(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に使用し得るUVAサンスクリーン物質に関する唯一の要件は、ケト−エノール転位を受けるのが可能なことおよび溶媒に可溶なことである。この場合の“可溶”はUVAサンスクリーン物質がほぼ室温で溶媒に溶解し、(UVAサンスクリーン物質と溶媒との全重量を基準として)少なくとも約15重量%、好ましくは約25から約50重量%、最も好ましくは約30から約45重量%のUVAサンスクリーン物質を含有する溶液を形成でき、その中に包含されたすべての範囲を含むことを意味すると定義される。本発明に使用するための適当なUVAサンスクリーン物質はジベンゾイルメタンおよびその誘導体を含む。好ましい誘導体は典型的には式:
【0018】
【化1】
を有しており、式中の、
RはHまたはC
1−3アルキルであり、
R
1は直鎖状または分枝状のC
1−6アルキルであり、
R
2のおのおのは独立にC
1−4アルキルであり、iはゼロまたは1である。
【0019】
ひとつの極めて好ましい実施形態において、Rは水素であり、R
1はtert−ブチルであり、R
2はメチル基であり、iはゼロであり、最も好ましいUVAサンスクリーン物質は4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシベンゾイルメタン(アボベンゾン)である。
【0020】
本発明の複合粒子は溶媒中のUVAサンスクリーン物質および縮合樹脂によって形成されている。本発明に使用するための適当な縮合樹脂は典型的には、約3から約15の範囲の酸価および約6.5から約18の範囲の誘電定数をもち、その中に包含されたすべての範囲を含むことを特徴とする。樹脂はポリエステルまたはポリアミドでよく、好ましくはカルボン酸基を含む。ポリアミドが最も好ましく選択される。エステルを末端基とするポリアミドが特に望ましい。2つの例は、ポリアルキレンオキシポリアミド(PAOPA)樹脂およびエステルを末端基とするポリ(エステル−アミド)(ETPEA)樹脂である。
【0021】
本発明のサンスクリーン複合粒子を製造するために使用し得るポリアルキレンオキシポリアミド樹脂はUS6492458B1に概説されており、該特許の開示は参照によってここに組み込まれる。これらのPAOPA材料は、モノカルボン酸化合物とジアミン化合物と二塩基酸とを含む反応体を組み合わせることによって製造し得る。これらの反応体の具体例を以下に記載する。樹脂はArizona Chemical CompanyからINCI命名法でポリアミド−3と呼ばれている商標Sylvaclear
(R)PA1200VおよびSylvaclear
(R)AF1900Vとして市販されている。式R
1−COOHの代表的なモノカルボン酸は非限定的に、ステアリン酸(C
18)、1−エイコサン酸(C
20)、1−ドコサン酸(C
22、ベヘン酸としても知られる)、ドトリコンタン酸(C
32)、テトラトリアコンタン酸(C
34)、ペンタトリアコンタン酸(C
35)、テトラコンタン酸(C
40)、テトラアコンタン酸(C
44)、ドペンタアコンタン酸(C
54)、テトラヘキサアコンタン酸(C
64)およびドヘキサアコンタン酸(C
72)を含む。これらのモノカルボン酸は、Aldrich Chemical(Milwaukee,Wis.;
www.sigma−aldrich.com)を含む多くの商品供給業者から入手可能である。
【0022】
他の適当なモノカルボン酸は、酸化された(具体的にはカルボキシルを末端基とする)ポリエチレン材料であり、Baker−Petrolite(Sugar Land,Tex.;
www.bakerhughes.com/bapt/;division of Baker Hughes;
www.bakerhughes.com)によってそれらのUNICID
TM酸として販売されている。UNICID
TM酸は、C
24からC
50の範囲の平均炭素鎖長をもつ完全飽和された直鎖状のカルボン酸である。UNICID
TM酸の酸価は60から115の範囲の様々な値である。
【0023】
また別の適当なモノカルボン酸は、より高い分子量のGuerbetアルコールを酸化することによって製造されたアルファ−分枝をもつカルボン酸である。このような製品はJarchem Industries Inc.(Newark,N.J.;
www.jarchem.com)からJARIC
TM酸として入手可能である。JARIC
TM I−36酸はしばしば、本発明のサンスクリーン複合粒子の製造に適した樹脂用の望ましいモノカカルボン酸である。
【0024】
ジアミン反応体または化合物は、双方が好ましくは第一級アミンである二つのアミン基を有しており、式HN(R
3)−R
4−N(R
3)Hによって表される。R
3のおのおのは好ましくは水素であるがアルキル基でもよく、または、R
4もしくはもう一つのR
3と共に複素環構造を形成してもよい。好ましいジアミンはエチレンジアミン、すなわちR
3が水素でR
4が−CH
2CH
2−を表すジアミンである。
【0025】
エチレンジアミン以外のジアミンをこの文中では補助ジアミン(co−diamine)と呼ぶ。存在する場合、補助ジアミンは好ましくはエチレンジアミンに比べて少量で使用される。
【0026】
代表的な補助ジアミンは、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,3−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノペンタン、2,3−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン、HMDAとしても知られる)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジアミノフェナントレン(9,10を含むすべての異性体)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、2,7−ジアミノフルオレン、フェニレンジアミン(1,3;1,3および/または1,4異性体)、アダマンタンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,8−ジアミノ−p−メンタン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン(1,5;1,8および2,3を含むすべての異性体)、および、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを含む。
