(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のインプラントの製造方法であって、前記ツールは、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、二重骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択される、インプラントの製造方法。
請求項4に記載のインプラントの製造方法であって、前記接合要素は、ピン、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、二重ピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択される、インプラントの製造方法。
請求項4乃至6の何れか一項に記載のインプラントの製造方法であって、前記接合要素の前記材料はPLLA材料又はPLDLA材料から選択される、インプラントの製造方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリマー材料から成るインプラントプレート、骨用ドリル及びソノトロードを有するシステムを提供する。そのシステムは更に、ポリマー材料から成るピンを有し、そのピンは、インプラントプレートを骨と接合するように与えられる。そのピンは、ピン、円錐状ピン、プラグ、スプリングを有するアップフックプラグ、複数の歯を有するプラグ、ねじ、円錐状ねじ、段階的ピン、二重ピン、三角形状又は対称的ピン、又は大きい頭部を有するピンを有する群から選択されることが可能である。ポリマーから成るピンがインプラントと共に融解される場合、インプラント材料は、ポリマーから成るピンの材料と同じである、又は少なくとも類似している必要がある。
【0007】
例示としての実施形態に従って、本発明は、形成された開口を有するプレートを有するシステムを提供する。その開口は、回転非対称である。そのシステムはまた、ドリルを有する。そのドリルは、プレートに隣接する骨において開口及び孔を形成するように設定されている。そのシステムは、開口内に挿入可能なピンを更に有する。ソノトロードがまた、そのシステムに含まれる。ソノトロードは、ピンの少なくとも一部を融解し、それにより、プレートが回転運動しないようにプレートに対して及び骨においてそのピンを取り付けるために、ピンにエネルギーを与えるように設定されている。
【0008】
しかし、本発明の他の実施形態においては、
骨折部分を斜め方向孔材料により固定
される安定的なインプラントが提供される。そのインプラントは、骨に取り付けるように設定されたプレートを有する。プレート及び骨は、第1開口及び第2開口のそれぞれを有する。第1開口及び第2開口は実質的に位置合わせされ、回転非対称形状を有する。第1開口及び第2開口内に挿入されるようになっている形状の、そして受けるエネルギーがピンの少なくとも一部を融解することを可能にするピンが与えられる。融解されたピンの材料は、骨に対して回転しない、
斜め方向孔材料により固定される安定的なインプラントを形成するようにプレート及び骨に対してピンを融解するために第1開口及び第2開口内で凝固することが可能である。
【0009】
本発明はまた、一般に、次の複数のステップ、即ち、皮質骨において少なくとも1つの孔を作るステップと、皮質骨における所望の位置に
斜め方向孔材料によりインプラントを安定的に接続するステップと、インプラントを最終的に位置付けするステップとを有する方法を有する。例示としての実施形態に従って、骨において少なくとも1つの孔を骨又はリード手段において確立し、そのリード手段の助けにより、インプラント
を斜め方向孔材料により安定して固定される、方法において治具が用いられることが可能である。他の例示としての実施形態に従って、マーキングが設定されることが可能であり、そのマーキングは、先ず、骨において少なくとも1つの孔を調整するために、骨に治具又はマトリクスを並べ、次いで、そのマーキングと位置合わせされ、それ故、インプラントを正確に位置付ける役割を果たす。本発明に従った方法の他の例示としての実施形態に従って、インプラント材料が、少なくとも1つの孔内に流れ、また、骨に位置付けられたインプラントを
斜め方向孔材料により安定的に固定するように、インプラント材料に超音波エネルギーを与えることによりそのインプラント材料は液化される。超音波エネルギーによりまた、接合要素は液化されることが可能であり、その接合要素は、インプラントを貫いて且つ骨において形成された孔内に位置付けされ、それ故、一方で、骨において高信頼性を有して確立され、他方で、その後端においてインプラント材料と共に融解される。
【0010】
他の実施形態に従って、本発明はまた、骨折部分の固定方法であって、インプラントが骨に位置付けられ、そのインプラントは、インプラントの上部表面に対して垂直な第1鉛直軸を有する。
