(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転するように共通軸の周りに全てが取り付けられた駆動ステータ(14)および少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)であって、前記少なくとも1つの従動ロータ(20a、20b)が、第1および第2の従動ロータ(20a、20b)をさらに含む、駆動ステータ(14)および少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)と、
前記少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)の位相を前記駆動ステータ(14)に対して独立して調整することを可能にするために、前記少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)を、回転するように前記駆動ステータ(14)と連結するための少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)を画定する少なくとも1つのベーン型油圧式連結部であって、前記少なくとも1つのベーン型油圧式連結部が、前記第1および第2の従動ロータ(20a、20b)の位相を、互いに、および前記駆動ステータ(14)に対して独立して調整することを可能にするために、前記第1および第2の従動ロータ(20a、20b)を、回転するように前記駆動ステータ(14)と連結するための複数の拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)を画定する、少なくとも1つのベーン型油圧式連結部と、
少なくとも1つの入口ポート(62)、少なくとも1つの出口ポート(64、64a)、および前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)と給油および排油流体連通するための少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)を有する制御バルブ(60)と、
前記少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)を前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)と選択的に連通するために、前記少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)と流体連通する少なくとも1つの回転可能な流体流ダイバータ(80、80a)と
を含む、可変カムタイミング位相器(10)。
前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)がさらに、アドバンスタイミング用の拡張可能な流体チャンバ(40、40a、40b)およびリタードタイミング用の拡張可能な流体チャンバ(50、50a、50b)を含む、請求項1に記載の位相器。
前記少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)が、少なくとも2つの共通の共有流路(16a、16b、16c、16d)をさらに含み、各共通の共有流路(16a、16b、16c、16d)が、位置合わせされた共通の共有流路(16a、16b、16c、16d)を前記アドバンスタイミング用の拡張可能な流体チャンバ(40、40a、40b)および前記リタードタイミング用の拡張可能な流体チャンバ(50、50a、50b)と選択的に連通するために、前記少なくとも1つのシャフト(12)の回転のある角度部分の間、対応する位置合わせされた環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)を介して流体連通するように個々に位置合わせされる、請求項4に記載の位相器。
前記少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)が、少なくとも2つの共通の共有流路(16a、16b、16c、16d)をさらに含み、前記少なくとも2つの環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)が、少なくとも1つのシャフト(12)および少なくとも1つのベアリングの一方の少なくとも1つの周囲の一部に延在する少なくとも4つの溝セグメント(12a、12b、12c、12d)をさらに含み、各環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)が、位置合わせされた共通の共有流路(16a、16b、16c、16d)を前記アドバンスタイミング用の拡張可能な流体チャンバ(40、40a、40b)および前記リタードタイミング用の拡張可能な流体チャンバ(50、50a、50b)と選択的に連通するために、前記少なくとも1つのシャフト(12)の回転のある角度部分の間、位置合わせされた共通の共有流路(16a、16b、16c、16d)と個々に流体連通する、請求項4に記載の位相器。
前記少なくとも4つの環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)が、前記少なくとも1つのシャフト(12)および前記少なくとも1つのベアリングの一方に対して1つの横断周囲面に配置される、請求項6に記載の位相器。
前記少なくとも4つの環状溝セグメント(16a、16b、16c、16d)が、前記少なくとも1つのシャフト(12)および前記少なくとも1つのベアリングの一方に対して、2つの別々の横断外周面に配置される2つのセグメントグループに分割される、請求項6に記載の位相器。
少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b、90)を間に画定し、かつ前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、90)に入るおよびそれから出る流体流に応答して互いに移動可能である少なくとも2つの部材(14、20、20a、92)を有する加圧流体制御システムを制御する方法であって、
制御バルブ(60)のスプール(60c)を、フル移動位置(60a)とゼロ移動位置(60b)との間に位置付けられた位置から選択される少なくとも2つの位置の間で駆動するステップであって、前記制御バルブ(60)が、少なくとも1つの入口ポート(62)、少なくとも1つの出口ポート(64、64a)、および前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、90)と給油および排油流体連通するための少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)を有するステップと、
少なくとも1つのシャフト(12)および少なくとも1つのベアリング(98)の一方の少なくとも1つの周囲の一部に延在する少なくとも1つの環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)を有する少なくとも1つの回転可能な流体流ダイバータ(80、80a)を回転させるステップであって、前記少なくとも1つのベアリングおよび少なくとも1つのシャフトの他方が流体連通ポート(12p)を含み、前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)の対応する1つが、前記少なくとも1つの環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)と前記少なくとも1つの流体連通ポートとの間の流体流接続を介して流体連通し、前記シャフト(12)の回転により、各回転の反復する角度部分の間、少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)を前記少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b、90)と選択的に連通するために、前記少なくとも1つの環状溝セグメント(12a、12b、12c、12d)と少なくとも1つの流体連通ポートが互いに流体連通される、ステップと、
前記スプール(60c)の位置および前記回転可能な流体流ダイバータの回転に応答して位相器(10)の位相角度を調整するステップであって、前記位相器(10)が、回転するように共通軸の周りに全てが取り付けられた駆動ステータ(14)および少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)を有し、少なくとも1つのベーン型油圧式連結部が、前記少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)の位相を前記駆動ステータ(14)に対して独立して調整することを可能にするために、前記少なくとも1つの従動ロータ(20、20a、20b)を、回転するように前記駆動ステータ(14)と連結するための少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ(40、50、40a、50a、40b、50b)を画定するステップと
を含む、方法。
