特許第6068658号(P6068658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6068658制御情報を送受信する方法およびそのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068658
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】制御情報を送受信する方法およびそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20170116BHJP
   H04J 1/00 20060101ALI20170116BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170116BHJP
【FI】
   H04L27/26 100
   H04J1/00
   H04W72/04 136
   H04W72/04 132
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-536675(P2015-536675)
(86)(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公表番号】特表2015-534402(P2015-534402A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】KR2013008939
(87)【国際公開番号】WO2014058194
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年4月8日
(31)【優先権主張番号】61/711,199
(32)【優先日】2012年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/718,197
(32)【優先日】2012年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョンソプ
(72)【発明者】
【氏名】リ スンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム ハクソン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンビュル
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/109542(WO,A1)
【文献】 Samsung,Further issues in PHICH-triggered PUSCH retransmissions[online],3GPP TSG-RAN WG1#63,2010年11月 9日,R1-106044,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106044.zip
【文献】 Intel Corporation,EPDCCH scrambling sequence generation[online],3GPP TSG-RAN WG1#70b,2012年 9月29日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124121.zip
【文献】 New Postcom,Remaining details of eCCE and eREG design[online],3GPP TSG-RAN WG1#70b,2012年 9月29日,R1-124226,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124226.zip
【文献】 Motorola Mobility,Configuration of EPDCCH[online],3GPP TSG-RAN WG1#70,2012年 8月 5日,R1-123788,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123788.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04J 1/00
H04W 72/04
CiNii
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて端末が制御チャネル信号を受信する方法であって、
複数の制御チャネルセットを有するサブフレームを受信するステップであって、該複数の制御チャネルセットのそれぞれは、複数の制御チャネル候補を有するステップと、
前記制御チャネル信号の受信のために、前記サブフレームで少なくとも一つの制御チャネルセットをモニタリングするステップと、を有し、
前記複数の制御チャネルセットのそれぞれにおいて前記複数の制御チャネル候補は、スクランブルシーケンスによってスクランブルされ、前記スクランブルシーケンスの初期値は、下記の数式1のcinitであり、
【数1】
【数2】
【請求項2】
X=0であり、q=0である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】

【数3】
【数4】
【数5】
【請求項4】
前記制御チャネル信号は、E−PDCCH信号であり、前記複数の制御チャネルセットは、複数のE−PDCCHセットであり、前記複数の制御チャネル候補は、複数のE−PDCCH候補である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記モニタリングは、該当の制御チャネルセットにおいて前記複数の制御チャネル候補のそれぞれを前記スクランブルシーケンスを用いてデコーディングすることを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の制御チャネルセットのそれぞれに関するRB割当情報を有するRRCメッセージを受信するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の制御チャネル候補は、前記サブフレーム上でPDSCHとFDM方式によって多重化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
無線通信システムにおいて制御チャネル信号を受信するように構成された端末であって、
RFユニットと、
プロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
複数の制御チャネルセットを有するサブフレームを受信することであって、該複数の制御チャネルセットのそれぞれは、複数の制御チャネル候補を有することと、
前記制御チャネル信号の受信のために、前記サブフレームで少なくとも一つの制御チャネルセットをモニタリングすることと、を行うように構成され、
前記複数の制御チャネルセットのそれぞれにおいて前記複数の制御チャネル候補は、スクランブルシーケンスによってスクランブルされ、前記スクランブルシーケンスの初期値は、下記の数式3のcinitであり、
【数6】
【数7】
【請求項9】
X=0であり、q=0である、請求項8に記載の端末。
【請求項10】

【数8】
【数9】
【数10】
【請求項11】
前記制御チャネル信号は、E−PDCCH信号であり、前記複数の制御チャネルセットは、複数のE−PDCCHセットであり、前記複数の制御チャネル候補は、複数のE−PDCCH候補である、請求項8に記載の端末。
