【実施例1】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施例を詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
本実施例では、遊技機の稼動情報に係る稼動信号に含まれる出玉信号、出玉予定信号、打玉信号、大当たり信号、確率変動状態信号を受信して、遊技場の各遊技機の累積出玉数と累積予定出玉数との差分を算出する。又は遊技場の各遊技機のあらかじめ設定された時間帯毎の累積出玉数と累積予定出玉数との差分を算出する。又は遊技場の各遊技機の遊技状態毎の累積出玉数と累積予定出玉数との差分を算出するといった複数の機能を有する管理システムAについて説明する。なお、以下の説明では、遊技機をパチンコ機で構成した場合について説明するが、スロットマシン等の他の遊技機にも適用可能であることは明らかである。
【0020】
図1は、本実施例に係る管理システムAのシステム構成を例示的に示したブロック図である。
【0021】
図1に示すように、管理システムAは、管理装置100、遊技機200、台管理装置300、島管理装置400、及び、これらの機器を接続するネットワーク501、502から構成されている。
【0022】
管理装置100は、管理システムAの全体を管理し、各遊技機200の大当たり信号、確率変動状態信号、出玉信号、打玉信号、出玉予定信号等の稼動信号を集計し、各遊技機200の出玉数、打玉数、予定出玉数等の稼動情報を管理する情報処理装置である。管理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等で実現される。管理装置100は、遊技場の従業員等から管理装置100への指示入力を受け付ける指示入力装置106や、障害検出等の表示を行うディスプレイ107等の、ユーザインタフェースを備えている。
【0023】
遊技機200は、所定の入賞イベントの発生に応じて、遊技媒体であるパチンコ玉の払い出しを行う。一般的な遊技機200には、パチンコ玉の入賞に応じて所定数のパチンコ玉が払い出される通常入賞口(図示省略)、パチンコ玉の入賞に応じて抽選処理が始動される始動入賞口213、通常は閉鎖されているが抽選に当選した場合に開放される大当たり入賞口214等が備えられている。
【0024】
台管理装置300は、接続された遊技機200から稼動情報に係る稼動信号を取得し、管理装置100、後述する島管理装置400等に送出する情報処理装置であり、本実施例では
図1に示すように1台の台管理装置300に2台の遊技機200が接続される構成としている。ただし、他の実施例ではこれに限らず、1台の台管理装置300にさらに多くの遊技機200を接続する構成としても良いし、台管理装置300と遊技機200とを1対1で接続する構成としても良い。
【0025】
島管理装置400は、台管理装置300と管理装置100との接続を仲介する情報処理装置である。本実施例の管理システムAにおいては、複数の台管理装置300は1以上のグループに分類され、各グループ毎に、島管理装置400は、台管理装置300を管理する。すなわち、
図1に示すように、島管理装置400は複数台の台管理装置300と接続される構成としている。ただし、他の実施例ではこれに限られないことは当然である。
【0026】
ネットワーク501、502は、典型的には、LAN(Local Area Network)であるが、有線/無線を問わずデータ送受信可能な回線であればどのような構成でもよい。例えば、公衆回線(アナログ回線、ISDN(Integrated Services Digital Network)等)やWAN(WideArea Network)、無線LAN等により構成してもよい。なお、ネットワーク501、502上の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等を採用することができる。
【0027】
なお、
図1に例示した管理システムAの構成は、本実施例に係る構成を説明するための基本的なものである。実際の遊技場において管理システムAを運用する場合は、管理装置100が遊技機200の稼動情報に係る稼動信号を取得できるならば、用途や目的、或いは、機器の配置等の制約条件に基づいて、多様な構成を取ることができる。例えば、
図2のように、管理装置100に遊技機200が接続され、管理装置100は遊技機200から直に稼動情報に係る稼動信号を取得するように構成してもよい。
【0028】
次に、管理装置100のハードウェア構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、管理装置100のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。
【0029】
図3において、CPU110は、後述するHD105に記憶されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM102にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に記憶する制御を行う。
【0030】
(累積一時記憶領域153)
また、CPU110は、
図8に示すように、累積一時記憶領域153に、各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機200の遊技状態毎に区分けして、累積的に記憶させる。詳しくは、CPU110は、例えば、出玉信号を受信すると、遊技機200の遊技状態を判断した上で、該当する遊技状態の記憶領域の出玉数を加算更新する。
【0031】
ここで、
図4を参照して遊技機200の各遊技状態の関係を説明する。
図4は、稼動信号のうち遊技状態に関する大当たり信号、確率変動状態信号の関係を示すタイミングチャートである。なお、大当たり信号、確率変動状態信号は、遊技機200が大当たり状態、確率変動状態の間継続して送出され(=大当たり信号又は確率変動状態信号が立ち上がる)、遊技機200の大当たり状態、確率変動状態が終了すると、送出を停止する(=大当たり信号又は確率変動状態信号が立ち下がる)構成となっている。
【0032】
図4に示すように、大当たり信号、確率変動状態信号のいずれの信号も出力されていない場合は、管理装置100は通常の遊技状態であると判断する(
図4の(A))。また、その後大当たりに当選した場合、遊技機200から送出される大当たり信号を管理装置100が受信し、管理装置100では遊技機200が大当たり状態であると判断する(
図4の(B))。なお、管理装置100は、大当り信号を受信した場合、その直前の遊技状態も参照して、遊技機200の遊技状態を判断する。したがって
図4の(B)の場合は、通常状態の直後に大当り信号を受信しているため、通常の大当たりと判断する。また、管理装置100が確率変動状態信号を受信した場合、管理装置100は遊技機200が確率変動状態であると判断する(
図4の(C))。さらに、この確率変動状態で大当たりに当選した場合、管理装置100は大当たり信号を受信する直前の遊技状態も参照し、確率変動状態中の大当たり(以下、確変大当たりという。)と判断する(
図4の(D))。管理装置100では、以上のように遊技機200の遊技状態を判断する。
【0033】
(第1記憶領域154)
また、CPU110は、
図9に示すように、第1記憶領域154に、各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる。詳しくは、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機200毎に第1記憶領域154内の記憶領域に記憶させる。なお本実施例では、CPU110は、累積一時記憶領域153に記憶されている出玉数等が更新される度に、新たに全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機200毎に第1記憶領域154内の記憶領域に記憶されている累積出玉数等を書き換える構成とするが、この構成に限定されるものではなく、例えば一定時間経過毎に(例えば、1分毎に)、CPU110は、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機200毎に第1記憶領域154内の記憶領域に記憶させる構成としても良い。
【0034】
(第2記憶領域155)
また、CPU110は、
図10に示すように、第2記憶領域155に、1時間毎に、時間を区切って、時間帯毎に記憶領域を分けて、各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる。詳しくは、CPU110は、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出する。そしてリアルタイムクロック111で現在時刻を参照して、当該現在時刻の前に区切られた時間帯情報1552を有する、第2記憶領域155内の記憶領域に記憶されている累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を呼び出して、算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から、呼び出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を夫々減算する。それからCPU110は、減算後の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を第2記憶領域155内の当該時刻が含まれる時間帯の記憶領域に記憶させる。
【0035】
また本実施例では、CPU110は、累積一時記憶領域153に記憶されている出玉数等が更新される度に、新たに全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、既に第2記憶領域155内の記憶領域に記憶されている、当該時刻の前に区切られた時間帯の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を呼び出して、算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から、呼び出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を夫々減算し、減算後の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を第2記憶領域155内の当該時刻が含まれる時間帯の記憶領域に書き換えて記憶させる構成とするが、この構成に限定されるものではなく、例えば一定時間経過毎に(例えば、1分毎に)、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、既に第2記憶領域155内の記憶領域に記憶されている、当該時刻の前に区切られた時間帯の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を呼び出して、算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から、呼び出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を夫々減算し、減算後の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を第2記憶領域155内の当該時刻が含まれる時間帯の記憶領域に書き換えて記憶させる構成としても良い。
【0036】
具体例を挙げて説明する。例えば、遊技場の開店時間の「10時00分」から1時間毎に、時間を区切って各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる場合、現在時刻「11時05分」に、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出した結果、「出玉数:700、予定出玉数:700、打玉数:1100」となったとする。この場合、現在時刻「11時05分」の前に区切られた時間帯「10時00分〜11時00分」の記憶領域に記憶されている「出玉数:620、予定出玉数:620、打玉数:1090」を呼び出して、算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から夫々減算する。そして、減算後の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数として「出玉数:80個、予定出玉数:80個、打玉数:10個」を第2記憶領域155内の時間帯「11時00分〜12時00分」の記憶領域に新たに記憶させる。