前記制御バルブ(60)の前記スプール(60c)を、前記フル移動位置(60a)と前記ゼロ移動位置(60b)との間に位置付けられた中央零位置に駆動するステップと、
前記少なくとも1つの入口ポート(62)、前記少なくとも1つの出口ポート(64、64a)、および前記少なくとも1つの共通の共有流路(16、16a、16b、16c、16d)の間の流体連通を阻止するために、前記中央零位置に前記制御バルブ(60)の前記スプール(60c)を保持するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで
図7を参照すると、簡易図面が、駆動ステータ14、従動ロータ20、制御バルブ60、共通の共有流路16、および第1回転角度位置にある回転可能な流体流ダイバータ80を有する可変カムタイミング位相器10を示している。駆動ステータ14および従動ロータ20は、回転するように共通軸の周りに取り付けることができる。少なくとも1つのベーン型油圧式連結部が、少なくとも1つの従動ロータ20を、回転するように駆動ステータ14と連結するために、および少なくとも1つの従動ロータ20の位相を駆動ステータ14に対して独立して調整することを可能にするために、少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ50を画定する。この構成において、従動ロータ20を、アドバンスタイミング移動終端限またはリタードタイミング移動終端限のいずれかに、機械ばね68によって付勢することができる。制御バルブ60は、エンジン制御ユニット70からの制御信号72に応答して作動され得る。制御バルブは、例としておよび限定することなくエンジンオイルまたは油圧流体などの加圧流体の供給路と流体連通する入口ポート62、および加圧流体の排出路と流体連通する出口ポート64を、少なくとも1つの共通の共有流路16と選択的に連通するように作動する。
図7に示されるように、制御バルブ60は、零位置から右に移動されて示され、共通の共有流路16を出口ポート64と流体連通した状態に置き、機械ばね68が従動ロータを時計方向に所定の移動終端限の方に移動することを可能にする。制御バルブ60が、示されている位置から零位置を越えて左へ移動すると、共通の共有流路16は、入口ポート62と流体連通した状態に置かれ、第1流路部分66aを介して、拡張可能な流体チャンバ50を機械付勢ばね68の押圧に対抗して加圧し、従動ロータ20を、反対の移動終端限の方に、反時計回転に駆動し、それにより駆動ステータ14と従動ロータ20との間の位相シフトをもたらす。回転可能な流体流ダイバータ80は、少なくとも1つの共通の共有流路16を少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ50と選択的に流体連通するために、少なくとも1つの共通の共有流路16と流体連通する。例としておよび限定することなく、少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバはさらに、アドバンスタイミング拡張可能流体チャンバおよび/またはリタードタイミング拡張可能流体チャンバを含むことができる。回転可能な流体流ダイバータ80は、例としておよび限定することなく、カムシャフトなどのシャフト12を含むことができ、シャフト12はシャフト12の周囲部分の周りに延びる少なくとも1つの環状溝セグメント12aを有する。少なくとも1つの溝セグメント12aは、シャフトが回転するときに少なくとも1つの共通の共有流路16を少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ50と選択的に連通するために、シャフト12の回転のある角度部分の間、共通の共有流路16と流体連通する。回転可能な流体流ダイバータ80が回転するとき、溝セグメント12aは、外径ランド12eに阻止されるまで、最初に共通の共有流路16と流体連通する。拡張可能な流体チャンバ50は、シャフト12の回転の別の角度部分の間、共通の共有流路16から隔離されるが、外径ランド12eは共通の共有流路16入口に面する。溝セグメント12aの角度範囲および外径ランド12eの角度範囲は、任意の所望の重ならない角度のカバレージ度であってもよいことを認識されたい。共通の共有流路16は、カム位置に基づいて制御圧力を律動的に送り込むことによって少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ50に供給するおよび/またはそれを通気するための単一の供給/通気路として使用してもよい。
【0015】
図7Aを簡単に参照すると、前述後述を問わず本明細書に記載の構成はいずれも、少なくとも1つのベアリング98の周囲部分の周りに延びる少なくとも1つの環状溝セグメント12aを含む一方で少なくとも1つのシャフト12が流体連通ポート12pを含むように変更されてもよいことが認識されよう。換言すると、ベアリング98に1つまたは複数の所望の環状溝セグメント12aを形成する一方、ベアリング98に支持されるシャフト12に1つまたは複数の所望の対応する流体連通ポート12pを形成することが本明細書で開示されることが認識されよう。この構成はまた、少なくとも1つの環状溝セグメント12aと少なくとも1つの流体連通ポート12pとの間に確立された流体流接続を介して、少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ50を流体連通した状態に置くことができることを提供する。少なくとも1つのシャフト12の回転により、少なくとも1つのシャフト12の回転の反復する角度部分の間、少なくとも1つの環状溝セグメント12aと少なくとも1つの流体連通ポート12pが互いに流体連通し、少なくとも1つの共通の共有流路16を、少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ50の対応する1つと選択的に連通する。
図1〜6および8〜9の構成において示されかつ記載された各環状溝セグメントおよび対応する流体連通ポートは、開示される発明の範囲内にあることは認識されよう。
【0016】
次に
図1〜3を参照すると、可変カムタイミング位相器10は、
図7に関連して示し、記載したものと類似しているが、以下の点が異なる。すなわち、少なくとも1つの共通の共有流路16が、対応する第1および第2流路66a、66bを介して第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50と流体連通する第1および第2の共通の共有流路16a、16bと、制御バルブ60の追加の入口または出口ポートとを含むことができる。例として、および限定することなく、
図1〜3は、可変カムタイミング位相器10の動作を記載するために、追加の出口ポート64aを示している。しかしながら、入口ポート62および出口ポート64、64aは、以降に記載のものと反対の機能を提供するために置き替えることができることを認識されたい。例として、および限定することなく、
図1に示されるように、制御バルブ60は零位置から左へ移動され、第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12a、および第1の流体流路66aを介した入口ポート62から第1の拡張可能な流体チャンバ40に至る流体連通を可能にする一方、同時に第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12b、および第2の流体流路66bを介した出口ポート64から第2の拡張可能な流体チャンバ50に至る流体連通を可能にする。
【0017】
図2に示されるように、制御バルブは零位置から右へ移動され、出口ポート64aから第1の共通の共有流路16aに至る流体連通を可能にする一方、同時に入口ポート62から第2の共通の共有流路16bに至る流体連通を可能にする。シャフト12と関連付けられる流体流ダイバータ80は、時計方向に回転し、第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50を、シャフト12の回転の別の角度部分の間、外径ランド12e、12fによって、第1および第2の共通の共有流路16a、16bから隔離している。溝セグメント12a、12bの角度範囲および外径ランド12e、12fの角度範囲は、任意の所望の重ならない角度のカバレージ度であってもよいことを認識されたい。
【0018】
図3に示されるように、シャフト12と関連付けられる流体流ダイバータ80は、さらに時計方向に回転し、出口ポート64aは、第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12b、および第2の流路部分66bを介して第2の拡張可能な流体チャンバ50と流体連通し、同時に入口ポート62は、第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12a、および第1の流路部分66aを介して第1の拡張可能な流体チャンバ40と流体連通する。制御バルブ60は、
図2および3に示される移動された右位置か
図1に示される移動された左位置のどちらか、または
図4に示されるような零位置にあることができ、その間流体流ダイバータ80は、適切な角度位置に回転し、対応する第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50と連通すべく、対応する溝セグメント12a、12bを介した第1および第2の共通共有流体流路16a、16bと第1および第2の流路部分66a、66bとの間の流体連通を可能にすることができることを認識されたい。
