【文献】
Brain Research,1974年,vol.81, no.3,p.519-532,要約,[平成28年3月22日検索]、インターネット,URL,http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0006899374908488
【文献】
The Journal of Cell Biology,1978年,vol.79, no.1,p.121-131,doi:10.1083/jcb.79.1.121,URL,http://jcb.rupress.org/content/79/1/121.full.pdf+html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調製物が、該調製物の送達によって調節された生理条件で追加の指標効果または強化された指標効果を有するが、中性の生理条件では該追加の指標効果や強化された指標効果を有さない治療剤をさらに包含する、請求項1に記載の使用するための調製物。
前記予め選択した量が、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、−0.5、−1.0、−1.5、−2.0、−2.5、−3.0、−3.5、−4.0、−4.5、0.5から5.0、1.5から4.5、2.0から4.0、約0.5、−0.5から−5.0、−1.5から−4.5、−2.0から−4.0、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約−0.5、約−1.0、約−1.5、約−2.0、約−2.5、約−3.0、約−3.5、約−4.0、および約−4.5のうち1つまたは複数の、前記調節されたpHと前記調節前pHとの間のpHの差、または前記調節されたpHと前記中性pHとの間のpHの差である、請求項9または10に記載の治療剤。
前記調節されたpHが、前記帯外側の前記組織よりも低いpH、該帯外側の該組織よりも高いpH、調節する前の該組織のpHよりも低いpH、または調節する前の該組織のpHよりも高いpHである、請求項7に記載の治療剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
pH差は、細胞培養アッセイでは薬物の作用を変更し得ることが公になっているが、より迅速な薬物摂取、より迅速なクリアランス、または作用の改善を可能にする体内でのpHの局所的または部分的な改変は、未だ試みられていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において、グアネチジン一硫酸塩という医薬品の局所投与によってこの作用をもたらす組成物、方法、デバイス、およびシステムが提供され、グアネチジン一硫酸塩はまた、2−(オクタヒドロ−1−アゾシニル)エチルグアニジンサルフェート;ヘプタメチレンイミン、1−(2−グアニジノエチル)−;N−(2−ペルヒドロアゾシン−1−イルエチル)グアニジン;アゾシン,1−((2−(アミノイミノメチル)アミノ)エチル)オクタヒドロ−;(2−(ヘキサヒドロ−(2H)−アゾシン−1−イル)エチル)グアニジニウムサルフェート;アゾシン,1−(2−グアニジノエチル)オクタヒドロ−;グアニジン,[2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)−エチル]−,サルフェート(1:1);2−[2−(アゾカン−1−イル)エチル]グアニジン;アバプレシン;オクタジン(Oktadin);ドポン(Dopom);N−(2−グアニジノエチル)ヘプタメチレンイミンサルフェート;ユーテンソール(Eutensol);エシミル(Esimil);ドパム;2−(1−N,N−ヘプタメチレンイミノ)エチルグアニジン;グアニジン,(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)−,サルフェート(1:1);グアネチジナム(Guanethidinum)[国際一般名−ラテン語];オクタテンジン(Oktatenzin);オクタテンシン(Oktatensin);イスメリン(Ismelin)(商標);グアニジン,(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)−;グアネチジーナ(Guanetidina)[国際一般名−スペイン語];オクタテンシン(Octatensine);(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)グアニジンハイドロゲンサルフェート;サノテンシン(Sanotensin);2−[2−(アゾカン−1−イル)エチル]グアニジン;硫酸;2−(1−アザシクロオクチル)エチルグアニジン;硫酸イスメリン;グアネチジンサルフェート;(2−(オクタヒドロ−1−アゾシニル)エチル)グアニジン;イスメリン;または化学式はC
10H
22N
4・H
2O
4Sであり
図16に示す分子構造を有する(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)グアニジンサルフェート(1:1)としても公知である。また本明細書において、グアネチジンヘミサルフェートという医薬品の局所投与によってこの作用をもたらす組成物、方法、デバイス、およびシステムも提供される。
【0005】
本発明は、一般的に、疾患を処置するための医薬調製物、医療用デバイスを包含するシステムおよび診断剤または治療剤、ならびに方法に関する。より特定には、本発明の実施形態は、局所的または全身に送達される治療剤または診断剤の治療指数を調節するための局所組織環境の改変に関する。さらにより特定には、本発明の実施形態は、体内の動脈および静脈周辺の外膜および血管周囲組織における交感神経の活動を抑制する能力の改善に関する。
