特許第6069281号(P6069281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069281回転軸を中心に運動する走査ユニットを備えるセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069281
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】回転軸を中心に運動する走査ユニットを備えるセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20170123BHJP
   G01S 17/42 20060101ALI20170123BHJP
   G01S 17/87 20060101ALI20170123BHJP
   G01S 13/86 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   G01S7/481 Z
   G01S17/42
   G01S17/87
   G01S13/86
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-213434(P2014-213434)
(22)【出願日】2014年10月20日
(65)【公開番号】特開2015-81921(P2015-81921A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2014年10月20日
(31)【優先権主張番号】10 2013 111 547.0
(32)【優先日】2013年10月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591005615
【氏名又は名称】ジック アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローランド ゲーリング
(72)【発明者】
【氏名】ゴットフリート フグ
(72)【発明者】
【氏名】デニス リプシンスキー
【審査官】 中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−521545(JP,A)
【文献】 特開2012−185053(JP,A)
【文献】 特開平02−115784(JP,A)
【文献】 特開平09−236656(JP,A)
【文献】 特開平09−297261(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0286009(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102004014041(DE,A1)
【文献】 特表2007−526453(JP,A)
【文献】 特表2006−527842(JP,A)
【文献】 特表2012−505115(JP,A)
【文献】 特開2005−109935(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0205755(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/51
G01S13/00−13/95
G01S17/00−17/95
G01C 1/00−15/14
G01B11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域(20)から物体情報を検出するためのセンサ(10)であって、前記監視領域(20)内の物体から到来する電磁信号から電気的な受信信号を生成するための受信器(32、34)を有する検出ユニット(18a〜c)、回転軸(14)を中心に運動する走査ユニット(16)であって、その内部に前記監視領域(20)の周期的な走査のための前記検出ユニット(18)が収納された走査ユニット(16)、及び前記受信信号から物体情報を生成するための評価ユニット(40、42、52)を備えるセンサ(10)において、
追加的な物体情報を得るために、それぞれ受信器(32、34、54)を有する少なくとも2つの検出ユニット(18a〜c)が前記走査ユニット(16)内に設けられており、
前記複数の検出ユニット(18a〜c)それぞれの前記受信器(32、34、54)が共通の電子回路カード(40)に設けられており、
前記電子回路カード(40)が、前記複数の検出ユニット(18a〜c)の視野の方向が前記回転軸(14)から外へ放射状に向くように前記回転軸(14)上に設けられていることを特徴とするセンサ(10)。
【請求項2】
前記複数の検出ユニット(18a〜c)が前記回転軸(14)を中心とする運動に関して互いに角度のずれを有することを特徴とする請求項1に記載のセンサ(10)。
【請求項3】
前記複数の検出ユニット(18a〜c)が相互に登録され、前記評価ユニット(40、42、52)がそれら検出ユニット(18a〜c)からの物体情報を統合するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ(10)。
【請求項4】
少なくとも1つの検出ユニット(18a)が画像センサ(34)又は熱画像センサ(34)を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項5】
前記評価ユニット(40、42、52)が、前記走査ユニット(16)の複数の回転位置において前記画像センサ(34)により撮影された画像を1つのパノラマ画像に合成するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のセンサ(10)。
【請求項6】
