(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記解凍室は、略正方形の水平断面形状からなる部屋を少なくとも2つ以上連結させて、該部屋同士の隣接した面が開口面となって連続した内部空間を形成するように構成され、
前記部屋毎に前記温風器と、該温風器を囲む複数の前記循環ファンとが設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の解凍装置。
前記温風器と複数の前記循環ファンは、前記解凍室の構成要素となる前記部屋毎に前記円周方向の一方向に温風を循環させるように設置され、隣接する2つの前記部屋内をそれぞれ循環する温風の循環方向が互いに反対向きとなるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の解凍装置。
隣接する2つの前記部屋内に各々設置された前記温風器は、互いに異なる向きに温風を吹き出すように設置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の解凍装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、凍結状態にある被解凍物、例えば冷凍されたブロック肉を解凍室内で解凍する際には、種々の解凍方法が用いられている。
具体的には、温風や湿風を吹きつけて解凍する気流解凍方法、室温又は低温下に放置する自然解凍方法、浸漬解凍や散水解凍等のように水を利用して解凍する水解凍方法、及び高周波誘導加熱によって解凍する加熱解凍方法等が挙げられる。
【0003】
これら解凍方法のうち、気流解凍方法及び自然解凍方法は、複雑な設備を必要とせず、大量の冷凍ブロック肉を解凍処理する際に特に適しているものの、冷凍ブロック肉の解凍時間に通常1日以上要してしまい、風味や鮮度が低下するなどの問題が生じていた。
そのため、特許文献1のような種々の工夫がなされているところである。
【0004】
特許文献1に記載の解凍装置は、気流解凍方法を利用して魚類等の冷凍ブロックを解凍室内で解凍する装置である。
本解凍装置は、冷凍ブロックを載置させた移動棚を複数設置可能な解凍室と、解凍室内の上部にそれぞれ設置され、室内を加熱する加熱ヒータと、室内を冷却する冷凍機室内ファンと、温風を循環させる順方向送風機及び逆方向送風機と、を主に備えている。
また、これら送風機を交互に切り替えて送風させる風向制御手段と、加熱ヒータと冷凍機室内ファンとを交互に切り替えて室内温度を設定温度に接近させる制御手段と、を備えている。
上記構成により、真横から解凍室内を見たときに解凍室内の温風を上下方向に回転させて循環させることができ、室内全体の温度が比較的同等に保たれる。また、解凍ブロックの解凍に適した室内温度、室内風速に調節することができる。
そのため、大量の冷凍ブロックを比較的同等に解凍することができ、冷凍ブロックの解凍時間を短縮することができる。また、冷凍ブロックの表面と内部とで比較的解凍ムラが生じないように解凍することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような解凍装置では、解凍室内の温風を循環させるにあたって、多数の加熱ヒータ、送風機及び冷凍機室内ファンを設置させており、複雑な構成となっていた。
また、解凍室内の上部に加熱ヒータ、送風機及び冷凍機室内ファンが全て設置されていたため、解凍室内の温風が上下方向に回転循環し易い配置とはなっていなかった。すなわち、解凍室を構成する断熱壁に温風が当たってはね返ってしまう虞や、温風(温かい空気)が冷風(冷たい空気)よりも上昇する現象が生じてしまう虞があって、解凍室内全体に温風が効率良く循環する配置とはなっていなかった。
【0007】
さらに、解凍室内の温風を上下方向に回転させて循環させようとすると、温風が最初に接触する上段の冷凍ブロックが早く解凍される一方で、下段の冷凍ブロックが遅れて解凍されてしまう虞があり、上段と下段の冷凍ブロックとで解凍むらが生じて品質が低下する虞があった。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、複雑な設備を要することなく、解凍室内の温風を均一に循環させて被解凍物を均等に解凍することが可能な解凍装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、複数の被解凍物を均等に解凍しながらも、被解凍物の風味や鮮度を落とさずに解凍時間を短縮して解凍可能な解凍装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の解凍装置によれば、凍結状態にある被解凍物を解凍するための解凍装置であって、断熱壁で仕切られた解凍室と、該解凍室内の中央部分に設けられ、該解凍室内に温風を吹き出す温風器と、前記解凍室内において前記温風器を囲む位置に少なくとも3つ以上設けられ、該温風器から吹き出された温風を前記解凍室内に循環させる循環ファンと、前記解凍室内の所定位置に複数設けられ、前記被解凍物を上下方向に間隔を空けて複数載置可能な載置棚と、を備え、
