特許第6069051号(P6069051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069051電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069051
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/08 20060101AFI20170116BHJP
   H02G 1/00 20060101ALI20170116BHJP
   H02H 3/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   G01R31/08
   H02G1/00
   H02H3/00 N
   H02H3/00 Q
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-56895(P2013-56895)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-182014(P2014-182014A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000164438
【氏名又は名称】九州電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 京二
(72)【発明者】
【氏名】中井 茂雄
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭40−6682(JP,B1)
【文献】 特開昭50−32456(JP,A)
【文献】 特開2006−267002(JP,A)
【文献】 特開平3−214073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/08
H02G 1/00
H02H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検流計メータ及び測定辺抵抗を、事故発生ケーブルの遮蔽層の一端と健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に並列に接続し、
一部に可変抵抗を含む測定辺抵抗の所定の接点又は測定辺抵抗の按分位置を変化させることが可能な摺動接点と接地点との間に標定用直流電圧を印加し、
前記事故発生ケーブルの遮蔽層の他端と前記健全ケーブルの遮蔽層の他端を短絡線で接続
前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第1高圧ガードを配置し、
前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第2高圧ガードを配置し、
前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードを電気的に接続し、
前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加するとともに、
前記事故発生ケーブルの導体を接地してブリッジ回路を形成し、
前記測定辺抵抗の一部の抵抗値を変化させるか、前記測定辺抵抗の按分位置を変化させることによって、前記検流計メータに流れる電流を零に調整し、前記測定辺抵抗の一部の抵抗値又は前記測定辺抵抗の按分位置に基づいて電力ケーブルの絶縁不良箇所の位置を標定する
ことを特徴とする電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法。
【請求項2】
前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第3高圧ガードを配置し、
前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第4高圧ガードを配置し、
前記健全ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第5高圧ガードを配置し、
前記健全ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第6高圧ガードを配置し、
前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードを電気的に接続するとともに、
前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法。
【請求項3】
前記標定用直流電圧を前記電力ケーブルに接続される開閉装置の許容直流電圧値以下の電圧とするとともに、
前記検流計メータと、前記事故発生ケーブルの遮蔽層の一端及び前記健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に、前記電力ケーブルに重畳するノイズが前記検流計メータに入力されることを防止するノイズ防止回路を接続する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法。
