(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド部は、前記油溜まりをレンジフードに装着するためにスライドさせる場合に、前記突起部を後退させるように第一傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。
前記ガイド部は、前記油溜まりをレンジフードに装着する場合に、前記油溜まりをスライドさせる方向と平行であって、前記突起部を前記第一傾斜面に導く第二傾斜面を有することを特徴とする請求項2に記載のレンジフード。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、かかる構造では、装着時の装着感(操作感)がなく、どの位置が正規の位置なのか分かりにくいものであった。また、単に引っ掛け構造を採用しているため、人の手などが不用意に触れてしまった場合には、意図せず外れてしまう可能性があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、油溜まりの着脱時に的確な装着感を出すことで、操作性を向上すると共に、高級感を演出する、さらには、安定した装着状態とすることができるので不用意に外れてしまうことを防止して、安全性を向上させたレンジフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、フードの内部に送風機と、送風機より生ずる空気の流れの上流側にフィルタと、フィルタ及びフードで捕獲された油分を回収収容する油溜まりと、油溜まりをスライド可能に支持する支持部と、突起の前後方向に
、突出方向に付勢されることにより出没自在の突起部とを備え、油溜まりは、ガイド部とガイド部から延設して設けられた係合段部とを有し、油溜まりをレンジフードに着脱する際、突起部と支持部は油溜まりを保持し、油溜まりのガイド部は突起部と当接しながら摺動し、突起部は、レンジフードへ
油溜まりを
装着する過程において、係合段部に摺動しながら到達すると係合段部に沿って突出し、レンジフードから油溜まりを外す過程において装着する過程とは逆の方向に油溜まりを動かすことによって、係合段部に沿って持ち上がることを特徴とするレンジフードが提供される。
これによれば、油溜まりの着脱時に的確な装着感を出すことで、操作性を向上すると共に、高級感を演出する、さらには、安定した装着状態とすることができるので不用意に外れてしまうことを防止して、安全性を向上させたレンジフードを提供することができる。
また、突起部を付勢する弾性体の弾性係数により、容易に装着感を調整することができる。
【0009】
さらに、ガイド部は、油溜まりをレンジフードに装着するためにスライドさせる場合に、突起部を後退させるように第一傾斜面を有することを特徴としてもよい。
これによれば、装着する際には小さい力でスムースに案内することができる。
【0010】
さらに、ガイド部は、油溜まりをレンジフードに装着する場合に、油溜まりをスライドさせる方向と平行であって、突起部を第一傾斜面に導く第二傾斜面を有することを特徴としてもよい。
これによれば、装着する際に、ガイド部が突起部と当接しながら摺動する位置が多少ずれても正規の位置に案内することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、油溜まりの着脱時に的確な装着感を出すことで、操作性を向上すると共に、高級感を演出する、さらには、安定した装着状態とすることができるので不用意に外れてしまうことを防止して、安全性を向上させたレンジフードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る第一実施例におけるレンジフードの六面図。(A)正面図、(B)平面図、(C)底面図、(D)左側面図、(E)右側面図。
【
図2】本発明に係る第一実施例におけるレンジフードを右下から見た斜視図。
【
図3】本発明に係る第一実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の説明図。
【
図4】本発明に係る第一実施例のレンジフードにおける油溜まりの六面図。(A)正面図、(B)平面図、(C)底面図、(D)背面図、(E)左側面図、(F)右側面図。
【
図5】本発明に係る第一実施例のレンジフードにおける油溜まりを右下から見た斜視図(A)、右上から見た斜視図。
【
図6】本発明に係る第一実施例の支持部と突起部の分解図(A)、断面分解図(B)。
【
図7】本発明に係る第一実施例の油溜まりにおけるガイド部を右上から見た拡大斜視図(A)、左上から見た拡大斜視図。
