(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来例のものでは、記録された温度履歴等は、調理の不具合があった後の事後確認に利用するのみであって、調理に不具合が出ること自体を未然に防止することには利用できないのが実情であった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、調理工程が終了する前に調理不良の有無を判別できる装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被調理物を所定の調理態様により調理する調理工程における調理不良を判別する調理不良判別装置であって、前記被調理物を識別する識別符号を記録した情報記録手段から前記識別符号を読み取る識別符号読取手段と、前記識別符号読取手段によって読み取った前記識別符号に対応する被調理物の調理温度条件を基準値として設定する基準値設定手段と、前記被調理物の実際の調理温度を測定する調理温度測定手段と、前記調理温度測定手段によって測定された調理温度を前記基準値と比較する比較手段と、前記比較手段によって前記調理温度が前記基準値と照らして適切でないと判断された場合に警告する警告手段と、を備えるところに特徴を有する。
【0006】
被調理物を調理するに当たり、識別符号読取手段により情報記録手段の対応する識別符号を読み取ると、基準値設定手段により当該被調理物の調理温度条件が基準値として設定される。調理が終了すると、調理温度測定手段によって被調理物の実際の調理温度が測定され、比較手段において測定された調理温度が基準値と比較され、同調理温度が基準値と照らして適切でないと判断された場合には、警告手段により警告が出される。これにより、調理不良があったことが判別される。これを受けて、追加の調理を施す等により、最終的に不具合のない被調理物を得ることができる。
【0007】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記情報記録手段には、前記識別符号と対応する被調理物の調理温度条件が併せて記録され、前記識別符号読取手段は、当該識別符号と対応する前記調理温度条件とを併せて読み取り可能となっている。
装置内に調理温度条件を予め記憶する必要が無く、記憶容量が十分に確保されない装置に適用して好適である。
【0008】
(2)前記調理工程が、被調理物を最終の希望温度よりも所定温度手前の終了前温度まで調理する第1調理工程と、同第1調理工程で調理された被調理物に対して改めて所定時間追加調理を行う第2調理工程と、から構成されており、
前記調理温度条件と前記調理温度とは、前記第1調理工程における被調理物の調理温度条件と調理温度である。
被調理物を最終の希望温度よりも所定温度手前の終了前温度まで調理する第1調理工程と、同第1調理工程で調理された被調理物に対して改めて所定時間追加調理を行う第2調理工程との2段階の調理工程を経るものにおいては、第1調理工程の終了後に調理不良の有無の判別がなされる。
【0009】
(3)前記第2調理工程における追加調理時間を基準値として設定する追加調理時間設定手段と、第2調理工程の開始からの経過時間を検知する経過時間検知手段と、前記経過時間検知手段で検知された前記経過時間を前記基準値と比較する比較手段と、前記比較手段によって前記経過時間が前記基準値に達したところで報知する報知手段と、備える。
第2調理工程における追加調理時間を任意に設定でき、第2調理工程が開始されてから追加調理時間が経過したところで、そのことが報知される。第2調理工程を正確に終了でき、最終的に不具合のない被調理物をより確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調理工程が終了する前に調理不良の有無を判別でき、適宜処理を施すことにより、最終的に調理に不具合が出ることを未然に防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1ないし
図7によって説明する。この実施形態では、加熱調理器(スチームコンベクションオーブン)10において、被調理物Xを加熱調理する場合を例示している。
加熱調理器10は、ヒータ、蒸気発生装置等を備え、
図1に示すように、被調理物X(例えばハンバーグ)がトレイ11に載せられた形態で、庫内に複数段に亘って収容されるようになっている。
【0013】
加熱調理器10には、ハンディターミナル20が備えられている。ハンディターミナル20には、
図2に示すように芯温センサ40が接続可能となっており、主たる機能として、調理の開始時刻と終了時刻、並びに、被調理物Xの調理前と調理後の測定温度をデータとして記憶し、そののち、