【0037】
次に、CPU110は、累積一時記憶領域153に記憶されている出玉数等が更新されると、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出した結果、「出玉数:740個、予定出玉数:740個、打玉数:1300個」となったとする。そして現在時刻「11時06分」の前に区切られた時間帯「10時00分〜11時00分」の記憶領域に記憶されている「出玉数:620個、予定出玉数:620個、打玉数:1090個」を呼び出して、算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から夫々減算する。そして、減算後の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数として「出玉数:120個、予定出玉数:120個、打玉数:210個」を、第2記憶領域155内の時間帯「11時00分〜12時00分」の記憶領域に既に記憶されている「出玉数:80個、予定出玉数:80個、打玉数:10個」に上書きして記憶させる。なお、現在時刻が例えば14時05分等である場合は、累積一時記憶領域153に記憶されている出玉数等から、第2記憶領域に記憶されている開店時(10時)から14時までの累積出玉数等の合算値(出玉数、打玉数、予定出玉数それぞれの合算値)を減算する。
【0038】
(第3記憶領域156)
また、CPU110は、
図11に示すように、第3記憶領域156に、5分毎に時間を区切って各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる。CPU110の動作は、上述した第2記憶領域155の場合と同様であるであるため、説明を省略する。
【0039】
(第4記憶領域157)
また、CPU110は、
図12に示すように、第4記憶領域157に、各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機200の遊技状態毎に、時系列で区分けして記憶させる。
【0040】
以下、詳しく説明する。CPU110は、あらかじめ、累積一時記憶領域153から、遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出して、これらの出玉数等を比較情報として第4記憶領域157の比較情報記憶領域158に記憶しておく。なお、遊技場の開店直後等で各遊技機200が稼動しておらず、累積一時記憶領域153に比較情報として用いる出玉数等が存在しない場合には、比較情報として用いる出玉数等の各数値は「0(ゼロ)」とする。
【0041】
そして、累積一時記憶領域153に遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数が更新されると、あるいは、一定時間経過毎に(例えば、3秒毎に)、CPU110は、累積一時記憶領域153から遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出すとともに、第4記憶領域157の比較情報記憶領域158の中から、遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出して、比較する。具体的には、累積一時記憶領域153から呼び出した、遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数から、比較情報記憶領域158の中から呼び出した、遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を減算して、増加分の出玉数、予定出玉数、打玉数を算出する。
【0042】
比較の結果、例えば、通常状態の出玉数等が増加している場合には、第4記憶領域157内に、通常状態である旨の遊技状態情報を関連付けて新たな記憶領域を作成し、作成時刻を通常状態の開始時刻として記憶させると共に、当該記憶領域に増加分の出玉数、予定出玉数、打玉数を、累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数として、記憶させる。また、累積一時記憶領域153から呼び出した、遊技状態毎に区分けされた各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を新たな比較情報として、比較情報記憶領域158に上書きして記憶させる。
【0043】
次に、累積一時記憶領域153に遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数が更新されると、CPU110は、累積一時記憶領域153から遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出すとともに、比較情報記憶領域158に記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出して、比較する。比較の結果、例えば、大当たり状態の出玉数等が増加している場合には、大当たり状態である旨の遊技状態情報を関連付けて新たな記憶領域を作成し、作成時刻を大当たり状態の開始時刻として記憶させると共に、当該記憶領域に増加分の出玉数、予定出玉数、打玉数を、累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数として、記憶させる。また、累積一時記憶領域153から呼び出した、遊技状態毎に区分けされた各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を新たな比較情報として、比較情報記憶領域158に上書きして記憶させる。
【0044】
次に、累積一時記憶領域153に遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数が更新されると、CPU110は、累積一時記憶領域153から遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出すとともに、比較情報記憶領域158に記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出して、比較する。比較の結果、例えば、再び、大当たり状態の出玉数等が増加している場合には、前回の処理時に作成され、大当たり状態である旨の遊技状態情報が関連付けられた記憶領域に既に記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数に、増加分の出玉数、予定出玉数、打玉数を加算して、加算後の出玉数、予定出玉数、打玉数を、累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数として、当該記憶領域に上書きして記憶させる。また、累積一時記憶領域153から呼び出した、遊技状態毎に区分けされた各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を新たな比較情報として、比較情報記憶領域158に上書きして記憶させる。
【0045】
上述したようにCPU110は、累積一時記憶領域153に遊技状態毎に区分けされて記憶されている各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数と、比較情報記憶領域158に遊技状態毎に区分けされて記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数とを比較して、出玉数等が増加している遊技状態が、既に作成されている記憶領域の遊技状態情報と同一の場合には、当該記憶領域に記憶されている出玉数等に、増加分の出玉数等を加算して、加算後の出玉数等を上書きして記憶させる。一方、出玉数等が増加している遊技状態が、既に作成されている記憶領域の遊技状態情報と異なっている場合には、新たな記憶領域を作成し、当該記憶領域に増加分の出玉数等を新たに記憶させる。
【0046】
またCPU110は、第1記憶領域154〜第4記憶領域157に記憶されている各遊技機200の累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数と累積出玉数との比較を行う比較手段としての役割を果たす。本実施例1では比較の方法として、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積出玉数とを比較できればその方法は問わないものである。したがって、累積出玉数から累積予定出玉数を減算して差分を算出する構成としても良い。このような算出方法によっても同様の作用効果を得られる。
【0047】
更に、CPU110は、後述する判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。また、CPU110は、算出した差分を含む情報をディスプレイ107上に表示させる制御を行う。
【0048】
なお、判定の結果、算出した差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU110は、所定の異常処理、すなわち算出した差分を、「正常」と判定された差分と区別した態様でディスプレイ107上に表示させる異常処理手段としての役割を果たす。
【0049】
また、CPU110は、後述のリアルタイムクロック111から時計、カレンダーの各データを受信して、現在時刻を参照する。
【0050】
ROM101は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データを記憶する。RAM102は各種データを一時記憶するためのものであり、CPU110の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0051】
外部記憶ドライブ103は、記録媒体へのアクセスを実現するためのものであり、メディア(記録媒体)104に記憶されたプログラム等を管理装置100にロードすることができる。尚、メディア104には、例えば、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、PCカード、DVD、ICメモリカード、MO、メモリスティック等が含まれる。
【0052】
HD(=ハードディスク)105は外部記憶装置であり、大容量メモリとして機能する。HD105には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム等が記憶される。また、このHD105には、判定用テーブル152、累積一時記憶領域153、第1記憶領域154、第2記憶領域155、第3記憶領域156、第4記憶領域157が設けられる。ただし他の実施例では、これらの判定用テーブル152等をRAM102やメディア104に設ける構成としてもよいことは自明である。
【0053】
指示入力装置106は、例えば、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネルである。指示入力装置106を用いて、遊技場の従業員等は、管理装置100に対して、管理装置100を制御するコマンド等を入力指示する。
【0054】
ディスプレイ107は、表示手段としての役割を果たし、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTであり、指示入力装置106から入力されたコマンドや、それに対する管理装置100の応答出力等を表示するものである。またディスプレイ107は、表示手段として、遊技機200毎に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して算出された差分を表示する。また各遊技機200について、あらかじめ設定された時間帯毎に区分けして、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して算出された差分をディスプレイ107上に表示する。また、各遊技機200について、遊技状態毎に時系列に沿って区分けして、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して算出された差分を表示する。なお、CPU110で、算出された差分が、所定の範囲に含まれず、「異常」と判定された場合には、ディスプレイ107は、当該算出された差分を、「正常」と判定された差分と区別した態様で表示する。