【0019】
制御バルブ60の中心零位置は
図4に示されている。零位置により、入口ポート62および出口ポート64、64aと共通の共有流路16a、16bとの間の流体連通は閉鎖される。流体流ダイバータ80が回転するとき、ステータ14およびロータ20の角度位置、すなわち位相角度は、制御バルブ60が零位置にあるとき、互いに静止した状態に保持することができる。
【0020】
環状溝セグメント12a、12bは、振動トルクから利益を得るように角度配置することができる。位相制御は、以下のようにして達成することができる。すなわち、制御バルブ60を中心零位置から
図1に示される移動された左位置へ、または
図2および3に示される移動された右位置へ移動し、その間環状溝セグメント12a、12bが第1および/または第2の共通の共有流路16、16bと位置合わせされ、かつ所望の位置合わせが繰り返されるまで、流れを遮断するべく中心零位置に戻ることによって達成することができる。制御バルブ60は、所望の位置合わせが繰り返されると、位相器の作動を続けるために中心零位置から移動することができる。あるいは、制御バルブ60は、シャフト12の一回転の間、中心零位置から両方向へ振動することができる。共有オイル供給位相器の代替制御方策は、カム回転周波数またはカム回転周波数の分数倍数における零位置周囲での制御バルブ60の振動を含むことができる。環状溝セグメント12a、12bが流体流を接続された拡張可能な流体チャンバ40、50に流入することまたはそこから流出することを可能にするカム回転の部分とおおよそ重なるように、エンジン制御ユニットは制御バルブ60動作のタイミングをアドバンスするかリタードすることができる。換言すると、制御バルブ60は零位置に保持されない;代わりに、制御バルブから位相器への流れは、入口ポート62および/または出口ポート64、64aという制御バルブ60の開口と、共通の共有流路16a、16bと流体連通する環状溝セグメント12a、12bの開口の重なりを変えることによって、開放されるか閉鎖される。
【0021】
環状溝セグメント12a、12bおよび外径ランド12e、12fは、示されるように等しい角度で離間することができ、または任意の重ならない角度範囲に、および所望の向きに配置できることを認識されたい。セグメント12a、12bおよびランド12e、12fが等しい角度で離間されるとき、第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50は、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80の角度位置に依存して、同時に流体連通するか、同時に隔離される。セグメント12a、12bおよびランド12e、12fが等しい角度で離間されていないとき、第1および第2の拡張可能なチャンバ40、50の流体連通および隔離は、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80の角度位置に依存して、互いに時間を合わせて喰い違いにされる。
【0022】
第1および第2の流路66a、66bが
図3において交差して概略的に示されているが、これら流路66a、66bは、従来のようにかつ公知のように、シャフト12の任意の角度方向において対応する第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50と接続するための、シャフト12の外周に形成されかつ互いに軸方向に離間された環状の溝を含むことができることを認識されたい。
【0023】
次に
図5を参照すると、可変カムタイミング位相器10は、
図1〜3に関連して示しかつ記載したものと類似しているが、以下の点で異なる。すなわち、この構成は、互いにおよび1つまたは複数の駆動ステータ14、14aに対して独立して回転可能な第1の従動ロータ20aおよび第2の従動ロータ20bを有する複式可変カムタイミング位相器10用である。少なくとも1つの共通の共有流路16は、対応する第1、第2、第3および第4の流路66a、66b、66c、66dを介して、各従動ロータ20a、20bの第1、第2、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bと流体連通する第1、第2、第3および第4の共通の共有流路16a、16b、16c、16dを含むことができる。制御バルブ60は
図1〜4に示され記載されたものと類似してもよく、1つのポート16eが流路16a、16cに分岐し、別のポート16fが流路16b、16dに分岐している。例として、および限定することなく、
図5に示されるように、制御バルブ60は中心零位置から左へ移動し、以下のような同時の流体連通を可能にすることができる:第1の、ポート16eを介して第1の共通の共有流路16aに至り、環状溝セグメント12a、および第1流体流路66aを介する、入口ポート62から第1の拡張可能な流体チャンバ40aに至る流体連通;第2の、ポート16fを介して第2の共通の共有流路16bに至り、環状溝セグメント12b、および第2流体流路66bを介する、出口ポート64から第2の拡張可能な流体チャンバ50aに至る流体連通。
図5に示されるように、回転可能な流体流ダイバータ80aは、流体流ダイバータ80から90°オフセットされる。この示される角度位置において、流体流ダイバータ80aは、拡張可能な流体チャンバ40b、50bの流体連通を遮断する。
【0024】
図5の制御バルブ60が中心零位置から右(不図示)に移動され、かつ流体流ダイバータバルブ80、80aが
図5の例示位置にあるとき、以下のような流体連通が許容される:ポート16fを介して第2の共通の共有流路16bに至り、環状溝セグメント12b、および第2流体流路66bを介する、入口ポート62から第1の拡張可能な流体チャンバ50aに至る第1の流体連通;およびポート16eを介して第1の共通の共有流路16aに至り、環状溝セグメント12a、および第1流体流路66aを介する、出口ポート64aから第1の拡張可能な流体チャンバ40aに至る第2の流体連通。
【0025】
制御バルブ60が、
図4に示される位置と同様、中心零位置にあるとき、拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bに至る流体連通は、ポート16e、16fを介した流体流を遮断する往復式スプールによって阻止され、その間回転可能な流体流ダイバータ80、80aは、任意の所望の角度移動を介して回転される。
【0026】
回転可能な流体流ダイバータ80、80aが
図5に示す位置から時計回りに90°回転するとき、流体流ダイバータ80は、拡張可能なチャンバ40a、50aとのさらなる流体流連通を阻止する流体流遮断位置に移動し、流体流ダイバータ80aは、拡張可能なチャンバ40b、50bとの流体流連通を可能にする流体流許容位置に移動する。回転可能な流体流ダイバータ80、80aが90°時計回りに回転した位置にあり、かつ制御バルブ60が
図5の左に移動された例示位置にあるとき、以下のような流体連通が同時に許容される:ポート16eを介して第3の共通の共有流路16cに至り、環状溝セグメント12d、および第4流体流路66dを介する、入口ポート62から第3の拡張可能な流体チャンバ40bに至る第1の流体連通;およびポート16fを介して第4の共通の共有流路16dに至り、環状溝セグメント12c、および第3流体流路66cを介する、出口ポート64から第4の拡張可能な流体チャンバ50bに至る第2の流体連通。
【0027】
回転可能な流体流ダイバータ80、80aが
図5に示された位置から時計回りに90°回転され、および制御バルブ60が中心零位置から右(不図示)へ移動されると、流体流ダイバータ80は、拡張可能なチャンバ40a、50aとのさらなる流体流連通を阻止する流体流遮断位置へ移動し、流体流ダイバータ80aは、拡張可能なチャンバ40b、50bとの流体流連通を可能する流体流許容位置へ移動する。回転可能な流体流ダイバータ80、80aが角度90°の時計回り位置にあり、かつ制御バルブ60が移動された右(不図示)にある場合、以下のような流体連通が同時に許容される:ポート16fを介して第4の共通の共有流路16dに至り、環状溝セグメント12c、および第3流体流路66cを介する、入口ポート62から第4の拡張可能な流体チャンバ50bに至る第1の流体連通;およびポート16eを介して第3の共通の共有流路16cに至り、環状溝セグメント12d、および第4流体流路66dを介する、出口ポート64aから第3の拡張可能な流体チャンバ40bに至る第2の流体連通。
【0028】
図1〜3と
図5の比較を通して決定できるように、左側の流体流ダイバータ80が、
図5に示す位置から
図3に示す位置と同様の位置まで、時計方向に約180°回転され、および右側の流体流ダイバータ80aが、
図5に示す位置から時計方向に約180°回転され、制御バルブ60が