少なくとも1つの検出ユニット(18a)が、光学的な距離測定のために、発射光線(26)を射出するための発光器(22)及び前記監視領域内(20)の物体により拡散反射された前記発射光線(28)を受光するための受光器(33)を備え、前記評価ユニット(40、42、52)が、前記光が射出されてから受光されるまでの光通過時間を測定するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項7】
前記光学的な距離測定を行う検出ユニット(18a)が複数の受光器(32)を備えることを特徴とする請求項6に記載のセンサ(10)。
【請求項8】
少なくとも1つの検出ユニット(18c)がRFID受信器(54)又はレーダ受信器(54)を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項9】
少なくとも2つの検出ユニット(18a〜c)が互いに同種の構成を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項10】
複数の検出ユニット(18c1、18c2)がRFID受信器(54)又はレーダ受信器(54)を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項11】
少なくとも1つの検出ユニット(18b)が画像センサを備え、少なくとも1つの検出ユニット(18a)が光学的な距離測定を行うために構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項12】
前記光学的な距離測定に基づいて前記画像センサ(34)の受光光学系(36)のための焦点調節が行われること、及び/又は、前記画像センサ(34)により撮影される画像データの解像度を前記光学的な距離測定に基づいてデジタル的に適応させることを特徴とする請求項11に記載のセンサ(10)。
【請求項13】
少なくとも1つの検出ユニット(18c)がRFID受信器(54)又はレーダ受信器(54)を備え、少なくとも1つの検出ユニット(18b、18a)が画像センサ(34)を備えること又は光学的な距離測定を行うために構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項14】
前記走査ユニット(16)の回転位置を特定するための角度エンコーダ(48、50)を備え、各検出ユニット(18a〜c)に対して予め定められた回転位置又は前記角度エンコーダ(48、50)を用いて調べられた回転位置において電磁信号の検出を行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項15】
前記電子回路カード(40)が、無線でデータ転送を行うように構成されたインタフェース(44a)を備える別の電子回路カード(42)に結合されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のセンサ(10)。
【請求項16】
監視領域(20)から物体情報を検出するための方法であって、走査ユニット(16)が回転軸(14)を中心に駆動され、該走査ユニット(16)に収納された複数の検出ユニット(18a〜c)が前記監視領域(20)内の物体から到来する電磁信号から電気的な受信信号を生成し、該受信信号から物体情報が得られるような方法において、
前記複数の検出ユニット(18a〜c)がそれぞれ受信器(32、34、54)を有し、
前記複数の検出ユニット(18a〜c)それぞれの前記受信器(32、34、54)が共通の電子回路カード(40)に設けられており、
前記電子回路カード(40)が、前記複数の検出ユニット(18a〜c)の視野の方向が前記回転軸(14)から外へ放射状に向くように前記回転軸(14)上に設けられ、且つ、
前記走査ユニット(16)において、少なくとも1つの第二の検出ユニット(18a〜c)が前記監視領域(20)内の物体から到来する電磁信号から第二の電気的な受信信号を生成し、該第二の受信信号から追加的な物体情報が得られることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記電子回路カード(40)が、無線でデータ転送を行うように構成されたインタフェース(44a)を備える別の電子回路カード(42)に結合されていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の、回転軸を中心に運動する走査ユニットを備える物体情報検出用センサ、及び、それに対応する請求項15のプレアンブルに記載の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光電センサの分野において、レーザスキャナにより監視領域の周期的な走査を行うことが知られている。この走査では、レーザにより生成される光線が偏向ユニット(例えば、旋回する偏向ミラー又は回転するホイール型ミラー)により周期的に監視領域を塗りつぶすように掃引される。この光が監視領域内にある物体の表面で拡散反射され、センサにより受光されて評価される。偏向ユニットの角度位置と、レーザスキャナから物体までの光の通過時間から、物体の位置又は輪郭が二次元極座標で測定される。同様に、偏向ユニットを横方向に適宜動かすことにより、第三の空間座標を検出することもできる。
【0003】
レーザスキャナは測定の分野の他、特許文献1にあるように危険の発生源を監視するための安全技術の分野でも用いられている。この場合、機械の運転中に操作者が進入してはならない防護領域が監視される。レーザスキャナは、操作者の脚等、防護領域内への不許可の侵入を検知すると、機械を緊急停止させる等の適切な防護動作を発動させる。安全技術用のセンサは特に確実に作動しなければならず、そのため、例えば、欧州規格EN13849(機械の安全に関する規格)やEN61496(非接触動作型防護装置(beruehrungslos wirkende Schutzeinrichtungen;BWS)に関する装置規格)等の高い安全要件を満たさなければならない。
【0004】
