特許第6069199号(P6069199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069199
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】2,5−フランジカルボン酸の合成方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/68 20060101AFI20170123BHJP
   B01J 23/42 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   C07D307/68
   B01J23/42 Z
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-522257(P2013-522257)
(86)(22)【出願日】2011年8月4日
(65)【公表番号】特表2013-534219(P2013-534219A)
(43)【公表日】2013年9月2日
(86)【国際出願番号】EP2011063482
(87)【国際公開番号】WO2012017052
(87)【国際公開日】20120209
【審査請求日】2014年6月12日
(31)【優先権主張番号】MI2010A001526
(32)【優先日】2010年8月6日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】592081988
【氏名又は名称】ノバモント・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】NOVAMONT SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】ボルソッティ,ジャンピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】ディジオイア,フランチェスカ
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−088134(JP,A)
【文献】 特開平02−088569(JP,A)
【文献】 特開2009−029751(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/054804(WO,A1)
【文献】 特開2007−261986(JP,A)
【文献】 米国特許第03326944(US,A)
【文献】 仏国特許発明第02669634(FR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)または5−ヒドロキシメチルフラン−2−カルボン酸(HMFA)の酸化による2,5−フランジカルボン酸(FDCA)の合成方法であり、
前記HMFAが非貴金属により促進されるHMFの酸化の準備段階において得られる反応中間体であり、
前記HMFまたはHMFAのFDCAへの酸化が、pHが弱塩基の添加により7より高くかつ12より低く維持される水溶液中で行われ、白金族の金属を含む担持された触媒により促進される、酸素または酸素含有化合物である酸化性物質により行われ、
前記弱塩基が5−ヒドロキシメチルフルフラールの酸化反応の開始前に添加され、5−ヒドロキシメチルフルフラールおよび前記弱塩基を含む水溶液のpH値が8より高いかまたは等しくかつ12より低く、かつ酸化反応の終わりでの水溶液のpH値が7より高くかつ11より低いか、または
前記弱塩基の一部が5−ヒドロキシメチルフルフラールの酸化反応の開始前に反応混合物に添加され、かつ一部が前記反応が開始された後に徐々に添加され、かつ水溶液のpHが7より高くかつ11より低く維持される、
2,5−フランジカルボン酸の合成方法。
【請求項2】
前記5−ヒドロキシメチルフルフラールの酸化が、酸素気流により行われる請求項1による方法。
【請求項3】
前記弱塩基が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、二塩基性および三塩基性リン酸塩緩衝液ならびにそれらの混合物から選択される請求項1または2による方法。
【請求項4】
記弱塩基が、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびマグネシウム、水酸化マグネシウムならびにそれらの混合物から選択される請求項による方法。
【請求項5】
前記5−ヒドロキシメチルフルフラールと触媒金属との間のモル比が、1:60と1:500との間である請求項1〜のいずれか1つによる方法。
【請求項6】
前記触媒が、炭素またはアルミナ上に担持されたPtまたはPdである請求項1〜のいずれか1つによる方法。
【請求項7】
前記触媒が、反応混合物中で再生利用される請求項1〜のいずれか1つによる方法。
【請求項8】
前記触媒が、少なくとも4回再生利用される請求項による方法。
【請求項9】
80と120℃との間の温度でかつ大気圧と10×105Paとの間の圧力で行われる請求項1〜のいずれか1つによる方法。
【請求項10】
前記反応中間体5−ヒドロキシメチルフラン−2−カルボン酸(HMFA)の精製を含む請求項1〜のいずれか1つによる方法。
【請求項11】