図5に示されるように示されるように左へ移動されると、以下のような流体連通が許容される:ポート16fを介して第2の共通の共有流路16bに至り、環状溝セグメント12a、および第1流体流路66aを介する、出口ポート64から第1の拡張可能な流体チャンバ40aに至る第1の流体連通;およびポート16eを介して第1の共通の共有流路16aに至り、環状溝セグメント12b、および第2流体流路66bを介する、入口ポート62から第2の拡張可能な流体チャンバ50aに至る第2の流体連通。流体流ダイバータ80aは、拡張可能なチャンバ40b、50bの流体流を阻止する流体流連通遮断位置にある。
【0029】
図5の制御バルブ60が右(不図示)に移動され、左側の流体流ダイバータ80が
図5に示す位置から
図3に示す位置と同様の位置まで時計方向に約180°回転され、右側の流体流ダイバータ80aが
図5に示す位置から時計方向に約180°回転されると、以下のような流体連通が許容される:ポート16fを介して第2の共通の共有流路16bに至り、環状溝セグメント12a、および第1流体流路66aを介する、入口ポート62から第1の拡張可能な流体チャンバ40aに至る第1の流体連通;および第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12b、および第2流体流路66bを介する、出口ポート64aから第2の拡張可能な流体チャンバ50aに至る第2の流体連通。流体流ダイバータ80aは、拡張可能なチャンバ40b、50bの流体流を阻止する流体流連通遮断位置にある。
【0030】
図1〜3と
図5の比較を通して決定できるように、左側の流体流ダイバータ80が、
図5に示す位置から時計方向に約270°回転され、および右側の流体流ダイバータ80aが、
図5に示す位置から時計方向に約270°回転され、制御バルブ60が
図5に示されるように左へ移動されると、以下のような流体連通が許容される:ポート16fを介して第4の共通の共有流路16dに至り、環状溝セグメント12d、および第4流体流路66dを介する、出口ポート64から第4の拡張可能な流体チャンバ50bに至る第1の流体連通;およびポート16eを介して第3の共通の共有流路16cに至り、環状溝セグメント12c、および第3流体流路66cを介する、入口ポート62から第3の拡張可能な流体チャンバ40bに至る第2の流体連通。流体流ダイバータ80は、拡張可能なチャンバ40a、50aの流体流を阻止する流体流連通遮断位置にある。
【0031】
図1〜3と
図5の比較を通して決定できるように、左側の流体流ダイバータ80が、
図5に示す位置から時計方向に約270°回転され、および右側の流体流ダイバータ80aが、
図5に示す位置から時計方向に約270°回転され、制御バルブ60が
図5に示される位置から右(不図示)へ移動されると、以下のような流体連通が許容される:ポート16eを介して第3の共通の共有流路16cに至り、環状溝セグメント12c、および第3流体流路66cを介する、出口ポート64aから第3の拡張可能な流体チャンバ40bに至る第1の流体連通;およびポート16fを介して第4の共通の共有流路16dに至り、環状溝セグメント12d、および第4流体流路66dを介する、入口ポート62から第4の拡張可能な流体チャンバ50bに至る第2の流体連通。流体流ダイバータ80は、拡張可能なチャンバ40a、50aの流体流を阻止する流体流連通遮断位置にある。
【0032】
溝セグメント12a、12bの第1グループの角度範囲および外径ランド12e、12fの対応する第1グループの角度範囲は、任意の所望の重ならない角度のカバレージ度であってもよいことを認識されたい。セグメント12a、12bおよびランド12e、12fが等しい角度で離間されるとき、第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40a、50aは、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80の角度位置および制御バルブ60の位置に依存して、同時に流体連通するか、同時に隔離される。セグメント12a、12bおよびランド12e、12fが等しい角度で離間されていないとき、第1および第2の拡張可能なチャンバ40a、50aの流体連通および隔離は、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80の角度位置および制御バルブ60の位置に依存して、互いに時間を合わせて喰い違いにされる。同様に、溝セグメント12c、12dの第2グループの角度範囲および外径ランド12g、12hの対応する第2グループの角度範囲は、任意の所望の重ならない角度のカバレージ度であってもよい。セグメント12c、12dおよびランド12g、12hが等しい角度で離間されるとき、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40b、50bは、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80aの角度位置および制御バルブ60の位置に依存して、同時に流体連通するか、同時に隔離される。セグメント12c、12dおよびランド12g、12hが等しい角度で離間されていないとき、第3および第4の拡張可能なチャンバ40b、50bの流体連通および隔離は、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80aの角度位置および制御バルブ60の位置に依存して、互いに時間を合わせて喰い違いにされる。溝セグメントおよびランドの第1および第2グループは、他方に対して任意の所望の角度向きであってもよく、例としておよび限定することなく
図5に示されるように90度オフセットされるか、他の任意の所望の角度向きであってもよい。制御バルブ60は
図5に示される移動された左位置か、移動された右位置(不図示)のどちらかにあっても、あるいは零位置(不図示)にあってもよく、その間流体流ダイバータ80、80aは、適切な角度向きを通して回転し、対応する第1、第2、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bと連通すべく、対応する溝セグメント12a、12b、12b、12cを介した第1、第2、第3および第4共通の共有流路16a、16b、16c、16dと、第1、第2、第3および第4流路部分66a、66b、66c、66dとの間の流体連通を可能にすることができることを認識されたい。
図5に示される流体流ダイバータ80、80aに対応する2つのシャフトの断面は、同じシャフト12に沿った軸方向に離間された異なる位置に基づいても、異なるシャフト上の軸方向位置に基づいてもよいことを認識されたい。
【0033】
次に
図6を参照すると、可変カムタイミング位相器10は、
図5に関連して示しかつ記載したものと類似しており、この構成は同じく、互いにおよび1つまたは複数の駆動ステータ14、14aに対して独立して回転可能な第1の従動ロータ20aおよび第2の従動ロータ20bを有する複式可変カムタイミング位相器10用であるが、以下の点で異なる。すなわち、流体流ダイバータ80が、シャフト12の単一の軸方向位置に配置された第1、第2、第3および第4の溝セグメント12a、12b、12c、12dを含む。少なくとも1つの共通の共有流路16は、回転可能な流体流ダイバータ80に配置された溝セグメント12a、12b、12c、12dを介して流体連通するとき、対応する第1、第2、第3および第4の流路66a、66b、66c、66dを介して、各従動ロータ20a、20bの第1、第2、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bと流体連通する第1および第2の共通の共有流路16a、16bを含むことができる。
【0034】
例として、および限定することなく、
図6は、複合可変カムタイミング位相器10構成の動作を記載するため、共通入口ポート62と共通出口ポート64、64aを示している。しかしながら、入口ポート62と出口ポート64、64aは、以降に記載のものと反対の機能を提供するために置き替えることができることを認識されたい。例として、および限定することなく、
図6に示されるように、制御バルブ60は左へ移動され、以下のような同時の流体連通を許容する:第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12a、および第1の流体流路66aを介した入口ポート62から第1の拡張可能な流体チャンバ40aに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12b、および第2の流体流路66bを介した出口ポート64から第2の拡張可能な流体チャンバ50aに至る第2の流体連通。溝セグメント12c、12dは、拡張可能チャンバ40b、50bとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0035】
図6の制御バルブ60が右(不図示)へ移動されると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12a、および第1の流体流路66aを介した出口ポート64aから第1の拡張可能な流体チャンバ40aに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12b、および第2の流体流路66bを介した入口ポート62から第2の拡張可能な流体チャンバ50aに至る第2の流体連通。溝セグメント12c、12dは、拡張可能チャンバ40b、50bとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0036】
