特許第6068984号(P6068984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6068984
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】鉄道車両用台車
(51)【国際特許分類】
   B61F 5/30 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   B61F5/30 E
   B61F5/30 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-2734(P2013-2734)
(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-133483(P2014-133483A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 武宏
(72)【発明者】
【氏名】中尾 俊一
【審査官】 前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−023864(JP,U)
【文献】 特開2000−038132(JP,A)
【文献】 米国特許第06338300(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0116436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の車体を支持するための横ばりを有する台車枠と、
前記横ばりを車両長手方向に挟んだ両側において車幅方向に沿って配置された一対の車軸と、
前記車軸の車幅方向両側に設けられて、前記車軸を回転自在に支持する軸受と、
前記軸受を収容する軸箱と、
前記軸箱と前記台車枠とを連結する連結装置と、を備え、
前記連結装置は、前記軸箱側から前記台車枠に向けて突出した第1部材と、前記台車枠側から前記第1部材に向けて突出した第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を連結するための連結部と、を有し、
前記第2部材は、前記台車枠とは別体であり、前記台車枠に対して当接して位置決めされており、
前記第2部材の車両長手方向一方側の端部が、前記一方側の前記車軸の前記軸箱に接続された前記第1部材に連結され、前記第2部材の車両長手方向他方側の端部が、前記他方側の前記車軸の前記軸箱に接続された前記第1部材に連結されている、鉄道車両用台車。
【請求項2】
前記第2部材は、前記横ばりの下方で車両長手方向に延びている、請求項1に記載の鉄道車両用台車。
【請求項3】
鉄道車両の車体を支持するための横ばりを有する台車枠と、
前記横ばりを車両長手方向に挟んだ両側において車幅方向に沿って配置された一対の車軸と、
前記車軸の車幅方向両側に設けられて、前記車軸を回転自在に支持する軸受と、
前記軸受を収容する軸箱と、
前記軸箱と前記台車枠とを連結する連結装置と、を備え、
前記連結装置は、前記軸箱側から前記台車枠に向けて突出した第1部材と、前記台車枠側から前記第1部材に向けて突出した第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を連結するための連結部と、を有し、
前記第2部材は、前記台車枠とは別体であり、前記台車枠に対して当接して位置決めされており、
前記台車枠及び前記第2部材は、それぞれピン孔を有するブラケット部を有し、
前記台車枠の前記ピン孔と前記第2部材の前記ピン孔とにピンが挿入されている、鉄道車両用台車。
【請求項4】
鉄道車両の車体を支持するための横ばりを有する台車枠と、
前記横ばりを車両長手方向に挟んだ両側において車幅方向に沿って配置された一対の車軸と、
前記車軸の車幅方向両側に設けられて、前記車軸を回転自在に支持する軸受と、
前記軸受を収容する軸箱と、
前記軸箱と前記台車枠とを連結する連結装置と、を備え、
前記連結装置は、前記軸箱側から前記台車枠に向けて突出した第1部材と、前記台車枠側から前記第1部材に向けて突出した第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を連結するための連結部と、を有し、
前記第2部材は、前記台車枠とは別体であり、前記台車枠に対して当接して位置決めされており、
前記第2部材は、嵌合部を有し、
前記台車枠は、前記嵌合部が嵌合する被嵌合部を有し、
前記嵌合部が前記被嵌合部に上方から嵌合することにより、前記第2部材が前記台車枠に対して水平方向に位置決めされている、鉄道車両用台車。
【請求項5】
鉄道車両の車体を支持するための横ばりを有する台車枠と、
前記横ばりを車両長手方向に挟んだ両側において車幅方向に沿って配置された一対の車軸と、
前記車軸の車幅方向両側に設けられて、前記車軸を回転自在に支持する軸受と、
前記軸受を収容する軸箱と、
前記軸箱と前記台車枠とを連結する連結装置と、を備え、
前記連結装置は、前記軸箱側から前記台車枠に向けて突出した第1部材と、前記台車枠側から前記第1部材に向けて突出した第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を連結するための連結部と、を有し、
