されて、駆動ユニットを駆動しているときに、操作部が操作されると、駆動ユニットの駆動を停止してもよい。
【0013】
操作部が所定時間未満操作されると、制御部は、第1の操作方法で操作部を操作されたと判断し、操作部が所定時間以上操作されると、制御部は、第2の操作方法で操作部を操作されたと判断してもよい。この場合には、いわゆる長押し操作と短押し操作とによって、第1の操作方法と第2の操作方法とを実施できる。
【0014】
第1の操作方法で操作部を操作すると、制御部は、人力に応じてモータが補助する補助力のレベルを変更してもよい。この場合には、補助力のレベルの変更とモータの駆動とを、一つの操作部で実施できる。
【0015】
自転車用制御装置は、人力駆動力を検出可能な人力駆動力検出部をさらに備えてもよい。制御部は、第2の操作方法で操作部が操作されて、駆動ユニットを駆動しているときに人力駆動力検出部が所定以上の人力駆動力を検出した場合、駆動ユニットの駆動を停止してもよい。この場合には、たとえば押し歩きのためにモータを駆動しているときに、使用者が自転車に乗車してペダルをこいで人力駆動力が所定以上大きくなると、駆動ユニットが停止する。
【0016】
自転車用制御装置は、駆動ユニットを備える自転車のクランクの回転状態を検出するクランク回転状態検出部をさらに備えてもよい。制御部は、第2の操作方法で操作部が操作されて、駆動ユニットを駆動しているときにクランク回転状態検出部が所定回転状態を検出すると、駆動ユニットの駆動を停止してもよい。この場合には、たとえば押し歩きのためにモータを駆動しているときに、使用者が自転車に乗車してペダルをこいでクランク回転状態が所定回転状態になると、駆動ユニットが停止する。
【0017】
自転車用制御装置は、駆動ユニットを備える自転車の車速を検出する車速検出部をさらに備えてもよい。制御部は、速度検出部の検出結果に基づいて、所定以下の車速となるように駆動ユニットを制御してもよい。この場合には、自転車の車速が所定以下の車速となるように、駆動ユニットが制御されるので、たとえば、押し歩きのためにモータを駆動しているときに、使用者の歩行速度内で自転車を走行させることができる。
【0018】
本発明の別の発明に係る自転車用制御装置は、人力駆動をモータによって補助可能な駆動ユニットを制御する装置である。自転車用制御装置は、操作部と、制御部と、車速推定部と、速度検出部と、を備える。制御部は、操作部を操作すると、駆動ユニットを駆動する。車速推定部は、モータの回転速度に基づいて、自転車の車速を推定する。速度検出部は、自転車の車輪の回転状態に基づいて、自転車の車速を求める。制御部は、自転車の速度が第1の速度域のとき、車速推定部によって推定した速度に基づいて駆動ユニットを駆動し、自転車の速度が第1の速度域よりも高い第2の速度域のとき、車速検出部によって求めた速度に基づいて、駆動ユニットを駆動する。
【0019】
この自転車用制御装置では、自転車に設けられる車速検出部が、車輪の回転状態によって車速を検出する場合、第2の速度域よりも低い第1の速度域で自転車が走行すると、車輪の回転速度が低いため、車速を精度よく検出できないことがある。そこで、モータの回転速度と、変速比とを考慮して車速を推定することによって、自転車が第1の速度域で走行しても、車速を精度よく推定できる。このため、自転車の車速が低速であっても、モータを精度良く駆動させるようになる。
【0020】
自転車用制御装置は、自転車に設けられる変速機の状態を検出する変速状態検出部をさらに備えてもよい。車速推定部は、変速状態検出部によって検出された変速機の状態と、モータの回転速度と、車輪の周長に関する情報とに基づいて、自転車の車速を推定してもよい。この場合には減速機によって減速されたモータの回転速度と、変速機の変速状態(たとえば、変速比又は変速段)と、車輪の周長によって、自転車の車速を低速走行時であっても精度よく推定できる。
【0021】
変速状態は、変速比または変速段であってもよい。この場合には、外装変速装置では、フロントスプロケットおよびリアスプロケットの歯数によって定まる変速比、内装変速装置では変速段によって定まる変速比によって、モータの回転速度に基づいて車速を精度よく推定できる。
【0022】
制御部は、自転車の速度が第2の速度域を超えると、駆動ユニットの駆動を停止してもよい。
【0023】
速度検出部は、自転車の車輪に設けられる磁石と、この磁石を検出する磁石検出部とを含んでもよい。この場合には、第2の速度域だけで速度検出部が検出した車速で駆動ユニットが制御される。このため、低速時の速度検出性能が劣るが安価な速度検出部を用いても、精度よくモータを駆動することできる。
【0024】
制御部は、第2の操作方法で操作部が操作されて、駆動ユニットを駆動しているときに、モータの出力トルクが、予め定めるトルクを超えないように駆動ユニットの出力トルクを制限してもよい。この場合には、たとえば、押し歩きのときに速度に基づいてモータを駆動しても、モータの出力トルクが制限される。このため、押し歩きのためにモータを駆動して坂道を登るときに、自転車が使用者の歩く速度よりも速い速度で駆動されにくくなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡素な構成でアシスト制御できるようになる。
