(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1図柄と、第2図柄と、第3図柄と、からなる3列の図柄を、同一かつ所定のスクロール方向に変動させて行う図柄変動ゲームが表示される表示装置を備え、当り抽選に当選した場合には前記図柄変動ゲームで特定の図柄組み合わせが導出され、遊技者に有利な大当り遊技が生起される遊技機において、
前記3列の図柄の配置は、前記第1図柄と前記第3図柄との間に前記第2図柄が位置する配置であり、
前記表示装置の表示内容を制御する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段による図柄の表示制御には、第1制御と第2制御と、があり、
前記第1制御には、前記スクロール方向に前記3列の図柄を同一の表示サイズで変動表示させる制御を含み、
前記第2制御には、前記スクロール方向に沿って延びる回転軸を想定したときに、当該回転軸を中心として各図柄を回転させて変動表示させ、その変動表示においては前記第1図柄と前記第3図柄の表示サイズを前記第1制御のときと同一の表示サイズとし、かつ前記第2図柄の表示サイズを前記第1図柄並びに前記第3図柄よりも小さいサイズとする回転表示制御を含み、
前記表示装置には、前記図柄変動ゲームにおいて前記第1制御若しくは前記第2制御による図柄の表示が行われ、
前記第1制御による図柄変動ゲームにおいて3列の図柄の表示サイズは、変動開始時、変動表示時、及び確定停止表示時において同一の表示サイズである遊技機。
前記第2制御には、前記図柄変動ゲームの開始に伴う各図柄の変動表示の開始時に、前記第1図柄と前記第3図柄を前記第2図柄から遠ざけるように相反する方向に移動表示させるとともに、前記第2図柄を前記第1図柄並びに前記第3図柄よりも大きいサイズに拡大表示させる拡大表示制御をさらに含み、
前記第1図柄と前記第3図柄は、前記第2図柄を拡大表示させる際にのみ前記第2図柄から遠ざけるように移動表示される請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について
図1〜
図4を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置11の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
【0014】
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、特別図柄表示装置12において、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。
【0015】
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0016】
また、本実施形態において演出表示装置11には、複数の図柄列毎に複数種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された図柄から大当り又ははずれを認識し得る。
【0017】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄としては、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[222][777]など)。
【0018】
また、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄としては、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば、[135][246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[121][767]など)。
【0019】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の図柄が一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。なお、本実施形態において、左列の図柄を左図柄、右列の図柄を右図柄、中列の図柄を中図柄とそれぞれ示す。
【0020】
特別図柄表示装置12の右方には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を有する特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。なお、以下、変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を「保留記憶数」と示す。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動手段としての第1始動入賞口14又は第2始動入賞口15に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、変動ゲーム中に第1始動入賞口14又は第2始動入賞口15へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。
【0021】
また、特別図柄保留表示装置13の右方には、複数個(本実施形態では2個)の普図発光部を有する普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下、普通図柄を「普図」と示し、普通図柄ゲームを「普図ゲーム」と示す。また、この普図ゲームにおいても変動ゲームと同じように、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで普図用の始動保留球(普図始動保留球)が記憶される。この普図始動保留球の記憶数(普図保留記憶数)は、作動ゲート19への遊技球の通過により、所定の上限数(本実施形態では「4」)を上限として「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。また、本実施形態において、変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
【0022】
演出表示装置11の下方には、遊技球の第1入賞口14a(入球口、第1入球口)を有する第1始動入賞口14が配設されている。第1始動入賞口14の奥方には入賞した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(
図2に示す)が配設されている。第1始動入賞口14は、入賞した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態において、符号Yに示すように遊技球が遊技盤10の右側から転動したときには、符号Xに示すように遊技盤10の左側から転動したときよりも、第1始動入賞口14に入賞し難くなるように、障害釘等が配設されている。つまり、第1始動入賞口14は、遊技盤10の左側を主とする第1流路Xに設けられている。
【0023】
また、演出表示装置11の右下には、遊技球の第2入賞口15a(入球口、第2入球口)を有する第2始動入賞口15が配設されている。第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(
図2に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根16を備えている。第2始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により第2入賞口15aが開放されることで遊技球の入賞が許容される。つまり、第2始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により開状態(第1状態)とされたときには、閉状態(第2状態)とされたときよりも第2入賞口15aに遊技球が入賞(入球)し易くなる。そして、第2始動入賞口15の奥方には入賞した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(