【0027】
適当な芳香族補助ジアミン(これは2個の反応体好ましくは第一級アミン基(−NH
2)と少なくとも1個の芳香環(“Ar”)とを有する分子を意味する)は、キシレンジアミンおよびナフタレンジアミン(すべての異性体)を含む。
【0028】
ポリアルキレンオキシドを基材とする代表的な補助ジアミンは非限定的に、Huntsman Chemical(Salt Lake City,Utah)から提供されているJEFFAMINE
TM、すなわち、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンを含み、ポリエーテルジアミンとしても知られる。好ましいポリアルキレンオキシド含有補助ジアミンはJEFFAMINE
(R) ED、XTJおよびDシリーズのジアミンである。
【0029】
いくつかの実施形態においては本発明に使用するための適当なポリアミド樹脂が補助ジアミンから製造され、この場合の補助ジアミンは、1,6−ヘキサンジアミン、キシレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンから選択される。本発明の適当なジアミンは、Aldrich(Milwaukee,Wis.)、EM Industries,Inc.(Hawthorne,N.Y.)、Lancaster Synthesis,Inc.(Windham,N.H.)およびSpectrum Quality Product,Inc.(New Brunswisk,N.J.)を含む多数の商品提供元から入手可能である。
【0030】
二塩基酸は、2個のカルボン酸基またはその反応性等価物を含有する有機分子である。好ましい二塩基酸は重合脂肪酸、特に重合脂肪酸の二量体酸成分である。重合脂肪酸は典型的には二量体酸および三量体酸を含む構造の混合物であり、個々の二量体酸は飽和、不飽和、環状、非環状およびそれらの組合せのいずれでもよい。重合脂肪酸は典型的には、長鎖不飽和脂肪酸たとえばC
18モノカルボン酸をクレー触媒の存在下で約200から250℃に加熱して脂肪酸を重合させることによって形成される。生成物は典型的には、脂肪酸の二量体化によって形成された二量体酸すなわちC
36ジカルボン酸と、脂肪酸の三量体化によって形成された三量体酸すなわちC
54トリカルボン酸とを含む。脂肪酸重合のより詳細な論考はUS3157681に見出すことができよう。
【0031】
脂肪酸重合は典型的には三量体酸よりもはるかに多い二量体酸を形成するので、当業者はしばしば、ある程度の三量体酸またはもっと高度な重合生成物が二量体酸と共に存在する場合であっても、重合脂肪酸を二量体酸と呼ぶ。重合脂肪酸が重合脂肪酸の全重量を基準として約20重量%未満の三量体酸を含有し二量体酸が重合脂肪酸の少なくとも約80重量%を構成するのが好ましい。より好ましくは二量体酸が重合脂肪酸の本質的に全部を構成する。
【0032】
重合脂肪酸を形成するために使用される典型的な不飽和脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を含む。木材パルプ製造工程の副生物として得られる長鎖不飽和脂肪酸を含有する混合物であるタル油脂肪酸は重合脂肪酸の製造に好ましい。
【0033】
重合脂肪酸を樹脂形成反応に使用する前に水素化してもよい。水素化は融点をいくらか上昇させ、酸化および色の安定性を強化する。
【0034】
重合脂肪酸、二量体酸およびそれらの水素化形態は多くの商品供給業者から入手できるであろう。たとえば、Arizona Chemical(Jacksonville,Fla.)はUNDYNE
(R)という商標の重合脂肪酸を販売している。
【0035】
重合脂肪酸またはそれらの反応性等価物に加えて、二塩基酸が補助二酸(co−diacid)を含んでもよい。代表的な補助二酸は式HOOR−R
1−COOHのいわゆる“直鎖状”二酸であり、式中のR
1は直鎖状C
4−17炭化水素基、より好ましくは直鎖状C
6−8炭化水素基である。本発明に適した直鎖状補助二酸は、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7−ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8−オクタン二酸(スベリン酸)、1,9−ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10−デカン二酸(セバシン酸)、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸(1,10−デカンジカルボン酸)、1,13−トリデカン二酸(ブラシル酸)および1,14−テトラデカン二酸(1,12−ドデカンジカルボン酸)を含む。
【0036】
別の代表的な補助二酸は、アクリル酸またはメタクリル酸(または、後の加水分解段階で酸を形成するそれらのエステル)と不飽和脂肪酸との反応生成物である。たとえば、この種のC
21二酸は、アクリル酸とC
18不飽和脂肪酸(たとえばオレイン酸)とを反応させることによって形成され、この場合には反応体間でエン反応が生じると推測される。代表的なC
21二酸は、Westvaco Corporation,Chemical Division,Charleston Heights,S.C.からそれらの製品番号1550で市販されている。
【0037】