【0026】
本発明の別の発明によれば、押し歩きのために駆動ユニットを駆動するとき、自転車の車速が低速であってもモータ制御を精度よく行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態による自転車用制御装置の構成を示すブロック図。
図2】制御ユニットの制御手順の一例を示すフローチャート。
図3】制御ユニットの第1実施形態によるスイッチ処理の制御手順の一例を示すフローチャート。
図4】モータ出力トルクを制限する処理を示すフローチャート。
図5】本発明の第2実施形態による自転車用制御装置の構成を示すブロック図。
図6】制御ユニットの第2実施形態によるスイッチ処理の制御手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る自転車用制御装置(以下、単に制御装置と記す。)10は、人力駆動をアシストモータ36によって補助可能な駆動ユニット34を制御する。制御装置10は、制御ユニット12と、スイッチ20、ケイデンスセンサ22、トルクセンサ24、車速センサ26、段数センサ28、および記憶部38と、を備える。スイッチ20、ケイデンスセンサ22、トルクセンサ24、車速センサ26、段数センサ28、および記憶部38は、制御ユニット12に接続されている。制御ユニット12は制御部の一例である。スイッチ20は、操作部の一例である。ケイデンスセンサ22は、駆動ユニット34を備える自転車のクランクの回転状態を検出するクランク回転状態検出部の一例である。トルクセンサ24は、人力駆動力を検出可能な人力駆動力検出部の一例である。車速センサ26は車速検出部の一例である。段数センサ28は、変速状態検出部の一例である。制御装置10、アシストモータ36および表示器32は、図示しないバッテリに接続されている。
【0029】
スイッチ20は、第1実施形態では、たとえば押しボタンスイッチであり、押下操作している時間だけ、たとえばオンする。ケイデンスセンサ22は、図示しない自転車のクランク軸の回転速度を検出する。トルクセンサ24は、クランクに作用するトルクTを人力駆動力として検出する。車速センサ26は自転車の車速SVを検出する。車速センサ26は、自転車の車輪に設けられる少なくとも一つの磁石26aと、この磁石26aを検出する磁石検出部26bと、を有する。段数センサ28は、自転車に設けられる変速機の変速状態を検出する。変速機が内装変速機の場合は、段数センサ28は、変速段または変速比を検出する。変速機が外装変速機の場合は、段数センサ28は、フロントディレイラおよびリアディレイラのそれぞれの変速位置、または、フロントディレイラおよびリアディレイラの変速位置における変速比を検出する。記憶部38は、各種のデータを記憶する。記憶部38は、たとえば不揮発メモリで構成される。記憶部38は、スイッチ20の状態をスイッチ20が操作される毎に記録するためのスイッチ状態記録部38aを有する。
【0030】
制御ユニット12には、制御対象として表示器32および駆動ユニット34が接続される。表示器32は、たとえば、サイクルコンピュータによって実現されてもよい。表示器32は、車速、アシストレベル、アシストモードの種類(後述する、押し歩きアシストモードおよび通常アシストモード)、変速機の段数などの情報を表示可能な、たとえば液晶ディスプレイである。駆動ユニット34は、アシストモータ36を有し、人力駆動をアシストモータ36によって補助する。アシストモータ36は、電気モータである。駆動ユニット34は、クランクに作用する人力駆動力に応じてアシストモータ36を駆動する通常アシストモードと、押し歩き時に自転車の走行を補助する押し歩きアシストモードの少なくとも二種のアシストモードで動作可能である。アシストレベルは、たとえは複数段階設けられる。アシストレベルは、たとえば4段階設けられる場合、強アシストレベル、中アシストレベル、弱アシストレベル、およびゼロアシストレベルを含む。ゼロアシストレベルでは、モータユニット34を駆動せず、アシストが行われない。
【0031】
制御ユニット12は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インターフェース、タイマ等を有するマイクロコンピュータによって構成される。制御ユニット12は、ソフトウェアで実現された機能構成として、モータ回転速度推定部12a、モータ出力トルク検出部12b、および車速推定部12cを有する。モータ回転速度推定部12aは、制御ユニット12が駆動ユニット34に出力するモータ回転速度指令に基づいてアシストモータ36の回転速度MSを推定する。モータ出力トルク検出部12bはアシストモータ36に流れる電流値によって、アシストモータ36の出力トルクMTを検出する。車速推定部12cは、段数センサ28によって検出された変速比と、アシストモータ36の回転速度MSと、段数センサ28から得られる変速機の変速比と、車輪の周長に関する情報と、に基づいて、自転車の車速MVを推定する。なおアシストモータ36の回転速度MSは、駆動ユニット34内に遊星歯車機構などの減速機構が含まれる場合は、減速機構の減速比も考慮して推定される。