【0055】
システムバス109は、管理装置100内のデータの流れを司るものである。108はインターフェイス(以下、I/Fという)であり、このI/F108を介して外部装置とのデータのやり取りを行う。
【0056】
リアルタイムクロック111は、計時手段であり、現在時刻を計時する。
【0057】
尚、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0058】
本実施例では、メディア104から本実施例に係るプログラム及び関連データを直接RAM102にロードして実行させる例を示しているが、これ以外にも、本実施例に係るプログラムを動作させる度に、既にプログラムがインストールされているHD105からRAM102にロードするようにしてもよい。また、本実施例に係るプログラムをROM101に記録しておき、これをメモリマップの一部をなすように構成し、直接CPU110で実行することも可能である。
【0059】
また、本実施例では、説明の便宜のため、管理装置100を1つの装置で実現した構成について述べるが、複数の装置にリソースを分散した構成によって実現しても良い。例えば、記憶や演算のリソースを複数の装置に分散した形に構成しても良い。或いは、管理装置100上で仮想的に実現される構成要素毎にリソースを分散し、並列処理を行うようにしても良い。また、例えば、記憶や演算のリソースを、台管理装置300や島管理装置400が行う構成としても良い。
【0060】
次に、遊技機200の構成について、
図5を参照して説明する。
図5は、遊技機200の外観構成の概略を例示した模式図である。
【0061】
図5のように、遊技機200は、遊技機本体210、表示器
230を有する。
【0062】
遊技機本体210には盤面211が設けられ、盤面211上には、図柄表示装置212、始動入賞口213、大当たり入賞口214、通常入賞口(図示省略)等が備えられている。また、遊技機本体210の下部には、盤面211へ打ち込むパチンコ玉や払い出されたパチンコ玉を格納する上皿221や、パチンコ玉の打ち込みの強さを調整するハンドル222等が備えられている。表示器230は、入賞等のイベント発生に応じて所定の表示を行う。
【0063】
始動入賞口213は、ハンドル222等の操作により打ち出されたパチンコ玉が入賞すると、パチンコ玉の入賞を検知する。この入賞により図柄表示装置212が所定の表示動作をするとともに、内部的な抽選が行われ、当選した場合(図柄表示装置212において特定の図柄が確定した場合)は大当たり状態が発生する。そして、大当たり状態が発生すると、遊技機200は、大当たり信号の外部への送出を開始し(=大当たり信号が立ち上がる)、遊技機200の大当たり状態が終了すると、大当たり信号の送出を停止する(=大当たり信号が立ち下がる)。
【0064】
大当たり入賞口214は、通常はパチンコ玉が入賞しないように閉鎖されているが、大当たりに当選した場合に開放される。大当たり入賞口214にパチンコ玉が入賞すると、相当数(例えば、入賞したパチンコ玉1個につき15個)のパチンコ玉が払い出される。大当たり入賞口214の開放は、大当たり発生後、所定時間(例えば、30秒)が経過するまで、又は、所定数のパチンコ玉が大当たり入賞口214に入賞するまでのいずれかの条件を満たすまで継続する。この一回の開放をラウンドと呼ぶ。一般的に、大当たり入賞口214はパチンコ玉が通過しやすい位置に設けられるため、大当たりの発生期間(ラウンド中)においては大量のパチンコ玉が払い出されることになる。
【0065】
次に、遊技機200の遊技状態の1つである、確率変動状態(確変状態)について説明する。確率変動状態とは、大当たりに当選する確率が通常の遊技時より高くなっている状態であり、例えば、始動入賞口213やその他の所定の領域をパチンコ玉が通過したこと等を契機として行われる確変発生に係る抽選に当選した場合に発生し、確率変動状態が発生すると、遊技機200は確率変動状態信号の外部への送出を開始し(=確率変動状態信号が立ち上がる)、遊技機200の確率変動状態が終了すると、確率変動状態信号の送出を停止する(=確率変動状態信号が立ち下がる)。また、確変状態は、一般に、次の大当たりが発生するまで継続する。なお、確変状態においては、例えば、図柄表示装置212や表示器230の背景色を通常と異なる色にすることで、遊技者に確変中であることが通知される。
【0066】
遊技機200は、遊技機200の稼動情報に係る信号を外部装置へ送出するためのインタフェース(図示省略)を備える。
【0067】
稼動情報に係る稼動信号には、遊技機200から払い出された遊技媒体(=出玉)数に係る出玉信号と、入賞の種類毎に予め設定されている、遊技機から払い出される予定の遊技媒体(=予定出玉)数に係る出玉予定信号とが含まれる。これらの信号は、例えば、遊技媒体の払い出しや入賞に応じてパルスを出力するように構成することができる。具体的には、本実施例では遊技機本体210に遊技媒体の払い出しを検知する払出検知手段を設け(図示省略)、払出検知手段は遊技媒体の払い出しを検知すると、その払い出し個数10個につき出玉信号を1パルス出力する。また、遊技機本体210の始動入賞口213、大当たり入賞口214等に入賞を検知する入賞検知手段を設け(図示省略)、入賞検知手段は遊技媒体の通過を検知すると、その入賞口への入賞に応じて予め定められている遊技媒体の払出予定数を演算して、遊技機200内の記憶手段(図示省略)に累積的に記憶しておき、この遊技媒体の払出予定数が10に達するごとに出玉予定信号を1パルス出力する構成としている。このように、出玉信号は実際に遊技機から払い出された遊技媒体の個数を検知して出力されるものであるのに対し、出玉予定信号は遊技機から払い出されるべき遊技媒体の個数を演算して出力されるものであるが、基本的に出玉信号の送出回数と出玉予定信号の送出回数とは一致する。
【0068】
また、稼動情報に係る稼動信号には、遊技機200が大当たり状態であることを示す大当たり信号と、遊技機200が確率変動状態であることを示す確率変動状態信号とが含まれる。
【0069】
本実施例では説明の便宜のため、上記のように、遊技機200を遊技機本体210、表示器230で実現した構成について述べるが、このような構成に限られない。例えば、遊技機200を1つの装置で実現した構成としてもよい。
【0070】
図6は、管理装置100と遊技機200の間の情報の流れを模式的に示した図である。
図6のように、管理装置100に対して、出玉予定信号、出玉信号、大当たり信号、確率変動状態信号が遊技機本体210から送出される。
【0071】
また、管理システムAが、例えば、
図1に例示したような構成の場合は、これらの信号は台管理装置300及び島管理装置400を経由して、遊技機200から管理装置100へ転送される。この過程において、遊技機200、台管理装置300或いは島管理装置400を識別する識別情報を付加する構成としても良い。或いは、例えば、
図2に例示したような構成の場合は、遊技機200から直接管理装置100へ転送される。なお、
図1のような構成の場合、台管理装置300や島管理装置400等の中継装置において、アナログ信号をデジタル信号に変換する処理や、信号を所定フォーマットのパケットに変換する処理等がなされる場合がある。これらの処理は、当業者にとって自明であるため、本実施例では説明を省略する。
【0072】
なお、稼動情報に係る稼動信号(出玉信号、出玉予定信号、大当たり信号、確率変動状態信号を含む)が送出される構成は、これらの信号が管理装置100へ伝達されるならば、
図6に例示したものに限られない。また、管理装置100が受信する稼動情報に係る稼動信号は出玉信号、出玉予定信号、大当たり信号、確率変動状態信号に限られない。例えば、図柄が確定したこと等を示す信号や、一般的には遊技機本体210とは別に設けられたアウトボックス(図示省略)から出力される打玉信号(遊技機内に発射された遊技媒体の数に係る信号)が含まれるようにしてもよい。
【0073】
また管理装置100は、
図3(b)に示すように、判定用テーブル152、累積一時記憶領域153、第1記憶領域154、第2記憶領域155、第3記憶領域156、第4記憶領域157をHD105等の記憶装置に有する。
【0074】
判定用テーブル152には、各遊技状態における累積予定出玉数と累積出玉数との差分の許容範囲が記憶されている。具体的には、
図7(b)に示すように、判定用テーブル152には、遊技機200の遊技状態ごとに、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して算出した差分と、判定結果との対応関係が記憶されている。すなわち、
図7(a)は許容範囲を設定する画面の一例であり、「入賞球誤差」は当該差分を表す語の一例である。また、「通常時」、「大当時」、「確変時」は遊技状態毎の設定を示すものである。このような画面をディスプレイ107に表示させ、遊技場の従業員等が指示入力装置106を用いて数値を入力する。
図7(a)の例では、遊技機200の遊技状態が通常状態(
図4の(A)に相当)のときは、差分が−10以上10以下の場合は正常と判定し、これ以外の場合は異常と判定するよう設定する。これによって、判定用テーブル152には
図7(b)に示すように記憶される。これによると、例えば、算出された差分が、「9」である場合には、「正常」と判定される。原則として「累積予定出玉数=累積出玉数」となるはずであるが、差分が「−10以上、10以下」の場合は、出玉計数上の誤差等として、「正常」と判定されることとなる。
【0075】
一方、算出された差分が、例えば「15」である場合には、「異常」と判定される。このように、累積出玉数が累積予定出玉数より少ない場合には、機械的な故障等によって遊技機200の出玉の払い出し系統に異常が生じている、あるいは、払い出すべき遊技媒体がなく、遊技機200に遊技媒体を補給する補給機系統に異常が生じている等の可能性があることがわかる。
【0076】
また、算出された差分が、例えば「−20」である場合には、「異常」と判定される。このように、累積出玉数が累積予定出玉数より多い場合には、予定出玉数より多くの遊技媒体が払い出されたことを示すため、機械的な故障やゴト行為等によって遊技機200の出玉の払い出し系統に異常が生じている、あるいは、遊技機200の出玉予定信号を送出する部分に異常が生じている(例えば、入賞検知センサー等の入賞検知手段の故障、断線)等の可能性があることがわかる。
【0077】
なお、
図7(a)及び
図7(b)における「総合」欄は、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して算出された、全ての遊技状態を通じた累積出玉数及び累積予定出玉数に対して用いる判定用の値である。本実施例においては、第1記憶領域154に記憶されている累積出玉数と累積予定出玉数との差分を判定するために用いる。また、第2記憶領域155、第3記憶領域156には、それぞれ1時間毎、5分毎に区分けして出玉数等の累積値が記憶されているため、第1記憶領域154に記憶されている累積出玉数と累積予定出玉数との差分を判定する判定用の値とは別に、「時間」、「5分」の欄を設けている。
【0078】
累積一時記憶領域153の中には、
図8に示すように、遊技機200毎に、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機200の遊技状態毎に区分けされて夫々、記憶領域が設けられている。なお、遊技機200の遊技状態毎に区分けされた各記憶領域の中には、遊技状態を示す遊技状態情報が関連付けて記憶されており、出玉数、予定出玉数、打玉数と区分けされている。そして、累積一時記憶領域153は、出玉信号、出玉予定信号、打玉信号等の稼動信号に基づいて算出した、各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機200の遊技状態毎に区分けして累積的に記憶する。
【0079】
第1記憶領域154は、