図4に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)50にデータを移して温度管理履歴として記憶するようになっている。なお、PC50には、制御部51、表示部52、記憶部53、及びUSBインタフェイス54等が設けられている。
本実施形態のハンディターミナル20は、上記の機能に加え、被調理物Xの調理不良の有無を判別する機能を備えている。
【0014】
ハンディターミナル20には、
図4に示すように、制御部21と、表示部30と、入力部31と、バーコード読取部32と、内蔵時計33と、温度測定部34と、記憶部35と、音声出力部36と、USBインタフェイス37と、が設けられている。
制御部21はCPU等を備え、格納されたプログラムに基づいて上記各部を制御するように機能するものである。
表示部30は液晶ディスプレイを備え、後記する各種操作等に対応した情報や、芯温センサ40で測定した被調理物Xの温度等を表示ものである。
入力部31は、表示部30に表示された情報を選択した上で所定のキーを押圧することにより、対応した操作信号等を入力できるようになっている。
【0015】
バーコード読取部32は、情報記録シート45に設けられたバーコードBを読み取ることに機能する。情報記録シート45は、
図3に示すように、シート46上に複数のバーコードB1,B2,B3・・・Bnが整列して設けられたものであって、例えば加熱調理器10の近傍に装備されるようになっている。各バーコードBには、被調理物X(ハンバーグ、焼売等)の種類(品目)に対応した識別符号とともに、当該被調理物Xの調理条件、具体的には調理時間toと、当該被調理物Xの調理後の希望温度(合格温度To)とが、データとして含まれている。
内蔵時計33は、時刻の呼び出しが可能となっている。
【0016】
温度測定部34は上記した芯温センサ40と接続され、芯温センサ40を用いて被調理物Xの実際の温度を測定し、同測定温度値を出力し得るようになっている。
記憶部35は、バーコード読取部32で読み取られたバーコードBの各種データ、内蔵時計33から呼び出され時刻、温度測定部34から出力された温度値等を、取り出し可能に記憶することに機能する。
音声出力部36は、後記する調理完了信号や警告信号を受けた場合に、調理完了音、警告音を発することに機能する。
USBインタフェイス37は、PC50のUSBインタフェイス54に接続され、データの移送に適用されるようになっている。
【0017】
また、制御部21には、機能部として時間演算部22と、基準値設定部23と、比較部24とが設けられている。
時間演算部22は、入力部31で調理開始信号が読み取られた場合の時刻(開始時刻)と、記憶部35に記憶されている調理時間toとから完了予定時刻が演算され、内蔵時計33から読み取られた時刻が完了予定時刻と一致した場合に、調理完了信号を出力するように機能する。
【0018】
基準値設定部23は、記憶部35に記憶されている合格温度Toを基準値として、比較部24に設定するように機能する。
比較部24は、芯温センサ40を介して温度測定部34で読み取られた被調理物Xの調理後の測定温度Trを、上記した基準値(合格温度To)と比較し、「測定温度Tr<合格温度To」であった場合には、調理不良があったとみなして、警告信号を出力するようになっている。
【0019】
続いて、加熱調理工程の一例を
図5ないし
図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
図5は加熱調理ルーチンを示し、調理開始処理S100と、調理終了処理S110を備えている。
また本例では、被調理物Xがハンバーグである場合を例示している。
【0020】
調理開始処理S100では、
図6に示すように、準備処理として、ステップS101において、ハンディターミナル20のバーコード読取部32により、情報記録シート45上の対応するバーコードB1が読み取られ、同バーコードB1に含まれた識別符号と、調理条件(調理時間to、合格温度To)のデータが取り込まれて、記憶部35に記憶される。
それとともに、ステップS102において、芯温センサ40により調理前の被調理物Xの温度が測定されて、その測定値が記憶部35に記憶される。
【0021】
被調理物Xは、
図1に示すように、トレイ11上に載せられた状態で加熱調理器10の庫内に収容される。そののち加熱調理器10の運転が開始される。
それと同時に、ハンディターミナル20においては、ステップS103において、入力部31から調理開始信号が入力される。そのとき、内蔵時計33から読み取られた時刻が、開始時刻として記憶部35に記憶される。