前記5−ヒドロキシメチルフルフラールが、バイオマスを含むセルロースまたは多糖類から得られることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つによる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の酸化による2,5−フランジカルボン酸(FDCA)の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2,5−フランジカルボン酸は、プラスチック、特にポリエステル類の製造におけるモノマーとして有用である、5−ヒドロキシメチルフルフラールの酸化された誘導体である。また、HMFと同様に、糖類から順次得られ、自然界で広く入手し得る原料の誘導体である。
2,5−フランジカルボン酸が主生成物として得ることができるHMFの酸化方法は、文献において公知である。
【0003】
文献US4,977,283(ヘキスト)は、白金族に属する金属触媒の存在下、6.5と8との間のpHでの水性環境で行われる、HMFの酸化方法を記載する。この特許は、pHを制御することにより、各種酸化生成物と副生物との間の比率に影響を与え得ることを開示する。この特許に収録されるデータによれば、pHの制御は、8未満のpHを一般的に維持する、水酸化ナトリウムもしくはカリウムのような塩基、酸または緩衝液により達成し得る。
【0004】
特許出願US2008/0103318(バテル)は、担持された白金により促進されるHMFの酸化方法を記載する。さらにこの場合、注目は、ことによると炭酸塩および重炭酸塩のような弱塩基の使用により、7を超えない値で維持されなければならないpHの作用として選択的な変化にある。2,5−フランジカルボン酸は、記載されている酸化生成物の1つである。
しかしながら、上記のHMFの酸化方法において使用される金属触媒は、触媒の活性低下および結果として生じる触媒作用の損失を免れない。これは、容易に回収し得る担持された触媒を使用するとはいえ、ただでさえ白金のような貴金属の高価な使用に費用を掛ける触媒を頻繁に交換するまたは再生する必要があることを意味する。
【0005】
特許出願FR2 669 634は、この欠点を解消するために再生利用する触媒の例を提供する。上記の文献は、触媒が特定量の鉛で強化されることにより、再生利用を可能にする、酸素の気流中、水性媒体中で白金により促進されるHMFの酸化を含むFDCAの合成方法を記載する。
【0006】
それにもかかわらず、この記載された方法は、1:50より少ないモル比に相当する、HMFに対して重量で1:10と1:30との間の比率で使用される、相当量の触媒の使用を要求する。
しかしながら、触媒とHMFとの間の同様の比率が、上記の文献による方法に関するデータから理解されるように、2,5−フランジカルボン酸へのHMFの高い酸化収率を達成するために必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US4,977,283
【特許文献2】US2008/0103318
【特許文献3】FR2 669 634
【発明の概要】
【0008】
本発明による2,5−フランジカルボン酸の合成方法は、限定された量の触媒を使用して、2,5−フランジカルボン酸を高収率で提供するという特定の利点を有する。また、後者は、その特定の触媒作用を維持する間、数回再生利用されてもよい。
【0009】
本発明は、特に、白金族の金属を含む担持された触媒により促進され、その方法が弱塩基の添加による弱い塩基での水溶液中で行われる、酸素の気流中における5−ヒドロキシメチルフルフラールの酸化による2,5−フランジカルボン酸の選択的な合成方法に関する。この方法は、HMFに対してモルで1:60と1:500との間での触媒の量の使用を提供する。また、反応混合物中で数回触媒を再生利用する、その上、90%を超える反応収率を維持する可能性を提供する。
「再生利用する(recycling)」および「再生利用された(recycled)」は共に、同じ触媒が同じ方法に関して1回だけでなく繰り返し使用されることを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
要するに驚くべきことに、弱塩基の添加により、反応環境における弱い塩基性のpHの維持が、触媒の活性低下から触媒を保護することが見出された。本発明による方法の条件下で、実際に、触媒の再生利用が、高収率で2,5−フランジカルボン酸を得ることを可能にさせる。これは、HMF反応物に対してより少量の触媒の使用にもかかわらず、方法の選択性が実質的でありかつ触媒作用が効果的に維持されることを確認する実情である。
【0011】
本発明による方法における出発物質は、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)である。HMFは、糖類、特にフルクトースおよびグルコースのようなヘキソースの脱水より得てもよい。前記糖類は、バイオマスを含むセルロースまたは多糖類の加水分解および可能な異性化により得てもよい。本発明の好ましい実施形態によれば、HMFは、このようにバイオマスを含むセルロースまたは多糖類から得られる。バイオマスを含むセルロースまたは多糖類は、自然界において広く入手し得る原材料の例であり、それ自体がHMF用の再生可能なソースである。
【0012】
脱水反応は、一般的に酸触媒を使用する多くの技術により実施されてもよく、水性および非水性溶媒を使用してもまた使用しなくてもよい。
本発明による方法のための出発物質として使用されるHMFは、糖類、多糖類またはセルロースバイオマスの処理過程の由来で副生物を含んでもよい。