【
図8】本発明に係る第一実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の概念図。
【
図9】本発明に係る第一実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の断面による説明図。(A)油溜まりのスライド前、(B)突起部がガイド部を当接しながら摺動している時、(C)突起部が係合段部を通過する直前、(D)突起部が係合段部を通過し、油溜まりが整流板に装着された時。
【
図10】本発明に係る第二実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の説明図。
【
図11】本発明に係る第二実施例のレンジフードにおける油溜まりを右上から見た斜視図。
【
図12】本発明に係る第二実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の、突起部付近の断面による説明図。(A)突起部がガイド部を当接し始めた時、(B)突起部が係合段部を通過する直前、(C)突起部が係合段部を通過し、油溜まりが整流板に装着された時。
【
図13】本発明に係る第二実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の、支持部付近の断面による説明図。(A)油溜まりのスライド前、(B)被支持部が支持部を当接し始めた時、(C)突起部が係合段部を通過し、油溜まりが整流板に装着された時。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1は、本発明に係る第一実施例におけるレンジフード1の正六面図を、
図2は、レンジフード1を右下から見た斜視図を示す。レンジフード1は、調理器の上方に設けられ、調理により発生する油煙や水蒸気などを含む空気を捕獲するための、薄型扁平のフード10をレンジフード1の下部に備える。フード10には、フード10の内周縁と隙間を形成するようにして整流板30が備えられる。フード10の上部には、内部に空気の流れを発生させる送風機(図示せず)を備える送風機ボックス20が設けられる。また、送風機ボックス20とフード10との連結部分辺りにフィルタ12が備えられる。
【0015】
フード10により捕獲される空気は、送風機が発生させる下方から上方への空気の流れに乗って、フード10と整流板30との間の隙間から吸い込まれ、吸い込まれた空気は、整流板30とフード内面11との間の空間を通り、フィルタ12の周りに形成されている煙道に導かれ、油煙などを除去するフィルタ12を通過する。その後、送風機ボックス20に設けられる排気口21に接続される図示しない排気ダクトによって室外などへ放出される。なお、フードは薄型扁平な形状に限定されず、大きな捕獲空間を備え縦方向に厚みのあるフードであってもよい。
【0016】
調理により発生した油煙などは、送風機が発生させた空気の流れに乗ってフード10により捕獲され、フード内面11やフィルタ12などの煙道に付着する。それらに付着した油煙は、長期間使っていると、整流板30の上面に垂れて落ちることがある。整流板30の上面に垂れて落ちた油分は、整流板30のわずかな背面方向への傾斜を利用して、後方へ集められ、整流板30の下面に装着された油溜まり40に回収される。
【0017】
図3は、油溜まりを整流板に装着する場合を説明するための図である。整流板30の背面側の近傍には、油抜き孔36が複数個設けられており、整流板30の上面に垂れて落ちた油分は、この油抜き孔36を通して油溜まり40に回収される。整流板30は、油溜まり40をスライド可能に支持する支持部31を備える。一方、油溜まり40は、支持部31にスライド可能に支持されるガイド部(図示せず)を備える。油溜まり40は、ガイド部を支持部31に引っ掛けて、整流板30の下面で、その下面に沿った方向(本図のDの矢印で示す方向)にスライドさせて、整流板30に装着される。詳細は、後述する。
【0018】
図4は、本実施例における油溜まり40の正六面図を、
図5は斜視図を示す。油溜まり40は、整流板30の支持部31に対応する位置に、即ち、本実施例では油溜まり40の左右両端であって背面側近傍にガイド部41を備える。ガイド部41は、背面側方向であって底面側方向に下傾斜して形成される傾斜面、および、油溜まり40の中央側であって底面側方向に下傾斜して形成される傾斜面を備える。詳細は、後述する。
【0019】