制御バルブ60が、
図4に示されるものと同様、中心零位置にあるとき、共通の共有流路16a、16bによる入口ポート62と出口ポート64、64aとの間の流体連通は阻止される。制御バルブ60が零位置にあるとき、ステータ14およびロータ20の角度位置、すなわち位相角度は互いに静止した状態に保持することができ、流体流ダイバータ80は回転する。
【0037】
図6の詳細な調査を通して決定できるように、流体流ダイバータ80を
図6に示す位置から約45°または225°時計方向に回転させると、外径ランド12fおよび12h(または
図6に示す位置から135°または315°時計方向に回転させた場合は12eおよび12g)が環状溝セグメント12a、12b、12c、12dとの流体連通を遮断するので、第1、第2、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bは、第1および第2の共通の共有流路16a、16bとの流体連通から隔離される。
【0038】
図6の詳細な調査を通して決定できるように、流体流ダイバータ80を
図6に示す位置から約90°時計方向に回転させ、制御バルブ60を
図6に示されるように左へ移動すると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12d、および第4の流体流路66dを介した入口ポート62から第4の拡張可能な流体チャンバ50bに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12c、および第3の流体流路66cを介した出口ポート64から第3の拡張可能な流体チャンバ40bに至る第2の流体連通。溝セグメント12a、12bは、拡張可能チャンバ40a、50aとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0039】
図6の詳細な調査を通して決定できるように、流体流ダイバータ80を
図6に示す位置から約90°時計方向に回転させ、
図6の制御バルブ60を右(不図示)へ移動すると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12d、および第4の流体流路66dを介した出口ポート64aから第4の拡張可能な流体チャンバ50bに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12c、および第3の流体流路66cを介した入口ポート62から第3の拡張可能な流体チャンバ40bに至る第2の流体連通。溝セグメント12a、12bは、拡張可能チャンバ40a、50aとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0040】
流体流ダイバータ80を
図6に示す位置から約180°時計方向に回転させ、制御バルブ60を
図6に示すように左へ移動すると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12b、および第2の流体流路66bを介した入口ポート62から第2の拡張可能なチャンバ50aに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16bを介し、環状溝セグメント12a、および第1の流路66aを介した出口ポート64から第1の拡張可能なチャンバ40aに至る第2の流体連通。溝セグメント12c、12dは、拡張可能チャンバ40b、50bとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0041】
流体流ダイバータ80および関連シャフト12を
図6に示す位置から約180°時計方向に回転させ、制御バルブ60を右(不図示)へ移動すると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16a、環状溝セグメント12b、および第2の流体流路66bを介した出口ポート64aから第2の拡張可能なチャンバ50aに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16bを介し、環状溝セグメント12a、および第1の流路66aを介した入口ポート62から第1の拡張可能なチャンバ40aに至る第2の流体連通。溝セグメント12c、12dは、拡張可能なチャンバ40b、50bとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0042】
流体流ダイバータ80を
図6に示す位置から約270°時計方向に回転させ、
図6に示されるように制御バルブ60を左へ移動すると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16aを介し、環状溝セグメント12c、および第3の流体流路66cを介した入口ポート62から第3の拡張可能なチャンバ40bに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12d、および第4の流路66dを介した出口ポート64から第4の拡張可能なチャンバ50bに至る第2の流体連通。溝セグメント12a、12bは、拡張可能チャンバ40a、50aとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0043】
流体流ダイバータ80および関連するシャフト12を
図6に示す位置から約270°時計方向に回転させ、制御バルブ60を右(不図示)へ移動すると、以下のような流体連通が許容される:第1の共通の共有流路16aを介し、環状溝セグメント12c、および第3の流体流路66cを介した出口ポート64aから第3の拡張可能なチャンバ40bに至る第1の流体連通;および第2の共通の共有流路16b、環状溝セグメント12d、および第4の流路66dを介した入口ポート62から第4の拡張可能なチャンバ50bに至る第2の流体連通。溝セグメント12a、12bは、拡張可能チャンバ40a、50aとの流体連通を阻止する流体流遮断位置にある。
【0044】
第1、第2、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bは、第1および第2の共通の共有流路16a、16bと流体連通する任意の角度位置にあるとき、上に記載したように制御バルブ60の作動を介して、入口ポート62または出口ポート64、64aと流体連通できることを認識されたい。制御バルブ60が、
図4に示される位置と同様、中央零位置にあるとき、拡張可能なチャンバ40a、50a、40b、50bに至る流体流は、ポート16e、16fを介する流体流を遮断する往復式スプールによって阻止されるが、その間回転可能な流体流ダイバータ80は、任意の所望の角度移動を介して回転する。
【0045】
環状溝セグメント12a、12b、12c、12dの角度範囲および外径ランド12e、12f、12g、12hの角度範囲は、任意の所望の重ならない角度カバレージ度であり得ることを認識されたい。溝セグメント12a、12b、12c、12dおよびランド12e、12f、12、12hが等しい角度で離間されるとき、第1/第2および第3/第4の拡張可能な流体チャンバ40a/50a、40b/50bは、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80の角度位置、ならびに制御バルブ60の位置に依存して、同時に流体連通するか、同時に隔離される。溝セグメント12a、12b、12c、12dおよびランド12e、12f、12g、12hが等しい角度で離間されないとき、第1/第2および第3/第4の拡張可能なチャンバ40a/50a、40b/50bの流体連通および隔離は、シャフト12および関連する流体流ダイバータ80の角度位置、ならびに制御バルブ60の位置に依存して、互いに時間を合わせて喰い違いにされる。制御バルブ60は、
図6に示される移動された左位置か、移動された右位置(
図2と同様)のどちらか、あるいは零位置(
図4と同様)にあることができ、その間流体流ダイバータ80は適切な角度向きを介して回転され、対応する第1、第2、第3および第4の拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bと連通すべく、対応する溝セグメント12a、12b、12b、12cを介した第1および第2の共通共有流体流路16a、16bと第1、第2、第3および第4の流路部分66a、66b、66c、66dとの間の流体連通を可能にすることができることを認識されたい。
【0046】
環状溝セグメント12a、12b、12c、12dは、振動トルクから利益を得るように角度配置することができる。位相制御は、環状溝セグメント12a/12bおよび12c/12dが第1および第2の共通の共有流路16、16bと交互に位置合わせされる間、制御バルブ60を中心零位置から
図6に示される移動された左位置へ、または移動された右位置(
図2と同様)へ移動することによって達成可能であり、所望の位置合わせが繰り返されるまで、流れを遮断するべく中心零位置に戻る。制御バルブ60は、所望の位置合わせが繰り返されると、位相器の作動を続けるために中心零位置から移動することができる。
【0047】