次に、ステップS104において、上記した調理時間toが経過したか否かが判別される。具体的には、開始時刻に調理時間toを加えた完了予定時刻と、内蔵時計33から取り込まれる現在時刻とが比較され、現在時刻が完了予定時刻を過ぎたところで調理完了信号が出され、ステップS105において、同信号を受けて音声出力部36から調理完了音が発せられる。
【0022】
同調理完了音により調理完了が知らされたら、作業者は加熱調理器10の運転を停止して、被調理物Xを庫内から取り出す。併せて、ハンディターミナル20を利用して、当該被調理物Xの調理不良の有無を判別(合否判定)することを含めて、
図7に示す調理終了処理S110が実行される。
【0023】
まず、ハンディターミナル20の入力部31から、調理不良の有無の判別(合否判定)を行うための判定実行信号が入力される(ステップS111が「YES」)。判定実行信号が入力されたら、ステップS112において、記憶部35に記憶されている当該被調理物Xの合格温度Toが、基準値として比較部24に設定される。併せて、合格温度Toを表示部30で表示するとよい。
一方、芯温センサ40により調理後の被調理物Xの温度が測定されて取り込まれ(ステップS113)、その測定温度Trが記憶部35に調理後温度として記憶され、また表示部30に表示される。それとともに、ステップS114において、比較部24で同測定温度Trと合格温度Toが比較される。
【0024】
ここで、測定温度Trが合格温度To以上であれば(ステップS114が「NO」)、後記するように警告音が発しなかったこと、また表示部30に表示された測定温度Trを以て、ユーザーは調理不良が無いこと、すなわち「合格」であると判断でき、引き続いて入力部31により調理終了信号が入力される。
なお測定温度Trが合格温度To以上であった場合に(ステップS114が「NO」)、表示部30等において「合格」に相当する表示を行ってもよい。
調理終了信号が入力されると(ステップS115が「YES」)、ステップS116において、当該調理終了信号が入力された際の時刻(終了時刻)が記憶部35に記憶され、そののち当処理が終了される。
【0025】
それに対し、ステップS114において、測定温度Trが合格温度To未満であると(同ステップS114が「YES」)、ステップS117において警告音が出される。これによりユーザーは調理不良があったこと、すなわち「不合格」であると判断できる。そうしたら、ユーザーは、被調理物Xを再び加熱調理器10に収容して、所定時間再運転する。運転時間は、表示部30に表示された測定温度Trと合格温度Toとの差に対応して時間設定される。
【0026】
所定の運転時間が経過したら、加熱調理器10を停めて被調理物Xを取り出し、芯温センサ40により被調理物Xの温度が測定される。すなわち、ステップS118において、被調理物Xの新たな測定温度が取り込まれ(同ステップS118が「YES」)、新たな測定温度Trが、記憶部35に記憶されまた表示部30に表示されていた先の測定温度Trに対して上書きされて変更される。それとともに、ステップS114において、合否判定が行われる。再度、「不合格」と判定されたら上記の動作が繰り返される。
「合格」の判定がなされたら、ステップS115によって上記した終了処理がなされる。
【0027】
なお、上記の加熱調理工程を実行する間に、ハンディターミナル20の記憶部35に記憶された各種データ、少なくとも、被調理物Xの種類(品目)に対応した識別符号、調理前後の被調理物Xの温度、及び加熱調理の開始時刻と終了時刻に関するデータが、USBケーブルを介してPC50転送され、温度管理履歴として記憶される。
【0028】
本実施形態によれば、ハンディターミナル20を用いることにより、予定の加熱調理が終了した時点での調理不良の有無が判定され、調理不良があった場合には、警告音が出される。そのためこれを受けて、追加の調理を施すことにより、最終的に不具合のない被調理物Xを得ることができる。
また、被調理物Xの種類(品目)に応じた調理条件は、情報記録シート45に設けられた各バーコードBに付すようにしてあるから、ハンディターミナル20側に調理条件のデータを記憶する必要がなく、すなわち記憶容量が十分に確保できないハンディターミナル20について適用して好適である。
【0029】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を
図6及び
図8、
図9によって説明する。
この実施形態2では、加熱調理工程が上記実施形態1とは異なっている。
