特許第6068631号(P6068631)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6068631監視される部材結合部、風力発電装置、結合状態にある部材結合部の望まれない弛緩について該部材結合部を監視する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068631
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】監視される部材結合部、風力発電装置、結合状態にある部材結合部の望まれない弛緩について該部材結合部を監視する方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 17/00 20160101AFI20170116BHJP
【FI】
   F03D17/00
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-518904(P2015-518904)
(86)(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公表番号】特表2015-521711(P2015-521711A)
(43)【公表日】2015年7月30日
(86)【国際出願番号】EP2013058088
(87)【国際公開番号】WO2014005735
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2015年2月16日
(31)【優先権主張番号】102012211566.8
(32)【優先日】2012年7月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】イェプセン、トルシュテン
(72)【発明者】
【氏名】ケリンク、ラルフ
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06059500(US,A)
【文献】 特開2011−001941(JP,A)
【文献】 特開昭49−050348(JP,A)
【文献】 特開昭58−094614(JP,A)
【文献】 米国特許第07698949(US,B2)
【文献】 米国特許第04806913(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00−80/80
F16B 31/04
G01F 1/34
G01M 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部材を構成する第1部材と、受容部材を構成する第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する継手部材とを備えた、監視される部材結合部であって、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、
結合状態にある該部材結合部の望まれない結合弱部の監視のために、
前記結合受容部は、検査圧を作用可能であり、
前記継手部材は、通過部を有し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、前記結合受容部に通じており、
前記検査圧は、結合状態にある該部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について監視可能であること
を特徴とする、監視される部材結合部。
【請求項2】
前記通過部は、前記継手部材の全長にわたって延在すること
を特徴とする、請求項1記載の、監視される部材結合部。
【請求項3】
前記通過部は、前記継手部材の部分長にわたって又は前記継手部材の外面部において延在すること
を特徴とする、請求項1記載の、監視される部材結合部。
【請求項4】
前記継手部材と、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも1つとの間の中間空間が通過部を構成し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、前記結合受容部に通じていること
を特徴とする、請求項1記載の、監視される部材結合部。
【請求項5】
前記継手部材は、ねじないしねじボルトであること
を特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の、監視される部材結合部。
【請求項6】
該部材結合部は、フランジとフランジ支承部との間のねじ込み結合部の形式の支承部結合部であること
を特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の、監視される部材結合部。
【請求項7】
前記受容部材は、回転支承部を受容するために構成されていること
を特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の、監視される部材結合部。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載の、監視される部材結合部を備え、タワーと、ナセルと、発電機と結合された該ナセル内のシャフトとを備えた風力発電装置であって、
前記シャフトは、ハブを介して前記シャフトと結合された、ロータの所定数のロータブレードを介して駆動可能であり、
ロータブレードは、ブレード支承部を介してハブアダプタと結合されてること
を特徴とする風力発電装置。
【請求項9】
前記監視される部材結合部は、前記ロータ、又は前記ハブ、又は前記ロータと前記ハブに構成されていること
を特徴とする、請求項8に記載の風力発電装置。
【請求項10】
前記保持部材は、ブレードフランジの形式で構成され、前記受容部材は、ブレードフランジ支承部の形式で構成され、前記継手部材は、前記ブレードフランジと前記ブレードフランジ支承部との間のねじ込み継手の形式で構成されていること
を特徴とする、請求項8又は9に記載の風力発電装置。
【請求項11】
結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法であって、
保持部材を構成する少なくとも1つの第1部材と、受容部材を構成する少なくとも1つの第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する少なくとも1つの継手部材とを備えた部材結合部が設けられており、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、
