(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸線方向に延びる板状のセンサ素子であり、前記軸線方向に延びると共に、互いに対向する第1の主面及び第2の主面と、前記軸線方向に延びると共に、互いに対向する第1の側面及び第2の側面と、前記第1の主面に配置された第1の電極パッドと、を有するセンサ素子と、
前記第1の電極パッドと接触する板状の第1の接触部を有する第1の端子金具と、を備えるセンサであって、
前記第1の主面と前記第2の主面とは、前記軸線方向と直交する第1方向について互いに対向し、
前記第1の側面と前記第2の側面とは、前記第1方向及び前記軸線方向と直交する第2方向について互いに対向し、
前記軸線方向に直交し、前記第1の電極パッドと前記第1の接触部とが接触する接点を含む断面を見たときに、前記第1の接触部は、前記第1方向及び前記第2方向に交差する方向に沿って配置され、且つ、前記第1の電極パッドのうち、前記センサ素子の中心に対して、前記第1方向外側及び前記第2方向外側に位置する角部と接触している、ことを特徴とするセンサ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施形態:
A−1.センサの構成:
図1は第1実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)200の軸線方向に沿う断面図である。ガスセンサ200は、自動車や各種内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサである。ガスセンサ200は、軸線C1に沿った方向に延びている。ここで、軸線C1に沿った方向を軸線方向D1とし、図中上側をガスセンサ200の後端側D1bとし、図中下側をガスセンサ200の先端側D1aとする。
【0017】
図1において、ガスセンサ200は、排気管に固定されるためのねじ部139が外表面に形成された筒状の主体金具138と、軸線方向D1に延びる板状のセンサ素子10と、センサ素子10の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ106と、センサ素子10の後端部10bの周囲を取り囲む状態で配置されるセラミック製のセパレータ160と、センサ素子10とセパレータ160との間に配置される4個の端子金具21a、21b、21c、21d(
図1では、2個のみを図示)とを備えている。センサ素子10の先端部10aはガス検出部10aとして機能し、アルミナ等の多孔質保護層20で覆われている。
【0018】
主体金具138は、ステンレスから構成され、軸線方向D1に貫通する貫通孔154を有し、貫通孔154の径方向内側に突出する棚部152を有する略筒状形状に構成されている。この貫通孔154には、センサ素子10の先端部10aを自身の先端よりも突出させるようにセンサ素子10が配置されている。さらに、棚部152は、軸線方向D1に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。センサ素子10自身は公知の構成であり、図示しないが酸素イオン透過性の固体電解質体と1対の電極とを有するガス検出部と、ガス検出部を加熱して一定温度に保持するヒータ部とを積層させている。
【0019】
なお、主体金具138の貫通孔154の内部には、センサ素子10の径方向周囲を取り囲む状態で環状形状のアルミナ製のセラミックホルダ151、粉末充填層153、156(以下、滑石リング153、156ともいう)、および上述のセラミックスリーブ106がこの順に先端側D1aから後端側D1bにかけて積層されている。また、セラミックスリーブ106と主体金具138の後端部140との間には、加締めパッキン157が配置されている。セラミックホルダ151と主体金具138の棚部152との間には、滑石リング153やセラミックホルダ151を保持するための金属ホルダ158が配置されている。なお、主体金具138の後端部140は、加締めパッキン157を介してセラミックスリーブ106を先端側D1aに押し付けるように、加締められている。
【0020】
図1に示すように、主体金具138の先端側外周には、複数の孔部を有する金属製(例えば、ステンレス)の外部プロテクタ142および内部プロテクタ143が取り付けられている。外部プロテクタ142および内部プロテクタ143は、センサ素子10の突出部分を覆う。
【0021】
