特許第6069327号(P6069327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069327WiFiホットスポットを介してローカル・サービスを発見しアクセスするための端末およびマネージャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069327
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】WiFiホットスポットを介してローカル・サービスを発見しアクセスするための端末およびマネージャ
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/14 20090101AFI20170123BHJP
   H04W 8/18 20090101ALI20170123BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20170123BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170123BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   H04W48/14
   H04W8/18
   H04W84/12
   G06F13/00 510A
   H04M11/00 302
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-532312(P2014-532312)
(86)(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公表番号】特表2014-534663(P2014-534663A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】EP2012068020
(87)【国際公開番号】WO2013045284
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年5月22日
(31)【優先権主張番号】11306243.4
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーフルスト,ヘールト
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/121981(WO,A1)
【文献】 特表2008−543177(JP,A)
【文献】 特開2005−216076(JP,A)
【文献】 特表2009−510947(JP,A)
【文献】 特開2004−072546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04L 12/20
G06F 13/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線ネットワークのホットスポット(HS1、…)を介してサービスを発見しアクセスするためのサービス・マネージャ(LSM)であって、
少なくとも1つのサービスを提供する新しいホットスポット(HS1)及び該少なくとも1つのサービスを登録するためにサービス・プロバイダ(SP)によって作成されたアカウントを登録するための手段(1)と、
登録された前記ホットスポットに対応するサービス・プロファイルを登録するための手段(1)であって、前記サービス・プロファイルは前記ホットスポットが提供するすべての前記サービスを記述する、手段と、
前記登録されたホットスポットに関連付けられているコンピューティング・システムを、サービスをホスティングすることができるゲートウェイ(GW1)として構成するために、サービス・プロバイダ(SP)によって使用されうるソフトウェアを提供するための手段(1)と、
サービス・コンシューマ(SC)の端末(T)から要求メッセージを受信するための手段(6)であって、このメッセージは、登録済みのホットスポットに対応するプロファイル識別子を含み、この登録済みのホットスポットに対応する前記サービス・プロファイルを取り出すように要求する、手段と、
前記要求されたサービス・プロファイルを取り出すための手段(6)と、
前記取り出したサービス・プロファイルを含むメッセージを送信することによって、サービス・コンシューマ(SC)の端末(T)に応答するための手段(6)と、を備える、マネージャ(LSM)において、
登録済みのホットスポットに対応するサービス・プロファイルを登録するための前記手段(1)は、それぞれ複数の登録済みのホットスポット(HS1、…)に対応する複数のプロファイル識別子にそれぞれ関連付けられている複数のサービス・プロファイルを登録するための手段を備え、
サービス・コンシューマ(SC)の端末(T)から要求メッセージを受信するための前記手段(6)は、別のネットワークを介して、複数のプロファイル識別子を含む要求メッセージを受信し、前記要求メッセージに含まれる前記複数のプロファイル識別子に対応する前記登録されたサービス・プロファイルを取り出すための手段を備える
ことを特徴とする、マネージャ(LSM)。
【請求項2】