【請求項4】
事故発生ケーブルの遮蔽層の一端と健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に並列に接続される検流計メータ及び測定辺抵抗、
一部に可変抵抗を含む測定辺抵抗の所定の接点又は測定辺抵抗の按分位置を変化させることが可能な摺動接点、
前記所定の接点又は前記摺動接点と接地点との間に標定用直流電圧を印加する標定用直流電圧源、
前記事故発生ケーブルの遮蔽層の他端と前記健全ケーブルの遮蔽層の他端を接続する短絡線、
前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第1高圧ガード、
前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第2高圧ガード、
前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードを電気的に接続する相互接続線、
及び前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する直流電圧源、
並びに前記事故発生ケーブルの導体と接地点とを接続するアース線を備える
ことを特徴とする電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置。
【請求項5】
前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第3高圧ガード、
前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第4高圧ガード、
前記健全ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第5高圧ガード、
前記健全ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第6高圧ガード、
前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードを電気的に接続する相互接続線、
並びに前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する直流電圧源を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置。
【請求項6】
前記検流計メータ及び前記測定辺抵抗を配置している基板を大地から絶縁し支持する絶縁棒等の絶縁物に、基板及び大地とは絶縁されて配置される導電性の第7高圧ガード、
前記第1高圧ガードないし前記第7高圧ガードを電気的に接続する相互接続線、
並びに前記第1高圧ガードないし前記第7高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する直流電圧源を備える
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置。
【請求項7】
前記検流計メータと前記事故発生ケーブルの遮蔽層の一端及び前記健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に接続され、前記電力ケーブルに重畳するノイズが前記検流計メータに入力されることを防止するノイズ侵入防止回路を備える
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルにおける絶縁不良箇所が高抵抗であっても、その絶縁不良箇所の位置を高い精度で標定可能とする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力ケーブルにおける絶縁不良箇所標定装置が、絶縁不良箇所を有する電力ケーブル(以下、「事故発生ケーブル」という。)における絶縁不良箇所の位置をつきとめることを目的に開発されている。
その絶縁不良箇所標定装置の概念図は、図5に示すように、検流計メータ(G)及び測定辺抵抗(Ra・Rb)を、事故発生ケーブルの導体の一端と健全な電力ケーブル(以下、「健全ケーブル」という。)の導体の一端との間に並列に接続し、測定辺抵抗の按分位置を変化させることが可能な摺動接点と接地点との間に標定用直流電圧源を接続し、事故発生ケーブルの導体の他端と健全ケーブルの導体の他端を短絡線で接続するとともに、事故発生ケーブルの遮蔽層を接地するものである。
【0003】
絶縁不良箇所(Fp)の位置を標定する装置の等価回路は図6に示すブリッジ回路となる。この図において、Eは標定用直流電圧源の電圧、Lは事故発生ケーブル及び健全ケーブルの一端から他端までの長さ、lは事故発生ケーブルの一端から絶縁不良箇所までの長さ、Raは測定辺抵抗の摺動接点より健全ケーブル寄りの抵抗値、Rbは測定辺抵抗の摺動接点より事故発生ケーブル寄りの抵抗値、Rcは健全ケーブルの一端から絶縁不良箇所までの導体及び短絡線の抵抗値、Rdは事故発生ケーブルの一端から絶縁不良箇所までの導体の抵抗値、Reは絶縁不良箇所の抵抗値(以下、「地絡抵抗」という。)、Rgは検流計メータの内部抵抗値、Roは標定用直流電圧源の内部抵抗値を示す記号である。