レーザスキャナにおいて、回転ミラーを用いる代わりに、発光器及び受光器を含む測定ヘッド全体を回転させることも知られている。このようなスキャナは特許文献2に開示されている。特許文献3に記載の装置にも同様に回転可能な発光・受光ユニットが設けられている。このユニットには、センサのうち回転しない領域から、例えば変圧の原理により電力が供給される一方、データ転送は無線電信又は光学的な通信路によりワイヤレスで行われる。
【0005】
また、より広範囲の画像を得るために複数の位置から写真を撮影する可動式又は回転式のカメラ装置も知られている。しかし、このような装置は比較的高価で大型である。更に、個別の画像を撮影し、場合によっては、画像情報に基づいてそれらを連結したパノラマ画像が事後的に且つ外部で生成される。しかし、風景によっては、この画像があまり正確ではないものになってしまう。あるいは、外部の鏡を通じて風景を観察するようにカメラを配置し、その鏡をカメラの代わりに動かすことも考えられる。しかし、その場合、鏡の動きにより像に回転と歪みが生じるため、高価な補正手段が必須となる。また、鏡の動きと画像の撮影を時間的及び位置的に一致させる仕組みもそれだけ複雑になる。
【0006】
物体情報を検出できるセンサ原理の更に別の模範例として、光ではなく無線電信に基づくものがある。このような位置測定原理の1つがレーダである。レーダでは、レーダ波が射出され、再び受信されたレーダ波から物体の位置及び距離が推定される。RFID(Radio Frequency Identification)装置では、電磁波が搬送波であり、この電磁波に、反射によってだけではなく意図的に物体情報が刻印される。RFID読み取り装置がRFIDトランスポンダ又はRFIDタグからの信号を捕らえ、そこに保存された情報の読み取りや変更を行う。原理的には、RFIDトランスポンダは能動的なもの(つまり、自らエネルギー供給部を備えるもの)でもよいし、読み取り装置の送出エネルギーから自身のエネルギーを受け取る受動的な構成にすることもできる。よく用いられる、後方散乱の原理に従って動作するRFIDトランスポンダでは、読み取り装置からの送出信号を反射する際、振幅変調によりその信号を変化させる。極超短波(UHF)の標準規格ISO18000−6では後方散乱法による受動型トランスポンダが採用されている。
【0007】
監視領域内の物体に関して、単独のセンサで得られる情報よりも多くの情報を検出したい場合、複数のセンサデータを統合することが可能である。しかし、その場合、複数のセンサとその連携のためのコストがかかる。なかでも、相互の校正(登録)が非常に正確且つ安定的でなければならない。そうでなければ付加情報が高い信頼性をもって収集されず、そうなると精度が低下するため、得られる情報が十分に利用できなくなるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】DE 43 40 756 A1
【特許文献2】DE 197 57 849 B4
【特許文献3】EP 2 388 619 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の課題は、前述のような種類のセンサを用いた情報検出を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1に記載の、回転軸を中心に運動する走査ユニットを備える物体情報検出用センサ、及び、それに対応する請求項15のプレアンブルに記載の方法により解決される。本発明の基礎を成す技術思想は、より広い監視領域を捕らえることができるようにするために、回転軸を中心に走査ユニットを運動させることである。追加的な情報を得るために、この走査ユニットには一緒に駆動される複数の検出ユニットが設けられ、各検出ユニットがそれぞれ監視領域内の物体からの電磁信号を受け取って評価する。その信号は、例えば可視領域、紫外領域又は赤外領域の光、若しくはRFID信号のようにアンテナを通じて捕らえられる信号である。従って、センサの基本的構成は回転式測定ヘッドを有するスキャナに似ているものの、各検出ユニットのセンサ原理は、光線を発射して再び受光するという光通過時間法による測定に限定されない。そのため、追加的な物体情報をもたらす、より多くの物理量を検出できる。その上、複数の検出ユニットが異なる視野を有しているという利点がある。検出ユニットとしては能動型及び受動型のいずれも考えられる。つまり、前記電磁信号は、能動型の場合は検出ユニットの発射信号の直反射又は拡散反射とすることができ、受動型の場合は物体から出る信号(例えば物体により拡散反射される周囲光や、RFIDトランスポンダからの能動的な出力信号)とすることができる。
【0011】
本発明には、周囲から多様なセンサデータを同時に捕らえるための簡素でコンパクトなセンサ装置ができるという利点がある。回転式測定ヘッドを有するスキャナの原理を土台として利用し、異種のセンサを組み合わせることで、互いに補い合う複数のスキャナにする。検出ユニットが複数あるため、測定原理の異なるセンサデータを簡単に統合することができる。同じのセンサで様々な物体情報が検出されるため、同期及びデータの統合が極めて容易且つ良好に行われる。相互の回転や平行移動等、何らかの撮影上の誤りが生じても、その構造がコンパクトであるため、機器の内側で簡単に修正することができる。
【0012】
前記複数の検出ユニットは、回転軸を中心とする運動に関して互いに角度のずれを有していることが好ましい。これは、走査ユニットの内部空間の利用を最適化するような物理的な配置に関係するとともに、検出の方向にも関係する。検出ユニットの視野の方向は回転軸から外へ放射状に向いていることが好ましい。このようにすると、各検出ユニットが特定の回転位置において固有の角度領域を担当することになる。複数の光学的な検出ユニットがある場合、各検出ユニットの光軸は回転軸に垂直であり、且つ、該回転軸に垂直な走査平面を含む監視領域の内部に存在する。特に好ましい構成では、互いに180度の角度のずれをもって対向し、且つ、互いに逆方向に視野を有する、2つの検出ユニットが含まれる。角度のずれを設ける代わりに、複数の検出ユニットを回転軸に沿って上下に配置することも考えられる。この場合、高さを大きくする必要があるが、例えば物体が高速で移動する場合でも、時間のずれがない情報検出が可能となる。