【請求項12】
前記モニタリングは、該当の制御チャネルセットにおいて前記複数の制御チャネル候補のそれぞれを前記スクランブルシーケンスを用いてデコーディングすることを有する、請求項8に記載の端末。
【請求項13】
前記プロセッサは、さらに、前記複数の制御チャネルセットのそれぞれに関するRB割当情報を有するRRCメッセージを受信するように構成された、請求項8に記載の端末。
【請求項14】
前記複数の制御チャネル候補は、前記サブフレーム上でPDSCHとFDM方式によって多重化されている、請求項8に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、制御情報を送受信する方法および制御情報を送受信する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどの種々の通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、使用可能なシステムリソース(帯域幅、送信電力など)を共有して複数のユーザとの通信をサポートできる多元接続(multiple access)システムである。多元接続システムの例には、CDMA(Code Division Multiple Access)システム、FDMA(Frequency Division Multiple Access)システム、TDMA(Time Division Multiple Access)システム、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)システム、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)システムなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、無線通信システムにおいて制御情報を効率よく送信/受信する方法およびそのための装置を提供することにある。また、本発明は、制御チャネル信号を効率よく送信/受信する方法およびそのための装置を提供することにある。
【0004】
本発明で達成しようとする技術的課題は、以上で言及している技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
【数1】
【数2】
【数3】
【0006】
【数4】
【数5】
【数6】
【0007】
好ましくは、X=0であり、q=0である。
【0008】
【数7】
【数8】
【数9】
【0009】
好ましくは、制御チャネル信号は、拡張物理下りリンク制御チャネル(Enhanced Physical Downlink Control CHannel;E−PDCCH)信号であり、複数の制御チャネルセットは、複数のE−PDCCHセットであり、複数の制御チャネル候補は、複数のE−PDCCH候補である。
【0010】
好ましくは、モニタリングは、該当の制御チャネルセットにおいて複数の制御チャネル候補のそれぞれをスクランブルシーケンスを用いてデコーディングすることを有する。
【0011】
好ましくは、複数の制御チャネルセットのそれぞれに関するリソースブロック(Resource Block;RB)割当情報を有する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)メッセージを受信することをさらに有する。
【0012】
好ましくは、複数の制御チャネル候補は、サブフレーム上で物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared CHannel;PDSCH)と周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing;FDM)方式によって多重化される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無線通信システムにおいて制御情報を効率よく送信/受信することが可能になる。また、制御チャネル信号を効率よく送信/受信することが可能になる。
【0014】
本発明で得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】LTE(−A)システムに用いられる物理チャネルおよびこれらのチャネルを用いた一般的な信号送信方法を例示する図である。
図2】LTE(−A)システムに用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
図3】下りリンクスロットのリソースグリッドを例示する図である。
図4】下りリンクサブフレームの構造を例示する図である。
図5】送信端でPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を構成する例を示す図である。
図6】受信端でPDCCHを処理する例を示す図である。
図7】キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation;CA)通信システムを例示する図である。
図8】クロス−キャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling)を例示する図である。
図9】サブフレームのデータ領域にE−PDCCH(Enhanced PDCCH)を割り当てる例を示す図である。
図10】E−PDCCHのためのリソース割当とPDSCH受信処理を例示する図である。
図11】E−PDCCHセットを例示する図である。
図12】本発明によって送信端でE−PDCCHを構成する例を示す図である。
図13】本発明によって受信端でE−PDCCHを処理する例を示す図である。
図14】本発明に適用可能な基地局および端末を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付図面は、本発明に係る実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【0017】
以下の技術は、CDMA、FDMA、TDMA、OFDMA、SC−FDMAなどの様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクにおいてOFDMAを採用し、上りリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は3GPP LTEの進展したバージョンである。
【0018】
説明を明確にするため、3GPP LTE/LTE−Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。また、以下の説明に用いられる特定の用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更されてもよい。
【0019】
図1は、LTE(−A)システムに用いられる物理チャネルおよびこれらのチャネルを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
【0020】
