特許第6069198号(P6069198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069198
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】N末端が修飾されたFGF21化合物
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/50 20060101AFI20170123BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170123BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   C07K14/50ZNA
   A61K37/24
   A61P3/10
   A61P3/06
   A61P3/04
   A61P9/00
   A61P1/16
   A61P43/00 123
   C12N15/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】77
(21)【出願番号】特願2013-520107(P2013-520107)
(86)(22)【出願日】2011年7月18日
(65)【公表番号】特表2013-532644(P2013-532644A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2011062238
(87)【国際公開番号】WO2012010553
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】61/374,072
(32)【優先日】2010年8月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2010/001087
(32)【優先日】2010年7月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ティナ・ミュラー・タグモーセ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ウィリアム・ガリバイ
(72)【発明者】
【氏名】シュジア・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング・トゥーヤスン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・クレステン・ニルセン
(72)【発明者】
【氏名】ビアギッテ・アンデルセン
(72)【発明者】
【氏名】ジシュ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・サス・バク−イェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ヘレ・ファブリチウス・ヴェルディケ
【審査官】 坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−515747(JP,A)
【文献】 特表2008−518601(JP,A)
【文献】 特表2010−523084(JP,A)
【文献】 特表2007−505840(JP,A)
【文献】 特表2007−537981(JP,A)
【文献】 特表2008−507477(JP,A)
【文献】 特表2007−535306(JP,A)
【文献】 特表2008−506635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 14/50
A61K 38/22
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式A-B-C-D-の1つまたは2つの修飾基が、配列番号1に対して少なくとも90%の同一性を有するFGF21化合物のN末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合している、FGF21化合物の誘導体[式中、
A-は、式I、IIまたはIII:
【化1】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
であり;
-B-は、-B2-であり、ここで、-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【化2】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-への結合点であり、#はA-への結合点である)、
【化3】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-への結合点であり、#はA-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-への結合点であり、#はA-への結合点である)
であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の組み合わせであり;
-C-は、式XIまたはXII:
【化4】
(式中、pは1、2、3、4、5または6であり、qは1、2、3、4、5または6であり、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【化5】
(式中、kは1、2、3、4、5、11または23であり、mは1、2、3、4、5または6であり、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
であり;
-D-は、式XIVまたはXV:
【化6】
(式中、sは0〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
であるか、これらのうちの2つである]
またはそれらの製薬上許容可能な塩。
【請求項2】
次式(1)〜(3):
【化7】
から選択される式A-B-C-D-の修飾基が共有結合している、請求項1に記載の誘導体、またはそれらの製薬上許容可能な塩。
【請求項3】
1つだけの修飾基がFGF21化合物中のN末端アミノ酸のαアミノ基に結合している、請求項1に記載の誘導体。
【請求項4】
2つの修飾基がFGF21化合物中のN末端アミノ酸のαアミノ基に結合している、請求項1に記載の誘導体。
【請求項5】
N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21;
N-alpha-ビス-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21;
N-alpha-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[K56R、K59R、K69R、D102T、D121Q、K122R、L166F、S167G、M168L、G170T] Ala-FGF21;または
N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21のいずれか1つである、請求項1から4のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項6】
FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項7】
FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、K56R、K59R、K69R、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、K122R、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項8】
FGF21化合物が146位でプロリンを有し、ここで、前記位置番号は配列番号1を参照する、請求項1から7のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の誘導体と、製薬上許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項10】
糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の治療または予防のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維芽細胞増殖因子21(FGF21)、さらに詳しくは、式A-B-C-D-の修飾基が共有結合しているFGF21化合物の誘導体に関する。また本発明は、新規なFGF21類似体、ならびに、特に糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療または予防するためのこれらのFGF21誘導体および類似体の製薬学的使用に関する。
【0002】
本発明の誘導体は、例えば、より長期間にわたる低血糖値の維持能力、FGF21の生体内(in vivo)半減期の増強能力を持続させ、かつ/またはFGF21のクリアランスを低下させる。
【背景技術】
【0003】
繊維芽細胞増殖因子は、成長中の組織および成体組織で発現されるポリペプチドである。これらは、例えば、代謝調節および細胞分化をはじめとする、様々な生理学的機序に関与している。20を超える繊維芽細胞増殖因子の全ファミリーが存在する(FGFファミリー)。FGF19、FGF21およびFGF23を含むFGFファミリーの3つのメンバーは、代謝調節に関与する内分泌腺因子として機能しているサブファミリーを形成する。
【0004】
繊維芽細胞増殖因子21またはFGF-21(本明細書では略してFGF21)は、肝臓で優先的に発現され、ホルモン様の代謝効果を及ぼすことが明らかになっている。
【0005】
例えば、FGF21は、マウス脂肪細胞でグルコース取込みを活性化すること、トランスジェニックマウスで過剰発現される場合に食餌誘導肥満からマウスを保護すること、ならびに糖尿病性げっ歯類に投与した場合に血糖値およびトリグリセリド値を低下させることが証明されている(Kharitonenkovら、J. Clin. Invest. (2005)、115:1627〜1635頁)。
【0006】
また、血糖およびトリグリセリドに対するFGF21の低下作用は、糖尿病のサルでも明らかにされている。FGF21は、また、糖尿病のサルにおいて有意にLDLを低下させること、またHDLを増加させることも可能であった(Kharitonenkovら、Endocrinology (2007)、148(2):774〜81頁)。
【0007】
食餌誘導肥満マウスおよびob/obマウスにおいて、FGF21は、さらに、主としてエネルギー消費の増加と脂肪過多の低減によって体重を減少させることが判明した(Coskunら、Endocrinology (2008)、149(12): 6018〜6027頁)。
【0008】
これらの結果に基づき、FGF21は、糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患およびメタボリック症候群を治療する可能性を有する薬剤として示唆された。メタボリック症候群には、インシュリン抵抗性、異脂肪血症、内臓肥満および高血圧症などの態様が含まれる。例えば、Grundyら、Circulation (2004)、(109): 433〜438頁のメタボリック症候群の定義を参照されたい。
【0009】
さらにFGF21は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療し得る薬剤として使用することができる。上記引用のCoskunら、Endocrinology、2008年、およびXuら、Diabetes (2009、58(1):250〜9頁)を参照されたい。NAFLDは、Erickson、J. Lipid Res. (2009、50 (April supplement)、S412-16)によって定義されている。
【0010】
Yieらは、受容体相互作用および活性化におけるFGF21のN末端およびC末端の役割を研究した。FEBS Letters、583 (2009)、19〜24頁を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開2001012628 A1号
【特許文献2】国際公開第2003/011213号
【特許文献3】国際公開第2006/065582号
【特許文献4】国際公開第2006/050247号
【特許文献5】国際公開第2003/061712号
【特許文献6】国際公開第2005/091944号
【特許文献7】国際公開第2006/028595号
【特許文献8】国際公開第2006/028714号
【特許文献9】国際公開第2008/121563号
【特許文献10】国際公開第2009/083549号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Kharitonenkovら、J. Clin. Invest. (2005)、115:1627〜1635頁
【非特許文献2】Kharitonenkovら、Endocrinology (2007)、148(2):774〜81頁
【非特許文献3】Coskunら、Endocrinology (2008)、149(12): 6018〜6027頁
【非特許文献4】Grundyら、Circulation (2004)、(109): 433〜438頁
【非特許文献5】Xuら、Diabetes (2009、58(1):250〜9頁)
【非特許文献6】Erickson、J. Lipid Res. (2009、50 (April supplement)、412〜16頁)
【非特許文献7】Yieら、FEBS Letters、583 (2009)、19〜24頁
【非特許文献8】Needleman, S. B. and Wunsch, C. D. (1970) J. Mol. Biol. 48, 443〜453頁
【非特許文献9】MyersおよびW. Miller in Optimal Alignments in Linear Space」 CABIOS (computer applications in the biosciences) (1988) 4:11〜17頁
【非特許文献10】W. R. PearsonおよびD. J. Lipman (1988)、「Improved Tools for Biological Sequence Analysis」、PNAS 85:2444〜2448頁
【非特許文献11】W. R. Pearson (1990) 「Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA」、Methods in Enzymology 183:63〜98頁
【非特許文献12】Nishimuraら、Biochim. Biophys. Acta 1492(1):203〜206頁 (2000)
【非特許文献13】Springer Advanced Texts in Chemistry Scopes、Robert K. 第3版、1994年
【非特許文献14】Yie, J.ら: FGF21 N- and C-termini play different roles in receptor interaction and activation、FEBS Letters 583 (2009) 19〜24頁
【非特許文献15】Micanovic R.ら: Different roles of N- and C- termini in the functional activity of FGF21. J. Cell. Physiol. 2009年5月; 219(2):227〜34頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
簡潔に言えば、本発明は下記の請求項1で定義されている通りである。
【0014】
本発明は、式A-B-C-D-(式中、成分Aは脂肪酸またはその誘導体である)を有する1つまたは2つの修飾基がFGF21化合物に共有結合しているFGF21化合物の誘導体に関する。また本発明は、特に糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療するための医薬組成物における本発明の誘導体の使用に関する。
【0015】
本発明の誘導体は、例えば、より長期間にわたる低血糖値の維持能力、FGF21の生体内半減期の増強能力を持続させ、かつ/またはFGF21のクリアランスを低下させる。この持続型(protracted)FGF21誘導体は十分な生物活性を維持し、しかもさほど頻繁に投与しなくてもよい。本誘導体は、好ましくは、さらに改善された酸化安定性を有する。
【0016】
定義
本明細書では「FGF21化合物」という用語は、天然ヒトFGF21、ならびにそれらの類似体を意味する。
【0017】
天然ヒトFGF21タンパク質の配列は、アクセッション番号Q9NSA1でUNIPROTデータベースから利用可能である。この209アミノ酸前駆タンパク質は、シグナルペプチド(アミノ酸1〜28)および成熟タンパク質(アミノ酸29〜209)を含む。成熟タンパク質は、配列番号1(アミノ酸1〜181)として、シグナルペプチドは配列番号2(アミノ酸1〜28)として本明細書に挙げている。本明細書の配列番号1の146位で成熟タンパク質中のLeuの代わりにProを有する天然ヒトFGF21のアイソフォームまたは対立形質は、とりわけ、米国特許出願公開第2001012628 A1号から公知である(米国特許出願公開の配列番号2の第174残基)。本明細書の配列番号2の23位にあるLeuが欠失している、より短いシグナルペプチドを有する別のアイソフォームは、国際公開第2003/011213号から公知である(27アミノ酸残基のシグナルペプチドを有する国際公開公報の配列番号2を参照されたい)。したがって、天然ヒトFGF21の特定の例は次の通りである:配列番号1、置換L146Pを有する配列番号1、ならびに、上記に述べた27または28アミノ酸シグナルペプチドより始まる任意のこれらの配列。天然ヒトFGF21の好ましい例は成熟部分、すなわち、配列番号1とそのL146Pアイソフォームである。
【0018】
例えば、FGF21の文脈において本明細書で言及されているような「類似体」という用語、すなわち、FGF21類似体は、天然FGF21から、特に配列番号1から、それらのアミノ酸配列を修飾することにより推定もしくは誘導される、または推定もしくは誘導され得るポリペプチドを意味する。そのような修飾、変更または改変としては、1個または複数のアミノ酸の置換、欠失および/または付加が挙げられる。例えば、アミノ酸は、C末端で、N末端で、またはアミノ酸配列の内部で付加および/または欠失されていてもよい。好ましくは、アミノ酸はC末端および/またはN末端で、より好ましくはN末端で付加および/または欠失される。また、C末端またはN末端に欠失アミノ酸があるアミノ酸配列は、当技術分野で公知のように、切断型配列と呼ぶこともできる。同じく、配列内部に付加されたアミノ酸は挿入と呼ぶことができる。本発明の一実施形態においては、FGF21類似体を得るための配列番号1の上記修飾数は11以下、好ましくは9以下、より好ましくは7以下、よりさらに好ましくは5以下、より一層好ましくは3以下である。「変異体」または「突然変異体」という用語は、「類似体」という用語の代わりに本明細書で時々用いられる。
【0019】
FGF21類似体の一例は、成熟タンパク質(HPIP)の4つのN末端アミノ酸残基が除去されている天然成熟FGF21の切断型であり、これは、例えば、国際公開第2006/065582号に開示されている。この切断型は、野生型FGF21と同じレベルでマウス3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みを刺激すると言われている。このタンパク質は、本明細書における配列番号1のアミノ酸5〜181のアミノ酸配列を有する。
【0020】
FGF21類似体のさらなる例は、N末端Metを有する配列番号1のポリペプチド(「Met-FGF21」とも呼ばれ、または配列番号1の-1M((マイナス1)M)置換として表示される)である。FGF21化合物を大腸菌(E. coli)で発現させた場合、N末端Metが付加される。例えば、国際公開第2006/050247号の表6を参照されたい。