図2に示す)が配設されている。第2始動入賞口15は、入賞した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態において、遊技球が遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、第2始動入賞口15に入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。つまり、第2始動入賞口15は、遊技盤10の左側を主とする第1流路Xとは異なり、遊技盤10の右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0024】
また、第2始動入賞口15の上には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(
図2に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口15の開閉羽根16を開状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。即ち、普通当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって第2始動入賞口15に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
【0025】
また、第2始動入賞口15の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(
図2に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(
図2に示す)が配設されている。特別入賞口としての大入賞口18は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、変動ゲームにおける大当り遊技中に大入賞口扉17が奥行き方向に移動する開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できる機会を得ることができる。なお、本実施形態において、遊技球が遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、大入賞口18に入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。
【0026】
この大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置12の変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18に、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な確変状態が付与される場合がある。確変状態は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として付与される。この確変状態では、大当り遊技終了後に、大当りの当選確率が低確率状態から高確率状態に変動する。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
【0028】
また、確変状態は、確変大当りとなった場合、大当り遊技終了後、大当り抽選の当選時における遊技状態を問わず、次回の大当り遊技が付与されるまでの間、(「次回まで」と示す)付与される。このように、確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利であり、遊技者は、確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。その一方で、非確変大当りとなった場合、大当り遊技終了後、大当り抽選の当選時における遊技状態を問わず、確変状態が付与されないようになっている。
【0029】
大当りの種類は、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、特図毎に分類される。確変大当りとなる図柄には70種類の大当り図柄が、非確変大当りとなる図柄には30種類の大当り図柄が、それぞれ振分けられている。
【0030】
また、大当り遊技の終了後には、変動短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。この変短状態では、変短状態が付与されていない非変短状態と比較して、変動ゲームの変動時間が短縮される場合があり(短縮され得る)、特に、はずれ表示結果が確定停止表示される変動ゲームの変動時間が短縮される場合がある。また、変短状態では、開閉羽根16を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比較して短縮される。また、変短状態では、普図ゲームの普通当りの当選確率が低確率状態から高確率状態に変動する。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、非変短状態とは異なる動作パターンで開閉羽根16が開閉動作するようになっている。なお、本実施形態において、非変短状態で普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が短開放する一方で、変短状態で普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が長開放する。つまり、開閉羽根16は、変短状態では、非変短状態と比較して、1回の普通当りに対応する合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。このため、変短状態は、開閉羽根16が開放状態に動作し易い入球率向上状態であり、変動ゲームが実行され易くなる傾向がある。
【0031】
また、変短状態が付与される場合には、大当りの種類に応じて、次回の大当り遊技が付与されるまで(「次回まで」と示す)、又は予め定められた回数の変動ゲームが終了するまでを上限回数として、変短状態が付与されるようになっている。具体的には、確変大当りに当選した場合、大当り抽選の当選時における遊技状態を問わず、大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が付与されるまで(「次回まで」と示す)、変短状態が付与されるようになっている。その一方で、非確変大当りに当選した場合、大当り抽選の当選時における遊技状態を問わず、大当り遊技の終了後には、予め定められた回数の変動ゲームが終了するまでを上限回数として、変短状態が付与される。
【0032】
なお、普通当りとなった場合に開閉羽根16が開放されるが、閉鎖する前であっても、入賞上限個数の遊技球が入賞したときには、開閉羽根16は閉鎖するようになっている。また、変短状態は、大当りの種類、当選時における遊技状態に応じて、予め定めた回数の変動ゲームが行われるまでの間、又は次回の大当り遊技が付与されるまでの間、付与される場合がある。
【0033】
また、このように変短状態が付与されている場合には、開閉羽根16が開動作し易くなる。このため、第1始動入賞口14に遊技球が入賞し難いが、遊技球が遊技盤10の右側から転動するように遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」)ほうが遊技者にとって有利な遊技状態である。その一方で、変短状態が付与されていない場合には、開閉羽根16が開動作し難くなる。このため、第1始動入賞口14に遊技球が入賞するように、遊技球が遊技盤10の左側から転動するように遊技球を発射させる(所謂、「左打ち」)ほうが遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0034】