第1鉛直軸に対して非平行に第1孔及び第2孔が骨にドリルで孔開けされ、第1孔及び第2孔は、その鉛直軸を伴って、第1アングル及び第2アングルを構成する。インプラントの少なくとも一部は融解され、第1孔及び第2孔内に押し出される。その融解されたインプラント材料は、骨
へインプラント
が斜め方向の第1孔及び第2孔により安定的に取り付けられるように、第1孔及び第2孔内に凝結されるようにされる。
【0011】
他の骨折部分の固定方法においては、骨にプレートを位置付け、そのプレート及び骨に少なくとも1つの開口を形成することが教示される。その開口は回転非対称である。ピンがその開口に挿入され、ピンの少なくとも一部を融解するようにエネルギーがピンに与えられ、それにより、プレートの回転運動が起こらないように、骨内に且つプレートに対してそのピンが取り付けられる。
【0012】
他の骨折部分の固定方法においては、骨上にプレートを位置付け、そのプレートはプレートの厚さを貫いて延びている鉛直軸を有することが教示される。骨内に、その軸を有する第1アングルにおける第1開口及び鉛直軸を有する第2アングルにおいて第2開口が形成される。エネルギーを与えることによりプレートを融解し、凝結時にプレートと骨との間のアングルによる安定的な接続を構成するように第1開口及び第2開口内に融解したプレート材料を流し込む。
【0013】
本発明の目的は、骨にインプラントプレートを固定するシステム及び方法であって、インプラントプレートがアングルによる安定的な様式で骨と接続される、システム及び方法を提供することである。
【0014】
この目的は、同時提出の特許請求の範囲における各々の独立請求項の主題により達成できる。それぞれの従属請求項において更なる実施形態について記載されている。
【0015】
添付図を参照して以下に例示としての本発明の実施形態について詳述する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、皮質骨10上に直接取り付けられたインプラントプレート20を示している。インプラントプレート20は、医療グレードのプラスチック等の材料から、例えば、ポリラクチド材料(PLLA、PLDLA)から成ることが可能である。使用済み材料を使用することが可能である。
図1乃至10の各々は、それらの図の各々に示されている方法においては複数のステップを示す4つのフレームを有する。インプラントプレート20及び皮質骨10は、ドリルで孔開けされた開口11及び12が互いに交差するように、キルシュナーワイヤ40の助けによりドリルにより孔開けされる。ドリルにより孔開けされた開口11及び12は、好適には、インプラントプレート20及び皮質骨10の界面で交差する必要がある。ドリル治具30又は他の適切な案内装置が、交差点がインプラントプレート20及び皮質骨10の界面にあることを保証するように用いられる。
図1のフレームに示しているように、インプラントプレート20は皮質骨10上に位置付けられる。治具30はインプラントプレート20上に位置付けられる。治具30は2つのチャネル31及び32を有し、それらのチャネルを通ってキルシュナーワイヤが、又は代替としてドリルが、開口11及び12をドリルで孔開けするように進められることが可能である。更に、治具30は、ソノトロードを受け入れて案内する貫通孔33を有する。
【0018】
先ず、キルシュナーワイヤ40は、インプラントプレート20及び皮質骨10の両方を貫く第1開口11を形成するように治具30のチャネル31を通して前後に移動される。次に、キルシュナーワイヤ40は、
図1のフレーム2に示されているように、第2開口12がインプラントプレート20及び皮質骨10内に形成されるように、治具30の第2チャネルを通して前後に移動される。それらの2つの開口11及び12は、インプラントプレート20と皮質骨10との間の界面において交差している。
【0019】
図1のフレーム3に示しているように、治具30はインプラントプレート20上に置かれる。次に、貫通孔33内に導かれたソノトロード50により、圧力F及び振動Uが与えられ、それ故、インプラントプレート20のインプラント材料がドリルにより孔開けされた開口11、12の領域内で液化され、そのインプラント材料の一部はそれらの開口内に流れ込む。開口11及び12内を流れる材料により、プレート20は、フレーム4に示すように、皮質骨10に対して固定される。上記のように、皮質骨10に対して固定されたプレート20は、