また、油溜まり40は、ガイド部41の正面側に係合段部42を備える。係合段部42は、底面方向に落ち込む斜面から形成されている。この係合段部42よりさらに正面側は、底面と平行な小さな面が形成され、その小さな面よりさらに正面側は、底面とは反対方向に立ち上がる斜面が形成されている。従って、係合段部42から正面側は、スライド方向の縦断面視では、凹部を形成している。油分プール43は、整流板30の油抜き孔36に対応して設けられ、油抜き孔36から垂下する油分を受け止めて、回収収容する。
【0020】
図6は、レンジフード1の整流板30が有する支持部31と突起部32を説明するための分解図である。突起部32は、弾性体33と共に、突起部ホルダー34の中に納められ、突起部ホルダーキャップ35により上から押さえつけられるので、弾性体33により下方向、即ち、突起部ホルダー34の下端に備えられた支持部31の方へ付勢される。突起部32は、支持部31に当接はしておらず、後述するように、油溜まり40のガイド部41が間に入る程度の、支持部31との間に隙間が存在する。従って、突起部32は、突起部32が突出する方向に付勢されており、付勢されていることによりその方向に出没自在である。これによれば、突起部を付勢する弾性体の弾性係数により、容易に装着感を調整することができる。
【0021】
突起部ホルダー34と突起部ホルダーキャップ35とは、整流板30の突起部ホルダー通孔37を介して、突起部ホルダー34は整流板30の下側から、突起部ホルダーキャップ35は整流板30の上側から取り付けられる。そうすると、整流板30の下側に支持部31が現れ、ガイド部41が入り込む程度の隙間を空けて、突起部32も整流板30の下側に現れる。なお、本実施例では、突起部32は整流板30に備えられるが、これに限定されず、整流板を有さないレンジフードの場合はフード内面に設けられてもよい。
【0022】
図7は、本発明に係る第一実施例における油溜まり40のガイド部41付近の拡大斜視図である。油溜まり40は、左右両端にガイド部41と、ガイド部41から正面側に延設して設けられた係合段部42とを有する。より具体的には、ガイド部41は、油溜まり40の整流板30とのスライド方向Dと平行な面をなす小さな係合片を、整流板30の支持部31と対応する位置であって背面側の端部に有する。この係合片は、整流板30に油溜まり40をスライドさせて装着する際最初に、整流板30の支持部31に引っ掛かり支持される部分となる。
【0023】
この係合片の正面側には整流板30の方へ(上方へ)向かって傾斜する比較的緩やかな第一傾斜面411が延設される。そして、この第一傾斜面411の正面側には、係合片と平行即ち整流板30とのスライド方向Dと平行な面がさらに延設される。さらにその正面側には、底面方向に落ち込む斜面として形成される係合段部42を備える。また、係合段部42からさらに正面側(スライド方向Dと反対方向)には下方に向かって係合片を折り曲げた形状のストッパ部を備える。
【0024】
ガイド部41は、さらに、油溜まり40をレンジフード1に装着する場合に、油溜まり40をスライドさせる方向と平行であって、突起部32を第一傾斜面411に導く第二傾斜面412を有する。より具体的には、ガイド部41は、油溜まり40の左右両端部から中央側への傾斜面であって底面側方向に下傾斜して形成される第二傾斜面412を備える。これによれば、ユーザが油溜まり40を整流板30に装着しようとする際に、ガイド部41が正面視左右方向に多少位置ずれしても、即ち、後述する突起部と当接しながら摺動する位置が多少ずれても、正規の位置に案内することができる。
【0025】
ここで、ガイド部41と突起部32との摺動について、
図8を用いて説明する。
図8(A)は、第一傾斜面411を備えないガイド部41’のスライド方向Dにおける縦断面図を示す。即ち、ガイド部41’は、整流板30とのスライド方向Dと平行な面をガイド部として備える。ユーザが油溜まり40を装着しようとする際、ガイド部41’の先端は突起部32の下部に衝突するが、突起部32は突出する方向に出没自在なので、ガイド部41’により上方に持ち上げられる。突起部32は、バネにより下方向に付勢されているので、上方に持ち上げられた後、ガイド部41’の上面に当接する。その状態で、油溜まり40は、完全に装着するためにスライド方向Dの方向へ移動するので、油溜まり40をレンジフード1に着脱する際、油溜まり40のガイド部41は突起部32と当接しながら摺動する。
【0026】
油溜まり40を完全に装着するためにスライド方向Dの方向へさらに移動させると、突起部32は、係合段部42に摺動しながら到達する。突起部32が係合段部42に到達すると、突起部32は下方向に付勢されているので、急峻な傾斜面の係合段部42に沿って突然下方向に突出する。係合段部42が突然突出することにより、油溜まり40の装着時に装着感を出すことができ、操作性を向上すると共に、高級感を演出することができる。