【0021】
FGF21類似体の別の例は、修飾FGF21配列(突然変異タンパク質と呼ばれることが多い)であり、これらは、例えば、国際公開第2003/061712号、国際公開第2005/091944号、国際公開第2006/028595号、国際公開第2006/028714号、国際公開第2006/065582号、および国際公開第2008/121563号に開示されている。FGF21類似体のさらなる別の例は、本明細書の実施例部分、ならびに添付の特許請求の範囲において開示する。
【0022】
FGF21修飾の文脈において本明細書で言及されている「アミノ酸」または「アミノ酸残基」という用語には、タンパク質生合成で細胞により使用され、遺伝子コードにより規定される20種の標準αアミノ酸、すなわち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンが含まれる。またこの用語には、非標準アミノ酸、例えば、遺伝子コードによりコードされてもいるが、タンパク質においては稀である、セレノシステインおよびピロリシンなどが含まれる。タンパク質で確認される別の非標準アミノ酸、例えば、γ-カルボキシグルタミン酸およびヒドロキシプロリンは、翻訳後修飾により形成され得る。遺伝子コードによりコードされていない、非標準アミノ酸または非天然アミノ酸のさらなる例は、オルニチンおよびホスホセリンである。非標準アミノ酸のさらなる別の例は、化学合成によって製造されるアミノ酸をはじめとする合成アミノ酸であって、例えば、遺伝子コードによってコードされているアミノ酸のD-異性体、例えば、D-アラニン、D-グルタミン、D-ヒスチジンおよびD-ロイシン、Aib(α-アミノイソ酪酸)、Abu(α-アミノ酪酸)、Tle(tert-ブチルグリシン)、β-アラニン、3-アミノメチル安息香酸、アントラニル酸、des-アミノヒスチジン(略称DesaminoHis、代替名称イミダゾプロピオン酸、略称Impr)、アミノ酸のβ類似体、例えば、β-アラニン、2-アミノヒスチジン、β-ヒドロキシヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチルヒスチジン、α-フルオロメチルヒスチジン、α-メチルヒスチジン、α,α-ジメチルグルタミン酸、m-CF3-フェニルアラニン(略称m-CF3-Phe)、α,β-ジアミノプロピオン酸(略称Dap)、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニンまたは4-ピリジルアラニン、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘプチル)カルボン酸、および(1-アミノシクロオクチル)カルボン酸である。
【0023】
本目的においては、標準アミノ酸の2種の認識コード(1文字および3文字)を同義で用いるか、時々、アミノ酸の名称を完全に細かく表記する。言うまでもなく、これらの用語は完全に同等であるとみなされる(例えば、S=Ser=セリン)。
【0024】
例えば、FGF21の文脈において本明細書で言及される「誘導体」という用語、例えばFGF21誘導体は、本明細書では、A-B-C-D-と表される修飾基の付加により例示される、共有結合で修飾されているFGF21化合物を意味する。この用語は、それ自体は限定的ではなく、むしろ、構成FGF21ポリペプチド化合物それ自体になされる改変(「類似体」)と、側鎖のFGF21化合物に対する共有結合(それにより、化合物は「誘導体化される」)との間の区別をつけることを意図するので、記述的である。
【0025】
命名法:類似体および誘導体は、当該技術事項の理解を容易にするのに最も適していると認められるものは何であろうと、ポリペプチド命名法、有機化学命名法および化学式、またはそれらの混合を同義的に使用して、本明細書で命名される。例えば、実施例3の誘導体は、N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]-メチル}ベンジル) [Arg56, Arg59, Arg69, Arg122]Gly-FGF21(ここで、[Arg56, Arg59, Arg69, Arg122] Gly-FGF21は、N末端アミノ酸Glyのα-アミノ基で4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジルにより修飾されていることを意味する)と命名することができる。しかし、この化合物はまた、下記の化合物
【0026】
【化1】
【0027】
によりN末端のN-αで誘導体化された[Arg56, Arg59, Arg69, Arg122] Gly-FGF21として定義することもできる(式中、*は、前記N末端アミノ酸Glyのαアミノ基への結合点である)。
【0028】
変異体命名法(類似体の命名法):FGF21の変異体(または類似体)は、当該技術事項の理解を容易にするのに最も適していると認められるものは何であろうと、ポリペプチド命名法、有機化学命名法および化学式、アミノ酸配列またはそれらの混合を同義的に使用して、本明細書で命名される。
【0029】
例えば、変異体における置換は、「元のアミノ酸-位置-置換アミノ酸」として表示することができる。3文字コードまたは1文字コードを使用することができる。したがって、「K122C」または「Lys122Cys」の表記は、変異体とFGF21とを後述のようにアラインした場合(「アラインメント」)、変異体が、FGF21(配列番号1)中の122位のアミノ酸に対応する変異体のアミノ酸位置において、リシンのシステイン置換を含んでいることを意味する。
【0030】
多重修飾(例えば置換)は、(コンマの後にスペースを入れて)コンマによって区切ることができるが、所望により角括弧で囲み、これらが同じ変異体に属することを明確にすることができる。実施例3において誘導体化される類似体は、例えば、「K56R, K59R, K69R, K122R Gly-FGF21」もしくは「(K56R, K59R, K69R, K122R) Gly-FGF21」と表示してもよく、または、「K56R, K59R, K69RおよびK122R、およびN末端Gを有する配列番号1」として記載することができる。この化合物を表示するさらにシンプルな方法は、交換されたアミノ酸を省略して、名称が「56R, 59R, 69R, 122R Gly-FGF21」となるようにすることである。置換および挿入が混合された形態にある多重修飾の伴う変異体の命名法に関して、化合物実施例2dを参照されたい。
【0031】
代替修飾、例えば、規定の位置での代替置換は、例えば、「S181K,R」の表記にあるようにコンマで区切ることが可能である。前記表記は、181位のSerがLysまたはArgで置換され得ることを意味する。
【0032】
伸長は、位置番号(C末端における連続した正の数とN末端における負の数)を付加することによって、または、より簡単には、当該伸長のアミノ酸を、それらの正確な配列を使用して、当該化合物(これは、関連する技術ポイントの理解を容易にするために、その際、慣用名(例えばFGF21)が付けられることが多い)に付加することによって、配列番号1を参照することにより記載することができる。例として、実施例2aの化合物は、配列番号1を参照することにより、-1位にGを、また変異K56R、K59R、K69R、K122Rを有する配列番号1のポリペプチド(FGF21)を示す。
【0033】
変異体における挿入は、「挿入前のアミノ酸位置番号-インデックス-挿入アミノ酸」と示すことができる。挿入前のアミノ酸位置番号は、変異体とFGF21とを後述のようにアラインした場合(「アラインメント」)に生じる、ギャップの直前のFGF21(配列番号1)中のアミノ酸位置を意味する。アミノ酸に関し、3文字コードまたは1文字コードを使用することができる。インデックスはアルファベット順の小文字であり、例えば、規定によれば、最初の挿入アミノ酸残基については「a」、2番目の挿入アミノ酸残基については「b」、などである。したがって、「V169aT」(もしくは「Val169aThr」)、または簡単には「169aT」(もしくは「169aThr」)の表記は、全て、変異体とFGF21とを後述のようにアラインした場合(「アラインメント」)、変異体がFGF21(配列番号1)中の169位のバリンの後にトレオニンの挿入を含むことを意味する。
【0034】
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、EMBOSSパッケージ(http://emboss.org)から得られるNeedleプログラムを使用して行うことができる。好ましいバージョンは2.8.0.である。Needleプログラムは、Needleman, S. B.およびWunsch, C. D. (1970) J. Mol. Biol. 48、443〜453頁に記載されている包括的アラインメントアルゴリズムを実施する。使用する置換マトリクス(substitution matrix)はBLOSUM62、ギャップオープニングペナルティーは10であり、ギャップ伸長ペナルティーは0.5である。
【0035】
本発明のFGF21類似体配列(「発明配列」;例えば、K56R、K59RおよびK69Rを有する配列番号1)と異なるアミノ酸配列(「外来配列」;例えば、配列番号1のFGF21配列)との間の同一性の程度またはパーセンテージは、どちらが最短であっても、「発明配列」の長さまたは「外来配列」の長さで割った、2つの配列のアラインメントにおける正確なマッチ数として計算される。その結果は、同一性パーセントで表される。
【0036】
「発明配列」と「外来配列」が、オーバーラップの同一位置に同一のアミノ酸残基を有している場合に、正確なマッチが生じる(下記のアラインメントの例において、これは「*」によって表される)。配列の長さは、配列中のアミノ酸残基の数である(例えば、配列番号1の長さは181である)。
【0037】
これは、上述の「発明配列」と「外来配列」のアラインメントの例である:
【数1】
【0038】
したがって、FGF21に対するこのFGF21類似体の同一性パーセンテージは、178/181×100%=98.3%である。代替法では、2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は、Needleman-Wunschアラインメントであるプログラム「align」によって決定することができる(すなわち、グローバルアラインメント)。配列は、デフォルトスコアマトリックスBLOSUM50を使用し、プログラムによってアラインされる。最初の残基のギャップに関するペナルティーは12であり、さらなる残基のギャップについては、ペナルティーは2である。Needleman-Wunschアルゴリズムは、Needleman, S.B.およびWunsch, CD.、(1970)、Journal of Molecular Biology、48: 443〜453頁に記載されており、alignプログラムはMyersおよびW. Miller in Optimal Alignments in Linear Space」 CABIOS (computer applications in the biosciences) (1988) 4:11〜17頁による。「Align」は、FASTAパッケージバージョンv20u6の一部である(W. R. PearsonおよびD. J. Lipman (1988)、「Improved Tools for Biological Sequence Analysis」、PNAS 85:2444〜2448頁、ならびにW. R. Pearson (1990) 「Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA」、Methods in Enzymology 183:63〜98頁を参照)。
【0039】
本発明のFGF21化合物の誘導体またはFGF21類似体を含む医薬組成物は、さらに製薬上許容可能な担体を含んでいてもよい。注射の場合、担体は、所望により別の物質、例えば食塩水(生理的食塩水など)が補充された、水であってもよい。別の製薬上許容可能な薬剤、例えば、希釈剤および適切な緩衝剤を使用することもできる。必要に応じて、追加の製薬上許容可能な薬剤、例えば、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、充填剤、増量剤、アジュバント、保存剤、酸化防止剤、着色剤および/または着香料を使用することもできる。FGF21化合物の誘導体またはFGF21類似体は、当技術分野で公知のように、精製ポリペプチドもしくはその誘導体の形態で使用してもよく、または、適切な製薬上許容可能な添加剤を使用して製剤化することができる。医薬組成物は、当技術分野で公知の任意の方法で投与することが可能であり、例えば、静脈内(i.v.)で、または皮下(s.c.)で注射することができる。
【0040】
FGF21化合物、例えばFGF21類似体の誘導体は、治療的または予防的に有効な量の医薬組成物中に含まれていてもよい。その量は、治療目的または予防目的、例えば、当該適応症状、治療を必要とする患者の症状、所望の投与経路などに依存する。当分野の熟練の医師は、当技術分野で日常的に行っているように、これらの要因に応じて用量を調節し、投与を調整しなければならない。
【0041】
発明の目的
本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを解消もしくは改善すること、または有用な代替技術を提供することである。
【0042】
本発明の別の態様は、ヒトFGF21と比較して、糖尿病の治療に対する改良された特性を有する、FGF21の類似体または誘導体の提供に関する。
【0043】
本発明の別の態様は、ヒトFGF21と比較して、肥満の治療に対する改良された特性を有する、FGF21の類似体または誘導体の提供に関する。
【0044】
本発明の別の態様は、ヒトFGF21と比較して、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の治療に対して改良された特性を有する、FGF21の類似体または誘導体の提供に関する。
【0045】
本発明の別の態様は、大腸菌などの細菌およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母菌において比較的容易に組換え体を調製することができる、FGF21の類似体または誘導体の提供に関する。
【0046】
本発明の別の態様は、N末端分解に対して保護されているFGF21の類似体または誘導体の提供に関する。
【0047】
本発明の別の態様は、ヒトFGF21と比較して、3T3-L1細胞におけるグルコース取込みに関して効力が増加した、FGF21の類似体または誘導体の提供に関する。
【0048】
本発明の別の態様は、Met-FGF-21の平均半減期時間と比較して、平均半減期時間が延長された、FGF-21の類似体および誘導体の提供に関する(以下の実施例40を参照)。
【0049】
本発明のさらなる目的は、高血圧症、重症疾患、メタボリック症候群、てんかん、癌、先端肥大症、異脂肪血症(高TG、高LDLおよび低HDC)、ならびに循環器疾患、例えばアテローム性動脈硬化および高コレステロール血症の治療に効果的に使用することができる化合物を提供することである。
【0050】
より詳しくは、十分な数の上記態様に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0051】
本発明の詳細な説明
本発明は、式A-B-C-D-の1つまたは2つの修飾基がFGF21化合物中のN末端αアミノ基に共有結合しているFGF21化合物の誘導体[式中、
A-は、式I、IIまたはIII:
【0052】
【化2】
【0053】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0054】
【化3】
【0055】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0056】
【化4】
【0057】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0058】
【化5】
【0059】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0060】
【化6】
【0061】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0062】
【化7】
【0063】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIIIa、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、#-NH-CH(CH3)2-CH2-* (式XIIIa)、
【0064】
【化8】
【0065】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であるか、sは0〜5の範囲の整数であるか、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であるか、これらの成分のうちの2つである]またはそれらの製薬上許容可能な塩に関する。
【0066】
-D-が式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分のうちの2つであるような場合には、これらの2つ成分は同一であっても異なっていてもよい。-D-が式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分のうちの2つであるような場合、これらの2つの成分同士が連結されている結合点は、式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分の1つから記号#によって識別される1つの結合点と、記号*によって識別される別の成分からの1つの結合点であり、この連結された成分において、*は1つの式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分からFGF21化合物への結合点であり、#は別の成分から-C-への結合点である。
【0067】
第1の部分が、存在しない(例えば、A-、-B-または-C-などの)文字により識別される第2の部分に結合されることが記載されているこれらの場合においては、前記の第1の部分は、存在する次の成分に結合される。一例を挙げれば、-D-と表示されている部分に関して、#が-C-への結合点であり、かつ-C-が存在しないことが記載されているならば、その時、-D-と表示されている部分の#により識別される結合点は、-B-と表示されている部分に結合される。
【0068】
一態様においては、本発明は、式A-B-C-D-の1つまたは2つの修飾基がFGF21化合物中のN末端αアミノ基に共有結合しているFGF21化合物の誘導体[式中、
A-は、式I、IIまたはIII:
【0069】
【化9】
【0070】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0071】
【化10】
【0072】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0073】
【化11】
【0074】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合、bは1または2であり、また、cが1または2である場合、bは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0075】
【化12】
【0076】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0077】
【化13】
【0078】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0079】
【化14】