【0013】
前記複数の検出ユニットは相互に登録され、評価ユニットはそれら検出ユニットからの物体情報を統合するように構成されていることが好ましい。この登録又は校正、つまり検出されたデータを共通座標系へ変換するための規則の決定は、複数のセンサを用いた従来の統合の場合とは異なり、製造工程において行っておくことが好ましい。装置の設置時や、場合によっては運用の間に、コストをかけて外部に登録を行う作業を省くことができる。複数の検出ユニットは同じセンサの一部であるため、この登録は非常に正確且つ安定的である。得られたデータは時間的にも位置的にも非常に良好に統合して比較することができる。
【0014】
少なくとも1つの検出ユニットが画像センサを備えていることが好ましい。このようにすれば、走査ユニットの回転位置に応じて様々な方向に写真が撮影され、その結果、センサの周囲のより広い部分が認識される。前記画像センサは熱画像センサであってもよい。この種のセンサ(例えば、赤外線前方監視装置、Forward Looking InfraRed;FLIR)を用いれば、可視領域を越えて先まで追加的な情報を検出することができる。
【0015】
前記評価ユニットは、前記走査ユニットの複数の回転位置において前記画像センサにより撮影された画像を1つのパノラマ画像に合成するように構成されていることが好ましい。このパノラマ画像には一部の切り抜き画像又は360度の全周画像を含む。個々の画像を撮影した回転位置は既知であるから、まずその回転位置を合成に利用することができる。更に、画像に写った特徴部分を認識し、その部分に「継ぎ目」を合わせることもできる。この2つの方法を組み合わせれば非常に正確なパノラマ画像が得られる。例えば、まず既知の回転位置に基づいて生のパノラマ画像を合成し、次にその画像内の特徴部分を手掛かりに継ぎ目を補正する、という方法が考えられる。
【0016】
少なくとも1つの検出ユニットが、光学的な距離測定のために、発射光線を射出するための発光器及び前記監視領域内の物体により拡散反射された前記発射光線を受光するための受光器を備え、前記評価ユニットが、前記光が射出されてから受光されるまでの光通過時間を測定するように構成されていることが好ましい。このような光通過時間法を用いた検出ユニットは従来のレーザスキャナにも用いられてはいるが、共に回転する走査ユニットに設ける形ではなく、回転ミラーとともに用いることが通例であり、それに何より、従来はそれが唯一の検出ユニットを成している。光通過時間法には、反射されたレーザパルスの受光時点を特定するパルス方式と、振幅変調された光信号を送出し、受光された光信号の位相のずれを測定する位相方式がある。
【0017】
前記光学的な距離測定を行う検出ユニットは複数の受光器を備えることが好ましい。例えば複数の受光器が回転軸に対して上下に列状に配列されていれば、複数の走査平面が効果的に形成される。これらの受光器に対して、1つ又は複数の発光器が、実施形態に応じて単独で、グループ分けされて、または共通に配置される。複数の受光器は別々に作成する必要はなく、共通のチップ上に受光素子列又は受光素子マトリックスとして集積することができる。このようにすれば、列状又はマトリックス状の受光領域を有し、その個々の画素が、従来の画像センサとは違って、グレー値又は色値ではなく距離値を出力するような3次元画像センサが得られる。個々の画素内で光通過時間を測定する3次元画像センサ用の公知の方法として光子混合検出(Photonmischdetektion;PMD)がある。
【0018】
少なくとも1つの検出ユニットがRFID受信器又はレーダ受信器を備えることが好ましい。ここまでは光学的な検出ユニットについて説明してきたが、本センサはそれに限定されない。RFID受信器及びレーダ受信器は物理的に完全に異なるセンサ原理に対応する例であり、それらもやはり同一のコンパクトなセンサの内部に収納することができる。RFID受信器は、それに対応するRFIDトランスポンダの読み取り用に構成される一方、レーダ受信器は物理的に様々な方法で物体の輪郭及び位置を認識する。レーダ受信器は、自ら能動的に発した信号を監視領域内で反射させた後評価するために、レーダ発信器と組み合わせるか、レーダトランシーバとして構成されることが好ましい。また、冒頭で簡単に説明したRFID法の多くが発射信号の後方散乱に基づいているため、RFID受信器も同様にトランシーバとして構成されることが好ましい。
【0019】
少なくとも2つの検出ユニットが互いに同種の構成を有していることが好ましい。「同種」とは、まずセンサ原理(画像撮影、光学的距離測定、レーダ、又はRFID読み取り)が同じであることを意味するが、特に検出ユニットの全体的な構造が同じであることを意味する。これにより、故障に強く、測定データの相互の比較が可能な、冗長性のある又は2チャンネル式の装置が得られる。この装置によれば、安全技術の分野で用いられるセンサに適用される厳格な要求を満たすことが可能になる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、複数の検出ユニットがRFID受信器又はレーダ受信器を備えている。この形態は、前の段落で述べたように冗長な装置を作るために利用できる。なお、RFID受信器又はレーダ受信器を有する追加的な検出ユニットの信号は、背景の消去やトランスポンダの場所の特定のためにも利用できる。
【0021】