【0027】
突起部32は、突然突出することで、係合段部42を通過し、係合段部42の下に位置する凹部に到達する。突起部32は、凹部に当接してもよいし、当接しなくともよい。いずれであっても、油溜まり40の装着時に装着感を出すことができるからである。しかし、突起部32は、凹部に当接することが好ましい。突起部32と支持部31により確実に油溜まり40を保持できるからである。
【0028】
また、油溜まり40を整流板30から外す時は、装着するためにスライドさせる方向Dとは逆の方向に油溜まり40を動かす。そうすると、突起部32が急峻な傾斜面の係合段部42に沿って上に持ちあがるためには、ユーザは最初だけ比較的大きな力で動かす必要がある。これにより、不用意に油溜まり40が外れてしまうことを防止して、安全性を向上させる。
【0029】
図8(B)は、第一傾斜面411を備えるガイド部41のスライド方向Dにおける縦断面図を示す。ユーザが油溜まり40を装着しようとする際、ガイド部41の先端は突起部32に衝突することがない。従って、突起部32は、最初に傾斜が緩やかな第一傾斜面411に当接し、突出方向に出没自在なので、第一傾斜面411により徐々に上方に持ち上げられる。即ち、油溜まり40をレンジフード1に装着するためにスライドさせる場合に、第一傾斜面411は、徐々に突起部32を後退させる。これによれば、装着する際には小さい力でスムースに案内することができる。油溜まり40は、完全に装着するためにスライド方向Dの方向へ移動するので、油溜まり40をレンジフード1に着脱する際、ガイド部41は突起部32と当接しながら摺動する。
【0030】
油溜まり40を完全に装着するためにスライド方向Dの方向へさらに移動させると、突起部32は、係合段部42に摺動しながら到達する。突起部32が係合段部42に到達すると、突起部32は下方向に付勢されているので、急峻な傾斜面の係合段部42に沿って突然下方向に突出する。係合段部42が突然突出することにより、油溜まり40の装着時に装着感を出すことができ、操作性を向上すると共に、高級感を演出することができる。
【0031】
また、油溜まり40を整流板30から外す時は、装着するためにスライドさせる方向Dとは逆の方向に油溜まり40を動かす。そうすると、突起部32が急峻な傾斜面の係合段部42に沿って上に持ちあがるためには、ユーザは最初だけ比較的大きな力で動かす必要があるので、不用意に油溜まり40が外れてしまうことを防止して、安全性を向上させると共に、第一傾斜面411に当接する部分では徐々に突起部32からの押さえつける力が弱くなるので、スムースに外すことができる。
【0032】
図9は、本実施例のレンジフード1における油溜まり40を整流板30に装着する際の断面による説明図であり、(A)は油溜まりのスライド前、(B)は突起部32がガイド部41を当接しながら摺動している時、(C)は突起部32が係合段部42を通過する直前、(D)は突起部32が係合段部42を通過し、油溜まり40が整流板30に装着された時を示す。
【0033】
(A)は、ユーザが油溜まり40を整流板30の下面に押し当てて、装着させるためにスライド方向Dへスライドさせようとしている時の図である。突起部32は、弾性体33により下方へ押し下げられているが、支持部31とは、ガイド部の先端が挿入できる程度の隙間を有している。油溜まり40のガイド部41の先端は、スライド方向Dへ移動すればその隙間に挿入できる位置にある。
【0034】
(B)は、油溜まり40を装着するためにスライドする方向Dへ移動させ、突起部32が第一傾斜面411に当接し、摺動している時を示す。第一傾斜面411は、徐々に突起部32を後退させる。これによれば、装着する際には当初小さい力でスムースに案内することができる。
【0035】
(C)は、突起部32は第一傾斜面411を通り過ぎ、係合段部42に到達する前の状態を示す。突起部32は後退しないので、油溜まり40をスライドさせる際の抗力は一定となる。
【0036】
(D)は、突起部32が係合段部42を通過した後の状態を示し、即ち、油溜まり40が整流板30に装着された状態を示す。突起部32は、係合段部42を通過する時、係合段部42の急峻な斜面により突然下方向に突出する。そうすることにより、油溜まり40の装着時にカチッとした音や感触などの装着感を出すことができ、操作性を向上すると共に、高級感を演出することができる。また、この時、ストッパ部は支持部31と衝突することで、油溜まり40のスライドを正しい位置で停止させることができる。