斜め方向孔材料により安定化され、即ち、プレートは回転することができない。治具30内のチャネル31、32の傾斜は、インプラントプレート20の厚さに依存する。インプラントプレート20は、顎内の歯の根のような骨10内で受け入れられる。本発明のこの例示としての実施形態の変形は、2つの反対方向へのドリルによる孔開けに代えて、互いから90°に位置付けられる4つのドリルによる孔開け/開口を有することが可能である。プレート20の厚さは、要求に応じて、より厚く又は薄くされることが可能である。このように、より多くのポリマーが、皮質骨10における開口11及び12内を流れることが可能である。その目的は、圧力F及び超音波振動Uの効果によりプレート20の十分な融解が起こった後に、十分なプレートの厚さを残すようにすることである。これにより、剪断応力は、後の負荷において回避されることが可能である。
【0020】
図2は、本発明の第2の例示としての実施形態を示している。ここで、インプラントプレート20は、
斜め方向孔材料により安定化するように皮質骨10と接続される。フレーム1は、皮質骨10上に位置付けられるドリル治具30を示している。次いで、
図2のフレーム2に示すように、ねじ孔13がスクリュードリル40により皮質骨10に開けられる。スクリュードリル40が、皮質骨10においてねじ孔13を形成するように治具30における開口35内に挿入されて、その開口により案内される。マーキング15が、その場合、所望の位置において治具30と共にインプラントプレート20を位置付けるように用いられる。次に、ソノトロード50が、スクリュードリル40を用いて孔13を開けるために既に用いられた治具30における開口35と位置合わせされる。
図2におけるフレーム3は、インプラントプレート20の材料を融解して(即ち、液化して)、皮質骨10におけるねじ孔13内に融解した材料を流すように、ソノトロード50を用いることを示している。その融解は、ソノトロード50を介してインプラントプレート20に圧力F及び振動Uを与えることにより行われる。
図2のフレーム4は、
図2に示している方法を用いて皮質骨10に取り付けられたインプラントプレート20を示している。
【0021】
第1の例示としての実施形態と異なり、開口/ホールがインプラントプレート20自体に開けられ、従って、ポリマーが破片になることが回避される。ここでは、皮質骨10のみが、ねじ孔13を備えている。ドリルにより孔開けされる点及びソノトロード50が取り付けられる点は、マーキング15と位置合わせされる治具30により規定される。上記の処理は、2つ以上の孔を形成するために繰り返されることが可能であり、インプラント材料は、その場合、それらの孔内を流れて硬化する。ソノトロード50は、ねじ孔13の領域内でインプラント材料を液化するのに適切である力F及び超音波振動Uによりエネルギーを生成する。ねじ孔13の位置は、ソノトロード50がインプラントプレート20と接するインプラントプレート20における僅かな窪みとして視認可能である。ソノトロードのそれぞれの着弾点においてインプラントプレート20の材料を増強することにより、この窪み25は無効にされる、又は少なくともその窪みの発現は低減される。
【0022】
図3は、本発明に従った方法を示す第3の例示としての実施形態を示している。その第3の実施形態は、予め形成されたインプラントプレート20を用いる。そのインプラントプレート20は、他の例示としての実施形態におけるポリマーから成るピンの機能を十分に果たす幾何学的構成を有する。その第3の例示としての実施形態のインプラントプレート20は、皮質骨10における孔13にスライドさせるように寸法合わせされた凸部22を有する。インプラントプレート20における凸部22の位置は、皮質骨10におけるねじ孔13のかなり正確で一致する位置決めを必要とする。これは、例えば、治具30によりうまく処理されることが可能である。
【0023】
図3のフレーム1に示すように、先ず、治具30が皮質骨10上に位置付けられる。次に、ねじ山付き開口13が、スクリュータップ40を用いて皮質骨10に形成される。治具30におけるホール35が、開口13の形成中にねじタップ40を案内するように用いられる。次に、インプラントプレート20が、凸部22が各々のドリルにより孔開けされたホール(即ち、開口)13内に突き出るように、皮質骨10上に位置付けられる。インプラント材料は、ここで、凸部22内に挿入される尖った先端部により構成されるソノトロード50により液化される。これは、
図3のフレーム2及び3に示すように、融解され、材料皮質骨10における開口13内に形成されたねじ山に適合したインプラント材料をもたらす。この第3の例示としての実施形態においては、インプラントプレート20の凸部22を皮質骨10における開口13内に挿入することにより、破砕の事前安定化を得ることができる。凸部22は、中央の貫通孔23を有する円錐形状に形成されることが可能である、即ち、貫通孔23が、インプラントプレート20を通って且つ凸部22を貫いて長く形成されることが可能である。ソノトロード50の先端はこの孔23内に適合される。その先端は、インプラントプレートにおける開口より径が大きく、皮質骨10におけるねじ山付き開口13内の軸方向ばかりでなく径方向にインプラント材料に対して圧力を与え、それ故、その材料は、皮質骨10におけるねじ山の方に確実に流れる。第3実施形態のインプラントプレート20は、単独の構成要素のみを有するために、かなり安定的なシステムとなっている。
