【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、通信装置と、前記通信装置に接続され、コンテンツデータが記憶された記憶部を有する記憶装置と、を備える情報処理システムであって、前記通信装置は、前記記憶部にアクセスするためのアクセスコマンドに、前記記憶装置に前記通信装置を認証させるための第1の認証コードを付加することによって、認証コード付きアクセスコマンドを生成し、前記認証コード付きアクセスコマンドを前記記憶装置に送信し、前記記憶装置は、前記通信装置から前記認証コード付きアクセスコマンドを受信し、前記認証コード付きアクセスコマンドに含まれる前記第1の認証コードに基づいて、前記通信装置を認証し、前記通信装置を正当と判定した場合には、前記認証コード付きアクセスコマンドに含まれる前記アクセスコマンドに基づいて、前記記憶部にアクセスすることを特徴とするものである。
【0009】
第1の態様に係る情報処理システムによれば、通信装置は、アクセスコマンドに第1の認証コードを付加することによって認証コード付きアクセスコマンドを生成し、当該認証コード付きアクセスコマンドを記憶装置に送信する。また、記憶装置は、通信装置から認証コード付きアクセスコマンドを受信し、当該認証コード付きアクセスコマンドに含まれる第1の認証コードに基づいて、通信装置を認証する。そして、通信装置を正当と判定した場合には、認証コード付きアクセスコマンドに含まれるアクセスコマンドに基づいて、記憶部にアクセスする。このように、アクセスコマンドに第1の認証コードを付加した認証コード付きアクセスコマンドを用いることによって、記憶装置による通信装置の認証と、記憶部へのアクセスとを、共通の処理として実行することができる。その結果、通信装置が記憶装置にアクセスコマンドを送信する前に、記憶装置が通信装置を認証する処理を別個に実行する必要がなく、認証の処理に伴うオーバーヘッドを低減できるため、コンテンツデータにアクセスするまでの所要時間を短縮することが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記記憶装置は、前記通信装置を正当と判定した場合にはさらに、前記アクセスコマンドに応答して前記通信装置に送信するコンテンツデータに、前記通信装置に前記記憶装置を認証させるための第2の認証コードを付加することによって、認証コード付きコンテンツデータを生成し、前記認証コード付きコンテンツデータを前記通信装置に送信し、前記通信装置は、前記記憶装置から前記認証コード付きコンテンツデータを受信し、前記認証コード付きコンテンツデータに含まれる前記第2の認証コードに基づいて、前記記憶装置を認証することを特徴とするものである。
【0011】
第2の態様に係る情報処理システムによれば、記憶装置は、コンテンツデータに第2の認証コードを付加することによって認証コード付きコンテンツデータを生成し、当該認証コード付きコンテンツデータを通信装置に送信する。そして、通信装置は、記憶装置から認証コード付きコンテンツデータを受信し、当該認証コード付きコンテンツデータに含まれる第2の認証コードに基づいて、記憶装置を認証する。このように、コンテンツデータに第2の認証コードを付加した認証コード付きコンテンツデータを用いることによって、記憶装置から通信装置へのコンテンツデータの送信と、通信装置による記憶装置の認証とを、共通の処理として実行することができる。その結果、記憶装置が通信装置にコンテンツデータを送信する前に、通信装置が記憶装置を認証する処理を別個に実行する必要がなく、認証の処理に伴うオーバーヘッドを低減できるため、コンテンツデータにアクセスするまでの所要時間を短縮することが可能となる。
【0012】
しかも、通信装置から記憶装置への認証コード付きアクセスコマンドの送信と、それに応答する記憶装置から通信装置への認証コード付きコンテンツデータの送信との、一往復の通信によって、通信装置と記憶装置との相互認証を行うことができる。その結果、通信装置及び記憶装置それぞれからの往復通信(合計で二往復の通信)が必要となる一般的なチャレンジアンドレスポンス型の相互認証と比較すると、処理の高速化及び効率化を図ることが可能となる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記通信装置は、ソフトウェア処理によって前記情報処理システムを制御する主制御部と、前記主制御部とは別に実装され、ハードウェア処理によって前記記憶装置を制御する第1の制御回路と、を有し、前記記憶装置は、前記記憶部を制御する第2の制御回路をさらに有し、前記アクセスコマンドの発行は、前記主制御部が実行し、前記認証コード付きアクセスコマンドの生成及び送信と、前記認証コード付きコンテンツデータの受信と、前記第2の認証コードに基づく前記記憶装置の認証とは、前記第1の制御回路が実行し、前記認証コード付きアクセスコマンドの受信と、前記第1の認証コードに基づく前記通信装置の認証と、前記認証コード付きコンテンツデータの生成及び送信とは、前記第2の制御回路が実行することを特徴とするものである。
【0014】