【0032】
制御ユニット12は、第1の操作方法で使用者がスイッチ20を操作すると、駆動ユニット34を駆動することなく予め定める機能の設定状態を変更する。第1の操作方法は、たとえば、スイッチ20のn秒未満の押下操作である。第1実施形態では、たとえば、n秒は2秒以上である。使用者がスイッチ20を第1の操作方法で操作すると、制御ユニット12は、人力駆動力に応じてアシストモータ36が補助する補助力のレベルを変更する。アシストモータ36が補助する補助力のレベルを変更は、予め定める機能の設定状態を変更の一例である。また、使用者がスイッチ20を第2の操作方法で操作すると、制御ユニット12は、駆動ユニット34を駆動する。第2の操作方法は、たとえば、スイッチ20のn秒以上の押下操作である。
【0033】
第1実施形態では、第1の操作方法でスイッチ20が操作されたとき、制御ユニット12は、たとえば、通常アシストモードにおいて、人力駆動力に応じてアシストモータ36が補助する補助力のレベルを変更する。また、第2の操作方法でスイッチ20が操作されると、スイッチ20が操作されている間、制御ユニット12は、押し歩きアシストモードで駆動ユニット34を駆動する。さらに、制御ユニット12は、第2の操作方法でスイッチ20が操作されて、駆動ユニット34を駆動しているときに、スイッチ20の操作が終わると、押し歩きアシストモードでの駆動ユニット34の駆動を停止する。
【0034】
つぎに、制御ユニット12の第1実施形態の具体的な制御動作の一例を、図2図3および図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、第1実施形態の処理手順は、図2図3および図4に限定されない。
【0035】
図2において、制御装置10に電源が投入されると、ステップS1において、制御ユニット12は、図3に示すスイッチ処理を実行する。スイッチ処理では、スイッチ20が操作されるごとに、スイッチ20の状態が記憶部38のスイッチ状態記録部38aに記録される。スイッチ処理の詳細については後述する。
【0036】
図2のステップS2では、制御ユニット12は、スイッチ処理によって押し歩きアシストモードが設定されたか否かを判断する。押し歩きアシストモードに設定されたと判断すると、制御ユニット12は、ステップS2からステップS3に処理を進める。ステップS3では、制御ユニット12は、ケイデンスセンサ22からの出力を取り込み、ケイデンスCが所定回転状態であるか否かを判断する。所定回転状態は、たとえば、クランクが所定回転速度CS以上に回転した状態であり、使用者がサドルに座ってクランクを回していると判断できる状態である。所定回転速度CSは、たとえば、1〜5rpmに選ばれる。ケイデンスCが所定回転状態ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS3からステップS4に処理を進める。ステップS4では、制御ユニット12は、トルクセンサ24からの出力を取り込み、クランク軸に作用するトルク(人力駆動力)Tが所定トルクTS以上であるか否かを判断する。所定トルクTSは、使用者がサドルに座ってクランクを回していると判断できるトルクである。所定トルクTSは、たとえば、0.1−0.2Nmに選ばれる。トルクTが所定トルクTS以上ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS4からステップS5に処理を進める。
【0037】
ステップS5では、制御ユニット12は、段数センサ28に異常が発生しているか否かを判断する。段数センサ28に異常が発生すると、低速時にモータ回転速度MSに基づいて自転車の車速を精度よく推定できない。制御ユニット12は、段数センサ28に異常が発生していないと判断すると、ステップS5からステップS6に処理を進める。ステップS6では、制御ユニット12は、車速センサ26に異常が発生している否かを判断する。車速センサ26に異常が発生していないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS6からステップS7に処理を進める。ステップS7では、車速センサ26からの検出値を車速SVとして読み込む。ステップS8では、制御ユニット12は、車速センサ26が検出した車速SVが第1の速度S1以上であるか否かを判断する。第1の速度S1は、たとえば時速3kmである。時速0km以上、かつ第1速度S1未満が第1の速度域である。車速センサ26で検出された車速SVが第1の速度S1以上である判断すると、車速センサ26で正確な車速を検出できるため、制御ユニット12は、ステップS8からステップS9に処理を進める。