以下のステップ、即ち、
検査圧を前記結合受容部に作用させるステップ、但し前記継手部材は、通過部を有し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、前記結合受容部に通じていること、
結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について前記検査圧を監視するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記検査圧は、正圧であること
を特徴とする、請求項11に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項13】
前記検査圧は、負圧であること
を特徴とする、請求項11記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項14】
前記検査圧は、気体圧であること
を特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項15】
前記検査圧は、液体圧であること
を特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項16】
前記結合受容部は、間欠的に検査圧を作用させること
を特徴とする、請求項11〜15のいずれか一項に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項17】
前記検査圧は、予め定められた振幅で持続的に加えられ、
前記振幅を保持するために、容積流が所定の容積閾値より高いところにくる場合には、欠陥偏差が検知される、及び/又は、
欠陥閾値に達したか否か又はその他の場合、最初に加えられた検査圧が実質的に保持されているか否かが検査されること
を特徴とする、請求項11〜16のいずれか一項に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項18】
前記検査圧は、予め定められた振幅で一度だけ加えられ、該振幅からの前記検査圧の低下特性が監視され、該低下特性が時間的に及び/又は数値的に勾配閾値を超える場合には、欠陥偏差が検知されること
を特徴とする、請求項11〜17のいずれか一項に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項19】
欠陥偏差がある場合にはセンタ検査箇所に検査信号を送信するステップ、及び/又は欠陥偏差がある場合には風力発電装置を自動的に停止するステップを含むこと
を特徴とする、請求項11〜18のいずれか一項に記載の、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法。
【請求項20】
請求項1〜のいずれか一項に記載の、監視される部材結合部を複数個と、請求項8〜10のいずれか一項に記載の風力発電装置を複数個と、検査信号を受信するために構成されたセンタ検査箇所とを備えた検査ネットワーク。
【請求項21】
検査監視システムから監視される部材結合部への検査信号を無線で受信する、及び/又は欠陥偏差がある場合には風力発電装置が自動的に停止する、請求項20に記載の検査ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載した監視される部材結合部、並びに風力発電装置に関する。更に本発明は、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に負荷にさらされる部材又は部材結合部をこれらが取り外された後に個別に検査及びテストすることは基本的に知られている。部材又は部材結合部が正常に機能するのであれば、これらはそのような検査又はテストの後に再び設備へ又は他の技術的な装置へ取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 3,820,381 A
【特許文献2】US 5,770,794 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし部材ないし部材結合部の取り外しが高いコストと結び付いているのみならず、それに加え、既に技術的に手間がかかり或いは場合によりそれどころか技術的な装置又は設備の運転にとって不利になるであろう技術的な装置又は設備においては、そのやり方が適しているとは言えない。このことは、特に回転部材又は回転部材用の支承部材に該当し、また特に支承部材(軸受部材)においては、該支承部材が運転に馴染んでおり取り外しとそれに続く新たな取り付けが装置又は設備の更なる運転にとってむしろ不利となる可能性があることを前提としなくてはならない。
【0005】
本来の位置において監視される部材結合部、ないし結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法が望まれ、この際、特に部材が取り付けられている設備において運転中の監視が可能であることが望まれる。
【0006】
従って本発明の課題は、特に有利に実現可能である、監視される部材結合部、風力発電装置、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部(弱い箇所 Schwaeche)について該部材結合部を監視する方法を提供することである。特に当該部材結合部、当該風力発電装置、ないし当該監視方法は、設備のもつ実情、特に風力発電装置のもつ実情を利用するが、有利な実現化を可能とすべきである。また本発明の更なる課題は、当該部材結合部、当該風力発電装置、ないし当該監視方法を、できるだけ簡単にしかも信頼性をもって実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
部材結合部に関する課題は、請求項1に記載の監視される部材結合部を用いた発明により解決される。当該発明は、請求項に記載の風力発電装置にも、請求項20に記載の検査ネットワークにも通じるものである。また方法に関する課題は、請求項11に記載の方法を用いた発明により解決される