【0004】
この等価回路で、測定辺抵抗の摺動接点を動かして測定辺抵抗の按分位置を変化させ、検流計メータに流れる電流を零に調整した場合、Ra×Rd=Rb×Rcが成立する。
ここで、健全ケーブル及び事故発生ケーブルの導体の単位長さ当たりの抵抗値をρとしたとき、Rc=ρ×(2L−l)及びRd=ρ×となるので、Ra×Rd=Rb×Rcにこれらの関係を代入して整理すると、l=L×2×Rb/(Ra+Rb)となる。
そして、Lは事故発生ケーブル又は健全ケーブルの一端から他端までの長さを計測して知り得る値、Rbは測定辺抵抗の按分位置から知り得る値、Ra+Rbは一定値であるので、lすなわち事故発生ケーブルの一端から絶縁不良箇所までの長さが分かり、絶縁不良箇所(Fp)の位置を標定できる。
【0005】
ところが、地絡抵抗(Re)が高い場合、図6のブリッジ回路では地絡抵抗(Re)での電圧降下が大きくなる上に、電力ケーブルの導体抵抗が小さい(0.02〜0.08Ω/km)ことから、検流計メータ(G)の両端における電位差が非常に小さくなってしまい、絶縁不良箇所の標定は不可能であった。そのため従来、地絡抵抗が高い場合には、高電圧課電による焼成で絶縁不良箇所を低抵抗にして標定していた。
そして、高抵抗の絶縁不良は電力ケーブルの端末部や接続部で発生する場合も多いところ、高電圧課電による焼成を行った場合、焼成の対象となった電力ケーブルは損傷を受ける可能性があるため、電力ケーブル自体には絶縁不良箇所が発生していないにもかかわらず、標定後にその電力ケーブルを交換していた。
【0006】
そこで、特許文献1(特開2006−267002号公報)に記載されるように、高電圧課電による焼成を避けるために、従来の標定装置の検出感度を大幅に向上させ、標定範囲を10倍程度拡大させた新型の標定装置が開発された。この標定装置によれば、ケーブル導体の断面積が150mm(直径13.8mm)、測定される電力ケーブルの長さ(以下、「亘長」という。)が1000mの場合、地絡抵抗が200MΩ程度までであれば、絶縁不良箇所の位置を標定可能である。
しかし、最近は送電容量の大容量化に伴ってケーブル導体の断面積は大きくなっており、325mm(直径20.3mm)、さらには725mm(直径30.4mm)のものが用いられるようになっているところ、標定可能な地絡抵抗は、ケーブル導体の単位長さ当たりの抵抗値及び亘長に比例し、現場における標定の際の亘長は100m程度の場合もあるため、新型の標定装置を用いたとしても、標定可能な地絡抵抗は、断面積150mm、亘長100mの場合20MΩ(200MΩ×0.1)、断面積325mm、亘長100mの場合9.2MΩ(200MΩ×150÷325×0.1)となり、断面積725mm、亘長100mの場合4.1MΩ(200MΩ×150÷725×0.1)に過ぎない。
そして、地絡抵抗は200MΩ程度となる場合も多いため、標定能力を通常の標定装置の100倍から500倍(新型の標定装置の10倍から50倍)に拡大することが、絶縁不良箇所標定の現場において強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−267002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、亘長が短くても電力ケーブルを焼成せずに絶縁不良箇所を標定できるようにすること、ケーブルサイズが大きくても電力ケーブルを焼成せずに絶縁不良箇所を標定できるようにすること及び標定誤差をできるだけ小さくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法は、検流計メータ及び測定辺抵抗を、事故発生ケーブルの遮蔽層の一端と健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に並列に接続し、一部に可変抵抗を含む測定辺抵抗の所定の接点又は測定辺抵抗の按分位置を変化させることが可能な摺動接点と接地点との間に標定用直流電圧を印加し、前記事故発生ケーブルの遮蔽層の他端と前記健全ケーブルの遮蔽層の他端を短絡線で接続前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第1高圧ガードを配置し、前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第2高圧ガードを配置し、前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードを電気的に接続し、前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加するとともに、前記事故発生ケーブルの導体を接地してブリッジ回路を形成し、前記測定辺抵抗の一部の