ステップS9では、制御ユニット12は、車速センサ26が検出した車速SVが第2の速度S2以上であるか否かを判断する。第2の速度S2は、押し歩きアシストモード時の最大速度であり、たとえば時速5kmである。第1速度S1以上、第2速度S2未満が第2の速度域である。車速センサ26で検出された車速SVが第2の速度S2以上であると判断すると、押し歩きアシストモード時の速度として速すぎるため、制御ユニット12は、ステップS9からステップS10に処理を進め、アシストモータ36を停止する。一方、車速センサ26で検出された車速SVが第2の速度S2未満であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS9からステップS11に処理を進め、アシストモータ36を駆動し、ステップS1に処理を進める。具体的には、アシストモータ36が駆動していないときには駆動を開始し、駆動しているときにはそのまま駆動する。
【0038】
ステップS8において、車速センサ26で検出された車速SVが第1の速度S1未満であると制御ユニット12が判断すると、車速センサ26で正確な車速を検出できないため、制御ユニット12は、ステップS8からステップS12に処理を進める。ステップS12では、モータ回転速度推定部12aが推定したモータ回転速度MSと、現在の変速機の変速段または変速比と、車輪の周長と、によって、制御ユニット12は、自転車の車速MVを推定する。ステップS13では、制御ユニット12は、推定した車速MVが第1の車速S1以上であるか否かを判断する。推定した車速MVが第1の速度S1未満であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS13からステップS11に処理を進め、アシストモータ36を駆動する。推定した車速MVが第1の速度S1以上であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS13からステップS9に処理を進める。
【0039】
ステップS5において、段数センサ28に異常が発生していると判断すると、制御ユニット12は、ステップS5からステップS16に処理を進める。ステップS16では、制御ユニット12は、前述したステップS7と同様な処理を行い、車速センサ26からの検出値を車速SVとして読み込む。そして、制御ユニット12は、ステップS16からステップS9に処理を進める。
【0040】
ステップS6において、車速センサ26に異常が発生していると判断すると、制御ユニット12は、ステップS6からステップS14に処理を進める。ステップS14では、モータ回転速度推定部12aが推定したモータ回転速度MSと、変速機の最高速の変速段または最も高い変速比と、車輪の周長と、によって、制御ユニット12は、自転車の車速MVを推定する。これは、車速センサ26が正常に動作しないため、制御ユニット12は、現在の変速比ではなく最も高い変速比を用いて車速MVを推定することによって、実際の変速段または変速比が分からなくても、推定した車速が実際の車速を超えてしまうことがない。ステップS15では、制御ユニット12は、推定した車速MVが第2の速度S2以上であるか否かを判断する。推定した車速MVが第2の速度S2以上と判断すると、押し歩きアシストモード時の速度として速すぎるため、制御ユニット12は、ステップS15からステップS10に処理を進め、アシストモータ36を停止する。推定した車速MVが第2の速度S2未満であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS15からステップS11に処理を進め、アシストモータ36を駆動する。
【0041】
ステップS2において、押し歩きアシストモードではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS2からステップS17に処理を進める。ステップS17では、制御ユニット12は、通常アシスト処理を実行し、ステップS1に処理を進める。通常アシスト処理では、制御ユニット12は、トルクセンサ24が検出したトルクTに応じて、スイッチ20によって選択されたアシストレベルでアシストモータ36を駆動する。
【0042】
図3のスイッチ処理では、ステップS21において、制御ユニット12は、スイッチ20の現在のスイッチ状態を読み込む。ステップS22では、制御ユニット12は、現在のスイッチ状態が押下状態か否かを判断する。スイッチ20の現在のスイッチ状態が押下状態であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS22からステップS23に処理を進める。ステップS23では、制御ユニット12は、記憶部38のスイッチ状態記録部38aから前回のスイッチ状態を読み出し、前回記録されたスイッチ状態が押下状態であったか否かを判断する。前回も押下状態であったと判断すると、制御ユニット12は、ステップS23からステップS24に処理を進める。ステップS24では、制御ユニット12は、スイッチ20の押下時間を計測し、ステップS25に処理を進める。