冗長性を有する検出ユニットと少なくとも同程度に関心を引くのは、純粋に多様性を有する検出ユニット、つまり基礎となるセンサ原理が全て異なる検出ユニットである。これについては、ここまで説明したあらゆる形の検出ユニットの全てを相互に組み合わせることができる。
【0022】
このような装置の有利な形態においては、少なくとも1つの検出ユニットが画像センサを備え、少なくとも1つの検出ユニットが光学的な距離測定を行うために構成されている。このようなセンサでは、光通過時間測定により距離プロファイルすなわち3次元の形状データが得られると同時に、画像情報も得られる。それらを重ねることにより、例えば1つのデータセットの中に距離情報を有するパノラマ画像や、光通過時間測定から作られた表面形状の骨組みに画像センサの実際の画像データ(「テクスチャ」)を加えた画像が得られる。応用としては、街路等の視角化や、補助システムとしての又は車両の自動運転のためのナビゲーションが考えられる。
【0023】
光学的な距離測定により得られる形状データはカメラのパラメータ調節のためにも有利に利用することができる。有利な実施形態においては、光学的な距離測定に基づいて画像センサの受光光学系のための焦点調節が行われる、及び/又は、画像センサにより撮影される画像データの解像度を光学的な距離測定に基づいてデジタル的に適応させる。これにより、全周にわたる鮮明な画像、あるいは物体の距離や方向に関わらず該物体に関連づけられた一様な解像度が得られる。これは、コードの読み取りや目印の自動認識(OCR、光学式文字認識)といった後段の画像評価に非常に役立つ。また、距離に起因する明るさの差異が補正されるように、照明を追尾制御することも考えられる。
【0024】
また、本センサは、RFID受信器又はレーダ受信器を備える少なくとも1つの検出ユニットと、画像センサを備える又は光学的な距離測定を行う少なくとも1つの検出ユニットとを備えていることが好ましい。光学的検出と無線電信の組み合わせ、なかでも光学的な距離測定とレーダの組み合わせは、特に頑強であるため、まさに屋外での使用に適している。RFID受信器と組み合わせることにより、光学的に得られたデータにRFID情報を付加したり、例えば読み取られたRFIDデータセットを光学的に同定された特定の物体に設定したりすることが可能となる。
【0025】
本センサは、走査ユニットの回転位置を特定するための角度エンコーダを備え、各検出ユニットに対して予め定められた回転位置又は角度エンコーダを用いて調べられた回転位置において電磁信号の検出を行うことが好ましい。このようにすれば、個々の検出ユニットにより検出された情報が、全体としての検出ユニットと同様に、正しい角度領域に確実に割り当てられるようになる。検出ユニットがその都度同期して同じ角度分解能でそれぞれの信号を検出するという構成が考えられるが、角度分解能が互いに異なる又は不均一であるような構成も同様に考えられる。
【0026】
本発明に係る方法は、前記と同様のやり方で、更なる特徴的な構成を用いて仕上げていくことが可能であり、それにより同様の効果を奏する。そのような更なる特徴は、例えば本願の独立請求項に続く従属請求項に模範的に記載されているが、それらに限定されるものではない。
【0027】
以下、本発明について、更なる利点及び特徴をも考慮しつつ、実施例に基づき、添付の図面を参照ながら詳しく説明する。図面の内容は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】走査ユニットに収納されて回転する2つの検出ユニットを備えるセンサの概略断面図。
図2】画像センサを備える検出ユニットと、その上に配置された光学的距離測定用の検出ユニットとを備えるセンサを機能ブロックの形で示した概略断面図。
図3】光学的距離測定用の検出ユニットと、RFID装置又はレーダ装置を備える検出ユニットとを備えるセンサを機能ブロックの形で示した概略断面図。
図4】光学的距離測定用の検出ユニットを2つ備えるセンサを機能ブロックの形で示した概略断面図。
図5】RFID装置又はレーダ装置を備える検出ユニットを2つ備えるセンサを機能ブロックの形で示した概略断面図。
図6】互いに傾いた複数の光学的距離測定用の検出ユニットを備えるセンサを機能ブロックの形で示した概略断面図。
図7】互いに角度がずれた複数の検出ユニットを備えるセンサを機能ブロックの形で示した概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1はセンサ10の概略断面図である。センサ10は、静止した台座12と、該台座12に対して回転軸14を中心に運動する走査ユニット16とを備えている。走査ユニット16には、センサ10を取り巻く監視領域10から物体情報を検出するための2つの検出ユニット18a、18bが収納されている。検出ユニット18a、18bは走査ユニット16とともに回転運動を行う。
【0030】
第一の検出ユニット18aは光通過時間法を用いた光学的な距離測定のために構成されている(飛行時間、Time of Flight;TOF)。そのために、該ユニットには発光器22(例えばレーザ光源を備えるもの)を備えられ、これと発光光学系24により発射光線26が作り出され、監視領域20へ射出される。この発射光線26が監視領域20内において物体に当たると、それに対応する拡散反射光28がセンサ10へと戻り、受光光学系30により受光器32へと収束され、そこで電気的な受光信号に変換される。
【0031】
第二の検出ユニット18bは撮像用に構成されており、そのために、画素分解された画像センサ34を備えている。この画像センサ34は、受光光学系36を通じて監視領域から来る光38から画像データを生成する。多くの場合、可視領域においてグレー値又は色値を検出するための普通の画素センサ34が用いられる。ただし、FLIRセンサを備える熱画像カメラを用いることも考えられる。
【0032】