図1を参照すると、電源が消えた状態から再び電源がついたり、セルに新しく進入したりした端末は、ステップS101において、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、端末は、基地局から1次同期チャネル(Primary Synchronization CHannel;P−SCH)および2次同期チャネル(Secondary Synchronization CHannel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルID(cell identity)などの情報を取得する。その後、端末は、基地局から物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast CHannel;PBCH)を受信してセル内のブロードキャスト情報を取得することができる。一方、端末は、初期セル探索ステップにおいて、下りリンク参照信号(DownLink Reference Signal;DL RS)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0021】
初期セル探索を終えた端末は、ステップS102において、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel;PDCCH)、および該物理下りリンク制御チャネル情報に対応する物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared CHannel;PDSCH)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
【0022】
その後、端末は、基地局への接続を確立するために、ステップS103乃至ステップS106のようにランダムアクセス手順(Random Access Procedure)を行うことができる。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel;PRACH)を介してプリアンブルを送信し(S103)、PDCCHおよびこれに対応するPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S104)。競合ベースのランダムアクセスでは、追加のPRACHの送信(S105)、およびPDCCHおよびこれに対応するPDSCHの受信(S106)のような競合解決手順(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0023】
以上の手順を行った端末は、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCHの受信(S107)および物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel;PUCCH)の送信(S108)を行うことができる。
【0024】
図2は、LTE(−A)で用いられる無線フレーム(radio frame)の構造を例示する。上りリンク/下りリンクデータパケットの送信は、サブフレーム単位に行われ、サブフレームは、複数のシンボルを含む時間区間として定義される。FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム構造、およびTDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造が用いられる。
【0025】
図2(a)には、タイプ1の無線フレーム構造を例示する。下りリンク無線フレームは、10個のサブフレームで構成され、サブフレームは時間ドメイン(time domain)において2個のスロットで構成される。例えば、サブフレームの長さは1msであり、スロットの長さは0.5msである。スロットは、時間ドメインにおいて複数のOFDMシンボルを含み、周波数ドメインにおいて複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTE(−A)システムでは下りリンクにおいてOFDMを用いるため、OFDMシンボルが1個のシンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボルまたはシンボル区間と呼ぶこともできる。リソース割当単位としてのリソースブロック(RB)は、1個のスロットにおいて複数の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0026】
スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)によって異なることがある。CPには、拡張CP(extended CP)および標準CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが標準CPによって構成された場合、1個のスロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってもよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合は、OFDMシンボルの長さが増加するため、スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、標準CPの場合に比べて少なくなる。例えば、拡張CPの場合、スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより低減するために拡張CPを用いることができる。
【0027】
標準CPが用いられる場合、スロットは7個のOFDMシンボルを含むため、サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。サブフレームの先頭の最大3個のOFDMシンボルはPDCCHに割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCHに割り当てることができる。
【0028】
図2(b)にはタイプ2の無線フレーム構造を例示する。タイプ2の無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成される。ハーフフレームは4(5)個の標準サブフレームおよび1(0)個のスペシャルサブフレームを含む。標準サブフレームは、UL−DL構成(UpLink-DownLink Configuration)によって上りリンクまたは下りリンクに用いられる。サブフレームは2個のスロットで構成される。
【0029】
図3に、下りリンクスロットのリソースグリッドを例示する。
【0030】
図3を参照すると、下りリンクスロットは、時間ドメインにおいて複数のOFDMシンボルを含む。下りリンクスロットは、7(6)個のOFDMシンボルを含み、複数のリソースブロック(RB)を含む。リソースブロックは、周波数ドメインにおいて12個の副搬送波を含むことができる。リソースグリッド上の各要素はリソース要素(Resource Element;RE)と呼ばれ、RBは12×7(6)個のREを含む。下りリンクスロットに含まれるRBの個数NRBは、下りリンク送信帯域幅に依存する。上りリンクスロットの構造は下りリンクスロットの構造と同一であり、ただし、OFDMシンボルがSC−FDMAシンボルに代替される。
【0031】
図4に、下りリンクサブフレームの構造を例示する。
【0032】