即ち本発明の第1の視点により、保持部材を構成する第1部材と、受容部材を構成する第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する継手部材とを備えた、監視される部材結合部であって、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、結合状態にある該部材結合部の望まれない結合弱部の監視のために、前記結合受容部は、検査圧を作用可能であり、前記継手部材は、通過部を有し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、前記結合受容部に通じており、前記検査圧は、結合状態にある該部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について監視可能であることを特徴とする、監視される部材結合部が提供される。
更に本発明の第2の視点により、前記監視される部材結合部を備え、タワーと、ナセルと、発電機と結合された該ナセル内のシャフトとを備えた風力発電装置であって、前記シャフトは、ハブを介して前記シャフトと結合された、ロータの所定数のロータブレードを介して駆動可能であり、ロータブレードは、ブレード支承部を介してハブアダプタと結合されてることを特徴とする風力発電装置が提供される。
更に本発明の第3の視点により、前記監視される部材結合部を複数個と、前記風力発電装置を複数個と、検査信号を受信するために構成されたセンタ検査箇所とを備えた検査ネットワークが提供される。
更に本発明の第4の視点により、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法であって、保持部材を構成する少なくとも1つの第1部材と、受容部材を構成する少なくとも1つの第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する少なくとも1つの継手部材とを備えた部材結合部が設けられており、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、以下のステップ、即ち、検査圧を前記結合受容部に作用させるステップ、但し前記継手部材は、通過部を有し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、前記結合受容部に通じていること、結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について前記検査圧を監視するステップを含むことを特徴とする方法が提供される
尚、本願の特許請求の範囲に付記される場合の図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)保持部材を構成する第1部材と、受容部材を構成する第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する継手部材とを備えた、監視される部材結合部であって、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、結合状態にある該部材結合部の望まれない結合弱部の監視のために、前記結合受容部は、検査圧を作用可能であり、前記検査圧は、結合状態にある該部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について監視可能であること。
(形態2)前記監視される部材結合部において、前記継手部材は、通過部を有し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、前記結合受容部に通じていることが好ましい。
(形態3)前記監視される部材結合部において、前記通過部は、前記継手部材の全長にわたって延在することが好ましい。
(形態4)前記監視される部材結合部において、前記通過部は、特に前記継手部材の外面部において、前記継手部材の部分長にわたって延在することが好ましい。
(形態5)前記監視される部材結合部において、前記継手部材と、前記第1部材及び/又は前記第2部材の少なくとも1つとの間の中間空間が通過部を構成し、該通過部は、検査圧作用のために圧力源と接続可能であり、特に前記結合受容部に通じていることが好ましい。
(形態6)前記監視される部材結合部において、前記継手部材は、ねじないしねじボルト、特にねじロッドであることが好ましい。
(形態7)前記監視される部材結合部において、該部材結合部は、特にリングの形式の、特にフランジとフランジ支承部との間のねじ込み結合部の形式の、支承部結合部であることが好ましい。
(形態8)前記監視される部材結合部において、前記受容部材は、ボール回転結合部やローラ回転結合部やそのような回転支承部を受容するために構成されていることが好ましい。
(形態9)前記監視される部材結合部を備え、特にタワーと、ナセルと、発電機と結合された該ナセル内のシャフトとを備えた風力発電装置であって、前記シャフトは、ハブを介して前記シャフトと結合された、ロータの所定数のロータブレードを駆動可能であり、ロータブレードは、ブレード支承部を介してハブアダプタと結合されており、前記監視される部材結合部は、前記ロータ及び/又は前記ハブに構成されていること。
(形態10)前記風力発電装置において、前記保持部材は、ブレードフランジの形式で構成され、前記受容部材は、ブレードフランジ支承部の形式で構成され、前記継手部材は、前記ブレードフランジと前記ブレードフランジ支承部との間のねじ込み継手の形式で構成されていることが好ましい。
(形態11)結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法であって、保持部材を構成する少なくとも1つの第1部材と、受容部材を構成する少なくとも1つの第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する少なくとも1つの継手部材とを備えた部材結合部が設けられており、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、以下のステップ、即ち、検査圧を前記結合受容部に作用させるステップ、結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について前記検査圧を監視するステップ、特に欠陥偏差がある場合にはセンタ検査箇所に検査信号を送信するステップ、及び/又は欠陥偏差がある場合には風力発電装置を自動的に停止するステップを含むこと。
(形態12)形態11の方法において、前記検査圧は、正圧であることが好ましい。
(形態13)形態11の方法において、前記検査圧は、負圧であることが好ましい。