図9に示すように、各遊技機200の、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を記憶する。例えば、第1記憶領域154は、遊技場の開店時から現在時刻までの各遊技機200の、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を記憶する。
【0080】
第2記憶領域155には、
図10に示すように、特定の時間で時間を区切った時間帯情報1552が関連付けられて記憶されている複数の記憶領域が設けられており、各記憶領域には、1時間毎に、時間を区切って各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶する。つまり第2記憶領域155は、例えば、「10時00分〜11時00分」の時間帯の各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、「11時00分〜12時00分」の時間帯の各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、「12時00分〜13時00分」の時間帯の各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数、というように1時間毎に区分けして、順に記憶領域に記憶する。
【0081】
第3記憶領域156は、
図11に示すように、特定の時間で時間を区切った時間帯情報1552が関連付けられて記憶されている複数の記憶領域が設けられており、5分毎に時間を区切って各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶する。つまり第3記憶領域156は、例えば10時00分〜10時5分の各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、10時5分〜10時10分の各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、10時10分〜10時15分の各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数、というように5分毎に区分けして順に記憶領域に記憶する。
【0082】
なお本実施例では、1時間毎に、及び5分毎に時間を区切って各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶するため、第2記憶領域155及び第3記憶領域156を設ける構成を示したが、この構成に限定されるわけではない。各遊技場の用途・目的に応じて、例えば、第5記憶領域(図示省略)を更に設けて、2時間毎に時間を区切って各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶する構成としても良いし、1分毎に時間を区切る構成としても良い。
【0083】
図12は第4記憶領域157に記憶される稼動情報を示した模式図である。第4記憶領域157は、各遊技機200の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機200の遊技状態毎に、時系列で区分けして記憶する。そのため、遊技機200(台番号)ごとに、遊技機200の識別情報である台番号1572、遊技機200の遊技状態を示す遊技状態情報1573、当該遊技状態の開始時刻を示す時刻1574、当該遊技状態の時間帯における累積予定出玉数1575、当該遊技状態の時間帯における累積出玉数1576、当該遊技状態の時間帯における累積打玉数1577が少なくとも記憶された記憶領域が、遊技状態の時間帯ごとに設けられる。
【0084】
具体的には、
図12に示す例では、台番号1の遊技機200は、通常状態(=大当たり状態及び確率変動状態が発生していない状態)の時間帯が10時00分(=遊技場の営業開始時)から継続し、この間の累積予定出玉数は120、累積出玉数は120、累積打玉数は630と記憶されており、次の遊技状態である大当たり状態は10時23分から継続し、この間の累積予定出玉数は1690、累積出玉数は1750、打玉数は470、次の遊技状態である確率変動状態は、大当たり状態終了後の10時28分から継続し、この間の累積予定出玉数は270、累積出玉数は270、累積打玉数は270と記憶されている。このように第4記憶領域157には、各遊技機200の各遊技状態の時間帯ごとに、当該遊技状態の時間帯における累積予定出玉数1575、累積出玉数1576、累積打玉数1577が記憶されている。なお、この累積予定出玉数1575、累積出玉数1576、累積打玉数1577は、受信した出玉予定信号、出玉信号及び打玉信号の受信回数を10倍したものを示している。すなわち、上述のように遊技機200から予定出玉数10ごと、出玉数10ごと及び打玉数10ごとに1パルスが出力される構成となっているため、受信した信号の回数を10倍することにより、おおよそ実際の予定出玉数、出玉数及び打玉数としているものである。ただし他の実施例では単に出玉予定信号、出玉信号、打玉信号の受信回数を記憶するものであっても良い。
【0085】
(使用例1)
次に、本実施例1における管理装置100が実行する処理1の流れを、
図13を参照にして説明する。また、以下の処理は各遊技機200について独立に実行する。
【0086】
管理装置100は、
図13(a)に示すように、各遊技機200から、出玉信号、出玉予定信号、打玉信号、大当たり信号、確率変動状態信号を含む稼動信号を受信する(ステップS1301)。管理装置100のCPU110は、受信した出玉信号、出玉予定信号、打玉信号から算出した出玉数、予定出玉数、打玉数を、各遊技機200の識別情報に関連付けて、大当たり信号及び確率変動状態信号の受信の有無に基づき、遊技機200の遊技状態毎に区分けして、累積一時記憶領域153に累積的に記憶する(ステップS1302)。次に、管理装置100のCPU110は、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、各遊技機200の識別情報に関連付けて、第1記憶領域154に記憶する(ステップS1303)。
【0087】
そして、
図13(b)に示すように、リアルタイムクロック111を参照して、CPU110は、予め設定された一定の時間が経過すると、第1記憶領域154に記憶されている累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS1304)。具体的に一例を挙げると、
図14に示すように、台番号3の遊技機200について、累積予定出玉数である35090から累積出玉数である35090を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機200について、累積予定出玉数である37940から累積出玉数である37270を減算すると、その結果は+(プラス)670となる。また、台番号1の遊技機200について、累積予定出玉数である51740から累積出玉数である52270を減算すると、その結果は−(マイナス)530となる。
【0088】
そしてCPU110は、判定用テーブル152の「総合」欄を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1305)。この判定を、各遊技機200について行い、判定結果を遊技機200毎に表示する。具体的には、算出した差分が所定の範囲に含まれる場合は、
図14の台番号3番台や5番台に示すように通常の表示を行う(ステップS1306)。一方、算出した差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した遊技機200については、例えば台番号1番台や2番台に示すように、算出した差分に係る欄をグレー等の特定の色に変え、異常と判定されたことが容易に識別可能となる特定表示を行う(ステップS1307)。
【0089】
なお、上述したステップS1304〜ステップS1307は、例えば15分間隔等の予め設定された間隔で実行される。そして、その際には、処理の実行時に第1記憶領域154に記憶されている各遊技機200の累積出玉数及び累積予定出玉数を使用して、差分の算出を行う。このステップS1304〜ステップS1307の処理は予め設定された時間間隔で行うことは上述の通りであるが、その時間間隔は上述の15分に限られるものではなく、例えば1分間隔としたり、1時間間隔としたりすることができ、任意に設定できるものである。この時間間隔を短くすれば、異常状態がよりリアルタイムに判定できる利点があるが、一方でコンピュータ(管理装置)の処理の負荷がかかるものとなる。また、この時間間隔が長ければ、コンピュータ(管理装置)にかかる負荷は比較的軽くなるが、異常状態判定のリアルタイム性が失われることとなる。従って、実際に遊技場で運用する場合にはこれらの点を考慮して適切な時間間隔を設定する。
【0090】
また、上記使用例1では、遊技場に配設されている全ての遊技機200について、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成を示したが、この構成に限定されるものではない。
【0091】
例えば、管理装置100のHD105等の記憶装置に、
図31に示すように、遊技場に配設されている遊技機200の機種毎等、特定の遊技機200について、遊技機200の識別情報に基づき、グループ設定を行うグループ設定テーブル311を記憶するグループ設定テーブル記憶領域(図示省略)を設ける。具体的には、グループ設定テーブル311には、
図31に示すように、グループ識別情報と、各グループ識別情報に対応する各遊技機200の識別情報1572が記憶されている。
【0092】
そして特定のグループに含まれる遊技機200のみについて、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。
【0093】
詳しくは、CPU110は、グループ設定テーブル311と、累積一時記憶領域153に記憶されている各遊技機200の識別情報1572とを照らし合わせて、遊技場に配設されている遊技機200のうち、特定のグループに含まれる複数の遊技機200のみについて、遊技状態毎の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積一時記憶領域153から夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出する。そして各遊技機200の識別情報に関連付けて、第1記憶領域154に記憶する。それから、第1記憶領域154に記憶されている累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する。そしてCPU110は、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う。そして、判定結果を遊技機200毎に表示する。なお、グループ設定テーブル311の入力は指示入力装置106とディスプレイ107を用いて行う。
【0094】
また例えば、CPU110は、特定のグループに含まれる遊技機200のみについて、遊技状態毎の出玉数、予定出玉数、打玉数を累積一時記憶領域153から夫々呼び出して、遊技機200毎に全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機200毎に夫々算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を合算して、当該グループ全体の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出する。そして当該グループ全体の累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。なお、この構成の場合には、判定用テーブル152に記憶されている判定値を、グループに含まれる遊技機200の数で乗じた判定値を用いたり、或いは、判定用テーブル152に、グループ全体の累積予定出玉数と累積出玉数との差分の許容範囲をあらかじめ記憶しておいたりする必要がある。
【0095】
このようにすれば、遊技場に配設されている特定の機種や特定の遊技機200について、何らかの異常が生じているか否かを知ることができ、便宜である。
【0096】
(使用例2)
次に、本実施例1における管理装置100が実行する処理2の流れを、