図4を参照すると、サブフレームの第1のスロットにおいて先頭部に位置している最大3(4)個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に対応する。残りのOFDMシンボルは、PDSCHが割り当てられるデータ領域に該当する。LTE(−A)で用いられる下りリンク制御チャネルの例には、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PDCCH、PHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel)などがある。
【0033】
PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内で制御チャネルの送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルIDに基づいて制御領域内に均等に分散される。PCFICHは1〜3(または2〜4)の値を示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。PHICHは上りリンク送信に対する応答としてHARQ ACK/NACK信号を運ぶ。PHICH期間(duration)によって設定された一つ以上のOFDMシンボルにおいてCRS(Cell-specific Reference Signal)およびPCFICH以外の残りのREG上にPHICHが割り当てられる。PHICHは、周波数ドメイン上で最大限に分散された3個のREGに割り当てられる。
【0034】
PDCCHは、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボル(以下、制御領域)内に割り当てられる。ここで、nは1以上の整数であり、PCFICHによって示される。PDCCHを介して送信される制御情報をDCI(Downlink Control Information)という。DCIフォーマットは、上りリンク用にフォーマット0、3、3A、4、下りリンク用にフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2Cなどが定義されている。DCIフォーマットは、用途によって、ホッピングフラグ(hopping flag)、RB割当、MCS(Modulation Coding Scheme)、RV(Redundancy Version)、NDI(New Data Indicator)、TPC(Transmit Power Control)、サイクリックシフトDM−RS(DeModulation Reference Signal)、CSI(Channel State Information)要求、HARQプロセス番号、TPMI(Transmitted Precoding Matrix Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)確認(confirmation)などの情報を選択的に含む。
【0035】
PDCCHは、下りリンク共有チャネル(Downlink Shared CHannel;DL−SCH)の送信フォーマットおよびリソース割当情報、上りリンク共有チャネル(UpLink Shared CHannel;UL−SCH)の送信フォーマットおよびリソース割当情報、ページングチャネル(Paging CHannel;PCH)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答などの上位層制御メッセージのリソース割当情報、端末グループ内における個別端末への送信(Tx)電力制御の命令セット、VoIP(Voice over IP)の活性化指示情報などを運ぶ。基地局は、端末に送信するDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、CRC(Cyclic Redundancy Check)を制御情報に付加する。CRCは、PDCCHの所有者または使用目的によって識別子(例えば、RNTI(Radio Network Temporary Identifier))でマスク(mask)される。例えば、PDCCHが特定の端末のためのものであれば、端末識別子(例えば、C−RNTI(Cell-RNTI))をCRCにマスクできる。PDCCHがページングメッセージのためのものであれば、ページング識別子(例えば、P−RNTI(Paging-RNTI))をCRCにマスクできる。PDCCHがシステム情報(例えば、SIB(System Information Block))のためのものであれば、SI−RNTI(System Information RNTI)をCRCにマスクできる。PDCCHがランダムアクセス応答のためのものであれば、RA−RNTI(Random Access-RNTI)をCRCにマスクできる。
【0036】
複数のPDCCHが1つのサブフレーム内で送信されうる。それぞれのPDCCHは一つ以上のCCE(Control Channel Element)を用いて送信され、それぞれのCCEは9個のREGで構成される。REGは、4個のREで構成される。CCEは、PDCCHに、無線チャネル状態に基づく符号化率(coding rate)を提供するために用いられる論理的割当ユニットである。PDCCHのフォーマットおよびPDCCHビットの数は、CCEの個数(CCE aggregation level)によって決定される。
【0037】
表1は、PDCCHフォーマットによるCCEの個数、REGの個数、PDCCHビット数を表すものである。
【0038】
【表1】
【0039】
CCEには連続して番号を付け、デコーディングプロセスを単純化するために、n個のCCEで構成されたフォーマットを持つPDCCHは、nの倍数に相当する数を持つCCEでのみ始めることができる。特定のPDCCHの送信のために用いられるCCEの個数は、チャネル条件によって基地局で決定する。例えば、PDCCHが、良い(例えば、基地局に近接している)下りリンクチャネルを持つ端末のためのものであれば、一つのCCEでも十分であろう。しかし、PDCCHが、悪い(例えば、セル境界に近接している)下りリンクチャネルを持つ端末のためのものであれば、十分なロバスト性(robustness)を得るために、8個のCCEを使用することができる。また、PDCCHの電力レベルをチャネル条件に応じて調節することもできる。
【0040】
LTE(−A)は、それぞれの端末のためにPDCCHが位置し得る制限されたセットのCCE位置を定義する。端末が自体のPDCCHを探すためにモニタリングすべき制限されたセットのCCE位置(等価なものとして、制限されたCCEセットまたは制限されたPDCCH候補セット)を、探索空間(Search Space;SS)と呼ぶことができる。ここで、モニタリングは、それぞれのPDCCH候補をデコーディングすることを含む(ブラインドデコーディング)。UE−固有探索空間(UE-specific Search Space;USS)および共通探索空間(Common Search Space;CSS)が定義される。USSは端末ごとに設定され、CSSは1つまたは複数の端末に対して同一に設定される。USSおよびCSSはオーバーラップしてもよい。USSの開始位置は、端末−固有で各サブフレームにおいてホッピングする。探索空間は、PDCCHフォーマットによって異なるサイズを有することがある。
【0041】
表2は、CSSおよびUSSのサイズを表すものである。
【0042】
【表2】
【0043】