【0080】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)または
【0081】
【化15】
【0082】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であるか、sは0〜5の範囲の整数であるか、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である]
またはそれらの製薬上許容可能な塩に関する。
【0083】
本発明の一実施形態においては、-D-は本明細書で定義されている式XIIIの成分ではない。言いかえれば、-D-は本明細書で定義されている式XIVまたはXVの成分である。
【0084】
FGF21化合物の例は、配列番号1と比較した場合に、以下の修飾の少なくとも1つを含むFGF21類似体である: -1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、R17H、Q27E、Q28R、Q28E、A31E、R36A、R36H、K56R、K59R、K69R、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、N121D、K122R、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、G170P、P171L、P171G、P171S、S172E、S172L、S172Q、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181K、S181Rおよび/または182G。
【0085】
本明細書で定義されている修飾部分は、in vivoにおいてヒト血清アルブミンに結合する特定能力を有することが判明した。
【0086】
さらに、本発明は、治療上の有効な量の本発明の類似体または誘導体と、製薬上許容可能な担体とを含む医薬組成物;ならびに、治療上有効な量の本発明の類似体、誘導体または組成物を患者に投与する工程を含む、糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群、および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)に罹患している患者の治療方法に関する。
【0087】
本発明の誘導体は、式A-B-C-D-の1つまたは2つの修飾基がFGF21化合物のN末端αアミノ基に共有結合している。
【0088】
本発明の誘導体および本発明の類似体は、例えば、グルコース低下作用、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)における改善に関して、ヒトFGF21の生物効果と同等かそれより優れた効果を有し得る。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本発明の好ましい態様
下記は、本発明の誘導体、特に、式A-B-C-D-の1つだけの修飾基が、FGF21化合物のN末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合している、本発明の第1の態様の特定の実施形態である。
【0090】
一実施形態においては、A-は、式I、IIまたはIII:
【0091】
【化16】
【0092】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0093】
【化17】
【0094】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0095】
【化18】
【0096】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0097】
【化19】
【0098】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0099】
【化20】
【0100】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0101】
【化21】
【0102】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIIIa、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、#-NH-CH(CH3)2-CH2-* (式XIIIa)、
【0103】
【化22】
【0104】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であるか、sは0〜5の範囲の整数であるか、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であり、またはこれらの式のうちの2つであり、
またはそれらの製薬上許容可能な塩である。
【0105】
別の実施形態においては、A-は、式I、IIまたはIII:
【0106】
【化23】
【0107】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0108】
【化24】
【0109】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0110】
【化25】
【0111】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0112】
【化26】
【0113】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0114】
【化27】
【0115】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0116】
【化28】
【0117】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)または
【0118】
【化29】
【0119】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であるか、sは0〜5の範囲の整数であるか、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であり、
またはそれらの製薬上許容可能な塩である。
【0120】
一実施形態においては、A-は、式I:
【0121】
【化30】
【0122】
(式中、nは好ましくは12、14、16または18であり、より好ましくは、12、14または16であり、ここで、*は-B-への結合点である)
の成分である。
【0123】
別の実施形態においては、A-は、式I:
【0124】
【化31】
【0125】
(式中、nは好ましくは14、16または18であり、ここで、*は-B-への結合点である)
の成分である。
【0126】
一実施形態においては、-B-は、-B1-、好ましくは式IVまたはV:
【0127】
【化32】
【0128】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分を含む。
【0129】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式VIII:
【0130】
【化33】
【0131】
(式中、より好ましくは、cは0であり、かつbは2(γ-Glu)であるか、cは0であり、かつbは1(β-Asp)であり、ここで、*は-C-、-B1-、または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)
の1つまたは2つの成分を含む。
【0132】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式VIII:
【0133】
【化34】
【0134】
(式中、より好ましくは、cは0であり、かつbは2であり、ここで、*は-C-、-B1-、または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)
の4つの成分を含む。
【0135】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式IX:
【0136】
【化35】
【0137】
(式中、より好ましくは、dは1であり、かつeは2であるか、dは2で、かつeは1であり、ここで、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の1つまたは2つの成分を含む。
【0138】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式X:#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)(式中、より好ましくは、uは3であり、ここで、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)の1つまたは2つの成分を含む。
【0139】
一実施形態においては、-C-は、式XI:
【0140】
【化36】
【0141】
(式中、好ましくは、qは0、1、2、3または4であり、より好ましくは、qは1または2であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0142】
一実施形態においては、-C-は、式XI:
【0143】
【化37】
【0144】
(式中、好ましくは、pは1または2であり、より好ましくは、pは1であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0145】
一実施形態においては、-C-は、式XI:
【0146】
【化38】
【0147】
(式中、pは1であり、かつqは1または2であり、好ましくは、pは1であり、かつqは2であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0148】
一実施形態においては、-C-は、式XII:
【0149】
【化39】
【0150】
(式中、好ましくは、mは0、1または2であり、より好ましくは、mは1または2であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0151】
一実施形態においては、-C-は、式XII:
【0152】
【化40】
【0153】
(式中、好ましくは、kは1、2、3、4、5または11であり、より好ましくは、kは5であり、よりさらに好ましくは、mは1であり、かつkは4、5または11であり、または最も好ましくは、mは1であり、かつkは5であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0154】
一実施形態においては、-D-は、式XIII、XIIIa、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、
#-NH-CH(CH3)2-CH2-* (式XIIIa)、または、
【0155】
【化41】
【0156】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であるか、sは0〜5の範囲の整数であるか、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であるか、これらの成分のうちの2つである。
【0157】
-D-が式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分のうちの2つであるような場合、これらの2つの成分は同一であっても、異なっていてもよい。-D-が式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分のうちの2つであるような場合、これらの2つの成分同士が連結している結合点は式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分の1つから記号#により識別される1つの結合点と、記号*により識別される別の成分からの1つの結合点であり、またこの連結されている成分において、*は式XIII、XIIIa、XIVまたはXVの成分の1つからFGF21化合物への結合点であり、#は別の成分から-C-への結合点である。
【0158】
一実施形態においては、-D-は、式XIII、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、または、
【0159】
【化42】
【0160】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であるか、sは0〜5の範囲の整数であるか、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である。
【0161】
本発明の一実施形態においては、-D-は本明細書で定義されている式XIIIの成分ではない。言いかえれば、-D-は本明細書で定義されている式XIVまたはXVの成分である。
【0162】
一実施形態においては、-D-は、式XIII:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)
(式中、好ましくは、rは1、2または3であり、より好ましくは、rは1であり、ここで、#は-C-への結合点であり、*はFGF21化合物への結合点である)
の成分である。
【0163】
一実施形態においては、-D-は、式XIV:
【0164】
【化43】
【0165】
(式中、好ましくは、sは0または1であり、より好ましくは、sは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である。
【0166】
一実施形態においては、-D-は、式XV:
【0167】
【化44】
【0168】
(式中、好ましくは、yは0または1であり、より好ましくは、yは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である。
【0169】
一実施形態において、-D-は、FGF21化合物のアルデヒドとの反応生成物であり、例えば、限定されるものではないが、式XVIまたはXVII:
#-NH-(CH2)t-CHO (式XVI)、
【0170】
【化45】
【0171】
(式中、#は-C-または-B-への結合点であり、tは1、2、3、4または5であり、より好ましくは、tは1、2または3であり、または最も好ましくは、tは1であり、または好ましくは、uは0または1であり、より好ましくは、uは1である)
の成分である。
【0172】
一実施形態においては、-D-は、FGF21化合物のアルデヒド前駆体との反応生成物であり(これはin situで活性化される)、例えば、限定されるものではないが、式XVIII:
【0173】
【化46】
【0174】
(式中、#は-C-または-B-への結合点であり、vは1、2、3、4または5であり、好ましくは、xは1または2であり、より好ましくは、vは1、2または3であり、好ましくは、xは1であり、または、最も好ましくは、vは1であり、かつxは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点である)
の成分である。
【0175】
一実施形態においては、部分A-B-C-D-は、次式(1〜2):
【0176】
【化47】
【0177】
(式中、*はFGF21化合物への結合点である)、
または対応する誘導体の製薬上許容可能な塩から選択される。
【0178】
下記は、本発明の誘導体、特に、式A-B-C-D-の2つの修飾基がFGF21化合物のN末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合している、本発明の第2の態様の特定の実施形態である。
【0179】
一実施形態においては、A-は式I、IIまたはIII:
【0180】
【化48】
【0181】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0182】
【化49】
【0183】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0184】
【化50】
【0185】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0186】
【化51】
【0187】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0188】
【化52】
【0189】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0190】
【化53】
【0191】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIIIa、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、#-NH-CH(CH3)2-CH2-* (式XIIIa)、
【0192】
【化54】
【0193】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であり、sは0〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であるか、またはこれらの成分のうちの2つであり、
またはそれらの製薬上許容可能な塩である。
【0194】
別の実施形態においては、A-は、式I、IIまたはIII:
【0195】
【化55】
【0196】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0197】
【化56】
【0198】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0199】
【化57】
【0200】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0201】
【化58】
【0202】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0203】
【化59】
【0204】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0205】
【化60】
【0206】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)または
【0207】
【化61】
【0208】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であり、sは0〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であり、
またはそれらの製薬上許容可能な塩である。
【0209】
一実施形態においては、A-は、式I:
【0210】
【化62】
【0211】
(式中、nは好ましくは12、14、16または18であり、より好ましくは、12、14または16であり、ここで、*は-B-への結合点である)
の成分である。
【0212】
別の実施形態においては、A-は、式I:
【0213】
【化63】
【0214】
(式中、nは好ましくは14、16または18であり、ここで、*は-B-への結合点である)
の成分である。
【0215】
一実施形態においては、-B-は、-B1-、好ましくは式IVまたはV:
【0216】
【化64】
【0217】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分を含む。
【0218】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式VIII:
【0219】
【化65】
【0220】
(式中、より好ましくは、cは0であり、かつbは2(γ-Glu)であるか、cは0であり、かつbは1(β-Asp)であり、ここで、*は-C-、-B1-、または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)
の1つまたは2つの成分を含む。