図15を参照にして説明する。また、以下の処理は各遊技機200について独立に実行する。
【0097】
管理装置100は、
図15(a)に示すように、各遊技機200から、出玉信号、出玉予定信号、打玉信号、大当たり信号、確率変動状態信号を含む稼動信号を受信する(ステップS1501)。管理装置100のCPU110は、受信した出玉信号、出玉予定信号、打玉信号から算出した出玉数、予定出玉数、打玉数を、各遊技機200の識別情報に関連付けて、大当たり信号及び確率変動状態信号の受信の有無に基づき、遊技機200の遊技状態毎に区分けして、累積一時記憶領域153に累積的に記憶する(ステップS1502)。次に、CPU110は、累積一時記憶領域153から、各遊技機200の遊技状態毎に区分けして記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、出玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出する(ステップS1503)。そしてリアルタイムクロック111で現在時刻を参照して、当該時刻の前に区切られた時間帯情報1552を有する、第2記憶領域155内の記憶領域に記憶されている累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を呼び出して、算出した累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から夫々減算する(ステップS1504)。それからCPU110は、減算後の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を第2記憶領域155内の当該時刻が含まれる時間帯の記憶領域に記憶させる(ステップS1505)。
【0098】
そして、
図15(b)に示すように、リアルタイムクロック111を参照して、CPU110は、予め設定された一定の時間が経過すると、第2記憶領域155の各記憶領域に記憶されている各時間帯の累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS1506)。具体的に一例を挙げると、
図16に示すように、台番号1の遊技機200について、時間帯1「10:00〜11:00」の累積予定出玉数である9260から累積出玉数である9290を減算すると、その結果は−(マイナス)30となる。また、時間帯2「11:00〜12:00」の累積予定出玉数である9810から累積出玉数である9820を減算すると、その結果は−(マイナス)10となる。また、時間帯3「12:00〜13:00」の累積予定出玉数である640から累積出玉数である640を減算すると、その結果は0となる。
【0099】
そしてCPU110は、判定用テーブル152の「
時間」を参照して、算出した時間枠毎の差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1507)。この判定を、各遊技機200について行い、判定結果を時間帯毎に表示する。具体的には、算出した差分が所定の範囲に含まれる場合は、
図16の時間帯1や時間帯2に示すように通常の表示を行う(ステップS1508)。一方、算出した差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、算出した差分に係る欄をグレー等の特定の色に変え、異常と判定されたことが容易に識別可能となる特定表示を行う(ステップS1509)。
【0100】
なお、上記使用例2では、時間帯情報1552を特定せずに、各時間帯の累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、特定の時間帯のみについて、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、表示させる構成としても良い。その場合にはCPU110は、第2記憶領域155の各記憶領域の中から、特定の時間帯情報1552が関連付けられて記憶されている記憶領域を選択して、当該記憶領域に記憶されている累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、表示する。
【0101】
また、特定の時間帯を指定するだけでなく、遊技機を指定する上述の構成と組み合わせて、遊技場に配設されている遊技機200の機種毎等、特定の遊技機200の特定の時間帯における累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、表示させる構成としても良い。
【0102】
また、第3記憶領域156に記憶している累積出玉数等についても、上述の使用例2と同様にして、判定用テーブル152に記憶している判定値との比較、及び表示を行う。なお、例えば30分毎の累積出玉数等を表示させる場合は、表示させる時間帯情報1552を予め設定する。これにより、第3記憶領域156に記憶している累積出玉数等を、設定された時間間隔となるように合算して、表示を行う。この場合、判定用テーブル152に記憶されている判定値も、設定された時間間隔となるように自動的に計算させる。すなわち、30分間の累積出玉数等を表示させるよう設定した場合、そのための判定値を判定用テーブル152に設定するよう構成しても良いし、判定用テーブル152の「5分」の欄の設定値を6倍して判定するよう構成しても良い。
【0103】
(使用例3)
次に、本実施例1における管理装置100が実行する処理3の流れを、
図17を参照にして説明する。また、以下の処理は各遊技機200について独立に実行する。
【0104】
管理装置100は、
図17(a)に示す通り、各遊技機200から、出玉信号、出玉予定信号、打玉信号、大当たり信号、確率変動状態信号を含む稼動信号を受信する(ステップS1701)。管理装置100のCPU110は、受信した出玉信号、出玉予定信号、打玉信号から算出した出玉数、予定出玉数、打玉数を、各遊技機200の識別情報に関連付けて、大当たり信号及び確率変動状態信号の受信の有無に基づき、遊技機200の遊技状態毎に区分けして、累積一時記憶領域153に累積的に記憶する。その結果、累積一時記憶領域153内に記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数が更新されると(ステップS1702)、CPU110は、累積一時記憶領域153から遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の更新後の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出すとともに、第4記憶領域157の比較情報記憶領域158の中から、遊技状態毎に区分けして記憶されている各遊技機200の出玉数、予定出玉数、打玉数を呼び出して、比較する(ステップS1703)。比較の結果(ステップS1704)、出玉数等が増加している遊技状態が、既に作成されている記憶領域の遊技状態情報と同一の場合には、当該記憶領域に既に記憶されている出玉数、予定出玉数、打玉数に、増加分の出玉数、予定出玉数、打玉数を加算して、加算後の出玉数、予定出玉数、打玉数を、累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数として、当該記憶領域に上書きして記憶させる(ステップS1705)。一方、出玉数等が増加している遊技状態が、既に作成されている記憶領域の遊技状態情報と異なっている場合には、新たな記憶領域を作成し(ステップS1706)、当該記憶領域に増加分の出玉数等を記憶させる(ステップS1707)。
【0105】
次に、CPU110は、
図17(b)に示すように、リアルタイムクロック111を参照して、CPU110は、予め設定された一定の時間が経過すると、遊技状態毎に時系列で、第4記憶領域157内の記憶領域に区分けされて記憶されている累積予定出玉数及び累積出玉数を夫々呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算した差分を算出する(ステップS1708)。そしてCPU110は、判定用テーブル152を参照して、遊技機200の遊技状態毎に、算出した各差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1709)。そして、CPU110は、算出した各差分と判定結果を、第4記憶領域157に記憶する(ステップS1710)。
【0106】
また、遊技場の従業員等の操作により、第4記憶領域157に記憶した情報をディスプレイ107に表示する。具体的には
図18に示すように、算出された差分及び判定結果を、遊技機の遊技状態毎に時系列に沿って表示する(ステップS1711)。このとき、判定の結果「異常」と判定したものについては、算出した差分に係る欄をグレー等の特定の色に変え、異常と判定されたことが容易に識別可能となる特定表示を行う。なお、「異常」と判定されたことを識別できればよいため、表示の方法はこれに限られるものでないことは使用例1等の場合と同様である。
【0107】
なお、この使用例3に示した遊技状態毎の累積出玉数等の算出方法は上記のものに限定されないことは当然である。例えば、遊技状態とは無関係に通算した出玉数等の累積値を例えば1秒間隔等の所定周期で更新して記憶しておくとともに、各遊技機200の遊技状態を、遊技機200から受信した、稼動信号のうち遊技状態に関する大当り信号等を元に、例えば1秒間隔等の所定周期で更新して別途記憶しておく。そして、遊技状態が前の状態から変更された場合、第4記憶領域157に新たな記憶領域を作成して、当該遊技状態及び当該遊技状態の開始時刻と関連付けて、出玉数等を記憶するよう構成しても良い。
【0108】
具体的には、予め比較情報記憶領域158に、遊技状態とは無関係に通算した出玉数等の累積値を記憶しておく。そして、累積一時記憶領域153に記憶された累積値が更新されると、この累積一時記憶領域153に記憶された累積値と、比較情報記憶領域158に記憶された累積値との差分値を算出する。一方、遊技状態についても、前回更新時の遊技状態と、今回更新時の遊技状態とを比較する。遊技状態の比較の結果、遊技状態が異なれば、第4記憶領域157内に新たな記憶領域を設けて遊技状態及びその開始時刻(当該記憶領域の作成時刻)と関連付けて、算出した差分値を加算して記憶する。遊技状態の比較の結果、遊技状態が変わっていなければ、当該遊技状態についての記憶領域に記憶されている出玉数等の値に、上記差分値を加算して記憶する。係る構成としても同様の作用効果を得ることができるものである。
【0109】
また、上記使用例3では、遊技機200の全ての遊技状態について、遊技状態毎に時系列に沿って算出された差分及び判定結果を表示する構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、特定の遊技状態についてのみ、時系列に沿って算出された差分及び判定結果を表示する構成としても良い。その場合は、CPU110が累積一時記憶領域153から累積出玉数等を呼び出す際に、特定の遊技状態情報が関連付けて記憶されている記憶領域の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数のみを呼び出す。
【0110】
また、上記使用例3の構成と、上述した使用例2の特定の時間帯を指定する構成と組み合わせて、特定の時間帯についてのみ、遊技状態毎に時系列に沿って算出された差分及び判定結果を表示する構成としても良い。
【0111】
また、特定の遊技状態を指定する構成と、特定の時間帯を指定する構成とを組み合わせて、遊技場に配設されている遊技機200の特定の時間帯の特定の遊技状態における累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、時系列に沿って差分及び判定結果を表示させる構成としても良い。
【0112】