ステップS25では、制御ユニット12は、押下時間がn秒を超えたか否か、すなわち第2の操作方法で使用者がスイッチ20を操作したか否かを判断する。押下時間がn秒を超えており使用者が第2の操作方法でスイッチ20を操作したと判断すると、制御ユニット12は、ステップS25からステップS26に処理を進める。ステップS26では、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード中か否かを判断する。なお、以降の説明で、押し歩きアシストモード中であるか否か判断は、単にアシストモードが押し歩きアシストモードに設定されているか否かを判断しているのではなく、押し歩きアシストモードでアシストモータ36が駆動されているか否かを判断している。すなわち押し歩きアシストモード中であると判断した場合、押し歩きアシストモードでアシストモータ36が駆動されている。押し歩きアシストモード中ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS26からステップS27に処理を進める。ステップS27では、制御ユニット12は、通常アシストモードから押し歩きアシストモードに遷移し、表示器32に押し歩きアシストモードであることを表示し、ステップS28に処理を進める。ステップS28では、制御ユニット12は、記憶部38のスイッチ状態記録部38aに、このときのスイッチ状態を前回のスイッチ状態として記録し、スイッチ処理を終わって、図2のステップS2に処理を進める。
【0043】
ステップS23において、今回初めてスイッチ20が押下状態になったと判断すると、制御ユニット12は、ステップS23からステップS29に処理を進める。ステップS29では、制御ユニット12は、自身が有するタイマをスタートさせてスイッチ20の押下時間の計測を開始し、ステップ28に処理を進める。ステップS25において、制御ユニット12は、押下時間がn秒以下であると判断すると、ステップS28に処理を進める。ステップS26において、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード中であると判断すると、ステップS28に処理を進める。
【0044】
ステップS22において、スイッチ20が押下状態ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS22からステップS30に処理を進める。ステップS30では、制御ユニット12は、記憶部38のスイッチ状態記録部38aから前回のスイッチ状態を読み出し、前回は押下状態であったか否かを判断する。前回は押下状態であったと判断すると、今回初めて押下状態から押下状態ではない状態になったことになり、ステップS30からステップS31に処理を進める。ステップS31では、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード中であるか否かを判断する。押し歩きアシストモード中である判断すると、制御ユニット12は、ステップ31からステップS32に処理を進める。ステップS32では、制御ユニット12は、アシストモードを、押し歩きアシストモードから通常アシストモードに遷移し、表示器32に通常アシストモードであることを表示し、ステップS32からステップS28に処理を進める。ステップS30において、前回は押下状態ではないと判断すると、スイッチ20が何も操作されていないので、制御ユニット12は、ステップS30からステップS28に処理を進める。ステップS31において、押し歩きモード中ではないと判断すると、制御ユニット12は、第1の操作方法で使用者が操作したと判断し、ステップS31からステップS33に処理を進める。ステップS33では、制御ユニット12は、通常アシストモードのアシストレベル、すなわち、人力に応じてアシストモータ36が補助する補助力のレベルを変更し、変化したアシストレベルを表示器32に表示し、ステップ33からステップS28に処理を進める。
【0045】
また、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード時には、図4に示すような、駆動ユニット34のアシストモータ36の出力トルクMTを制限する制御を合わせて行う。図4において、制御ユニット12は、押し歩きアシストモードでアシストモータ42の駆動を開始すると、図4のステップP1の処理を実行する。ステップP1では、制御ユニット12は、モータ出力トルク検出部12bから、アシストモータ36の出力トルクMTに関する情報を取り込み、出力トルクMTが予め定めるトルクT1以上か否かを判断する。トルクT1は、たとえば、目標の車速を維持して予め定める勾配の坂道を登ることができるトルクである。目標の車速は、たとえば時速4kmに設定され、予め定める勾配は、たとえば5%に設定される。トルクT1は、たとえば工場出荷時に設定されていてもよく、制御装置10に接続可能な入力部によって、設定することができるようにしてもよい。取り込んだ出力トルクMTがトルクT1以上であると判断すると、制御ユニット12は、ステップP1からステップS2に処理を進める。ステップP2では、出力トルクMTを予め定めるトルクT1にクランプし、出力トルクMTがトルクT1を超えないように駆動ユニット34の出力トルクMTを制限する。これによって、たとえば、押し歩きアシストモードに速度制御を適用しても、アシストモータ36の出力トルクMTが制限される。このため、押し歩きアシストモードで急な坂道を登るときに、平地と比較して自転車の速度を低下させることができる。