芳香族二酸は補助二酸として使用され得る。ここに使用した“芳香族二酸”は、2個のカルボン酸基(−COOH)またはそれらの反応性等価物(たとえば酸塩化物(−COCl)またはエステル(−COOR))と少なくとも1個の芳香環(“Ar”)とを有する分子である。フタル酸、たとえばイソフタル酸およびテレフタル酸が代表的な芳香族二酸である。
【0038】
一つの態様によれば、樹脂は補助二酸によって製造され、補助二酸は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸から選択される。
【0039】
本発明に有用な第二のクラスのポリアミドはエステルを末端基とするポリ(エステル−アミド)樹脂である。これらは、二塩基酸、ジアミン、ポリオールおよびモノアルコールを含む成分を反応させることによって製造され、この場合、二塩基酸の少なくとも50等価%が重合脂肪酸を含み、ジアミンの少なくとも50等価%がエチレンジアミンを含む。典型的な二塩基酸およびジアミンに関してはこの文中で既に前述した。
【0040】
エステルを末端基とするポリ(エステル−アミド)樹脂のもう1つの成分はモノアルコール反応体である。モノアルコールは式R
5−OHによって表すことができ、式中のR
5は好ましくは少なくとも10個の炭素原子を有している炭化水素基である。したがってモノアルコールはまた一価アルコールと記述することもできる。1つの態様によれば、R
5はC
10−30炭化水素、好ましくはC
12−24炭化水素、いっそう好ましくはC
16−22炭化水素、よりいっそう好ましくはC
18炭化水素である。好ましくはR
5が直鎖状であり、ヒドロキシル基が末端炭素原子上に位置している。すなわち、モノアルコールが第一級モノアルコールである。したがって、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール(セチルアルコール)、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、1−エイコサノール(アラキジルアルコール)および1−ドコサノール(ベヘニルアルコール)が発明のポリアミド樹脂を製造するための好ましいモノアルコールである。
【0041】
別の適当なモノアルコール反応体はいわゆるGuerbetアルコールである。Guerbetアルコールは一般式H−C(Ra)(Rb)−CH
2−OHを有しており、式中のRaおよびRbは同じでも異なっていてもよく、好ましくはC
6−12炭化水素基を表す。
【0042】
別の適当なモノアルコール反応体は直鎖状ワックスアルコールである。適当な直鎖状ワックスアルコールはたとえばPetrolite Corporation(Tulsa,Okla.)からそれらのUNILIN
(R)商標で市販されている。これらのワックスアルコールは典型的には、少なくとも約20個の炭素原子、より典型的には少なくとも約24個の炭素原子を有している直鎖状アルコールのブレンドである。
【0043】
本発明に使用するための適当なETPEA樹脂を製造するときに使用される最後の成分はポリオールであり、これは多価アルコールと呼ぶこともできる。ポリオールは式R
6(OH)
tを有しており、式中のR
6はn価の有機基である。たとえばR
6はヒドロキシル置換のないC
2−C
20有機基であろう。別の例としてはR
6が炭化水素でもよい。典型的にはtは約2から約6の整数である。本発明のETPEA樹脂の製造に使用するための適当なポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、トリス(ヒドロキシメチル)メタノール、ジ−ペンタエリトリトールおよびトリ−ペンタエリトリトールを含む。
【0044】
ETPEA樹脂の製造および詳細は参照によってここに組み込まれるUS7329719B2に見出される。
【0045】
UVAサンスクリーン物質は樹脂全体に分散することもできまたは樹脂によって包囲されたコアとして形成されてもよい。樹脂全体に分散しているのが好ましい。典型的には縮合樹脂がサンスクリーン複合粒子の全重量の約25から約98重量%、好ましくは約35から約85重量%、最も好ましくは約45から約75重量%を構成し、その中に包含されたすべての範囲を含み、ここで、これらの粒子は少なくとも約15重量%のUVAサンスクリーン物質を溶解させた溶媒を用いて調製される。本発明のサンスクリーン複合粒子中にしばしば見出される(添加されている)UVAサンスクリーン物質の量は、粒子の全重量を基準として典型的には約0.5から約55重量%、好ましくは約2から約50重量%、最も好ましくは約3から約45重量%であり、その中に包含されたすべての範囲を含む。
【0046】
本発明のサンスクリーン複合粒子の製造に使用するための適当な溶媒に関する要件は、サンスクリーン物質が該溶媒に可溶であることおよび好ましくは約5.5から約9の誘電定数を有することだけである。特に好ましい実施形態においては、溶媒がUVAサンスクリーン物質のケト-エノール転位を可能にする。
【0047】
1つの望ましい実施形態において、溶媒はイミド、フタルイミド基材またはそれらの混合物である。より望ましい実施形態において、溶媒は式:
【0048】
【化2】
によって表される化合物を含み、式中のR
7はC
1−8の直鎖状または分枝状アルキルであり、R
8のおのおのは独立にH、OH、C
1−3アルコキシまたはC
1−5アルキル基である。
【0049】
上記のイミドから誘導されたジ−および/またはトリ−イミドを使用することも本発明の範囲内である。
【0050】
ひとつの好ましい実施形態において、溶媒は、式:
【0051】
【化3】
によって表される化合物の混合物であり、式中のR
9はC
1−6の直鎖状または分枝状アルキルであり、R
10のおのおのは独立にHまたはC
1−3アルキルである。
【0052】
ひとつの極めて好ましい実施形態において、R
10は水素であり、R
9は約60から約70重量%の
【0053】
【化4】
と約25から約40重量%の