また、上記使用例3の構成と、上述した特定の遊技機200を指定する構成とを組み合わせて、特定のグループに含まれる各遊技機200について、遊技状態毎に時系列に沿って記憶されている累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を遊技状態毎に合算して、当該グループ全体の遊技状態毎の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出する。そして各遊技状態について、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。なお、その場合には、グループ全体における遊技状態毎の差分及び判定結果を表示させる。なお、この構成の場合には、判定用テーブル152に記憶されている判定値を、グループに含まれる遊技機200の数で乗じた判定値を用いたり、或いは、判定用テーブル152に、グループ全体の累積予定出玉数と累積出玉数との差分の許容範囲をあらかじめ記憶しておいたりする必要がある。
【0113】
更に、グループ全体の遊技状態毎の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出するこの構成と、上述した特定の時間帯を指定する構成とを組み合わせて、特定の時間帯におけるグループ全体の遊技状態毎の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、各遊技状態について、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。
【0114】
また、グループ全体の遊技状態毎の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出するこの構成と、上述した遊技状態を指定する構成とを組み合わせて、特定の遊技状態においてのみグループ全体の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、当該遊技状態について、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。
【0115】
また、グループ全体の遊技状態毎の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出するこの構成と、上述した遊技状態を指定する構成及び特定の時間帯を指定する構成を組み合わせて、特定の時間帯の特定の遊技状態におけるグループ全体の累積出玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、当該遊技状態について、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、判定用テーブル152を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。
【0116】
なお、使用例1〜3と、遊技機200の遊技状態の指定、時間帯の指定、特定の遊技機200の指定、特定の遊技機200からなるグループ全体の指定の組み合わせは自在であって、上述した構成に限られないことは自明である。
【0117】
このように、管理システムAを構成することによって、遊技機等に何らかの異常が生じていることを、遊技場の従業員等に知らせることができる。そのため知らせを受けた従業員等は、迅速に適切な対応を採ることができる。また、上述した使用例1で示したように、遊技場に配設されている各遊技機200について、算出された差分及び判定結果を表示する構成としたため、遊技場に配設されているどの遊技機200について差分が大きくなっているのかを、遊技場の従業員等は一目瞭然に知ることができる。また、上述した使用例2で示したように、あらかじめ設定された時間帯毎に区分けして、夫々の時間帯毎に算出された差分及び判定結果を表示する構成としたため、いずれの時間帯で、どの遊技機200について差分が大きくなっているのか、遊技場の従業員等は知ることができる。また、上述した使用例3で示したように、遊技機200の遊技状態毎に区別して時系列化し、時系列に沿って遊技状態毎に算出された差分及び判定結果を表示する構成としたため、いつの時間帯の遊技状態で差分が大きくなっているのかを、遊技場の従業員等は知ることができる。また、時系列に沿って遊技状態毎に算出された差分及び判定結果を第4記憶領域157に累積的に記憶する構成であるため、遊技場の営業時間終了後や後日等に行われる、遊技機に異常が生じた原因の分析に役立てることも可能となるものである。
【0118】
また、上記実施例では、累積一時記憶領域153に各遊技機200の遊技状態毎に区分けされて記憶されている出玉数等の情報を用いて、各遊技機200の遊技状態の変化を判別し、第4記憶領域
157に時系列に沿って遊技状態毎に区分けして出玉数等を記憶させる構成を示したが、この構成に限定されるわけではない。
【0119】
例えば、
図19に示すように、第4記憶領域157の中に、通常状態記憶領域1578、確率変動状態記憶領域1579、大当たり状態記憶領域1580、確変大当たり状態記憶領域1581を設ける。そしてCPU110は、出玉信号、出玉予定信号、打玉信号を受信すると、大当たり信号及び確率変動状態信号の受信の有無を確認する。その結果、大当たり信号及び確率変動状態信号のいずれについても受信していない場合には、当該出玉信号に係る出玉数、出玉予定信号に係る予定出玉数、打玉信号に係る打玉数を、時刻とともに通常状態記憶領域1578に記憶する。また、確率変動状態信号のみを受信している場合には、当該出玉信号に係る出玉数、出玉予定信号に係る予定出玉数、打玉信号に係る打玉数を、時刻とともに確率変動状態記憶領域1579に記憶する。また、大当たり信号のみを受信している場合には、その直前の遊技状態も参照して、通常状態の直後に大当り信号を受信している場合には、当該出玉信号に係る出玉数、出玉予定信号に係る予定出玉数、打玉信号に係る打玉数を、時刻とともに大当たり状態記憶領域1580に記憶する。また、大当たり信号のみを受信しており、確率変動状態の直後に大当り信号を受信している場合には、当該出玉信号に係る出玉数、出玉予定信号に係る予定出玉数、打玉信号に係る打玉数を、確変大当たり状態記憶領域1581に記憶する。
【0120】
また例えば、
図20に示すように、CPU110が、大当たり信号又は確率変動状態信号の受信を認識した場合、大当たり信号及び確率変動信号のいずれも受信をしていないことを認識した場合には、そのたびに、第4記憶領域157の中に新たな記憶領域1582、1583、1584等を作成し、その後受信した出玉信号に係る出玉数、出玉予定信号に係る予定出玉数、打玉信号に係る打玉数を当該記憶領域1582等に記憶する構成とする。なお、大当たり信号等の受信を認識して、新たに作成した記憶領域1582、1583、1584等には、大当たり状態である旨などの遊技状態情報を関連付けておき、大当たり信号等の受信をしていないことを認識して、新たに作成した記憶領域1582、1583、1584等には、通常状態である旨の情報を関連付けておく。
【0121】
このように、あらかじめ遊技機200の遊技状態毎に区分けして、出玉数及び予定出玉数を記憶させる構成とすれば、各記憶領域内に記憶されている出玉数及び予定出玉数を集計するだけで、遊技機200の状態毎の、予定出玉数から出玉数を減算した差分を算出することができる。これらの場合、使用例3においては累積一時記憶領域153に記憶している記憶内容を参照することなく稼動情報の集計及び差分の算出が可能となる。
【0122】
また、上記実施例1では、累積予定出玉数と累積出玉数との差分を算出するタイミングを予め設定した時間間隔によって行うこととしているが、これに限られるものではなく、例えば打玉信号の受信回数、又はこの打玉信号に基づいて算出した打玉数、を基準として、累積予定出玉数と累積出玉数との差分を算出するように構成しても良い。所定回数の打玉信号を受信したら、又はHD105の累積一時記憶領域153等に累積的に記憶される打玉数が所定個数に達したら、累積予定出玉数と累積出玉数との差分を算出する。これは、例えば打玉信号であれば10回ごと、打玉数であれば100個ごと、など、任意の数を設定することができる。
【0123】
更に、累積予定出玉数と累積出玉数との差分を算出するタイミングを、予め設定した出玉予定信号の受信回数ごととしたり、予め設定した累積予定出玉数に達するごとを基準としても良いし、予め設定した出玉信号の受信回数ごとを基準としたり、予め設定した累積出玉数に達するごととしても良い。これは、例えば出玉予定信号であれば10回ごと、累積予定出玉数であれば100個ごと、など、任意の数を設定することができる。
【実施例2】
【0124】
上記実施例1では、出玉予定信号と出玉信号を受信して、予定出玉数から出玉数を減算して、差分を算出する管理システムAの構成を示したが、本実施例2では、出玉予定信号と補給玉信号を受信して、予定出玉数から補給玉数を減算して、差分を算出する管理システムBの構成を示す。なお、上記実施例1と同様の構成要素については同符号を用い、説明を省略する。また、変形例についても同様であるため、説明を省略する。
【0125】
通常、遊技場に配設されている遊技機は、貸玉や、入賞に応じて払い出す景品玉として用いるために、遊技媒体としてのパチンコ玉を内部に蓄えている。また遊技機は、補給樋に接続されており、内部に蓄えてあるパチンコ玉が、払い出しにより減少すると、補給樋から所定量のパチンコ玉を遊技機内に補給する。従って、補給樋から遊技機に補給されたパチンコ玉の量と、遊技機から払い出されたパチンコ玉の量は、一致するのが、原則である。
【0126】
図21を用いて、以下具体的に説明する。
図21は、本実施例の遊技機800の外観構成の概略を例示した模式図である。遊技機800の上方には、パチンコ玉の補給樋801が渡してあり、補給樋801から分岐した玉補給路802が、遊技機800の上部裏面に配設した賞玉タンク803へと伸びている。この玉補給路802の途中には補給樋801から賞玉タンク803にパチンコ玉を補給するか否かの制御を行う補給手段804が取り付けてある。補給手段804は、入賞等により、賞玉タンク803からパチンコ玉が払い出され、賞玉タンク
803内のパチンコ玉の量が少なくなると、パチンコ玉を、補給樋801から賞玉タンク803に補給する。このとき、補給手段804は、補給したパチンコ玉の個数を計数すると共に、当該計数値に係る補給玉信号を、管理装置100に送出する。
【0127】
管理装置100のHD180には、
図22に示すように、出玉予定信号に基づく予定出玉数、補給玉信号に基づく補給玉数、打玉信号に基づく打玉数等を、各遊技機800について、遊技状態毎に区分けして、累積的に記憶する累積一時記憶領域183と、累積予定出玉数と累積補給玉数との差分と判定結果との対応関係を記憶する判定用テーブル182と、各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数等を記憶する第1記憶領域184と、複数の記憶領域が設けられており、当該各記憶領域に、1時間毎に、時間を区切って各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数等を記憶する第2記憶領域185と、複数の記憶領域が設けられており、当該各記憶領域に、5分毎に、時間を区切って各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数等を記憶する第3記憶領域186と、各遊技機800について、時系列に沿って遊技状態毎に区分けして、累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数等を記憶する第4記憶領域187とが設けられている。
【0128】
判定用テーブル182には、各遊技状態における累積予定出玉数と累積補給玉数との差分の許容範囲が記憶されている。具体的には、
図23(b)に示すように、判定用テーブル182には、遊技機800の遊技状態ごとに、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して算出した差分と、判定結果との対応関係が記憶されている。すなわち、
図23(a)は許容範囲を設定する画面の一例であり、「入賞球誤差」は当該差分を表す語の一例である。また、「通常時」、「大当時」、「確変時」は遊技状態毎の設定を示すものである。このような画面をディスプレイ107に表示させ、遊技場の従業員等が指示入力装置106を用いて数値を入力する。
図23(a)の例では、遊技機800の遊技状態が通常状態(
図4の(A)に相当)のときは、差分が−10以上10以下の場合は正常と判定し、これ以外の場合は異常と判定するよう設定する。これによって、判定用テーブル182には