【0024】
以下で説明する例示としての実施形態においては、付加的な接合要素を用いる。接合要素60は、インプラントプレート20を皮質骨10と接続するように用いられる。本発明の第4の例示としての実施形態について、
図4の第4フレームに模式的に示されている。インプラントプレート20において、同時に皮質骨10を貫いて円錐状のねじ山付きホールを作る円錐状のねじタップ40が、
図4のフレーム1に示されている。次に、フレーム2において、孔13内に挿入される円錐状のピン60が示されている。液化されたピン60の材料が、ねじ山付き開口13におけるキャビティに膨ませ、また、インプラントプレート20のインプラント材料と共に液化される。ねじタップ40の貫通深さはそのインプラントプレート20の厚さに依存し、従って、ストップ41により規定される。ねじ山付き開口13は、皮質骨10の構造化のための簡単な可能性を提供し、同時に、高い局所的なエネルギー密度を所定箇所に生成することにより融解処理をサポートする。
【0025】
図5は、本発明の第5の例示としての実施形態の連続的なフレームを示している。第4の例示としての実施形態と同様に、ここでも、ホール(開口ともいう)13が、インプラントプレート20を貫いて及び、同時に、皮質骨10を貫いて、ねじタップ40により孔開けされる。ねじ60がこのホール13内に挿入される。このようにして、インプラントプレート20は、皮質骨10において予め安定化される。皮質骨10へのインプラントの最終的な尖った安定した装着は、ソノトロード50によりねじ60に力F及び超音波振動Uを加えることにより達成される。それにより、ねじ60のねじ山は液化され、その液化された材料の成型物は、皮質骨10のホール13内のねじ山に倣う。更に、ねじ頭部61は、インプラントプレート20の適合面と共に融解される。
【0026】
挿入されたねじ60の材料は、超音波振動U及び力Fを加えることにより液化するために、挿入されたねじのシャフトは、この実施形態の変形においては平坦に作られることが可能である、即ち、ねじ山付きピンのねじ山は任意である。更に、インプラントプレート20及び皮質骨10の処理は、ドリルとタップの組み合わせにより行うことが可能である。前タップ部分43は皮質骨10におけるねじ山付きホール13を形成し、ドリルとタップの組み合わせにおける後続するドリル部分42は、インプラントプレート20において平坦なホールを形成する。融解され、次いでねじ山付きホール13内で硬化されるポリマーから成るピン60の材料は、皮質骨10へのインプラントプレート20の良好な固定を提供する。ピン頭部61又はねじ頭部61と共にインプラントプレート20を溶接することにより、皮質骨10内のインプラントのアングルによる安定的な固定が保証される。
【0027】
本発明の第6の例示としての実施形態が
図6に示されている。第6実施形態を用いて実行されるこの方法は、第5の例示としての実施形態に従った方法と類似している。それらの違いは、ここでは、ねじ山付きホール13の代わりに、貫通孔14が皮質骨10において形成されることである。貫通孔14は、インプラントプレート20と皮質骨10の皮質部分とを貫いてドリルにより孔開けされる。皮質骨10及びインプラントプレート20を調整するための簡単な手順は、この解決方法の主な有利点を表している。平坦な貫通孔14を作るこの簡単な手順は、
図6のフレーム1に示すようにドリル40を用いて実行される。次に、外科医が、貫通孔14内にポリマーから成るピン60を挿入し、ソノトロード50により押圧する。ポリマーから成るピン60の直径は、皮質骨10の貫通孔14の直径より僅かに大きい。その直径の差は、理想的には、約0.1乃至0.2mmである。
【0028】
ソノトロード50を介する超音波エネルギーの適用により、ピン60が皮質骨10と接するようになる場合に、ピン60の材料が融解される。融解された材料は、貫通孔を貫いて且つ皮質骨10の皮質部分の下方へのピン60の移動により運ばれる。その融解された材料は、そこで再び硬化し、皮質骨10の皮質部分の下方で大きくなった部分62を与え、その結果、高信頼性を有する固定が得られる。ポリマーから成るピン60はまた、インプラントプレート20の開口及びポリマーから成るピン60の頭部61が円錐状であり、締まり嵌めを形成し、超音波エネルギーの作用により共に溶接される。
【0029】
本発明の第7の例示としての実施形態が
図7に示されている。第7実施形態においては、上記実施形態におけるポリマーから成るピン又はねじに代えて、プラグ60が用いられる。
図7のフレーム1に示すように、貫通孔14が、インプラントプレート20及び皮質骨10に対して同時に形成される。ドリル40が貫通孔14を形成するように用いられる。プラグ60が、