あるいは、制御バルブ60は、シャフト12の一回転の間、中心零位置から両方向へ振動することができる。共有オイル供給位相器の代替制御方策は、カム回転周波数またはカム回転周波数の分数倍数における零位置周囲での制御バルブ60の振動を含むことができる。環状溝セグメント12a、12b、12c、12dが流体流を接続された拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bに流入することまたはそこから流出することを可能にするカム回転の部分とおおよそ重なるように、エンジン制御ユニットは制御バルブ60動作のタイミングをアドバンスするかリタードすることができる。換言すると、制御バルブ60は零位置に保持されない;代わりに、制御バルブ60から位相器への流れは、入口ポート62および/または出口ポート64、64aという制御バルブ60の開口と、第1および第2の共通の共有流路16a、16bと流体連通する環状溝セグメント12a、12b、12c、12dの開口の重なりを変えることによって、開放されるか閉鎖される。
【0048】
要約すると、加圧されたオイルは通常、制御バルブの各ポートをカムシャフトベアリングの分離した連続溝と接続することによって、カムシャフトベアリングを通してカム位相器に供給される。示されている構造は、カムベアリングの溝を、2つ以上のセグメント12a、12b、12c、12dに中断し、2つ以上のセグメント12a、12b、12c、12dは、互いに軸方向に位置合わせされる、または、各グループ内で軸方向の位置合わせを有するグループに分離され、各グループは他のグループから軸方向に離間される、または各グループは他のグループと異なるシャフトに配置される、あるいはその組合せである。各環状溝セグメント12a、12b、12c、12dは、1つまたは複数のカム位相器の異なる拡張可能な流体チャンバ40a、50a、40b、50bに接続される。次に、制御バルブ60の動作が、1つまたは複数のカム位相器の複数の機能を制御するために、カムシャフト12(および溝のセグメント12a、12b、12c、12d)の回転位置に対してタイミングを合わせられ、ここで複数の軸方向に離間された環状溝は、共通の軸方向面に配置された少なくとも1つの溝セグメントによって、または溝セグメントの少なくとも1つのグループによって置き換えられ、複数のグループにおいて、溝セグメントの各グループは、溝セグメントの他のグループから軸方向に離間されて(または異なるシャフトに)配置され、特定のグループの各溝セグメントは、共通の軸方向面に配置される。これにより、制御バルブ60が、カムベアリングに複数の環状溝セグメント12a、12b、12c、12dを有する少なくとも1つの溝を介して位相器を操作することが可能になり得る。さらに、1つの制御バルブ60は、典型的な4つの環状溝構造の代わりに複数の環状溝セグメントの2つのグループを使用して2つの別個の位相器10a、10bを操作するために使用することができる。例として、および限定することなく、第1グループが環状溝セグメント12a、12bを含み外径ランド12e、12fがセグメント12a、12bを互いに分離し得、および第2グループが環状溝セグメント12c、12dを含み外径ランド12g、12hがセグメント12c、12dを互いに分離し得る
図5に示されるようなもの、またはそれぞれ対応する外径ランド12e、12f、12g、12hによって分離される4つの環状溝セグメント12a、12b、12c、12dを有する単一の溝を使用する
図6に示されるようなもの。
【0049】
区画化された溝はカムベアリング(またはいずれかの回転シャフト)に提供できることを認識されたい。制御バルブを使用して、独立して溝のセグメントに油圧を送ることができる。開示される構成により、1つの制御バルブを使用してカム位相器などの2つの油圧制御装置を操作することが可能になる。事実上、油圧制御バルブ回路に複数の制御チャネルを設けるこの考えは、カム位相器と関連しない用途に潜在的に使用することができる。2つの油圧装置を独立して操作するために油圧制御ラインを分ける、および制御バルブを使用するという基本的な考えは、カム位相器に特有のものではない。
【0050】
次に
図8を参照すると、加圧流体制御システムは、少なくとも2つの部材14、20、92を含むことができ、少なくとも2つの部材14、20、92は、それらの間で少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ90を画定し、少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ90に入るおよびそれから出る流体流に応答して互いに移動可能である。制御バルブ60は、少なくとも1つの入口ポート62、少なくとも1つの出口ポート64、および少なくとも1つの共通の共有流路16を有することができる。少なくとも1つの回転可能な流体流ダイバータ80は、少なくとも1つの共通の共有流路16を少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ90と選択的に連通するために、少なくとも1つの共通の共有流路16と流体連通することができる。少なくとも2つの部材は、少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ90に導入される加圧流体に応答してステータ14および少なくとも1つのロータ20に対して移動可能であり、ステータ14および少なくとも1つのロータ20の互いの角度位置をロック解除するためのロックピン92を含むことができる。
図8に示されるように、制御バルブ60は左へ移動され、共通の共有流路16、環状溝セグメント12a、および流路66aを介して入口ポート62を少なくとも1つの拡張可能な流体チャンバ90と流体連通した状態に置き、それによりロックピン92を機械的付勢ばね94の押圧に対抗してロック解除位置へ駆動し、その結果ステータ14および少なくとも1つのロータ20は、互いに移動できる。制御バルブ60が右(不図示)へ移動されると、共通の共有流路16は、少なくとも1つの共通の共有流路16、環状溝セグメント12a、および流路66aを介して加圧流体を放出する出口ポート64と流体連通した状態に置かれ、その間ロックピン92は、ロータ20に対するステータ14の固定された角度位置を維持するために機械ばね94によってロック位置に付勢される。加圧流体制御システムおよびロックピン構成は、
図1〜7に示される可変カムタイミング位相器構成のいずれかと組み合わせて一体化し、かつ使用できることを認識されたい。
【0051】
1つの構成に従う流体流ダイバータ80、80aを介したオイル経路の共有および/またはオイルのタイミング供給は、例として、および限定することなく、単一ベーンの2つの側(すなわち、第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50)、または2つのベーンの片側(すなわち、一方向にばね付勢がある場合、第1および第3の拡張可能な流体チャンバ40a、40b)などの複数の出口位置に選択的に接続されるために、制御バルブ60を介して加圧流体源または加圧流体の排出部と流体連通する少なくとも1つの共通の共有流路16、16a、16b、16c、16dを含むことができる。複数の出口は、出口がトルク力に基づいて位相器を動かす最良の場所にあるように、回転配置することができる。高利得、高周波数応答バルブ60は、圧力および流れを、必要に応じて利用可能にし、必要に応じて排出するために使用することができる。ベアリングは、供給開口が、共通の共有流路16、16a、16b、16c、16dおよび環状溝セグメント12a、12b、12c、12d間で位置合わせされていないとき、チェック弁として機能することができる。位相器の動きは、共通の共有流路16、16a、16b、16c、16dおよび環状溝セグメント12a、12b、12c、12dの供給開口の重なりを変えることによって、スロットル調整することができる。少なくとも1つの供給/共有オイル流路16、16a、16b、16c、16dは、カムベアリングを介して、ベーンの両側を同じオイルフィードで供給することができ、かつカム位置に基づいてカム圧力をパルス化することができる、またはベーンの片側を供給かつ通気することができる。単一の制御バルブ60を使用して、動作上のアドバンス/リタード位置と零位置との間で制御バルブ60を移動することによって、2つのロータ20a、20bを制御することができる。制御バルブ60は、対応する環状溝セグメントが位置合わせされている間、一方のロータ20aだけを制御可能であり、その後、必要であれば、対応する環状溝セグメントが位置合わせされている間、他方のロータ20bだけを制御するように移動することができる。2つのロータ20a、20bは、異なるシャフトに取り付けてもよく、または同一のシャフト12に取り付けてもよい。環状溝をより多くのセグメントに分割することによって、2つを超えるロータ20、20a、20bがオイルフィードおよび/または制御バルブ60を共有してもよい。1つの制御バルブ60を有する共有されるオイルフィード溝は、溝セグメントがアドバンスタイミング用の拡張可能な流体チャンバ40、40a、40bおよびリタードタイミング用の拡張可能な流体チャンバ50、50a、50bと位置合わせされている間制御バルブ60を零位置から移動させることによって位相器制御を提供することができ、その位置合わせが繰り返されるまで流れを遮断するために零位置へ戻り、その後制御バルブ60を零位置から移動させて位相器の移動を続けることができる。あるいは、制御バルブ60は、カムシャフトの一回転の間、零位置から両方向に振動することができる。制御バルブ60はカム回転周波数で、またはカム回転周波数の分数倍数で振動することができる。溝セグメントが位相器に入るまたはそこから出るオイル流れを許容するカム回転の部分とおおよそ重なるべく制御バルブ60移動のタイミングをアドバンスおよびリタードする。換言すると、制御バルブ60は零位置に保持されない;代わりに制御バルブ60から位相器への流れは、バルブ開口と溝セグメント開口の重なりを変えることによって、開放または閉鎖される。