【0054】
【化5】
とを含む共融混合物である。
【0055】
このような混合物をこの文中ではブチル/イソプロピルフタルイミドと呼ぶ。
【0056】
粒子を製造するとき、溶媒は典型的には粒子の約10から約55重量%、好ましくは約12から約45重量%、最も好ましくは約12から約35重量%を構成し、その中に包含されたすべての範囲を含む。
【0057】
本発明のサンスクリーン複合粒子のサイズ(数平均)は様々であり得るが、典型的には粒子が約5から約3000nm、好ましくは約10から1500nm、最も好ましくは約40から約1200nmの範囲であり、その中に包含されたすべての範囲を含む。
【0058】
既製の消費者用組成物を調製するためには、このような組成物が組成物の全重量を基準として典型的には約0.1から約40重量%、好ましくは約0.5から約20重量%、最も好ましくは約0.75から約12重量%のサンスクリーン複合粒子を含み、その中に包含されたすべての範囲を含む。
【0059】
本発明の複合粒子はクリームおよびローションのような化粧品組成物に配合し得る。これらの粒子は、一般的に好まれる化粧品適格担体に組み込まれるであろう。
【0060】
担体は液体または固体材料でよい。担体は化粧品組成物の約5から約98重量%、好ましくは約20から約95重量%、最適には約40から約80重量%の量で存在し得る。本発明で最頻用担体は水である。水と乳化剤との存在下の油性担体は担体としてエマルジョン系を形成するであろう。これらの系は油中水型または水中油型のエマルジョンであろう。水以外の適当な担体のクラスは、シリコーン、多価アルコール、脂肪アルコール、炭化水素、トリグリセリドおよび増粘剤粉末を含む。
【0061】
流体シリコーンの濃度は組成物の約5から約60重量%、より好ましくは約5から約40重量%の範囲でよい。これらのシリコーン流体は、有機性、シリコーン含有またはフッ素含有で、揮発性または不揮発性、極性または非極性でよい。
【0062】
特に好ましい揮発性シリコーンオイルは、反復単位が約3から約5の範囲の環状揮発性シリコーン、反復単位が約1から約7の範囲の直鎖状シリコーンである。揮発性シリコーンオイルの極めて好ましい例は、様々な粘度のシクロメチコーン、たとえば、Dow Corning 200、Dow Corning 244、Dow Corning 245およびDow Corning 344およびDow Corning 345(Dow Corning Corp.から市販されている)ならびにSWS Silicones Corp(SWS Silicones Corp.から市販されている)を含む。
【0063】
炭化水素は本発明の組成物のための化粧品適格担体として有用であろう。それらは、鉱油、ペトロラタムおよびポリアルファ−オレフィンを含み得る。好ましい揮発性炭化水素の例は、イソドデカンおよびイソデカンのようなポリデカン類(たとえばPresperse Inc.から入手可能なPermethyl−99A)、C
7−C
8からC
12−C
15のイソパラフィン類(たとえばExxon Chemicalsから入手可能なIsoparシリーズ)を含む。
【0064】
多価アルコールは担体として役立つであろう。このグループの代表は、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびそれらの混合物である。グリセリンとしても知られるグリセロールが最も好ましい。
【0065】
脂肪アルコールも有用な担体であろう。“脂肪”という用語は10から30炭素原子の範囲の炭素鎖長を表す。この種類の代表はラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコールおよびそれらの組合せである。
【0066】
トリグリセリドは担体として有用な材料の別のグループである。代表例は非限定的に、ヒマワリ種油、綿実油、カノーラ油、ダイズ油、ヒマシ油、ルリヂサ油、オリーブ油、シアバター、ホホバ油およびそれらの混合物である。モノ−およびジ−グリセリドも有用であろう。これらの種類の代表は、グリセリルモノステアレートおよびグリセリルジステアレートである。カプリル/カプリントリグリセリドと呼ばれるトリグリセリドがしばしば好ましい。
【0067】
担体は1種以上の増粘剤を好ましくは組成物の約0.05から約10重量%、より好ましくは約0.1から約5重量%、いっそう好ましくは約0.25から約4重量%含み得る。増粘剤の非限定的クラスは以下の群から選択される。
【0068】
a.カルボン酸ポリマー
これらのポリマーはアクリル酸、置換アクリル酸、これらのアクリル酸および置換アクリル酸の塩およびエステルに由来の1種以上のモノマーを含有する架橋化合物であり、架橋剤は2つ以上の炭素−炭素二重結合を有しており多価アルコールに由来する。
【0069】
本発明に有用な市販のカルボン酸ポリマーの例はカルボマーを含み、これはスクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーである。カルボマーは、Noveon CorporationからCarbopol
(R)900シリーズとして入手可能である(たとえばCarbopol
(R)954)。さらに、他の適当なカルボン酸重合剤は、C
10−30アルキルアクリレートと1種以上のアクリル酸、メタクリル酸のモノマーまたはそれらの短鎖(すなわちC
1−4アルコール)エステルの1つとのコポリマーを含み、その架橋剤はスクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/C
10−30アルキルアクリレートクロスポリマーとして知られており、Noveon Corporationから、Carbopol
(R)1342、Carbopol
(R)1382、Ultrez
(R)21、Pemulen
(R)TR−1およびPemulen
(R)TR−2として市販されている。
【0070】
b.タウレートポリマー