抵抗値を変化させるか、前記測定辺抵抗の按分位置を変化させることによって、前記検流計メータに流れる電流を零に調整し、前記測定辺抵抗の一部の抵抗値又は前記測定辺抵抗の按分位置に基づいて電力ケーブルの絶縁不良箇所の位置を標定することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法は、請求項1に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法において、前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第3高圧ガードを配置し、前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第4高圧ガードを配置し、前記健全ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第5高圧ガードを配置し、前記健全ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁された導電性の第6高圧ガードを配置し、前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードを電気的に接続するとともに、前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法は、請求項1又は2に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法において、前記標定用直流電圧を前記電力ケーブルに接続される開閉装置の許容直流電圧値以下の電圧とするとともに、前記検流計メータと、前記事故発生ケーブルの遮蔽層の一端及び前記健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に、前記電力ケーブルに重畳するノイズが前記検流計メータに入力されることを防止するノイズ防止回路を接続することを特徴とする。
【0013】
請求項に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置は、事故発生ケーブルの遮蔽層の一端と健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に並列に接続される検流計メータ及び測定辺抵抗、一部に可変抵抗を含む測定辺抵抗の所定の接点又は測定辺抵抗の按分位置を変化させることが可能な摺動接点、前記所定の接点又は前記摺動接点と接地点との間に標定用直流電圧を印加する標定用直流電圧源、前記事故発生ケーブルの遮蔽層の他端と前記健全ケーブルの遮蔽層の他端を接続する短絡線、前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第1高圧ガード、前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第2高圧ガード、前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードを電気的に接続する相互接続線、前記第1高圧ガード及び第2高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する直流電圧源、並びに前記事故発生ケーブルの導体と接地点とを接続するアース線を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置は、請求項に記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置において、前記事故発生ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第3高圧ガード、前記事故発生ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記事故発生ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第4高圧ガード、前記健全ケーブルにおける検流計メータ及び測定辺抵抗の接続点に対する他端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第5高圧ガード、前記健全ケーブルにおける短絡線の接続点に対する一端側近傍の周囲に、前記健全ケーブルの導体及び遮蔽層とは絶縁されて配置される導電性の第6高圧ガード、前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードを電気的に接続する相互接続線、並びに前記第1高圧ガードないし前記第6高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する直流電圧源を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置は、請求項又はに記