少なくとも1つのサービスについてサービス・コンシューマ(SC)によって作成されたサブスクリプション・アカウントを登録するための手段(3)と、
支払われなくてはならない各サービスに対して料金の支払いを受信するための手段と
をさらに備える、請求項1に記載のマネージャ(LSM)。
【請求項3】
登録済みのホットスポットに関連付けられている識別子を作成し登録するための手段(1)をさらに備え、前記識別子は、このホットスポットがローカル・サービスを提供することを意味する固定のパターンを備え、このホットスポットに対応する前記サービス・プロファイルの前記プロファイル識別子を備える、請求項1に記載のマネージャ(LSM)。
【請求項4】
第1の無線ネットワークのWiFiホットスポット(HS1、…)を介してローカル・サービスを発見しアクセスするための端末(T)であって、
ホットスポットを検出するための手段(UA)(5)と、
第1の要求メッセージを請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローカル・サービス・マネージャ(LSM)に送信するための手段(6)であって、該第1の要求メッセージは、検出されたホットスポットに対応し、前記検出されたホットスポットが提供するすべての前記ローカル・サービスのコンテンツを記述するサービス・プロファイルを取り出すよう要求する、手段と、
前記ローカル・サービス・マネージャ(LSM)からサービス・プロファイルを受信するための手段(UA)と、
前記受信したサービス・プロファイルにリストされているローカル・サービスからユーザがサービスを選択できるようにするための手段(UA)と、
第2の要求メッセージを前記ローカル・サービス・マネージャ(LSM)に送信するための手段と、
第3の要求メッセージを前記ゲートウェイ(GW1)に送信するための手段と、
前記選択されたサービスを提供する前記ホットスポットに前記ゲートウェイ(GW1)を介して接続し、前記選択されたサービスを、該ゲートウェイ(GW1)を介して要求するための手段(UA)と、
を備える端末(T)において、
前記第1の無線ネットワークのホットスポット(HS1、…)を検出するための前記手段(5)は、前記第1の無線ネットワークの複数のホットスポットを検出するための手段(5)を備え、
前記第2の要求メッセージは、検出された前記ホットスポットに対応する選択された前記サービスのサービス・プロファイルを取り出すために用いられるサービス・プロファイル識別子及び該選択されたサービスの名前を含み、
前記第3の要求メッセージは前記サービスの名前を含み、且つ前記サービスへのアクセスを許可するか否かについて前記ゲートウェイ(GW1)が前記ローカル・サービス・マネージャ(LSM)に問い合わせることによって確認するために用いられる
ことを特徴とする、端末(T)。
【請求項5】
サービスをサブスクライブするための手段(8)と、
支払われなくてはならない各サービスに対して料金を支払うための手段(8)と
をさらに備える、請求項4に記載の端末(T)。
【請求項6】
ローカル・サービスを提供するホットスポットを検出するための前記手段(UA)(5)は、このホットスポットがローカル・サービスを提供することを指示する固有のパターンを備えるホットスポット識別子を検出し、このホットスポット識別子から前記サービス・プロファイル識別子を抽出するための手段を備える、請求項4に記載の端末(T)。
【請求項7】
コンピュータで実行されるとき、第1の無線ネットワークのホットスポット(HS1、…)を介してサービスを発見しアクセスするための方法を、サービス・マネージャ(LSM)において実行するためのコンピュータ実行可能命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記方法は、
少なくとも1つのサービスを提供する新しいホットスポット(HS1)及び該少なくとも1つのサービスを登録するためにサービス・プロバイダ(SP)によって作成されたアカウントを登録するステップ(1)と、
登録された前記ホットスポットに対応するサービス・プロファイルを登録するステップ(1)であって、このサービス・プロファイルはこの登録済みのホットスポットが提供するすべての前記サービスを記述する、ステップと、
前記登録されたホットスポットに関連付けられているコンピューティング・システムを、サービスをホスティングできるゲートウェイ(GW1)として構成するために、サービス・プロバイダ(SP)によって使用されうるソフトウェアを提供するステップ(1)と、
端末(T)から要求メッセージを受信するステップ(6)であって、このメッセージはプロファイル識別子を含み、このプロファイル識別子に対応する前記サービス・プロファイルを取り出すよう要求する、ステップと、
このプロファイル識別子に対応する前記サービス・プロファイルを取り出すステップ(6)と、
前記取り出したサービス・プロファイルを含むメッセージを送信することによって、前記端末(T)に応答するステップ(6)と
を含む、コンピュータプログラムにおいて、
登録済みのホットスポットに対応するサービス・プロファイルを登録するステップ(1)は、それぞれ複数の登録済みのホットスポット(HS1、…)に対応する複数のプロファイル識別子にそれぞれ関連付けられている複数のサービス・プロファイルを登録するステップを含み、