図7のフレーム2に示すように、貫通孔14に挿入される。最初は、プラグ60の先端に形成されたラッチ63が、プラグのシャフト64に対して押圧される。その先端が皮質骨10の皮質部分を貫通するとすぐ、ラッチ63がシャフト64から広がり、皮質骨10においてプラグを固定する。
【0030】
図7のフレーム3に示すように、プラグ60の後端は、その場合、ソノトロード50を介して超音波エネルギーの影響下に置かれることにより液化され、それにより、インプラント材料にそのプラグの後端を溶接するが可能である。その結果、インプラントプレート20の皮質骨10の皮質部分とのスナップによる接続が得られる。ポリマーのプラグ60が、溶接処理中に押圧されないように、従って皮質骨10においてゆるくならないように、プラグに一体化されたコード(図示せず)が備えられることが可能である。コードを用いる場合、プラグ60は、溶接処理中にソノトロード50の方に引き寄せられることが可能である。このように、プラグ60は、弾力性のあるラッチがプラグ60の先端で皮質骨10の皮質部分に対して張力を維持するように、用いられることが可能である。
【0031】
図8は、本発明の第8の例示としての実施形態を示している。第8の例示としての実施形態においては、プラグ60は、皮質骨10上にインプラントプレート20を固定するために用いられる。この場合、プラグ60は、プラグ60のシャフト部分の表面上に歯65を有する。プラグ60のシャフトは、そのシャフトが径方向に押圧されるように長手方向のスリットを有する。これは、プラグ60が、非圧縮状態においてはプラグ60のシャフトの直径より直径が小さい貫通孔14を貫いて押圧されるようにする。
【0032】
理想的には、円錐状骨用ドリルによりインプラントプレート20及び皮質骨10の両方に貫通孔が孔開けされる。そのドリル40におけるストップ41は、貫通孔14の深さを制限し、貫通孔が皮質骨10において深過ぎるように形成されないようにする。インプラントプレート20は、貫通孔14に対してプラグ60を深く挿入することにより皮質骨10に固定される。プラグ60の頭部に隣接して位置付けられる歯65は、皮質骨10の内側に隣接するフックの役割を果たす。他方、シャフトに沿って形成された歯が、ドリルによる孔開け14においては皮質骨内に引っ掛かる。貫通孔14の円錐形状は、貫通孔14内にプラグを固定するようにする。プラグ60の固定のための、適切に適合する歯65又はラメラ構造の幾何学的形状は、ソノトロード50がインプラントプレート20と共に溶接されるようにプラグ60に押圧されるときに生じる可能性がある作用を低減することが可能である。
【0033】
図9は、本発明の第9の例示としての実施形態を模式的に示している。この実施形態の1つの特徴は、皮質骨10において形成された三角形状の孔16である。回転対称性のない且つその三角形状の孔16より大きい孔がインプラントプレート20において形成される。代替として、何れかの他の形状にある非回転対称性の孔が、インプラントプレート20及び皮質孔10において形成されることが可能である。非回転対称性孔(又は、代替として、回転可能な非対称性孔)は、相補的な形状のピンがピンとその孔の形状及び適合する大きさにより回転可能でないという孔である。回転可能な非対称性孔の例は、長円形状孔又は三角形状孔である。適合するピンは、長円形又は三角形のそれぞれであり、その孔における締まり嵌めであるようにサイズ決めされる。それらの孔は、例えば、
図9のフレーム1に示すように、一方側が研磨されたドリル40により形成される。当業者が利用可能である他の既知の方法を、それらの孔を作るために用いることも可能である。ポリマーから成るピン60は、その場合、孔16の断面に対して類似する断面を伴って、孔16に入れられる。ポリマーから成るピン60は、ピン60の中央部分において長手方向に延びているねじ山付き孔66を有する。ソノトロード50の適切に形成された先端はねじ山付き孔6に接続される。ポリマーから成るピン60は、それ以上ねじ込まれないように、ソノトロードの先端に完全にねじ込まれる。
【0034】
更に、ピン60の長さは、ピン60が皮質骨の層を越えるようにその皮質骨10内に突き出るようになっている。この位置において、ソノトロード50からの超音波振動Uと共にトルクが与えられ、ソノトロードのアセンブリ及びポリマーから成るピンは約60°だけ回転される。ここでは、ソノトロード及びドリルによるツールの組み合わせが想定されている。
【0035】
最終的には、ピン60は、皮質骨10の皮質骨層内の領域で融解する。しかしながら、ポリマーから成るピンは、両端で皮質骨10の皮質層を越えて延びるピン60の領域における回転に対してかなり小さい抵抗しか受けない。ピン60の先端は、皮質骨層の隣に位置付けられた皮質骨のより軟らかい部分にあるため、ソノトロード50及びピン60のアセンブリの回転は、より軟らかい骨において位置付けられ、