なお、大当り遊技中は、大入賞口18に入賞し易くするために、遊技球が遊技盤10の右側から転動するように遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」)ほうが遊技者にとって有利である。
【0035】
また、パチンコ遊技機の遊技盤10の下方には、遊技者により操作可能な演出ボタン70が配設されている。演出用操作手段としての演出ボタン70は、押しボタン式であり、操作されると、演出ボタン70に接続されている統括制御基板31(
図2に示す)に操作信号が出力される。
【0036】
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機での仕様は以下の通りである。特図には101種類の図柄があり、100種類の大当り図柄と、1種類のはずれ図柄とに分類される。また、飾図としては[1]〜[7]の7種類の数字が採用されており、大当り図柄としては[111][222][333][444][555][666][777]が採用されており、特定の組み合わせの図柄に相当する。また、大当りの当選確率としては、低確率状態で165/65536、高確率状態で1650/65536が規定されている。普通当りの当選確率としては、低確率状態で16384/65536、高確率状態で65535/65536が規定されている。また、遊技球の賞球数としては、第1始動入賞口14及び第2始動入賞口15に対して3個が、大入賞口18に対して15個が、それぞれ規定されている。また、開閉羽根16の短開放としては、開閉羽根16が1回開放し、開放してから200ms経過するまで開放状態を維持する態様が、開閉羽根16の長開放としては、開閉羽根16が1回開放し、開放してから5496ms経過するまで開放状態を維持する態様が、それぞれ規定されている。また、開閉羽根16の閉鎖条件である入賞上限個数としては、10球が規定されている。また、大当り遊技は、大当りの種類に拘わらず、オープニング時間として「10s」が、各ラウンド遊技の最大時間として「25s」が、各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)として「2s」が、規定ラウンド数として「15回」が、エンディング時間として「15s」が、それぞれ設定されている。また、各ラウンド遊技では、大入賞口18の開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「8球」が、それぞれ設定されている。また、変短状態が付与される予め定められた予め定めた回数としては、当選時の遊技状態に拘わらず、30回が相当する。
【0037】
次に、パチンコ遊技機の制御構成について
図2を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御手段としての主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と表示制御基板32とが配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32を制御する。表示制御手段としての表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。
【0038】
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について
図2を参照して以下に説明する。
【0039】
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、普通図柄表示装置20、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
【0040】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分乱数、及びリーチ判定用乱数の値などの各種乱数の値を抽出する乱数抽出処理を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分乱数は、大当り図柄となる特図の決定で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、普図ゲームにおいて普通当りとなるか否かを判定する場合に用いる普通当り判定用乱数が記憶されている。
【0041】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチ(リーチ状態)を形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数(リーチ実行決定用乱数)の取り得る数値の中から定められている。
【0042】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから変動ゲームが終了するまでの間の演出(遊技演出)のベースとなるパターンであって、変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定(指定)し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り遊技が付与されると決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経ないで、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。
【0043】
次に、統括制御基板31について
図2を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
【0044】
また、統括制御用CPU31aには、演出ボタン70が接続されており、演出ボタン70から操作信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括制御用CPU31aは、演出ボタン70が操作されたことを検知することができる。
【0045】
次に、表示制御基板32について
図2を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
【0046】
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に各種処理を実行する。
【0047】
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1又は第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口14又は第2始動入賞口15に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を「1」加算する。保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では当り判定用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0048】
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は大当り遊技中である)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0049】
その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する保留判定処理を実行する。保留記憶数が「1」以上の場合、保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、大当り判定処理を実行する。
【0050】
大当り判定処理において、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、変動ゲームの大当りの当選確率を、非確変状態では低確率状態で、確変状態では高確率状態で大当り判定を行うこととなる。
【0051】