(形態14)形態11の方法において、前記検査圧は、気体圧であることが好ましい。
(形態15)形態11の方法において、前記検査圧は、液体圧であることが好ましい。
(形態16)形態11の方法において、前記結合受容部は、特に一週間か一日か一時間につき少なくとも一度、好ましくは定期的に、間欠的に検査圧を作用させることが好ましい。
(形態17)形態11の方法において、前記検査圧は、予め定められた振幅で持続的に加えられ、前記振幅を保持するために、容積流が所定の容積閾値より高いところにくる場合には、欠陥偏差が検知される、及び/又は、好ましくは所定の時間後に、欠陥閾値に達したか否か又はその他の場合、最初に加えられた検査圧が実質的に保持されているか否かが検査されることが好ましい。
(形態18)形態11の方法において、前記検査圧は、予め定められた振幅で一度だけ加えられ、該振幅からの前記検査圧の低下特性が監視され、該低下特性が時間的に及び/又は数値的に勾配閾値を超える場合には、欠陥偏差が検知されることが好ましい。
(形態19)結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法であって、保持部材を構成する少なくとも1つの第1部材と、受容部材を構成する少なくとも1つの第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を結合状態において保持する少なくとも1つの継手部材とを備えた部材結合部が設けられており、以下のステップ、即ち、検査尺度を前記第1部材と前記第2部材との間の測定ブリッジに作用させるステップ、結合状態にある前記部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差について前記検査尺度を監視するステップ、特に、好ましくは所定の時間後に、前記検査尺度が欠陥閾値を超過したか否か又は最初の検査尺度が実質的に保持されているか否かを監視するステップを含むこと。
(形態20)形態19の方法において、前記測定ブリッジは、前記第1部材と前記第2部材と前記継手部材の少なくとも2つの部材の間に構成されており、特に前記測定ブリッジは、前記第2部材に構成されていることが好ましい。
(形態21)形態19の方法において、前記継手部材は、前記受容部材の結合受容部内へ係合しており、前記測定ブリッジは、特に形態11〜18のいずれか1つに記載の、前記結合受容部により構成されていることが好ましい。
(形態22)形態19の方法において、前記検査尺度は、前記測定ブリッジにおいて特に定置の測定装置を用いて記録され、前記測定装置は、電気的な及び/又は磁気的な抵抗測定ユニットを含むことが好ましい。
(形態23)形態19の方法において、前記検査尺度は、間隔尺度であり、該間隔尺度が欠陥間隔を超過するか否かが監視され、該間隔尺度は、前記測定ブリッジにおける特に定置の測定装置を用いて記録されることが好ましい。
(形態24)形態19の方法において、前記測定装置は、超音波測定ユニット及び/又は伸び測定ユニット及び/又は接触測定ユニットを含むことが好ましい。
(形態25)形態1〜8のいずれかに記載の監視される部材結合部を複数個と、特に形態9又は10に記載の風力発電装置を複数個と、検査信号を受信するため、特に検査監視システムから監視される部材結合部への検査信号を無線で受信するために構成されたセンタ検査箇所とを備えた検査ネットワーク。
【0009】
本発明は、上記の形式の監視方法にとって考慮対象となる部材結合部(Bauteilverbindung)が、保持部材を構成する第1部材と、受容部材を構成する第2部材と、第1部材に第2部材を結合状態において保持する継手部材(結合保持部材 Verbindungsteil)とから構成されているという考察から出発する。本発明により、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部の監視のために、継手部材が係合する受容部材の結合受容部を、本発明のコンセプトにより有利に利用できることが認識された。更に本発明により、結合受容部に検査圧を作用(印加)し、該検査圧が、結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分な欠陥偏差(欠陥に基づく基準圧力からのずれ Fehlabweichung)について監視可能であることが認識された。
【0010】
特に有利には本発明は、結合受容部を、第1部材と第2部材を結合するためのみならず、監視機能の枠内で検査圧を作用させるためにも相乗的に(二重の機能性のために)利用する。更にこのコンセプトは、検査圧の作用(印加ないし付勢)を介し、実際に結合受容部への同じアクセス(Zugang)により検査圧監視が実現可能であるという利点を有する。つまり換言すると、本発明のコンセプトは、部材自体に別のセンサや検査機構を設ける必要がないので、比較的簡単に実現可能であり、更に部材結合部のもつ実情が、部材結合部を制限又は明らかに弱化させることなく、監視及び検査のために利用される。
【0011】
本発明のコンセプトは、風力発電装置(風力エネルギー設備)において、ロータとハブとの間、特にブレードフランジとブレードフランジ支承部との間の部材結合部の監視に関し、特に有効であると実証されている。この際、ブレードフランジ及び/又はブレードフランジ支承部及び/又は継手部材の検査のための取り外しが多大の手間と費用をもってのみ考慮可能であろうことは明らかである。
【0012】
本発明の有利な更なる構成は、下位請求項から読みとることができ、これらは、本発明の課題の枠内で並びに更なる利点に関して上述のコンセプトを実現するための個々の有利な可能性を示している。
【0013】
特に本発明のコンセプトの枠内で、止まり穴(めくら穴 Sachloch)を用いたねじ込み結合部との関連で部材のねじ込み結合部の亀裂監視が行われるという更なる構成が有利であると実証されている。このことは、特にボール回転結合部やローラ回転結合部やそのような軸受け支承部(ベアリング)に該当する部材結合部又はそれらの継手部材、即ち、ねじ、ボルト、ねじロッドなどに当てはまる。亀裂としては、実際に部材の機能を危うくすることになる、特に亀裂開口部ないし口を開いた亀裂やそのような構造体開口部として理解される。従って監視される部材結合部の監視機能、ないし当該監視方法は、監視される部材結合部を有する技術的な装置又は設備の比較的重度の損傷や場合によりそれらの破壊を回避するために、安全措置として本質的であると実証されている。