サービス・コンシューマ(SC)の前記端末(T)から要求メッセージを受信するステップ(6)は、別の無線ネットワークを介して、前記端末(T)から要求メッセージを受信するステップ(6)を含み、このメッセージは複数のプロファイル識別子を含み、この複数のプロファイル識別子に対応する前記サービス・プロファイルを取り出すよう要求し、
このメッセージからプロファイル識別子を取り出すステップは、前記受信したメッセージに含まれる前記複数のプロファイル識別子に対応する前記登録されたサービス・プロファイルを取り出すステップを含む
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項8】
前記方法は、
サービスをサブスクライブするステップ(8)と、
支払われなくてはならない各サービスに対して料金を支払うステップ(8)と
をさらに含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
登録済みのホットスポットに関連付けられている識別子を作成し登録するステップ(1)をさらに含み、前記識別子は、このホットスポットがサービスを提供することを意味する固定のパターンを備え、このホットスポットに対応する前記サービス・プロファイルの前記識別子を備える、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータで実行されるとき、第1の無線ネットワークのホットスポット(HS1、…)を介してサービスを発見しアクセスするための方法を、端末(T)において実行するためのコンピュータ実行可能命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記方法は、
前記第1の無線ネットワークのホットスポット(HS1、…)を検出するステップ(5)と、
第1の要求メッセージを請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローカル・サービス・マネージャ(LSM)に送信するステップ(6)であって、該第1の要求メッセージは、検出されたホットスポットに対応し、前記検出されたホットスポットが提供するすべての前記ローカル・サービスのコンテンツを記述するサービス・プロファイルを取り出すよう要求する、ステップと、
前記ローカル・サービス・マネージャ(LSM)からサービス・プロファイルを受信するステップと、
前記受信したサービス・プロファイルにリストされているローカル・サービスからユーザがサービスを選択できるようにするステップと、
第2の要求メッセージを前記ローカル・サービス・マネージャ(LSM)に送信するステップと、
第3の要求メッセージを前記ゲートウェイ(GW1)に送信するステップと、
前記選択されたサービスを提供する前記ホットスポットに前記ゲートウェイ(GW1)を介して接続し、前記選択されたサービスを、該ゲートウェイ(GW1)を介して要求するステップと、
を含む、コンピュータプログラムにおいて、
前記第1の無線ネットワークのホットスポット(HS1、…)を検出する前記ステップ(5)は、前記第1の無線ネットワークの複数のホットスポットを検出するステップ(5)を含み、
前記第2の要求メッセージは、検出された前記ホットスポットに対応する選択された前記サービスのサービス・プロファイルを取り出すために用いられるサービス・プロファイル識別子及び該選択されたサービスの名前を含み、
前記第3の要求メッセージは前記サービスの名前を含み、且つ前記サービスへのアクセスを許可するか否かについて前記ゲートウェイ(GW1)が前記ローカル・サービス・マネージャ(LSM)に問い合わせることによって確認するために用いられる
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項11】
前記方法は、サービスをサブスクライブするステップ(8)と、課金される各サービスの料金を支払うステップ(8)とをさらに含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
サービスを提供するホットスポットを検出するステップ(5)は、このホットスポットがサービスを提供することを指示する固有のパターンを備えるホットスポット識別子を検出し、次いで、このホットスポット識別子から前記サービス・プロファイル識別子を抽出するステップを含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、いわゆるWiFiホットスポットなど、無線ローカルエリアネットワークの基地局を介して配信されるローカル・サービスを発見しアクセスするための端末およびマネージャに関する。後段において、特定のスポットまたは領域においてアクセス可能なサービスを「ローカル・サービス」と称する。ユーザ端末は、パーソナル・コンピュータ、スマートフォンなどであってもよい。
【0002】