ブラインドデコーディング(Blind Decoding;BD)を試みる回数による計算負荷を管理下(under control)に置くために、定義された全てのDCIフォーマットを同時に探索するように端末に要求することはない。一般に、USS内で端末は常にフォーマット0および1Aを探索する。フォーマット0および1Aは、互いに同一のサイズを有し、メッセージ内のフラグによって区別される。また、追加フォーマットを受信するように端末に要求することもある(例えば、基地局で設定されたPDSCH送信モードによって1、1Bまたは2)。CSSで端末はフォーマット1Aおよび1Cをサーチする。また、端末はフォーマット3または3Aをサーチするように設定されることもある。フォーマット3および3Aは、フォーマット0および1Aと同じサイズを有し、端末−固有識別子より、むしろ互いに異なる(共通)識別子でCRCをスクランブル(scramble(拡散))することによって区別することができる。送信モード(Transmission Mode;TM)によるPDSCH送信手法、およびDCIフォーマットの情報コンテンツを、次に述べる。
【0044】
送信モード
●送信モード1:単一の基地局アンテナポートからの送信
●送信モード2:送信ダイバーシチ
●送信モード3:開ループ空間多重化
●送信モード4:閉ループ空間多重化
●送信モード5:マルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)
●送信モード6:閉ループランク−1プリコーディング
●送信モード7:単一アンテナポート(ポート5)送信
●送信モード8:二重レイヤ送信(ポート7および8)または単一アンテナポート(ポート7または8)送信
●送信モード9〜10:最大8個のレイヤ送信(ポート7〜14)または単一アンテナポート(ポート7または8)送信
【0045】
DCIフォーマット
●フォーマット0:PUSCH送信のためのリソースグラント
●フォーマット1:単一コードワードPDSCH送信(送信モード1、2および7)のためのリソース割当
●フォーマット1A:単一コードワードPDSCH(全てのモード)のためのリソース割当のコンパクトシグナリング
●フォーマット1B:ランク−1閉ループプリコーディングを用いるPDSCH(モード6)のためのコンパクトリソース割当
●フォーマット1C:PDSCH(例えば、ページング/ブロードキャストシステム情報)のための非常にコンパクトなリソース割当
●フォーマット1D:マルチユーザMIMOを用いるPDSCH(モード5)のためのコンパクトリソース割当
●フォーマット2:閉ループMIMO動作のPDSCH(モード4)のためのリソース割当
●フォーマット2A:開ループMIMO動作のPDSCH(モード3)のためのリソース割当
●フォーマット3/3A:PUCCHおよびPUSCHのための2ビット/1ビットの電力調整値を持つ電力制御命令
●フォーマット4:マルチアンテナ(multi-antenna)ポート送信モードに設定されたセルにおけるPUSCH送信のためのリソースグラント
【0046】
DCIフォーマットは、TM−専用(dedicated)フォーマットとTM−共通(common)フォーマットとに分類できる。TM−専用フォーマットは該当のTMにのみ設定されたDCIフォーマットを意味し、TM−共通フォーマットは全てのTMに共通に設定されたDCIフォーマットを意味する。例えば、TM8は、DCIフォーマット2BをTM−専用DCIフォーマットとし、TM9は、DCIフォーマット2CをTM−専用DCIフォーマットとし、TM10は、DCIフォーマット2DをTM−専用DCIフォーマットとすることができる。また、DCIフォーマット1AはTM−共通DCIフォーマットであってもよい。
【0047】
図5は、送信端(例えば、基地局)でPDCCHを構成する例を示す図である。
【0048】
図5を参照すると、基地局は、DCIフォーマットによって制御情報を生成する。基地局は、端末に送る制御情報によって複数のDCIフォーマット(DCI format 1,2,…,N)のうち一つのDCIフォーマットを選択することができる。ステップS410で、それぞれのDCIフォーマットによって生成された制御情報にエラー検出のためのCRCを付加する。CRCにはPDCCHの所有者や用途によって識別子(例えば、RNTI)がマスクされる。言い換えると、PDCCHは識別子(例えば、RNTI)でCRCスクランブルされる。
【0049】
表3は、PDCCHにマスクされる識別子の例を表すものである。
【0050】
【表3】
【0051】
C−RNTI、TC−RNTI(Temporary C-RNTI)またはSPS C−RNTI(Semi-Persistent Scheduling C-RNTI)が用いられる場合、PDCCHは特定の端末のための制御情報を運び、その他のRNTIが用いられる場合、PDCCHはセル内の全ての端末が受信する共通制御情報を運ぶ。ステップS420で、CRCが付加された制御情報にチャネルコーディングを行い、符号化された制御情報を生成する。符号化された制御情報は、割り当てられたCCEアグリゲーションレベル(aggregation level)によってレートマッチング(rate matching)を行うことができる。ステップS430で、符号化された制御情報にスクランブルを適用する。スクランブルは、多重化された制御情報に適用し、具体的には、次のように行うことができる。
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】
【0054】
【数12】
【0055】
【数13】
【0056】
スクランブルは、下記の式によって行うことができる。
【0057】
【数14】
【0058】
【数15】
【0059】
【数16】
【0060】
【数17】
【0061】
【数18】
【0062】
ステップS440で、スクランブルされた制御情報を変調して変調シンボルを生成する。一つのPDCCHを構成する変調シンボルは、CCEアグリゲーションレベルが1、2、4、8のいずれか一つであってよい。ステップS450で、変調シンボルをリソース要素(RE)にマッピング(CCE to RE mapping)する。
【0063】
図6は、受信端(例えば、端末)がPDCCHを処理する例を示す。
【0064】
図6を参照すると、ステップS510において、端末は、物理的なリソース要素をCCEにデマッピング(CCE to RE demapping)する。ステップS520で、端末は、自体がどのCCEアグリゲーションレベルでPDCCHを受信すべきかを知らず、それぞれのCCEアグリゲーションレベルに対して復調(DeModulation)を行う。復調された制御情報に対してはレートデマッチング(rate dematching)を行うことができる。この場合、端末は、自体がどのDCIフォーマット(またはDCIペイロードサイズ)を持つ制御情報を受信すべきかを知らず、それぞれのDCIフォーマット(またはDCIペイロードサイズ)に対してレートデマッチングを行ってもよい。
【0065】
【数19】
【0066】
【数20】
【0067】
ここで、スクランブルシーケンスc(i)は、数式2から得られる。
【0068】
【数21】
【0069】
図7は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation;CA)通信システムを例示する。
【0070】