主体金具138の後端側外周には、外筒144が固定されている。また、外筒144の後端側の開口部には、ゴム製のグロメット170が配置されている。グロメット170には、センサ素子10の4個の端子金具21a、21b、21c、21d(
図1では、2個のみを表示)とそれぞれ電気的に接続される4本のリード線146(
図1では2本のみを表示)が挿通されるリード線挿通孔(図示せず)が形成されている。
【0022】
また、主体金具138の後端部140より突出されたセンサ素子10の後端側(
図1における上方)には、絶縁性を有するセパレータ160が配置される。セパレータ160は、セラミックにより形成されている。このセパレータ160は、センサ素子10の後端部10bの主面に形成される合計4個の電極パッド(
図1では2個の電極パッド11a、11dのみを表示)の周囲に配置される。このセパレータ160は、軸線方向D1に貫通する挿通孔168を有する筒状形状に形成されると共に、外表面から径方向外側に突出する鍔部167が備えられている。セパレータ160は、鍔部167が保持部材169を介して外筒144に当接することで、外筒144の内部に保持される。
【0023】
次に、
図2〜
図4を用いてセンサ素子10および電極パッド11の説明を行う。
図2は、センサ素子10の後端部10bを第1の主面14側から見た図である。
図3は、センサ素子10を後端側D1bから見た図である。
図4は、センサ素子10の後端部10bを第1の側面16側から見た図である。
【0024】
図2〜
図4に示すように、センサ素子10は、第1の主面14と、第2の主面15と、第1の側面16と、第2の側面17とを備える。
図2及び
図4に示すように、第1の主面14及び第2の主面15は、軸線方向D1に延びると共に、互いに対向する平面である。
図2〜
図4に示すように、第1の側面16及び第2の側面17は、軸線方向D1に延びると共に、互いに対向する平面である。第1実施形態では、2つの主面14,15は、2つの側面16,17よりも面積が大きい。各面14〜17が外表面を形成することで、センサ素子10は、軸線方向D1と直交する断面が略矩形状の断面を形成する。また、
図3に示すように、各面14〜17が交わる稜線は面取りされて、センサ素子10は面取り部112を有する。なお、センサ素子10は面取りを行うこと無く、軸線方向D1に直交する断面が矩形状の断面を形成しても良い。ここで、軸線方向D1と直交する方向であり、第1の主面14と第2の主面15とが対向する方向を第1方向T1とする。また、軸線方向D1と第1方向T1とにそれぞれ直交する方向を第2方向W1とする。
図3に示すように、センサ素子10を後端側D1b(又は先端側D1a)から見たときに、第1と第2の主面14,15は、第2方向W1に平行であり、第1と第2の側面16,17は、第1方向T1に平行である。
【0025】
図2及び
図3に示すように、第1の主面14には、第1の電極パッド11aと第4の電極パッド11dとが第2方向W1に並んで配置されている。
図3に示すように、第1の電極パッド11aと第4の電極パッド11dとは、センサ素子10の第2方向W1における中心線WCを挟む位置に配置されている。詳細には、第1の電極パッド11aは、第1の主面14のうち第1の側面16側の面取り部112に接触するように配置され、第4の電極パッド11dは、第1の主面14のうち第2の側面17側の面取り部112に接触するように配置されている。
【0026】
図3に示すように、第2の主面15には、第2の電極パッド11bと第3の電極パッド11cとが第2方向W1に並んで配置されている。第2の電極パッド11bと第3の電極パッド11cとは、センサ素子10の第2方向W1における中心線WCを挟む位置に配置されている。詳細には、第2の電極パッド11bは、第2の主面15のうち第1の側面16側の面取り部112に接触するように配置され、第3の電極パッド11cは、第2の主面15のうち第2の側面17側の面取り部112に接触するように配置されている。
【0027】
また、第1の電極パッド11aと第2の電極パッド11bとは互いに対向するように配置され、第3の電極パッド11cと第4の電極パッド11dとは互いに対向するように配置されている。第1の電極パッド11aと第2の電極パッド11bとは、センサ素子10の第2方向W1における中心線WCよりも第2方向W1外側のうち同じ側に偏って設けられている。言い換えれば、第1の電極パッド11aと第2の電極パッド11bとは、中心線WCよりも第1の側面16に近い側に配置されている。また、第3の電極パッド11cと第4の電極パッド11dとは、中心線WCよりも第2方向W1外側のうち同じ側に偏って設けられている。言い換えれば、第3の電極パッド11cと第4の電極パッド11dとは、中心線WCよりも第2の側面17に近い側に配置されている。