【0006】
本発明の特定の態様は、高血圧、心不全、睡眠時無呼吸、インスリン抵抗性、または炎症を処置するために、腎動脈周辺の局所組織環境を調節して、より効果的な医薬品による脱神経を可能にする能力である。
【0007】
本明細書において、全開示が参照により組み込まれるところの米国特許出願第12/765,708号および同第12/765,720号に記載の発明の実施に関する方法、システム、および組成物が提供される。
【0008】
本明細書において、薬物治療の改善方法が示される。一般的に、本方法の実施形態は、生理的な組織状態の調節による薬物治療指数の改善を包含する。特定には、本方法の実施形態は、組織のpHを局所で調節することに基づいて、組織に送達された薬剤(agent)の治療指数を強化するために、または直接的な治療効果を有するために、局所薬物またはバッファー送達により局所組織のpHを調節する工程を含む。
【0009】
本明細書において、高pH状態におけるグアネチジンの神経変性作用に対する特異的な改善を包含する方法、およびそのような状態をもたらす方法が提供される。これらの方法は、腎動脈の周りの外膜および血管周囲組織に位置する腎神経の変性に特に有用である。これらの神経は、高血圧状態の開始とその維持に重要であり、腎動脈の脱神経は、血圧の低下、心不全の改善、インスリン抵抗性および睡眠時無呼吸の低減に関して有益な効果があることが示されており、さらに血管の炎症性疾患の改善に関しても有益な効果があることが推測される。
【0010】
グアネチジンのin vitroの研究では、収集し培養したラット上頸神経節のニューロンに対してグアネチジン一硫酸塩が細胞毒性を示す細胞培養条件について記載している(Johnson EMおよびAloe L. Suppression of the in vitro and in vivo cytotoxic effects of guanethidine in sympathetic neurons by nerve growth factor、Brain Research 1974年;81巻:519〜532頁;Wakshull E、Johnson MI、Burton H. Persistence of an amine uptake system in cultured rat sympathetic neurons which use acetylcholine as their transmitter、J. Cell Biology 1978年;79巻:121〜131頁)。Johnson、Wakshullらによる実験では、100μM濃度のグアネチジンに40〜48時間曝露した場合、グアネチジンは、7.0〜7.2のpHで弱い細胞毒性活性を有し、pH8.0で強い細胞毒性活性を有することが見出された。
【0011】
グアネチジンのニューロンへの細胞毒性のin−vivo試験では、ブタに、濃度が8.3mg/mLでありpHが8.5〜9.5であるグアネチジンヘミサルフェートを血管周囲に注射したところ腎脱神経が起こるが、5.5〜6.5のpHで8.3mg/mLのグアネチジン一硫酸塩を血管周囲に注射したところ、同様の脱神経が起こらないことが示されている。
【0012】
血管周囲および外膜の空間への注射に関して、注射可能な薬剤は、参照により本明細書に組み込まれるところの米国特許第7,744,584号で記載している方法で追跡し、さらに薬剤は、好ましくは、参照により本明細書に組み込まれるところの米国特許第7,691,080号で記載しているものと同様にカテーテルで注射する。しかしながら、その他のカテーテルまたは針を使用して組織内に薬剤を局所注射して、本明細書に記載する効果と同様の効果を生じさせることができることが認識されている。
【0013】
本明細書において、注射またはその他の手段によって生理的なpHを局所で調節する組成物、デバイス、システム、および方法が提供される(例えば電気信号または特定の金属物質の存在下で例えば局所のpHを調節できることが公知である)。いくつかの実施形態では、本方法は、治療剤のグアネチジン一硫酸塩が送達される間に、その前に、またはその後に、脱神経の標的である神経の周りの組織におよそ9のpHで存在する組成物を注射する工程を含む。腎動脈の周りの組織にこの組成物を注射または注入して(以下の
図11を参照)、およそ7.3〜7.4の中性の生理的pHを有する間質液と置き換える。
【0014】
本発明のその他の方法は、局所張度もしくは容量オスモル濃度を調節する薬剤と共に、またはそのような薬剤の前もしくは後に送達される製剤中の医薬品の細胞による取り込みを強化するために、局所張度または容量オスモル濃度を調節する工程を包含する。例えば、高張塩類溶液の送達は、浸透により細胞による液体の放出を引き起こす。同様に、低張溶液の送達は、細胞がその周囲からさらなる液体を吸収しながら膨潤を引き起こし得る。細胞周辺の間質に注入した薬剤は、局所組織の張度に依存して潜在的に取り込みの改善をもたらし得る。この挙動は、膜受容体タンパク質に結合するかまたはチャネルもしくは孔を介して細胞に入る薬剤の能力に起因しており、治療剤によって異なる。
【0015】