第3の態様に係る情報処理システムによれば、認証コード付きアクセスコマンドの生成及び送信と、認証コード付きコンテンツデータの受信と、第2の認証コードに基づく記憶装置の認証とは、第1の制御回路が実行する。また、認証コード付きアクセスコマンドの受信と、第1の認証コードに基づく通信装置の認証と、認証コード付きコンテンツデータの生成及び送信とは、第2の制御回路が実行する。このように、通信装置と記憶装置との相互認証において、主制御部が実行する処理はアクセスコマンドの発行だけであり、認証コード付きアクセスコマンド及び認証コード付きコンテンツデータの生成や、認証コードに基づく認証等の本質的な処理は、第1の制御回路と第2の制御回路との間で実行される。従って、プログラム解析等によって主制御部の制御を改変するような攻撃を受けた場合であっても、第1の制御回路及び第2の制御回路によるハードウェア処理の内容が解析及び改変されない限り、攻撃者によって相互認証の処理が回避されることはない。その結果、主制御部の制御を改変するような攻撃を受けた場合であっても、記憶装置からコンテンツデータが不正に読み出されることを防止することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第3の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第2の制御回路は、前記通信装置を不正と判定した場合には、前記アクセスコマンドに基づく前記記憶部へのアクセスを行わないことを特徴とするものである。
【0016】
第4の態様に係る情報処理システムによれば、第2の制御回路は、通信装置を不正と判定した場合には、アクセスコマンドに基づく記憶部へのアクセスを行わない。従って、不正な通信装置から記憶装置にリードコマンドが送信された場合等であっても、第2の制御回路は記憶部からのコンテンツデータの読み出しを実行しない。その結果、記憶装置からコンテンツデータが不正に読み出されること等を防止することが可能となる。
【0017】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第4の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第2の制御回路はさらに、前記通信装置を不正と判定した場合には、以後に前記第1の制御回路から送信されるアクセスコマンドを受信しないことを特徴とするものである。
【0018】
第5の態様に係る情報処理システムによれば、第2の制御回路は、通信装置を不正と判定した場合には、以後に第1の制御回路から送信されるアクセスコマンドを受信しない。従って、不正な通信装置から記憶装置にリードコマンドが送信された場合等であっても、第2の制御回路は当該リードコマンドを受信しない。その結果、記憶装置からコンテンツデータが不正に読み出されること等を防止することが可能となる。
【0019】
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第3〜第5のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の制御回路は、前記認証コード付きコンテンツデータに含まれるコンテンツデータを前記主制御部に入力し、前記記憶装置を不正と判定した場合には、前記記憶装置が不正である旨の通知を前記主制御部に入力することを特徴とするものである。
【0020】
第6の態様に係る情報処理システムによれば、第1の制御回路は、記憶装置が正当であるか不正であるかに拘わらず、認証コード付きコンテンツデータに含まれるコンテンツデータを主制御部に入力する。従って、記憶装置を認証する処理の完了を待つことなく、受信したコンテンツデータを早期に主制御部に入力することが可能となる。また、第1の制御回路は、記憶装置を不正と判定した場合には、記憶装置が不正である旨の通知を主制御部に入力する。従って、主制御部は、第1の制御回路から入力されたコンテンツデータを破棄又は無効化する等の処理を実行することが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様に係る情報処理システムは、第3〜第5のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の制御回路は、前記記憶装置を不正と判定した場合には、前記認証コード付きコンテンツデータに含まれるコンテンツデータを前記主制御部に入力しないことを特徴とするものである。
【0022】
第7の態様に係る情報処理システムによれば、第1の制御回路は、記憶装置を不正と判定した場合には、認証コード付きコンテンツデータに含まれるコンテンツデータを主制御部に入力しない。従って、不正な記憶装置から読み出されたコンテンツデータが主制御部に入力されること等を防止することが可能となる。
【0023】
本発明の第8の態様に係る情報処理システムは、第6又は第7の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の制御回路はさらに、前記記憶装置を不正と判定した場合には、前記第1の制御回路と前記第2の制御回路との間での以後の通信を遮断することを特徴とするものである。
【0024】
第8の態様に係る情報処理システムによれば、第1の制御回路は、記憶装置を不正と判定した場合には、第1の制御回路と第2の制御回路との間での以後の通信を遮断する。従って、通信装置から不正な記憶装置にアクセスコマンドが送信されることや、不正な記憶装置から通信装置にコンテンツデータが送信されること等が回避される。その結果、記憶装置からコンテンツデータが不正に読み出されること等を防止することが可能となる。
【0025】
本発明の第9の態様に係る情報処理システムは、第3〜第8のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の制御回路は、第1の数列を生成する第1の数列生成部と、前記第1の数列に基づいて前記第1の認証コードを生成する第1の認証制御部と、を含み、前記第2の制御回路は、前記第1の数列と同一の第2の数列を生成する第2の数列生成部と、前記第2の数列に基づいて前記第2の認証コードを生成する第2の認証制御部と、を含み、前記第2の認証制御部は、前記認証コード付きアクセスコマンドに含まれる前記第1の認証コードと、前記第2の数列に基づいて生成した前記第2の認証コードとが一致するか否かによって、前記通信装置を認証し、前記第1の認証制御部は、前記認証コード付きデータに含まれる前記第2の認証コードと、前記第1の数列に基づいて生成した前記第1の認証コードとが一致するか否かによって、前記記憶装置を認証することを特徴とするものである。