図9のフレームにおいてみられるピン部分の移動(dislocation)をもたらす。同様に、インプラントプレート20において位置付けられたピン60の部分はまた、皮質骨10の皮質部分に隣接するピン60の部分に関して移動される(dislocated)。このように、ポリマーから成るピン60は、皮質骨層の下からインプラントプレート20における上端まで係止される。従って、ピン60は、皮質骨10から離れないようにされる。ポリマーから成るピン60の更なる固定は、インプラントプレート20の材料と共にピン60を融解することにより達成される。その結果、インプラントプレート20のアングルによる安定的な接続が得られる。
【0036】
図9のフレーム1は、孔16がインプラントプレート20及び皮質骨10において形成される方法のステップを示している。詳細
図Aには、孔16の断面を示されている。ストップまでの全部に亘ってソノトロードの先端に対してねじ孔が開けられ、孔16に入れられるポリマーから成るピン60が、
図9のフレーム2に示されている。詳細
図Bには、挿入されたポリマーから成るピン60を有する孔16の断面を示されている。
図9のフレーム3は、トルクMがソノトロード50により与えられた後のポリマーから成るピン60の状態を示している。中央領域に対するピン60の本体の先端領域の歪みが、インプラントプレート20の領域に及び皮質骨10の皮質部分の下でみられる。詳細
図Cには、孔16に対して60°だけねじられたポリマーから成るピン60の先端についての下方からの平面図が示されている。
図9のフレーム4は、インプラントプレート20と共に溶接されたポリマーから成るピン60の最終的な位置を示している。
【0037】
図10は、本発明の第10の例示としての実施形態を示している。上記の実施形態とは対照的に、第10実施形態の開口13は、対として形成される。
図10は、1:1の変換関係を有する1レベルのギア伝達により反対に同期された2つの並列のドリルを有する手段40を示している。インプラントプレート20及び皮質骨10を貫く開口13を同時に作るようにドリルが用いられる。それらのドリルは、ストップ41がインプラントプレート20に接して、ドリルが更に進まないようになるまで、皮質骨10内に挿入される。開口13はねじ山形成されることが可能である。次に、ブリッジ68により結合された2つの円筒形アーム67を有するピン60が開口13に挿入される。アーム67は、開口13への挿入のためにサイズ合わせされる。次に、ソノトロード50が、ポリマーから成るピン60と接するように進められる。
【0038】
ソノトロード50は、
図10のフレーム3に示されているように、ポリマーから成るピン60に対して力F及び超音波振動Uを与える。超音波エネルギーは、ブラケット60の材料を融解し、その融解された材料は、皮質骨10において形成されたねじ山付き孔13内に流れ込む。そのピンはまた、ピン60とインプラントプレート20との間の界面において融解する。インプラントプレート20と共にピン60を融解することにより、皮質骨10における2重の固定により安定したシステムが形成される。融解処理を促進するように、スパイク69がブリッジ68に備えられている。そのスパイクは、高エネルギー密度をもたらし、それにより、融解を促進する。
【0039】
本発明に従った方法及びシステムは骨折部分の安定化を可能にし、インプラントプレートが皮質骨上に取り付けられる。インプラントプレートは、アングルにより安定的に、即ち、インプラントプレート20は、装着箇所の周囲を回転しないように装着される。本発明のシステム及び方法を用いる骨折部分の安定化が、侵襲性が最小である技術の使用と組み合わせて実行されることが可能である。比較的小さい操作損傷、少ない血液損失及び骨粗鬆症の骨における高信頼性の固定が、皮質骨上のインプラントプレートのアングルによる安定的な固定により達成できる。インプラントは、骨粗鬆症の骨における骨折部分の治癒が完了するまで、複雑な破壊の場合に遭遇する好ましくない条件にも拘わらず、保持力を保つ。インプラント、接合要素及び皮質骨間の確固たるアングルによる安定的な接続は、かなり高い一次安定性及びより低いレートの弛緩に寄与する。
【0040】
一実施形態に記載されている本発明のシステム及び方法の種々の特徴はまた、明白に記載されていないシステム及び方法の他の実施形態と組み合わせて用いられることが可能であることに留意する必要がある。皮質骨は、骨折の状態及びインプラントプレートの大きさに依存して1つ、2つ、3つ又はそれ以上の孔を備えることが可能である。インプラントプレートの位置決めを制御するマークの使用、並びに/若しくはインプラントプレート上における又は皮質骨上における直接の治具の使用は、上記の例示としての実施形態の各々に主に組み込まれることが可能である。更に、インプラントプレート及び皮質骨におけるドリルによる孔開けの様式(又は、形状)、並びにその様式と連携されるインプラントプレート自体の又はポリマーから成るピンの様式(又は、形状)の変形は、上記の例示としての実施形態の各々において自由に選んで(想定して)よい。ボア(又は、ホール又は開口又はドリルにより形成された孔)は、それ故、ポリマーから成るピンの形式(又は、形状)は、円錐状、段付き、直線的、ねじ山付き、平坦、又はそれらの組み合わせであることが可能である。各々の実施形態におけるインプラントプレート及びピンの材料は再吸収性であることが可能である。更に、その材料は、ポリラクチド材料系、例えば、PLLA又はPLDLAから選択されることが可能である。