本発明の組成物は場合により、アニオン性、カチオン性および非イオン性ポリマーを含む増粘剤またはゲル化剤として有用な架橋タウレートポリマーを含むことができる。その例は、ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム(たとえば、Simulgel
(R)NSおよびINS 100)、アクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム(たとえば、Simulgel
(R)EG)、アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム(たとえば、Simulgel
(R)800)およびアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ビニルピロリドン(たとえば、Aristoflex
(R)AVC)を含む。
【0071】
c.ポリアクリルアミドポリマー
本発明の組成物は場合により、ビニル重合ポリアクリリルアミドポリマー、特に置換した分枝状または非分枝状ポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを含むことができる。これらのポリアクリルアミドポリマーのうちでは、CTFA名称ポリアクリルアミドが与えられた非イオン性ポリマー、イソパラフィンおよびlaureth−7が好ましく、商品名Sepigel
(R)305でSeppic Corporationから入手可能である。
【0072】
本発明に有用な他のポリアクリルアミドポリマーは、アクリルアミドおよび置換アクリルアミドとアクリル酸および置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマーを含む。市販されているこれらのマルチブロックコポリマーの例は、Lipo Chemicals,IncのHypan SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hを含む。
【0073】
d.多糖
多様な種類の多糖が本発明に有用である。“多糖“は反復糖(すなわち、炭水化物)単位の主鎖を含有するゲル化剤を表す。多糖ゲル化剤の非限定例は、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微晶質セルロース、セルロース硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物から成る群から選択されたものを含む。
【0074】
e.ガムおよびクレー
本発明に有用な他の増粘剤およびゲル化剤は、主として天然資源に由来する材料を含む。非限定例は、アラビアガム、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カルシウムカラゲナン、カルニチン、カラゲナン、デキストリン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ラポナイト、ベントナイト、ヒアルロン酸、水和シリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、ケルプ、イナゴマメガム、ナットーガム、カリウムカラゲナン、プロピレングリコールアルギネート、スクレロチウムガム、ナトリウムカルボキシメチルデキストラン、ナトリウムカラゲナン、トラガカントガム、キサンタンガムおよびそれらの混合物から成る群から選択された材料を含む。
【0075】
本発明の組成物は1種以上の他の微粒子材料を含有し得る。他の微粒子材料の非限定例は、有色および無色の顔料、干渉顔料、無機粉末、有機粉末、複合粉末、蛍光増白剤およびそれらの組合せを含む。微粒子材料は組成物の約0.01から約20重量%、より好ましくは約0.05から約10重量%、いっそう好ましくは約0.1から約5重量%存在し得る。
【0076】
本発明に有用な他の微粒子材料は非限定的に、ビスマスオキシクロリド、セリサイト、雲母、硫酸バリウムまたは二酸化チタンで処理した雲母、ゼオライト、カオリン、シリカ、チッ化ホウ素、ラウロイルリシン、ナイロン、滑石、スチレン、ポリスチレン、エチレン/アクリル酸コポリマー、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酢酸セルロース、PTFE、ポリメチルメタクリレート、デンプン、改質デンプン、絹、ガラスおよびそれらの混合物を含む。好ましい有機粉末/充填剤は、Toshiba Siliconeによって商品名Tospearl 145Aで販売されているようなメチルシルセスキオキサン樹脂ミクロスフェア、Seppicによって商品名Micropearl M100で販売されているようなポリメチルメタクリレートのミクロスフェア、特にDow Corning Toray Siliconeによって商品名Trefil E 506CまたはTrefil E 505Cで販売されているような架橋ポリジメチルポリシロキサンの球形粒子、特にAtochemによって商品名Orgasol 2002N Nat C05で販売されているようなポリアミドおよびより具体的にはナイロン12の球形粒子、Dyno Particlesによって商品名Dynospheresで販売されているようなポリスチレンミクロスフェア、Koboによって商品名FloBead EA209で販売されているようなエチレンアクリレートコポリマー、PTFE、ポリプロピレン、National Starchによって商品名Dry Floで販売されているようなオクテニルコハク酸アルミニウムデンプン、Equistarによって商品名Microthene FN510−00で販売されているようなポリエチレンのミクロスフェア、シリコーン樹脂、L−ラウロイルリシンから製造された小円板形粉末、および、それらの混合物から選択された重合粒子を含む。一次粒子の平均粒度が0.1から7ミクロン、好ましくは0.2から30ミクロンである球形粉末が特に好ましい。
【0077】