【0221】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式IX:
【0222】
【化66】
【0223】
(式中、より好ましくは、dは1であり、かつeは2であるか、dは2であり、かつeは1であり、ここで、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の1つまたは2つの成分を含む。
【0224】
一実施形態においては、-B-は、-B2-、好ましくは式X:#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)(式中、より好ましくは、uは3であり、ここで、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)の1つまたは2つの成分を含む。
【0225】
一実施形態においては、-C-は、式XI:
【0226】
【化67】
【0227】
(式中、好ましくは、qは0、1、2、3または4であり、より好ましくは、qは1または2であり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0228】
一実施形態においては、-C-は、式XI:
【0229】
【化68】
【0230】
(式中、好ましくは、pは1または2であり、より好ましくは、pは1であり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0231】
一実施形態においては、-C-は、式XI:
【0232】
【化69】
【0233】
(式中、pは1であり、かつqは1または2であり、好ましくは、pは1であり、かつqは2であり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0234】
一実施形態においては、-C-は、式XII:
【0235】
【化70】
【0236】
(式中、好ましくは、mは0、1または2であり、より好ましくは、mは1または2であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0237】
一実施形態においては、-C-は、式XII:
【0238】
【化71】
【0239】
(式中、好ましくは、kは1、2、3、4、5または11であり、より好ましくは、kは5であり、よりさらに好ましくは、mは1で、かつkは4、5または11であり、または最も好ましくは、mは1で、かつkは5であり、ここで、*は-D-への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である。
【0240】
本発明の一実施形態においては、-D-は本明細書で定義されている式XIIIの成分ではない。言いかえれば、-D-は本明細書で定義されている式XIVまたはXVの成分である。
【0241】
一実施形態においては、-D-は、式XIII:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)
(式中、好ましくは、rは1、2または3であり、より好ましくは、rは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である。
【0242】
一実施形態においては、-D-は、式XIV:
【0243】
【化72】
【0244】
(式中、好ましくは、sは0または1であり、より好ましくは、sは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である。
【0245】
一実施形態においては、-D-は、式XV:
【0246】
【化73】
【0247】
(式中、好ましくは、yは1、2または3であり、より好ましくは、yは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である。
【0248】
一実施形態において、-D-は、FGF21化合物のアルデヒドとの反応生成物であり、例えば、限定されるものではないが、式XVまたはXVI:
#-NH-(CH2)t-CHO (式XV)、
【0249】
【化74】
【0250】
(式中、#は-C-または-B-への結合点であり、tは1、2、3、4または5であり、より好ましくは、tは1、2または3であり、または最も好ましくは、tは1であり、または好ましくは、uは0または1であり、より好ましくは、uは1である)
の成分である。
【0251】
一実施形態においては、-D-は、FGF21化合物のアルデヒド前駆体との反応生成物であり(これはin situで活性化される)、例えば、限定されるものではないが、式XVII:
【0252】
【化75】
【0253】
(式中、#は-C-または-B-への結合点であり、vは1、2、3、4または5であり、好ましくは、xは1または2であり、より好ましくは、vは1、2または3であり、好ましくは、xは1であり、または、最も好ましくは、vは1で、かつxは1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点である)
の成分である。
【0254】
一実施形態においては、部分A-B-C-D-は、次式(1または3):
【0255】
【化76】
【0256】
(式中、*はFGF21化合物への結合点である)、
または対応する誘導体の製薬上許容可能な塩から選択される。
【0257】
一実施形態においては、修飾基は、N末端アミノ酸のαアミノ基に結合し、2つのアルキルアミン結合を形成する。
【0258】
一実施形態においては、本発明の化合物は、実施例3、4、5および6の化合物、好ましくは、下記のN-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21 (化合物I); N-alpha-ビス-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21 (化合物II); N-alpha-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[K59R、K69R、D102T、D121Q、K12NR、L166F、S167G、M168L、G170T] Ala-FGF21 (化合物III); N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21 (化合物IV)の化合物、または対応する誘導体の製薬上許容可能な塩である。
【0259】
下記は、構成FGF21化合物の構造により特性決定される、本発明の誘導体のさらなる特定の実施形態である:
【0260】
好ましくは、FGF21化合物は、配列番号1に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、よりさらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有する。
【0261】
好ましくは、FGF21化合物は、配列番号1と比較して、最大36のアミノ酸変化(修飾)、好ましくは、最大30、25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1のアミノ酸変化;より好ましくは、最大15、14、13、12、11または10のアミノ酸修飾;よりさらに好ましくは、最大9、8、7、6または5のアミノ酸修飾;または最も好ましくは、最大4、3、2または1のアミノ酸修飾を有する。
【0262】
一実施形態においては、FGF21化合物は、配列番号1と比較して、(a)以下の修飾: -1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、R17H、Q27E、Q28R、Q28E、A31E、R36A、R36H、K56R、K59R、K69R、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、N121D、K122R、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、G170P、P171L、P171G、P171S、S172E、S172L、S172Q、Q173E、Q173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181K、S181Rおよび/または182Gの少なくとも1つを含む。
【0263】
一実施形態においては、FGF21化合物は、Y179F、A180Eおよびdes 181(i)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(ii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)および(iii)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0264】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)を含み、好ましくは、それはさらにY179F、A180Eおよびdes 181(ii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0265】
一実施形態においては、FGF21化合物は、N121Q(i)、Y179F、A180Eおよびdes 181(ii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0266】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)、N121Q(ii)を含み、好ましくは、それはさらにY179F、A180Eおよびdes 181(iii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0267】
一実施形態においては、FGF21化合物は、N121Q(i)、Y179F、A180Eおよびdes 181(ii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0268】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)、N121Q(ii)、Y179F、A180Eおよびdes 181(iii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0269】
一実施形態においては、FGF21化合物は、Y179F、A180Eおよびdes 181(i)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aA、およびG174V(ii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)および(iii)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0270】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)を含み、好ましくは、それはさらにY179F、A180Eおよびdes 181(ii)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0271】
一実施形態においては、FGF21化合物は、N121Q(i)、Y179F、A180Eおよびdes 181(ii)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0272】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)、N121Q(ii)、Y179F、A180Eおよびdes 181(iii)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0273】
一実施形態においては、FGF21化合物は、Y179FおよびA180E(i);好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(ii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)および(iii)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0274】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)を含み、好ましくは、それはさらにY179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0275】
一実施形態においては、FGF21化合物は、N121Q(i)、Y179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0276】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)、N121Q(ii)を含み、好ましくは、それはさらにY179FおよびA180E(iii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0277】
一実施形態においては、FGF21化合物は、N121Q(i)、Y179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0278】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)、N121Q(ii)、Y179FおよびA180E(iii)を含み;好ましくは、それはさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0279】
一実施形態においては、FGF21化合物は、Y179FおよびA180E(i)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(ii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)および(iii)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0280】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)を含み、好ましくは、それはさらにY179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0281】
一実施形態においては、FGF21化合物は、N121Q(i)、Y179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0282】
一実施形態においては、FGF21化合物は、S71C(i)、N121Q(ii)、Y179FおよびA180E(iii)を含み;好ましくは、それはさらにdes 170、173aAおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、それはさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、それは(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0283】
一実施形態においては、FGF21化合物は146位にプロリンを有し、ここで、当該位置番号は配列番号1を意味し、これは先行技術から公知のFGF21の対立遺伝子野生型である。
【0284】
下記は、生物特性および化学特性によって特性決定される、本発明の誘導体のさらなる特定の実施形態である:
【0285】
一実施形態においては、本発明の誘導体は持続型である。
【0286】
本発明の誘導体は、好ましくは、許容される効力を有する(本明細書の実験セクションの実施例38を参照)。
【0287】
一実施形態においては、本発明の誘導体の効力は、Met-FGF21の効力の少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、よりさらに好ましくは少なくとも20%、または最も好ましくは少なくとも30%であり、この場合、この効力は3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みを測定することにより決定される(実施例38を参照)。
【0288】
一実施形態においては、本発明の誘導体の効力は、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、よりさらに好ましくは少なくとも70%である。
【0289】
一実施形態において、本発明の誘導体の効力は、Met-FGF21の効力に対し、さらに少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも100%、よりさらに好ましくは少なくとも110%、または最も好ましくは少なくとも120%であり得る(下記の実施例38を参照)。
【0290】
これらのそれぞれの実施形態については、本発明の誘導体の効力は、好ましくは、3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みを測定することにより決定される。
【0291】
本発明の誘導体の効力は、Met-FGF21のEC50に対する誘導体のEC50として計算される。
【0292】
3T3-L1脂肪細胞は、マウス3T3-L1繊維芽細胞、好ましくはATCC CL-173由来である。
【0293】
本発明の誘導体の3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みは、実施例38で概説したように測定することができる。
【0294】
一実施形態においては、本発明のFGF21類似体は、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも1%の効力を有し、この場合、この効力は3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みを測定することにより決定される(実施例38を参照)。
【0295】
一実施形態においては、本発明のFGF21類似体は、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、よりさらに好ましくは少なくとも30%、または最も好ましくは少なくとも40%の効力を有する。
【0296】
一実施形態においては、本発明のFGF21類似体は、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、よりさらに好ましくは少なくとも80%、または最も好ましくは少なくとも90%の効力を有する。
【0297】
一実施形態においては、本発明のFGF21類似体は、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも100%、好ましくは少なくとも120%、より好ましくは少なくとも140%、よりさらに好ましくは少なくとも160%、または最も好ましくは少なくとも180%の効力を有する。
【0298】
一実施形態においては、本発明のFGF21類似体は、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも200%、好ましくは少なくとも250%、より好ましくは少なくとも300%、よりさらに好ましくは少なくとも350%、または最も好ましくは少なくとも400%、より一層好ましくは少なくとも500%、またはさらに少なくとも600%、特に少なくとも1000%の効力を有する。
【0299】
効力は、本明細書のFGF21誘導体に関して記載したように決定される。
【0300】
本発明のFGF21類似体は、ビヒクル対照に対し、db/dbマウスにおける血糖を低下させることができる。
【0301】
一実施形態においては、本発明の誘導体の血糖は、mMでの平均血糖測定に基づいて、対応するビヒクル対照に対し、少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、より好ましくは少なくとも3%、よりさらに好ましくは少なくとも4%、または最も好ましくは少なくとも5%低下する。