前記温風器及び前記循環ファンは、前記解凍室内の上方位置に配置されており、前記載置棚は、前記温風器及び前記循環ファンよりも下方位置に配置されており、各々の前記循環ファンは、
略同じ高さ位置に設けられ、前記温風器を中心とす
る円周方向において間隔を空けて配置され、
前記円周方向において隣接する一方の前記循環ファンから吹き出された温風を吸い込み、且つ、吸込んだ温風を隣接する他方の前記循環ファンに向かって吹き出すように設置され、水平方向に温風が回転するように前記円周方向の一方向に温風を循環させ
ること、により解決される。
【0010】
上記のように、少なくとも3つ以上の循環ファンが、互いに対応する高さ位置に設けられ、温風器を中心とする略円周方向において間隔を空けて配置され、円周方向の一方向に温風を循環させるように設置されているため、比較的シンプルな構成で解凍室内の温風を均一に循環させることができる。
具体的には、各々の循環ファンが温風器を中心とする略円周方向において間隔を空けて配置されているため、温風器から吹き出された温風が、各々の循環ファンをわたって解凍室内を効率良く周るように循環し、解凍室の断熱壁や他の構成部品に当たってはね返ってしまうような虞が軽減されている。
また上記構成により、真上から解凍室内を見たときに温風を水平方向に回転させて循環させるため、従来と比較して解凍室内の温風を効率良く均一に循環させることができる。
具体的には、本構成のように温風を水平方向に回転循環させる場合、例え温風(温かい空気)が冷風(冷たい空気)よりも上昇する現象が生じても、水平回転する温風が上方側から下方側に徐々に満たされていくため、循環ファンによる温風の水平回転と、温風が冷風よりも上昇する現象とが干渉を及ぼし合うことがない。
さらに上記構成により、従来のような温風を上下方向に回転させる方法において上段と下段にある被解凍物との間で生じていた解凍むらも解消することができる。
具体的には、温風を水平方向に回転させて循環させているため、上下方向に間隔を空けて載置棚に載置された被解凍物との間で解凍むらが生じることがない。特に、解凍された被解凍物は一般に解凍室から載置棚毎に出し入れされるため、1つの載置棚上に載置された被解凍物の間で解凍むらが生じないことが重要であるところ、本解凍装置による温風の回転循環方法であれば、1つの載置棚上に載置された被解凍物の間で解凍むらが生じる可能性が低いことから大変有意義なものとなる。
従って、複数の被解凍物を均等に解凍することができ、被解凍物の風味や鮮度を落とさずに解凍時間を短縮させて解凍することが可能な解凍装置となる。
【0011】
このとき、各々の前記循環ファンは
、前記円周方向において略等間隔となるように配置され、前記円周方向の一方向に温風を吹き出すように設置されていると良い。
上記構成により、解凍室内の温風を水平方向に回転させながら一層均一に循環させることができる。
【0012】
このとき
、前記載置棚は、前記温風器及び前記循環ファンよりも所定間隔を空けた下方位置に配置されていると良い。
上記構成により、被解凍物が複数載置された載置棚を解凍室内に効率良く出し入れすることができる。
また、載置棚は、温風器及び循環ファンよりも所定間隔を空けた下方位置に配置されているため、解凍室内の天井側で水平回転しながら徐々に均一な温度となった温風が、載置棚に向かって降りてくるため、複数の被解凍物を一層均等に解凍することができる。
【0013】
このとき、前記解凍室は、略正方形の水平断面形状からなり、前記循環ファンは、前記解凍室内に少なくとも4つ以上設けられていると良い。
上記構成により、解凍室内の温風を一層均一に循環させることができ、複数の被解凍物を一層均等に解凍できる。
【0014】
このとき、前記解凍室は、略正方形の水平断面形状からなる部屋を少なくとも2つ以上連結させて、該部屋同士の隣接した面が開口面となって連続した内部空間を形成するように構成され、前記部屋毎に前記温風器と、該温風器を囲む複数の前記循環ファンとが設置されていると良い。
上記構成により、解凍室が大型化した場合であっても、上記部屋毎に温風を水平方向に回転させながら循環させることで、解凍室内の温風を均一に循環させることができ、被解凍物を均等に解凍できる。
【0015】
このとき、前記温風器と複数の前記循環ファンは、前記解凍室の構成要素となる前記部屋毎に前記円周方向の一方向に温風を循環させるように設置され、隣接する2つの前記部屋内をそれぞれ循環する温風の循環方向が互いに反対向きとなるように構成されていると良い。