組成物(すなわち、サンスクリーン複合粒子ではない)には場合により追加のサンスクリーン物質が添加されてもよい。代表例は、ベンゾフェノン、UVグレードの酸化亜鉛、ならびに、オクチルメトキシケイ皮酸塩、フェニルベンズイミダゾール、メチルアントラニレート、ホモサレート、オクチサレート、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、オルトアミノベンゾエート、UVAグレードのTiO
2、それらの混合物、などを含む。このようなサンスクリーン物質が添加されたときには組成物の30重量%未満、しばしば組成物の約0.01から約15重量%を構成し、その中に包含されたすべての範囲を含む。
【0078】
本発明のサンスクリーン複合粒子が配合された化粧品組成物はまた物性および性能を強化する成分を含有し得る。
【0079】
このような成分が化粧品組成物に組み込まれるときには健全な判断の範囲内で不適切な毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴うことなくヒトのケラチン様組織に接触して使用するのに適していなければならない。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition(1992)は、スキンケア産業で常用であり本発明の組成物に使用するのに適した多様な種類の化粧品用および医薬品用の成分を非限定的に記載している。これらのクラスの例は、研磨剤、吸収剤、香料、顔料、着色料/色素、精油などの美的成分、乳化剤(たとえばセテアリールアルコール、および、Promulgen Dとして販売されているCeteareth、PEG−100ステアレート、コレステロールNF、セッケン、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、ジステアリルジモニウムクロリド、C
12−20トリアルキルベタインおよびそれらの混合物)、皮膚感触改善剤、収斂剤など(たとえば、クローブ油、メントール、ショウノウ、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、アメリカマンサク抽出物)、ニキビ防止剤、凝固防止剤、抑泡剤、抗菌剤、抗酸化剤、生物的添加剤、緩衝剤、増量剤、キレート剤、化学的添加剤(たとえばEDTA二ナトリウム)、色素、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬剤用収斂剤、外用鎮痛剤、膜形成性ポリマー(たとえばイソヘキサデカン)、乳白剤(たとえばTiO
2)、pH調整剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚美白および明色化剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚鎮静および/または治癒用の薬剤および誘導体、皮膚トリートメント剤、増粘剤(たとえば、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸およびリシノール酸のような10から30個の炭素原子を有している脂肪酸)、ならびに、ビタミンおよびその誘導体を含む。
【0080】
安全で有効な量の抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーは組成物の約0.01から約10重量%、より好ましくは約0.1から約5重量%の量で添加し得る。
【0081】
抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーとしては、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(たとえばアスコルビルリン酸マグネシウム)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロールソルベート、トコフェロールアセテート、トコフェロールの他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびそれらの塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(商品名Trolor
(R)で市販)、アミン類(たとえばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、ノルジヒドログアイアレン酸、バイオフラボノイド、アミノ酸、シリマリン(Silymarin)、茶エキス、ならびに、ブドウ皮/種エキスなどを使用し得る。好ましい抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーはトコフェロールのエステルから選択され、より好ましくはトコフェロールアセテートである。
【0082】
本発明のサンスクリーン複合粒子を含む組成物は所望ならばフラボノイド化合物を含んでもよい。フラボノイドは、参照によってここに組み込まれるUS5686082およびUS5686367に開示されている。特に適当なフラボノイドの例は、フラボン、イソフラボン、クマリン、クロモン、ディスクマロール、クロマノン、クロマノール、それらの異性体(たとえばシス/トランス異性体)およびそれらの混合物である。
【0083】
フラボンおよびイソフラボン、特に、ダイゼイン(7,4’−ジヒドロキシイソフラボン)、ゲニステイン(5,7,4’−トリヒドロキシイソフラボン)、エクオール(7,4’−ジヒドロキシイソフラバン)、5,7−ジヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、ダイズイソフラボン(ダイズから抽出された混合物)、および、それらの混合物が好ましく使用される。本発明に有用なフラボノイド化合物は多くの提供元、たとえば、Indofine Chemical Company Inc.,Stearloids,Inc.およびAldrich Chemical Company,Inc.から市販されている。ここに記載したフラボノイド化合物は好ましくは約0.01から約20重量%、より好ましくは約0.1から約10重量%、いっそう好ましくは約0.5から約5重量%で存在する。