【0052】
次に
図9を参照すると、例として、および限定することなく、可変カムタイミング位相器10は、
図1〜3に関連して示しかつ記載したものと類似しており、少なくとも1つの共通の共有流路16が、対応する第1および第2の流路66a、66bを介して第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50と流体連通する第1および第2の共通の共有流路16a、16bを含むことができ、および制御バルブ60は入口ポート62および出口ポート64、64aを含むことができる。入口ポート62または出口ポート64、64aからの第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50のいずれかとの流体連通を阻止する零位置の制御バルブ60が示されている。例として、および限定することなく、第1の拡張可能な流体チャンバ40はアドバンスチャンバに対応し、第2の拡張可能な流体チャンバ50はリタードチャンバに対応することができる。作動の第1のゾーン(ゾーン1)が画定され、このとき第1の溝セグメント12aは第1の共通の共有流路16aのポート16gと流体連通した状態に位置合わせされ、第2の溝セグメント12bは、第2の共通の共有流路16bのポート16hと流体連通した状態に位置合わせされる。作動の第2のゾーン(ゾーン2)が画定され、このとき第1の溝セグメント12aは第2の共通の共有流路16bのポート16hと流体連通した状態に位置合わせされ、第2の溝セグメント16bは、第1の共通の共有流路16aと流体連通した状態に位置合わせされる。例として、および限定することなく、シャフト12に配置された、時計方向に回転するダイバータバルブ80が示されている。制御バルブ60は、示されているようにスプールの右に配置されたフル移動限界位置60aと、示されているようにスプールの左に配置されたゼロ移動限界位置60bとを含む。
【0053】
次に
図10A〜10Fを参照すると、位相器制御システムの作動が、Y軸上に示されるフル移動位置60aとゼロ移動位置60b間の制御バルブのスプールの位置対X軸に沿って示されるカムシャフト回転位置(単位、度)に関連して記載されている。最初に
図10Aを参照すると、カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80は、
図9に示されるような0°の回転位置に示され、ここで流体連通は、ポート16g、16hをそれぞれ遮断するダイバータバルブ80のランド12eおよび12fによって阻止され、制御バルブ60は、零位置に位置付けられたスプールを有する。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、
図9に示される位置から時計方向に約45°回転するとき、制御バルブ60は、フル移動位置60aまで
図9に示されるような右方向にスプールを駆動し、第1の共通の共有流路16a、溝セグメント12a、およびアドバンスチャンバ40を拡張する第1流路66aを介した、入口ポート62と第1の拡張可能な流体チャンバ40の間の流体連通を可能にし、および第2の共通の共有流路16b、溝セグメント12b、および第2流路66bを介した出口ポート64aと第2の拡張可能な流体チャンバ50の間の流体連通であって、第2流路66bがリタードチャンバ50を縮小し、それにより位相器10が最高速度でアドバンスすることを可能にする流体連通を可能にする。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、約90°(
図9に示される位置から合計135°)回転を続けるとき、流体連通は、ポート16h、16gをそれぞれ遮断するダイバータバルブ80のランド12eおよび12fによって阻止され、制御バルブ60はスプールを零位置に戻す。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、約90°(
図9に示される位置から合計225°)回転を続けるとき、制御バルブ60は、ゼロ移動位置60bまで
図9に示されるような左方向にスプールを移動し、第2の共通の共有流路16b、溝セグメント12a、およびアドバンスチャンバ40を拡張する第1流路66aを介した、入口ポート62と第1の拡張可能な流体チャンバ40の間の流体連通を可能にし、および第1の共通の共有流路16a、溝セグメント12b、および第2流路66bを介した出口ポート64と第2の拡張可能な流体チャンバ50の間の流体連通であって、第2流路66bがリタードチャンバ50を縮小し、それにより位相器10が最高速度でアドバンス移動を続けることを可能にする流体連通を可能にする。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、約90°(
図9に示される位置から合計315°)回転を続けるとき、流体連通は、ポート16g、16hをそれぞれ遮断するダイバータバルブ80のランド12eおよび12fによって阻止され、制御バルブ60はスプールを零位置に戻す。制御シーケンスは、制御バルブ60が最大速度で位相器のアドバンス移動を提供しようと試みる時間の間、繰り返される。
【0054】
次に
図10Bを参照すると、カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80は、
図9に示されるような0°の回転位置に示され、ここで流体連通は、ポート16g、16hをそれぞれ遮断するダイバータバルブ80のランド12eおよび12fによって阻止され、制御バルブ60は、零位置に位置付けられたスプールを有する。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、
図9に示される位置から時計方向に約45°回転するとき、制御バルブ60は、ゼロ移動位置60bまで
図9に示されるような左方向にスプールを駆動し、第2の共通の共有流路16b、溝セグメント12b、およびリタードチャンバ50を拡張する第2流路66bを介した、入口ポート62と第2の拡張可能な流体チャンバ50の間の流体連通を可能にし、および第1の共通の共有流路16a、溝セグメント12a、および第1流路66aを介した出口ポート64と第1の拡張可能な流体チャンバ40の間の流体連通であって、第1流路66aがアドバンスチャンバ40を縮小し、それにより位相器10が最高速度でリタードすることを可能にする流体連通を可能にする。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、約90°(
図9に示される位置から合計135°)回転を続けるとき、流体連通は、ポート16h、16gをそれぞれ遮断するダイバータバルブ80のランド12eおよび12fによって阻止され、制御バルブ60はスプールを零位置に戻す。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、約90°(
図9に示される位置から合計225°)回転を続けるとき、制御バルブ60は、フル移動位置60aまで
図9に示されるような右方向にスプールを移動し、第1の共通の共有流路16a、溝セグメント12b、およびリタードチャンバ50を拡張する第2流路66bを介した、入口ポート62と第2の拡張可能な流体チャンバ50の間の流体連通を可能にし、および第2の共通の共有流路16b、溝セグメント12a、および第1流路66aを介した出口ポート64aと第1の拡張可能な流体チャンバ40の間の流体連通であって、第1流路66aがアドバンスチャンバ40を縮小し、それにより位相器10が最高速度でリタード移動を続けることを可能にする流体連通を可能にする。カムシャフト12および関連のダイバータバルブ80が、約90°(
図9に示される位置から合計315°)回転を続けるとき、流体連通は、ポート16g、16hをそれぞれ遮断するダイバータバルブ80のランド12eおよび12fによって阻止され、制御バルブ60はスプールを零位置に戻す。制御シーケンスは、制御バルブ60が最大速度で位相器のリタード移動を提供しようと試みる時間の間、繰り返される。
【0055】
次に
図10Cを参照すると、位相器10は、所望の移動速度を得るために、ゾーン1またはゾーン2位置合わせの間アドバンスチャンバ40またはリタードチャンバ50との入口流体接続および出口流体接続をパルス化することによって中間速度で、またはカム回転周波数の任意倍で、(示されるように)アドバンスされるか、リタードされる(不図示;すなわち、示される移動と反対のスプール移動)ことができる。制御バルブ60を駆動するために使用されるカムシャフト回転に対する開かれた流体連通の比率が少ないほど、位相器の移動の速度は遅くなる(すなわち、アドバンスまたはリタードどちらかの移動動作モードで作動する間、第1および第2のチャンバ40、50と入口および出口ポート62、64または64aとの間の流体連通時間が少ない)ことを認識されたい。例えば、最高移動速度は、開かれた流体接続対カムシャフト回転の2:1の比率を提供する、