【0013】
本発明の方法において、HMFの酸化は、水溶液中で行われ、かつpH条件が、分離された形態で存在する酸化反応の生成物がHMFの状態で水に容易に溶解する効果を有するという理由で、有機溶媒の助けを要求されない。30重量%までのHMF濃度での水溶液が有利に使用され、0.5と20重量%との間を構成するHMF濃度が好ましく、1と10重量%との間を構成するHMF濃度がさらに好ましい。
【0014】
本発明による方法において、HMFの酸化の原因となる酸化性物質は、酸素または酸素含有化合物である。反応は、反応器中にO2の流れを流動させることにより有利に行われる。
使用される触媒は、白金または白金族に属する金属に基づくものが有利であり、白金またはパラジウムの使用が特に好ましい。この触媒は、担持された形態で使用されるのが有利である。前記触媒用の担持体を提供する最も好ましい材料は、炭素またはアルミナである。担持する材料は、ナノ構造の形態であってもよく、かつ好ましくは1と10重量%との間の量で触媒を含んでいてもよい。
【0015】
本発明による方法の好ましい形態において、触媒は、炭素上に担持されたPtの5重量%を含む。
本発明による方法において使用される触媒は、反応物の量と比較して少量で使用される。HMFと触媒金属との間のモル比は、有利に60:1と500:1との間、好ましくは80:1と350:1との間、さらに好ましくは100:1と250:1との間にある。
【0016】
本発明による方法において使用される触媒は、90%を超える反応収率を維持して、反応混合物中で少なくとも1回有利に、好ましくは少なくとも4回有利に、再生利用される。
【0017】
5−ヒドロキシメチルフルフラールの酸化反応は、80と120℃との間、好ましくは90と110℃との間、より好ましくは90と105℃との間の温度で、かつ大気圧と10×105Paとの間、有利には2×105と8×105Paとの間、より有利には3×105と6×105Paとの間の圧力で行われる。
【0018】
公知のように、ブレンステッド−ローリー理論によれば、弱塩基は、水溶液中で完全にプロトン化されていない化学的な塩基であり、したがって結果として、NaOHまたはKOHのような強塩基と比較して、より高い水素濃度でかつより低いpHである。
【0019】
この発明を実施するために存在が要求される弱塩基は、小さい塩基の解離定数(Kb)、希薄溶液中、25℃でpKb≧1.5(≦1mol/dm3)、好ましくはpKb≧1.8、より好ましくはpKb≧2を有する。いかなる場合でも、前記塩基は、カニッツァロ反応のような好ましくない副反応が起こることを抑制するために、HMFの酸化反応の過程の間、反応環境において7より高いが12よりも低いpHを維持するために必要な量で使用される。
【0020】
本発明による弱塩基は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、二塩基性および三塩基性リン酸塩緩衝液およびそれらの混合物から選択される。
【0021】
反応環境における弱い塩基性のpHの維持は、HMFの酸化反応を開始する前に弱塩基を添加すること、あるいはHMFの酸化反応を開始する前に弱塩基の一部かつ前記反応が開始された後に一部を添加することにより達成される。
【0022】
HMFの酸化反応を開始する前に弱塩基を添加するとき、HMFおよび弱塩基を含む水溶液は、8より高いかまたは等しくかつ12より低い、好ましくは8.5より高くかつ11より低いpH値を有利に有する。弱塩基の存在は、酸化反応の過程の間、わずかに塩基性の反応環境を維持し、酸化反応の終わりにおいて、7より高くかつ11より低いpH値を有する水溶液を得る。このような条件の下で、触媒がほとんど変化されない、その固有の触媒作用を維持し、かつその再生利用がほとんどすべてのHMFの変換を伴い、選択的にFDCAの製造を可能にさせることが意外にも見出された。再生利用は、透明な最終的な溶液(無色からわずかに黄色)を得、かつ90%を超えるFDCAの生成収率を維持することを何回行ってもよい。
【0023】
HMFの酸化反応を開始する前に、弱塩基の一部を反応混合物に添加し、かつHMFの酸化反応が開始された後に、pHの変化によって一部を徐々に添加するとき、pH値は、7より高くかつ11より低く、好ましくは8より高くかつ8.5より低く有利に維持される。
【0024】
本発明の好ましい実施態様において、難溶性弱塩基が使用される。用語としての「難溶性弱塩基」は、20℃および1×105Pa圧力下で測定される20g/100gH2Oより低い、水中での溶解性を有する弱塩基を意味する。このような難溶性塩基は、反応を開始する前に有利に添加することができ、それらは反応の間に溶液中で徐々に変化して、それで酸化反応の過程の間、FDCAの生成量によってpH変化を平衡させ、かつわずかに塩基性の反応環境を維持する。
【0025】
好ましい難溶性弱塩基の例は、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびマグネシウム、水酸化マグネシウムならびにそれらの混合物である。特に好ましくは炭酸水酸化マグネシウムである。
【0026】
本発明の好ましい実施態様において、その方法は、例えば、銅のような非貴金属触媒(non-precious metals)を伴う、HMFの酸化による反応中間体の製造を含む準備段階を提供する。