公共の環境においてサービスを見つけることは、プライベートローカルネットワーク(たとえば、ホームネットワーク)においてサービスを見つけることとは大きく異なる。ディスカバリ・プロトコルでは、サービスを見つけるために、ユーザ端末がネットワークに接続されることが必要である。都会にあっては誰も、使用可能なローカル・サービスを見つけ出すため、あらゆるWiFiホットスポットに接続を試みるようなことはできない。ローカル・サービスの完全な可能性を発揮するためには、その場でそれらのサービスを発見し、ユーザ端末からサービスと対話するためのユーザ・インターフェイスにアクセスすることが可能でなければならない。しかし、ローカル・サービスが、どのようにサービス・プロバイダによってアドバタイズされ、どのようにサービス・コンシューマの端末によって発見される必要があるかを決定付ける解決策は、いまだ合意に至っていない。
【背景技術】
【0003】
端末の無線ネットワーク接続を管理するソフトウェアは通常、端末に近隣のすべてのWiFiホットスポットを提示する。ソフトウェアは、どのホットスポットに以前ユーザが接続したかを記憶しており、信頼できるホットスポットへの接続を自動的に確立することができる。ネットワーク接続がいったんセットアップされると、UPnP(Universal Plug and Play)またはBonjour(Apple社製)などのディスカバリ・プロトコルが、ネットワーク上のサービスを探し出すために使用される。
【0004】
たとえば、UPnPアーキテクチャは、ゼロ構成および自動ディスカバリをサポートし、これによりデバイスは、以下の事項を行なうことができる:
・動的にネットワークに参加する
・IPアドレスを取得する
・デバイスの名前をアナウンスする
・要求に応じてデバイスの能力を伝達する
・その他のデバイスの存在および能力について学習する
【0005】
UPnPまたはBonjourを使用することで、たとえば、ネットワーク上の使用可能な印刷サービスを発見することができる。しかし、これらのディスカバリ・プロトコルは、ユーザが、特定のサービスを見つけてアクセスするために接続する必要のあるネットワークを認識していることを仮定する(つまり、ユーザは、望むサービスを提供する近隣のホットスポットを知っている必要がある)。この情報は、必ずしも前もって知らされているわけではない。特に、混雑した都市環境においては、使用可能なWiFiホットスポットのリストは膨大なものになる可能性があり、ユーザはどのホットスポットがどのサービスへのアクセスを提供するのかを認識していない。これはまた、ユーザが、発見されたホットスポットに関して自分の現在の位置を正確に認識していないことにも関連している。
【0006】
欧州特許出願公開第1,370,050A1号は、無線ネットワークのホットスポットを介して使用可能なサービスのコンテンツをアドバタイズするための方法を説明し、前記方法は、
a) ホットスポットを介して使用可能なサービスを記述するリストを、このホットスポットを介してアクセス可能なデータベースにおいて保持するステップと、
b) このホットスポットに端末を接続し、リストを取得するためにこの端末によって前記データベースにクエリを行なうステップと、
c) 接続セットアップ中に、リストを端末に伝送するステップと、
d) 端末のユーザにリストを公開するステップと
を含む。
【0007】
したがって、この既知の方法は、ホットスポットを介して使用可能なサービスを発見するために、端末をこのホットスポットに接続することを意味する。(たとえば、市内に)多数の使用可能なホットスポットがある場合、端末は、すべての提案されるサービスを発見するためにこれらの使用可能なすべてのホットスポットに連続的に接続しなくてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1,370,050A1号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Computer Networks、Andrew S.Tanenbaum
【非特許文献2】Distributed Systems:Concepts and Design、George Coulouris、Jean Dollimore、Tim Kindberg
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、たとえユーザの現在位置を認識している必要がなくても、ユーザ端末が、どのホットスポットがどのサービスを配信するのかを迅速に見つけることができるように、より優れた技術的な解決策を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これは、本発明によるマネージャおよび端末を適用することによって解決されうる。
【0012】
本発明の第1の対象は、無線ネットワークのホットスポットを介してローカル・サービスを発見しアクセスするためのマネージャであり、マネージャは、
ホットスポットが提供するすべてのサービスを記述する、登録済みのホットスポットに対応するサービス・プロファイルを登録するための手段と、
サービス・コンシューマの端末から要求メッセージを受信するための手段であって、このメッセージは登録済みのホットスポットに対応するサービス・プロファイルを取り出すように要求する、手段と、
要求されたサービス・プロファイルを検索するための手段と、
取り出したサービス・プロファイルを含むメッセージを送信することによって、サービス・コンシューマの端末に応答するための手段とを備え、