第一の検出ユニット18aの発光器22及び受光器32並びに第二の検出ユニット18bの画像センサ34は、共通の電子回路カード40の前面及び後面において、検出ユニット18a、18bの光軸に直角に、且つ該光軸と同心となるように設けられている。また、別の電子回路カード42が回転軸14に直角に配置され、前記共通の電子回路カード40に結合されている。この別の電子回路カード42は、無線でデータ転送や電力供給を行うために該カードと共に回転するインタフェース44aを備えるか、該インタフェースに接続されている。
【0033】
走査ユニット16とその要素は台座12内のモータ46により駆動され、特に回転軸を中心とした連続的な回転運動を行う。これにより、2つの検出ユニットが周囲の監視領域20を走査する。その際、監視領域20を高速で繰り返し走査し、それにより最終的に高い頻度で繰り返し画像を取得するために、毎分数千回以上という高い回転数が用いられる。角度測定ユニット(図示した実施例ではコード板48とそれを走査する光遮断機50から成る)は、各時点における走査ユニット16の角度位置を特定する。
【0034】
台座12内には更にインタフェース44bが設けられ、これが走査ユニット16のインタフェース44aと無線接続され、データ交換又は電力供給を確保している。インタフェース44a、44bは中央の回転軸からずれた位置にあるが、これは何より図示上の制約によるもので、実際には必ずしも有利ではない。なぜなら、これでは接続線が回転運動とともに変化するからである。その他、台座12は更に少なくとも一枚の電子回路カード52を備えている。電子回路カード40、42及び52は直接又はインタフェース44a、44bを通じて相互に接続されており、これらカードが、静止した台座12と、一緒に運動する走査ユニット16とに任意の方法で配分可能な制御及び評価機能を象徴的に表している。また、電子回路カード40、42及び52の配置も単なる模範例と理解すべきであり、これら電子回路カード40、42及び52の幾つかを省略することや、追加の電子回路カードを入れることも可能である。ただし、少なくとも検出ユニット18a、18bのそれぞれのセンサ原理に密接に関係する評価部をできるだけセンサの近く、つまり走査ユニット16の内部に配置することや、インタフェース44a、44bを通じたデータの送受信を帯域制限のためにできるだけ抑制することが有利だと言える。
【0035】
第一の検出ユニット18aの受信信号、つまり該ユニットの受光器32による受信信号を利用して、例えばパルスや位相に基づく光通過時間法により、検出された物体までの距離が測定される。一方、各時点の角度位置は角度測定ユニット48、50を通じて分かるため、走査ユニット16が1回転すると、周囲の監視領域20における全ての対象点の極座標が距離と角度でもって得られる。受光器32がフォトダイオードのように単純な受光面を持つものであれば、実質的に360度までの平面が走査される。上下に配置された複数の受光器を用いれば、その平面を、有限の高さを有する円筒に拡張することができる。複数の受光器を横に並べて配置すれば角度分解能が高くなる。受光器をマトリクス状に配列すれば、両方が同時に実現される。このような列状又はマトリクス状の3次元画像センサ(TOF画像センサ)は、別体の部品として構成することや、CCDチップやCMOSチップのような集積型の受光素子列又は受光素子マトリックスとして構成することが考えられる。更に走査ユニット16を傾ける仕組みを追加すれば、監視領域20の3次元体積がより大きくなる。
【0036】
第二の検出ユニット18bは走査ユニット16の様々な回転位置において監視領域20の画像データを取得する。これらの画像データは合成してパノラマ画像にすることができる。正確な画像合成のために、角度測定ユニット48、50により得られる角度情報だけでなく、取得された各画像の「継ぎ目」に存在する特徴部分も利用できる。
【0037】
両方の検出ユニット18a、18bを同一のセンサ10の一部とすることの大きな利点は、両方の検出ユニットの相対的な位置及び向き(以下、6D位置と呼ぶ)を製造工程において早々に固定及び調節できるということ、又はそれらを少なくとも非常に正確に測定できるということにある。この作業を検出ユニット18a、18bの登録(Registrierung)とも呼ぶ。これにより、各時点で検出された情報を正確且つ容易に全体の座標系に変換し、統合することができる。例えば、第一の検出ユニット18aにより得られる形状データ又は距離データを用いて、第二の検出ユニット18bにより得られた画像データ内の各物体までの距離を逐一算出したり、形状データと画像データから完全な重畳画像を生成したりすることができる。様々な従来のセンサでそれに匹敵する統合を達成するには、6D位置を装置の設置時又は稼働時に測定し、固定しなければならない。
【0038】
検出ユニット18a、18bは、図1の実施形態では互いに180度の角度ずれを有している。これは、ある時点において監視領域20の異なる角度範囲から情報が検出されるということを意味する。それでも、角度測定ユニット48、50を通じて各時点における検出ユニット18a、18bの回転位置又は角度位置が分かっているから、後で相互に情報を正しく割り当てることができる。逆に、定められた複数のエンコーダ位置のそれぞれにおいて情報の検出を実行することも可能である。角度のずれを180度にすることは、構造空間を最適に利用できるという点で有利であるが、それに縛られるものではない。
【0039】
先に述べた統合の他、一方の検出ユニット18aで得られた情報を用いて他方の検出ユニット18bのパラメータを調節することも可能である。そのために、例えば第一の検出ユニット18aにより物体までの距離を測定する。その後、回転軸14を中心とする走査ユニット16の運動の過程における2つの検出ユニット18a、18bの角度のずれを考慮しつつ、第二の検出ユニット18bによる前記物体の画像の撮影までに、前記物体を鮮明に捕らえるべく、受光光学系36の焦点を調節しておくことができる。全く同様にして受光光学系36のズームの調節を行うこともできる。この場合、物理的な対物レンズのズームの代わりにデジタルズーム(つまり画素解像度を変更するための画像処理)を行うことも考えられる。これにより、全監視領域20を通じて各物体の鮮明な画像を、特に一定の解像度で撮影することが達成できる。