上記構成により、隣接する2つの部屋内において各々独立して回転循環している温風同士がぶつかりあって干渉し合うことを低減できるため、上記部屋毎に解凍室内の温風を一層均一に循環させることができる。
【0016】
このとき、隣接する2つの前記部屋内に各々設置された前記温風器は、互いに異なる向きに温風を吹き出すように設置されていると良い。
上記構成により、隣接する2つの部屋内において各々回転循環している温風同士がぶつかりあって干渉し合うことを一層低減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の解凍装置によれば、複雑な設備を要することなく、解凍室内の温風を均一に循環させて被解凍物を均等に解凍することが可能な解凍装置を提供することができる。
また、複数の被解凍物を均等に解凍しながらも、被解凍物の風味や鮮度を落とさずに解凍時間を短縮して解凍可能な解凍装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について
図1〜
図7を参照して説明する。
本実施形態は、被解凍物を解凍するための解凍装置であって、水平断面正方形状からなる解凍室と、解凍室内の中央部分に設置された1つの温風器と、解凍室内において温風器を囲む位置に4つ設置され、温風器から吹き出された温風を解凍室内に循環させる循環ファンと、被解凍物を載置可能な複数の載置棚と、を備えており、各々の循環ファンは、略同じ高さ位置に設けられ、温風器を中心とする円周方向において所定間隔を空けて配置され、円周方向の一方向に温風を循環させるように設置されていることを特徴とする解凍装置の発明に関するものである。
なお、解凍室において作業者が当該解凍室の側壁面に設けられたドアから入出する方向を前後方向とし、また当該解凍室において前後方向と直交する幅方向を左右方向とする。
【0020】
本実施形態の解凍装置Sは、
図1に示すように、気流解凍方法を利用して凍結状態にある被解凍物、例えば冷凍されたブロック肉を解凍室内で解凍するための装置である。
解凍装置Sは、断熱壁で仕切られた解凍室1と、解凍室1内の前後方向及び左右方向の中央部分に設置され、解凍室1内に温風を吹き出す温風器10と、解凍室1内において略同じ高さ位置に設けられ、温風器10を囲む位置に複数設置され、温風器10から吹き出された温風を解凍室1内に循環させる循環ファン20と、解凍室1内の所定位置に複数設置され、被解凍物を上下方向に間隔を空けて複数載置可能な載置棚30と、を主に備えている。
【0021】
解凍室1は、
図1に示すように、水平断面略正方形状の略直方体からなり、断熱壁板で仕切られた部屋として形成されている。
解凍室1の前後方向の両側壁部1b,1cには、作業者が出入りし、被解凍物が複数載置された載置棚30を棚毎に出し入れするための入口ドア2と、出口ドア3とが設置されている。
【0022】
温風器10は、
図1に示すように、解凍室1内の空調設備として室内温度を調整するための天吊型の電熱式ファンヒータからなり、解凍室1内において上方部分となる天井壁部1a底面に設置されている。また、温風器10は、
図2に示すように、真上から見たときに解凍室1内において略中央部分に配置されている。
詳しく言うと、温風器10は、解凍室1内において左右方向の一方側にある側壁部1dに向かって温風を吹き出すように配置されている。すなわち、入口ドア2及び出口ドア3が設置された側壁部1b,1cとは異なる壁部に向かって温風が吹き出されている。
なお、解凍室1の室外には、公知な冷凍機が設置されており、天井壁部1aに設けられた不図示の開口を通じて温風器10と冷凍機とが冷媒配管によって接続されている。
【0023】
循環ファン20は、
図1、
図2に示すように、解凍室1内の空調設備として温風を解凍室1内に循環させるための天吊型の空気循環ファンからなり、解凍室1内の天井壁部1a底面において温風器10を囲む位置に4つ設置されている。
各々の循環ファン20は、略同じ高さ位置に配置され、温風器10を中心とする略円周方向において所定の間隔を空けて配置され、当該円周方向の一方向に温風を循環させるように設置されている。
【0024】
詳しく言うと、循環ファン20aは、前後方向において入口ドア2が設けられた側壁部1b側、かつ、左右方向において温風器10が温風を吹き出す側にある側壁部1d側に設置されている。そして、前後方向において出口ドア3が設けられた側壁部1c側、すなわち循環ファン20bに向かって温風を吹き出すように配置されている。
そして、循環ファン20bは、循環ファン20aから吹き出された温風を吸い込み、吸い込んだ温風を左右方向において側壁部1e側、すなわち循環ファン20cに向かって吹き出すように配置されている。
同様にして、循環ファン20cは、循環ファン20bから吹き出された温風を吸い込み、循環ファン20dに向かって温風を吹き出すように配置され、循環ファン20dは、循環ファン20cから吹き出された温風を吸い込み、循環ファン20aに向かって温風を吹き出すように配置されている。