登録済みのホットスポットに対応するサービス・プロファイルを登録するための前記手段は、それぞれ複数の登録済みのホットスポットに対応する複数のプロファイル識別子にそれぞれ関連付けられている複数のサービス・プロファイルを登録するための手段を備え、
サービス・コンシューマの端末から要求メッセージを受信するための前記手段は、このメッセージからプロファイル識別子を抽出して、抽出されたプロファイル識別子に対応する登録されたサービス・プロファイルを取り出すための手段を備える
ことを特徴とする。
【0013】
このマネージャは、サービス・プロバイダが、複数のホットスポットによって提供されるコンテンツおよびサービスのタイプに関する情報を集中化できるようにする。サービス・プロバイダにとっては、この情報を複数のホットスポットについて一度で格納するほうが、より容易かつ迅速である。サービス・コンシューマにとっては、特に端末がローカル・サービスを提供する多数のホットスポットに接続することができる市内において、自分の端末を複数のホットスポットに連続的に接続するよりも、このマネージャに助言を求めるほうが迅速である。
【0014】
本発明の第2の対象は、無線ネットワークのWiFiホットスポットを介して、ローカル・サービスを発見しアクセスするための端末であり、端末は、
ホットスポットを検出するため、および検出されたホットスポットに対応し、そのホットスポットが提供するすべてのサービスを記述するサービス・プロファイルを取り出すために、ローカル・サービス・マネージャに要求メッセージを送信するための手段と、
サービス・プロファイルを受信し、ユーザが受信したサービス・プロファイルにリストされているサービスからサービスを選択できるようにするための手段と、
選択されたサービスを提供するホットスポットに接続し、選択されたサービスを、このホットスポットを介して要求するための手段と
を備え、
ホットスポットを検出するため、およびローカル・サービス・マネージャに要求メッセージを送信するための前記手段は、前記要求メッセージを、別の無線ネットワークを介してローカル・サービス・マネージャに送信するための手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この端末は、別のネットワークを介して集中サービス・マネージャにアクセスすることができるので、これによりサービス・コンシューマは、使用可能なホットスポットのいずれにも接続する必要なく、多数の使用可能なホットスポットによって提供されるコンテンツおよびサービスのタイプに関する情報にアクセスすることができるようになる。
【0016】
サービス・コンシューマ端末にとっては、特に端末がローカル・サービスを提供する多数のホットスポットを見つけることができる市内において、複数のホットスポットに連続的に接続するよりも、単一のサービス・マネージャに助言を求めるほうが迅速である。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面と併せて、本発明の実施形態の以下の詳細な説明からさらに明らかになろう。
【0018】
本発明の実施形態の特徴および利点を詳細に示すために、後段の説明は、添付の単一図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】端末が、WiFiホットスポットを発見し、マネージャにおいてサービス・プロファイルポットを介して接続する実施形態におけるシグナリング・フローを示す図である。を検索し、特定のサービスをサブスクライブして、この特定のサービスに適切なホットス
【発明を実施するための形態】
【0020】
図において提示される実施形態は、以下のものを備える。
たとえばホットスポットHS1など、複数のホットスポット。各ホットスポットは、複数のローカル・サービスを提供することができる。
複数のホットスポットHS1などにより接続されたすべてのサービス・プロバイダおよびすべてのサービス・コンシューマによって使用される公的にアクセス可能なローカル・サービス・マネージャLSM。マネージャLSMは、ユーザ管理を担当し、登録済みのホットスポットおよびそれらの各々のサービス・プロファイルのリポジトリを保持する。さらに、マネージャLSMは、ゲートウェイへのアクセスを規制し、サービス・サブスクリプションの支払いを処理する。マネージャLSMは、ユーザ・インターフェイスとしての役割を果たすWebサイトを実行する。マネージャLSMは、新しいホットスポットおよび新しいサービスを登録するための機能をサービス・プロバイダに提供する。マネージャLSMは、ユーザアカウントを作成して、サービスをサブスクライブするための機能をサービス・コンシューマに提供する。
複数のローカル・サービス・ゲートウェイ。各サービス・プロバイダSPは、サービスを展開するために、1つまたは複数のホットスポットを介して接続されうるゲートウェイを使用する。各サービス・プロバイダは、1つまたは複数の関連付けられているホットスポットに適したサービスを提供する。この例において、ローカル・サービス・ゲートウェイGW1は、ホットスポットHS1に関連付けられている。
複数のユーザ端末。たとえば、ローカル・サービス・ユーザ・アプリケーションUAを実行しているユーザ端末T。
【0021】
このローカル・サービス・プラットフォームの使用は、以下のステップを備える。
