(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
主玩具体および副玩具体を有し、前記主玩具体および前記副玩具体は、それぞれ、使用者の身体に装着可能または使用者によって把持可能であり、且つ、装着または把持した使用者の動作に応じて互いに接近・離間可能に構成される動作応答玩具であって、
前記主玩具体は、主制御部と、発光および発音の少なくとも一方による演出を出力する主出力部と、第1の演出情報および第2の演出情報を記憶した演出記憶部と、を有し、
前記主制御部は、前記主玩具体に対して前記副玩具体が接近した状態であるか離間した状態であるかを判断可能な状態判断手段を有し、
前記主制御部は、前記副玩具体が接近した状態であると前記状態判断手段が判断したときは、前記演出記憶部から前記第1の演出情報を読み出し、この読み出した第1の演出情報に基づいて第1の演出を出力するように前記主出力部を制御する一方、使用者の動作によって前記副玩具体が離間した状態であると前記状態判断手段が判断したときは、前記演出記憶部から前記第2の演出情報を読み出し、この読み出した第2の演出情報に基づいて第2の演出を出力するように前記主出力部を制御し、
前記副玩具体は、副制御部と、外部と信号を送受信可能な送受信部と、前記副玩具体の種別を識別するための識別情報を記憶した識別情報記憶部と、を有し、
前記主玩具体は、所定の範囲内にある前記副玩具体に対して前記識別情報を問い合わせる質問信号を前記送受信部に送信可能な質問信号送信部と、前記送受信部から送信された前記識別情報を受信可能な識別情報受信部と、を有し、
前記副制御部は、前記送受信部において前記質問信号を受信することに応じて前記識別情報記憶部から前記識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を前記送受信部から前記識別情報受信部に送信し、
前記状態判断手段は、前記識別情報受信部において前記識別情報が受信されることで前記所定の範囲内に前記副玩具体が接近した状態であると判断し、且つ、前記識別情報受信部において受信されていた前記識別情報が受信されなくなることで前記所定の範囲よりも前記副玩具体が離間したと判断することを特徴とする動作応答玩具。
前記主玩具体は、第1の形態と第2の形態との間で可逆的に形態変化可能であり、且つ、前記第1の形態と前記第2の形態のいずれの形態にあるかを検出する形態検出部を有しており、
前記演出記憶部には、前記第1の形態から前記第2の形態に前記主玩具体の形態を変化させることを使用者に促す第1形態変化指示を前記主出力部から出力するための第1形態変化指示情報と、前記第2の形態から前記第1の形態に前記主玩具体の形態を変化させることを使用者に促す第2形態変化指示を前記主出力部から出力するための第2形態変化指示情報と、が記憶されており、
前記主制御部は、前記識別情報受信部で受信した前記識別情報が第1グループに属する情報か第2グループに属する情報かを判定する識別情報判定手段を有しており、
前記主制御部は、前記形態検出部において前記主玩具体が前記第1の形態にあると検出された場合、前記識別情報受信部で受信された前記識別情報が前記識別情報判定手段により前記第1グループに属する情報であると判定されたときは、前記副玩具体が接近した状態にあると前記状態判断手段が判断している間、前記第1の演出を行うように前記主出力部を制御する一方、前記識別情報受信部で受信された前記識別情報が前記識別情報判定手段により前記第2グループに属する情報であると判定されたときは、前記演出記憶部から前記第1形態変化指示情報を読み出して前記第1形態変化指示を出力するよう前記主出力
部を制御し、
さらに、前記主制御部は、前記形態検出部において前記主玩具体が前記第2の形態にあると検出された場合、前記識別情報受信部で受信された前記識別情報が前記識別情報判定手段により前記第2グループに属する情報であると判定されたときは、前記副玩具体が接近した状態にあると前記状態判断手段が判断している間、前記第1の演出を行うように前記主出力部を制御する一方、前記識別情報受信部で受信された前記識別情報が前記識別情報判定手段により前記第1グループに属する情報であると判定されたときは、前記演出記憶部から前記第2形態変化指示情報を読み出して前記第2形態変化指示を出力するよう前
記主出力部を制御することを特徴とする請求項1に記載の動作応答玩具。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、図面は、符号の向きに見るものとする。また、「左」、「右」は、動作応答玩具を装着した使用者側から見た方向を示す。
【0023】