【0028】
第1〜第4の電極パッド11a〜11dを区別することなく用いる場合は、「電極パッド11」を用いる。
【0029】
第1と第4の電極パッド11a,11dは、センサ素子10のガス検出部10aと電気的に接続され、ガス検出部10aからの出力信号を出力するために用いられる。第2と第3の電極パッド11b,11cは、センサ素子10のヒータ部と電気的に接続され、ヒータ部に外部からの電力を供給するために用いられる。
図2〜
図4に示すように、電極パッド11は軸線方向D1に長い矩形状であり、所定の厚みを有する。電極パッドは、例えば20μm〜40μmの厚みを有する。電極パッド11は、例えば、Ptを主成分とする焼結体である。
【0030】
図5は、端子金具21の斜視図である。本実施形態では、後述するようにガスセンサ200は4本の端子金具21a、21b、21c,21dを有するが、区別することなく用いる場合は「端子金具21」を用いる。4本の端子金具21a〜21dはいずれも同一形状である。
【0031】
図5に示すように、端子金具21は、本体部210と、接触部220と、圧着部230と、抜け止め部217とを備える。本体部210、接触部220、圧着部230、抜け止め部217はそれぞれ略板状である。本体部210は、軸線方向D1に延びる。接触部220は、本体部210の先端部215から後端側D1bに向かって折り返されている。圧着部230は、本体部210の後端に接続されている。抜け止め部217は、本体部210のうち軸線方向D1の中央部分の両端から接触部220側に延びる。
【0032】
圧着部230は、リード線146(
図1)を挿入して圧着される。これにより、リード線146と端子金具21とが電気的に接続される。接触部220は先端部215を支点とした弾性変形によって変位できる。接触部220がガスセンサ200に組み付けられ、センサ素子10が接触部220に接触した状態では、本体部210に近づく方向に変位している。これにより、接触部220(詳細には接触部220の表面221)は、対応する電極パッド11を押圧した状態で弾性接触する。
【0033】
端子金具21は、例えば、1枚の金属板(例えば、インコネル(登録商標))を打ち抜いた後、圧着部230、接触部220及び抜け止め部217を折り曲げることで製造される。なお、接触部220は、接触部220の表面221に金属製の突起部を有していても良い。この場合、突起部が電極パッド11に接触する。
【0034】
なお、第1の電極パッド11aと接触する接触部220を第1の接触部220aとも呼び、第2の電極パッド11bと接触する接触部220を第2の接触部220bとも呼び、第3の電極パッド11cと接触する接触部220を第3の接触部220cとも呼び、第4の電極パッド11dと接触する接触部220を第4の接触部220dとも呼ぶ。
【0035】
図6は、セパレータ160の斜視図である。
図7は、端子金具21が組み付けられたセパレータ160の斜視図である。
図8は、端子金具21とセンサ素子10とが組み付けられたセパレータ160を先端側D1aから見たときの図である。
【0036】
図6に示すように、セパレータ160の挿通孔168は、第1〜第4の端子収容穴162a〜162dを有する。
図7に示すように、第1〜第4の端子収容穴162a〜162dにはそれぞれ、対応する端子金具21が配置される。ここで、第1〜第4の端子収容穴162〜162dを総称して用いる場合は、「端子収容穴162」を用いる。
図7に示すように、第1の端子金具21aと第2の端子金具21bは対向するように配置され、第3の端子金具21cと第4の端子金具21dとは対向するように配置される。
【0037】
図6に示すように、セパレータ160は、第1の隔壁165aと第2の隔壁165bとを有する。第1の隔壁165aは、第1と第4の端子収容穴162a,162dの間に配置されている。第2の隔壁165bは、第2と第3の端子収容穴162b,162cの間に配置されている。第1と第2の隔壁165a,165bは、セパレータ160の周囲を形成する周囲壁164から内方に突出する。ここで、第1と第2の隔壁165a,165bを総称して用いる場合は、「隔壁165」を用いる。
図7に示すように、隔壁165は、第2方向W1に隣り合う2つの端子金具21の間に位置することで、2つの端子金具21の接触を防止する。端子収容穴162に端子金具21が挿入されると、抜け止め部217が端子収容穴162を区画形成する挿通孔168の内面に当接する(