図9および10A〜10Bに示されるような、360°回転ごとに2回の入口ポート60/出口ポート64または64aと第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50との間の開かれた流体連通に対応する。
図10Cに示されるように、アドバンス移動の速度は、開かれた流体連通をカムシャフト回転360°ごとに1回だけ提供する(開かれた流体接続対カムシャフト回転の1:1の比率を提供する)ことによって、最高速度の半分であり得る。同じくリタード移動の速度は、開かれた流体連通をカムシャフト回転360°ごとに1回だけ提供し、開かれた流体接続対カムシャフト回転の1:1の比率を提供することによって、最高速度の半分であり得ることを認識されたい。さらに、各完全360°回転に対する開かれた流体連通の比率は、例として、および限定することなく、2:3の比率を提供するカムシャフト3回転ごとに2回の開かれた流体連通など、他の率であってもよいことを認識されたい。制御バルブ60は、エンジン制御ユニット70によって監視されるエンジン作動状態に応じて、位相器のアドバンス移動およびリタード移動を切り替えるように、エンジン制御ユニット70によって制御することができる。
【0056】
次に
図10Dを参照すると、位相器10移動の速度は、アドバンス方向(図示)、またはリタード方向(不図示;すなわち示される移動と反対のスプール移動)において、スプールの零位置とスプールのフル移動位置60aとの間の距離未満の位置P1と、スプールの零位置とスプールのゼロ移動位置60bとの間の距離未満の位置P2との間にスプール移動距離を調整することによって、制御することができる。低減されたスプールの移動により、入口ポート62/出口ポート64または64aと、対応する第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50との間の制御可能な部分的に開かれた流体通路が提供され、エンジン制御ユニット70によって要求される作動モードに応じて、アドバンスまたはリタード方向において移動速度を効果的に制限する。
図10Cに示される調整式バルブ移動制御モードは単独で使用可能であり、またはアドバンスおよびリタード位置間の位相器10の移動速度により広い制御範囲を提供するために、
図10Bに示されるバルブ移動の中間速度と組み合わせて使用可能であることを認識されたい。
【0057】
次に
図10Eを参照すると、位相器10移動の速度は、アドバンス方向(図示)、またはリタード方向(不図示;すなわち示される移動と反対のスプール移動)において、バルブ開口保持時間を調整することによって、制御することができる。例として、および限定することなく、スプールは、溝セグメント12a、12bが第1および第2の共通の共有流路16a、16bの対応するポート16g、16hと流体連通した状態に位置合わせされる期間より短い期間(保持時間)T1、T2の間、エンジン制御ユニット70によってアドバンスまたはリタード移動が要求されているかどうかに応じて、ゾーン1またはゾーン2において、フル移動位置60aまたはゼロ移動位置60bまで、制御バルブ60によって、駆動することができる。スプールバルブ開放保持時間が短いほど、アドバンスおよびリタード位置間での位相器10の移動速度は遅くなる。換言すると、スプールバルブは、アドバンスまたはリタード移動がエンジン制御ユニット70によって要求されているかどうかに応じて、ゾーン1の分画部分またはゾーン2の分画部分において、フル移動位置60aまたはゼロ移動位置60bまで駆動することができる。ゾーン1における開かれた流体連通の分画部分、またはゾーン2における開かれた流体連通の分画部分は、溝セグメント12a、12bと第1および第2の共通の共有流路16a、16bの対応ポート16g、16hとの間の角度回転位置合わせの部分に対応している。
図10Eの示されているケースでは、開かれた流体流連通は、45°〜135°のカムシャフト回転の間で生じる溝セグメント12a、12bとポート16g、16hとの間の位置合わせ部分の間、および225°〜315°のカムシャフト回転の間で生じる溝セグメント12a、12bとポート16g、16hとの間の位置合わせ部分の間、入口ポート62/出口ポート64、64aと第1および第2の拡張可能な流体チャンバ40、50との間で許容される。分画部分は、所望されるアドバンスおよびリタード位置間の移動速度に応じて、溝セグメント12a、12bと第1および第2の共通の共有流路16a、16bの対応するポート16g、16hとの間の角度回転位置合わせの0%〜100%の間で変化することができる。より小さい分画部分は、アドバンスおよびリタード位置間のより遅い移動速度に対応し得る。開かれた流体連通の分画部分は、ゾーン1またはゾーン2の始点で始まる必要はなく、またゾーン1またはゾーン2の終点で終わる必要もなく、溝12a、12bと第1および第2の共通の共有流路16a、16bの対応ポート16g、16hとの間の角度回転位置合わせのうちのどこで落ちてもよいことを認識されたい。
図10Eに示される調整式バルブ開放保持制御は単独で使用可能であり、または、アドバンスおよびリタード位置間の位相器10の移動速度により広い制御範囲を提供するために、
図10Dに示される調整されるバルブ移動制御と組み合わせて使用可能であり、または
図10Cに示される中間速度制御と組み合わせて使用可能であり、または
図10Dに示される調整されるバルブ移動制御および
図10Cに示される中間速度制御と組み合わせて使用可能であることを認識されたい。
【0058】
次に
図10Fを参照すると、位相器10移動の速度は、アドバンス方向(図示)、またはリタード方向(不図示;すなわち示される移動と反対のスプール移動)において、スプール移動の2つの終端限間に置かれる零位置での保持なくスプールをフル移動位置60aとゼロ移動位置60bとの間で駆動するオン/オフ制御バルブ60によって提供することができる。この制御システムでは、位相器10は、位相器10調整の間、アドバンス方向(図示)、またはリタード方向(不図示;すなわち示される移動と反対のスプール移動)のどちらかに駆動される。
【0059】
オン/オフ制御バルブ60によって所望の位相器角度位置に到達しているとき、ゾーン1およびゾーン2の両方にわたってスプールをフル移動位置60aに置き続けることによって、またはスプールをゼロ移動位置60bに置き続けることによって、位相器10を適所に維持することができ、それにより位相器が所望の角度位置の周りで振動することが可能になる。しかしながら、この制御方法は、流体流システムの他の動作特性次第で、特別な用途に許容できる差異よりも、位相器10の所望の角度位置からより大きな差異を生じる恐れがある。より優れた制御度が望まれる場合、すなわち所望の角度位置からより少ない差異度が望まれる場合、オン/オフ制御バルブ60を、
図10E(
図10Eの零保持位置を除く)と同様に調整し、ゾーン1およびゾーン2の両方の中で複数回スプールをフル移動位置60aとゼロ移動位置60bの間で駆動し、その結果、さらなるアドバンスまたはリタード移動がエンジン制御ユニット70によって要求されるまで、位相器を所望の角度位置のより近くに維持することができる。あるいは、エンジン制御ユニット70は、検出される実際の位相器位置と所望の位相器位置との間の所定の差異値に基づいて、オン/オフ制御バルブ60の動作をアドバンス移動およびリタード移動の間でシフトすることができる。所定の差異値は、エンジン制御ユニット70によって計算できるか、エンジン制御ユニット70によって検出かつ監視される他のエンジン動作特性と相関する差異値ルックアップテーブルに記憶することができる。
【0060】
示しかつ記載した角度位置は単に例示を目的とすること、および特定の用途の所望の動作特性に応じて他の代替角度位置を選択できることを
図10A〜10Fに関して認識されたい。本発明は、例として、および限定することなく、90°の環状溝セグメント、および環状溝セグメント間の90°の角度オフセットに関して示されかつ記載されている。しかしながら、環状溝セグメントは、示されかつ記載されているものより小さくても、または大きくてもよいことを認識されたい。さらに、環状溝セグメント間の角度オフセットは、示されかつ記載されているものより小さくても、または大きくてもよい。さらに、環状溝セグメントおよび対応するランドの数は、示されかつ記載されているものより多くても、または少なくてもよい。単独または任意の許容可能な組合せで採用されるこれら修正はいずれも、開示される本発明の範囲内にある。
【0061】
現在最も実用的でありかつ好ましい実施形態と考えられているものに関連して本発明を記載したが、本発明は開示される実施形態に限定されず、反対に、付随する請求項の趣旨および範囲内に含まれる様々な修正形態および等価の構成を網羅するよう意図され、請求項の範囲は、法の下で認可されるような全てのそのような修正形態および等価の構成を包含するように、最も広い解釈が与えられるべきであることを理解されたい。