ステップ1:サービス・プロバイダSPが、サインアップして、ローカル・サービス・マネージャLSMでアカウントを作成する。アカウントに、サービス・プロバイダSPは、新しいホットスポットを登録することができ、次いで、たとえばHS1などのこの登録されたホットスポットによって提供される1つまたは複数のサービスを登録することができる。登録された各ホットスポットについて、サービス提供者SPは、ホットスポットが提供する各サービス(すなわち、サービスの名前、イメージ、ロケーションなど)およびそのサブスクリプション・ポリシーを記述するサービス・プロファイルを作成して登録する。このポリシーは、「誰でも利用できる(open to all)」(無料)であってもよいし、またはサブスクリプション料金を指示してもよい。登録済みの各ホットスポットについて、一意のプロファイル識別子がマネージャLSMによって生成され、ホットスポットのサービス・プロファイルに関連付けられる。
【0022】
各プロファイルは、プロファイル識別子を有する。たとえば、「123」は、ホットスポットHS1によって提供されるサービスを記述するプロファイルに割り当てられる識別子である。サービス・プロバイダSPは、SSID(Service Set Identifier:サービスセット識別子)を登録済みの各ホットスポットに割り当てる。WiFi規格IEEE802.11によれば、SSIDは、WiFiネットワークがアドバタイズされる名前である。本発明によれば、SSIDはホットスポットがローカル・サービスを提供することを指示する固定のパターン(たとえば「LS:」)およびホットスポットのプロファイル識別子から成るので、WiFiホットスポットは、サービスをアドバタイズして、サービスに接続できるようにする。たとえば、ホットスポットHS1のSSIDは「LS:123」であって、ここで「:」は任意の区切り文字であり、文字「LS」はホットスポットがローカル・サービス・ネットワークの一部であることを指示し、数字「123」はローカル・サービス・マネージャLSM上にあるホットスポットのサービス・プロファイルの識別子である。
【0023】
サービス・プロバイダSPが、ホットスポットHS1に関連付けられている、ローカル・サービス・ゲートウェイGW1にインストールされたサービスを配信するので、ローカル・サービス・マネージャLSMは、サービス・プロバイダSPに、サービスがこのゲートウェイGW1でどのように開発されて展開される必要があるかについての指示を提供する。加えて、サービスを実行して、サービスをネットワーク上で使用可能にする実行環境が必要とされる。したがって、コンピューティング・システムを、サービスをホスティングすることができるゲートウェイGW1に変換するために、ソフトウェア(すなわち、実行環境およびサービスを開発するためのソフトウェア開発キット)が必要とされる。サービス・プロバイダSPは、このソフトウェアを、インターネットを介してマネージャLSMからダウンロードすることができる。その他の実施形態において、ソフトウェアは、別のWebサイトからダウンロードされてもよい。
【0024】
ステップ2:次いで、サービス・プロバイダSPは、サービス・プロファイルにリストされている特定のサービスを提供することができるように、ローカル・サービス・ゲートウェイGW1を構成する。サービス・プロバイダSPは、ホットスポットHS1のSSIDを「LS:123」としてセットアップする。
【0025】
ステップ3:サービス・コンシューマSCは、ローカル・サービス・マネージャLSMでアカウントを作成し、自分の端末Tで実行されるべきローカル・サービス・アプリケーションUAをダウンロードする。次いで、サービス・コンシューマCSは、登録されたサービスをサブスクライブすることができる。支払いが必要とされる場合、支払いは、ローカル・サービス・マネージャLSMによって処理される。
【0026】
ステップ4:ユーザは、ローカル・サービス・マネージャLSMで登録されているすべてのサービスを発見するために、アプリケーションUAを実行する。
【0027】
ステップ5:ユーザ・アプリケーションUAは、ローカル・サービスを提供することを指示する定義済みのパターン「LS」を備えるSSIDを持つ使用可能なホットスポットを発見するために、端末TのWiFiチップを使用する。ユーザ・アプリケーションUAは、ローカル・サービスを提供する複数のホットスポットHS1などを発見する。たとえば、ホットスポットHS1は、そのSSIDが「LS:123」であるので見つけられる。ユーザ・アプリケーションUAは、サービスを提供する各ホットスポットについてサービス・プロファイル識別子を抽出する。特に、ユーザ・アプリケーションUAは、ホットスポットHS1のSSIDからプロファイル識別子「123」を抽出する。
【0028】
ステップ6:次いで、ユーザ・アプリケーションUAは、(たとえば、GPRSネットワークを介して)ローカル・サービス・マネージャLSMと接続して、発見されたすべてのホットスポットで使用可能なサービスに関する情報を収集する。たとえば、プロファイル識別子「123」は、ホットスポットHS1に対応するサービス・プロファイルを取り出すために参照として使用される。ローカル・サービスを提供するすべてのホットスポットにそれぞれ対応するすべてのプロファイルのコンテンツは、端末Tに送信され、ユーザに表示される(つまり、関連する各サービスの名前、イメージ、ベンダー、説明、サブスクリプション指示などがユーザに提示される)。