図1に示すように、実施形態の動作応答玩具10は、バックル(主玩具体)20および指輪(副玩具体)40A,40Bを有する。バックル20および指輪40A,40Bは、それぞれ、使用者11の身体(この例では、腰および指)に装着可能であり、且つ、装着した使用者11の動作に応じて互いに接近・離間可能に構成される。動作応答玩具10は、使用者11の腰にバックル20を装着するためのベルト部12を有する。
【0024】
指輪40A,40Bは、使用者の一方の手(この例では、左手13L)に装着される変身用指輪40Aと、使用者の他方の手(この例では、右手13R)に装着される必殺技用指輪40Bとからなる。なお、以下の説明では、変身用指輪40Aの構成要素の符号には「A」を付け、必殺技用指輪40Bの構成要素の符号には「B」を付けて区別する。また、変身用指輪40Aと必殺技用指輪40Bをまとめて称する場合は、「指輪40A,40B」と記載する。
【0025】
動作応答玩具10では、使用者11の動作に応じて、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bがバックル20に対して接近したり離間したりすると、音や光による演出が行われるようになっており、これにより、使用者11が変身や必殺技の発動を擬似体験できる設定である。
【0026】
(バックル20の構成)
バックル20の構成を
図2〜
図4に基づいて説明する。
図2に示すように、バックル20は、ベルト部12が取り付けられるバックル本体21と、バックル本体21の前面に浮き彫り状に形成されるレリーフ22とを有する。
【0027】
図3(a)に示すように、バックル本体21の前面中央には、円盤部23が設けられる。レリーフ22は、この円盤部23の前面に設けられる。レリーフ22は、人の手を模した形状に形成され、親指以外の4本の指を模したレリーフ本体25と、親指を模した左右2個の親指部26C,26Dとから構成される。レリーフ本体25は、円盤部23に対して回動可能に設けられており、少なくとも一部が透光性を有する材料で構成される。レリーフ本体25の内側中央には、発光部27が設けられており、この発光部27からの光は、レリーフ本体25を介して外部から視認可能である。
【0028】
レリーフ22は、使用者が指輪40A,40B(
図1参照)をかざす部分である。レリーフ22は、変身用形態(第1の形態)と必殺技用形態(第2の形態)との間で可逆的に形態変化可能である。ここで、変身用形態は、左手13L(
図1参照)をレリーフ22にかざすように使用者に促すための形態であり、人の左手を模した形態である。一方、必殺技用形態は、右手13R(
図1参照)をレリーフ22にかざすように使用者に促すための形態であり、人の右手を模した形態である。
図3では、(a)において変身用形態のレリーフ22を示し、(b)において必殺技用形態のレリーフ22を示している。
【0029】
図3(a)に示すように、変身用形態のレリーフ22では、右側の親指部26Dが露出し、左側の親指部26Cがレリーフ本体25によって隠れるようになっており、露出した右側の親指部26Dおよびレリーフ本体25によって左手の模型が形成される。一方、
図3(b)に示すように、必殺技用形態のレリーフ22では、左側の親指部26Cが露出し、右側の親指部26Dがレリーフ本体25によって隠れるようになっており、露出した左側の親指部26Cおよびレリーフ本体25によって右手の模型が形成される。
【0030】
図3において、レリーフ22の形態を(a)から(b)に、あるいは、レリーフ22の形態を(b)から(a)に変化させる手段は任意であるが、ここでは、レリーフ本体25を回動させるためのレバー28L,28Rをレリーフ22の左右両側部に上下方向に移動可能に設け、これら左右のレバー28L,28Rを互いに逆向きに移動させることで、レリーフ22の形態を変化させる。例えば、(a)に示される変身用形態のレリーフ22を(b)に示される必殺技用形態のレリーフ22に変化させるには、右側のレバー28Rを上げる(矢印(1))と同時に、左側のレバー28Lを下げて (矢印(2))、レリーフ本体25を反時計回りに回動させる(矢印(3))。一方、(b)に示される必殺技用形態のレリーフ22を(a)に示される変身用形態のレリーフ22に変化させるには、右側のレバー28Rを下げる(矢印(4))と同時に、左側のレバー28Lを上げて(矢印(5))、レリーフ本体25を時計回りに回動させる(矢印(6))。
【0031】
左右のレバー28L,28Rに付与される操作力をレリーフ本体25に回転力として伝達するための機構は、各種の動力伝達機構から選択可能である。例えば、
図4に示すように、左右のレバー28L,28Rの上下方向の移動に連動して回動する左右の駆動歯車31L,31Rと、レリーフ本体25の裏面に設けられ左右の駆動歯車31L,31Rに噛み合う従動歯車32とで、動力伝達手段33を構成する。この動力伝達手段33によれば、左右のレバー28L,28R(