【0014】
本発明の更なる構成の枠内で、特にねじ込み結合された部材の止まり穴の領域における疲労亀裂、又はねじ(ないしねじボルト)自体の疲労亀裂の検知が、技術的な装置又は設備の比較的大きな損傷を回避するために特に有効であることが分かった。特に本発明のコンセプトの上記の措置、ないし更なる構成のうちの1つの上記の措置は、設備又は技術的な装置の完全な停止の前に確認されるべきである。
【0015】
止まりねじ穴(止まり穴にねじ山のあるもの)に特に正圧又は負圧で圧力を印加することは特に有利である。その結果として、亀裂や、口を開いた亀裂や、他の損傷開口部は、圧力監視により検知可能である漏れ(圧力漏れ)をもたらすことになるだろう。従って検査圧に対する欠陥偏差としては、結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分な、定義圧力からの各々の偏差(ずれ)として理解される。部材結合部の結合弱部としては、基本的に、部材結合部を引き離すか、開くか、部分的に緩める亀裂間隙や開口形成として理解される。
【0016】
特に監視方法の枠内で、定期的な監視サイクルを有する実質的な常時監視を可能とするために、周期的な圧力印加、特に一日に一度の圧力印加を行うことが可能である。
【0017】
特に圧力供給は、かかる負荷の比較的少ない周囲部材を介して横方向からか、又は中空に穿孔された継手部材を介して中央からか、又はねじ付きボルトなどのような継手部材を介しても行うことが可能である。
【0018】
本発明の更なる構成の枠内で、欠陥に起因する漏れだけが検査圧を変化させるように結合受容部を密閉する1つの又は複数のシール又はシーリングが設けられている。結合受容部は、特に高い負荷のかかる又は特に高い危険性のある幾つかの領域のうちの1つの領域であり、これらの領域には、全般的に有利に検査圧を加えることが可能であり、従って特に監視可能であり、場合により欠陥偏差が確認される。この際、例えば、ねじ込み継手、特にねじボルト又はねじは、結合受容部内のそのねじ山領域において、例えばシールバンドなどにより密閉(シール)することが可能である。
【0019】
部材の監視は、設備や装置の運転中、部材の機能不全による損傷事態からの保護の役割を果たす。特に風力発電装置の場合には、例えばブレードの破壊などを適時に防止することが可能である。必要な監視インターバルは、設備の老朽化状態に応じ、場合により延長又は短縮することが可能である。
【0020】
以下、添付の図面に関連し、本発明の実施例を説明する。これらの図面は、実施例を必ずしも縮尺どおりに図示するものではなく、つまり説明のために用いられるこれらの図面は、図式的な形で及び/又は僅かに歪んだ形で描かれている。図面から直接的に見ることのできる教示内容の補足分に関しては、関連の従来技術が参照される。この際、本発明の全般的なアイディアから逸脱することなく、実施形態の形状及び詳細に関して多岐にわたる修正及び変更が可能であることが考慮される。明細書、図面、請求項において開示された本発明の特徴は、本発明の更なる構成のために単独としても任意の組み合わせとしても本質的な内容であり得る。更に明細書、図面、及び/又は請求項において開示された特徴の少なくとも2つからなる全ての組み合わせは、本発明の枠内に含まれる。本発明の全般的なアイディアは、図示されて以下に説明される有利な実施例の正確な形状又は詳細に限定されるものではなく、また請求項の請求対象と比べて限定されるであろう対象に限定されるものでもない。また記載された測定範囲については、言及された限界値の範囲内にある値も、非平衡値として開示されており、任意に使用可能であり、従って請求可能とすべきである。本発明の更なる利点、特徴、詳細は、有利な実施例の以下の説明、並びに図面に関する説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一風力発電装置の概略図を示す図である。
図2】ブレード支承部(ここでは例として図1の風力発電装置のもの)を平面図(B)として並びに切断線A-Aに沿った、側面から見た断面図(A)として示す図である。
図3図3(A)においては、ブレードフランジとブレードフランジ支承部を有する断面図として図2(A)の詳細部Xが示され、図3(B)においては、通過部を有するねじボルトの形式の結合手段が示され、図3(C)においては、ブレードフランジ支承部及び/又はブレードフランジに対して密閉(シール)されたねじロッドのねじ山が示されている。
図4図3の実施形態に対する一変形例を示す図である。
図5図3又は図4の実施形態に対する別の一変形例を示す図である。
図6】更に図3図5の実施形態に対する別の一変形例を示す図である。
図7図7(I)においては、部材結合部を監視する検査監視システムの概略図が示され、図7(II)[IIA、IIB、IIC]においては、図2図6の監視される部材結合部において接続可能である検査監視システムの特殊な一実施形態が示されている。
図8】結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法、特に部材結合部の保持を直接的に危うくする、口を開けた亀裂やそのような重度の構造弱部を検知する方法について、フローチャートとして図示された第1プロセスパターン(A)と第2プロセスパターン(B)を示す図である。
図9】結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する他の可能性を説明するための(ここでは例として風力発電装置における)監視される部材結合部の更なる一変形例を示す図である。
図10】結合状態にある部材結合部の望まれない結合欠陥について該部材結合部を監視する他の可能性を説明するための(ここでは例として風力発電装置における)監視される部材結合部の更なる2つの変形例(AとB)を示す図である。
図11】結合状態にある部材結合部の望まれない結合欠陥について該部材結合部を監視する他の可能性を説明するための(ここでは例として風力発電装置における)監視される部材結合部の更なる一変形例を示す図である。
図12】結合状態にある部材結合部の望まれない結合欠陥について該部材結合部を監視する他の可能性を説明するための(ここでは例として風力発電装置における)監視される部材結合部の更なる一変形例を示す図である。
【実施例】
【0022】