【0029】
ステップ7:たとえば、ユーザは、ホットスポットHS1によって提案されるサービスのうちの1つを使用しようとする。ユーザは、表示されたリスト内のサービスを選択する。ユーザ・アプリケーションUSは、要求メッセージをマネージャLSMに送信する。このメッセージは、選択されたホットスポットHS1のプロファイル識別子「123」、および選択されたサービスの名前を含む。
【0030】
ステップ8:要求されたサービスがサブスクリプションおよび料金支払いを意味する場合、マネージャLSMはユーザに通知する。次いで、要求されたサービスをサブスクライブして対応する料金を支払うために、ユーザは、アプリケーションUAをアクティブ化して、メッセージをマネージャLSMに送信する。
【0031】
ステップ9:次いで、アプリケーションUAは、端末TをホットスポットHS1と接続する。アプリケーションUAは、Webブラウザをロードして、ゲートウェイGW1にナビゲートする。ゲートウェイGW1は、ローカルネットワーク内のサービスにアクセスできるようにする小規模なWebアプリケーションにサービスを提供する。ユーザ・アプリケーションは、選択されたサービスにアクセスするために、ゲートウェイGW1に要求メッセージを送信し、このメッセージはサービスの名前を含む。ゲートウェイGW1は、このユーザがサービスへのアクセスを許可されるかどうか(すなわち、サービスが無料であるか、またはユーザが有効なサブスクリプションを有する必要があるか)を、たとえばローカル・サービス・マネージャLSMに問い合わせを行なうことによって確認する。ユーザが認証されて許可される場合、ゲートウェイGW1は、ユーザサービス要求をサービスのユーザ・インターフェイスにリダイレクトする。
【0032】
ユーザ・アプリケーションUAは、登録済みホットスポットと同じSSIDを使用する偽のWiFiホットスポットを検出できなくてはならない。ゲートウェイGW1はまた、ユーザを認証すること、すなわちユーザがサービスへのアクセスを許可されるかどうかを決定することもできなくてはならない。これらのタスクを遂行するための多くのアルゴリズムが知られている。それらの一部は、[Computer Networks、Andrew S.Tanenbaum]および[Distributed Systems:Concepts and Design、George Coulouris、Jean Dollimore、Tim Kindberg]において説明されている。セキュリティ部分がどのように実現されるかということは、実際には重要ではない。たとえば、ユーザ・アプリケーションUAは、セキュリティ・トークンを、ゲートウェイGW1およびローカル・サービス・マネージャLSMと交換する。(WEPまたはWPAキーなど)ホットスポットに接続するための認証トークンは、ホットスポットのサービス・プロファイルと共に、マネージャLSMに格納されてもよい。
【0033】
登録済みホットスポットの範囲を拡大するため、または同じサービスを提供する異なる場所をカバーするために、同じSSIDを持つ複数のホットスポットが使用されてもよい。
【0034】
(クレジットカードを使用するか、またはSMSを通じてなど)複数の支払いオプションが、(1セッション、1週、1か月など)異なる期間に対して提供されてもよい。
【0035】
たとえば、本発明によるマネージャおよび端末は、現在の販売促進を強調するサービスが顧客に提供される店舗によって使用されてもよい。店舗の所有者は、ローカル・サービス・プラットフォームを使用して自分のサービスを登録し、LSゲートウェイGW1ソフトウェアおよびホットスポットを構成するためのSSIDを受信する。オプションで、サービスが展開されうるアウトオブボックス型(そのまま使える)製品が提供されてもよい。ユーザが店舗に入ると、そのユーザ・デバイス上のソフトウェアが(たとえ複数の他のホットスポットが店舗内で手近にあったとしても)自動的にそのホットスポットを発見し、販売促進サービスをユーザに提示する(このサービスに関する情報はLSマネージャから取り出される)。サービスは無料で提供されるので、ユーザは、自分のユーザ・デバイスでサービスに接続して、今日の特別販売促進を調べることができる。
【0036】
本発明によるマネージャおよび端末はまた、公共スペースで協力ゲームをプレイするために大型ディスプレイのベンダーによって使用されてもよい。ベンダーは、ローカル・サービス・プラットフォームでゲームサービスを登録して、その料金を課金する。ゲートウェイおよびホットスポットは、ゲームサービスへのアクセスを規制し、ユーザ・アプリケーションは、ディスプレイのそばを通過するときにこのサービスを発見する。このアプリケーションを使用して、ユーザは、ゲームサービスを直接サブスクライブすることができる。支払いは、ローカル・サービス・マネージャによって処理される。サブスクライブすると、サービスのWiFiホットスポットとの接続が確立され、ゲートウェイは、認証後に、ユーザ・デバイスをゲームに参加するように入力制御にリダイレクトする。
図1