【0302】
一実施形態において、本発明のFGF21誘導体は、10nM未満、好ましくは5nM未満、特に好ましくは2nM未満、よりさらに好ましくは約1nM未満のHSA欠乏pERK-HEK293-β-klotho [EC50(nM)]値を有する(下記の試験(実施例39)を参照)。
【0303】
一実施形態においては、本発明の誘導体は、マウスに皮下(s.c.)投与した場合、少なくとも1.5時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも4時間、よりさらに好ましくは少なくとも5時間、または最も好ましくは少なくとも6時間のT1/2を有する(以下の実施例40を参照)。
【0304】
一実施形態においては、本発明の誘導体は、マウスに皮下(s.c.)投与した場合、少なくとも10時間、好ましくは少なくとも15時間、より好ましくは少なくとも24時間、または最も好ましくは少なくとも48時間のT1/2を有する。マウスはdb/dbマウスであり、好ましくはレプチン受容体欠損マウスである。
【0305】
一実施形態においては、本発明の誘導体の用量は0.5mg/kgであるが、0.1〜1.0mg/kgの範囲の用量で使用することもできる。
【0306】
別の実施形態においては、本発明の誘導体は、ミニブタにi.v.投与した場合、少なくとも15時間、好ましくは少なくとも20時間、より好ましくは少なくとも30時間、よりさらに好ましくは少なくとも40時間、または最も好ましくは少なくとも50時間のT1/2を有する。
【0307】
本発明の誘導体は、ミニブタにi.v.投与した場合、少なくとも60時間、好ましくは少なくとも70時間、より好ましくは少なくとも75時間のT1/2をさらに有していてもよい。ミニブタは、好ましくは、正常な雄性Gottingenミニブタである。各処置群におけるブタの数はn=3〜4が好ましい。ブタは12〜15月齢が好ましく、より好ましくは体重は約25kgである。ブタには、好ましくは0.1mg/kgの単回静注用量で投与するのが好適である(約5nmol/kg)。
【0308】
本発明の誘導体および類似体、ならびに比較用のFGF21化合物の血漿濃度は、当技術分野で公知の任意の適切な方法により測定することができる。好ましいアッセイは、BioVendorからカタログ番号RD191108200Rで入手できる、Fibroblast Growth Factor-21 Human ELISAである(例えば、BioVendor GmbH, Im Neuenheimer Feld 583, D-69120 Heidelberg, Germany)。
【0309】
本発明の誘導体は、db/dbマウスの血糖値に対してin vivoで効果を有する(下記の実施例41参照)。
【0310】
本発明の誘導体は、ビヒクル対照に対し、db/dbマウスにおけるin vivoの血糖を低下させることができる。
【0311】
一実施形態において、本発明の誘導体の血糖値は、最終用量の誘導体を投与した後、24時間、好ましくは48時間低下する。
【0312】
一実施形態において、本発明の誘導体の血糖値は、mMでの平均血糖測定に基づいて、対応するビヒクル対照に対し、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、よりさらに好ましくは少なくとも25%、または最も好ましくは少なくとも30%低下する。
【0313】
一実施形態においては、本発明の誘導体の血糖値は少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも45%、または最も好ましくは少なくとも50%低下する。
【0314】
本発明の誘導体は、好ましくは、許容される効力および持続型半減期を有する。
【0315】
一実施形態においては、本発明の誘導体は、マウスにおいてs.c.投与した場合、少なくとも1.5時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも4時間、よりさらに好ましくは少なくとも5時間、または最も好ましくは少なくとも6時間のT1/2を有し、しかも、同時に、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載した効力を有する(実施例40参照)。
【0316】
一実施形態においては、本発明の誘導体は、マウスにおいてs.c.投与した場合、少なくとも10時間、好ましくは少なくとも15時間、より好ましくは少なくとも24時間、または最も好ましくは少なくとも48時間のT1/2を有し、しかも、同時に、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載した効力を有する。
【0317】
一実施形態においては、本発明の誘導体は、ミニブタにおいてi.v.投与した場合、少なくとも15時間、好ましくは少なくとも20時間、より好ましくは少なくとも30時間、よりさらに好ましくは少なくとも40時間、または最も好ましくは少なくとも50時間のT1/2を有し、しかも、同時に、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載した効力を有する。
【0318】
一実施形態においては、本発明の誘導体は、ミニブタにおいてi.v.投与した場合、少なくとも60時間、好ましくは少なくとも70時間、より好ましくは少なくとも75時間のT1/2を有し、しかも、同時に、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載した効力を有する。
【0319】
用語の「安定性のある」または安定性とは、本明細書に記載したように決定される、効力を意味する。
【0320】
一実施形態においては、H2O2でインキュベーションした後の本発明の類似体の効力は、H2O2を使用しないこと以外は同様に処理されたMet-FGF21に対し、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、よりさらに好ましくは少なくとも40%、または最も好ましくは少なくとも50%である。
【0321】
FGF21化合物(FGF21類似体を含む)、および本発明のFGF21化合物の誘導体は、類似化合物について記載されているようにして調製することができる。より詳しくは、以下の詳細な実際の実施例、およびそのような化合物の調製について記載されている別の刊行物を参照されたい。
【0322】
下記の実施例1および2では、大腸菌におけるFGF21およびFGF21類似体のクローニングおよび発現について記載する。あるいは、FGF21およびFGF21類似体(場合によりN末端伸長のあるもの)は、以下のように酵母において発現させることができる。
【0323】
N末端アミノ酸伸長を含むFGF21は、サッカロマイセス・セレビシエで発現させることができる。一実施形態においては、これは、PMT2、PEP4およびYPS1が破壊されている株を作出する、株の設計が必要である。この株は、それぞれの遺伝子座で特定の組込みがなされる相同組換えを利用する従来の技術を用いて設計することができる。N末端伸長を含むFGF21は、サッカロマイセス・セレビシエ中で維持され得るサッカロマイセス・セレビシエ発現ベクターにコードされる。FGF21類似体を分泌経路へ導くために、シグナルペプチドを含むプレプロ配列(例えば、MFαプレプロリーダー配列)を組換え発現ベクター中に提供することができる。この配列は、正確なリーディングフレームでFGF21類似体をコードするDNAに連結される。このシグナルペプチドは、確実に培地へ分泌させる。FGF21類似体配列の上流でかつ隣接して、二塩基性アミノ酸配列が、FGF21類似体からのプレプロ配列を確実に切断するように配置され、その後、培地へ分泌される。この切断は、KEX2活性により生じると考えられる。FGF21類似体は、培地から回収することができる。
【0324】
FGF化合物の誘導体およびFGF21類似体は、所望により、インシュリンなどの別の医薬と一緒に製剤化することができる。
【0325】
上記記述をまとめ、かつ補足するための本発明の特定の実施形態は下記の通りである:
【0326】
1. 式A-B-C-D-の修飾基がFGF21化合物のN末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合している、FGF21化合物の誘導体[式中、
A-は、式I、IIまたはIII:
【0327】
【化77】
【0328】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-は、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0329】
【化78】
【0330】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0331】
【化79】
【0332】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0333】
【化80】
【0334】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-は、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0335】
【化81】
【0336】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0337】
【化82】
【0338】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-は、式XIII、XIIIa、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、#-NH-CH(CH3)2-CH2-* (式XIIIa)、
【0339】
【化83】
【0340】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、sは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分でありか、これらの成分のうちの2つである]
またはそれらの製薬上許容可能な塩。
【0341】
2. A-が、式I、IIまたはIII:
【0342】
【化84】
【0343】
(式中、nは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり、*は-B-への結合点である)
の成分であり;
-B-が、存在しないか、結合を表すか、-B1-、-B2-またはそれらの組み合わせから選択され、ここで、-B1-は、式IV、V、VIまたはVII:
【0344】
【化85】
【0345】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分であり;
-B2-は、式VIII、IXまたはX:
【0346】
【化86】
【0347】
(式中、bは0、1または2であり、cは0、1または2であり、但し、cが0である場合はbは1または2であり、cが1または2である場合はbは0であり、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)、
【0348】
【化87】
【0349】
(式中、dは1または2であり、eは0、1または2であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)、または
#-NH-SO2-(CH2)u-CO-* (式X)
(式中、uは2、3または4であり、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分であるか、式VIIIおよび/または式IXおよび/または式Xの4つ以下の成分の組み合わせであり;
-C-が、存在しないか、結合を表すか、式XIまたはXII:
【0350】
【化88】
【0351】
(式中、pは0、1、2、3、4、5または6であり、qは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
【0352】
【化89】
【0353】
(式中、kは0、1、2、3、4、5、11または23であり、mは0、1、2、3、4、5または6であり、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分であり;
-D-が、式XIII、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)または
【0354】
【化90】
【0355】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、sは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である、式A-B-C-D-の修飾基がFGF21化合物のN末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合している、実施形態1に記載のFGF21化合物の誘導体、またはそれらの製薬上許容可能な塩。
【0356】
3. Aが式(III)の成分である場合、-B-および-C-の少なくとも1つは存在し、かつ/または結合を示さない、実施形態1の誘導体。
【0357】
4. -B-および-C-が存在し、かつ結合を示さない、可能な範囲の実施形態1から3のいずれかの誘導体。
【0358】
5. A-が式I、IIまたはIII:
【0359】
【化91】
【0360】
(式中、nは12、14または16であり、*は-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から4のいずれかに記載の誘導体。
【0361】
6. -A-が式I:
【0362】
【化92】
【0363】
(式中、nは本明細書で定義されている通りであり、*は-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から5のいずれかに記載の誘導体。
【0364】
7. nが12、14、16または18であり、好ましくは12、14または16である、可能な範囲の実施形態1から6のいずれか1つに記載の誘導体。
【0365】
8. nが14、16または18であり、好ましくは14または16である、可能な範囲の実施形態1から7のいずれか1つに記載の誘導体。
【0366】
9. A-が式Iの成分であり、好ましくはnが13であるものである、可能な範囲の実施形態1から8のいずれか1つに記載の誘導体。
【0367】
10. -B-が-B1-を含み、好ましくは式IVまたはV:
【0368】
【化93】
【0369】
(式中、*は-B2-または-C-への結合点であり、#はA-または-B2-への結合点である)
の成分を含む、可能な範囲の実施形態1から9のいずれか1つに記載の誘導体。
【0370】
11. -B-が-B2-であり、好ましくは式VIII:
【0371】
【化94】
【0372】
(式中、より好ましくは、cは0であり、かつbは2であるか、cが0であり、かつbは1であり、ここで、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)
の1つまたは2つの成分である、可能な範囲の実施形態1から10のいずれか1つに記載の誘導体。
【0373】
12. -B-は-B2-であり、好ましくは式VIII:
【0374】
【化95】
【0375】
(式中、より好ましくは、cは0であり、かつbは2であり、ここで、*は-C-、-B1-または別の-B2-への結合点であり、#はA-、-B1-または別の-B2-への結合点である)
の4つの成分である、可能な範囲の実施形態1から11のいずれか1つに記載の誘導体。
【0376】
13. -B-が-B2-であり、より正確には式IX:
【0377】
【化96】
【0378】
(式中、好ましくは、dは1であり、かつeが2であるものであり、ここで、*は-C-または-B1-への結合点であり、#はA-または-B1-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から12のいずれか1つに記載の誘導体。
【0379】
14. -B-が結合である、可能な範囲の実施形態1から13のいずれか1つに記載の誘導体。
【0380】
15. -C-が式XI:
【0381】
【化97】
【0382】
(式中、好ましくは、qは0、1、2、3または4であり、より好ましくは、qは1または2であり、よりさらに好ましくは、qは2であり、pは本明細書で定義された通りであり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#が-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から14のいずれか1つに記載の誘導体。
【0383】
16. -C-が式XI:
【0384】
【化98】
【0385】
(式中、好ましくは、pは1または2であり、より好ましくは、pは1であり、qは本明細書で定義された通りであり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から15のいずれか1つに記載の誘導体。
【0386】
17. pが1であり、qが1または2であり、好ましくは、pが1であり、qが2である、可能な範囲の実施形態1から16のいずれか1つに記載の誘導体。
【0387】
18. -C-が式XII:
【0388】
【化99】
【0389】
(式中、好ましくは、mは0、1または2であり、より好ましくは、mは1または2であり、kは本明細書で定義された通りであり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から17のいずれか1つに記載の誘導体。
【0390】
19. -C-が式XII:
【0391】
【化100】
【0392】
(式中、好ましくは、kは1、2、3、4、5または11であり、より好ましくは、kは5であり、mは本明細書で定義された通りであり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#が-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から18のいずれか1つに記載の誘導体。
【0393】
20. -C-が式XII:
【0394】
【化101】
【0395】
(式中、mは1で、かつkは4、5または11であり、好ましくは、mは1で、かつkは5であり、mは本明細書で定義された通りであり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#が-B-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から19のいずれか1つに記載の誘導体。
【0396】
21. -D-が式XIII、XIIIa、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、#-NH-CH(CH3)2-CH2-* (式XIIIa)、
【0397】
【化102】
【0398】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、sは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分であるか、これらの成分のうちの2つである、可能な範囲の実施形態1から20のいずれか1つに記載の誘導体。
【0399】
22. -D-が式XIII、XIVまたはXV:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)、
【0400】
【化103】
【0401】
(式中、rは1〜5の範囲の整数であり、yは0〜5の範囲の整数であり、sは0〜5の範囲の整数であり、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から21のいずれか1つに記載の誘導体。
【0402】
23. -D-が式XIII:
#-NH-(CH2)r-CH2-* (式XIII)