図1は、タワー1と、ナセル2と、ロータ3とを備えた風力発電装置(風力エネルギー設備)1000を示しており、ロータ3には、ここでは所定数で3つのロータブレード3.1、3.2、3.3が設けられている。これらのロータブレードは、スピナ4を介し、図1の詳細部(A)に示されたハブ5へ結合されており、ハブ5は、電流を発生させるために発電機7を駆動する。例として図1の詳細部(A)には、ハブ5におけるロータブレード3.1の取付状態が示されている。ロータブレード3.1は、ブレード支承部(ブレードベアリング)8を介してハブアダプタ9と結合されている。この結合部の実施形態が以下の図2図12において詳細に説明される。
【0023】
図2は、第1ブレード3.1のための例として、図2(B)においてブレードフランジ30を示しており、該ブレードフランジ30は、本発明のコンセプトによる第1部材として保持部材を構成している。更にブレードフランジ30に設けられた多数のねじボルトの形式の一連の継手部材(結合保持部材 Verbindungsteil)20が見てとれる。これらの継手部材20は、同心の円周上の列としてブレードフランジ30に沿って配設されている。図2(A)の詳細部Xは、拡大されて図3(A)に図示されており、詳細として、保持部材を構成する第1部材の実施形態であるブレードフランジ30の下側端部と、受容部材を構成する第2部材の実施形態であるブレードフランジ支承部10においてブレードフランジ30を保持するねじボルトの形式の継手部材20とを示している。この際、監視される部材結合部100は、ブレードフランジ支承部10と、ねじボルト20と、ブレードフランジ30とにより構成される。図3(A)から、結合受容部70(ここでは止まり穴)の下側領域において亀裂50ができていることが見てとれ、この際、亀裂50は、以下、部材結合部100、101〜108において例として示されているように、ブレードフランジ支承部10の高精度箇所において発生する可能性がある。それに対応し、以下に説明される措置は、詳細には示されていない他の部材結合部のためにも同様に使用可能である。また同一の又は類似の部材、或いは同一の又は類似の機能を有する部材には、統一して同じ符号が使用されている。
【0024】
第1バリエーションのコンセプトによると、図3(B)及び図3(C)において図3(A)の詳細部Y、Zのために詳細に図示されたねじボルトの形式の継手部材(結合部材)には、継手部材20の中心軸線61に沿って継手部材20の全長にわたって延在する通過部60が設けられている。従って通過部60は、止まり穴の(下端部ないし底部の)あいた領域を継手部材20の(上端部の)開口端部に接続させている。結合受容部70(ここでは止まり穴の形式)の境界領域70’において継手部材20は、図3(C)に図示されているようにシーリング(ここではテフロン(登録商標)バンド)を用いて密閉(シール)されている。この際、テフロン(登録商標)バンドは、ねじボルトのねじ山に巻かれ、それによりシーリング領域80において結合受容部70を密閉する。従って通過部60を介して送り込まれた検査圧Pは、止まり穴の形式の結合受容部70の下側領域に留まり、止まり穴の領域に亀裂50やそのような開口部が発生する場合にのみ限り漏れ出すことになる。(勿論、通過部は、継手部材20の中心軸線61に沿った貫通穴に限らず、1つ又は複数として継手部材20の周部に設けることも可能である。また通過部の長さは、継手部材20の全長だけに限らず、部分長さにわたることも可能である。)
【0025】
この際、ブレードフランジ支承部10は、ハブアダプタ300に連結する回転支承部200を支持するリング部材である。またハブアダプタ300は、図1において模式的に図示されたハブ5に結合している。
【0026】
図4は、基本的に同一の又は類似の部材、或いは同一の又は類似の機能を有する部材に同じ符号を用いた一バリエーションにおいて、ここでも検査圧Pを用いて監視することのできる部材結合部101を示している。この際、検査圧Pは、横方向から、継手部材20とブレードフランジ30との間の中間空間に送り込まれる。検査圧Pは、継手部材20とブレードフランジ支承部10との間の境界領域90において結合受容部70の止まり穴の下側端部に達する。そして欠陥偏差に基づき、亀裂50を検知することが可能である。
【0027】
図5は、別の一バリエーションとして、部材結合部102において検査圧Pを直接的に潤滑穴91へ加えることのできる可能性を示している。1つの又は複数の箇所において1つの潤滑穴91を介し或いは所定数の潤滑穴を介し、支承部内部空間を僅かに正圧下に置くことが可能であろう。検査圧Pの検査圧検知を介し、漏れ空気流の尺度(因子ないし特性値 Mass)を獲得することが可能である。このことは、基本的に既存の支承部シーリングに漏れは殆んどないものと想定できるので、有利な可能性と見ることができる。
【0028】
図6は、監視される部材結合部103の別の一バリエーションとして、検査圧Pを、付勢された吸盤(圧力吸引ないし圧力導入)92を介し、部材結合部の装着可能な領域、ここではブレードフランジ支承部10に取り付けるという可能性を示している。亀裂50が入り込んでいる、負圧に印加(付勢)された吸盤92、或いはまた正圧に印加(付勢)された吸盤92は、明らかに検知可能な漏れを有する。一連の複数の吸盤を共通の圧力供給ラインに接続することも可能であろう。圧力センサを有する中央ポンプを介し、複数の吸盤のうちの1つに亀裂が延びているか否かが確認される。例えば毎日行われる周期的な監視で十分であろう。また吸盤は、基本的な漏れを僅かに保つために、むしろシーリングエッジに接着することも可能であろう。
【0029】
図7は、図7(I)において、監視される部材結合部の原理構造を示しており、ここでも、同一の又は類似の部材、或いは同一の又は類似の機能を有する部材には同じ符号が使われており、それらの部材については上記の説明が参照される。追加として通過部60への圧力ライン410を有する検査システム400が示されている。他方において圧力ライン410は、コンプレッサやそのような圧力源420へ接続されており、該圧力源420は、切替弁430の位置に応じ、圧力ライン410を介して通過部60に検査圧を付勢することが可能である。検査圧Pは、圧力測定装置440を介して読み取ることが可能である。圧力ライン410に類似する所定数の更なる圧力ラインの圧力印加は、例えば弁分配器(バルブディストリビュータ)など(ここでは分配器450として記載)のような分配スイッチやそのような圧力切替要素を介して行うことが可能である。このようにして所定数の複数の更なる通過部を、通過部60に追加し、圧縮空気を用いて付勢することが可能である。結合受容部71、72〜79、又はここでは非図示の結合受容部を設けることが可能であり(例えば12個の結合受容部)、これらの結合受容部は、所定の角度分配(例えば30°ごとに1つの結合受容部)に対応して選ばれている。