図7を参照すると、複数の上りリンク/下りリンクコンポーネントキャリア(Component Carrier;CC)を集約して(aggregating)より広い上りリンク/下りリンク帯域幅をサポートすることができる。それぞれのCCは、周波数ドメインで互いに隣接してもよく、隣接しなくてもよい。各コンポーネントキャリアの帯域幅は、独立して定めることができる。ULCCの個数とDLCCの個数とが異なる非対称キャリアアグリゲーションも可能である。一方、制御情報は特定のCCのみを介して送受信されるように設定することができる。このような特定のCCをプライマリCCと呼び、残りのCCをセカンダリCCと呼ぶことができる。一例として、クロス−キャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling)(または、クロス−CCスケジューリング)を適用する場合、下りリンク割当のためのPDCCHは、DL CC#0で送信し、該当のPDSCHは、DL CC#2で送信することができる。“コンポーネントキャリア”という用語は、等価な別の用語(例えば、キャリア、セルなど)に代えてもよい。
【0071】
クロス−CCスケジューリングのために、CIF(Carrier Indicator Field)を用いる。PDCCH内にCIFが存在するか否かを通知する設定が半−静的で端末−固有(または、端末グループ−固有)に上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)によってイネーブル(enable)されうる。PDCCH送信の基本事項を下記のようにまとめることができる。
【0072】
◆CIFディセーブルド(disabled):DL CC上のPDCCHによって、同一のDL CC上にPDSCHリソースを、または、単一のリンクされたUL CC上にPUSCHリソースを、割り当てる。
【0073】
●No CIF
【0074】
◆CIFイネーブルド(enabled):DL CC上のPDCCHによって、CIFを用いて、複数の集約されたDL/UL CCのうちの一つのDL/UL CC上に、PDSCHまたはPUSCHリソースを割り当てることができる。
【0075】
●CIFを有するように拡張されたLTE DCIフォーマット
− CIF(設定される場合)は、固定されたx−ビットフィールド(例えば、x=3)
− CIF(設定される場合)の位置は、DCIフォーマットサイズにかかわらず固定される
【0076】
CIFが存在する場合、基地局は、端末側におけるBD複雑度を低減するためにモニタリングDL CC(セット)を割り当てることができる。PDSCH/PUSCHスケジューリングのために、端末は、該当のDL CCでのみPDCCHの検出/デコーディングを行うことができる。また、基地局は、モニタリングDL CC(セット)のみを用いてPDCCHを送信することができる。モニタリングDL CCセットは、端末−固有、端末グループ−固有、またはセル−固有の方式で設定することができる。
【0077】
図8は、3個のDL CCが集約され、DL CC AがモニタリングDL CCとして設定された場合を例示する。CIFがディセーブルになると、LTE PDCCH規則に従って、各DL CCは、CIFを用いずに各DL CCのPDSCHをスケジューリングするPDCCHを送信することができる。一方、CIFが上位層シグナリングによってイネーブルになると、CIFを用いて、DL CC Aのみが、DL CC AのPDSCHだけでなく、他のDL CCのPDSCHもスケジューリングするPDCCHを送信することができる。モニタリングDL CCとして設定されていないDL CC BおよびCではPDCCHが送信されない。ここで、モニタリングDL CCは、モニタリングキャリア、モニタリングセル、スケジューリングキャリア、スケジューリングセル、サービングキャリア、サービングセルなどの等価な用語に代えてもよい。PDCCHに対応するPDSCHが送信されるDL CC、PDCCHに対応するPUSCHが送信されるUL CCは、被スケジューリングキャリア、被スケジューリングセルなどと呼ぶこともできる。
【0078】
FDD DLキャリア、TDD DLサブフレームは、図4で述べたように、サブフレームにおける先頭n個のOFDMシンボルを、各種の制御情報を送信するための物理チャネルであるPDCCH、PHICH、PCFICHなどの送信に使用し、残りのOFDMシンボルをPDSCHの送信に使用する。各サブフレームで制御チャネルの送信に用いられるシンボルの個数(n)は、PCFICHなどの物理チャネルを用いて動的に、或いはRRCシグナリングを用いて半−静的に端末に伝達される。nの値は、サブフレーム特性およびシステム特性(FDD/TDD、システム帯域幅など)によって、1シンボルから最大4シンボルまで設定することができる。一方、従来のLTEシステムにおいてDL/ULスケジューリングおよび各種の制御情報を送信するための物理チャネルであるPDCCHは、限られたOFDMシンボルで送信されるなどの制約があった。そのため、LTE−Aシステムでは、PDSCHとFDM方式によってより自由に多重化されるE−PDCCH(enhanced PDCCH)を導入している。
【0079】
図9は、サブフレームにE−PDCCHを割り当てる例を示している。
【0080】
図9を参照すると、サブフレームの制御領域(図4参照)には、従来のLTE(−A)に基づくPDCCH(便宜上、レガシー(Legacy)PDCCH、L−PDCCH)を割り当てることができる。図中、L−PDCCH領域は、レガシーPDCCHが割り当てられうる領域を意味する。コンテキスト(context)によって、L−PDCCH領域は、制御領域、制御領域内で実際にPDCCHが割り当てられうる制御チャネルリソース領域(すなわち、CCEリソース)、またはPDCCH探索空間を意味することができる。一方、データ領域(例えば、PDSCHのためのリソース領域、図4参照)内にPDCCHをさらに割り当てることができる。データ領域に割り当てられたPDCCHをE−PDCCHと呼ぶ。図示のように、E−PDCCHによって制御チャネルリソースをさらに確保することによって、L−PDCCH領域の限られた制御チャネルリソースによるスケジューリングの制約を緩和することができる。データ領域において、E−PDCCHとPDSCHとはFDM方式によって多重化される。
【0081】
具体的には、E−PDCCHは、DM−RS(DeModulation Reference Signal)に基づいて検出/復調できる。E−PDCCHは、時間軸上でPRB(Physical Resource Block)ペア(pair)にわたって送信される構造を有する。より具体的には、E−PDCCH検出のための探索空間(Search Space;SS)を1つまたは複数(例えば、2つ)のE−PDCCHセットで構成することができる。それぞれのE−PDCCHセットは、複数(例えば、2,4,8)のPRBペアを占有できる。E−PDCCHセットを構成するeCCE(Enhanced CCE)は、(1つのeCCEが複数のPRBペアに分散されているか否かによって)局在された(localized)または分散された(distributed)形態でマッピングされうる。また、E−PDCCHベースのスケジューリングが設定される場合、どのサブフレームでE−PDCCH送信/検出を行うかを指定することができる。E−PDCCHは、USSのみで構成できる。端末は、E−PDCCH送信が行えるように設定されたサブフレーム(以下、E−PDCCHサブフレーム)でのみ、L−PDCCH CSSおよびE−PDCCH USSに対してDCI検出を試み、E−PDCCH送信が行えないように設定されたサブフレーム(すなわち、ノン−E−PDCCHサブフレーム)では、L−PDCCH CSSおよびL−PDCCH USSに対してDCI検出を試みることができる。