【0025】
言い換えると、各々の循環ファン20は、隣接する一方の循環ファン20から吹き出された温風を吸い込み、吸込んだ温風を隣接する他方の循環ファン20に向かって吹き出すように配置されている。
上記構成により、真上から見たときに温風器10から吹き出された温風が水平方向に回転するように、すなわち時計回りに回転するように循環することができる。
【0026】
載置棚30は、
図1、
図3に示すように、被解凍物を上下方向に間隔を空けて複数載置可能な公知なエレクターからなり、解凍室1内の床壁部1f上に所定の配列位置となるように設置されている。
載置棚30は、
図4に示すように、温風器10及び循環ファン20よりも所定間隔を空けた下方位置に配置されている。
なお、載置棚30の配置は任意で良いが、望ましくは温風器10の真下位置や、入口ドア2及び出口ドア3の周辺位置を避けて配置すると良い。
【0027】
上記構成において、解凍室1内の各々の循環ファン20は、温風器10を中心とする略円周方向において所定の間隔を空けて配置され、当該円周方向の一方向に温風を循環させるように設置されている。
そのため、温風器10から吹き出された温風が、各々の循環ファン20をわたって解凍室1内を効率良く周るように循環し、解凍室1の断熱壁や他の構成部品に当たってはね返ってしまうような虞が低減されている。
【0028】
また上記構成において、解凍室1内の各々の循環ファン20は、真上から解凍室1内を見たときに温風を水平方向に回転させて循環させるように配置されている。
そのため、例え温風(温かい空気)が冷風(冷たい空気)よりも上昇する自然現象が生じても、温風による温かい空気が解凍室1内において上方側から下方側に徐々に満たされていくため、循環ファンによる温風の水平回転と、温風が冷風よりも上昇する自然現象とが干渉を及ぼし合うことが低減されている。
このとき、被解凍物を載置した載置棚30は、温風器10及び循環ファン20よりも所定間隔を空けた下方位置に配置されているため、解凍室1内の天井側で水平回転しながら徐々に均一な温度となった温風が載置棚30に向かって降りてくることになる。
【0029】
また上記構成において、載置棚30上には、複数の被解凍物が互いに上下方向かつ水平方向に間隔を空けて配置されている。
そのため、温風が解凍室1内全体を循環するにあたって、被解凍物を載置した複数の載置棚30が温風の循環方向に影響を及ぼす虞が低減されている。
【0030】
また上記構成において、被解凍物の大きさや形状等に合わせて温風器10の設定温度や設定風速、循環ファン20の設定風速を調整することによって、室内全体が被解凍物の解凍に適した室内温度、室内風速となって均一に保たれる。
そのため、大量の被解凍物を均等に解凍することができ、被解凍物の解凍時間を短縮することができる。また、冷凍ブロックの表面と内部とで比較的解凍ムラが生じないように解凍できる。
【0031】
<解凍装置の第2実施形態>
次に、解凍装置の第2実施例について、
図5、
図6に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、上述した解凍装置と重複する内容は説明を省略する。
第2実施例に係る解凍装置Sは、解凍室101と、解凍室101内の中央部分に設置される温風器110と、解凍室1内において互いに対応する高さ位置に設けられ、温風器110を囲む位置に複数設置される循環ファン120と、解凍室101内の所定位置に複数設置される載置棚130と、を主に備えている。
【0032】
解凍室101は、
図5に示すように、水平断面正方形状の直方体からなる部屋を2つ連結させて、部屋同士の隣接した面が開口面となって連続した内部空間を形成するように構成されている。
解凍室101の一方の部屋の側壁部101bと,他方の部屋の側壁部101cには、入口ドア102と、出口ドア103とが設置されている。
解凍室101内には、1つの部屋毎に温風器110と、温風器110を囲む複数の循環ファン120とが設置されている。
【0033】
温風器110は、解凍室101内において部屋毎に天井壁部101a底面に設置され、真上から見たときに中央部分に配置されている。
また、隣接する2つの部屋内に各々設置された温風器110は、互いに異なる向きに温風を吹き出すように設置されている。
【0034】
循環ファン120は、解凍室101内において部屋毎に天井壁部101a底面に設置され、温風器110を囲む位置に4つ配置されている。
そして、各々の循環ファン120a〜120dは、
図6に示すように、それぞれ高さ位置が順に低くなるように配置されている。
詳しく言うと、隣接する2つの循環ファン120同士は少なくとも一部が上下方向において重なる位置に配置されており、かつ、循環する温風の上流側にある循環ファン120が、下流側にある循環ファン120よりもやや高い位置に配置されている。