図3参照)に付与される使用者の操作力が、左右の駆動歯車31L,31Rおよび従動歯車32を介してレリーフ本体25に伝達される。これにより、使用者は、レリーフ本体25を任意の向きに回動させて、レリーフ22(
図3参照)の形態を変身用形態または必殺技用形態に変化させることができる。
【0032】
なお、バックル本体21には、左右1対のマイクロスイッチ35L,35Rが内蔵される。また、レリーフ本体25の裏面側には、左右のマイクロスイッチ35L,35Rを押圧可能な押圧部36が設けられる。マイクロスイッチ35Rは、レリーフ22(
図3(a)参照)の形態が変身用形態であるとき、押圧部36により押圧される。一方、マイクロスイッチ35Lは、レリーフ22(
図3(b)参照)の形態が必殺技用形態であるとき、押圧部36により押圧される。
【0033】
(指輪40A,40Bの構成)
指輪40A,40Bの構成を
図5、
図6に基づいて説明する。
図5(a)〜(c)に示すように、変身用指輪40Aは、装飾部41Aおよび装着部42Aからなる。装飾部41Aは、任意の形態、模様、色で構成され、少なくとも一部が透光性を有する材料で構成される。装飾部41Aには、発光部43Aが内蔵されており、発光部43Aからの光は、装飾部41Aを介して外部から視認可能である。装着部42Aは、使用者の左手13L(
図1参照)の指に装着できるように円環状に形成される。また、装着部42Aは、一部分(この例では、下部)が開放したC字状に形成されており、拡径する形態に弾性変形可能である。これにより、指の太い使用者でも装着部42Aを拡げて装着部42Aを指に装着することができる。また、装飾部41Aに対して装着部42Aを着脱可能に構成すると共に、大きさの異なる複数の装着部42Aを製作、用意することで、これら複数の装着部42Aから、最適な大きさの装着部42Aに使用者が交換できるようにしてもよい。
【0034】
図6(a)〜(c)に示すように、必殺技用指輪40Bは、装飾部41Bおよび装着部42Bからなる。装飾部41Bは、任意の形態、模様、色で構成される。装着部42Bは、使用者の右手13R(
図1参照)の指に装着できるように円環状に形成される。また、装着部42Bにおいても、一部分(この例では、下部)が開放したC字状に形成されており、拡径する形態に弾性変形可能である。また、装着部42Bについても、装飾部41Bに対して着脱可能に構成すると共に、大きさの異なる複数の装着部42Bを製作、用意することで、最適な大きさの装着部42Bに使用者が交換できるようにしてもよい。
【0035】
これら変身用指輪40Aおよび必殺技用指輪40Bのそれぞれには、いわゆるRFID(Radio
Frequency IDentification)タグが内蔵されており、種別を識別するための識別情報が付与される。そして、本実施形態においては、複数種類の変身用指輪40Aが設定され、これら複数種類の変身用指輪40Aには、各々、固有の識別情報が付与される。また、複数種類の必殺技用指輪40Bが設定され、これら複数種類の必殺技用指輪40Bについても、各々、固有の識別情報が付与される。識別情報は、変身用指輪40Aに付与される情報(以下、「第1グループに属する情報」という。)と、必殺技用指輪40Bに付与される情報(以下、「第2グループに属する情報」という。)に大別される。
【0036】
(動作応答玩具10の内部構成)
バックル20および指輪40A,40Bの内部構成を
図7に基づいて説明する。
図7に示すように、動作応答玩具10では、RFIDタグを用いた非接触データキャリアシステムを採用しており、バックル20が質問器、指輪40A,40Bが応答器に相当する。バックル20には、主制御部51および演出記憶部52が内蔵される。主制御部51および演出記憶部52は、バックル20に内蔵されたワンチップマイコンに含まれる。また、バックル20には、質問信号送信部53、識別情報受信部55、形態検出部56、主出力部57が内蔵される。主制御部51は、指輪状態判断手段(状態判断手段)58および識別情報判定手段61を有する。また、バックル20の内部には、電池62が設けられ、この電池62と主制御部51は、電源スイッチ63を介して接続される。電源スイッチ63をONにすると、主制御部51に電流が流れて制御が始まる。
【0037】
変身用指輪40Aには、副制御部71A、送受信部72Aおよび識別情報記憶部73Aおよび副出力部75Aが内蔵される。必殺技用指輪40Bには、副制御部71B、送受信部72Bおよび識別情報記憶部73Bが内蔵される。
【0038】