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す大当りフラグに「1」を設定し、大当りとなる変動ゲームを実行させるための大当り時変動処理を実行する。大当り時変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定し、大当り図柄に対応する大当りの種類を決定することとなる。続いて、主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0052】
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを特定する。このため、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値としては、主に、確変状態や変短状態が付与されているか否か、減算後の保留記憶数等によって異なる値が定められており、リーチ演出を実行させるか否かを決定する確率が異なる場合がある。
【0053】
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選したことから、はずれリーチ変動となる変動ゲームを実行させるためのリーチ時変動処理を実行する。リーチ時変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、確変フラグ及び作動フラグから値を読み出し、該値に基づいて、はずれリーチ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選しなかったことから、はずれ変動となる変動ゲームを実行させるためのはずれ時変動処理を実行する。はずれ時変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、確変フラグ及び作動フラグから値を読み出し、該値に基づいて、はずれ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0055】
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機での仕様は以下の通りである。当り判定用乱数の取り得る数値は、0〜65535までの全65536通りの整数である。また、非確変状態では大当り判定値として165個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は165/65536となる。その一方で、確変状態では大当り判定値として1650個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1650/65536となる。また、リーチ判定用乱数の取り得る数値は、0〜240までの全241通りの整数である。
【0056】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを統括制御基板31に出力する。
【0057】
このように、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31の統括制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンドの開始毎にラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンドのラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディングコマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過後、大当りフラグに「0」を設定し(クリアし)、大当り遊技を終了させる。なお、主制御用CPU30aは、当りに当選した場合、大入賞口18を開放させるときに、開放信号を出力し、大入賞口18を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。
【0058】
また、主制御用CPU30aは、確変フラグ、作動フラグ、又は作動回数の制御により、確変状態、変短状態に関する遊技状態の制御を行うこととなる。
具体的には、主制御用CPU30aは、大当りの種類に拘わらず、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数をクリアする(「0」を設定する)。この作動回数は、変短状態が付与された回数を計数するためのカウンタである。
【0059】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、確変状態を付与する場合には、確変フラグに「1」を設定する一方、確変状態を付与しない場合には、確変フラグに「0」を設定する。
【0060】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、変短状態を付与する場合には、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する一方、変短状態を付与しない場合には、作動フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、作動フラグに対応する変短指定コマンドを統括制御基板31に出力する。変短指定コマンドは、変短状態が付与されているか否かを示すコマンドである。
【0061】
また、主制御用CPU30aは、予め定めた回数を上限回数として変短状態が付与される場合には、その回数を示す値を作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、変動ゲーム毎に(変動ゲームの終了時に)作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグをクリアし(「0」を設定する)、変短終了コマンドを統括制御基板31に出力する。この変短終了コマンドは、変短状態が終了した旨を示すコマンドである。また、主制御用CPU30aは、次回の大当り遊技が生起するまでの間、変短状態が付与される場合には、その旨を示すデータを主制御用RAM30cに設定する。
【0062】
次に、各種演出を含む変動ゲームを実行させるために統括制御用CPU31aが実行する制御内容について以下に説明する。
主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括制御用CPU31aは、統括制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該変動パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを表示制御基板32に出力する。
【0063】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる飾図を決定する。
【0064】
より詳しくは、統括制御用CPU31aは、大当り遊技が付与される大当り図柄の場合、飾図を大当り図柄の中から決定する。また、統括制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定された場合、リーチ状態を形成するはずれ図柄の中から飾図を決定する。また、統括制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動用の変動パターンが指定された場合、飾図をはずれ図柄の中から決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図を指定する飾図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0065】