有利に、前記中間体は、5−ヒドロキシメチルフラン−2−カルボン酸、HMFAである。この準備段階により得られるHMFAは容易に精製され、さらに触媒の寿命および活性におけるプラス効果を伴って、HMFよりも純度のよい中間体反応物(HMFA)を使用して実施される本発明による酸化を与える。
この場合、反応中間体の酸性を中和するために、適量の弱塩基を使用する必要がある。
【0027】
本発明により製造される2,5−フランジカルボン酸は、酸化反応の完了時に、分離された形態で水溶液中に存在する。触媒が公知の技術の方法で分離されると、FDCAは、水溶液を中和することにより、沈殿物の形態で得ることができる
本発明よる方法は、バッチもしくは連続的のいずれかにより実施することができる。
【実施例】
【0028】
次に、本発明による方法を次の限定されない実施例に基づいて記載する。
【0029】
実施例1
− 炭素 デグサタイプF101RA/Wに担持された5重量%白金を含む触媒の0.5g(シグマ−アルドリッチにより販売;50重量%含水)、
− HMFの2重量%水溶液の50g(HMF:Pt=123:1)、
− NaHCO3の1.5g
を、電磁撹拌機および酸素をバブリングするためのディップパイプ(dip pipe)を有する吸気口が取り付けられたオートクレーブ中に収納した。水溶液のpH値は8.1であった。
反応器を、O2を20L/hの流量でそれに供給する間、油浴中で100℃に加熱し、かつ5×105Paの圧力に維持した。
【0030】
4時間後、HMFの変換が実質的には完結した。分離された形態で2,5−フランジカルボン酸を含む無色の水溶液は、約9のpH値を有した。
触媒を濾過して取り除きかつ水で洗浄し;FDCAを沈殿させて取り出すために、水溶液を酸性にした。FDCAの生成量は、理論的なモル収率の95%であった。
濾過により回収された触媒を、同様の方法で反応を繰り返すために再び使用した。第1の再生利用する段階の後、最終的な溶液はまだ無色でかつFDCAの生成収率は再び理論上の95%であり、かつ次の第4の再生利用する段階に関して90%以上を維持した。
【0031】
比較例
− 炭素(デグサタイプF101RA/W)に担持された5重量%白金を含む触媒の0.5g、
− HMFの2重量%水溶液の50g(HMF:Pt=123:1)、
− NaHCO3の0.7g
を、実施例1において使用したものと同じオートクレーブ中に収納した。水溶液のpH値は8であった。
反応器を、O2を20L/hの流量でそれに供給する間、油浴中で100℃に加熱し、かつ5×105Paの圧力に保持した。
5時間後、水溶液は、約3のpH値を有した。触媒を濾過して取り除き、かつ水で洗浄した。FDCAの生成収率は、触媒における活性の著しい損失を指示する、理論上の70%であった。
【0032】
実施例2
− 炭素(デグサタイプF101RA/W)に担持された5重量%白金を含む触媒の0.50g、
− HMFの2重量%水溶液の50g(HMF:Pt=123:1)、
− 炭酸水酸化マグネシウムの0.8g(ライト(light)、シグマ−アルドリッチにより販売)
を、実施例1において使用したものと同じオートクレーブ中に収納した。オートクレーブを、O2を20L/hの流量でそれに供給する間、油浴中で100℃に加熱し、かつ5×105Paの圧力に維持した。5時間後、HMFの変換が実質的には完結した。反応溶液のpH値は、10.4から8.0に変化した。
【0033】
触媒を濾過して取り除きかつ水で洗浄し;FDCAを沈殿させて取り出すために、分離された形態で2,5−フランジカルボン酸を含む無色の水溶液を酸性にした。FDCAの生成収率は、理論上の94%であった。
濾過により回収された触媒を、同様の方法で反応を繰り返すために再び使用した。第5の再生利用する段階の後、最終的な溶液はわずかに黄色みがかりかつFDCAの生成収率は再び理論上の92%であり、かつ次の第2の再生利用する段階に関して90%以上を維持した。
【0034】
実施例3
− 炭素(デグサタイプF101RA/W)に担持された5重量%白金を含む触媒の0.5g、
− HMFの4重量%水溶液の50g(HMF:Pt=246:1)、
− NaHCO3の2.7g
を、実施例1において使用したものと同じオートクレーブ中に収納した。水溶液のpH値は8.1であった。
【0035】
反応を実施例1と同様にして行った。4時間後、分離された形態で2,5−フランジカルボン酸を含む無色の水溶液は、8.96のpH値を有した。FDCAの生成収率は、理論上の92%であった。
濾過により回収しかつ水で洗浄した触媒を、同様の方法で反応を繰り返すために再び使用した。第1の再生利用する段階の後、最終的な溶液はまだ無色でかつFDCAの生成収率は再び理論上の92%であり、かつ次の第3の再生利用する段階に関して90%以上を維持した。
【0036】
実施例4
− 炭素(デグサタイプF101RA/W)に担持された5重量%白金を含む触媒の0.5g、
− 水の50g、
− ヒドロキシメチルフランカルボン酸(HMFA)の2.84g、
− NaHCO3の3.5g
を、電磁撹拌機および酸素をバブリングするためのディップパイプを有する吸気口が取り付けられたオートクレーブ中に収納した。反応器を油浴中で100℃に加熱し、かつ5×105Paの圧力に保持した。O2を約20L/hの流量でそれに供給した。溶液のpH値は8であった。
【0037】
4時間後、水溶液のpH値は8.9でかつFDCAの生成収率は理論上の96%であった。
同様の方法での触媒の再生利用およびそれの繰り返しは、理論上の94.5%のFDCAの生成収率を提供した。