【0040】
第一の検出ユニット18aにより得られる形状データと第二の検出ユニット18bにより得られる画像データの組み合わせ又は統合により数多くの応用が可能となる。例えば、物体の検査と測定、街路の認識、3次元的な物体の視角化全般、自律航法等が挙げられる。特殊な応用としてはコードの読み取りがある。そのために、第一の検出ユニット18aをバーコードリーダとして構成することができる。この場合、バーコードを読み取る光線を用いて位相方式による光学的距離測定を同時に行ってもよいし、そうしなくてもよい。第二の検出ユニット18bはカメラベースのコードリーダとして構成すること、つまり、検出された画像データ、又は該画像データと第一の検出ユニット18aにより得られた形状データとの統合データを評価し、そこに含まれるコード情報を読み出すように構成することができる。
【0041】
図1は本発明に係るセンサ10の数多くの変形例の一つに過ぎない。関与する検出ユニット18a、18bの数、位置及びセンサ原理を変えることで、他にも非常に数多くの実施形態を作り出すことができる。以下に幾つか例を挙げるが、決してそれらが全てではない。1つの図面だけについて説明されている特徴部分(例えば、特定の検出ユニット18a、18bの形態や、様々な検出ユニット18a、18bの別の組み合わせ等)は、他の図面の例にも転用され得る。さらに、走査ユニットが、図示したような1軸を中心とするだけでなく2軸(特に互いに直交した2軸)を中心に回転可能であるという構成も考えられる。これにより3次元的な走査が可能となる。
【0042】
図1に比べて他の図は非常に単純化されており、センサ10の各要素をより包括的な機能ブロックとして示している。例えば、図1の第一の検出ユニット18aに当たるタイプの検出ユニットは単に「TOF」と表記されているが、これは光学的距離測定用検出ユニットのあらゆる形態を代表して示している。同様に、「CAM」と表記された検出ユニットは図1の第二の検出ユニット18bに当たるタイプである。これらの要素の詳細な特徴は図1から類推することができる。
【0043】
このような前置きの上で図2に示したセンサ10の一実施例は、図1のセンサと同様に「TOF」ユニット18aと「CAM」ユニット18bを備えている。図1では2つの検出ユニット18a、18bが相互に180度の角度のずれを持っているのに対し、本実施形態では上下に配置されている。このようにすれば、同じ角度領域から同時に情報を検出することが可能になる。両方の検出ユニット18a、18bを相互に登録すれば、たとえ角度にずれが生じても情報を共通座標系に換算することができるが、多くの場合、時間のずれは避けることが有利である。これは、例えば走査ユニット16の回転速度に比べて高速で運動する物体等、とにかく検出時間内では最早ほぼ静止した状態で捕らえることができないような物体の場合に当てはまる。状況によっては、検出ユニット18a、18bが互いに干渉しないように気をつける必要がある。この問題は、図1のように十分な角度のずれを設ければ自動的に避けられる。図2のように検出角度が一致又は交差している場合は、異なるスペクトルを使用し、特に光学フィルタを併用するとよい。他にも、例えば時間的な切り換えや符号化等、相互の影響を避けるための様々な信号技術上の対策が考えられる。なお、以下ではもはや述べないが、複数又は全ての検出ユニット18a、18bを上下に配置できることは後続の実施形態でも同様である。
【0044】
図3はセンサ10の別の実施形態を示している。図1と違って、本形態では「TOF」検出ユニット18aが非光学的なセンサ原理の「RFID/レーダ」検出ユニット18cと組み合わされている。厳密に言えばRFIDとレーダは2つの択一的なセンサ原理であるが、いずれも無線電信を基礎としていることから、ここでは両者をまとめている。ただし、RFIDを用いる場合は、予めファイルに保存され、トランスポンダを用いて物体に結びつけられたデータが読み出されるのに対し、レーダの場合は、射出された後に再び受信されるレーダ信号の物理的な特性に基づいて物体が認識される。このように2つの技術には明らかな違いがあることから、別の組み合わせ、つまりRFIDモジュールとレーダモジュールの組み合わせも考えられる。他方、RFID読み取り用の搬送信号を同時にレーダ信号として利用すること、つまり、その信号を、所要時間、強度(受信信号強度インジケータ、Received Signal Strength Indicator;RSSI)又は位相といった固有の物理特性に関して評価するとともに、変調により搬送波に重畳されたRFID付加情報を読み出すことも考えられる。
【0045】
RFID検出ユニット18c並びにレーダ検出ユニット18cの構成及び機能は原則的には専門家にとって既知である。従って図3では、重要な構成部分としてRFID又はレーダ受信器54(特にRFID又はレーダトランシーバ)とアンテナ56を象徴的に描くにとどめている。アンテナ56は、各時点の回転位置における検出ユニット18cの向きに対応する角度領域からの情報のみが実際上検出されるように、狭い指向性を有していることが好ましい。電子回路カード40、42、52には、RFID情報の検出又は変更のため若しくはレーダ信号の評価のために必要な評価・制御機能が設けられている。
【0046】