質問信号送信部53および識別情報受信部55は、アンテナコイルで構成することができ、レリーフ22の後方(使用者が装着したときの使用者側の方向)に設けられている。質問信号送信部53は、所定の範囲(例えば、質問信号送信部53から10cm程度の範囲、すなわち、レリーフ22の近傍)内にある変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bに対して、識別情報を問い合わせる質問信号を送信可能である。また、識別情報受信部55は、送受信部72Aあるいは送受信部72Bから送信された識別情報を受信可能である。
【0039】
指輪状態判断手段58は、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが、バックル20に対して接近した状態であるか離間した状態にあるかを判断可能である。ここでは、指輪状態判断手段58は、質問信号送信部53からの質問信号に対する回答として、識別情報受信部55において識別情報が受信されることで、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bがバックル20(レリーフ22、、質問信号送信部53)に接近した状態であると判断し、以後、同じ識別情報が受信され続けている場合は、同じ変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが継続して接近した状態にあると判断する。また、指輪状態判断手段58は、質問信号送信部53からの質問信号に対する回答として、識別情報受信部55において受信されていた識別情報が受信されなくなることで、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが、バックル20(レリーフ22、質問信号送信部53)から所定の範囲よりも離間したと判断する。
【0040】
識別情報判定手段61は、識別情報受信部55で受信した識別情報が、第1グループに属する情報か、第2グループに属する情報かを判定する。
【0041】
主出力部57は、発光および発音の少なくとも一方による演出を出力する。この例では、主出力部57は、スピーカーなどからなる発音部65と、上述した発光部27とで構成される。発光部27は、複数の発光色(例えば、赤色、緑色、青色、黄色)が選択的に得られるフルカラーLED(発光ダイオード)で構成されることが望ましい。
【0042】
演出記憶部52には、第1の演出情報、第2の演出情報、第1形態変化指示情報および第2形態変化指示情報が記憶される。
【0043】
第1の演出情報は、変身用指輪40Aの識別情報、あるいは、必殺技用指輪40Bの識別情報を受信しているとき(つまり、指輪状態判断手段53が、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると判断しているとき)、指輪読取演出(第1の演出)を出力するための情報であり、発光演出、発音演出を主出力部57に行わせる情報を含む。より詳細には、第1の演出情報は、発音部65から指輪読取音を出力させ、且つ、発光部27を所定の発光色、パターンで発光させるための制御情報である。第1の演出情報は、複数種類の変身用指輪40Aの各識別情報、あるいは、複数種類の必殺技用指輪40Bの各識別情報と対応付けられて記憶されている。
【0044】
また、演出記憶部52には、発光部27による発光演出時の発光色が異なる複数の第1の演出情報が識別情報毎に対応付けられて記憶される。ここでは、後述する変身用指輪40Aの発光部43Aの発光色(例えば、赤色、緑色、青色、黄色など)に合わせて、発光部27を発光させるための複数の第1の演出情報が演出記憶部52に記憶されている。
【0045】
第2の演出情報は、変身演出(第2の演出)あるいは必殺技演出(第2の演出)を出力するための情報であり、発音部65から変身音あるいは必殺技音を出力させ、且つ、発光部27を所定の発光色、パターンで発光させるための制御情報である。第2の演出情報のうち、変身演出を出力するための情報は、複数種類の変身用指輪40Aの各識別情報と対応付けられて記憶されている。また、第2の演出情報のうち、必殺技演出を出力するための情報は、複数種類の必殺技用指輪40Bの各識別情報と対応付けられて記憶されている。さらに、必殺技演出を出力するための第2の演出情報は、通常の必殺技演出を出力するための情報と、変身用指輪40Aの識別情報と必殺技用指輪40Bの識別情報との組み合わせが特定の組み合わせである場合に特殊な必殺技演出を出力するための情報と、を有する。
【0046】
第1形態変化指示情報は、レリーフ22(
図3参照)が変身用形態である場合に、第2グループに属する情報が識別情報受信部55に受信されたとき、左右のレバー28L,28R(
図3参照)を操作してレリーフ22(
図3参照)の形態を必殺技用形態に変化させることを使用者に促す演出(第1形態変化指示)を主出力部57から出力するための情報である。
【0047】
第2形態変化指示情報は、レリーフ22(
図3参照)が必殺技用形態である場合に、第1グループに属する情報が識別情報受信部55に受信されたとき、左右のレバー28L,28R(