【0082】
L−PDCCHと同様に、E−PDCCHもDCIを運ぶ。例えば、E−PDCCHは、下りリンクスケジューリング情報、上りリンクスケジューリング情報を運ぶことができる。E−PDCCH/PDSCH処理およびE−PDCCH/PUSCH処理は、図1のステップS107およびS108を参照して説明した処理と類似/同一である。すなわち、端末は、E−PDCCHを受信し、E−PDCCHに対応するPDSCHを介してデータ/制御情報を受信することができる。また、端末は、E−PDCCHを受信し、E−PDCCHに対応するPUSCHを介してデータ/制御情報を送信することができる。一方、従来のLTEは、制御領域内にPDCCH候補領域(以下、PDCCH探索空間)をあらかじめ予約し、その一部の領域に特定の端末のPDCCHを送信する方式を採用している。そのため、端末は、ブラインドデコーディングを用いてPDCCH探索空間から自体のPDCCHを取得することができる。同様に、E−PDCCHも、事前予約されたリソースの一部または全体にわたって送信することができる。
【0083】
図10は、E−PDCCHのためのリソース割当とE−PDCCHの受信処理とを例示する。
【0084】
図10を参照すると、基地局は、端末にE−PDCCHリソース割当(Resource Allocation;RA)情報を送信する(S910)。E−PDCCH RA情報は、RB(または、VRB(Virtual Resource Block))割当情報を含むことができる。RB割当情報は、RB単位またはRBG(Resource Block Group)単位で与えることができる。RBGは、2つ以上の連続したRBを含む。E−PDCCH RA情報は、上位層(例えば、Radio Resource Control層、RRC層)シグナリングを用いて送信することができる。ここで、E−PDCCH RA情報は、E−PDCCHリソース(領域)(すなわち、EPDCCHセット)を事前予約するために用いる。その後、基地局は、端末にE−PDCCHを送信する(S920)。E−PDCCHは、ステップS910で予約されたE−PDCCHリソース(例えば、M個のRB)の一部領域または全領域で送信することができる。したがって、端末は、E−PDCCHが送信されうるリソース(領域)(以下、E−PDCCH探索空間)をモニタリングする(S930)。E−PDCCH探索空間として、ステップS910で割り当てられたRBセットの一部を与えることができる。ここで、モニタリングは、探索空間における複数のE−PDCCH候補をブラインドデコーディングすることを含む。ブラインドデコーディングは、E−PDCCHに適用されたスクランブルシーケンスを用いて行うことができる。
【0085】
図11は、E−PDCCHセットを例示する。
【0086】
図11を参照すると、各CC/セルごとにK個のE−PDCCHセットを構成することができる。Kは、1より大きいまたは等しい特定の上限(例えば、2)より小さいまたは等しい数になり得る。また、それぞれのE−PDCCHセットは、(PDSCH領域に属している)N個のPRBで構成できる。ここで、Nの値およびこれを構成するPRBリソース/インデックスは、E−PDCCHセットごとに独立して(すなわち、セット−固有に)割り当てることができる。これにより、各E−PDCCHセットを構成するeCCEリソースの個数およびインデックスを、(端末−固有に、且つ)セット−固有に設定することができる。それぞれのeCCEリソース/インデックスにリンクされるPUCCHリソース/インデックスも、E−PDCCHセットごとに独立した開始PUCCHリソース/インデックスを設定することによって、(端末−固有に、且つ)セット−固有に割り当てることができる。ここで、eCCEは、(PDSCH領域内のPRBに属している)複数のREで構成されるE−PDCCHの基本制御チャネル単位を意味できる。eCCEは、E−PDCCHの送信形態によって異なる構造を有することができる。一例として、局在送信(localized transmission)のためのeCCEは、同一のPRBペアに属するREで構成できる。一方、分散送信(distributed transmission)のためのeCCEは、複数のPRBペアから抽出されたREで構成できる。また、局在eCCEの場合、各ユーザに最適のビームフォーミングを行うために、eCCEリソース/インデックスごとにAP(Antenna Port)が独立して使用されうる。一方、分散eCCEの場合、複数のユーザがAPを共通に使用できるように、同一のAPセットが互いに異なるeCCEで反復使用されてもよい。
【0087】
実施例:E−PDCCHスクランブル
数式2を参照して説明した通り、LTEでL−PDCCHのためのセル−固有スクランブルシーケンスを生成するためのスクランブルシーケンス生成器は、各サブフレームの開始点で次のセル−固有値に初期化される。
【0088】
【数22】
【0089】
一方、スクランブルシーケンスを生成するために用いられる初期値(簡単に、初期値)は、送信チャネルのタイプによって決定することが好ましい。これと関連して、図9に示すように、L−PDCCHはサブフレームの制御領域に割り当てられ、E−PDCCHはサブフレームのデータ領域に割り当てられる。そのため、E−PDCCHスクランブルシーケンスを生成する場合、従来のPDCCHとは異なる初期値を用いることが好ましい。
【0090】
以下、E−PDCCHスクランブルシーケンスに用いられる初期値を提案する。特別に言及しない限り、本発明でいうスクランブル/スクランブルシーケンスは、E−PDCCHペイロード(すなわち、DCI)に適用されるスクランブル/スクランブルシーケンスを意味し、DCI内のCRCに適用されるスクランブル/スクランブルシーケンス(または、マスク/マスクシーケンス)とは区別される。E−PDCCHの送信/受信に関する動作全般に関する事項は、L−PDCCHに関する事項(図5図6参照)を同一に/類似して適用することができる。
【0091】
E−PDCCHは、サブフレームのデータ領域において、PDSCHと、FDM(Frequency Division Multiplexing)方式によって多重化される。したがって、E−PDCCHに対しても、PDSCHに用いられるスクランブルシーケンス初期値を用いる方法を考慮することができる。
【0092】
【数23】
【0093】
【数24】
【0094】
【数25】
【0095】
したがって、E−PDCCHスクランブルシーケンスの初期値を、上記と同じ方式を用いて次のように定義することができる。
【0096】
【数26】
【0097】
ここで、1つのコードワードは1つのDCIに対応する。したがって、単一のコードワードは、1つのE−PDCCHを介して1つのDCIが送信される場合を表し、複数のコードワードは、1つのE−PDCCHを介して複数のDCIが送信される場合を表す。
【0098】
【数27】
【0099】
【数28】
【0100】
【数29】
【0101】
【数30】
【0102】
【数31】
【0103】