本発明の追加の方法は、組織生理機能の局所改変と協調する治療剤の適用は包含しないが、それは、治療目的を達成するための局所調節に直接依存する。例えば、高張塩類溶液、洗浄剤、エタノールなどの溶媒、強酸、および強塩基はそれぞれ、局所生理機能の調節と共に細胞への損傷、変性または破壊を引き起こし得る。また本発明で記載する方法によるこれらの薬剤の送達は、本明細書に記載した限局性の神経破壊などの目的を達成するのにも有用である。溶液のpHの調節は、アルカリ性または酸性緩衝剤により達成することができる。緩衝剤としては、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸、塩酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエチルバルビツール酸、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、サリンソジウムシトレート(saline sodium citrate)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、またはグリシンが挙げられる。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、新規の組成物が記載される。局所組織への送達におけるグアネチジンの性能を改善することにおいて、pHの調整が必要とされる場合がある。本発明の組成物は、7より高いpHで1μg/mLから50mg/mLの濃度範囲のグアネチジン製剤を包含する。本発明の特定の態様では、製剤の濃度は、1〜30mg/mLの間であり、塩化ナトリウム含量は、0.7%〜0.9%の間であるが、それよりも高いまたは低い濃度も使用することができ、pHは、所望のpHが達成されて経時的に維持できるようになるまで、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性バッファーまたは上記したその他のバッファーで緩衝化することによって約9.5に調整されるが、少なくとも8〜11の間である。
【0017】
米国特許出願第10/765,720号で記載している薬剤に加えて、10/765,720号、さらに本発明に示される方法で送達する場合、追加の薬剤が有用である。これらの薬剤としては、ナトリウムチャネルを介して細胞に入る毒素、例えばテトロドトキシンおよびバトラコトキシン、カリウムチャネルを介して細胞に入る毒素、例えばマウロトキシン、アジトキシン、カリブドトキシン、マルガトキシン、スロトキシン、シクラトキシン(sycllatoxin)、およびヘフトキシン、ならびにカルシウムチャネルを介して細胞に入る毒素、例えばカルシセプチン、タイカトキシン、カルシクルジン、およびPhTx3が挙げられる。
【0018】
本明細書および参照された特許出願で記載する方法の利益を享受するその他の薬剤としては、アドレナリン遮断薬および刺激因子(例えばドキサゾシン、グアナドレル、グアネチジン、フェノキシベンザミン(pheoxybenzamine)、プラゾシン+ポリチアジド、テラゾシン、メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン);アルファ−/ベータ−アドレナリン遮断薬(例えばラベタロール);アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えばベナゼプリル、カプトプリル(catopril)、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、およびカルシウムチャネル遮断薬と利尿薬との組合せ;ACE受容体アンタゴニスト(例えばロサルタン);ベータ遮断薬(例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、フィモロール(fimolol)、ピンドロール、プロプラノロール、ペンブトロール(penbatolol)、メトプロロール、ナドロール、ソタロール);カルシウムチャネル遮断薬(例えばアミロリド、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、イスラジピン、ニフェジピン、ベラパミル、フェロジピン、ニカルジビン、ニモジピン);I〜IV群の抗不整脈薬(例えばブレチリウム、ジソピラミド、エンカイニド、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン、プロパフェノン、プロカインアミド、キニジン、トカイニド、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、アミオダロン、ソタロール、ベラパミル、ジルチアゼム、ピンドロール、ブプラノロール塩酸塩、トリクロルメチアジド、フロセミド、プラゾシン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、カルテオロール塩酸塩、オクスプレノロール塩酸塩、およびプロプラノロール塩酸塩);ならびにその他の抗不整脈薬および強心薬(例えばアデノシン、ジゴキシン;メチルジゴキシン(metildigoxin)、カフェイン、ドパミン塩酸塩、ドブタミン塩酸塩、オクトパミン塩酸塩、ジプロフィリン、ユビデカレノン、ジギタリス)、ならびに脱感覚神経薬(sensory denervation agent)、例えばカプサイシンが挙げられる。
【0019】