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置において、前記検流計メータ及び前記測定辺抵抗を配置している基板を大地から絶縁し支持する絶縁棒等の絶縁物に、基板及び大地とは絶縁されて配置される導電性の第7高圧ガード、前記第1高圧ガードないし前記第7高圧ガードを電気的に接続する相互接続線、並びに前記第1高圧ガードないし前記第7高圧ガードに前記標定用直流電圧程度の直流電圧を印加する直流電圧源を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項に係る発明の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置は、請求項4〜6のいずれかに記載の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置において、前記検流計メータと前記事故発生ケーブルの遮蔽層の一端及び前記健全ケーブルの遮蔽層の一端との間に接続され、前記電力ケーブルに重畳するノイズが前記検流計メータに入力されることを防止するノイズ侵入防止回路を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1又はに係る発明によれば、電力ケーブルの焼成を行う必要がないため、亘長を長くとっても格別の問題が発生しない。
また、検流計メータ及び測定辺抵抗が接続される事故発生ケーブルの遮蔽層の一端と事故発生ケーブルの導体、並びに短絡線が接続される事故発生ケーブルの遮蔽層の他端と事故発生ケーブルの導体が近接しているために、沿面漏洩電流の影響を排除することができるので、絶縁不良箇所の位置を標定する際の標定誤差を小さくすることができるという効果がある。
【0020】
請求項2、5又はに係る発明によれば、請求項1又は4に係る発明による効果に加えて、シースの外面を伝う沿面漏洩電流の影響を排除することができるため、絶縁不良箇所の位置を標定する際の標定誤差をより小さくすることができるという効果がある。
そして、請求項1、2、4、5又は6に係る発明による効果は、亘長を長くとった場合には特に重要である。
【0021】
請求項又はに係る発明によれば、請求項1、2又は4〜6に係る発明による効果に加えて、ケーブル導体の断面積が325mmの場合、ケーブル導体の抵抗値が0.0579Ω/kmであるのに対して、遮蔽層の抵抗値は1.71Ω/kmと29.5倍高くなっているため、標定可能な地絡抵抗は29.5倍、すなわち亘長100mの場合でも271.4MΩ(9.2MΩ×29.5)となり、ケーブル導体の断面積が725mmの場合、ケーブル導体の抵抗値が0.026Ω/kmであるのに対して、遮蔽層の抵抗値は1.26Ω/kmと48.5倍高くなっているため、標定可能な地絡抵抗は48.5倍、すなわち亘長100mの場合でも198.9MΩ(4.1MΩ×48.5)となって、現場の要求を満足することができる。
【0022】
請求項1〜に係る発明によれば、地絡抵抗が高い場合でも高電圧課電による焼成を行うことなく、絶縁不良箇所の位置を標定することができるので、その絶縁不良箇所のみを取り替えるだけで済むため、復旧に要するコストを低減することができる。
特に標定の結果、電力ケーブルの端末部や接続部で絶縁不良が発生していた場合には、その端末部や接続部のみを交換するだけで復旧でき、ケーブル本体の交換が不要となるため、復旧時間と復旧に要するコストを大幅に低減することができる。
さらに、絶縁不良箇所の位置標定に際して操作する装置(測定辺抵抗)には、これまで用いてきたものと同じ方式での標定であり作業者が慣れやすく、これまでの経験で蓄積してきたノウハウを生かせるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施例1の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置の概念図。
図2】電力ケーブルの断面図。
図3】実施例2の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置の概念図。
図4】参考例の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置の概念図。
図5】絶縁不良箇所を標定する装置の概念図。
図6】絶縁不良箇所を標定する装置の等価回路。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例】
【0025】
[実施例1]
実施例1の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置の概念図を図1に示す。
実施例1で標定の対象となる電力ケーブルの断面図は図2に示すような構造であり、中心部から順に、導体4、架橋ポリエチレン等の絶縁体5、銅テープを巻き付けた遮蔽層6、遮水テープ層やビニール被覆層からなるシース7となっている。