【0026】
第9の態様に係る情報処理システムによれば、第2の認証制御部は、認証コード付きアクセスコマンドに含まれる第1の認証コードと、第2の数列に基づいて生成した第2の認証コードとが一致するか否かによって、通信装置を認証する。通信装置が不正である場合には、認証コード付きアクセスコマンドに含まれる第1の認証コードと、第2の数列に基づいて生成した第2の認証コードとは一致しない。従って、通信装置が不正であることを、確実に検出することが可能となる。また、第1の認証制御部は、認証コード付きコンテンツデータに含まれる第2の認証コードと、第1の数列に基づいて生成した第1の認証コードとが一致するか否かによって、記憶装置を認証する。記憶装置が不正である場合には、認証コード付きコンテンツデータに含まれる第2の認証コードと、第1の数列に基づいて生成した第1の認証コードとは一致しない。従って、記憶装置が不正であることを、確実に検出することが可能となる。
【0027】
本発明の第10の態様に係る情報処理システムは、第9の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の認証制御部は、前記第1の数列を圧縮することにより、前記第1の認証コードを生成し、前記第2の認証制御部は、前記第2の数列を圧縮することにより、前記第2の認証コードを生成することを特徴とするものである。
【0028】
第10の態様に係る情報処理システムによれば、第1の認証制御部は、第1の数列を圧縮することにより第1の認証コードを生成し、第2の認証制御部は、第2の数列を圧縮することにより第2の認証コードを生成する。従って、第1の数列及び第2の数列の各ビット長が許容認証コード長を超える場合であっても、第1の数列及び第2の数列を圧縮することによって、許容認証コード長に収まる第1の認証コード及び第2の認証コードを生成することが可能となる。
【0029】
本発明の第11の態様に係る情報処理システムは、第9又は第10の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の数列生成部及び前記第2の数列生成部は、認証の処理毎に異なる前記第1の数列及び前記第2の数列をそれぞれ生成することを特徴とするものである。
【0030】
第11の態様に係る情報処理システムによれば、第1の数列生成部及び第2の数列生成部は、認証の処理毎に異なる第1の数列及び第2の数列をそれぞれ生成する。その結果、第1の認証コード及び第2の認証コードは認証の処理毎に変更されるため、セキュリティ強度を向上することが可能となる。
【0031】
本発明の第12の態様に係る情報処理システムは、第9〜第11のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の制御回路から前記第2の制御回路に送信される前記認証コード付きアクセスコマンドに含まれる前記第1の認証コードと、当該アクセスコマンドに応答して前記第2の制御回路から前記第1の制御回路に送信される前記認証コード付きコンテンツデータに含まれる前記第2の認証コードとは、互いに異なることを特徴とするものである。
【0032】
第12の態様に係る情報処理システムによれば、第1の制御回路から第2の制御回路に送信される認証コード付きアクセスコマンドに含まれる第1の認証コードと、当該アクセスコマンドに応答して第2の制御回路から第1の制御回路に送信される認証コード付きコンテンツデータに含まれる第2の認証コードとは、互いに異なる。つまり、通信装置が記憶装置に送信する第1の認証コードと、通信装置が記憶装置から受信する第2の認証コードとは、互いに異なる。このように、送信時と受信時とで認証コードを異ならせることにより、セキュリティ強度を向上することが可能となる。
【0033】
本発明の第13の態様に係る情報処理システムは、第12の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第2の認証制御部は、前記通信装置を認証する際に使用した前記第2の数列の次に生成した更新後の第2の数列に基づいて、前記第2の認証コードを生成し、前記第1の認証制御部は、当該第2の認証コードと、前記第1の認証コードを生成する際に使用した前記第1の数列の次に生成された更新後の第1の数列に基づいて生成した更新後の第1の認証コードとが一致するか否かによって、前記記憶装置を認証することを特徴とするものである。
【0034】
第13の態様に係る情報処理システムによれば、第2の認証制御部は、通信装置を認証する際に使用した第2の数列の次に生成した更新後の第2の数列に基づいて、第2の認証コードを生成する。これにより、記憶装置から通信装置に送信する第2の認証コードを、通信装置から記憶装置に送信する第1の認証コードから簡易かつ確実に変更することが可能となる。また、第1の認証制御部は、更新後の第2の数列に基づいて生成した更新後の第2の認証コードと、更新後の第1の数列に基づいて生成した更新後の第1の認証コードとが一致するか否かによって、記憶装置を認証する。記憶装置が正当である場合には、更新後の第2の認証コードは更新後の第1の認証コードに一致しており、一方、記憶装置が不正である場合には、更新後の第2の認証コードは更新後の第1の認証コードに一致していない。従って、更新後の第2の認証コードが更新後の第1の認証コードに一致するか否かを確認することによって、記憶装置が正当であるか不正であるかを簡易かつ確実に判定することが可能となる。