図3参照)を操作してレリーフ22(
図3参照)の形態を変身用形態に変化させることを使用者に促す演出(第2形態変化指示)を主出力部57から出力するための情報である。
【0048】
形態検出部56は、レリーフ22(
図3参照)が変身用形態と必殺技用形態のいずれの形態であるかを検出する。形態検出部56の構成は任意であるが、ここでは、上述した2個のマイクロスイッチ35L,35Rを用いる。すなわち、形態検出部56には、マイクロスイッチ35L,35Rが接続されており、形態検出部56は、マイクロスイッチ35L,35Rのうち、いずれのスイッチが押圧部36(
図4参照)に押されているか、または、いずれのマイクロスイッチも押されていないか、を検出して、レリーフ22(
図3参照)の現在の形態を検出する。
【0049】
変身用指輪40Aの送受信部72Aは、外部と信号を送受信可能であり、アンテナコイルで構成することができる。識別情報記憶部73Aには、変身用指輪40Aの種別を識別するための識別情報が記憶される。副制御部71Aは、制御用のICチップであり、質問信号送信部53から質問信号を受信することで送受信部72Aに生じた誘導起電力より駆動される。副制御部71Aは、送受信部72Aにおいて質問信号を受信することに応じて、識別情報記憶部73Aから識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を送受信部72Aから識別情報受信部55に送信する。
【0050】
変身用指輪40Aの副出力部75Aは、発光および発音の少なくとも一方による副演出を出力する部分であり、この例では、副出力部75Aは、発光部43Aにより構成され、副演出には、発光演出が含まれる。発光部43Aは、例えば、LED(発光ダイオード)で構成され、発光部43Aの発光色は、複数の色(例えば、赤色、緑色、青色、黄色など)から選択可能である。本実施形態では、副演出における発光演出時の発光色(発光部43Aの発光色)は、識別情報毎に対応付けられた指輪読取演出(第1の演出)における発光部27の発光色と同系統の色に設定される。発光部43Aは、質問信号を受信することで送受信部72Aに生じた誘導起電力より駆動される。このため、変身用指輪40Aには、電源が不要である。
【0051】
副制御部71Aは、質問信号が送受信部72Aに受信されたことに応じて、読み出した識別情報に基づいて副演出を出力するように副出力部75Aを制御する。
【0052】
必殺技用指輪40Bの送受信部72Bは、外部と信号を送受信可能であり、アンテナコイルで構成することができる。識別情報記憶部73Bには、必殺技用指輪40Bの種別を識別するための識別情報が記憶される。副制御部71Bは、制御用のICチップであり、質問信号送信部53からの質問信号を受信することで送受信部72Bに生じた誘導起電力より駆動される。このため、必殺技用指輪40Bにおいても、電源は不要である。そして、副制御部71Bは、送受信部72Bにおいて質問信号を受信することに応じて、識別情報記憶部73Bから識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を送受信部72Bから識別情報受信部55に送信する。
【0053】
なお、識別情報記憶部73A,73Bの情報量は、任意であるが、例えば、16ビットの情報量とした場合、先頭の8ビットを、企業情報等を含む所定の情報として使用し、後半8ビットを識別情報として使用することができる。この場合、変身用指輪40Aと必殺技用指輪40Bを合わせ、識別情報の異なる合計256種類の指輪を得ることができる。
【0054】
また、バックル20において演出記憶部52を構成する記憶装置(図示省略)には、少なくとも、以下の2つの情報が記憶される。
(1)現在のレリーフ22(
図3参照)の形態が変身用形態であるか、必殺技用形態であるか(マイクロスイッチ35L,35Rのどちらが押されているか)の情報。
(2)レリーフ22の形態が変身用形態のときに(マイクロスイッチ35Rが押されているときに)、直近でレリーフ22(
図3参照)にかざされ、識別情報受信部55で識別情報が受信された変身用指輪40Aの識別情報。
【0055】
(動作応答玩具10の動作例)
主制御部51の制御による動作応答玩具10の動作例を
図8〜
図10に基づいて説明する。
【0056】
図8に示すように、電源スイッチ63をONにすると(ステップS1)、レリーフ22がいずれの形態であるかを判別する(ステップS2)。レリーフ22が変身用形態であると判別された場合、ステップS3で、質問信号送信部53において質問信号の送信を開始し、ステップS4で、主出力部57から変身用の指輪読取待機演出を出力する。
【0057】