図1参照)。これにより、端子金具21が挿通孔168から抜け出ることが防止される。
【0038】
図7に示すように、セパレータ160に端子金具21を収容した後に、電極パッド11が接触部220と接触するようにセンサ素子10の後端部10bをセパレータ160の先端側開口から挿通孔168に挿入する。これにより、
図8に示すように、接触部220が本体部210(
図5)に近づくように変位することで、接触部220が電極パッド11に弾性接触する。
図8に示すように、ガスセンサ200を軸線方向D1の先端側D1aから見たときに、接触部220の表面221のうち電極パッド11と接触する部分が、主面14,15に対して所定方向220t,220rに沿うようにセパレータ160内に配置されている。所定方向220tとは、第1方向T1及び第2方向W1に交差する方向である。言い換えれば、接触する接触部220の表面221(突起部が設けられている場合は、突起部が設けられた表面部分)が所定方向220t、220rに沿って延びる。
【0039】
図9は、ガスセンサ200を所定の断面で見たときの図である。所定の断面とは、軸線方向D1と直交し、第1の電極パッド11aと第1の接触部220aとが接触する接点180を含む断面である。
図9を用いて、接触部220と電極パッド11の詳細について説明する。
【0040】
図9に示すように、ガスセンサ200の所定の断面を見たときに、第1の接触部220a及び第3の接触部220cは、第1方向T1及び第2方向W1に交差する方向220tに沿って配置されている。また、ガスセンサ200の所定の断面を見たときに、第2の接触部220b及び第4の接触部220dは、第1方向T1及び第2方向W1に交差する方向220rに沿って配置されている。第1の接触部220aと第4の接触部220dとは、互いの表面221が向かい合うようにして、センサ素子10の第1の主面14に対し傾斜する。また、第2の接触部220bと第3の接触部220cとは、互いの表面221が向かい合うようにして、センサ素子10の第2の主面15に対し傾斜する。
【0041】
接触部220のうち、第2方向W1について最も外側に位置する部分を両端部224,225とする。両端部224,225のうち、センサ素子10の第2方向W1外側を第1端部224とし、センサ素子10の第2方向W1内側を第2端部225とする。第1実施形態の場合、全ての接触部220は、第1端部224よりも第2端部225の方が第1の主面14及び第2の主面15に対して遠くなるように表面221が傾斜している。
【0042】
また、接触部220は、電極パッド11のうち、第1方向T1外側と第2方向W1外側に位置する角部270と接触している。また、電極パッド11は、接触する接触部220に対して両端部224,225の間の範囲RP内に位置している。
【0043】
また、
図9に示すように、ガスセンサ200の所定の断面を見たときに、第1の電極パッド11aと第1の接触部220aとの接点180は、所定方向220tにおける第1の接触部220aの中心220apを通り、且つ、第1の接触部220aの板厚方向Vに延びる中心線21Tよりも、第2方向W1外側に位置する。なお、説明は省略するが、第2の電極パッド11bと第2の接触部220bとの接点180、第3の電極パッド11cと第3の接触部220cとの接点180、及び、第4の電極パッド11dと第4の接触部220dとの接点180についても、同様に中心線よりも、第2方向W1外側に位置する。また、ガスセンサ200の所定の断面を見たときに、第1と第4の接触部220a,220dは、センサ素子10の第1の主面14よりも第1方向T1外側に位置する。また、ガスセンサ200の所定の断面を見たときに、第2と第3の接触部220b,220cは、センサ素子10の第2の主面15よりも第1方向T1外側に位置する。
【0044】
A−2.効果:
図10は、参考例のガスセンサ200pを説明するための図である。
図11は、本実施形態のガスセンサ200を説明するための図である。
図10及び
図11は、ガスセンサ20p,200のセパレータ160p,160,センサ素子10p,10,端子金具21p,21を先端側D1aから見たときの図である。
図10及び
図11を用いて本実施形態のガスセンサ200の効果の一部について説明する。
【0045】