図23(b)に示すように記憶される。これによると、例えば、算出された差分が、「9」である場合には、「正常」と判定される。原則として「累積予定出玉数=累積補給玉数」となるはずであるが、差分が「−10以上、10以下」の場合は、
補給玉計数上の誤差等として、「正常」と判定されることとなる。
【0129】
一方、算出された差分が、例えば「15」である場合には、「異常」と判定される。このように、累積補給玉数が累積予定出玉数より少ない場合には、払い出すべき遊技媒体がなく、遊技機800に遊技媒体を補給する補給機系統に異常が生じている等の可能性があることがわかる。
【0130】
また、算出された差分が、例えば「−20」である場合には、「異常」と判定される。このように、累積補給玉数が累積予定出玉数より多い場合には、予定出玉数より多くの遊技媒体が払い出されたことを示すため、機械的な故障やゴト行為等によって遊技機800の補給玉の払い出し系統に異常が生じている、あるいは、遊技機800の出玉予定信号を送出する部分に異常が生じている(例えば、入賞検知センサー等の入賞検知手段の故障、断線)等の可能性があることがわかる。
【0131】
なお、
図23(a)及び
図23(b)における「総合」欄は、累積一時記憶領域183から、各遊技機800の遊技状態毎に区分けして記憶されている補給玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、補給玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して算出された、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数及び累積予定出玉数に対して用いる判定用の値である。本実施例においては、第1記憶領域184に記憶されている累積補給玉数と累積予定出玉数との差分を判定するために用いる。また、第2記憶領域185、第3記憶領域186には、それぞれ1時間毎、5分毎に区分けして補給玉数等の累積値が記憶されているため、第1記憶領域184に記憶されている累積補給玉数と累積予定出玉数との差分を判定する判定用の値とは別に、「時間」、「5分」の欄を設けている。
【0132】
累積一時記憶領域183の中には、
図24に示すように、遊技機800毎に、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機800の遊技状態毎に区分けされて夫々、記憶領域が設けられている。なお、遊技機800の遊技状態毎に区分けされた各記憶領域の中には、遊技状態を示す遊技状態情報が関連付けて記憶されており、補給玉数、予定出玉数、打玉数と区分けされている。そして、累積一時記憶領域183は、補給玉信号、出玉予定信号、打玉信号等の稼動信号に基づいて算出した、各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機800の遊技状態毎に区分けして累積的に記憶する。
【0133】
第1記憶領域184は、
図25に示すように、各遊技機800の、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を記憶する。例えば、第1記憶領域184は、遊技場の開店時から現在時刻までの各遊技機800の、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を記憶する。
【0134】
第2記憶領域185には、
図26に示すように、特定の時間で時間を区切った時間帯情報1852が関連付けられて記憶されている複数の記憶領域が設けられており、各記憶領域には、1時間毎に、時間を区切って各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶する。つまり第2記憶領域185は、例えば、「10時00分〜11時00分」の時間帯の各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、「11時00分〜12時00分」の時間帯の各遊技機
800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、「12時00分〜13時00分」の時間帯の各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数、というように1時間毎に区分けして、順に記憶領域に記憶する。
【0135】
第3記憶領域186は、
図27に示すように、特定の時間で時間を区切った時間帯情報1852が関連付けられて記憶されている複数の記憶領域が設けられており、5分毎に時間を区切って各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶する。つまり第3記憶領域186は、例えば10時00分〜10時5分の各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、10時5分〜10時10分の各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数と、10時10分〜10時15分の各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数、というように5分毎に区分けして順に記憶領域に記憶する。
【0136】
図28は第4記憶領域187に記憶される稼動情報を示した模式図である。第4記憶領域187は、各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機800の遊技状態毎に、時系列で区分けして記憶する。そのため、遊技機800(台番号)ごとに、遊技機800の識別情報である台番号1872、遊技機800の遊技状態を示す遊技状態情報1873、当該遊技状態の開始時刻を示す時刻1874、当該遊技状態の時間帯における累積予定出玉数1875、当該遊技状態の時間帯における累積補給玉数1876、当該遊技状態の時間帯における累積打玉数1877が少なくとも記憶された記憶領域が、遊技状態の時間帯ごとに設けられる。
【0137】
具体的には、
図28に示す例では、台番号1の遊技機800は、通常状態(=大当たり状態及び確率変動状態が発生していない状態)の時間帯が10時00分(=遊技場の営業開始時)から継続し、この間の累積予定出玉数は120、累積補給玉数は120、累積打玉数は630と記憶されており、次の遊技状態である大当たり状態は10時23分から継続し、この間の累積予定出玉数は1690、累積補給玉数は1750、打玉数は470、次の遊技状態である確率変動状態は、大当たり状態終了後の10時28分から継続し、この間の累積予定出玉数は270、累積補給玉数は270、累積打玉数は270と記憶されている。このように第4記憶領域187には、各遊技機800の各遊技状態の時間帯ごとに、当該遊技状態の時間帯における累積予定出玉数1875、累積補給玉数1876、累積打玉数1877が記憶されている。なお、この累積予定出玉数1875、累積補給玉数1876、累積打玉数1877は、受信した出玉予定信号、補給玉信号及び打玉信号の受信回数を10倍したものを示している。すなわち、上述のように遊技機800から予定出玉数10ごと、補給玉数10ごと及び打玉数10ごとに1パルスが出力される構成となっているため、受信した信号の回数を10倍することにより、おおよそ実際の予定出玉数、補給玉数及び打玉数としているものである。ただし他の実施例では単に出玉予定信号、補給玉信号、打玉信号の受信回数を記憶するものであっても良い。
【0138】
(累積一時記憶領域183)
また、CPU190は、上述の
図24に示すように、累積一時記憶領域183に、各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機800の遊技状態毎に区分けして記憶させる。詳しくは、CPU190は、例えば、補給玉信号を受信すると、遊技機800の遊技状態を判断した上で、該当する遊技状態の記憶領域の補給玉数を加算更新する。
【0139】
(第1記憶領域184)
また、CPU190は、
図25に示すように、第1記憶領域184に、各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる。詳しくは、累積一時記憶領域183から、各遊技機800の遊技状態毎に区分けして記憶されている補給玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、補給玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機800毎に第1記憶領域184内の記憶領域に記憶させる。なお本実施例では、CPU190は、累積一時記憶領域183に記憶されている補給玉数等が加算更新される度に、新たに全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機800毎に第1記憶領域184内の記憶領域に記憶されている累積補給玉数等を書き換える構成とするが、この構成に限定されるものではなく、例えば一定時間経過毎に(例えば、1分毎に)、CPU190は、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、遊技機800毎に第1記憶領域184内の記憶領域に記憶させる構成としても良い。
【0140】
(第2記憶領域185)
また、CPU190は、
図26に示すように、第2記憶領域185に、1時間毎に、時間を区切って、時間帯毎に記憶領域を分けて、各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる。詳しくは、CPU190は、累積一時記憶領域183から、各遊技機800の遊技状態毎に区分けして記憶されている補給玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、補給玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出する。そしてリアルタイムクロック111で現在時刻を参照して、当該現在時刻の前に区切られた時間帯情報1852を有する、第2記憶領域185内の記憶領域に記憶されている累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を呼び出して、算出した累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数から、呼び出した累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を夫々減算する。それからCPU190は、減算後の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を第2記憶領域185内の当該時刻が含まれる時間帯の記憶領域に記憶させる。
【0141】
(第3記憶領域186)
また、CPU190は、
図27に示すように、第3記憶領域186に、5分毎に時間を区切って各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数を累積的に記憶させる。CPU190の動作は、上述した第2記憶領域185の場合と同様であるであるため、説明を省略する。
【0142】
(第4記憶領域187)
また、CPU190は、
図28に示すように、第4記憶領域187に、各遊技機800の累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を、通常状態、大当たり状態、確率変動状態、確変大当たり状態といった遊技機800の遊技状態毎に、時系列で区分けして記憶させる。
【0143】
つまりCPU190は、累積一時記憶領域183に遊技状態毎に区分けされて記憶されている各遊技機800の更新後の補給玉数、予定出玉数、打玉数と、比較情報記憶領域188に遊技状態毎に区分けされて記憶されている各遊技機800の補給玉数、予定出玉数、打玉数とを比較して、出玉数等が増加している遊技状態が、既に作成されている記憶領域の遊技状態情報と同一の場合には、当該記憶領域に記憶されている補給玉数等に、増加分の補給玉数等を加算して、加算後の補給玉数等を上書きして記憶させる。一方、補給玉数等が増加している遊技状態が、既に作成されている記憶領域の遊技状態情報と異なっている場合には、新たな記憶領域を作成し、当該記憶領域に増加分の補給玉数等を新たに記憶させる。