次に、ステップS5で、レリーフ22の形態が変化されたか否かを判断する。レリーフ22の形態が変化された場合、ステップS2に戻る。一方、レリーフの形態が変化されない場合、ステップS6に進む。
【0058】
ステップS6では、識別情報受信部55で識別情報が受信されているか否か(指輪状態判断手段58が変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると判断しているか否か)を判断する。識別情報が受信されている場合(指輪状態判断手段58が変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると判断している場合)、ステップS7に進む。一方、識別情報が受信されていない場合、ステップS4に戻る。
【0059】
ステップS7では、識別情報受信部55で受信された識別情報の種類を識別情報判定手段61により判定する。識別情報が第1グループに属する情報であると判定された場合、ステップS8で、この識別情報を記憶装置に上書き記憶し、ステップS9に進む。一方、識別情報が第2グループに属する情報であると判定された場合、主制御部51は、第1形態変化指示情報を演出記憶部52から読み出して第1形態変化指示を出力するよう主出力部57を制御し、ステップS4に戻る。例えば、第1の形態変化指示として、主出力部57の発音部65から「ギャクサイ(逆サイド)」という音声を発する。これにより、使用者は、レリーフ22の形態が必殺技用形態ではなく、変身用形態であることに気づく。
【0060】
ステップS9では、変身用指輪40Aの識別情報に対応した第1の演出情報を演出記憶部52から読み出し、この読み出した第1の演出情報に基づいて、変身用の指輪読取演出(第1の演出)を出力するように主出力部57を制御する。例えば、識別情報受信部55で受信された識別情報が赤色の発光を含む情報である場合、主出力部57では、発音部65から「ヒ(火)、ヒ(火)、ヒ(火)・・・」などの音声を発し、発光部27から赤色の光を発する。このとき、変身用指輪40Aにおいても、発光部43Aから同系統の赤色の光を発することで、変身用指輪40Aの発光がバックル20にあたかも移ったかのような演出を行うことができる。
【0061】
ステップS11では、識別情報受信部55で識別情報が受信されなくなったか否か(変身用指輪40Aが離間したと指輪状態判断手段58が判断したか否か)を判断する。識別情報が受信されていない場合(変身用指輪40Aが離間したと指輪状態判断手段58が判断した場合)、ステップS12に進む。一方、識別情報が受信されている場合(変身用指輪40Aが接近した状態にあると指輪状態判断手段58が判断している場合)、ステップS9に戻り、変身用の指輪読取演出を再度出力する。すなわち、主制御部51は、変身用指輪40Aが接近した状態にあると指輪状態判断手段58が判断している間は、変身用の指輪読取演出(第1の演出)を繰り返し出力するように主出力部57を制御する。
【0062】
ステップS12では、変身用指輪40Aの識別情報に対応した変身演出(第2の演出)を主出力部57より出力する。すなわち、変身用の指輪読取演出(第1の演出)の出力中に使用者の動作によって変身用指輪40Aが離間したと指輪状態判断手段58が判断したときは、演出記憶部52から変身演出情報(第2の演出情報)を読み出し、この読み出した変身演出情報(第2の演出情報)に基づいて変身演出(第2の演出)を出力するように主出力部57を制御する(
図10(a)参照)。例えば、変身演出として、発音部65からの「プリーズ」という音声に加え、識別情報に対応した発音部65および発光部27による演出が行われる。
【0063】
次に、ステップS13で、質問信号送信部53からの質問信号の送信を停止し、ステップS14で、レリーフ22の形態が変化されたか否かを、マイクロスイッチ35L、35Rの押圧状態に変化があったか否かに応じて判断する。レリーフ22の形態が変化された場合(押されていたマイクロスイッチが押されなくなった場合)、ステップS2に戻る。一方、レリーフ22の形態が変化されない場合(押されていたマイクロスイッチが引き続き押されている場合)、レリーフ22の形態が変化されたか否かを再度判断する。
【0064】
ステップS2において、レリーフ22が必殺技用形態である場合、ステップS15(
図9参照)に進む。また、ステップS2において、レリーフ22が変身用形態および必殺技用形態のいずれの形態でもない場合(いずれのマイクロスイッチも押されていない場合)、ステップS16に進み、レリーフ22の形態が変化されたか否かを再度判断する。レリーフ22が変身用形態に変化された場合、ステップS3に進む。また、レリーフ22が必殺技用形態に変化された場合、ステップS15(
図9参照)に進む。また、レリーフ22の形態が変化されない場合、レリーフ22の形態が変化されたか否かを再度判断する。
【0065】