実施例1においては、検流計メータ8及び測定辺抵抗9を、事故発生ケーブル1の遮蔽層6の一端と第1の健全ケーブル2の遮蔽層26の一端との間に並列に接続し、測定辺抵抗9の按分位置を変化させることが可能な摺動接点10と接地点との間に標定用直流電圧源11を接続する。
また、遮蔽層6の他端と遮蔽層26の他端を短絡線12で接続するとともに、事故発生ケーブル1の導体4の他端を接地してブリッジ回路を形成している。
【0026】
実施例1の接続状態の場合、検流計メータ8及び測定辺抵抗9が接続される遮蔽層6の一端と導体4の一端、及び短絡線12が接続される遮蔽層6の他端と導体4の他端が近接しているとともに、導体4が接地されているため、これらの間で沿面漏洩電流が発生して標定結果に誤差を生じるおそれがあり、さらに、シース7の外面を伝う沿面漏洩電流が発生して標定結果に誤差を生じるおそれもある。
そこで、実施例1においては、遮蔽層6の検流計メータ8及び測定辺抵抗9が接続される点よりも一端側近傍の周囲に、導体4及び遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第1高圧ガード14、遮蔽層6の短絡線12が接続される点よりも他端側近傍の周囲に、導体4及び遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第2高圧ガード15、遮蔽層6の検流計メータ8及び測定辺抵抗9が接続される点よりも他端側近傍のシース7の周囲に、導体4及び遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第3高圧ガード16、遮蔽層6の短絡線12が接続される点よりも一端側近傍のシース7の周囲に、導体4及び遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第4高圧ガード17、遮蔽層26の検流計メータ8及び測定辺抵抗9が接続される点よりも他端側近傍のシース27の周囲に、遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第5高圧ガード18、遮蔽層26の短絡線12が接続される点よりも一端側近傍のシース7の周囲に、遮蔽層26とは絶縁されて配置される導電性の第6高圧ガード19、並びに検流計メータ8及び測定辺抵抗9を配置している基板28を大地から絶縁し支持する絶縁棒29の周囲に、基板28及び大地とは絶縁されて配置される導電性の第7高圧ガード30を配置し、これら第1〜第7高圧ガード14〜19及び30を相互接続線で電気的に接続するとともに、これらに標定用直流電圧程度の電圧を印加している。
より具体的には、第1高圧ガード14と第3高圧ガード16、第2高圧ガード15と第4高圧ガード17、第3高圧ガード16と第5高圧ガード18、第4高圧ガード17と第6高圧ガード19、第5高圧ガード18と第2の健全ケーブル3の導体34の一端、第5高圧ガード14と摺動接点10、第6高圧ガード19と導体34の他端、第7高圧ガード30と摺動接点10を、それぞれ相互接続線で電気的に接続することにより、第1〜第7高圧ガード14〜19及び30に標定用直流電圧Eとほぼ同じ電圧を印加している。
【0027】
実施例1の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置によって、絶縁不良箇所の位置を標定するに際しては、従来の装置によって標定する場合と同様、測定辺抵抗9の摺動接点10を操作して按分位置を変化させ、検流計メータ8に流れる電流を零に調整する。その時の測定辺抵抗9の摺動接点10より事故発生ケーブル1側の抵抗値又は測定辺抵抗9における按分位置を読み取る。
そして、実施例1の等価回路は、RcとRdが異なるだけで従来の装置における等価回路と何ら変わるものではないので、上記背景技術の項で説明したと同様、l=L×2×Rb/(Ra+Rb)を計算することにより、lすなわち事故発生ケーブル1の一端から絶縁不良箇所Fpまでの長さが分かり、絶縁不良箇所Fpの位置を標定できる。
【0028】
[実施例2]
実施例2の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置の概念図を図3に示す。
実施例2は、検流計メータ8が遮蔽層6の一端及び遮蔽層26の一端と直接接続されていない点と補助装置が追加されている点を除き、図1に示した実施例1の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置と基本的な構成は同じである。
そして、実施例1との相違点は、ノイズ侵入防止回路20を、測定辺抵抗9と並列に、遮蔽層6の一端と遮蔽層26の一端との間に接続するとともに、検流計メータ8をノイズ侵入防止回路20に接続している点、摺動接点10が測定辺抵抗9を按分している位置を検出し、按分比率を演算して表示する比率演算部21及び按分比率表示器22を備えている点、並びにノイズ侵入防止回路20及び比率演算部21に電力を供給するバッテリー23を備えている点である。