同様に部分的または完全な交感神経切除をもたらすその他の薬剤も示されており、本明細書において記載しているような治療剤として使用することができる。そのような薬剤としては、免疫性交感神経切除薬、例えば抗神経成長因子(抗NGF);自己免疫性交感神経切除薬、例えば抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ(抗DβH)および抗アセチルコリンエステラーゼ(抗AChe);化学的交感神経切除薬、例えば6−ヒドロキシルドパミン(6−OHDA)、トシル酸ブレチリウム、グアナクリン、およびN−(2−クロロエチル)−N−エチル−2−ブロモベンジルアミン(DSP4);ならびに免疫毒素による交感神経切除薬、例えばOX7−SAP、192−SAP、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼサポリン(DBH−SAP)、および抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ免疫毒素(DHIT)が挙げられる。これらの薬剤の詳細な記載は、Picklo M J、J Autonom Nerv Sys 1997年;62巻:111〜125頁に見出される。フェノールおよびエタノールも化学的交感神経切除をなすのに使用されており、これらも本発明の方法において有用である。その他の交感神経遮断薬としては、アルファ−2−アゴニスト、例えばクロニジン、グアンファシン、メチルドパや、ベタニジン、グアネチジン、グアノキサン、デブリソキン、グアノクロル、グアナゾジン、グアノキサベンズなどのグアニジン誘導体;イミダゾリン(imadazoline)受容体アゴニスト、例えばモキソニジン、リルメニジン(relmenidine)など;神経節遮断薬またはニコチンアンタゴニスト、例えばメカミラミン、トリメタファンなど;MAOI阻害剤、例えばパルギリンなど;アドレナリン取り込み阻害薬、例えばレシンナミン、レセルピンなど;チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、例えばメチロシンなど;アルファ−1遮断薬、例えばプラゾシン、インドラミン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ウラピジルなど;非選択的アルファ遮断薬、例えばフェントラミンなど;セロトニンアンタゴニスト、例えばケタンセリンなど;およびエンドセリンアンタゴニスト、例えばボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタンなどが挙げられる。
【0020】
加えて、神経を硬化させる薬剤を使用して、神経溶解または交感神経遮断を起こすこともできる。血管周囲の神経損傷を引き起こす硬化薬としては、キナクリン、クロロキン、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミン、モルイン酸ナトリウム、ポリドカノール、フェノール、エタノール、または高張液が挙げられる。
【0021】
そのような薬剤は、被験体の様々な位置での脱神経に使用することができる。本明細書に記載した多くは腎脱神経を対象にしているが、本明細書の発明は、この位置またはこれらの神経に限定されないものとする。少なくとも気管支神経の脱神経、または経気管支鏡による脱神経などのその他の標的神経も意図される。
【0022】
薬剤の送達、調節因子の送達(あらゆる順番で):本明細書において、局所的に神経を脱神経させる治療剤を被験体に送達する方法であって、被験体に治療剤を送達する工程、および脱神経の標的である神経の周りの組織の局所pHを調節するのに効果的である調節因子または組成物を送達する工程を含む、方法が提供される。治療剤および/または調節因子もしくは組成物の送達は、例えば本明細書において記載しているような1つまたは複数のデバイスを使用して経管的に行ってもよい。前記組成物のそのような送達は、薬剤送達の間に、その前に、またはその後であってもよい。治療剤は、グアネチジン、または本明細書に記載した別の治療剤であってもよい。そのような調節により、組織のpHを、非限定的な例として少なくとも7、7〜11の間、または8〜10の間、または8.5〜9.5の間に変化させることができる。いくつかの実施形態では、調節因子は、バッファーまたは緩衝剤である。いくつかの実施形態では、本組成物は、バッファーまたは緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、治療剤を送達する工程および調節因子または組成物を送達する工程は、同じ注射デバイスを使用して、または別個の注射デバイスを使用して、同時に、並行して、または逐次的になされる。
【0023】
調節因子の単独での送達:別の実施形態では、本方法は、治療剤を必要とすることなく、脱神経の標的である神経の周りの組織のpHを局所調節する組成物の送達を含む。そのような実施形態では、本組成物それ自身が、標的神経を脱神経させるという治療的目的を達成する。
【0024】
緩衝化した薬剤の送達:別の実施形態では、本方法は、神経の周りの組織への送達の前に、pH調節された組成物の送達を含む。そのような組成物は、pH調節因子と治療剤とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、治療剤とpH調節因子とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、非限定的な例として、少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間のpHの治療剤を含む。いくつかの実施形態では、治療剤のみを含む水溶液(調節因子は含まず)は、治療剤および調節因子の水溶液を含む組成物よりも酸性である。いくつかの実施形態では、治療剤のみを含む水溶液(調節因子は含まず)は、治療剤および調節因子の水溶液を含む組成物よりもアルカリ性である。pH調節因子は、組成物を、標的pHに、非限定的な例として少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間に調整するバッファー、アルカリ性バッファー、例えばNaOH、または別のバッファーであってもよい。