図9に示すように、ステップS15では、質問信号送信部53より質問信号の送信を開始し、ステップS17で、必殺技用の指輪読取待機演出を主出力部57より出力する。
【0066】
次に、ステップS18で、レリーフ22の形態が変化されたか否かを判断する。レリーフ22の形態が変化された場合、ステップS19で、記憶装置に記憶されている変身用指輪40Aの識別情報をクリアする。一方、レリーフ22の形態が変化されない場合、ステップS20に進む。
【0067】
ステップS20では、識別情報受信部55で識別情報が受信されているか否か(指輪状態判断手段58が変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると判断しているか否か)を判断する。識別情報が受信されている場合(指輪状態判断手段58が変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると判断している場合)、ステップS21に進む。一方、識別情報が受信されていない場合、ステップS17に戻る。
【0068】
ステップS21では、識別情報受信部55で受信された識別情報の種類を識別情報判定手段61により判定する。識別情報が第2グループに属する情報であると判定された場合、ステップS22に進む。一方、識別情報が第1グループに属する情報であると判定された場合、ステップS23で、第2の形態変化指示を主出力部57より出力し、ステップS17に戻る。例えば、第2の形態変化指示として、主出力部57の発音部65から「ギャクサイ(逆サイド)」という音声を発する。これにより、使用者は、レリーフ22の形態が変身用形態ではなく、必殺技用形態であることに気づく。なお、本実施形態においては、第1形態変化指示と第2形態変化指示は同じ「ギャクサイ」という音声であるが、本発明の趣旨としては、第1形態変化指示と第2形態変化指示を同じものとしても良いし、もちろん異なるものとしても良い。
【0069】
ステップS22では、必殺技用指輪40Bの識別情報に対応した必殺技用の指輪読取演出(第1の演出)を主出力部57より出力する。
【0070】
次に、ステップS24では、識別情報受信部55で識別情報が受信されなくなったか否か(必殺技用指輪40Bが離間したと指輪状態判断手段58が判断したか否か)を判断する。識別情報が受信されていない場合(必殺技用指輪40Bが離間したと指輪状態判断手段58が判断した場合)、ステップS25に進む。一方、識別情報が受信されている場合(必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると指輪状態判断手段58が判断している場合)、ステップS22に戻り、必殺技用の指輪読取演出を再度出力する。すなわち、主制御部51は、必殺技用指輪40Bが接近した状態にあると指輪状態判断手段58が判断している間は、必殺技用の指輪読取演出(第1の演出)を繰り返し行うように主出力部57を制御する。
【0071】
ステップS25では、変身用指輪40Aの識別情報が記憶されているか否かを判断する。変身用指輪40Aの識別情報が記憶されている場合、ステップS26に進む。一方、変身用指輪40Aの識別情報が記憶されていない場合、ステップS28で、必殺技用指輪40Bの識別情報に対応した通常の必殺技演出を主出力部57より出力する。すなわち、
図10(b)に示すように、必殺技の指輪読取演出(第1の演出)の出力中に使用者の動作によって必殺技用指輪40Bが離間したと指輪状態判断手段58が判断したとき、演出記憶部52から必殺技用演出情報(第2の演出情報)が読み出され、この読み出された必殺技用演出情報(第2の演出情報)に基づいて必殺技演出(第2の演出、この場合通常の必殺技演出)を出力するように主出力部57は制御される。
【0072】
ステップS26では、必殺技用指輪40Bの識別情報と変身用指輪40Aの識別情報識とが特定の組み合わせか否かを判断する。必殺技用指輪40Bの識別情報と変身用指輪40Aの識別情報識とが特定の組み合わせである場合、特定の組み合わせに対応した特殊な必殺技演出を主出力部57より出力する。すなわち、
図10(b)に示すように、必殺技の指輪読取演出(第1の演出)の出力中に使用者の動作によって必殺技用指輪40Bが離間したと指輪状態判断手段58が判断したとき、演出記憶部52から必殺技用演出情報(第2の演出情報)が読み出され、この読み出された必殺技用演出情報(第2の演出情報)に基づいて必殺技演出(第2の演出、この場合、特殊な必殺技演出)を出力するように主出力部57が制御される。一方、必殺技用指輪40Bの識別情報と変身用指輪40Aの識別情報識とが特定の組み合わせでない場合、ステップS28に進み、通常の必殺技演出を主出力部57より出力する。すなわち、