また、統括制御用CPU31aは、変短指定コマンド、変短終了コマンドを入力すると、当該コマンドに対応する値を統括制御用RAM31cに設定する。特に、統括制御用CPU31aは、大当りとなる変動ゲームの開始時に特図指定コマンドを入力すると、大当りの種類が特定可能である。また、統括制御用CPU31aは、その大当りの種類に基づいて、確変状態、変短状態が付与されるか否か、変短回数が特定可能である。そして、統括制御用CPU31aは、変短状態が付与された場合には、統括制御用RAM31cに割り当てられた作動回数に特定した変短回数を設定する。この作動回数は、変短状態が付与された回数を計数するためのカウンタである。そして、統括制御用CPU31aは、作動回数が「0」となるまで、変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算する。
【0066】
次に、表示制御基板32の表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づいて実行する各種処理について以下に説明する。
表示制御用CPU32aは、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この制御により、演出表示装置11では変動ゲームが行われる。
【0067】
次に、表示制御用CPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、該コマンドに対応するオープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0068】
本実施形態のパチンコ遊技機では、所定期間内に演出ボタン70が操作されることによって、複数のモードが切り替え可能である。なお、本実施形態における所定期間としては、保留記憶数が「0」であり、かつ、変動ゲームが実行されていない状態を示す。また、本実施形態において、複数のモードとしては、それぞれで飾図の表示態様が異なり、詳しくは、飾図が縦スクロールして変動表示される第1モードと、飾図が縦軸を中心として回転して変動表示される第2モードとが規定されている。
【0069】
統括制御用CPU31aは、演出ボタン70からの信号に基づいて、所定期間内に演出ボタン70が操作されたか否かを判定する。統括制御用CPU31aは、判定結果が肯定である場合に、現在設定されているモードフラグを統括制御用RAM31cから読み出し、異なるモードフラグに更新する。具体的には、統括制御用CPU31aは、第1モードを示すモードフラグが設定されている場合には、第2モードを示すモードフラグに更新する。その一方で、統括制御用CPU31aは、第2モードを示すモードフラグが設定されている場合には、第1モードを示すモードフラグに更新する。そして、統括制御用CPU31aは、このように設定されたモードを示すコマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
【0070】
表示制御用CPU32aは、このコマンドを入力すると、モードを示す情報を表示制御用RAM32cに設定する。これによって、表示制御用CPU32aは、設定されたモードに応じた表示態様で変動ゲームを行わせることとなる。なお、本実施形態において、このようにモードを示す情報を設定する表示制御用CPU32aは、条件設定手段に相当する。
【0071】
具体的に
図3及び
図4を参照して詳しく説明する。なお、図中においては、便宜上、[7]を示す飾図を表示させたが、実際には、[1]〜[7]の飾図が所定順序で変動表示される。
図3(a)に示すように、画像が表示される表示領域としての画像表示部GHにおいて、3列の図柄Z1〜Z3が表示される変動ゲームが行われる。この画像表示部GHには、第1図柄としての左図柄Z1が変動表示される第1図柄表示領域R1と、第2図柄としての中図柄Z2が変動表示される第2図柄表示領域R2と、第3図柄としての右図柄Z3が変動表示される第3図柄表示領域R3とが含まれている。これら各図柄表示領域R1〜R3は、それぞれ画像表示部GHの水平方向Hに並ぶように規定されている。また、これら各図柄表示領域R1〜R3は、各図柄Z1〜Z3が表示される表示領域であり、変動表示時、停止表示(一旦停止表示時、確定停止表示時)において図柄が表示される領域である。なお、画像表示部GHには、第1図柄表示領域R1の下方に保留記憶数を示す保留画像表示領域HRと、第2図柄表示領域R2の下方に設定モードを示すモード表示領域MRとが規定されている。
【0072】
また、第1図柄表示領域R1には左図柄Z1が停止表示される第1停止表示位置TP1と、第2図柄表示領域R2には中図柄Z2が停止表示される第2停止表示位置TP2と、第3図柄表示領域R3には右図柄Z3が停止表示される第3停止表示位置TP3とが規定されている。第1停止表示位置TP1と、第2停止表示位置TP2と、第3停止表示位置TP3とは、画像表示部GHの水平方向Hに並行に規定され、詳しくは、縦軸X1〜X3と横軸Y1とが交わる位置に規定されている。つまり、各停止表示位置TP1〜TP3は、画像表示部GHの水平方向Hに対して平行に規定されている。また、第1停止表示位置TP1と第2停止表示位置TP2とが画像表示部GHの水平方向Hに隣り合わせになっており、第2停止表示位置TP2と第3停止表示位置TP3とが画像表示部GHの水平方向Hに隣り合わせになっている。このように、水平方向Hとは、各停止表示位置TP1〜TP3(各図柄表示領域R1〜R3)が並ぶ並設表示方向である。また、各停止表示位置TP1〜TP3は、各図柄Z1〜Z3を一旦停止表示及び確定停止表示させる表示位置であり、変動表示されているときに各図柄Z1〜Z3が表示され得る位置でもある。
【0073】
また、表示制御用ROM32bには、画像データの種類、画像データの座標位置が表示順序に従って記憶されている。つまり、本実施形態において、これらのような各図柄表示領域R1〜R3や各停止表示位置TP1〜TP3が規定されている表示制御用ROM32bは、表示位置規定手段として機能する。
【0074】
各図柄Z1〜Z3を代表して左図柄Z1について説明すると、
図3(b)に示すように、左図柄Z1は、図柄画像ZG1と、付随画像FG1とから構成される。図柄画像ZG1は、丸型の背景に数字が付された画像である。また、付随画像FG1は、図柄画像ZG1の変動に伴って付随して表示される画像であり、図柄画像ZG1の数字に対応するキャラクタを示す画像である。左図柄Z1は、その中心座標ZC1を基準として表示制御されることとなり、一旦停止表示、確定停止表示される場合には、左図柄Z1の中心座標ZC1が第1停止表示位置TP1に表示されることとなる。
【0075】
このような画像表示部GHにおいて各図柄Z1〜Z3が表示されることとなるが、第1モードに設定されると、
図3(a)及び
図3(b)に示すような表示態様で、各図柄Z1〜Z3が表示され、第2モードに設定されると、
図3(c)及び
図3(d)に示すような表示態様で、各図柄Z1〜Z3が表示される。
【0076】
具体的には、第1モードに設定されると、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、各図柄Z1〜Z3を垂直方向Vに(縦スクロールで)変動表示させる。このように、第1モードにおいては、各図柄Z1〜Z3が画像表示部GHの垂直方向Vの上から下に変動表示される。このため、各図柄Z1〜Z3との横軸方向への移動がなく、相互に衝突するような感覚を与えるおそれが少ないので、各図柄Z1〜Z3を同じサイズ(本実施形態では100%)で表示させている。
【0077】
表示制御用CPU32aは、表示制御用ROM32bに記憶された画像データに基づいて、各図柄Z1〜Z3を変動表示させることとなる。特に、この場合、表示制御用CPU32aは、各図柄Z1〜Z3を表示するための画像データを表示制御用ROM32bから読み出し、読み出した画像データを拡大、縮小させることなく、各図柄Z1〜Z3を画像表示部GHに表示させる。このように、表示制御用CPU32aは、第1モードに設定されている場合において、第2図柄表示領域R2に中図柄Z2を表示させながら垂直方向Vに変動表示させるときには、各図柄Z1〜Z3を同じサイズで表示させる。
【0078】
その一方で、第2モードに設定されると、
図3(c)及び