pH調節因子は、酸、酸性物質(acidic agent)、または酸もしくは酸性物質の塩であってもよい。そのような実施形態では、本組成物は、治療剤と、本組成物のpHを非限定的な例として少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間に調節するpH調節因子とを含む。そのような組成物を、脱神経の標的である神経の周りの組織に送達することができる。いくつかの実施形態では、前記組成物の単回の注射が、1つまたは複数の標的神経を脱神経させることにおいて効果的であり得る。いくつかの実施形態では、治療剤は、グアネチジン、グアネチジン一硫酸塩、もしくはグアネチジンヘミサルフェート、または本明細書の他所に記載されたあらゆる薬剤(すなわち治療剤)を含む。いくつかの実施形態では、調節因子は、バッファーまたは緩衝剤である。いくつかの実施形態では、バッファーは、水酸化ナトリウムを含む。
【0025】
グアネチジンヘミサルフェート薬剤の送達:いくつかの実施形態では、本方法は、アルカリ性であるpHを有する水溶液の治療剤を含む組成物の送達を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、酸性であるpHを有する水溶液中の治療剤を含む組成物の送達を含む。そのような実施形態では、pH調節因子は、組成物が送達される組織で神経を脱神経させることにおいて治療剤の有効性を強化するpHを必ずしも達成しない。そのような組成物は、非限定的な例として、少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間のpHを有する水溶液中に治療剤を含んでいてもよい。本明細書において、8より高いpHを有するグアニジンを含有する組成物が提供される。いくつかの実施形態では、グアニジンは、グアネチジンである。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、一硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、脱神経用に構成した溶液におけるヘミ硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、脱神経に適した溶液におけるヘミ硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、pHは9より高い。いくつかの実施形態では、pHは10より高い。
【0026】
いくつかの実施形態では、本組成物は、アルカリ性バッファーをさらに含む。いくつかの実施形態では、アルカリ性バッファーは、NaOHを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ性バッファーは、NaOHを、グアニジン濃度に対して50%またはそれよりも高いモル濃度比(molar ratio)で含む。いくつかの実施形態では、アルカリ性バッファーは、NaOHを、グアニジンと等モル濃度でまたはそれよりも高いモル濃度で含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、本組成物は、造影剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、塩化ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムは、0.7%〜0.9%の溶液である。いくつかの実施形態では、グアネチジン一硫酸塩は、0.1mg/mL〜50mg/Mrの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、グアネチジン一硫酸塩は、1mg/mL〜20mg/mLの濃度で存在する。
【0028】
本明細書において、液体、ゲル、または半固体を含む調製物の組織への送達を含む、局所組織の生理機能を調節する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本調製物は、局所組織のpHを高くするかまたは低くすることによって局所組織の生理機能を緩衝化する。いくつかの実施形態では、本調製物は、そのような調製物の送達によって調節された生理条件で調製物の指標効果(index effect)を有するが、中性の生理条件では指標効果を有さない治療剤を含む。いくつかの実施形態では、本調製物はさらに、そのような調製物の送達によって調節される生理条件で追加の指標効果または強化された指標効果を有するが、中性の生理条件ではそのような追加の指標効果や強化された指標効果を有さない治療剤を包含する。いくつかの実施形態では、ゲルは、ヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、組織で再吸収するときにプロトンを消費する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、アルカリ性である。いくつかの実施形態では、本調製物は、グアネチジン一硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、本調製物は、8より高いpHを有する。いくつかの実施形態では、本調製物は、造影剤を包含する。
【0029】
本明細書において、十分に低いまたは高いpHを有する酸または塩基の限局性送達により、限局性神経損傷または破壊を生じさせる工程を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0030】