(式中、好ましくは、rが1、2または3であり、より好ましくは、rが1であり、ここで、*はFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から22のいずれか1つに記載の誘導体。
【0403】
24. -D-が式XIV:
【0404】
【化104】
【0405】
(式中、好ましくは、sが0または1であり、より好ましくは、sが1であり、ここで、*は-D-またはFGF21化合物への結合点であり、#は-C-への結合点である)
の成分である、可能な範囲の実施形態1から23のいずれか1つに記載の誘導体。
【0406】
25. -D-が本明細書で定義されている式XIIIの成分ではない(言いかえれば、-D-が本明細書で定義されている式XIVまたはXVの成分である)、可能な範囲の実施形態1から24のいずれか1つに記載の誘導体。
【0407】
26. 式A-B-C-D-の修飾基が次式(1)〜(3):
【0408】
【化105】
【0409】
(式中、*はFGF21化合物への結合点である)
から選択される、可能な範囲の実施形態1から25のいずれか1つに記載の誘導体、または対応する誘導体のいずれか1つの製薬上許容可能な塩。
【0410】
27. 修飾基(A-B-C-D-)を1つだけ有する、可能な範囲の実施形態1から26のいずれか1つに記載の誘導体。
【0411】
28. 同一であるか異なる2つの修飾基(A-B-C-D-)を有する、可能な範囲の実施形態1から27のいずれか1つに記載の誘導体。
【0412】
29. 1つまたは2つの修飾基(A-B-C-D-)を有する、可能な範囲の実施形態1から28のいずれか1つに記載の誘導体。
【0413】
30. 本明細書の実施例3、4、5および6の誘導体、好ましくは下記: N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21 (化合物I); N-alpha-ビス-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21 (化合物II); N-alpha-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[K56R、K59R、K69R、D102T、D121Q、K122R、L166F、S167G、M168L、G170T] Ala-FGF21 (化合物III); N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21 (化合物IV);または対応する誘導体の製薬上許容可能な塩から選択される化合物である、可能な範囲の実施形態1から29のいずれか1つに記載の誘導体。
【0414】
31. 本明細書の実施例3、4、5および6の誘導体、好ましくは下記: N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21 (化合物I); N-alpha-ビス-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[Arg56、Arg59、Arg69、Arg122] Gly-FGF21 (化合物II); N-alpha(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル)[S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21 (化合物IV);または対応する誘導体の製薬上許容可能な塩から選択される化合物である、可能な範囲の実施形態1から30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0415】
32. FGF21化合物が配列番号1に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、よりさらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有する、可能な範囲の実施形態1から31のいずれか1つに記載の誘導体。
【0416】
33. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、最大36のアミノ酸修飾、好ましくは最大30、25、20、15、10もしくは5のアミノ酸変化、または最大30、25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1のアミノ酸変化;より好ましくは、最大15、14、13、12、11または10のアミノ酸修飾;よりさらに好ましくは、最大9、8、7、6もしくは5のアミノ酸修飾;または最も好ましくは、最大4、3、2もしくは1のアミノ酸修飾を有する、可能な範囲の実施形態1から32のいずれか1つに記載の誘導体。
【0417】
34. FGF21化合物が配列番号1のアミノ酸配列を含む、可能な範囲の実施形態1から33のいずれか1つに記載の誘導体。
【0418】
35. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記FGF21化合物が前記修飾の少なくとも3つを含み、より好ましくは前記修飾の少なくとも5つを含む、可能な範囲の実施形態1から34のいずれか1つに記載の誘導体。
【0419】
36. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記FGF21化合物が前記修飾の少なくとも3つを含み、より好ましくは前記修飾の少なくとも5つを含み、よりさらに好ましくは少なくとも7つの修飾を含む、可能な範囲の実施形態1から35のいずれか1つに記載の誘導体。
【0420】
37. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、K56R、K59R、K69R、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、K122R、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記FGF21化合物が前記修飾の少なくとも3つを含み、より好ましくは前記修飾の少なくとも5つを含み、よりさらに好ましくは少なくとも7つの修飾を含む、可能な範囲の実施形態1から36のいずれか1つに記載の誘導体。
【0421】
38. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、K56R、K59R、K69R、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、K122R、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181K、S181Rおよび/または182Gの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記FGF21化合物が前記修飾の少なくとも3つを含み、より好ましくは前記修飾の少なくとも5つを含み、よりさらに好ましくは少なくとも7つの修飾を含む、可能な範囲の実施形態1から37のいずれか1つに記載の誘導体。
【0422】
39. FGF21化合物がY179F、A180Eおよびdes181(i)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(ii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)および(iii)を含む、可能な範囲の実施形態1から38のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0423】
40. FGF21化合物がS71C(i)を含み;好ましくは、FGF21化合物がY179F、A180Eおよびdes181(ii)をさらに含み;好ましくは、FGF21化合物がP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)をさらに含み;より好ましくは、FGF21化合物がL166F、S167GおよびM168L(iv)をさらに含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む、可能な範囲の実施形態1から39のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0424】
41. FGF21化合物がN121Q(i)、Y179F、A180Eおよびdes181(ii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む、可能な範囲の実施形態1から40のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0425】
42. FGF21化合物がS71C(i)、N121Q(ii)、Y179F、A180Eおよびdes181(iii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む、可能な範囲の実施形態1から41のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0426】
43. FGF21化合物がY179FおよびA180E(i)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(ii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)および(iii)を含む、可能な範囲の実施形態1から42のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0427】
44. FGF21化合物がS71C(i)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにY179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む、可能な範囲の実施形態1から43のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0428】
45. FGF21化合物がN121Q(i)、Y179FおよびA180E(ii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む、可能な範囲の実施形態1から44のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0429】
46. FGF21化合物がS71C(i)、N121Q(ii)、Y179FおよびA180E(iii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにP171L、S172E、Q173AおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む、可能な範囲の実施形態1から45のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0430】
47. FGF21化合物がY179F、A180Eおよびdes181(i)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにdes170、173aAおよびG174V(ii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iii)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)および(iii)を含む、可能な範囲の実施形態1から46のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iii)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0431】
48. FGF21化合物がS71C(i)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにY179F、A180Eおよびdes181(ii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにdes170、173aAおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む、可能な範囲の実施形態1から47のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0432】
49. FGF21化合物がN121Q(i)、Y179F、A180Eおよびdes181(ii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにdes170、173aAおよびG174V(iii)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(iv)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む、可能な範囲の実施形態1から48のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(iv)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0433】
50. FGF21化合物がS71C(i)、N121Q(ii)、Y179F、A180Eおよびdes181(iii)を含み;好ましくは、FGF21化合物がさらにdes170、173aAおよびG174V(iv)を含み;より好ましくは、FGF21化合物がさらにL166F、S167GおよびM168L(v)を含み;最も好ましくは、FGF21化合物が(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を含む、可能な範囲の実施形態1から49のいずれか1つに記載の誘導体。これらのそれぞれの実施形態(i)〜(v)は、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含んでいてもよい。
【0434】
51. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、des181、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記FGF21化合物が前記修飾の少なくとも3つを含み、より好ましくは前記修飾の少なくとも5つを含み、よりさらに好ましくは少なくとも7つの修飾を含む、可能な範囲の実施形態1から50のいずれか1つに記載の誘導体。
【0435】
52. FGF21化合物が、配列番号1と比較して、以下の修飾:-1G、-1A、-1S、-1F、-1M、R17A、17H、Q27E、A31E、R36A、R36H、S71C、D102E、D102N、D102T、N121Q、des121N、N121D、D159E、L166F、S167G、M168L、D169E、V169aT、des170、G170T、P171L、P171G、S172E、S172L、Q173E、173aA、Q173A、G174A、G174V、Y179F、A180E、S181Kおよび/またはS181Rの少なくとも1つを含み、好ましくは、前記FGF21化合物が前記修飾の少なくとも3つを含み、より好ましくは前記修飾の少なくとも5つを含み、よりさらに好ましくは少なくとも7つの修飾を含む、可能な範囲の実施形態1から51のいずれか1つに記載の誘導体。
【0436】
53. FGF21化合物がN121Qを含み、N末端アミノ酸M、G、S、FまたはA(例えば-1A)を場合により含む、可能な範囲の実施形態1から52のいずれか1つに記載の誘導体。
【0437】
54. FGF21化合物が配列番号1のアミノ酸配列を含む、可能な範囲の実施形態1から53のいずれか1つに記載の誘導体。
【0438】
55. FGF21化合物が146位でプロリンを有し、ここで、位置番号は配列番号1を意味する、可能な範囲の実施形態1から54のいずれか1つに記載の誘導体。
【0439】
56. マウスにおいてs.c.投与した場合、少なくとも1.5時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも4時間、よりさらに好ましくは少なくとも5時間、または最も好ましくは少なくとも6時間のT1/2を有する、可能な範囲の実施形態1から55のいずれか1つに記載の誘導体。
【0440】
57. マウスにおいてs.c.投与した場合、少なくとも10時間、好ましくは少なくとも15時間、より好ましくは少なくとも24時間、または最も好ましくは少なくとも48時間のT1/2を有する、可能な範囲の実施形態1から56のいずれか1つに記載の誘導体。
【0441】
58. Met-FGF21の効力に対し、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、よりさらに好ましくは少なくとも20%、または最も好ましくは少なくとも30%の効力を有し、効力が3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みを測定することにより決定することができる、可能な範囲の実施形態1から57のいずれか1つに記載の誘導体。
【0442】
59. Met-FGF21の効力に対し、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、よりさらに好ましくは少なくとも70%の効力を有する、可能な範囲の実施形態1から58のいずれか1つに記載の誘導体。
【0443】
60. Met-FGF21の効力に対し、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも100%、よりさらに好ましくは少なくとも110%、または最も好ましくは少なくとも120%の効力を有する、可能な範囲の実施形態1から59のいずれか1つに記載の誘導体。
【0444】
61. 効力が、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも100%、よりさらに好ましくは少なくとも110%、または最も好ましくは少なくとも120%である、可能な範囲の実施形態1から60のいずれか1つに記載の誘導体;
【0445】
62. 効力が、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも100%、好ましくは少なくとも120%、より好ましくは少なくとも140%、よりさらに好ましくは少なくとも160%、または最も好ましくは少なくとも180%である、可能な範囲の実施形態1から61のいずれか1つに記載の誘導体。
【0446】
63. 効力が、Met-FGF21の効力に対し、少なくとも200%、好ましくは少なくとも250%、より好ましくは少なくとも300%、よりさらに好ましくは少なくとも350%、または最も好ましくは少なくとも400%、より一層好ましくは少なくとも500%、またさらには少なくとも600%、特に少なくとも1000%である、可能な範囲の実施形態1から62のいずれか1つに記載の誘導体。
【0447】
64. 効力がMet-FGF21のEC50に対する誘導体のEC50として計算される、可能な範囲の実施形態1から63のいずれか1つに記載の誘導体。
【0448】
65. 3T3-L1脂肪細胞がマウス3T3-L1繊維芽細胞、好ましくはATCC CL-173由来である、可能な範囲の実施形態1から64のいずれか1つに記載の誘導体。
【0449】
66. 3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込みが本明細書の実施例38で概説されているように測定される、可能な範囲の実施形態1から65のいずれか1つに記載の誘導体。
【0450】
67. FGF21誘導体が、約10nM未満、好ましくは約5nM未満、特に好ましくは約2nM未満、よりさらに好ましくは約1nM未満のHSA欠乏pERK-HEK293-β-klotho [EC50(nM)]値を有する(本明細書の実施例39に記載の試験を参照)、可能な範囲の実施形態1から66のいずれか1つに記載の誘導体。