図3(d)に示すように、縦軸X1〜X3を中心として回転させることで変動表示させる。このように、第2モードにおいては、各図柄Z1〜Z3が縦軸X1〜X3を中心として回転する。このため、各図柄Z1〜Z3との横軸方向への移動はないものの、相互に衝突するような感覚を与えるおそれがある。そこで、左右図柄Z1,Z3を同じサイズで表示させるとともに、中図柄Z2を左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズ(本実施形態では95%)で表示させている。また、本実施形態において、設定されているモードに拘わらず、同じ種類の画像データを用いて各図柄Z1〜Z3が表示される。このため、第2モードにおける左右図柄Z1,Z3は、第1モードにおける各図柄Z1〜Z3と同じサイズであり、第2モードにおける中図柄Z2は、第2モードにおける左右図柄Z1,Z3と、第1モードの各図柄Z1〜Z3よりも小さいサイズとなっている。
【0079】
また、第2モードにおける各図柄Z1〜Z3の変動表示の基準となる各停止表示位置TP1〜TP3は、第1モードにおいて各図柄Z1〜Z3の一旦停止表示の基準となる各停止表示位置と同じとなり、横軸Y1上となる。このため、中図柄を小さく表示させ過ぎることなく、適度なサイズで表示させることができる。
【0080】
この場合、表示制御用CPU32aは、各図柄Z1〜Z3を表示するための画像データを表示制御用ROM32bから読み出し、読み出した画像データを拡大、縮小させることなく、左右図柄Z1,Z3を画像表示部GHに表示させる。その一方で、表示制御用CPU32aは、読み出した画像データを、中図柄Z2の中心座標ZC2を中心として水平方向H及び垂直方向Vに対して縦横比を維持して所定比率で縮小させることによって、中図柄Z2を画像表示部GHに表示させる。そして、表示制御用CPU32aは、縮小した中図柄Z2の中心座標ZC2を、第2停止表示位置TP2に一致させて回転させることによって、中図柄Z2を変動表示させることとなる。
【0081】
このように、表示制御用CPU32aは、第2モードに設定されているという表示条件(第2表示条件)が成立している場合において、左右図柄Z1,Z3よりも中図柄Z2を小さく表示させる。特に、第1停止表示位置TP1に左図柄Z1が、第3停止表示位置TP3に右図柄Z3がそれぞれ停止表示されている場合、表示制御用CPU32aは、第2図柄表示領域R2に中図柄Z2を継続して表示させながら縦軸X2を中心に中図柄Z2を回転させることによって変動表示させ、左右図柄Z1,Z3よりも中図柄Z2を小さく表示させる。なお、縦軸X1〜X3は、水平方向Hに交差する交差方向に沿って規定されている。
【0082】
また、図柄の変動表示を開始する場合には、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、第2図柄表示領域R2において、第2停止表示位置TP2を中心としたまま、中図柄Z2が拡大して表示される。中図柄Z2は、左右図柄Z1,Z3の95%の大きさから徐々に拡大され、最終的に左右図柄Z1,Z3の140%の大きさで表示される。なお、本実施形態において、中図柄Z2は、変動表示の開始する場合に拡大されるが、所定時間が経過すると、変動表示の開始前と同じ左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズ(95%)で、縦軸X2を中心として回転されることによって変動表示されることとなる。
【0083】
その一方で、第1図柄表示領域R1に左図柄Z1を、第3図柄表示領域R3に右図柄Z3を表示させながら、水平方向Hに対して第2図柄表示領域R2(第2停止表示位置TP2)から遠ざかるように左右図柄Z1,Z3を表示させる。この場合、左右図柄Z1,Z3は、図柄の変動表示を開始する前と同じサイズである。また、左右図柄Z1,Z3の各停止表示位置TP1’,TP3’は、横軸Y1と、縦軸X1’,X3’とが交わる位置に配置されることとなる。また、縦軸X1’,X3’は、第2図柄表示領域R2から遠ざかるように縦軸X1,X3から外側に向かって距離Dだけ移動させた縦軸となる。このため、各停止表示位置TP1’,TP2,TP3’は、横軸Y1上に位置しており、各図柄Z1〜Z3が継続して水平方向Hに並んで表示されることとなる。
【0084】
この場合、表示制御用CPU32aは、各図柄Z1〜Z3を表示するための画像データを表示制御用ROM32bから読み出し、読み出した画像データを拡大、縮小させることなく、左右図柄Z1,Z3を画像表示部GHに表示させる。その一方で、表示制御用CPU32aは、読み出した画像データを、中図柄Z2の中心座標ZC2を中心として水平方向H及び垂直方向Vに対して縦横比を維持して所定比率で縮小及び拡大させることによって、中図柄Z2を画像表示部GHに表示させる。そして、表示制御用CPU32aは、縮小した中図柄Z2の中心座標ZC2を、第2停止表示位置TP2に一致させて回転させることによって、中図柄Z2を変動表示させることとなる。
【0085】
また、表示制御用CPU32aは、中図柄Z2を徐々に拡大させることに伴って、停止表示位置TP1,TP3を徐々に外側に変更(移動)していき、最終的に停止表示位置TP1’,TP3’に停止表示させる。これによって、表示制御用CPU32aは、左右図柄Z1,Z3を第2図柄表示領域R2から遠ざけるように表示させることとなる。
【0086】
このように、表示制御用CPU32aは、第2モードに設定されているという表示条件が成立している場合において、図柄の変動表示を開始(特定の条件が成立)したときには、左右図柄Z1,Z3と比較して中図柄Z2を小さく表示させてから、徐々に拡大させ、最終的に左右図柄Z1,Z3と比較して中図柄Z2を大きく表示させる。また、表示制御用CPU32aは、中図柄Z2を大きく表示させることに伴い、各図柄表示領域R1,R3に左右図柄Z1,Z3を継続して表示させながら水平方向Hに対して第2図柄表示領域R2から遠ざけるように各図柄Z1,Z3を表示させる。
【0087】
また、
図4(c)に示すように、図柄の変動表示が開始された後に、左右図柄Z1,Z3が各停止表示位置TP1,TP3に一旦停止表示され、左右図柄Z1,Z3が同じ数字であり、リーチ状態となることがある。このような場合、第2図柄表示領域R2において、第2停止表示位置TP2を中心としたまま、中図柄Z2が変動表示の開始前と同じ左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズで、縦軸X2を中心として回転されることで、変動表示されることとなる。
【0088】
そして、リーチ状態となり、大当り期待度の低いノーマルリーチ演出が実行されている間に、ノーマルリーチ演出から発展し、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出の種類を示唆する特殊演出が実行される場合がある。具体的には、
図4(d)に示すように、第2図柄表示領域R2において、変動表示されていた中図柄Z2が消えて、発展するスーパーリーチ演出を示唆する記号Kが表示される。
【0089】
その一方で、リーチ状態となった場合も、図柄の変動表示を開始する場合と同じように、第1図柄表示領域R1に左図柄Z1を、第3図柄表示領域R3に右図柄Z3を継続して表示させながら、水平方向Hに対して第2図柄表示領域R2から遠ざけるように左右図柄Z1,Z3を表示させる。この場合、左右図柄Z1,Z3は、図柄の変動表示を開始する前と同じサイズである。また、左右図柄Z1,Z3の各停止表示位置TP1’,TP3’は、横軸Y1と、縦軸X1,X3が外側に向かって距離Dだけ移動した縦軸X1’,X3’とが交わる位置に配置されることとなる。また、特殊演出が実行されている場合であっても、引き続き、左右図柄Z1,Z3が各停止表示位置TP1’,TP3’に一旦停止表示される。
【0090】
この場合も同じように、表示制御用CPU32aは、各図柄Z1〜Z3を表示するための画像データを表示制御用ROM32bから読み出し、読み出した画像データを拡大、縮小させることなく、左右図柄Z1,Z3として画像表示部GHに表示させ、読み出した画像データを縮小させることによって中図柄Z2として画像表示部GHに表示させる。