【0030】
図7は、図7(IIA)〜(IIC)において、図7(I)のコンポーネントの実施形態の詳細を示している。図7(IIA)は、圧力源を構成するポンプ421と、圧力測定装置440を構成する圧力計(バロメータ)441とを示している。切替弁430を介し、ラインシステム411は、圧縮空気を用いて付勢可能である。ラインシステム411は、図7(IIB)においてより詳細に図示されており、ねじボルトの形式の継手部材20の各々10番目のものを、圧縮空気を用いて各々の通過部60と結合受容部70を付勢するために繋いでいる。ライン接続されたねじボルト21、22、23へのT字形部材60.1又は終端部材60.2の形式の接続箇所が、図7(IIB)及び図7(IIC)において例示されている。
【0031】
図8は、図8(A)において、結合状態にある部材結合部の望まれない結合弱部について該部材結合部を監視する方法の有利な第1実施形態を示している。この際、第1ステップSA1において圧力検査システム400が部材結合部(例えば図2図7に記載の部材結合部100、101〜103)へ接続される。次の第2ステップSA2において該システムはエア抜きされ、第3ステップSA3において例えばポンプ421のような圧力源の稼働により部材結合部100、101〜103の結合受容部70に検査圧pが印加される。第4ステップSA4において、特にここではタイムカウンタであるカウンタがスタートされ、所定の測定時間tの経過後に圧力P’が測定される。この圧力P’が測定時間t後に検査圧pから、結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分である際立った欠陥偏差分だけずれている場合には、結合状態にある部材結合部が多大な欠陥を有する、即ち口を開いた亀裂を有するか又は不当に離されてしまったことが認められる。際立った欠陥偏差は、例えば、読み取られた圧力P’がステップSA3の検査圧p(正圧)からステップSA6において、ΔPよりも大きい値分だけずれている場合(例えばΔPよりも大きく検査圧未満にある場合)か、又は読み取れらた圧力P’がPという所定の閾値圧未満にある場合に存在する。その場合には、第7ステップSA7において、例えば無線信号か又は固定のデータ接続部を介し、アラームか又はその他の検査信号を出力することが可能である。この場合、本方法は、好ましくは図1の風力発電装置1000において実行することが可能であり、従ってセンタ検査箇所(検査センタ)において1つの風力発電装置の欠陥監視、或いは複数の風力発電装置1000の欠陥監視を行うことが可能である。この際、特に複数の風力発電装置1000の複数の監視される部材結合部100、101〜103と、検査信号を受信するために構成されたセンタ検査箇所、特に図7の検査監視システムから監視される部材結合部への検査信号を無線受信するために構成されたセンサ検査箇所とを有する検査ネットワークを設けることが適している。
【0032】
図8(B)は、監視方法の一変形例を示しており、該変形例では、第1ステップSB1において圧力検査システム400が図2図7の部材結合部100、101〜103へ接続される。第2ステップSB2において、圧力検査システム400と、部材結合部100、101〜103、即ち結合受容部70と、通過部60とがエア抜きされる。第3ステップSB3において、圧力検査システム400及び結合受容部70に検査圧pが印加される。第4ステップSB4において、時間tの関数として、読み取られた検査圧p’の経過曲線、即ち関数p(t)が記録される。勿論、一変形例として、検査圧pを所定の値Pに維持することもでき、その場合には、圧力pをPに維持するために圧力源において所定の閾値流Vより高いところで際立った容積流Vが消費される必要があるか否かを測定することが可能である。第5ステップSB5において、前者の場合には、例えば、圧力低下勾配GRAD(p)が、許される圧力勾配GRAD0(p)より高いところにあるか否かが確認される。後者の場合には、消費すべき容積流Vが、所定の圧力振幅Pを維持するために所定の閾値流Vより高いところにあるか否かを検査することが可能である。双方においてそれらが該当する場合には、第6ステップSB6において、結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに十分である欠陥偏差を確認することが可能である。この場合、再びセンタなどは、風力発電装置1000の部材結合部100、101〜103の機能不良ないし結合弱部、又は許可されない損傷について情報を伝えることが可能である。
【0033】
図8(A)及び図8(B)の両方の方法において、装置条件のより正確な視覚化を行うため及び場合により修理措置を開始するために、図内の「YES」の線に沿って、直接的にサービスの情報を伝える、或いは装置の停止を誘発させることも可能である。図内の「NO」の線に沿っては、他方において即ち欠陥偏差が与えられていない場合には、各ステップSA2〜SA6ないしSB2〜SB5を反復するサイクルを開始させることが可能である。
【0034】
図9図12は、本コンセプトの複数のバリエーションによる更なる実施形態を示しており、即ち図9は、風力発電装置1000における別の部材結合部104を示しており、この際、同じ符号を有する同一の又は類似の部材に関しては、図2図4の説明が参照される。拡張された監視方法のための図9図10図11図12において図示された変形例においては、第1部材30と第2部材10との間の測定ブリッジ(ブリッジ Bruecke)に検査尺度(検査因子 Pruefmass)を作用させることが考慮されている。それにより欠陥偏差について検査尺度の監視を行うことが可能である。結合状態にある部材結合部の結合弱部を示すのに欠陥偏差が十分に大きい場合には、修理のために風力発電装置1000のサービス措置又は停止を行うことが可能である。この際、図9図12は、実質的には、欠陥を確認するために第1部材と第2部材との間の測定ブリッジが測定の尺度となる(massgeblich)ことに基づく選択肢を示しており、従って検査尺度を用いて欠陥を確認することが可能である。このことは、特に第1部材30と第2部材10との間の長さ変化、即ち例えばブレードフランジとブレードフランジ支承部との間の長さ変化である。(つまり所定の検査尺度に基づく測定ブリッジを設け(図9では510と511、図10Aでは521と523、図10Bでは522と524、図11では531、図12では541と542)、検査尺度の変化に基づき、第1部材30と第2部材10を連絡する測定ブリッジにおいて測定が行われる。この際、例えば第1部材30と第2部材10との間の間隔の変化をオンラインで確認することも可能である。検査尺度の変化としては、例えば、超音波の変化(図9)、長さの変化(図10A、10B、図12)、緊張状態(張力)の変化(図11)などが挙げられる。)従って継手部材20ないし結合受容部70は、図9図12に例示されたコンセプトにおいて、下位の役割を果たすだけである。つまりここでは、第1部材30と第2部材10との間の間隔、ここではブレードフランジとブレードフランジ支承部との間の間隔が測定の尺度となる。