本明細書において、他の局所組織を温存しながらニューロンの破壊を生じさせる非等張または非等モル浸透圧溶液の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0031】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む高血圧を処置する方法が提供される。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、血管内の側(intravascular aspect)からの送達をさらに含む。
【0033】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む心不全を処置する方法が提供される。
【0034】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含むインスリン抵抗性を処置する方法が提供される。
【0035】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む全身性炎症を処置する方法が提供される。
【0036】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む睡眠時無呼吸を処置する方法が提供される。
【0037】
本明細書において、以下のもの:高張塩類溶液、洗浄剤、溶媒、エタノール、強酸、強塩基、緩衝剤、アルカリ性緩衝剤、酸性緩衝剤、0.7%〜0.9%の間の塩化ナトリウム含量を有する組成物、約9.5のpHを有する組成物、アルカリ性緩衝剤で緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有する組成物、水酸化ナトリウムで緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有する組成物、または8〜11の間のpHを有する組成物から選択される薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0038】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸、塩酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエチルバルビツール酸、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、サリンソジウムシトレート(saline sodium citrate)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、およびグリシンのうち1つまたは複数を含む。
【0039】
本明細書において、以下のもの:7より高いpHの1μg/mLから50mg/mLの範囲の濃度のグアネチジン、7より高いpHの1mg/mLから30mg/mLの範囲の濃度のグアネチジン、0.7%〜0.9%の間の塩化ナトリウム含量を有するグアネチジンを含む組成物、約9.5のpHを有するグアネチジンを含む組成物、アルカリ性緩衝剤で緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有するグアネチジンを含む組成物、水酸化ナトリウムで緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有するグアネチジンを含む組成物、または8〜11の間のpHを有するグアネチジンを含む組成物から選択される薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0040】
本明細書において、ナトリウムチャネルを介して細胞に入る第一の毒素(そのような第一の毒素は、テトロドトキシンおよびバトラコトキシンのうち1つまたは複数を含む)、カリウムチャネルを介して細胞に入る第二の毒素(そのような第二の毒素は、マウロトキシン(aurotoxin)、アジトキシン、カリブドトキシン、マルガトキシン、スロトキシン、シクラトキシン、およびヘフトキシンのうち1つまたは複数を含む)、および/またはカルシウムチャネルを介して細胞に入る第三の毒素(そのような第三の毒素は、カルシセプチン、タイカトキシン、カルシクルジン、およびPhTx3のうち1つまたは複数を含む)の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0041】
本明細書において、アドレナリン遮断薬、アンドロゲン阻害剤、アドレナリン刺激剤、アルファ−/ベータ−アドレナリン遮断薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE受容体アンタゴニスト、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、I〜IV群の抗不整脈薬、抗不整脈薬、強心薬、アルファ−2−アゴニスト、グアニジン誘導体、イミダゾリン受容体アゴニスト、神経節遮断薬、ニコチンアンタゴニスト、神経節遮断薬、ニコチンアンタゴニスト、MAOI阻害剤、アドレナリン取り込み阻害薬、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、アルファ−1遮断薬、非選択的アルファ遮断薬、セロトニンアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、硬化薬、または脱感覚神経薬を含む薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0042】