【0144】
またCPU190は、第1記憶領域184〜第4記憶領域187に記憶されている各遊技機800の累積補給玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数と累積補給玉数との比較を行う比較手段としての役割を果たす。本実施例2では比較の方法として、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積補給玉数とを比較できればその方法は問わないものである。したがって、累積補給玉数から累積予定出玉数を減算して差分を算出する構成としても良い。このような算出方法によっても同様の作用効果を得られる。
【0145】
更に、CPU190は、判定用テーブル182を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。また、CPU190は、算出した差分を含む情報をディスプレイ107上に表示させる制御を行う。
【0146】
なお、判定の結果、算出した差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU190は、所定の異常処理、すなわち算出した差分を、「正常」と判定された遊技機800に係る差分値と区別した態様でディスプレイ107上に表示させる異常処理手段としての役割を果たす。
【0147】
また、CPU190は、リアルタイムクロック111から時計、カレンダーの各データを受信して、現在時刻を参照する。
【0148】
次に、本実施例2における管理装置100が実行する処理の流れを説明する。なお、以下の処理は遊技機800のそれぞれについて独立に実行する。
【0149】
図29(a)に示すように、管理装置100は、各遊技機800から、補給玉信号、出玉予定信号、打玉信号、大当たり信号、確率変動状態信号を含む稼動信号を受信する(ステップS2901)。管理装置100のCPU190は、受信した補給玉信号、出玉予定信号、打玉信号から算出した補給玉数、予定出玉数、打玉数を、各遊技機800の識別情報に関連付けて、大当たり信号及び確率変動状態信号の受信の有無に基づき、遊技機800の遊技状態毎に区分けして、累積一時記憶領域183に累積的に記憶する(ステップS2902)。次に、管理装置100のCPU190は、累積一時記憶領域183から、各遊技機800の遊技状態毎に区分けして記憶されている補給玉数、予定出玉数、打玉数を夫々呼び出して、補給玉数、予定出玉数、打玉数毎に加算して、全ての遊技状態を通じた累積補給玉数、累積予定出玉数、累積打玉数を算出し、各遊技機800の識別情報に関連付けて、第1記憶領域184に記憶する(ステップS2903)。
【0150】
そして、
図29(b)に示すように、リアルタイムクロック111を参照して、CPU190は、予め設定された一定の時間が経過すると、第1記憶領域184に記憶されている累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して、差分を算出する(ステップS2904)。具体的に一例を挙げると、
図30に示すように、台番号3番台の遊技機800について、累積予定出玉数である35090から累積補給玉数である35090を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2番台の遊技機800について、累積予定出玉数である37940から累積補給玉数である37270を減算すると、その結果は+(プラス)670となる。また、台番号1番台の遊技機800について、累積予定出玉数である51740から累積補給玉数である52270を減算すると、その結果は−(マイナス)530となる。
【0151】
そしてCPU190は、判定用テーブル182を参照して、算出した差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS2905)。この判定を、各遊技機800について行い、判定結果を遊技機800毎に表示する。具体的には、算出した差分が所定の範囲に含まれる場合は、
図30の台番号3番台や5番台に示すように通常の表示を行う(ステップS2906)。一方、算出した差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した遊技機800については、例えば台番号1番台や2番台に示すように、算出した差分に係る欄をグレー等の特定の色に変え、異常と判定されたことが容易に識別可能となる特定表示を行う(ステップS2907)。
【0152】
なお、上述したステップS2904〜ステップS2907は、例えば、15分間隔等の予め設定された間隔で実行される。そして、その際には、処理の実行時に第1記憶領域184に記憶されている各遊技機800の累積補給玉数及び累積予定出玉数を使用して、差分の算出を行う。
【0153】
なお、本実施例2では、遊技機からは貸玉が払い出されないことを前提として、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して、その差分を算出する構成を示した。しかし、遊技機本体210に設けられた1つの払出機構(図示省略)を用いて、入賞に応じて払い出される賞球と貸玉の両方が遊技機800から払い出される構成を前提とする場合は、累積補給玉数のうち、貸玉分を差し引いた減算後の累積補給玉数と、累積予定出玉数との差分を算出する。
【0154】
具体的には、遊技者による玉貸し操作を受け付けると、所定の売上信号を管理装置100に対して出力するとともに遊技機800に対して遊技媒体の払出を指令する、遊技機間に配置する台間装置(図示省略)を設ける。また、管理装置100は、予めこの売上信号に対応して遊技機本体210から払い出される貸玉の個数との関係を記憶している構成とする。この売上信号と貸玉の個数との関係は、例えば100円相当で売上信号が1パルス出力され、貸玉1個当たり4円としている場合は、売上信号を1パルス分受信すると25玉の貸玉が払い出されたものと換算するよう記憶する。なお、この対応関係は遊技場の運営方法次第で任意に設定可能なことは当然である。
【0155】
そして、管理装置100は、台間装置から売上信号を受信すると、売上信号に対応する貸玉の個数を累積的に記憶しておき、累積予定出玉数と累積補給玉数との差分を算出する際、累積補給玉数から貸玉の個数を減算し、減算後の累積補給玉数と累積予定出玉数との差分を算出する。このように累積補給玉数から貸玉の個数を減算することで、入賞による払い出しの結果賞玉タンク803に補給された補給玉数の合計(累積補給玉数)と累積予定出玉数との差分をより厳密に算出することができ、遊技機800から貸玉を払い出す構成となっている場合でも、遊技機等に異常が生じている可能性を的確に判別可能となる。
【0156】
また、本実施例2では遊技機800の賞玉タンク803に補給された遊技媒体の量を特定する方法として、上述の補給手段804から出力された補給信号を用いる構成としているが、これに限られるものではなく、補給された遊技媒体の量を特定できればその方法は問わないものである。
【0157】
また、上記の実施例においては、管理対象の遊技機としてパチンコ機を想定して説明を行った。しかし、上述の管理システムは、例えば、パチスロ(スロットマシン)やパロット等の他の遊技機に対しても適用可能であることは明らかである。
【0158】
なお、上記実施例1及び2では、予定出玉数と出玉数との差分、或いは予定出玉数と補給玉数との差分について、所定の許容範囲を設け、この許容範囲を超えた場合に「異常」と判定することとしているが、これに限定されるものではなく、許容範囲を設けず、算出した差分が「0」でなければ「異常」と判定して特定表示を行う構成としても良い。
【0159】
また、上記実施例1及び2では、特定表示として、欄の色を変える構成を示したが、特定表示はこの構成に限定されるものではなく、異常と判定されたことが容易に識別できれば良い。従って、該当欄を点滅させたり、「☆」や「◎」等のマークを付したり、異常と判定された台番号や差分の欄に吹き出し表示を設ける等を行っても良い。また、この場合、特定表示を伴って算出した差分を表示させると共に、異常と判定された遊技機200、800の識別情報を、遊技場の各従業員が装着しているインカムに送出する構成としても良い。更に、この場合、管理装置100から異常と判定された遊技機200、800に対し、異常信号が送出され、異常信号を受信した遊技機200、800は、遊技媒体の払い出しを停止すると共に、表示
器230を点滅させる構成としても良い。また、警報の発報だけを行う構成、ディスプレイ107上に警告表示を行うだけの構成としても良いし、異常と判定された遊技機200、800への電源の供給を停止させる構成としても良い。更に、遊技機200、800に隣接して設置されている台間装置(図示省略)に対して警告音の発報や異常を知らせる表示の明滅を行わせたりする構成としても良い。更に、遊技場内に設けられているカメラ(図示省略)を用い、異常と判定した場合はその遊技機200、800に焦点を当て、拡大撮像するなどしてディスプレイ107その他のモニターに表示させるように構成しても良い。このように、異常と判定したことを遊技場の従業員などに対して報知することができれば、いずれの方法によるかを問わないものである。
【0160】
さらに、算出された差分が正常と判定される範囲より大きかった場合と小さかった場合とで行う特定表示の方法を変えるよう構成しても良い。具体的には、算出された差分が正常と判定される範囲より小さかった場合には、例えば、機械的な故障やゴト行為の可能性を示す文字・図形・記号を表示する。一方、算出された差分が正常と判定される範囲より大きかった場合には、例えば、機械的な故障や補給機系統の故障の可能性を示す文字・図形・記号を表示するように構成しても良い。
【0161】
また上記実施例1及び2において説明したような、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数について差分を算出する構成では、一旦異常と判定されると次回以降も前回までの差分値が影響して異常と判定され続けることとなる。そこでこれを解消するため、判定処理によって「異常」と判定された場合、その時点での差分を0とみなす処理を行って次回以降の判定に利用する構成としても良い。
【0162】
実施例1に基づいて具体的な一例を挙げると、HD105等の記憶装置に、「異常」と判定された遊技機200に関し、当該判定処理が行われた時点における累積予定出玉数と累積出玉数との差分値を遊技機200の識別情報(台番号)とともに記憶しておく。そして当該台番号の遊技機200の次回以降の判定処理において、当該記憶された差分値も加味して、累積予定出玉数と累積出玉数との差分値を算出する。例えば台番号10の遊技機200について、ある時点での累積予定出玉数が19900、累積出玉数が18800であったとすると、累積予定出玉数(19900)−累積出玉数(18800)=差分値(1100)となる。これは本実施例の判定用テーブル152(
図7の「総合」)を参照すると「異常」と判定されることとなる。異常と判定されたとき、HD105等の記憶装置に、台番号10、差分値1100と記憶しておく。そして、次回の判定処理の際、この記憶した差分値を呼び出し、例えば台番号10の遊技機200における累積予定出玉数が27000、累積出玉数が26100であったとすると、累積予定出玉数(27000)−累積出玉数(26100)−上記呼び出した差分値(1100)を演算して、差分値は−200と算出する。
【0163】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を取ることが可能である。
【0164】
また本発明は、前述した実施例の機能を実現するプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0165】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、このコンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明の技術的範囲に含まれる。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含む。この場合、プログラムの提供方法としては、CD−ROM、DVD等の記憶媒体を用いて提供する方法や、電気通信回線を介して提供する方法等が含まれる。