【0091】
また、表示制御用CPU32aは、停止表示位置TP1,TP3を徐々に外側に変更していき、最終的に停止表示位置TP1’,TP3’に停止表示させる。これによって、表示制御用CPU32aは、左右図柄Z1,Z3を第2図柄表示領域R2から遠ざけるように表示させることとなる。
【0092】
このように、表示制御用CPU32aは、第2モードに設定されているという表示条件が成立している場合において、リーチ状態となったときには、左右図柄Z1,Z3と比較して中図柄Z2を小さく表示させる。また、表示制御用CPU32aは、各図柄表示領域R1,R3に左右図柄Z1,Z3を継続して表示させながら水平方向Hに対して第2図柄表示領域R2から遠ざけるように各図柄Z1,Z3を表示させる。これによって、リーチ状態となった場合において、中図柄Z2を注目させることができる。
【0093】
また、表示制御用CPU32aは、第2モードに設定されているという表示条件が成立している場合において、リーチ状態となった後に、スーパーリーチ演出に発展する前に実行される特殊演出が実行されるときには、第2図柄表示領域に記号Kを表示させる。また、表示制御用CPU32aは、各図柄表示領域R1,R3に左右図柄Z1,Z3を継続して表示させながら水平方向Hに対して第2図柄表示領域R2から遠ざけるように各図柄Z1,Z3を表示させる。これによって、特殊演出が実行された場合であっても、左右図柄Z1,Z3を継続して表示させつつ、記号Kを注目させることができ、更には、記号Kで中図柄Z2を隠すような表示演出を違和感なく実行させることができる。
【0094】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)各図柄Z1〜Z3を並んで表示させる横軸Y1に交わる縦軸X2を中心に中図柄Z2を回転させることによって変動表示させるときには、第2図柄表示領域R2(第2停止表示位置TP2)における中図柄Z2を小さく表示させる。このため、中図柄Z2が左右図柄Z1,Z3に衝突するように視認され易い場合には、変動表示されている中図柄Z2を小さく表示させる。これによって、中図柄Z2の変動表示による演出効果を高めるとともに、左右図柄Z1,Z3と中図柄Z2とが衝突するように視認され難くなり、過剰な演出を抑制することができ、各図柄Z1〜Z3の変動表示を効果的に行うことによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0095】
(2)また、中図柄Z2を左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズで表示させる。これによって、各図柄Z1〜Z3の表示位置として立体感を持たせることができる。
(3)従来、中図柄を垂直方向に向かって高い位置に表示させることによって、各図柄の表示位置として立体感を持たせることができるものの、中図柄の縦横比を維持しつつ第2図柄表示領域に表示させることを考えると、中図柄を必要以上に小さく表示させなければならなかった。このため、中図柄を十分大きいサイズで表示させることができず、中図柄Z2の変動表示による演出効果を高めることに至らないおそれがあった。そこで、本実施形態では、各停止表示位置TP1〜TP3を、画像表示部GHの水平方向Hに対して平行に規定する。このため、各図柄Z1〜Z3を効率よく表示させることができ、図柄の変動表示を効果的に行うことによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0096】
(4)中図柄Z2を大きく表示させる場合には、第2図柄表示領域R2から左右図柄Z1,Z3を遠ざけるように表示させる。このため、中図柄Z2の変動表示による演出効果を高めるとともに、中図柄Z2が左右図柄Z1,Z3に衝突するように視認され難くなり、過剰な演出を抑制することができ、図柄の変動表示を効果的に行うことによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0097】
(5)遊技者の操作に応じて表示条件が成立するか否かを設定することができ、遊技者の所望とする演出を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を具体化した第2実施形態について
図5を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0098】
第1実施形態では、横軸Y1方向に交わる縦軸X1〜X3を中心に各図柄Z1〜Z3を回転させることによって変動表示させた。しかし、第2実施形態では、水平方向Hに対して第1停止表示位置TP1や第3停止表示位置TP3に向かって近づけるように中図柄Z2を変動表示させるように構成する。
【0099】
具体的には、中図柄Z2は、一旦停止表示される前の変動表示中において、
図5(a)に示すように、第2停止表示位置TP2に表示されているが、
図5(b)に示すように、第1停止表示位置TP1に近づくように水平方向Hに向かって移動するように表示される。この場合、第2停止表示位置TP2Lは、元の第2停止表示位置TP2よりもWだけ第1停止表示位置TP1に近づき、中図柄Z2の中心座標ZC2が、縦軸X2上から縦軸X2L上に移動することとなる。
【0100】
そして、中図柄Z2は、第3停止表示位置TP3に近づくように水平方向Hに沿って移動するように表示され、
図5(a)に示すように、元の第2停止表示位置TP2に表示される。続いて、中図柄Z2は、
図5(c)に示すように、第3停止表示位置TP3に近づくように水平方向Hに向かって移動するように表示される。この場合、第2停止表示位置TP2Rは、元の第2停止表示位置TP2よりもWだけ第3停止表示位置TP3に近づき、中図柄Z2の中心座標ZC2が、縦軸X2上から縦軸X2R上に移動することとなる。
【0101】
そして、中図柄Z2は、第1停止表示位置TP1に近づくように水平方向Hに沿って移動するように表示され、
図5(a)に示すように、元の第2停止表示位置TP2に表示される。続いて、中図柄Z2は、
図5(b)に示すように、第1停止表示位置TP1に近づくように水平方向Hに向かって移動し、第2停止表示位置TP2Lに表示される。
【0102】
このように中図柄Z2の横軸Y1方向への移動が繰り返されると、中図柄Z2が、左右図柄Z1,Z3に衝突するような感覚を与えるおそれがある。このため、左右図柄Z1,Z3を同じサイズで表示させるとともに、中図柄Z2は、左右図柄Z1,Z3に近づくように変動表示されることを表示条件(第1表示条件)として、左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズ(本実施形態では95%)で表示される。
[第3実施形態]
次に、本発明を具体化した第3実施形態について
図6(a)〜
図6(c)を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0103】
第2実施形態では、中図柄Z2を横軸Y1方向に移動させることで、左右図柄Z1,Z3に近づけるように表示させた。しかし、第3実施形態では、中図柄Z2を遊技者から見て奥行き方向から手前方向に移動するように拡大させることで、左右図柄Z1,Z3に近づけるように表示させるように構成する。
【0104】
具体的には、
図6(a)〜
図6(c)に示すように、各図柄表示領域R1,R3において、左右図柄Z1,Z3が各停止表示位置TP1,TP3に一旦停止表示されている。その一方で、中図柄Z2が奥行き方向から手前方向に移動するように変動表示されている。具体的には、中図柄Z2は、
図6(a)に示すように、左右図柄Z1,Z3よりも極めて小さいサイズ(50%)で、中図柄Z2が表示され、
図6(b)に示すように、徐々に拡大され(63%)、
