(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069257
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】端子台カバー
(51)【国際特許分類】
H01R 9/00 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
H01R9/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-138246(P2014-138246)
(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公開番号】特開2016-18585(P2016-18585A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2016年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230940
【氏名又は名称】日本原子力発電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行
(74)【代理人】
【識別番号】100126147
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 成年
(72)【発明者】
【氏名】田中 友英
(72)【発明者】
【氏名】前田 渉
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼口 旭
【審査官】
楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第2260654(GB,A)
【文献】
実開平01−086072(JP,U)
【文献】
特開2011−181434(JP,A)
【文献】
実公昭45−009727(JP,Y1)
【文献】
実開平04−066057(JP,U)
【文献】
実開平04−121666(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
H01R 9/15〜 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の端子接続部が少なくとも1列に整列した端子台の前記端子接続部の上部を被覆するための端子台カバーであって、
前記1以上の端子接続部を個別に被覆し、各々上方へ可動である個別被覆部が1以上整列した端子被覆部を有し、
前記個別被覆部は、柔軟性を有する絶縁層と前記絶縁層を水平状態に支持する支持層とが積層して構成され、
前記個別被覆部は、形状を記憶する部材をさらに有し、
前記絶縁層はウレタンゲルで構成され、前記支持層はポリエチレンテレフタラートで構成されることを特徴とする端子台カバー。
【請求項2】
前記個別被覆部は、透明性を有することを特徴とする請求項1に記載の端子台カバー。
【請求項3】
前記端子被覆部を前記個別被覆部の整列方向に支持する支持部をさらに有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の端子台カバー。
【請求項4】
前記端子被覆部と前記支持部とは、第1の粘着部を介して結合することを特徴とする請求項3に記載の端子台カバー。
【請求項5】
前記端子台と結合するための、第2の粘着部をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の端子台カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル結線・解線作業時の端子台へのビニールテープによる絶縁養生を不要にし、結線・解線、ジャンパーの作業性向上と大幅な作業時間の短縮を可能とした端子台カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、発電所に於ける制御盤内ネジ止め端子のケーブル結線・解線作業時には、端子台全体を覆っている端子台カバーを外し、作業対象端子(1〜2個)以外をビニールテープで覆うことで絶縁養生を実施している。
【0003】
結線・解線しなければならない端子が複数ある場合には、養生テープを少しずつずらしながら作業するために、作業に時間を要し、端子のジャンパーを実施した際には、ジャンパーした端子が邪魔になり対象端子以外の端子にカバーをつけることができない場合がある。また、端子台カバーは薄いプラスチック製のものがツメで固定されており、取外しや取付け作業が繰り返されることによりカバーの割れなどが多く発生している。
【0004】
このような、端子のケーブル結線・解線作業時の作業性を改善する技術としては、端子露出開口を設けた保護カバー(例えば、特許文献1参照)や、端子台の仕切り板に圧入する端子保護部材(例えば、特許文献2参照)や、端子を被覆するスライド式のカバー(例えば、特許文献3参照)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-041423号公報
【特許文献2】特開2011-181434号公報
【特許文献3】特開2012-129067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、カバーのスライド機構を内蔵する必要があるため可動部等の構造が複雑となる課題がある。また、特許文献2及び3の技術では、端子の個々にカバーを取り付け、取り外しを行うこととなるため、部品点数が多くなることによりコスト高となるとともに、カバーの取付忘れにより、作業の対象とならない端子に工具が接触する事故が発生するおそれもある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、ケーブル結線・解線作業時に、端子台へのビニールテープによる絶縁養生を不要にし、結線・解線、ジャンパーの作業性向上と大幅な作業時間の短縮を可能とした端子台カバーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の端子台カバーは、1以上の端子接続部が少なくとも1列に整列した端子台の端子接続部の上部を被覆するための端子台カバーであって、1以上の端子接続部を個別に被覆し、各々上方へ可動である個別被覆部が1以上整列した端子被覆部を有