【0046】
ここでは、第1の操作方法と第1の操作方法と異なる第2の操作方法によって一つのスイッチ20を操作することによって、駆動ユニット34を駆動することなく機能の設定状態を変更する操作と、駆動ユニット34を駆動する操作と、を行える。このため、簡素な構成でアシスト制御できるようになる。また、スイッチ20を操作しているときにだけ押し歩きアシストが機能するので、押し歩きアシストモードでのモータの駆動をすぐに止めることもできる。
【0047】
<第2実施形態>
第2実施形態では、スイッチ20を操作して、押し歩きアシストモードでアシストモータを駆動させると、スイッチ20の操作を止めても、アシストモータの駆動が継続し、再びスイッチ20が操作される、押し歩きアシストが解除される構成になっている。
【0048】
図5において、第2実施形態では、記憶部138は、スイッチ状態記録部38aに加えて、押し歩きアシストモードと通常アシストモードのいずれのアシストモードであるかを記録するアシストモード記録部138bを有する。その他の制御装置110の構成は、第1実施形態と同様であるので、図5に同じ符号で構成を開示してその説明を省略する。また、制御ユニット12の全体の処理手順は、図2に示した第1実施形態の処理手順と同じであり、スイッチ処理についてのみが第1実施形態とは異なる。したがって、スイッチ処理についてのみ図6を用いて説明し、その説明を省略する。なお、第2実施形態の処理手順は、図6に限定されない。
【0049】
第2実施形態のスイッチ処理では、図6のステップS41において、制御ユニット12は、スイッチ20の現在のスイッチ状態を読み込む。ステップS42では、制御ユニット12は、現在のスイッチ状態が押下状態か否かを判断する。スイッチ20の現在のスイッチ状態が押下状態であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS42からステップS43に処理を進める。ステップS43では、制御ユニット12は、記憶部38のスイッチ状態記録部38aから前回のスイッチ状態を読み出し、前回も押下状態であったか否かを判断する。前回も押下状態であったと判断すると、制御ユニット12は、ステップS43からステップS44に処理を進める。ステップS44では、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード中か否かを判断する。押し歩きモード中ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS44からステップS45に処理を進める。ステップS45では、スイッチ20の押下時間を計測し、ステップS46に処理を進める。ステップS46では、制御ユニット12は、押下時間がn秒を超えたか否か、すなわち第2の操作方法で使用者がスイッチ20を操作したか否かを判断する。押下時間がn秒を超えており使用者が第2の操作方法でスイッチ20を操作したと判断すると、制御ユニット12は、ステップS46からステップS47に処理を進める。ステップS47では、制御ユニット12は、アシストモードを、通常アシストモードから押し歩きアシストモードに遷移し、表示器32に押し歩きアシストモードであることを表示し、ステップS48に処理を進める。
【0050】
ステップS48では、制御ユニット12は、記憶部138のスイッチ状態記録部38aに、このときのスイッチ状態を前回のスイッチ状態として記録する。また、制御ユニット12は、アシストモード記録部138bに、このときのアシストモードを前回のアシストモードとして記録し、スイッチ処理を終わって、図2のステップS2に処理を進める。
【0051】
ステップS43において、前回はスイッチ20が押し下げ状態ではなかったと判断する、言い換えれば今回初めてスイッチ20が押下状態になったと判断すると、制御ユニット12は、ステップS49に処理を進める。ステップS49では、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード中であるか否かを判断する。ステップS49において、押し歩きモード中ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS50に処理を進める。ステップS50では、制御ユニット12は、自身が有するタイマをスタートさせてスイッチ20の押下時間の計測を開始し、ステップ48に処理を進める。ステップS49において、押し歩きモード中であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS51に処理を進める。第2実施形態では、押し歩きモード中にスイッチ20が操作されるのは、押し歩きアシストモードを解除する、すなわち押し歩き中にモータ36の駆動を停止するためである。このため、ステップS51では、制御ユニット12は、アシストモードを、押し歩きアシストモードから通常アシストモードに遷移し、表示器32に通常アシストモードであることを表示し、ステップステップS48に処理を進める。この場合、ステップS48では、スイッチ状態が押下状態に記録され、アシストモードが通常アシストモードに記録される。