図6(c)に示すように、左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズ(95%)で中図柄Z2が表示される。そして、中図柄Z2は、左右図柄Z1,Z3の95%のサイズで表示された後には、その表示が消去され、次の数字の中図柄Z2が、左右図柄Z1,Z3よりも極めて小さいサイズ(50%)で表示される。これを繰り返すことによって、中図柄Z2が奥行き方向から手前方向に移動するように変動表示されている。
【0105】
このように、中図柄Z2を奥行き方向から手前方向(Z軸方向)に移動させ、変動表示させる。このため、中図柄Z2は、各図柄表示領域R1,R3(各停止表示位置TP1,TP3)に対して近づくこととなり、相互に衝突するような感覚を与えるおそれがある。そこで、左右図柄Z1,Z3を同じサイズで表示させるとともに、中図柄Z2を左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズ(本実施形態では95%)で表示させている。
[第4実施形態]
次に、本発明を具体化した第4実施形態について
図6(d)を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0106】
第1実施形態では、中図柄Z2を横軸Y1方向に交差する縦軸X2を中心として回転させることによって、変動表示させた。また、第1〜第3実施形態では、各図柄表示領域R1〜R3を横軸Y1方向に並べて表示した。しかし、第4実施形態では、各図柄表示領域R4〜R6を縦軸X方向に並べて表示するとともに、その縦軸方向に交差するZ軸方向(奥行き方向)を中心として回転させることによって、変動表示させるように構成する。
【0107】
具体的には、
図6(d)に示すように、画像表示部GHにおいて、第1図柄としての上図柄Z1A,Z1Bが表示される第1図柄表示領域R4と、第2図柄としての中図柄Z2が表示される第2図柄表示領域R5と、第3図柄としての下図柄Z3A,Z3Bが表示される第3図柄表示領域R6と、が垂直方向Vに並んで配置されている。なお、
図6(d)においては、第1図柄表示領域R4に、第1上図柄Z1Aと、第2上図柄Z1Bとが表示され、第3図柄表示領域R6に、第1下図柄Z3Aと、第2下図柄Z3Bとが表示され、垂直方向Vが並設表示方向となる。そして、各図柄Z1A,Z1B,Z2,Z3A,Z3Bは、通常においては、横軸Y11〜Y13に沿って、水平方向Hに沿って右側から左側に向かって移動することによって、変動表示される。その一方で、上図柄、下図柄が一旦停止表示され、リーチ状態となった場合には、中図柄が奥行き方向を軸として、第2停止表示位置TP2を中心に回転する。
【0108】
このように、奥行き方向を中心として中図柄Z2を回転させる。このため、中図柄Z2は、各図柄表示領域R4,R6に対して近づくこととなり、各図柄Z1A,Z1B,Z3A,Z3Bに衝突するような感覚を与えるおそれがある。そこで、各図柄Z1A,Z1B,Z3A,Z3Bを同じサイズで表示させるとともに、中図柄Z2を各図柄Z1A,Z1B,Z3A,Z3Bよりも小さいサイズ(本実施形態では95%)で表示させている。
【0109】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・第1実施形態において、リーチ状態となるとき、特殊演出が実行されるときに、中図柄Z2を拡大せずに、左右図柄Z1,Z3よりも小さいサイズで表示させたが、これに限らず、例えば、中図柄Z2を拡大してもよい。つまり、中図柄Z2を拡大する特定の条件としては、複数の図柄の変動表示が開始されるときではなく、リーチ状態となったときやノーマルリーチ演出が実行されているときに、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチ演出に発展するときであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。もちろん、中図柄Z2が拡大しないようにしてもよい。
【0110】
・第1、第4実施形態において、各図柄Z1〜Z3の並設表示方向に対して交差する方向を中心として中図柄Z2を回転させる形態が、第2、第3実施形態において、中図柄Z2が実際に、各図柄表示領域R1,R3,R4,R6に近づくように表示される形態が、それぞれ採用されたが、これに限らない。例えば、これらの組み合わせであってもよい。
【0111】
・上記実施形態において、中図柄Z2を、左右図柄Z1,Z3と比べて95%のサイズで表示させたが、これに限らない。例えば、中図柄Z2が著しく小さいサイズではなく、更には左右図柄Z1,Z3と衝突するような感覚を与えないように、約80〜99%のサイズで表示させることが好ましい。
【0112】
・上記実施形態において、同じ画像データを縮小及び拡大することによって、中図柄Z2のサイズを変更させたが、これに限らず、例えば、画像データを縮小した縮小画像データ及び画像データを拡大した拡大画像データが予め表示制御用ROM32bに記憶されていてもよい。
【0113】
・上記実施形態において、画像データを縮小することで中図柄Z2を、左右図柄Z1,Z3よりも小さく表示させたが、これに限らず、例えば、画像データを拡大させることで左右図柄Z1,Z3を中図柄Z2よりも大きく表示させてもよい。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0114】
・上記実施形態において、平面画像を縮小、拡大させたが、これに限らず、例えば、立体画像を縮小、拡大させてもよい。また、これらの組み合わせであってもよい。
・上記実施形態において、第1モードと第2モードとで同じ種類の図柄を用いて、その図柄のサイズを変更させたが、これに限らず、例えば、第1モードと第2モードとで異なる種類の図柄を用い、それら図柄のサイズを変更させてもよい。
【0115】
・上記実施形態において、遊技者の操作に応じて、モード(表示条件)を変更可能としたが、これに限らず、例えば、遊技者の操作に拘わらず、モードを変更可能としてもよい。
【0116】
・上記実施形態において、3つの図柄を並べて表示させる変動ゲームに本発明を採用したが、これに限らず、例えば、2つ又は4つ以上の図柄を並べて表示させる変動ゲームに本発明を採用してもよい。つまり、少なくとも複数の図柄を並べて表示させる変動ゲームに本発明を採用できるが、3つ以上の図柄を並べて表示させる変動ゲームに本発明を採用することが好ましい。また、例えば、縦3つ、横3つなど、マトリクス状に複数の図柄を並べて表示させる変動ゲームに本発明を採用してもよい。
【0117】
・上記実施形態において、中図柄Z2を最終停止図柄とし、各種の表示条件が成立したときに、その中図柄Z2を小さいサイズで表示させたが、これに限らず、例えば、左右図柄Z1,Z3を最終停止図柄としてもよい。また、例えば、中図柄Z2と隣り合う左右図柄Z1,Z3を小さいサイズで表示させてもよく、もちろん、何れの図柄Z1〜Z3も小さいサイズで表示させてもよい。
【0118】
・上記実施形態において、各図柄Z1〜Z3が表示される各図柄表示領域R1〜R3が重複しないように構成されたが、これに限らず、例えば、一部が重複するように構成してもよい。
【0119】
・上記実施形態において、統括制御用CPU31aは、大当りとなる変動ゲームの開始時に特図指定コマンドに基づいて、大当りの種類が特定可能であるが、これに限らず、例えば、特図を指定する特図指定コマンドでなくても、付与される大当りを指定するコマンドであればよい。
【0120】
・上記実施形態において、主に主制御基板30と統括制御基板31と表示制御基板32とから構成したが、これに限らず、例えば、統括制御基板31と表示制御基板32とを一つの基板として構成するなど、それら基板を統合してもよい。もちろん、これら基板を別々の基板としてもよい。
【0121】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特定の条件は、複数の図柄の変動表示が開始されるときに成立す
る。
【0122】
(ロ)遊技者により操作可能な操作手段と、前記操作手段の操作に応じて、前記第1表示条件と前記第2表示条件との少なくとも何れかが成立するか否かを設定する条件設定手段と、を備え
た。