また、上記の提案方法において、端末がモニタリングしなければならないDCIタイプの種類(例えば、フォールバックDCI(例えば、DCIタイプ0/1A)またはTM−固有DCI(例えば、DCIタイプ2C))によって事前に定義された異なったRNTIを用いて、それぞれの制御情報を受信するように規則を定めることができる。ここで、特定のDCIタイプと連動しているRNTIに関する情報は、事前に定義された規則によって暗黙に把握されるようにしたり、または、基地局が端末に事前に定義されたシグナル(上位層シグナリングまたは物理層シグナリング)を用いて知らせることができる。また、上記の方式に関する実施例として、特定のDCIタイプの種類は、事前に定義された規則によって共通探索空間または端末−固有探索空間で送信することができる。
【0104】
また、E−PDCCHリソースマッピングと関連して、局在モード(Localized mode)と分散モード(distributed mode)とではそれぞれ好ましいまたは適用可能な送信方式が異なりうるため、それに応じて上記のスクランブルシーケンス初期化方式を多様化できる。例えば、局在モードでは、各端末に周波数選択スケジューリング方式を用いて信号特性の良い帯域を割り当て、選択的にデータを送信することができる。一方、分散モードは、それぞれの帯域別チャネル品質に関する報告を受けないか、或いはワイドバンドチャネル品質のみを知る場合に好ましい送信方式であるため、空間および/または周波数ダイバーシチなどが得られる送信方式が好ましい。
【0105】
したがって、局在モードでは、互いに異なるアンテナポートを用いる端末にそれぞれ専用である(dedicated)プリコーディングを適用してビームフォーミング方式で送信を行うことができ、送信レート(rate)および/またはセル容量(capacity)を増大させるために、複数のレイヤを用いて複数のユーザにMIMO方式で送信するMU−MIMO(Multi-User MIMO)方式を用いることができる。しかし、同一の周波数、時間リソースを使って空間ドメイン上で多重化するMU−MIMOを用いる場合、端末間で干渉が生じうる。特定の端末の信号には他の端末の信号が干渉として作用し、相互の信号間に相関性(correlation)が生じる場合、干渉を除去することが一層難しくなるため、干渉をランダム化して端末信号と干渉信号とを独立したものにする必要がある。各端末のソース情報(source information)が独立して生成されたとしても、チャネルコーディングなどを経て生成されたコードワードは、各端末間の独立した特性を十分に維持できないことがある。そのため、各コードワードをランダム化して互いに独立したものとすることが必要であり、これは、端末−固有スクランブルシーケンスを用いてなし得る。
【0106】
【数32】
【0107】
【数33】
【0108】
【数34】
【0109】
【数35】
【0110】
【数36】
【0111】
【数37】
【0112】
数式8において、X=0で、q=0であってもよい。
【0113】
【数38】
【0114】
【数39】
【0115】
図14は、本発明の実施例に適用可能な基地局および端末を例示する図である。リレーを含むシステムでは、基地局または端末をリレーに代替してもよい。
【0116】
図14を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110および端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114および無線周波数(RF)ユニット116を備える。プロセッサ112は、本発明で提案した手順および/または方法を具現するように構成できる。メモリ114は、プロセッサ112に接続し、プロセッサ112の動作に関する様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112に接続し、無線信号を送信および/または受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124およびRFユニット126を備える。プロセッサ122は、本発明で提案した手順および/または方法を具現するように構成できる。メモリ124は、プロセッサ122に接続し、プロセッサ122の動作に関する様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122に接続し、無線信号を送信および/または受信する。基地局110および/または端末120は、単一のアンテナまたは複数のアンテナを有することができる。
【0117】
以上で説明してきた実施例は、本発明の構成要素および特徴を所定形態で組み合わせたものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と組み合わせない形態で実施することもでき、一部の構成要素および/または特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含めることもでき、別の実施例の対応する構成または特徴に置き換えることもできる。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を組み合わせて実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりできることは明らかである。
【0118】
本文書において、本発明の実施例は主として端末と基地局との間のデータ送受信の関係を中心に説明されている。本文書において基地局によって行われるとした特定の動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノードからなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、または基地局以外の別のネットワークノードによって実行できることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代替してもよい。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に代替してもよい。
【0119】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firm ware)、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせなどによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つまたは複数のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0120】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能または動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動することができる。メモリユニットはプロセッサの内部または外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0121】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で別の特定の形態で具体化可能であるということは、当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の均等範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、端末、リレー、基地局などの無線通信装置に用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14