光学的な距離測定TOFとRFIDとの組み合わせにより、トランスポンダからの情報を読み取るとともに、該トランスポンダを取り付けた物体の場所を特定し、該物体を同定することが可能となる。これにより、RFID情報を正しい物体に割り当てるという、よくある課題が解決される。逆に、光学的な手段だけではトランスポンダが媒介する情報にアクセスできない。従って、2つのセンサ原理を統合させれば、個々のセンサ原理を単に集めた場合よりも、監視領域20内の物体についてはるかに多くの情報が得られる。TOFとRFIDを組み合わせれば、物体の輪郭又は位置が多様性のある冗長性をもって特定されるため、特に頑強で、それゆえ例えば屋外のような厳しい条件下でも利用できる装置となる。図示した「TOF」検出ユニット18aと「RFID/レーダ」検出ユニット18cの組み合わせの代わりに、「CAM」検出ユニット18bと「RFID/レーダ」検出ユニット18cとの組み合わせも考えられ、これにも同様の利点がある。
【0047】
ここまでは異種の検出ユニット18a〜cの組み合わせを想定していたが、2つの同種の検出ユニット18a〜cを用いてもよい。図4は2つの「TOF」検出ユニット18a1、18a2を互いに180度ずらして配置した例を示している。このようにすると、完全に分離されたチャンネルを有する冗長型又は2チャンネル式のレーザスキャナが得られる。このような装置はフェールセーフに構成できるため、安全技術への応用に関する規格で定められた厳しい要求を満たすことができる。互いにずれた視野を有する2つの検出ユニット18a1、18a2が同時に妨害に見舞われる可能性は極めて低く、とりわけ、それらに関係するデータ伝送路及び評価路も冗長に敷設されていればなおさらである。この場合、両方のチャンネルを完全に同じ構成にする必要はなく、またそれが無条件に得策であるとさえ言えない。異なるハードウェア又は異なるアルゴリズムを使用すれば、1つのエラーが両方のチャンネルの故障につながる可能性はますます低くなる(多様性のある冗長性)。
【0048】
図5は同種の検出ユニット18a〜cを有する別の例を示している。この例では2つの「RFID/レーダ」検出ユニット18c1、18c2が設けられている。2つの「RFID/レーダ」検出ユニット18c1、18c2は、光の代わりに無線電信を用いるという違いは当然あるが、原則的には、先に図4を参照して説明した2つの「TOF」検出ユニットを有する実施例と同じ利点をもって機能する。RFIDの場合にも、冗長性を持たせることそのものは考えられるが、その重要性は低い。なぜなら、RFID情報の検出は基本的にプロトコルに従って安定的に行われるし、さらにその検出は安全上決定的に重要ではないからである。その代わり、1つの「RFID」検出ユニット18c1、18c2を用いて背景の測定を行い、別の「RFID」検出ユニット18c1、18c2により検出されたRFID情報の中でその背景を消去することが可能である。背景の測定には距離算定のためのレーダ測定を含めてもよい。以上のようにすれば、2つの同期した回転式「RFID」検出ユニット18c1、18c2により容易且つ正確にトランスポンダの場所が特定されるため、読み取ったRFID情報を物体へ割り当てる精度が高まる。
【0049】
また、図示しないが、例えば冗長な装置を得るため又は画像の解像度を高めるために、2つの「CAM」検出ユニット18bを備えた実施形態も考えられる。
【0050】
ここまでの実施形態における検出ユニット18a〜cの検出方向は基本的に回転軸14に直角である。図6は別の実施形態を示している。この実施形態では検出方向が回転軸14の方向と概ね一致している。図示した検出ユニットは「TOF」検出ユニット18a1〜18a5であり、好ましくはビーム装置である。他のセンサ原理のユニットを回転軸14に対してこのように配列することも考えられるが、そうするとユニット同士の間や異なる回転位置の間で検出領域が非常に大きく重なってしまう。
【0051】
「TOF」検出ユニット18a1〜18a5はそれぞれ1つの円錐側面状の領域を捕らえ、その円錐の中心軸が回転軸14を成している。ユニットが互いに傾斜しているため、実際には1つの円錐側面だけでなく、同心の入れ子状に配置された複数の円錐側面を含む1つの円錐全体に相当する領域が捕らえられる。図の例では傾き角が10度である。「TOF」検出ユニット18a1と18a5のペア並びに18a2と18a4のペアは、それぞれ同じ円錐側面上で互いに180度の角度ずれをもって配置されている。このような冗長性を求めてもよいし、解像度を高めるために傾き角を変えてもよい(例えば左側に描かれた2つの「TOF」検出ユニット18a1、18a2の傾き角を5度、15度とし、右側に描かれた2つの「TOF」検出ユニット18a4、18a5の傾き角を10度、20度とする)。なお、これらの数値は単なる模範例と理解すべきである。「TOF」検出ユニット18a1〜18a5を平行に向けることも可能である。その場合、同心に配置された複数の円筒側面状の領域が監視される。「TOF」検出ユニット18a1〜18a5のそれぞれに発光器22、発光光学系24及び受光光学系30を設けたり、これらの素子の幾つか又は全てをグループ分けして又はひとまとめにして共通に用いたりしてもよい。
【0052】
図7は、これまでのように2つだけではなく3つの検出ユニット18a1、18a2、18bを備える別の実施例を平面図で示している。なお、図示した検出ユニット18a1、18a2、18bの個数、相互の角度のずれ及び種類は単なる模範例であり、上記の各実施例と全く同様に変更することができる。1つのカメラと1対の冗長型レーザスキャナ(「CAM」+2×「TOF」)を有する図示した装置の他にも数多くの例があるが、そのうち2つだけ挙げると、1つは、形状データと可視領域及び赤外領域の画像データとの組み合わせ(「TOF」+「CAM」+「CAM(IR)」)、もう1つは光電式の距離測定と、RFIDを用いた背景消去及びRFID読み取りとの組み合わせ(「TOF」+2×「RFID」)である。これらの例から、既に言及したTOF、CAM、RFID及びレーダという全種類のうち3つ以上のモジュールを備える実施形態を更に適宜導き出すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7