前記第2部材は、前記台車枠とは別体であり、前記台車枠に対して当接して位置決めされており、
前記横ばりの車幅方向両端部を下方から当接支持した状態で車両長手方向に延びて、長手方向両端部が前記軸箱に支持された板バネを更に備え、
前記第2部材は、前記板バネを車幅方向両側から挟む位置に配置されている、鉄道車両用台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の車体を支持する台車に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の車体の床下には、車体を支持してレール上を走行するための台車が設けられており、この台車では、輪軸を支持する軸受が収容された軸箱が台車枠に対して上下方向に変位可能となるように軸箱支持装置により支持されている。例えば、特許文献1では、台車枠が、横方向に延びる横ばりと、その横ばりの両端部から前後方向に延びた左右一対の側ばりとを備え、車軸の軸受を収容した軸箱が、軸はり式の軸箱支持装置により台車枠に支持されている。軸はり式の軸箱支持装置は、軸箱から一体に突出した軸はりの先端部を側ばりに一体に形成された取付部に弾性結合することで、軸箱と側ばりとを連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−160777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の台車では、軸ばりの先端部が弾性結合される取付部は、側ばりに一体に形成されている。しかし、前記取付部を側ばりに溶接等により一体化すると、その後に取付部の位置を調節することができなくなるため、台車組立時において生じる各部品の累積寸法誤差などが大きくなる場合がある。よって、台車の製作を高精度に行うには熟練を要することとなる。
【0005】
そこで本発明は、台車の製作を容易かつ高精度に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鉄道車両用台車は、鉄道車両の車体を支持するための横ばりを有する台車枠と、前記横ばりを車両長手方向に挟んだ両側において車幅方向に沿って配置された一対の車軸と、前記車軸の車幅方向両側に設けられて、前記車軸を回転自在に支持する軸受と、前記軸受を収容する軸箱と、前記軸箱と前記台車枠とを連結する連結装置と、を備え、前記連結装置は、前記軸箱側から前記台車枠に向けて突出した第1部材と、前記台車枠側から前記第1部材に向けて突出した第2部材と、前記第1部材に前記第2部材を連結するための連結部と、を有し、前記第2部材は、前記台車枠とは別体であり、前記台車枠に対して当接して位置決めされている。
【0007】
前記構成によれば、台車枠側から第1部材に向けて突出した第2部材は、台車枠とは別体であり、台車枠の車幅方向両端部に対して当接して位置決めされているため、第2部材を台車枠と一体に形成した場合に比べて、台車の各部品の累積寸法誤差などを調整しやすく、台車の製作を容易かつ高精度に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、台車の製作を容易かつ高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る鉄道車両用台車を示す斜視図である。
図2図1に示す台車の平面図である。
図3図1に示す台車(電動機及び減速機等の図示省略)の側面図である。
図4図3に示す台車の要部を拡大した側面図である。
図5図4のV−V線断面図である。
図6図3に示す台車の受け座ユニットと横ばりとの位置決めを説明する上方から見た分解斜視図である。
図7図3に示す台車の受け座ユニットと横ばりとの位置決めを説明する下方から見た分解斜視図である。
図8図3に示す台車の要部(板バネ等の図示省略)を台車内側の斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る鉄道車両用台車1を表した斜視図である。図2は、図1に示す台車1の平面図である。図3は、図1に示す台車1の側面図である。図1乃至3に示すように、鉄道車両用の台車1は、二次サスペンションとなる空気バネ2及びボルスタ3を介して車体(図示せず)を支持するための台車枠4を備えている。台車枠4は、左右方向である車幅方向に延びて車体を支持する横ばり5を備えているが、従来の鉄道車両用台車の構成とは異なり、横ばり5の車幅方向の両端部から前後方向である車両長手方向に延びる側ばりを備えていない。横ばり5は、ボルスタ3に対して心皿(図示せず)及び中心ピン(図示せず)を介して旋回可能に接続されており、ボルスタ3は、空気バネ2及びボルスタアンカ12を介して車体(図示せず)に接続されている。横ばり5の前方及び後方には、車幅方向に沿って前後一対の車軸6が配置されており、車軸6の車幅方向両側には車輪7が固定されている。車軸6の車幅方向の両端部には、車輪7よりも車幅方向外側にて車軸6を回転自在に支持する軸受8が設けられ、その軸受8は軸箱9に収容されている。横ばり5には、電動機10が取り付けられており、その電動機10の出力軸には、車軸6に動力を伝達する減速ギヤが収容されたギヤボックス11が接続されている。
【0012】