【0084】
本発明に有用な抗炎症剤はアラントイン、および、カンゾウ(植物属/種
Glycyrrhiza glabra)科の化合物たとえばグリシルレチン酸、グリシルリジン酸およびそれらの誘導体(たとえば塩およびエステル)を含む。
【0085】
組成物が日焼け活性物質を含んでもよい。存在するときには組成物が組成物の全重量を基準として約0.1から約20重量%、より好ましくは約2から約7重量%の日焼け活性物質を含んでいるのが好ましい。好ましい日焼け活性物質はジヒドロキシアセトンである。
【0086】
組成物が皮膚明色化剤を含んでもよい。使用されるときには組成物が好ましくは組成物の約0.1から約10重量%、より好ましくは約0.2から約5重量%、同じく好ましくは約0.5から約2重量%の皮膚明色化剤を含む。適当な皮膚明色化剤は、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、トラネキサム酸、胎盤エキス、アスコルビン酸とその誘導体(たとえば、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルグルコシドおよびアスコルビルテトライソパルミテート)を含む。本発明に使用するための適当な他の皮膚明色化材料はActiwhite
(R)(Cognis)、Emblica
(R)(Rona)、Azeloglicina(Sinerga)およびエキス(たとえば桑の実エキス)を含む。
【0087】
本発明の組成物は抗菌性または抗真菌性活性物質を含んでもよい。このような活性物質は微生物を駆除し、微生物の増殖を予防するかまたは微生物の病原作用を予防することができる。安全で有効な量、好ましくは組成物の約0.001から約10重量%、より好ましくは約0.01から約5重量%、いっそう好ましくは約0.05から約2重量%の抗菌性または抗真菌活性物質を本発明の組成物に添加し得る。
【0088】
潜在的に有害な微生物の増殖を防御するために本発明のサンスクリーン複合粒子を含む組成物に保存剤を組み込むのが望ましい。本発明の組成物に適した伝統的な保存剤は、パラ−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。もっと最近に使用されるようになった他の保存剤は、ヒダントイン誘導体、プロピオネート塩、および、様々な第四級アンモニウム化合物を含む。化粧品化学者は適切な保存剤に精通しており、保存剤チャレンジテストに合格し製品安定性を与える保存剤を造作なく選択できる。特に好ましい保存剤はヨードプロピニルブチルカーバメート(たとえば商品名Glydant Plus
(R)で販売されているDMDHヒダントインとの混合物)、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニルウレア、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールである。保存剤は組成物の用途および保存剤とエマルジョン中の他の成分との間に生じ得る不適合性を考慮して選択されなければならない。保存剤は好ましくは、組成物の約0.01から約2重量%の範囲の量で使用され、その中に包含されたすべての範囲を含む。このような保存剤は組成物に直接添加されてもよく、または、製造中のサンスクリーン複合粒子に添加されてもよい。
【0089】
これらの活性物質の好ましい例は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、アゼライン酸、アラキドン酸、過酸化ベンゾイル、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロクス、シクロピロクス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、クリンバゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、硫酸ネオサイシン、およびそれらの混合物から成る群から選択されたものを含む。
【0090】
本発明の組成物は、保湿剤、湿潤剤、皮膚コンディショナーから成る群から選択されたコンディショニング剤を含んでもよい。様々なこれらの材料を使用でき、おのおのは組成物の約0.01から約40重量%、より好ましくは約0.1から約30重量%、いっそう好ましくは約0.5から約15重量%のレベルで存在できる。これらの材料は非限定的に、グアニジン、尿素、グリコール酸とグリコール酸塩(たとえば、アンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム)、乳酸と乳酸塩(たとえば、アンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム)、様々な形態のいずれかであるアロエベラ(たとえばアロエベラゲル)、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびヘキシレングリコールなどのようなポリヒドロキシ化合物、ポリエチレングリコール類、糖およびデンプン誘導体(たとえばアルコキシル化グルコース、フルクトース、スクロース、トレハロース)、ヒアルロン酸、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、スクロースポリエステル、ペトロラタム、および、それらの混合物を含む。
【0091】
サンスクリーン複合粒子および組成物は一般的に、所望の成分を適度な剪断および大気圧下に混合することによって調製される。加熱がしばしば望ましいが、加熱温度は120℃を超過しないのが好ましい。
【0092】