【0052】
ステップS42において、スイッチ20が押下状態ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS42からステップS52に処理を進める。ステップS52では、制御ユニット12は、記憶部38のスイッチ状態記録部38aから前回のスイッチ状態を読み出し、前回は押下状態であったか否かを判断する。前回は押下状態であったと判断すると、今回初めて押下状態から押下状態ではない状態になったことになる。このため、制御ユニット12は、アシストモータ36が駆動しているか否かを判断するために、ステップS52からステップS53に処理を進める。ステップS53では、制御ユニット12は、押し歩きアシストモード中であり、アシストモータ36が駆動しているか否かを判断する。ステップS53において、押し歩きアシストモード中であり、アシストモータ36が駆動している判断すると、制御ユニット12は、ステップS48に処理を進める。ステップS48では、制御ユニット12は、スイッチ20のスイッチ状態が押下状態ではないことをスイッチ状態記録部38aに前回のスイッチ状態としてアシストモード記録部138bに記録する。また、アシストモードが押し歩きアシストモードであることを前回のアシストモードとしてアシストモード記録部138bに記録する。
【0053】
押し歩きアシストモード中ではないと判断すると、制御ユニット12は、ステップS53からステップS54に処理を進める。ステップS54では、制御ユニット12は、記憶部38のアシストモード記録部138bから前回のアシストモードを読み出し、前回記録されたアシストモードが押し歩きモード中であったか否かを判断する。ステップS54において、前回が押し歩きモード中ではないと判断した場合は、制御ユニット12は、すでに、通常アシストモードになっていると判断し、ステップS55に処理を進める。ステップS55では、通常アシストモードにおけるアシストレベルをスイッチ20の操作に応じて切り替える。
【0054】
ステップS54において、前回も押し歩きアシストモード中であると判断すると、制御ユニット12は、ステップS48に処理を進め、現在のスイッチ状態およびアシストモードを記憶部138に記録する。
【0055】
第2実施形態では、押し歩きアシストモードでモータ36を駆動しているときにスイッチ20を操作し続けなくてもよいので、自転車の押し歩きを行いやすくなる。なお、第2実施形態においても、押し歩きアシストモード時に、図4に示すアシストモータ36の出力トルクMTがトルクT1を超えないように駆動ユニット34の出力トルクMTを制限する。
<他の実施形態>
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0057】
(a)第1および第2実施形態では、第2の操作方法として、一つのスイッチ20の長押し操作を例示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、一つのスイッチがダブルクリック操作(たとえば、1秒以内に2回操作)された場合を第2の操作操作方法としてもよく。またたとえば、2つのスイッチを設け、2つのスイッチが操作された場合を第2の操作方法としてもよい。また所定時間内に2つのスイッチが操作された場合を第2の操作方法としてもよい。所定時間は、たとえば0.5秒〜1秒に選ばれることが好ましい。
【0058】
(b)第1および第2実施形態ではスイッチ20として押しボタンスイッチを例示したが、スイッチは押しボタンスイッチに限定されない。たとえば、スライドスイッチ、引っ張って操作するスイッチ等の他の形態のスイッチでもよい。
【0059】
(c)前記実施形態では、アシストモータ36の回転速度を回転指令値に基づいて検出したが、センサによってアシストモータの回転を検出してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 自転車用制御装置
12 制御ユニット
12c 車速推定部
20 スイッチ
22 ケイデンスセンサ
24 トルクセンサ
26 車速センサ
26a 磁石
26b 磁石検出部
28 段数センサ
34 駆動ユニット
36 アシストモータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6