例えば、循環ファン120a、120b同士は、一部が上下方向において重なる位置に配置されており、かつ、循環ファン120aが循環ファン120bよりもやや高い位置に配置されている。
【0035】
載置棚130は、解凍室101内の床壁部101f上に所定の配列位置となるように設置され、温風器110及び循環ファン120よりも所定間隔を空けた下方位置に配置されている。
【0036】
上記構成において、温風器110と複数の循環ファン120は、解凍室101の構成要素となる部屋毎に円周方向の一方向に温風を循環させるように設置されており、かつ、隣接する2つの部屋内をそれぞれ循環する温風の循環方向が互いに反対向きとなるように配置されている。
そのため、隣接する2つの部屋内において各々独立して回転循環している温風同士がぶつかりあって干渉し合うことを低減することができ、部屋毎に解凍室101内の温風を一層均一に循環させることができる。
【0037】
また上記構成において、各々の循環ファン120a〜120dは、それぞれ高さ位置が順番に低くなるように配置されている。
そのため、部屋毎に温風器110から吹き出された温風は、循環ファン120によって上方側から下方側に向かって略らせん状に水平回転しながら循環するようになり、解凍室101内において温風を均一に、かつ、比較的短い時間で循環させることができる。
【0038】
<解凍装置の第3実施形態>
次に、解凍装置の第3実施例について、
図7に基づいて説明する。
第3実施例に係る解凍装置Sでは、解凍室201が、水平断面長方形状の直方体からなる部屋を2つ連結させて、部屋同士の隣接した面が開口面となって連続した内部空間を形成するように構成されている。
【0039】
温風器210は、解凍室101内において部屋毎に中央部分に配置されている。
また、隣接する2つの部屋内に各々設置された温風器210は、互いに異なる向きに温風を吹き出すように設置されている。
循環ファン220は、解凍室201において一方の部屋内には温風器210を囲む位置に6つ配置され、他方の部屋内には温風器210を囲む位置に3つ配置されている。
上記のように、解凍室201の一方の部屋内に循環ファン220が6つ配置されることで、当該部屋内の温風が一層均等に循環するようになる。また、他方の部屋内に循環ファン220が3つ配置されることで、設備コストを抑えながらも、当該部屋内の温風が比較的均等に循環するようになる。
【0040】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、
図1に示すように、解凍室1は水平断面略正方形状の略直方体からなるが、これに限定されることなく、水平断面が略長方形状であっても良いし、略円形状や略楕円形状等であっても良い。また、略直方体に限定されることなく、略円錐、略円柱、略球、略角錐、略角柱等であっても良い。
【0041】
また上記実施形態において、
図2に示すように、循環ファン20は解凍室1内において温風器10を囲む位置に4つ設置されているが、これに限定されることなく、少なくとも3つ以上設置されていれば良い。
このような構成であれば、解凍室1内の温風を水平方向に均一に回転循環させることができる。
【0042】
また上記実施形態において、
図2に示すように、各々の循環ファン20は温風器10を中心とする略円周方向において所定の間隔を空けて配置されている。
上記配置の意味するところでは、各々の循環ファン20は、必ずしも温風器10から等しい距離の位置に配置されている必要はなく、例えば、循環ファン20aと温風器10との距離が、循環ファン20bと温風器10との距離よりも若干短くなっていても良いし、若干長くなっていても良い。
すなわち、各々の循環ファン20が温風器10の周囲に配置されていれば、循環ファン20同士の位置関係のズレを許容するものである。
【0043】
また上記実施形態において、
図2に示すように、各々の循環ファン20は一定の間隔を空けて配置されているが、これに限定されることなく、循環ファン20同士の間隔を適宜変更しても良い。
【0044】
また上記実施形態において、
図3に示すように、温風器10及び循環ファン20は、解凍室1内において上方部分となる天井壁部1a底面に設置されているが、これに限定されることなく、上下方向の略中央部分に設置されていても良いし、下方部分となる床壁部1f上に設置されていても勿論良い。
【0045】
本実施形態では、主として本発明に係る解凍装置に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、解凍室1、温風器10、循環ファン20の配置や構成について、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。