横ばり5と軸箱9との間には、車両長手方向に延びた板バネ30が架け渡されており、板バネ30の長手方向の中央部30aが横ばり5の車幅方向の両端部5aを支持し、板バネ30の長手方向の両端部30bが軸箱9に支持されている。即ち、板バネ30が、一次サスペンションの機能と従来の側ばりの機能とを兼ねている。板バネ30の中央部30aは、横ばり5の下方に潜り込むように配置されている。横ばり5の車幅方向の両端部5aの下部には、後述する一対の受け座17,18の間において円弧状の下面を有する押圧部材31が設けられ、押圧部材31が板バネ30の中央部30aに上方から載せられて自由接触している。即ち、押圧部材31は、板バネ30を上下方向に固定しない状態で、横ばり5からの重力による下方荷重によって板バネ30の上面に接触している。
【0013】
軸箱9の上部にはバネ座33が取り付けられており、バネ座33に板バネ30の両端部30bが上方から載せられて自由接触している。バネ座33は、軸箱9の上に位置決めされて長手方向中央側に向けて上面が傾斜した傾斜部材34と、傾斜部材34の上に位置決められた弾性を有する間隙体35と、間隙体35の上に位置決めされて板バネ30の両端部30bが載せられた受け部材36とを備えている。板バネ30の両端部30bは、その上面が中央部30aに向く方向に傾斜しており、板バネの中央部30aは、押圧部材31の下面に接触して円弧形状となっている。即ち、板バネ30は、その中央部30aが両端部30bよりも下方に位置し、側面視で全体として下方に凸となる弓形状に形成されている。
【0014】
軸箱9は、軸箱支持装置としての連結装置15によって横ばり5の車幅方向の両端部5aに連結されている。連結装置15は、軸箱9から一体に横ばり5側に向けて突出した軸ばり16(第1部材)と、横ばり5側から軸ばり16に向けて突出した一対の受け座ユニット20(第2部材)と、軸ばり16の先端部16aを受け座ユニット20に連結するための連結部19とを備えている。即ち、本実施形態の連結装置15は、軸ばり式である。板バネ30の一部は、側面視で受け座ユニット20と重なる位置に配置されている。板バネ30は、受け座ユニット20と隙間をあけて配置されている。板バネ30は、受け座ユニット20の一対の受け座17,18で挟まれた空間を通過して、横ばり5の下方位置に至っている。
【0015】
図4は、図3に示す台車1の要部を拡大した側面図である。図5は、図4のV−V線断面図である。図6は、図3に示す台車1の受け座ユニット20と横ばり5との位置決めを説明する上方から見た分解斜視図である。図7は、図3に示す台車1の受け座ユニット20と横ばり5との位置決めを説明する下方から見た分解斜視図である。図8は、図3に示す台車1の要部を台車外側の斜め下方から見た斜視図である。図3〜8に示すように、受け座ユニット20は、横ばり5の両端部5aの下方で車両長手方向に延びている(図3及び4における太線が受け座ユニット20の輪郭を示す。)。受け座ユニット20は、横ばり5とは別体であり、横ばり5に対して溶接による固定はされておらず、横ばり5に当接して横ばり5に位置決めされている。受け座ユニット20は、横ばり5の両端部5aの下方で車両長手方向に延びて互いに車幅方向に隙間をあけて配置された一対の垂直板である受け座17,18と、それら一対の受け座17,18を互いに連結するように受け座17,18に接合された水平板である接続板24とを有している。
【0016】
図3及び4に示すように、受け座17,18は、その下側部分が上側部分よりも厚肉になっている。受け座17,18の長手方向の両端部17b,18bは、横ばり5よりも車両長手方向両側の軸ばり16側(軸箱9側)に向けて突出しており、受け座17,18の一方側の端部17b,18bが一方側の軸ばり16に連結され、受け座17,18の他方側の端部17b,18bが、他方側の軸ばり16に連結されている。具体的には、図5に示すように、軸ばり16の先端部16aには、内周面が円筒形状で車幅方向両側が開口する筒状部21が設けられている。筒状部21の内部空間には、ゴムブッシュ22を介してボビン形状の心棒23が挿通されている。受け座17,18には、その長手方向両端部において下方に向けて開口する嵌入溝17a,18aが形成されている。心棒23は、車幅方向両側に突出する断面半円状の突起部23aを有しており、その突起部23aが嵌入溝17a,18aに下方から嵌入されている。その状態で、嵌入溝17a,18aの下側開口を閉鎖するように蓋部材25がボルト(図示せず)により下方から受け座17,18の下端面に固定され、心棒23が蓋部材25によって下方から支持されている。即ち、心棒23の突起部23aと受け座17,18の嵌入溝17a,18aと蓋部材25とが、連結部19を構成している。
【0017】
図6及び7に示すように、受け座ユニット20の接続体24は、受け座17,18の上端間に架け渡される基板部24aと、基板部24aから車幅方向内側に突出した突出板部24bとを有している。基板部24aは、受け座17,18よりも車両長手方向に短い。突出板部24bは、基板部24aよりも車両長手方向に長く、車幅方向内側の受け座18の車幅方向内側の側面に当接する部分を有している。基板部24aの上面には、上方に向けて突出した凸部である嵌合部24cが設けられている。横ばり5の嵌合部24cと対向する下面には、嵌合部24cが嵌合する凹部である被嵌合部5eが設けられている。突出板部24bには、複数のボルト孔24dが形成されている。横ばり5のボルト孔24dと重なる位置にも、複数のボルト孔5dが形成されている。受け座ユニット20は、嵌合部24cを被嵌合部5eに嵌合させて位置決めした状態で、ボルト孔24d,5dにボルト(図示せず)を締結することで、横ばり5に取り付けられている。基板部24aの下面には、板バネ30の中央部30aに上方から載せられる上述した押圧部材31(図3参照)が取り付けられている。