【0035】
図9によると、超音波測定ユニット511を備えた測定装置510を部材結合部104に設けることが可能である。つまり基本的には、ブレードフランジとブレードフランジ支承部(部材30、10)との間の間隔が変化したか否かを音響学的な方法を用いて検査する可能性である。音響学的な方法又は音サンプルに対応し、亀裂の入ったシステムの固有周波数の変化、又はその無線電信(Funk)の変化を認識することも可能であろう。基本的に第1部材30と第2部材10のブレードフランジとブレードフランジ支承部との間の間隔を確認するためには、音響学的な方法だけでなく、光学的な方法又はレーザ方法なども適している。つまり基本的には、ロータブレードのフランジ面(例えば図9の第1部材30の下面部)とブレードフランジ支承部のフランジ面(例えば図9の第2部材10の下面部)との間の間隔を監視することが可能である。また基準面としては、ハブアダプタ300の所定の面を用いることも可能である。それに類似し、図9に図示の超音波方法は、例えば下方からのブレードフランジ支承部10の照射を行うことが可能である。つまりブレードフランジ支承部10に対するブレードフランジ30ないしその境界部の底面エコーを検知することが可能である。場合により複数の発振器511を評価装置において平行して(並列的に)作動させることも可能である。選択的にワインディングヘッド(Wickelkopf)を介した検知も考慮可能である。
【0036】
図10は、図10のA及びBにおいて、ブレードフランジ30とブレードフランジ支承部10との間の間隔を、パルソール(パルス波の送信器)521、522を介して確認する、2つの異なる可能性を示している。この際、測定装置520は、第1パルソール521ないし522と所定の測定点を有し、これらは、送信器・受信器として機能する。ハブアダプタにおいて、周部における複数のパルソールを介し、ブレードフランジに対するエッジに向かって測定を行うことが可能であろう。パルソール521、522を介し、ねじ込み結合部の破損、即ちブレードフランジ支承部10の部材結合部105、106の破損を自動的に確認することが可能である。測定範囲(測定チェーン Messkette)は、図10のBに図示されているようにブレードフランジ30の上側エッジに至るまで拡張することもできる。従ってブレードフランジねじ込み結合部内のねじ込み結合部破損も監視できるであろう。
【0037】
図11は、例えば伸び測定帯材(ひずみゲージ)531を有する測定装置530である静電流ループ部(回路ないし帯材 Ruhestromschleife)を備えた、他の監視される部材結合部107を示している。観察すべき損傷領域の周りに蛇行形状の静電流ループ部を取り付けることにより監視を行うことが可能である。特に静電流ループ部は、伸び測定帯材として接着することが可能である。伸び測定帯材531の代わりに、例えば蒸着された導体部分などを有する簡単なフィルム支持体を使用することも可能である。
【0038】
図12は、電気的な及び/又は磁気的な抵抗測定ユニットを含んだ測定装置540を備えた、更なる監視対象の部材結合部108を示している。特にここでは、比較的簡単に実現できるものとして、マイクロスイッチ541が実現されている。静電流ループ部内のマイクロスイッチを介し、亀裂と関連する経路変化を例えば1〜2mmの範囲内で検知することが可能であろう。複数のマイクロスイッチを内径部及び外径部に設けることは有利である。好ましくは、比較的広い領域を監視可能とするためにプッシュロッド542を設けることが可能である。ブレードフランジ支承部10内に上述の種類の亀裂50が形成されている場合には、プッシュロッド542(ここでは特に回転支承部200の危険な領域に配設されている)を有するマイクロスイッチ541がコンタクトを中断(開成)し、それにより欠陥を示すことになるだろう。
【符号の説明】
【0039】
0 閾値電流
1 タワー
2 ナセル
3 ロータ
3.1、3.2、3.3 3つのロータブレード
4 スピナ
5 ハブ
7 発電機
8 ブレード支承部
9 ハブアダプタ
10 第2部材、特にブレードフランジ支承部
20 継手部材、特にねじボルト
21、22、23 ねじボルト
30 第1部材、特にブレードフランジ
40 結合受容部
50 亀裂、特に亀裂形成部、開口部など
60 通過部
60.1 T字形部材
60.2 終端部材
61 中心軸線
70 結合受容部、特に止まり穴
70’ 結合受容部の境界領域
71〜79 結合受容部
80 シーリング領域
90 境界領域
91 潤滑穴
92 吸盤
100、101、102、103 部材結合部
104、105、106、107、108 部材結合部
200 回転支承部
300 ハブアダプタ
400 検査システム、特に圧力検査システム
410 圧力ライン
411 ラインシステム
420 圧力源
421 ポンプ
430 切替弁
440 圧力測定装置、特に圧力測定機器
441 圧力計(バロメータ)
450 分配器
510 第1測定装置
511 超音波測定ユニット、発振器
520 第2測定装置
521 第1パルソール
522 第2パルソール
523、524 測定点
530 第3測定装置
531 伸び測定帯材
540 第4測定装置
541 マイクロスイッチ
542 プッシュロッド
1000 風力発電装置

p 検査圧
P’ 読み取られた検査圧
閾値圧
ΔP 圧力差
圧力振幅

SA1〜SA7 第1バリエーションの第1〜第7ステップ
SB1〜SB6 第2バリエーションの第1〜第6ステップ
t 測定時間
V 容積流
閾値流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12