図10(b)に示すように、必殺技の指輪読取演出(第1の演出)の出力中に使用者の動作によって必殺技用指輪40Bが離間したと指輪状態判断手段58が判断したとき、演出記憶部52から必殺技用演出情報(第2の演出情報)が読み出され、この読み出された必殺技用演出情報(第2の演出情報)に基づいて必殺技演出(第2の演出、この場合、通常の必殺技演出)を出力するように主出力部57が制御される。
【0073】
通常の必殺技演出では、例えば、「プリーズ」という音声と、必殺技用指輪40Bの識別情報に基づいた通常の必殺技演出とを組み合わせた演出を行う。これに対し、特殊な必殺技演出では、例えば、「いいね!」という音声と、必殺技用指輪40Bの識別情報に基づいた特殊な必殺技演出とを組み合わせた演出を行う。あるいは、特殊な必殺技演出として、「超いいね!」という音声と、必殺技用指輪40Bの識別情報に基づいた別の特殊な必殺技演出とを組み合わせた演出を行うこともできる。さらに、特殊な必殺技演出として、「最高!」という音声と、必殺技用指輪40Bの識別情報に基づいた更に別の特殊な必殺技演出とを組み合わせた演出を行ってもよい。このように、必殺技用指輪40Bの識別情報と、直近にかざされて記憶装置に記憶されている変身用指輪40Aの識別情報との組み合わせに基づいて、様々な種類の必殺技演出を得ることができる。
【0074】
ステップS29では、質問信号送信部53からの質問信号の送信を停止し、ステップS30で、レリーフ22の形態が変化されたか否かを判断する。レリーフ22の形態が変化された場合、ステップS31で、記憶された変身用指輪40Aの識別情報をクリアし、ステップS2(
図8参照)に戻る。一方、レリーフ22の形態が変化されない場合、レリーフ22の形態が変化されたか否かを再度判断する。
【0075】
(動作応答玩具10の効果)
以上に述べた本実施形態の動作応答玩具10によれば、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bを使用者がバックル20に接近させる動作に応答して演出を出力するだけでなく、その後、変身用指輪40Aあるいは必殺技用指輪40Bをバックル20から離間させる動作にも応じて演出を出力することができる。したがって、動作応答玩具の本来の目的により合致した動作応答玩具10を得ることができる。
【0076】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
例えば、実施形態では、主玩具体および副玩具体をそれぞれバックル20および指輪40A,40Bで構成したが、本発明に係る主玩具体および副玩具体は、バックルおよび指輪以外の玩具体であってもよく、例えば、主玩具体、副玩具体を共に手で把持可能な形状、大きさ、重量に設定してもよい。
【0078】
他の例として、主玩具体を銃型玩具220にした場合を
図11に、剣型玩具320とした場合を
図12に示す。主玩具体を銃型玩具220とした場合においては、その銃把の上部に人間の左手を模した形状部222が設けられており、当該形状部222内に、主玩具体における質問信号送信部、および、識別情報受信部が設けられている。すなわち、使用者が副玩具体にあたる指輪40A、40Bを指に装着した手で形状部222と握手をすることで、指輪40A、40Bの識別情報が識別情報受信部で受信されるようになっており、このとき指輪状態判断手段は、指輪40A、40Bが銃型玩具220に接近していると判断し、前述の実施形態同様、第1の演出が出力される。その後、使用者が形状部222との握手を離し、識別情報受信部で指輪40A、40Bの識別情報が受信されなくなると、指輪状態判断手段は指輪40A、40Bが銃型玩具220から離間したと判断し、前述の実施形態同様、第2の演出が出力される。
【0079】
また、主玩具体を剣型玩具320とした場合においては、その柄部分と剣部分との間に、人間の左手を模した形状部322が設けられており、当該形状部322内に主玩具体における質問信号送信部、および、識別情報受信部が設けられている。すなわち、使用者が副玩具体にあたる指輪40A、40Bを指に装着した手で形状部322と握手をすることで、指輪40A、40Bの識別情報が識別情報受信部で受信されるようになっており、このとき指輪状態判断手段は、指輪40A、40Bが剣型玩具320に接近していると判断し、前述の実施形態同様、第1の演出が出力される。その後、使用者が形状部322との握手を離し、識別情報受信部で指輪40A、40Bの識別情報が受信されなくなると、指輪状態判断手段は指輪40A、40Bが剣型玩具320から離間したと判断し、前述の実施形態同様、第2の演出が出力される。
【0080】
要は、使用者の身体に装着可能または使用者によって把持可能であり、且つ、装着または把持した使用者の動作に応じて互いに接近・離間可能に構成される玩具体であれば、主玩具体、副玩具体の構成は任意である。