図8に示すように、一の被調理物Xを加熱調理する場合において、当該被調理物Xの最終の希望温度(例えば85℃)よりも所定温度手前の終了前温度(例えば75℃)となるまで加熱調理し(第1加熱調理工程)、一旦被調理物Xを取り出して温度測定して確認したのち、再度加熱調理器10に入れて所定時間追加熱し(第2加熱調理工程)、そののち終了するようになっている。
【0030】
この実施形態2では、第1加熱調理工程が完了した時点での被調理物Xの温度の合否判定を行っている点と、第2加熱調理工程に係る制御が付加されている点で上記実施形態1とは異なっており、以下、主に相違点について説明する。
実施形態2における加熱調理の制御は、
図6及び
図9に示すルーチンに基づいて実行されるようになっている。このうち、
図6の調理開始処理から
図9の調理終了処理の合否判定のステップまでは、パラメータは異なるものの実施形態1と同様のステップを踏むようになっているため、特に調理開始処理については実施形態1に示した
図6のフローチャートを援用することにより、改めての説明を簡略化若しくは省略する。
一方、第2加熱調理工程に関する制御においては、追加熱の時間を設定でき、かつ追加熱開始後に設定時間が経過したら、追加熱完了を報知する報知音が出されるようになっている。
【0031】
上記した加熱調理のルーチンを実行するために、情報記録シート45に設けられた各バーコードBの調理条件には、当該被調理物Xにおける調理後の希望温度(調理後温度)、同調理後温度よりも所定温度低い終了前温度(合格温度To)、同合格温度Toに達するまでに要する調理時間to、並びに追加熱時間taが、データとして含まれている。
ハンディターミナル20に備えられた入力部31には、追加熱開始信号を入力する機能が付加されている。
【0032】
また、制御部21には、図示はしないが、追加熱時間演算部が付加されており、この追加熱時間演算部では、入力部31で追加熱開始信号が読み取られた場合の時刻(追加熱開始時刻)と、記憶部35に記憶されている追加熱時間taとから追加熱完了時刻が演算され、内蔵時計33から読み取られた時刻が追加熱完了時刻と一致した場合に、追加熱完了信号を出力するように機能する。
音声出力部36には、上記の追加熱完了信号を受けた場合に、追加熱完了の報知音を発する機能が付加されている。
【0033】
続いて、加熱調理の一例を
図6及び
図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
調理開始処理では、
図6に示すように、準備処理として、ステップS101において、バーコード読取部32により、情報記録シート45上の対応するバーコードB1が読み取られ、同バーコードB1に含まれた識別符号と、調理条件(調理時間to、合格温度To、追加熱時間ta、調理後温度)のデータが取り込まれて、記憶部35に記憶される。
それとともに、ステップS102において、芯温センサ40により調理前の被調理物Xの温度が測定されて、その測定値が記憶部35に記憶される。
【0034】
被調理物Xが収容されたのち加熱調理器10の運転が開始されると、ステップS103において、入力部31から調理開始信号が入力され、併せて内蔵時計33から読み取られた時刻が、開始時刻として記憶部35に記憶される。
経時後に調理時間toが経過したことが判別されると(ステップS104が「YES」)、ステップS105において、音声出力部36から調理完了音が発せられる。
【0035】
調理完了音により終了前温度までの調理(第1加熱調理工程)が完了したことが知らされたら、作業者は加熱調理器10の運転を停止して、被調理物Xを庫内から取り出す。併せて、当該被調理物Xの調理不良の有無を判別(合否判定)することを含めて、
図9に示す調理終了処理が実行される。
まず、調理不良の有無の判別(合否判定)を行うための判定実行信号が入力され、同判定実行信号が入力されたら(ステップS111が「YES」)、ステップS112において、記憶部35に記憶されている当該被調理物Xの合格温度Toが、基準値として比較部24に設定される。併せて、合格温度Toを表示部30で表示するとよい。
一方、芯温センサ40により取り出された被調理物Xの温度が測定され、その測定温度Trが表示部30に表示される。それとともにステップS114において、測定温度Trと合格温度Toが比較される。
【0036】
ここで、測定温度Trが合格温度To以上であれば(ステップS114が「NO」)、後記するように警告音が発しなかったことを以て、ユーザーは調理不良が無いこと、すなわち「合格」であると判断でき、引き続いて追加熱処理を行う。
追加熱処理を行うに当たっては、被調理物Xを加熱調理器10に入れて再運転するとともに、入力部31により追加熱開始信号を入力する。