【0037】
また、油溜まり40を整流板30から外す時は、上記の逆の(D)→(C)→(B)→(A)の順で同様な状態の遷移が起こる。そうすると、突起部32が急峻な傾斜面の係合段部42に沿って上に持ちあがるためには、ユーザは最初だけ比較的大きな力で動かす必要があるので、不用意に油溜まり40が外れてしまうことを防止して、安全性を向上させると共に、第一傾斜面411に当接する部分では徐々に突起部32からの押さえつける力が弱くなるので、スムースに外すことができる。
【0038】
上述したレンジフード1は、フード10の内部に送風機と、送風機より生ずる空気の流れの上流側にフィルタ12と、フィルタ12及びフード10で捕獲された油分を回収収容する油溜まり40と、油溜まり40をスライド可能に支持する支持部31と、突起の前後方向に出没自在の突起部32とを備え、油溜まり40は、ガイド部41と、ガイド部41から延設して設けられた係合段部42とを有し、油溜まり40をレンジフード1に着脱する際、突起部32と支持部31は油溜まり40を保持し、油溜まり40のガイド部41は突起部32と当接しながら摺動し、突起部32は、レンジフード1へまたはレンジフード1から油溜まり40を着脱する過程において、係合段部42を通過することを特徴とするものである。これによれば、油溜まり40の着脱時に的確な装着感を出すことで、操作性を向上すると共に、高級感を演出する、さらには、安定した装着状態とすることができるので不用意に外れてしまうことを防止して、安全性を向上させたレンジフードを提供することができる。
【0039】
<第二実施例>
本実施例の記載は、重複記載を避けるために、第一実施例と異なる点のみ記載する。
図10は、油溜まりを整流板に装着する場合を説明するための図である。整流板30Aの背面側の近傍には、油抜き孔36Aが複数個設けられており、整流板30Aの上面に垂れて落ちた油分は、この油抜き孔36Aを通して油溜まり40Aに回収される。整流板30Aは、油溜まり40Aをスライド可能に支持する支持部31Aを備える。一方、油溜まり40Aは、支持部31Aにスライド可能に支持される被支持部(図示せず)を備える。油溜まり40Aは、被支持部を支持部31Aに引っ掛けて、整流板30Aの下面で、その下面に沿った方向(本図のDの矢印で示す方向)にスライドさせて、整流板30Aに装着される。
【0040】
図11は、本実施例における油溜まり40Aの斜視図を示す。油溜まり40Aは、整流板30Aの支持部31Aに対応する位置に、即ち、本実施例では油溜まり40Aの左右両端と中央部との中間位置であって背面側近傍に被支持部44Aを備える。被支持部44Aは、整流板30Aの下面に平行であり、支持部31Aに引っかかる十分な幅(スライド方向Dと直角をなす方向の長さ)と、突起部32Aが係合段部42Aを通過する十分な長さ(スライド方向Dの長さ)を有する。また、係合段部42Aの正面側(スライド方向Dと反対方向)には下方に向かって係合片を折り曲げた形状のストッパ部を備える。
【0041】
また、油溜まり40Aは、油溜まり40Aの正面視中央部であって背面側近傍にガイド部41Aを備える。ガイド部41Aは、背面側方向であって底面側方向に下傾斜して形成される傾斜面を備える。また、油溜まり40Aは、ガイド部41Aの正面側に係合段部42Aを備える。係合段部42Aは、底面方向に落ち込む斜面から形成されている。この係合段部42Aよりさらに正面側は、底面と平行な小さな面が形成される。油分プール43Aは、整流板30Aの油抜き孔36Aに対応して設けられ、油抜き孔36Aから垂下する油分を受け止めて、回収収容する。
【0042】
図12は、本実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の、突起部付近の断面による説明図であり、(A)は突起部がガイド部を当接し始めた時、(B)は突起部が係合段部を通過する直前、(C)は突起部が係合段部を通過し、油溜まりが整流板に装着された時を示す。なお、第一実施例と同様に突起部32Aは裏側から図示しない弾性体により下方に付勢されている。
【0043】
(A)は、ユーザが油溜まり40Aを整流板30Aの下面に押し当てて、装着させるためにスライド方向Dへスライドさせ始めた時の図である。突起部32Aは、整流板30Aの下面から、第一傾斜部411Aの背面側端部と整流板30Aの下面との距離とほぼ同じ長さ分突出している。したがって、第一傾斜部411Aは、スライド方向Dにスライドされるに伴い、突起部32Aの側面に衝突なく当接する。なお、本実施例のレンジフードは、第二傾斜面を有さない。