参考例のガスセンサ200pは、従来のガスセンサと同様の構成である。すなわち、接触部220pが傾斜することなく、電極パッド11pが配置されたセンサ素子10pの主面と平行に配置されている。すなわち、接触部220pが電極パッド11pの表面と接触している。ガスセンサ200pは、構成部材(例えば、センサ素子10pや端子金具21p)の寸法のばらつきの発生や、構成部材を組み付ける際に生じ得る位置ズレや、振動等の外力によって、センサ素子10pと端子金具21pとの相対的な位置がズレる場合がある。例えば、端子金具21pやセンサ素子10pが第2方向W1に動いたり、センサ素子10pが矢印RTに示す方向に回転したりする。この場合において、端子金具21pの接触部220pと、電極パッド11pとが非接触状態にならないように、センサ素子10pと端子金具21pとの相対的な位置ズレを考慮して電極パッド11pを配置する必要がある。よって、電極パッド11を第2方向W1に長く配置する必要があり、電極パッド11の使用量が増大する。
【0046】
一方、本実施形態のガスセンサ200は、
図11に示すように、電極パッド11が配置されたセンサ素子10の主面に対して傾斜して接触部220が配置されることで、接触部220が電極パッド11の角部270と接触している。これにより、センサ素子10と端子金具21との相対的な位置ズレが発生しても、接触部220が電極パッド11の角部270と常に接触する。よって、電極パッド11の使用量を低減でき、ガスセンサ200の製造コストを低減できる。また、接触部220が電極パッド11の角部270と接触するため、端子金具21が電極パッド11に加える接圧を向上でき、両部材220,11の接触を良好に維持できる。
【0047】
角部270は、電極パッド11のうち第1方向T1外側と第2方向W1外側に位置する角部である。ここで、電極パッド11を、主面14,15のうち、側面16,17側の端部に配置(第1の実施形態は、側面16,17側に設けられた面取り部112に隣接するように配置)することが好ましい(
図3)。こうすることで、主面14,15上に複数の電極パッド11を第2方向W1に並んで配置する場合でも、センサ素子10の小型化を図りつつ、同一主面14,15上の複数の電極パッド11間の距離を長くできる。
【0048】
また、
図9に示すように、本実施形態のガスセンサ200は、所定の断面を見たときに、電極パッド11が両端部224,225の範囲RP内に位置する。これにより、電極パッド11が範囲RP内に配置されているため、電極パッド11の使用量を更に低減できる。また、
図9に示すように、所定の断面を見たときに、接点180は、中心線21Tよりも第2方向W1外側に位置している。これにより、中心線21Tよりも第2方向W1方向外側に位置する接触部220の長さを短くできることから、センサ素子10を挟んで対向する2つの端子金具21(例えば、第1と第2の端子金具21a,21b)とが接触する可能性を低減できる。
【0049】
また、
図9に示すように、所定の断面を見たときに、接触部220は、接触する電極パッド11が配置されたセンサ素子10の主面14,15よりも第1方向T1外側に位置している。これにより、センサ素子10を挟んで対向する2つの端子金具21(例えば、第1と第2の端子金具21a,21b)との第1方向T1の距離を長くできる。よって、センサ素子10を挟んで対向する2つの端子金具21が接触する可能性を更に低減できる。
【0050】
また、
図8に示すように、接触部220の表面221のうち電極パッド11と接触する部分が、主面14,15に対して所定方向220t,220rに沿うようにセパレータ160内に配置されている。これにより、第2方向W1に隣り合う端子金具21の距離を長くできることから、隔壁165の第2方向W1の長さを大きくできる。よって、第2方向W1に隣り合う端子金具21が接触する可能性を低減できる。
【0051】
B.第2実施形態:
図12は、第2実施形態のガスセンサ200aについて説明するための第1の図である。
図13は、第2実施形態のガスセンサ200aについて説明するための第2の図である。
図14は、第2実施形態のガスセンサ200aについて説明するための第3の図である。ここで、
図12は、センサ素子10Aの後端側D1bを示している。また、
図13は、第1実施形態の
図8に相当する図である。また、
図14は、第1実施形態の
図9に相当する図である。第2実施形態のガスセンサ200aと第1実施形態のガスセンサ200との異なる点は、センサ素子10Aが面取り部112(
図3)を有さない点と、電極パッド11が配置された面と、端子金具21の接触部220の配置位置と、端子金具21の接触部220の配置位置によるセパレータ160aの挿通孔168aの形状である。その他の構成については第1実施形態の同様であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0052】