【0041】
以下に、本発明の例示としての実施形態について記載する。
【0042】
本発明の第1実施形態に従ったシステムは、骨にインプラントをアングルにより安定的に固定するためのものであり、骨に少なくとも1つの孔を作るツールと、ソノトロードと、所望の場所で及び/又はソノトロードと共に用いるように少なくとも1つの孔を作るツールのための治具と、骨にインプラントをアングルにより安定的に固定するように、ソノトロードにより流動化可能である材料を有するインプラントと、を有する。
【0043】
第1実施形態に従ったシステムは、インプラントを皮質と接合する接合要素を更に有し、接合要素は、ソノトロードにより流動化される材料を有することが可能である。更に、接合要素は、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、二重ピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択されることが可能である。更に、接合要素の材料はPLLA材料又はPLDLA材料から選択されることが可能である。
【0044】
第1実施形態に従ったシステムを用いる第1方法は、骨にインプラントをアングルにより安定的に固定するためのものであり、骨に少なくとも1つの孔を作るステップと、骨に少なくとも1つの孔を作るように治具を用いるステップと、骨における所望の場所にインプラントプレートを位置付けるステップと、インプラントプレートを骨とアングルにより安定的に接合するステップと、を有する。
【0045】
第1方法は、インプラントプレートを骨とアングルにより安定的に接合するためのリード手段を導く治具を用いるステップであって、インプラントプレートを骨とアングルにより安定的に接合するための手段はソノトロードである、ステップを更に有することが可能である。
【0046】
第1方法は、骨においてインプラントプレートの所望の位置を規定するようにマークを設定するステップを更に有することが可能である。
【0047】
第1方法は、インプラントプレートを骨と接合するように、インプラントプレートの材料を骨における少なくとも1つの孔に流し込むように、インプラントプレートの材料を流動化させるステップであって、インプラントプレートの材料はソノトロードにより流動化されることが可能である、ステップを更に有することが可能である。
【0048】
第1方法は、インプラントプレートを骨と接合するように、インプラントプレートを貫いて且つ骨における少なくとも1つの孔内に接合要素を挿入するステップであって、インプラントプレート及び接合要素は共に融解することが可能であり、インプラントプレート及び接合要素はソノトロードにより共に融解されることが可能である、ステップを更に有することが可能である。
【0049】
第1方法は、インプラントプレートにおける少なくとも1つの貫通孔を骨における少なくとも1つの孔と同時に作るステップを更に有することが可能である。
【0050】
骨折部分の固定についての、本発明の第1実施形態に従ったシステムを用いる第2方法は、骨上にインプラントを位置付けるステップであって、そのインプラントは、インプラントの上部面に対して垂直な第1鉛直方向軸を有する、ステップと、骨に第1孔及び第2孔をドリルで孔開けするステップであって、第1孔及び第2孔は、その鉛直方向軸を伴って第1アングル及び第2アングルのそれぞれを構成する、ステップと、インプラントの少なくとも一部を融解するステップと、第1孔及び第2孔内に融解されたインプラント材料を押し込むステップと、骨にインプラントをアングルにより安定的に取り付けるように第1孔及び第2孔内で融解されたインプラント材料が凝結するようにするステップと、を有する方法であり、融解するステップは、超音波エネルギー及び熱エネルギーを有する群から選択されたエネルギーを与えることにより行われることが可能であり、押し込むステップは、そのエネルギーを与える装置により及ぼされる力により達成されることが可能である、方法である。
【0051】