【0044】
(B)は、油溜まり40Aを装着するためにスライドする方向Dへ移動させ、突起部32Aが第一傾斜面411Aに当接し、摺動している時を示す。突起部32Aは突起方向に出没自在に設けられるので、第一傾斜面411Aは、徐々に突起部32Aを後退させる。これによれば、装着する際には当初小さい力でスムースに案内することができる。
【0045】
(C)は、突起部32Aが係合段部42Aを通過した後の状態を示し、即ち、油溜まり40Aが整流板30Aに装着された状態を示す。突起部32Aは突起方向に下方向に付勢されているので、突起部32Aは、係合段部42Aを通過する時、係合段部42Aの急峻な斜面により突然下方向に突出する。そうすることにより、油溜まり40Aの装着時にカチッとした音や感触などの装着感を出すことができ、操作性を向上すると共に、高級感を演出することができる。
【0046】
また、油溜まり40Aを整流板30Aから外す時は、上記の逆の(C)→(B)→(A)の順で同様な状態の遷移が起こる。そうすると、突起部32Aが急峻な傾斜面の係合段部42Aに沿って上に持ちあがるためには、ユーザは最初だけ比較的大きな力で動かす必要があるので、不用意に油溜まり40Aが外れてしまうことを防止して、安全性を向上させると共に、第一傾斜面411Aに当接する部分では徐々に突起部32Aからの押さえつける力が弱くなるので、スムースに外すことができる。
【0047】
図13は、本実施例のレンジフードにおける油溜まりを整流板に装着する際の、支持部付近の断面による説明図であり、(A)は油溜まりのスライド前、(B)は被支持部が支持部を当接し始めた時、(C)は突起部が係合段部を通過し、油溜まりが整流板に装着された時を示す。
【0048】
(A)は、ユーザが油溜まり40Aを整流板30Aの下面に押し当てて、装着させるためにスライド方向Dへスライドさせようとしている時の図である。支持部31Aと整流板30Aの下面との間には、被支持部44Aの厚みよりわずかに大きい隙間が空いている。被支持部44Aは、整流板30Aの下面に当接しつつ、スライド方向Dへスライドされるとその隙間に入り込む。
【0049】
(B)は、油溜まり40Aを装着するためにスライドする方向Dへ移動させ、被支持部44Aが支持部31Aと整流板30Aの下面との間の隙間に入り込む時を示す。被支持部44Aは、整流板30Aの下面に平行なので、装着する際には小さい力でスムースに案内することができる。なお、(B)の状態は、突起部32Aと第一傾斜面411Aとの関係でいえば、
図12の(A)に相当する状態である。
【0050】
(C)は、突起部32Aが係合段部42Aを通過した後の状態を示し、即ち、油溜まり40Aが整流板30Aに装着された状態を示す。被支持部44Aは、一番奥まった位置で支持部31Aにより確実に支持されている。すなわち、ストッパ部が支持部31Aと衝突することで、油溜まり40のスライドを正しい位置で停止して支持されている。
【0051】
上述したレンジフード1Aは、フード10Aの内部に送風機と、送風機より生ずる空気の流れの上流側にフィルタ12Aと、フィルタ12A及びフード10Aで捕獲された油分を回収収容する油溜まり40Aと、油溜まり40Aをスライド可能に支持する支持部31Aと、突起の前後方向に出没自在の突起部32Aとを備え、油溜まり40Aは、ガイド部41Aと、ガイド部41Aから延設して設けられた係合段部42Aとを有し、油溜まり40Aをレンジフード1Aに着脱する際、突起部32Aと支持部31Aは油溜まり40Aを保持し、油溜まり40Aのガイド部41Aは突起部32Aと当接しながら摺動し、突起部32Aは、レンジフード1Aへまたはレンジフード1Aから油溜まり40Aを着脱する過程において、係合段部42Aを通過することを特徴とするものである。これによれば、油溜まり40Aの着脱時に的確な装着感を出すことで、操作性を向上すると共に、高級感を演出する、さらには、安定した装着状態とすることができるので不用意に外れてしまうことを防止して、安全性を向上させたレンジフードを提供することができる。
【0052】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
第一実施例及び第二実施例では突起部を弾性体により下方へ付勢する例を示したが、ガイド部と当接しながら摺動する突起部が下方へ、すなわちガイド部の方向へと付勢されていればよく、例えば、突起部を板バネの一部として一体的に形成し、板バネの復元力により付勢する方法や、突起部を弾性のある樹脂などで成形し、突起部自体の弾性変形による復元力により付勢しても良いものである。