【0037】
追加熱開始信号が入力されると(ステップS121が「YES」)、ステップS122において、上記した追加熱時間taが経過したか否かが判別される。追加熱時間taが経過したら(ステップS122が「YES」)、追加熱完了信号が出され、ステップS123において、同信号を受けて音声出力部36から追加熱が完了した旨の報知音が発せられる。
【0038】
報知音が発せられると、作業者は追加熱処理(第2加熱調理工程)が完了したと判断し、加熱調理器10を停止するとともに、必要に応じて被調理物Xを庫外に取り出す。それとともに、入力部31により調理終了信号を入力する。
調理終了信号が入力されると(ステップS115が「YES」)、ステップS116において、当該調理終了信号が入力された際の時刻(終了時刻)が記憶部35に記憶され、そののち当ルーチンが終了される。
【0039】
それに対し、ステップS114において、測定温度Trが合格温度To未満であると(同ステップS114が「YES」)、ステップS117において、警告音が出される。これによりユーザーは調理不良があったこと、すなわち「不合格」であると判断できる。そうしたら、ユーザーは、被調理物Xを再び加熱調理器10に収容して、所定時間再運転する。運転時間は、表示部30に表示された測定温度Trと合格温度Toとの差に対応して時間設定する。
【0040】
所定の運転時間が経過したら、加熱調理器10を停めて被調理物Xを取り出し、芯温センサ40により被調理物Xの温度が測定される。すなわち、ステップS118において、被調理物Xの新たな測定温度Trが取り込まれ(同ステップS118が「YES」)、新たな測定温度Trが、表示部30に表示されていた先の測定温度Trに対して上書きされて変更される。それとともに、ステップS114において、合否判定が行われる。再度、「不合格」と判定されたら、上記の動作が繰り返される。「合格」の判定がなされたら、追加熱処理(第2加熱調理工程)が実行される。
【0041】
また同様に、上記の加熱調理工程を実行する間に、ハンディターミナル20の記憶部35に記憶された各種データ、少なくとも、被調理物Xの種類(品目)に対応した識別符号、調理前後の被調理物Xの温度、及び加熱調理の開始時刻と終了時刻に関するデータが、USBケーブルを介してPC50に転送され、温度管理履歴として記憶される。
【0042】
実施形態2によれば、ハンディターミナル20を用いることにより、被調理物Xをその最終の希望温度よりも所定温度手前の終了前温度となるまで加熱調理する第1加熱調理工程の終了時点において、調理不良の有無が判別され、調理不良があった場合には、警告音が出される。そのためこれを受けて追加の加熱調理を施すことにより、第1加熱調理工程時の合格温度Toが確保される。引き続き第2加熱調理工程を実施することにより、最終的に不具合のない被調理物Xを得ることができる。
また、第2加熱調理工程における追加熱時間taを任意に設定でき、第2加熱調理工程が開始されてから追加熱時間taが経過したところで、そのことが報知される。第2加熱調理工程を正確に終了でき、最終的に不具合のない被調理物Xをより確実に得ることができる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、情報記録手段であるバーコードに対して、被調理物の識別符号とともに同被調理物の調理温度条件が併せて記録されている場合を例示したが、バーコードについては識別符号のみに留め、調理温度条件はハンディターミナル側に予め記憶させておくようにしてもよい。
(2)情報記録手段としては、上記実施形態に例示したバーコードに限らず、RFIDタグ等の他の手段を採用してもよい。
(3)上記実施形態では、被調理物の温度を測定する温度センサとして、内部温度を測定する芯温センサを例示したが、表面温度を測定する放射温センサを適用してもよく、また両センサを選択的に適用するようにしてもよい。
【0044】
(4)調理不良があった場合にこれを警告する手段としては、上記実施形態に例示した音声による警告に限らず、警告ランプを点灯したり、表示部に警告信号を表示する等の光学的な警告手段であってもよい。
(5)調理時間や追加熱時間の計測は、内蔵タイマによって行うようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、スチーム加熱調理に適用した場合を例示したが、焼き調理、揚げ調理等の他の形態の加熱調理についても同様に適用することができる。
(7)さらに本発明は、加熱調理に限らず、被調理物を温度管理しつつ冷却するようにした冷却調理を行う場合等、他の形態の調理工程についても同様に適用することができる。