実施例1と実施例2との具体的な構成の相違については、特許文献1(特開2006−267002号公報)の図1図2、段落0019〜0028及び段落0035〜0037に記載されているとおりであるので詳述は避けるが、高感度で絶縁不良箇所の位置を標定できるように以下のような工夫を施している。
【0029】
(1)標定用直流電圧源11の電圧を、電力ケーブルに接続される開閉装置の許容直流電圧値以下にするとともに、内部抵抗が低抵抗の直流安定化電源を採用したこと。
(2)ノイズ侵入防止回路20を設けて、電力ケーブルに重畳するノイズが検流計メータ8に入力されることを防止するようにしたこと。
(3)ノイズ侵入防止回路20、検流計メータ8、摺動接点10、比率演算部21、按分比率表示器22、バッテリー23等の絶縁性能を向上させるとともに、検流計メータ8や摺動接点10の操作部(操作スイッチ、操作ダイアル、操作つまみ等)の絶縁性能を向上させ、接地点と所定の絶縁強度を保ち漏れ電流を小さくしたこと。
【0030】
このうち、高感度で絶縁不良箇所を標定するために最低限必要な構成は標定用直流電圧源11の電圧を電力ケーブルに接続される開閉装置の許容直流電圧値以下とする点、及びノイズ侵入防止回路20を設けて、電力ケーブルに重畳するノイズが検流計メータ8に入力されることを防止する点である。
【0031】
実施例2の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定方法及び装置によって、絶縁不良箇所を標定するに際しての操作は、実施例1の場合と全く同じである。
また、実施例2においては、按分比率表示器22に測定辺抵抗9の按分比率、すなわち2×Rb/(Ra+Rb)が表示されるので、L×按分比率の計算だけで、lすなわち事故発生ケーブル1の一端から絶縁不良箇所Fpまでの長さが分かり、簡単に絶縁不良箇所Fpの位置を標定できる。
【0032】
[参考例]
実施例1、2においては、検流計メータ8及び測定辺抵抗9を、事故発生ケーブル1の遮蔽層6の一端と第1の健全ケーブル2の遮蔽層26の一端との間に並列に接続し、また、遮蔽層6の他端と遮蔽層26の他端を短絡線12で接続するとともに、事故発生ケーブル1の導体4の他端を接地してブリッジ回路を形成しているが、従来の導体課電方式において、複数の高圧ガードを設けることによっても、発生し易い沿面漏洩電流の影響を排除できる電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置を構成できる。
【0033】
図4は参考例の導体課電方式による電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置の概念図である。
この電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置は、事故発生ケーブル1の導体4の一端と健全ケーブル2の導体24の一端との間に並列に接続される検流計メータ8及び測定辺抵抗9、一部に可変抵抗を含む測定辺抵抗9の所定の接点又は測定辺抵抗9の按分位置を変化させることが可能な摺動接点10、所定の接点又は摺動接点10と接地点との間に標定用直流電圧Eを印加する標定用直流電圧源11、事故発生ケーブル1の導体4の他端と健全ケーブル2の導体24の他端を接続する短絡線12、並びに事故発生ケーブル1の遮蔽層6と接地点とを接続するアース線33を備え、事故発生ケーブル1における検流計メータ8及び測定辺抵抗9の接続点に対する他端側近傍の周囲に、事故発生ケーブル1の導体4及び遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第1高圧ガード14、事故発生ケーブル1における短絡線12の接続点に対する一端側近傍の周囲に、事故発生ケーブル1の導体4及び遮蔽層6とは絶縁されて配置される導電性の第2高圧ガード15、検流計メータ8及び測定辺抵抗9を配置している基板28を大地から絶縁し支持する絶縁棒29の周囲に、基板28及び大地とは絶縁されて配置される導電性の第7高圧ガード30、健全ケーブル2における検流計メータ8及び測定辺抵抗9の接続点に対する他端側近傍の周囲に、健全ケーブル2の導体24及び遮蔽層26とは絶縁されて配置される導電性の第8高圧ガード31、健全ケーブル2における短絡線12の接続点に対する一端側近傍の周囲に、健全ケーブル2の導体24及び遮蔽層26とは絶縁されて配置される導電性の第9高圧ガード32を配置し、第1高圧ガード14、第2高圧ガード15、第7高圧ガード30、第8高圧ガード31及び第9高圧ガード32を相互接続線で電気的に接続するとともに、これらに標定用直流電圧程度の電圧を印加している。
より具体的には、第1高圧ガード14と第8高圧ガード31、第2高圧ガード15と第9高圧ガード32、第8高圧ガード31と第2の健全ケーブル3の導体34の一端、第9高圧ガード32と導体34の他端、第7高圧ガード30と摺動接点10を、それぞれ相互接続線で電気的に接続することにより、第1高圧ガード14、第2高圧ガード15、第7高圧ガード30、第8高圧ガード31及び第9高圧ガード32に標定用直流電圧Eとほぼ同じ電圧を印加している。