本発明の組成物は非限定的に、ローション、乳液、ムース、清澄液体(serum)、スプレー、エアゾール、フォーム、スティック、ペンシル、ジェル、クリームおよび軟膏を含む。また、合成および/または天然繊維の製織布または不織布(拭き取りまたはペーパータオル)によって組成物を塗布してもよい。
【0093】
以下の実施例は特許請求の範囲に記載の発明をより十分に理解するための例証として提示されている。実施例は特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0094】
[実施例1]
本発明のサンスクリーン複合粒子の典型的な製造方法をここに記載する。表面に掻き取りブレード(スクレーパー)を有しているEscolabor
TMミキサー(1リッターモデル、Riehn Switzerland製)を具備した容器に300グラムの量の水を充填した。次に水を60℃に加熱した。50グラムの樹脂たとえばSylvaclear AF1900V
(R)、20グラムのUVAサンスクリーン物質たとえば4−(1,1−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)および30グラムの溶媒すなわちブチル/イソブチルフタルイミド(誘電定数7.0)を金属ビーカーに充填した。ビーカーを水浴中に設置した。樹脂混合物を約90から105℃に加熱し、均質になるまで混合した。次に、加熱した水の容器にビーカーから樹脂をゆっくりと混練しながら添加し(スクレーパーを20%の能力で使用)、次いで冷却期間をおいた。次に、(遠心機によって)本発明の複合粒子を水相から微粒子として分離した。微粒子はpH約5.8、誘電定数7.4および直径(数平均粒度)約280nmを有することが知見された。
【0095】
[実施例2]
この実施例の複合粒子は実施例1の粒子の製造に使用した手順と同様の手順で製造したが、50グラムのSylvaclear
(R) AF1900Vの代わりに50グラムのSylvaclear
(R) RA1200Vを使用し、溶媒として30グラムのブチル/イソブチルフタルイミドの代わりに35グラムのアジピン酸ジブチル(誘電定数4.2)を使用し、アボベンゾンを20グラムでなく15グラム使用した。
【0096】
[実施例3]
本発明の予想以上の特徴を例証するためにサンスクリーン複合粒子を用いて一連の比較組成物/サンプルを調製した。得られた結果は以下に記載の組成物に関して行った評価の直接的な結果である。
【0097】
以下の表1の諸相を合わせることによって組成物を調製した。相Aおよび相Bを合わせて混練し約80から85℃の温度に加熱した。適度の撹拌を伴って相Cから相Hまでを添加すると得られた混合物の温度は約55から60℃に維持されていた。調製した混合物をホモジナイズし、ホモジナイゼーション中に約45℃の温度で相Iを添加した。5から10分間で混合が完了した。温度を約40℃に維持して相Jを添加した。周囲条件にして組成物の残分を水で補充した。
【0098】
【表1】
【0099】
SPF測定
紫外線防御指数(SPF)はOptometrics SPF 290計器を使用してインビトロで測定した。テスト手順にはOptometrics SPF 290計器のモノクロメーターおよびサンプルステージの校正を要した。その後で計器をブランクサンプル石英プレート(10cm×10cmおよび3mm厚さ)で校正した。UVデテクタを0に校正した。組成物をプレートに塗布して均等に延ばし、2mg/cm
2の薄膜を残した。薄膜を30分間乾燥させた。引き続いて、薄膜で被覆された石英プレートの異なる部分の12の測定値を使用し平均値を記録することによって乾燥薄膜のSPFおよびスペクトル強度の読取値を採取した。
【0100】
SPFテストの結果および各組成物を以下にまとめる。波長360nm(UVA領域)と290nm(UVB領域)の平均SPF値および吸収強度を単色防御指数単位で評価した。
【0101】
結果
組成物1、3および4の評価によれば、本発明に従って製造され本明細書中に定義したサンスクリーン複合粒子を有している組成物はオイル中のサンスクリーン物質(組成物1)よりも高度な(約3倍の)UVA吸収(360nm)を示し、アジピン酸ジブチルを用いて製造された粒子(組成物3)に比較しても約25%の増加(360nm)を示すという予想以上の結果が判明した。UVB吸収(290nm)に関しては、組成物1および3はTiO
2の使用に起因する等しいUVB吸収を示した。他方、組成物4は組成物1および3に比較して約2倍という予想以上のUVB吸収を示した。本発明に従って製造された組成物が補充のUVBサンスクリーン物質の非存在下で優れたUVB吸収特性を発揮するという意外な結果が示されている。
【0102】
組成物2、5および6の場合には、複合サンスクリーン組成物(組成物5)がオイル中のサンスクリーン組成物(組成物2)よりもすぐれた(約2.5倍の)UVA吸収(360nm)を示す。本発明に従って製造された組成物組成物(組成物6)が本発明に従って製造されなかった複合サンスクリーン組成物を有する組成物5に比較してUVA吸収については約25%の増加を果たすという意外な結果が示されている。UVB吸収(290nm)については、組成物6は、乳白剤を含有しないのでTiO
2の効果を期待できない組成物2および5よりも少なくとも10倍も多いという予想以上のUVB吸収を示した。
【0103】
TiO
2乳白剤およびサンスクリーン物質を含有しない組成物7、8および9を評価した。組成物はUVAまたはUVBの吸収を全く示さなかった。これは、ケト−エノール転位を受けるのに適したサンスクリーン物質の非存在下では溶媒/ポリマー複合系が吸収に関して本質的に全く効果がないという意外な結果を示している。
【0104】
組成物10および11はUVB吸収をまったく示さない。これは、溶媒中でケト−エノール転位を受けるのに適したサンスクリーン物質は物理的に本発明に記載のサンスクリーン複合粒子の外部にあるならばUVB吸収を生じないことを例証する。
【0105】
【表2】
【0106】
これらの結果は、本発明に従って組成物を製造するときに予想以上に優れたUVAおよびUVBの防御が得られることを確証する。