【0018】
図4〜7に示すように、横ばり5の車両長手方向の両側面(前面及び後面)には、車幅方向の軸線を有するピン孔5dが形成された一対のブラケット5cが突出している。受け座17,18にも、そのピン孔5dと同一軸線を有するピン孔17f,18fが形成されたブラケット部17e,18eが一体に形成されている。そして、ブラケット5cのピン孔5d及びブラケット部17e,18eのピン孔17f,18fには、ピン28が挿入されている。ピン28は、ネジが形成されていない軸部28aと、軸部28aの一端部に形成された頭部28bと、軸部28aの他端部において軸線方向と直交する方向に形成された貫通孔28cとを有し、貫通孔28cには抜け止めピン29が装着されている。横ばり5のブラケット5cは、受け座17,18のブラケット部17e,18eの間に配置されており、互いに隙間をあけている。即ち、ピン28は、横ばり5のブラケット5cと受け座17,18のブラケット部17e,18eとの間の軸線方向の相対移動を許容している。なお、ブラケット5cと受け座18との間の車幅方向の隙間は、板バネ30と受け座17,18との間の車幅方向の隙間よりも小さく、また、軸ばり16の先端部16aと受け座17,18との間の車幅方向の隙間よりも小さい。
【0019】
図8に示すように、連結部19を構成する蓋部材25は、一対の受け座17,18の下面にそれぞれボルト締結により固定されて嵌入溝17a,18aの下側開口を閉鎖する一対の蓋部25aと、軸ばり16の先端部16aを避けるように一対の蓋部25aを互いに接続する架橋部25bとを有している。また、蓋部材25よりも車両長手方向の中央側には、一対の受け座17,18を架け渡すようにして底板部材26が受け座17,18の下面にボルト締結により固定されている。蓋部材25及び底板部材26は、板バネ30の下方に位置している。
【0020】
以上に説明した構成によれば、横ばり5側から軸ばり16に向けて突出した受け座ユニット20は、横ばり5とは別体であり、横ばり5の車幅方向の両端部5aに対して当接して位置決めされているため、受け座ユニット20を溶接により台車枠5と一体に形成した場合に比べて、台車1の各部品の累積寸法誤差などを調整しやすく、台車1の製作を容易かつ高精度に行うことができる。
【0021】
また、受け座ユニット20の受け座17,18は、横ばり5の下方で車両長手方向に延びており、車両長手方向一方側の軸ばり16への連結と、車両長手方向他方側の軸ばり16への連結との両方に兼用されているため、前後の軸ばり16,16の間の寸法精度が向上するとともに、部品点数及び組立工数を削減することができる。また、横ばり5と受け座17,18とはピン28により連結されているため、脱線等の異常時において、横ばり5とは別体の受け座17,18が横ばり5から離脱することを防止することができる。
【0022】
また、受け座ユニット20の嵌合部24cが横ばり5の被嵌合部5eに上下方向に嵌合する構成であるため、受け座ユニット20を横ばり5に対して水平方向に容易に位置決めすることができる。また、受け座ユニット20は、一対の受け座17,18の間に位置する基板部24aではなく、側方に突出した突出板部24bにおいて横ばり5とボルト締結されているため、板バネ30を受け座17,18間に配置したままで当該ボルトを着脱して受け座ユニット20を着脱することができる。また、板バネ30は、一対の受け座17,18に挟まれる位置に設けられ、側面視で受け座17,18と重なっているため、台車1を上下方向にコンパクトにすることができる。
【0023】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。本実施形態では、側ばりを省いて板バネ30を用いた台車1を例示したが、側ばりを有する台車を採用してもよい。本実施形態では、連結装置15として軸ばり式を例示したが、他の方式であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上のように、本発明に係る鉄道車両用台車は、上述した優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる鉄道車両用台車に広く適用すると有益である。
【符号の説明】
【0025】
1 台車
4 台車枠
5 横ばり
5b 嵌合部
5c ブラケット
5d ピン孔
5e 被嵌合部
6 車軸
8 軸受
9 軸箱
15 連結装置
16 軸ばり(第1部材)
17,18 受け座
17e,18e ブラケット部
17f,18f ピン孔
19 連結部
20 受け座ユニット(第2部材)
24c 嵌合部
28 ピン
30 板バネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8