【0451】
68. ビヒクル対照に対し、db/dbマウスにおけるin vivoでの血糖を低下させることができる、可能な範囲の実施形態1から67のいずれか1つに記載の誘導体。
【0452】
69. 誘導体の最終用量が投与された後、血糖が24時間、好ましくは48時間低下する、可能な範囲の実施形態1から68のいずれか1つに記載の誘導体。
【0453】
70. 血糖が、mMでの平均血糖測定に基づいて、対応するビヒクル対照に対し、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、より好ましくは少なくとも約20%、よりさらに好ましくは少なくとも約25%、または最も好ましくは少なくとも約30%低下する、可能な範囲の実施形態1から69のいずれか1つに記載の誘導体。
【0454】
71. 血糖が少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも45%、または最も好ましくは少なくとも50%低下する、可能な範囲の実施形態1から70のいずれか1つに記載の誘導体。
【0455】
72. (i)db/dbマウスが雄性、9〜11週齢であり、(ii)誘導体がs.c.投与され、(iii)誘導体用量が0.2〜1.0mg/kg、好ましくは0.2、0.4、0.6、0.8または1.0mg/kgの範囲にあり、(iv)誘導体がPBSに溶解され、(v)誘導体が毎日1回、好ましくは1日、2日および3日に1回投与され、(vi)ビヒクル対照が、好ましくは250ul/50gマウスのPBSで処置され、かつ/または、(vii)血糖が、好ましくはBiosen 5040などのグルコースアナライザーを使用して、グルコースオキシダーゼ法を用いて測定される、可能な範囲の実施形態1から71のいずれか1つに記載の誘導体。
【0456】
73. ビヒクル対照がMet-FGF21で置き換えられる、可能な範囲の実施形態1から72のいずれか1つに記載の誘導体。
【0457】
74. (i)誘導体およびMet-FGF21が両方ともPBS(pH7.2)中に溶解され、かつ/または、(ii)誘導体およびMet-FGF21の濃度が1mg/mLである、可能な範囲の実施形態1から73のいずれか1つに記載の誘導体。
【0458】
75. 実施例3、4および5に記載されている特定の誘導体のいずれか1つである、可能な範囲の実施形態1から74のいずれか1つに記載の誘導体。
【0459】
76. ビヒクル対照に対し、db/dbマウスにおける血糖を低下させることができる、可能な範囲の実施形態1から75のいずれか1つに記載のFGF21誘導体。
【0460】
77. ヒトに投与した場合、mMでの平均血糖測定に基づいて、対応するビヒクル対照に対し、少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、より好ましくは少なくとも3%、よりさらに好ましくは少なくとも4%、または最も好ましくは少なくとも5%、血糖が低下する、可能な範囲の実施形態1から76のいずれか1つに記載のFGF21誘導体。
【0461】
78. 血糖低下作用を決定する場合に以下の態様を使用することができる、可能な範囲の実施形態1から77のいずれか1つに記載のFGF21誘導体:(i)db/dbマウスが雄性、9〜11週齢であり、(ii)類似体がs.c.投与され、(iii)類似体用量が0.1〜1.0mg/kg、好ましくは0.1、0.2、0.4、0.6、0.8または1.0mg/kgの範囲にあり、(iv)類似体が毎日1回、好ましくは1日、2日および3日に1回投与され、かつ/または、(v)血糖が、好ましくはBiosen 5040などのグルコースアナライザーを使用して、グルコースオキシダーゼ法を用いて測定される。
【0462】
79. FGF化合物が上記実施例2(すなわち、2a〜2d)に記載されている特定の類似体のいずれか1つである、可能な範囲の実施形態1から78のいずれか1つに記載のFGF誘導体。
【0463】
80. 実施形態1から79のいずれか1つに記載の誘導体と製薬上許容可能な担体とを含む組成物。
【0464】
81. 医薬としての使用に関して可能な範囲の実施形態1から80のいずれか1つに記載の誘導体。
【0465】
82. 糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の治療または予防における医薬として使用するための実施形態1から81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0466】
83. 糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の治療または予防における医薬の製造で使用するための実施形態1から82のいずれか1つに記載の誘導体。
【0467】
84. 実施形態1から83のいずれか1つに記載の誘導体の治療上有効な量を患者に投与する工程を含む、糖尿病、異脂肪血症、肥満、循環器疾患、メタボリック症候群および/または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)に罹患している患者の治療方法。
【0468】
85. 実施形態1から84のいずれか1つに記載の誘導体の治療上有効な量を患者に投与する工程を含む、集中治療を必要とする患者の治療方法。
【0469】
86. 本明細書に記載の実施形態、態様および請求項の任意の新規な組み合わせ。
【0470】
各種参考文献が本明細書中に引用されているが、それらの開示内容は、参照によりそれら全体を援用するものとする。
【0471】
本明細書に記載の条項(clauses)および実施形態の1つまたは複数を、場合により下記の請求項の1つまたは複数と組み合わせることによりさらなる実施形態が得られ、本発明は、前記の条項、実施形態および請求項のあらゆる可能性のある組み合わせに関する。
【0472】
以下の実施例は限定によるものではなく、事例として提示されるものである。
【0473】
(実施例)
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。
【0474】
略語
以下の略語を下記で用いる、アルファベット順: AcOHは酢酸であり、CVはカラム容量であり、DCMはジクロロメタンであり、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンであり、DPBSはダルベッコリン酸緩衝生理食塩水であり、DVBはジビニルベンゼンであり、EtOHはエタノールであり、EtOAcは酢酸エチルであり、HEPESは4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸であり、HPβCDはヒドロキシプロピルβシクロデキストリンであり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、IBMXは3-イソブチル-1-メチルキサンチンであり、Inpはイソニペコチン酸であり、IPTGはイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシドチェック(check)であり、LCMSは液体クロマトグラフィー質量分析であり、MALDI-TOF MSは、マトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization Time of Flight Mass Spectroscopy)であり、NaAcは酢酸ナトリウムであり、OtBuはtert.ブチルエステルであり、PBSはリン酸緩衝生理食塩水であり、RTは室温であり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、THFはテトラヒドロフランであり、Trisはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンまたは2-アミノ-2-ヒドロキシメチルプロパン-1,3-ジオールであり、Trxはトラネキサム酸であり、TSTUはO-(N-スクシミジル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートであり、UPLCは超高速液体クロマトグラフィー(Ultra Performance Liquid Chromatography)である。
【0475】
一般法
LCM法1(LCMS1)
Agilent Technologies LC/MSD TOF (G1969A)質量分析計を使用して、Agilent 1200シリーズHPLC系より溶離した後の試料の質量を同定した。タンパク質スペクトルのディコンボリューションは、Agilent製のタンパク質確認ソフトウェアで計算した。
溶離液:
A: 0.1%トリフルオロ酢酸を含む水
B: 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
カラム:Zorbax 5u、300SB-C3、4.8×50mm
勾配:15分かけて25%〜95%のアセトニトリル
【0476】
LCM法2(LCMS2)
Waters Micromass ZQ質量分析計を使用して、Waters Alliance HT HPLC系より溶離した後の試料の質量を同定した。
溶離液:
A: 0.1%トリフルオロ酢酸を含む水
B: 0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
カラム:Phenomenex、Kinetex C18 50 × 4.60mm id 2.6μm、100AA
勾配:1.0ml/分で7.5分かけて10%〜90%のB
【0477】
(実施例1)
FGF21のクローニングおよび発現
ヒトFGF21に関するDNA配列およびアミノ酸配列は、例えば、Nishimuraら Biochim. Biophys. Acta 1492(1):203〜206頁 (2000)により開示されている。また、これらの配列は、それぞれ、アクセッション番号EMBL:AB021975およびUNIPROT:Q9NSA1で公的データベースから利用可能である。
【0478】
分泌用の28アミノ酸のシグナルペプチドを含む天然ポリペプチドを合成する:
1 MDSDETGFEH SGLWVSVLAG LLLGACQAHP IPDSSPLLQF GGQVRQRYLY
51 TDDAQQTEAH LEIREDGTVG GAADQSPESL LQLKALKPGV IQILGVKTSR
101 FLCQRPDGAL YGSLHFDPEA CSFRELLLED GYNVYQSEAH GLPLHLPGNK
151 SPHRDPAPRG PARFLPLPGL PPALPEPPGI LAPQPPDVGS SDPLSMVGPS
201 QGRSPSYAS
【0479】
上記のイタリック体で示したシグナルペプチドは、配列番号2として添付の配列表中に含まれている。残りの181アミノ酸からなる成熟FGF21ポリペプチドは、配列番号1として配列表中に含まれている。
【0480】
成熟FGF21ポリペプチドは、シグナルペプチドは含まないが、付加されたN末端メチオニンまたはN末端Met-Ala(これは大腸菌内で処理され、N末端Ala (-1Ala)を生じる)を含む、細胞内タンパク質として大腸菌においてクローニングし、発現させた。より詳しくは、3’-末端にMetに関するATGコドンを、ならびに、3’-末端および5’-末端にそれぞれNde1およびBamH1の制限酵素切断部位を含む550bpコード領域をファージT7プロモーターの制御下で発現ベクターpET 11cへNde1-BamH1中で挿入し、大腸菌B BL21(DE3)を形質転換させた。細胞は、OD450 0.5までLB培地 amp 100ug/mL中で増殖させ、37℃で4時間、0.3mMのIPTGを用いて発現を誘導した。細胞の粗抽出物は、FGF21発現を解析するため、超音波処理により調製した。
【0481】
クーマシー染色SDS-PAGEにより、可溶性上清画分で主として同定されたFGF21の発現が成功していたこと、不溶性ペレット中にはほとんどなかったことが示された。こうして発現したFGF21(Met-FGF21)(化合物A)のMW計算値は19.5kDであるが、それは25kDのタンパク質としてゲル上で移動した。これは恐らく、タンパク質の移動を遅らせる高含有量のプロリンによるものと思われる。
【0482】
(実施例2)
FGF21類似体のクローニング、発現および精製
以下のMet-FGF21の類似体を当技術分野で公知のようにして設計し、実施例1で一般的に記載したように大腸菌で発現させた:
2a) [K56R、K59R、K69R、K122R] Gly-FGF21。
2b) [Q28R、K56R、K59R、K69R、D102T、D121Q、K122R、L166F、S167G、M168L、G170T] Ala-FGF21。
2c) [S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21。
2d) [S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、des170、173aA、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21。
2e) [S71C、N121Q、L166F、S167G、M168L、173aA、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21。
2f) [N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Ala-FGF21。
2g) [N121Q] Met-FGF21。
2h) [N121Q] Ala-FGF21。
2i) [N121Q、L166F、S167G、M168L、P171L、S172E、Q173A、G174V、Y179F、A180E、des181] Phe-FGF21。
【0483】
同一類似体を、サッカロマイセス・セレビシエにおいて、それ自体は公知であって、この生物に好適である方法によって発現させ、調製することができる。
【0484】
実施例1〜2に記載のように調製したFGF21ポリペプチドおよびその類似体は、以下のようにして、または類似の技術を使用して、さらに精製した。
【0485】
10mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)中の大腸菌のスラリー(20%w/v)を超音波で処理した(5分間氷上で3秒のオン/オフ間隔)。ポリペプチドを遠心分離(30分間、10,000×g)によりペレット形成させ、50mMのTris(pH8.0)中で超音波処理により再溶解させ、残渣を遠心分離(30分間、10,000×g)により除去した。得られた上清中のポリペプチドは、Protein Purificationで一般に概説されているように、Q Sepharose Fast Flow樹脂(GE Healthcare)を使用するアニオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris(pH8.0)、50〜250mM NaCl)により精製した。原理および実施系列:Springer Advanced Texts in Chemistry Scopes、Robert K. 第3版、1994年。場合によっては、さらなる精製を、50mMのTris(pH8.0)および200mMのNaClを用いて操作する、HiLoad 26/60 Superdex pg 75カラム(GE Healthcare)を使用して、サイズ排除クロマトグラフィーにより実施した。保存のため、ポリペプチドをDPBSSに移し、冷凍保存した。
【0486】
(実施例3)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
アルデヒド含有の修飾基は、下記に記載のように合成することが可能であり、FGF21およびそれらの類似体は、下記に記載されているようにかかる修飾基で誘導体化することができる。
【0487】
17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチル-カルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸の調製
t-Bu-N-(4-ホルミルベンジル)カーバメート(100mg)を1時間TFA/DCM(1:1)で処理した。混合物を真空で濃縮し、トルエンで共濃縮した(2回)。残渣をTHF(2.5ml)中に溶解させ、17-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニル-メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ヘプタデカン酸(国際公開第2009/083549号で既に記載されていたように調製したもの、320mg)を含むTHF(5ml)溶液を加えた。DIPEA(0.5ml)をゆっくりと加えた。130分後、混合物を真空濃縮した。残渣をEtOAcおよび1N HCl中に溶解させた。有機層を1NのHClおよびブラインで抽出した。有機層を脱水し(Na2SO4)、真空濃縮し、白色固体として表題化合物を得た。これは、それ以上精製を行うことなく使用した。収率234mg(72%)。
LCMS2:理論的質量:851.0、実測値:851.5(M+1)。
【0488】
(K56R, K59R, K69R, K122R) Gly-FGF21誘導体 N-α-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [Arg56, Arg59, Arg69, Arg122]Gly-FGF21 (化合物I)の調製
実施例1および2で一般的に記載したように調製したK56R, K59R, K69R, K122R Gly-FGF21類似体中のN末端Gly残基(K56R, K59R, K69RおよびK122R、ならびにN末端Gを含む配列番号1)は、以下の試薬:
【0489】
【化106】
【0490】
を用いてαアミノ基で修飾した。
K56R, K59R, K69R, K122R Gly-FGF21を含むPBS緩衝液(2mg、0.32ml、102nmol)の6.3mg/ml溶液に、17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸の調製物を含む1M NaAc(6.1ul、1.5eq)の20mg/ml溶液を加えた。pHは10%AcOHで6.0に調節した。15分後、1MのNaCNBH3(7ul)を加えた。混合物を0.5時間RTで静置し、次いで、一晩5℃で保存した。混合物を20mM Tris、5%EtOH、pH7.5で希釈し、A-緩衝液:20mM Tris、5% EtOH、pH7.5、およびB-緩衝液:20mM Tris、0.5M NaCl、5%EtOH、pH7.5を用いて2mlの流速で、5CVに対して勾配0〜20%のBを、60CVに対して勾配20〜80%のBを使用し、MonoQ 5/50 GLのアニオン交換クロマトグラフィーにより精製した。化合物は、HiPrep 26/10脱塩カラム上でDPBS緩衝液にバッファー交換した。回収画分は、viva spin限外濾過装置MWCOで濃縮した。3000gで10.000 Da。
LCMS1:理論的質量=20413.1、実測値20413.4。
【0491】
(実施例4)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
(K56R, K59R, K69R, K122R) Gly-FGF21誘導体N-α-ビス-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [Arg56, Arg59, Arg69, Arg122] Gly-FGF21 (化合物II)の調製
実施例1および2で一般的に記載したように調製したK56R, K59R, K69R, K122R Gly-FGF21類似体中のN末端Gly残基(K56R、K59R、K69RおよびK122R、ならびにN末端Gを含む配列番号1)は、以下の試薬:
【0492】
【化107】
【0493】
を用いてαアミノ基で修飾した。この化合物は、5当量の17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸を使用し、実施例3に記載されているように調製した。
LCMS1:理論的質量=21248.2、実測値21248.9。
【0494】
(実施例5)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
(K56R, K59R, K69R, D102T, D121Q, K122R, L166F, S167G, M168L, G170T) Ala-FGF21誘導体 N-α-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [K56R, K59R, K69R, D102T, D121Q, K122R, L166F S167G, M168L, G170T] Ala-FGF21 (化合物III)の調製
実施例1および2で一般的に記載したように調製したK56R, K59R, K69R, D102T, D121Q, K122R, L166F, S167G, M168L, G170T Ala-FGF21類似体中のN末端Ala残基(K56R, K59R, K69R, D102T, D121Q, K122R, L166F, S167G, M168L, G170TおよびN末端Aを含む配列番号1)は、以下の試薬:
【0495】
【化108】
【0496】
を用いてαアミノ基で修飾した。この化合物は、5当量の17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸を使用し、実施例3に記載されているように調製した。
LCMS1:理論的質量=20485.2、実測値20485.5。
【0497】
(実施例6)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Ala-FGF21 (化合物IV)の調製
実施例1および2で一般的に記載したように調製したS71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181 Ala-FGF21類似体中のN末端Ala残基(S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181およびN末端Aを含む配列番号1)は、以下の試薬:
【0498】
【化109】
【0499】
を用いてαアミノ基で修飾した。この化合物は、pH6.0で5当量の17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸を使用し、実施例3に記載されているように調製した。
LCMS1:理論的質量=20329.14、実測値20329.14。
【0500】
同様に、以下の実施例における本発明のFGF21誘導体を調製することができる。
【0501】
(実施例7)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物V)
【0502】
(実施例8)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物VI)
【0503】
(実施例9)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α-ビス(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物VII)
【0504】
(実施例10)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α-ビス(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物VIII)
【0505】
(実施例11)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物IX)
【0506】
(実施例12)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物X)
【0507】
(実施例13)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α-ビス(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物XI)
【0508】
(実施例14)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α-ビス(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Gly-FGF21 (化合物XII)
【0509】
(実施例15)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Ala-FGF21 (化合物XIII)
【0510】
(実施例16)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Ala-FGF21 (化合物XIV)
【0511】
(実施例17)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Ala-FGF21 (化合物XV)
【0512】
(実施例18)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Ser-FGF21 (化合物XVI)
【0513】
(実施例19)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Ser-FGF21 (化合物XVII)
【0514】
(実施例20)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Ser-FGF21 (化合物XVIII)
【0515】
(実施例21)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Ser-FGF21 (化合物XIX)
【0516】
(実施例22)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Phe-FGF21 (化合物XX)
【0517】
(実施例23)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Phe-FGF21 (化合物XXI)
【0518】
(実施例24)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Phe-FGF21 (化合物XXII)
【0519】
(実施例25)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Phe-FGF21 (化合物XXIII)
【0520】
(実施例26)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Met-FGF21 (化合物XXIV)
【0521】
(実施例27)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, P171L, S172E, Q173A, G174V, Y179F, A180E, des181] Met-FGF21 (化合物XXV)
【0522】
(実施例28)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Met-FGF21 (化合物XXVI)
【0523】
(実施例29)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [S71C, N121Q, L166F, S167G, M168L, des170, 173aA, G174V, Y179F, A180E, des181] Met-FGF21 (化合物XXVII)
【0524】
(実施例30)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q] Gly-FGF21 (化合物XXVII)
【0525】
(実施例31)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α-ビス(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q] Gly-FGF21 (化合物XXIX)
【0526】
(実施例32)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q] Ala-FGF21 (化合物XXX)
【0527】
(実施例33)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q] Ser-FGF21 (化合物XXXI)
【0528】
(実施例34)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q] Phe-FGF21 (化合物XXXII)
【0529】
(実施例35)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
N-α(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) [N121Q] Met-FGF21 (化合物XXXIII)
【0530】
(実施例36)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
Met-FGF21誘導体N-α-ビス-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) Met-FGF21 (化合物XXXIV)の調製
実施例1および2で一般的に記載したように調製したMet-FGF21類似体中のN末端Met残基は、以下の試薬:
【0531】
【化110】
【0532】
を用いてαアミノ基で修飾した。この化合物は、1.2当量の17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸を使用し、実施例3に記載されているように調製した。
【0533】
(実施例37)
FGF21化合物の修飾基によるN末端での誘導体化
Met-FGF21誘導体N-α-(4-{[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]メチル}ベンジル) Met-FGF21 (化合物XXXV)の調製
実施例1および2で一般的に記載したように調製したMet-FGF21類似体中のN末端Gly残基(配列番号1およびN末端M)は、以下の試薬:
【0534】
【化111】
【0535】
を用いてαアミノ基で修飾した。この化合物は、1M NaAc(6.1ul、1.5eq)中の1.5当量の17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸を使用し、実施例3に記載されているように調製した。pHは10%AcOHで6.0に調節し、その後8mgのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを添加した。15分後に、1M NaCNBH3(7ul)を添加した。混合物を2時間RTで静置し、分析した。
LCMS1:理論的質量=20374.2、実測値20375.25。
【0536】
(実施例38)
効力アッセイ-3T3-L1脂肪細胞におけるグルコース取込み
本発明のFGF21化合物の生物活性または効力を決定するために以下のアッセイを使用した。
【0537】
マウス3T3-L1繊維芽細胞(例えば、ATCCから入手可能、カタログ番号CL-173)を基本培地(10%ウシ胎児血清(FBS)およびペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM(4500mg/lグルコース))で維持する。細胞はコンフルエンスにならないようにし、(目視により)コンフルエンシーが約60%に達する前に継代しなければならない(新しいバイアルに移す)。
【0538】
グルコース取込みアッセイのために、細胞は、24ウェルプレートに80,000細胞/ウェルでプレーティングするか、96ウェルプレートに20,000細胞/ウェルでプレーティングし、細胞がコンフルエンシーに達した際に(調製された分化した脂肪細胞を得ること目的とした高密度)、培地を基本培地から、トログリタゾン(Troglitazone)、IBMX、デキサメタゾン(市販されているもの、例えばSigma製)およびヒトインスリン(市販されているもの、例えばNovo Nordisk A/S製)を含有する基本培地に取り換える。
【0539】
細胞は、分化開始7〜14日後、好ましくは7〜10日後に用いる。細胞を、基本培地中、FGF21ポリペプチドまたは本発明の誘導体を用いて濃度を増大させて(0〜300nM)、20時間刺激する。3H-デオキシグルコース(以下において:トレーサーという)を添加する前に、細胞を加温(約37℃)アッセイバッファー(1mM MgCl2および2mM CaCl2を含むPBS)、HEPESおよび0.1%ヒト血清アルブミン)で洗浄し、細胞をトレーサーと1時間インキュベートする。このインキュベーションは、氷冷アッセイバッファーで2回洗浄することにより終止する。細胞をトリトンX-100で溶解させ、溶解物を96ウェルプレートに移し、microscint-40(市販のもの、例えばPerkin Elmer製)を加え、トレーサーの量をTOPカウンター(例えば、Perkin Elmer製のパッカードトップカウンター)でカウントする。当該ポリペプチドのEC50を計算する。下記のTable 1(表1)に示す結果は、Met-FGF21のEC50(効力)に対する本発明のFGF21化合物のEC50(効力)を示す。
【0540】
【表1】
【0541】
(実施例39)
HEK293/β-klotho Erkリン酸化アッセイ
Erkリン酸化アッセイは、ヒトβ-Klothoで安定的にトランスフェクトされたHEK293細胞において実施した。HEK293T/β-klotho安定細胞を96ウェルプレート上30000細胞/ウェルで播種した。2日後、新鮮培地を加え、2時間後、さらにFGF21タンパク質を加えた。このプレートを12分間インキュベートした。トータルERKリン酸化は、メーカーの使用説明書に従ってAlphaScreen SureFire Phospho-ERK1/2アッセイキット(Perkin Elmer, Waltham, MA)を使用して評価し、シグナル検出には、AlphaScreen HTS Turbo optionを備えたEnVision Multilabel Microplate Reader Model 2103 (Perkin Elmer)を使用した。データは、GraphPad Prismバージョン5.02を使用し、4-パラメーターロジスティックス非線形回帰分析から決定された平均+/- S.E.M. EC50値として表す。参考文献:Yie, J.ら: FGF21 N- and C-termini play different roles in receptor interaction and activation, FEBS Letters 583 (2009) 19〜24頁、および、Micanovic R.ら: Different roles of N- and C- termini in the functional activity of FGF21. J. Cell. Physiol. 2009年5月; 219(2):227〜34頁。
【0542】
【表2】
【0543】
(実施例40)
FGF21化合物に関するin vivo試験-薬物動態
ミニブタ
Met-FGF21の薬物動態プロファイルは、正常な雄性Gottingenミニブタ(n=4)で試験することができる(8〜15月齢、体重約18〜30kg)。試験対象の化合物の血漿濃度を14日間モニターする。Met-FGF21を単回静注用量0.1mg/kgとして投与する(約5nmol/kg)。
【0544】
比較化合物Met-FGF21の平均半減期(T1/2)は、標準偏差2.7時間を有する10.8時間であると判定された。
【0545】
本発明のFGF21化合物の薬物動態プロファイルは、正常な雄性Gottingenミニブタ(n=4)で試験する(8〜15月齢、体重約18〜30kg)。血漿濃度を19日間モニターする。化合物は単回静注用量0.01〜0.5mg/kgとして投与する。
【0546】
試験対象の化合物の平均半減期(T1/2)を決定する。
【0547】
FGF21化合物の血漿濃度は、Fibroblast Growth Factor-21 Human ELISA (BioVendorから入手可能、カタログ番号RD191108200R)を使用して決定することができる。薬物動態の算出には、PC系ソフトウェア、Pharsight Corportion, Cary N.C.のWinNonLinバージョン5.2を使用することができる。
【0548】
この試験で、本発明のFGF21誘導体の持続効果を確認する。
【0549】
(実施例41)
FGF21化合物のin vivo試験-薬効
db/dbマウスは2型糖尿病に関するマウスモデルである。このマウスはレプチン受容体を欠損しており、高血糖症、インシュリン抵抗性、過食症および肥満により特徴づけられる。
【0550】
本発明によるFGF21類似体および誘導体の血糖に対する効果の測定には、雄性db/dbマウス(9〜10週齢)を使用することができる。
【0551】
化合物は、50mMリン酸塩、145mM NaCl、0.05% Tween-80(pH=7.4)中に0.1mg/kg(2ml/kg)とし、7日間毎日1回s.c.投与することができる(n=7〜9)。それぞれビヒクル処理群(対照)は、50mMリン酸塩、145mM NaCl、0.05% Tween-80(pH=7.4)(2ml/kg)とし、7日間毎日1回s.c.投与により処置される。非空腹時血糖は、投与前と、再度投与7日後2時間に測定することができる。血糖は、グルコースオキシダーゼ法に基づき、グルコースアナライザー(Biosen 5040)を使用して測定することができる。
【0552】
ここに引用された刊行物、特許出願および特許を含む全ての文献は、あたかも、それぞれの文献が個別に、かつ詳しく参照により援用され、またその全内容が本明細書に(法律により許容される最大範囲まで)本明細書に記載されているのと同程度まで、参照により本明細書により援用される。
【0553】
本明細書における特許文献の引用および援用は単に便宜上行われているにすぎず、そのような特許文献の有効性、特許性、および/または権利行使性についての見解を反映させるものではない。本明細書における参考文献の言及は、これらが先行技術を構成するということを承認するものではない。
【0554】
本明細書においては、全ての表題および副題は便宜的に使用されているにすぎず、いかなる場合も本発明を限定するものとは解釈すべきでない。
【0555】
本明細書で提供しているあらゆる例、または例示的な語(例えば、「など」)の使用は、本発明を適切に例示することを意図しているにすぎず、他に特段の指示のない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中のいかなる語も、特許請求されていないいかなる要素も本発明の実施に必須であることを示しているものと解すべきではない。
【0556】
本明細書では、「含む(comprise)」という用語は、「含む(include)」、「含有する(contain)」または「包括する(comprehend)」を広く意味していると理解されたい(EPOガイドライン(C)、III、4.13を参照)。
【0557】
本発明は、適用される法律に許容される範囲まで、ここに提供されている請求項および条項に列挙された主題の全ての変更形態および均等物を含む。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]