図12及び
図14に示すように、第1と第4の電極パッド11a,11dは第1の主面14aに配置され、第2と第3の電極パッド11b,11cは第2の主面15aに配置されている。ここで、第1の主面14aが第1実施形態の第1の側面16に相当し、第2の主面15aが第1実施形態の第2の側面17に相当する。また、第1の側面16aが第1実施形態の第1の主面14に相当し、第2の側面17aが第1実施形態の第2の主面15に相当する。すなわち、第2実施形態では、第1〜第4の電極パッド11a〜11dが、センサ素子10Aの軸線方向D1に沿って延びる4つの面14a〜17aのうち、面積が小さい面14a,15aに配置されている。
【0053】
図14に示すように、第1の電極パッド11aと第4の電極パッド11dとは、第1の主面14a上において中心線WCを挟んで第2方向W1に並んで配置され、第2の電極パッド11bと第3の電極パッド11cとは、第2の主面15a上において中心線WCを挟んで第2方向W1に並んで配置されている。また、第1の電極パッ
ド11aは、第1の主面14aのうち第1の側面16a側の側辺に接触するように配置され、第4の電極パッド11dは、第1の主面14aのうち第2の側面17a側の側辺に接触するように配置されている。また、第2の電極パッド11bは、第2の主面15aのうち第1の側面16a側の側辺に接触するように配置され、第3の電極パッド11cは、第2の主面15aのうち第2の側面17a側の側辺に接触するように配置されている。
【0054】
図13に示すように、セパレータ160aの挿通孔168aには、それぞれ、対応する端子金具21が配置される。ここで、
図13に示すように、第1の端子金具21a(具体的には、接触部220a)と第2の端子金具21b(具体的には、接触部220b)は対向するように配置され、第3の端子金具21c(具体的には、接触部220c)と第4の端子金具21d(具体的には、接触部220d)とは対向するように配置される。
【0055】
図14に示すように、所定の断面を見たときに、第1〜第4の接触部220a〜220dは、第1方向T1及び第2方向W1に交差する方向220ta、220raに沿うように配置されている。また、接触部220は、電極パッド11のうち、第1方向T1外側と第2方向W1外側に位置する角部270と接触している。
【0056】
図14に示すように、第1の接触部220aと第4の接触部220dとは、互いの表面221が向かい合うようにして、センサ素子10Aの第1の主面14aに対して傾斜する。また、第2の接触部220bと第3の接触部220cとは、互いに表面221が向かい合うようにして、センサ素子10Aの第2の主面15aに対して傾斜する。
【0057】
接触部220のうち、第2方向W1について最も外側に位置する部分を両端部224,225とする。両端部224,225のうち、センサ素子10の第2方向W1外側を第1端部224とし、センサ素子10の第2方向W1の内側を第2端部225とする。第1実施形態の場合、全ての接触部220は、第1端部224よりも第2端部225の方が第1の主面14a及び第2の主面15aに対して遠くなるように表面221が傾斜している。
【0058】
また、接触部220は、電極パッド11のうち、第1方向T1外側と第2方向W1外側に位置する角部270と接触している。また、電極パッド11は、接触する接触部220に対して両端部224,225の間の範囲RPa内に位置している。
【0059】
また、
図14に示すように、ガスセンサ200aの所定の断面を見たときに、第1の電極パッド11aと第1の接触部220aとの接点180は、所定方向220taにおける第1接触部220aの中心220arを通り、且つ、第1接触部220aの板厚方向Vに延びる中心線21Taよりも、第2方向W1外側に位置する。なお、説明は省略するが、第2の電極パッド11bと第2の接触部220bとの接点180、第3の電極パッド11cと第3の接触部220cとの接点180、及び、第4の電極パッド11dと第4の接触部220dとの接点180についても、同様に中心線よりも、第2方向W1外側に位置する。また、ガスセンサ200の所定の断面を見たときに、第1と第4の接触部220a,220dは、センサ素子10Aの第1の主面14aよりも第1方向T1外側に位置する。また、ガスセンサ200aの所定の断面を見たときに、第2と第3の接触部220b,220cは、センサ素子10Aの第2の主面15aよりも第1方向T1外側に位置する。
【0060】