し、個別被覆部は、柔軟性を有する絶縁層と前記絶縁層を水平状態に支持する支持層とが積層して構成され、個別被覆部は、形状を記憶する部材、もしくは、形状を保持する部材をさらに有し、絶縁層はウレタンゲルで構成され、支持層はポリエチレンテレフタラートで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の端子台カバーによれば、ケーブル結線・解線作業時に、端子台へのビニールテープによる絶縁養生を不要にし、結線・解線、ジャンパーの作業性向上と大幅な作業時間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の端子台カバーの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態の端子台カバーを端子台に装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態である端子台カバーについて、図を参照して詳細に説明をする。
【0012】
図1は、本実施形態の端子台カバーの構成を示す図である。
図1(a)は、本実施形態の端子台カバーの正面図であり、
図1(b)は、
図1(a)の矢視A-A´断面図である。
【0013】
本実施形態の端子台カバー100は、支持部101と、第1の粘着部102と、端子被覆部103と、第2の粘着部104とを含む。
【0014】
本実施形態の支持部101は、端子台カバー100の全長にわたる部材であり、後述する端子被覆部103を全長に渡り支持する機能を有する。本実施形態の支持部101は、好ましくはポリカーボネイト製である。
【0015】
なお、例えば、端子台カバー100の長さが短く、端子台カバー100自身で自重を支えられる場合には、支持部101と粘着部102を省略することもできる。
【0016】
本実施形態の第1の粘着部102は、支持部101と端子被覆部103との間に存在し、支持部101と端子被覆部103とを接合する部材である。本実施形態の第1の粘着部102は、自己粘着性や、絶縁性を有することが好ましく、特に好ましくは、ポリウレタン樹脂の一種であるウレタンゲル粘着シートが用いられる。なお、支持部101と端子被覆部103との接合は、接着剤等、他の手段でも可能であるが、ウレタンゲルのように絶縁性を有することが好ましい。
【0017】
本実施形態の端子被覆部103は、各々上方への可動性を有し、所定の間隔を有して整列した略短冊状の個別被覆部103aから103lを有する。個別被覆部103aから103lの整列ピッチは、後述する端子台の端子のピッチと同一とすることが好ましい。
【0018】
また、端子被覆部103の形状はこれに限られず、例えば、各個別被覆部間の単なるスリット(切れ込み)であってもよい。ただし、後述する端子台の隔壁に干渉しない様にするためには、端子台の隔壁の厚さ分の間隔があるよい。
【0019】
本実施形態の端子被覆部103は、ウレタンゲル層AとPET(ポリエチレンテレフタラート)層Bを積層して構成される。
【0020】
本実施形態の端子被覆部103のウレタンゲル層Aは、良好な絶縁性を有するため、端子のカバーとしては好適である。また、高い柔軟性を有するため、作業時の折り曲げ動作に対し高い耐久性を有し、カバーの破損が起こりにくい。
【0021】
また、本実施形態の端子被覆部103は、PET層Bを積層することにより、PET層Bが支持部材となり水平状態を維持できるため、個別被覆部103a〜lが下に垂れて端子に接触することを防止できる。
【0022】
また、本実施形態のウレタンゲル層A及びPET層Bは透明性が良好であるため、被覆される端子を目視にて確認することができ、ねじ止め等の作業がしやすい。
【0023】
さらに形状を記憶する材料(例えば、形状記憶PET)や、形状を保持できる材料(例えば、針金)を、個別被覆部103a〜lに積層し、もしくは、組み合わせることにより、個別被覆部103a〜lを水平状態から上にあげた状態を一定時間以上保持できるため、端子のねじ止め等の作業性を向上できる。
【0024】
なお、本実施形態の端子被覆部103において、ウレタンゲル層Aに対するPET層Bの積層は、部分的であってもよいし、全体的であってもよい。
【0025】
本実施形態の第2の粘着部104は、端子被覆部103と本カバーの取付対象である端子台Tの間に存在し、端子被覆部103と端子台Tを接合する部材である。本実施形態の第2の粘着部104は、自己粘着性や、絶縁性を有することが好ましく、特に好ましくは、ウレタンゲル粘着シートが用いられる。
【0026】
なお、端子被覆部103と端子台Tの接合は、接着剤やねじ止め等、他の手段でも可能であり、この場合には、第2の粘着部104を省略できる。
【0027】
図2は、本実施形態の端子台カバー100を端子台Tに装着した状態を示す図である。
【0028】
図に示すように、端子台Tは、一般的には、一対の端子接続部T1、T2が長さ方向に複数整列して構成される。一対の端子接続部T1、T2の間は隔壁Bにより隔てられ、整列した端子接続部同士は隔壁Aにより隔てられる。
【0029】
図に示すように、本実施形態の端子台カバー100は、個別被覆部103a〜lが、それぞれ、一対の端子接続部T1、T2の上方を各々カバーする。本実施形態の端子台カバー100は、透明な素材であるため、端子接続部T1、T2を視認しやすい。
【0030】
また、本実施形態の個別被覆部103a〜lは柔軟性を有する素材でできているため、例えば、ドライバ先端で個別被覆部103a〜lをめくることにより、容易に端子接続部T1、T2にアクセスできる。
【0031】
さらに、本実施形態の個別被覆部103a〜lは柔軟性を有する素材でできているため、ドライバを端子接続部T1、T2から抜いた場合には、即座にもしくは一定時間の後、水平位置へ復帰し、端子接続部T1、T2をカバーする。これにより、作業を行う端子以外については、常にカバーされる状態となるため、必要のない端子に誤って工具等を接触させてしまうことも防止できる。
【0032】
以上、説明したように本実施形態の端子台カバーによれば、対象端子以外が絶縁カバーに覆われることで、ビニールテープによる絶縁養生が不要になり、結線・解線、ジャンパーの作業性向上と大幅な作業時間の短縮が可能になった。
【0033】
また、本実施形態の端子被覆部に高い伸び率、柔軟性を有するウレタンゲルを使用するため、作業時の折り曲げ動作に対し高い耐久性を有し、カバーの破損が起こりにくい。
【0034】
さらに、本実施形態の端子台カバーには、絶縁性を有する素材が使用されおり、作業時にも当該端子以外の端子を露出させる事が無い為、作業中に感電する危険性は少ない。
【0035】
さらに、本実施形態の端子台カバーは、負荷が無ければ、元の水平状態に戻り、作業中は、使用するドライバーが支えとなる為、記憶保持性が無くても支障は出ない。
【符号の説明】
【0036】
100:端子台カバー
101:支持部
102:第1の粘着部
103:端子被覆部
104:第2の粘着部