骨折部分を固定する、骨にプレートを位置付けるステップを本発明の第1実施形態に従ったシステムを用いる第3方法は、骨にプレートを位置付けるステップと、骨にねじ山付き開口を形成するステップと、凝結時にプレートと骨との間のアングルによる安定的な接続を形成するように第1開口及び第2開口内にエネルギーを与えて、プレートの融解された材料を流し込むことにより、プレートを融解するステップと、を有する方法であり、第1開口及び第2開口は、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル及び段付き骨用ドリルを有する群から選択されたドリルを用いて形成されることが可能であり、融解するステップは、超音波エネルギー及び熱エネルギーを有する群から選択されたエネルギーを与えることにより行われ、流し込むことは、そのエネルギーを加える装置により及ぼされる力により達成されることが可能である、方法である。
【0052】
本発明の第2実施形態に従ったシステムは、骨折部分を固定するためのものであり、プレートであって、そのプレートは開口を有し、その開口は骨における孔と位置合わせするように設定され、その開口は回転非対称である、プレートと、ドリルであって、そのドリルはプレートに隣接する骨における開口及び孔を形成するように設定されている、ドリルと、治具であって、その治具はドリルを案内するように設定され、ピンが開口及び孔に挿入可能である、治具と、ソノトロードであって、そのソノトロードはピンの少なくとも一部を融解するように、ピンにエネルギーを与え、それにより、プレートの回転運動が生じないように骨内に且つプレートに対してピンを取り付けるように設定されている、ソノトロードと、を有するシステムである。
【0053】
第2実施形態に従ったシステムのピンは、その長手方向の軸に沿ってボアを有することが可能であり、そのボアはねじ山が付けられ、ソノトロードのねじ山付き先端を受け入れるように設定されている。ピンは、頭部及び本体部を有し、本体部の少なくとも一部は円錐状であり、本体部の少なくとも第2部分は円筒状であることが可能である。ピンは、頭部及び本体部を有し、本体部の少なくとも一部は突き出ていることが可能である。ピンの本体部において、スロットが形成されることが可能である。
【0054】
本発明の第2実施形態に従ったシステムを用いる方法は、骨折部分を固定するためのものであり、骨にプレートを位置付けるステップと、開口を形成するようにドリルを案内するようにプレートに治具を位置付けるステップと、プレートに治具を位置付けるように骨にマーク付けするステップと、プレート及び骨に少なくとも1つの開口を形成するステップであって、開口は回転非対称である、ステップと、ピンの少なくとも一部を融解するようにピンにエネルギーを与え、それにより、プレートの回転運動が生じないように骨内に且つプレートに対してピンを取り付ける、ステップと、を有する方法である。
【0055】
開口は、骨用ドリル、円錐状骨用ドリル、ねじ山付き骨用ドリル、円錐状ねじ山付き骨用ドリル、二重骨用ドリル、段付き骨用ドリル、三角形断面を有する骨用ドリル、非対称断面を有する骨用ドリル及びキルシュナーワイヤを有する群から選択されるドリルを用いて形成されることが可能である。
【0056】
エネルギーは、超音波エネルギー又は熱エネルギーの形で与えられることが可能である。
【0057】
ピンは、円錐状ピン、ドエル、スナップフィットドエル、複数歯ドエル、ねじ、円錐状ねじ、二重ピン、段付きピン、三角ピン、非対称ピン及び大きい頭部を有するピンを有する群から選択されることが可能である。
【0058】
更に、ピン及び開口の形状は相補的であり、ピンは開口における締まり嵌めであるようにサイズ合わせされることが可能である。
【0059】
本発明の第3実施形態に従って、骨折部分の固定のためのアングルによる安定的なインプラントは、骨に取り付けるように設定されたプレートであって、そのプレート及び骨は第1開口及び第2開口のそれぞれを有し、第1開口及び第2開口は実質的に位置合わせされ、回転非対称形状を有する、プレートと、第1開口及び第2開口内に挿入されるように形作られたピンであって、そのピンの少なくとも一部を融解するエネルギーを受け入れることが可能である、ピンと、を有し、ピンの融解された材料は、骨に対して回転できないアングルによる安定的なインプラントを形成するように骨及びプレートに対してピンを溶接するように第1開口及び第2開口内で凝結することが可能である。
【0060】
本発明の第1、第2及び第3実施形態に従って、インプラント又はプレート及び接合要素又はピンは、PLLA又はPLDLAのそれぞれから選択された材料から成ることが可能である。
【0061】
本発明については、上記の点で、特定の実施形態を参照して説明しているが、それらの実施形態は、本発明の原理及びアプリケーションを単に例示するものであることが理解される必要がある。従って、例示としての実施形態に対して多くの修正が行われることが可能であり、そして同時提出の特許請求の範囲に記載している本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、他の構成が考え出されることが可能であることが理解される必要がある。