上記第2実施形態のガスセンサ200aによれば、電極パッドが配置されたセンサ素子10Aの主面に対して傾斜して接触部220が配置されることで、接触部220が電極パッド11の角部270と接触している。これにより、第1実施形態と同様に、センサ素子10Aと端子金具21との相対的な位置ズレが発生しても、接触部220が電極パッド11の角部270と常に接触する。よって、電極パッド11の使用量を低減でき、ガスセンサ200aの製造コストを低減できる。
【0061】
また、
図14に示すように、第2の実施形態のガスセンサ200aは、所定の断面を見たときに、電極パッド11が両端部224,225の範囲RPa内に位置する。これにより、電極パッド11が範囲RPa内に配置されているため、電極パッド11の使用量を更に低減できる。また、
図14に示すように、所定の断面を見たときに、接点180は、中心線21Taよりも第2方向W1外側に位置している。これにより、中心線21Taよりも第2方向W1外側に位置する接触部220の長さを短くできることから、センサ素子10Aを挟んで対向する2つの端子金具21(例えば、第1と第2の端子金具21a,21b)とが接触する可能性を低減できる。
【0062】
また、
図14に示すように、所定の断面を見たときに、接触部220は、接触する電極パッド11が配置されたセンサ素子10Aの主面14a,15aよりも第1方向T1外側外側に位置している。これにより、センサ素子10Aを挟んで対向する2つの端子金具21(例えば、第1と第2の端子金具21a,21b)間の第1方向T1の距離を長くできる。よって、センサ素子10Aを挟んで対向する2つの端子金具21が接触する可能性を更に低減できる。
【0063】
C.変形例:
C−1.第1変形例:
図15は、第1変形例について説明するための図である。
図15は、
図9に相当する断面である。第1変形例のガスセンサ200bと第1実施形態のガスセンサ200との異なる点は、電極パッド11の配置である。その他の構成(例えば、端子金具21やセパレータ160)については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0064】
上記実施形態では、電極パッド11は、センサ素子10,10Aの1つの面上に配置されていたが、
図15に示すように2つの面に跨って配置されていても良い。第1変形例のガスセンサ200bでは、第1の電極パッド11aが第1の主面14と第1の側面16に跨って配置され、第2の電極パッド11bが第2の主面15と第1の側面16に跨って配置され、第3の電極パッド11cが第2の主面15と第2の側面17に跨って配置され、第4の電極パッド11bが第1の主面14と第2の側面17に跨って配置されている。また、ガスセンサ200bは、上記実施形態と同様に、接触部220は、電極パッド11のうち、第1方向T1外側と第2方向W1外側に位置する角部270と接触している。
【0065】
このようにしても上記第1及び第2実施形態と同様に、センサ素子10と端子金具21との相対的な位置ズレが発生しても、接触部220が電極パッド11の角部270と常に接触する。よって、電極パッド11の使用量を低減でき、ガスセンサ200bの製造コストを低減できる。
【0066】
C−2.第2変形例:
上記実施形態では、所定の断面を見たときに、角部270は直角の角度を形成していたが、これに限定されるものではない。例えば、角部270にRが形成されていたり、面取りされていても良い。すなわち、角部270は、概ね直角の角度を形成していれば良い。
【0067】
C−3.第3変形例:
上記実施形態では、第1〜第4の接触部220a〜220dが、対応する電極パッド11a〜11dの角部270と接触していたが、少なくとも第1の接触部220aが第1の電極パッド11aの角部270と接触していれば良い。このようにしても、第1の電極パッド11aについては、電極パッドの使用量を低減できる。
【0068】
C−4.第4変形例:
上記実施形態では、センサ素子10,10Aに4つの電極パッド11a〜11dが配置されていたが、配置される電極パッドの個数は上記に限定されてない。例えば、電極パッドは5つ配置されていても良い。例えば、第1実施形態のガスセンサ200において、5つの電極パッドをセンサ素子10上に配置する場合、3つの電極パッドを第1の主面14上に第2方向W1方向に並んで配置し、2つの電極パッドを第2の主面15上に第2方向W1に並んで配置すれば良い。
【0069】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、省略することが可能である。