【0034】
参考例の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置によって、絶縁不良箇所の位置を標定するに際しても、実施例1及び2によって標定する場合と同様、測定辺抵抗9の摺動接点10を操作して按分位置を変化させ、検流計メータ8に流れる電流を零に調整する。その時の測定辺抵抗9の摺動接点10より事故発生ケーブル1側の抵抗値又は測定辺抵抗9における按分位置を読み取る。
そして、上記背景技術の項で説明したと同様、l=L×2×Rb/(Ra+Rb)を計算することにより、lすなわち事故発生ケーブル1の一端から絶縁不良箇所Fpまでの長さが分かり、絶縁不良箇所Fpの位置を標定できる。
【0035】
参考例の電力ケーブル高抵抗絶縁不良箇所標定装置によれば、導体課電方式であるにもかかわらず、地絡抵抗が高くかつシース抵抗が低い場合でも高電圧課電による焼成を行うことなく、絶縁不良箇所の位置を標定することができ、その絶縁不良箇所のみを取り替えるだけで済むため、復旧に要するコストを低減することができる。
【0036】
さらに、参考例を実施例2と同様に、ノイズ侵入防止回路20を、測定辺抵抗9と並列に、遮蔽層6の一端と遮蔽層26の一端との間に接続し、検流計メータ8をノイズ侵入防止回路20に接続するとともに、摺動接点10が測定辺抵抗9を按分している位置を検出し、按分比率を演算して表示する比率演算部21及び按分比率表示器22、並びにノイズ侵入防止回路20及び比率演算部21に電力を供給するバッテリー23を備えるようにすれば、より高抵抗の絶縁不良箇所の位置を標定できるようになる。
【0037】
なお、参考例では、第1高圧ガード14、第2高圧ガード15、第7高圧ガード30、第8高圧ガード31及び第9高圧ガード32を設置したが、このうち、第1高圧ガード14、第2高圧ガード15、第8高圧ガード31及び第9高圧ガード32は、標定精度を向上するために特に重要である。
【0038】
実施例1、2及び参考例の変形例を列記する。
(1)実施例1、2及び参考例においては、測定辺抵抗9の按分位置を変化させることが可能な摺動接点10を採用したが、測定辺抵抗を可変抵抗Raと固定抵抗Rbを直列に接続したもの又は固定抵抗Raと可変抵抗Rbを直列に接続したものとし、可変抵抗と固定抵抗との間に標定用直流電圧を印加する接点を設けても良い。
その場合、Ra又はRbが変化し、同時にRa+Rbも変化することとなるが、RaとRbを確定できれば、2×Rb/(Ra+Rb)は計算できるので、lを求めることができることに変わりはない。
(2)実施例1及び2においては、第5高圧ガード18と第2の健全ケーブル3の導体34の一端及び第6高圧ガード19と導体34の他端を、それぞれ相互接続線で電気的に接続したが、第5高圧ガード18と第1の健全ケーブル2の導体24の一端及び第6高圧ガード19と導体24の他端を、それぞれ相互接続線で電気的に接続しても良いし、導体34や導体24を利用せずに直接第5高圧ガード18と第6高圧ガード19を相互接続線で接続しても良い。ただし、この場合は別途健全な高圧ケーブルが必要となるため不利である。
(3)実施例1及び2においては、検流計メータ8及び測定辺抵抗9を、事故発生ケーブル1の遮蔽層6の一端と第1の健全ケーブル2の遮蔽層26の一端との間に並列に接続しているが、第1の健全ケーブル2については遮蔽層26に代えて導体24としても、検出可能な地絡抵抗は低下するものの標定は可能である。
(4)実施例1及び2においては、第5高圧ガード14と摺動接点10を相互接続線で接続し、また、参考例においては、第8高圧ガード31と摺動接点10を相互接続線で接続し、標定用直流電圧源11を流用して標定用直流電圧Eとほぼ同じ電圧を印加したが、標定用直流電圧源11を流用せずに標定用直流電圧程度の電圧を印加できる専用の直流電圧源といずれかの高圧ガードを相互接続線で接続しても良い。
(5)実施例2においては、按分比率を演算して表示する比率演算部21及び按分比率表示器22を採用したが、比率演算部21に亘長を入力できる入力部を追加して、L×2×Rb/(Ra+Rb)を演算して表示する位置演算部及び絶縁不良箇所位置表示器とすれば、作業時の計算間違い等を防止でき、確実に事故発生ケーブル1の一端から絶縁不良箇所Fpまでの長さを標定できる。
【符号の説明】
【0039】
1 事故発生ケーブル 2 第1の健全ケーブル 3 第2の健全ケーブル
4、24、34 導体 5 絶縁体 6、26 遮蔽層
7、27 シース 8 検流計メータ 9 測定辺抵抗 10 摺動接点
11 標定用直流電圧源 12 短絡線 13、33 アース線
14 第1高圧ガード 15 第2高圧ガード 16 第3高圧ガード
17 第4高圧ガード 18 第5高圧ガード 19 第6高圧ガード
20 ノイズ侵入防止回路 21 比率演算部 22 按分比率表示器
23 バッテリー 28 基板 29 絶縁棒 30 第7高圧ガード
31 第8高圧ガード 32 第9高圧ガード
図1
図2
図3
図4
図5
図6