本明細書において、ドキサゾシン、グアナドレル、グアネチジン、フェノキシベンザミン、プラゾシン+ポリチアジド、テラゾシン、メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン、ラベタロール、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、およびカルシウムチャネル遮断薬と利尿薬との組合せ、ロサルタン、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、フィモロール、ピンドロール、プロプラノロール、ペンブトロール、メトプロロール、ナドロール、ソタロール、アミロリド、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、イスラジピン、ニフェジピン、ベラパミル、フェロジピン、ニカルジビン、ニモジピン、ブレチリウム、ジソピラミド、エンカイニド、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン、プロパフェノン、プロカインアミド、キニジン、トカイニド、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、アミオダロン、ソタロール、ベラパミル、ジルチアゼム、ピンドロール、ブプラノロール塩酸塩、トリクロルメチアジド、フロセミド、プラゾシン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、カルテオロール塩酸塩、オクスプレノロール塩酸塩、およびプロプラノロール塩酸塩、アデノシン、ジゴキシン;メチルジゴキシン、カフェイン、ドパミン塩酸塩、ドブタミン塩酸塩、オクトパミン塩酸塩、ジプロフィリン、ユビデカレノン、ジギタリス、カプサイシン、抗神経成長因子、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ、抗アセチルコリンエステラーゼ、6−ヒドロキシルドパミン(6−OHDA)、トシル酸ブレチリウム、グアナクリン、およびN−(2−クロロエチル)−N−エチル−2−ブロモベンジルアミン(DSP4)、OX7−SAP、192−SAP、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼサポリン(DBH−SAP)、および抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ免疫毒素(DHIT)、フェノール、エタノール、クロニジン、グアンファシン、メチルドパ、ベタニジン、グアノキサン、デブリソキン、グアノクロル、グアナゾジン、グアノキサベンズ、モキソニジン、リルメニジン、メカミラミン、トリメタファン、パルギリン、レシンナミン、レセルピン、メチロシン、プラゾシン、インドラミン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ウラピジル、フェントラミン、ケタンセリン、ボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタン、キナクリン、クロロキン、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミン、モルイン酸ナトリウム、ポリドカノール、または高張液を含む薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0043】
いくつかの実施形態では、薬剤それ自身またはそのような薬剤を含む組成物は、少なくとも7のpH、最大で11のpH、少なくとも7および最大で11のpH、少なくとも8および最大で10のpH、そのような薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるpH、またはそのような薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるレベルに調整されたpHを有する。
【0044】
本明細書において、組織への治療剤の取り込みを強化する方法であって、中心と外縁とを有する組織の帯(zone)を生じさせることにより組織のpHを調節する工程を含み、該帯は、調節する前の組織の調節前pHと比較して、または中性pHと比較して調節されたpHを含み、ここで、帯は該帯の中心で最もよく調節され、かつ該帯の外縁で組織の調節前pHまたは中性pHまで低下させるpHの勾配を含み、該帯において、調節前pHまたは中性pHで組織の中へと起こる取り込みと比較して治療剤の強化された取り込みが起こる、方法が提供される。
【0045】
本明細書において、組織への治療剤の取り込みを強化する方法であって、− 中心と外縁とを有する組織の帯を生じさせることにより組織のpHを調節する工程と、− 該帯へと治療剤を送達する工程とを含み;該帯は、調節する前の組織の調節前pHと比較して、または中性pHと比較して調節されたpHを含み、ここで、帯は該帯の中心で最もよく調節され、かつ該帯の外縁で組織の調節前pHまたは中性pHまで低下させるpHの勾配を含み、該帯において、調節前pHまたは中性pHで組織へと起こる取り込みと比較して治療剤の強化された取り込みが起こる、方法が提供される。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法は、帯へと治療剤を送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、治療剤が全身に送達され、組織のpHを調節することにより、帯における治療剤の集積が強化されるか、または帯における治療指数が改善される。
【0047】
いくつかの実施形態では、強化された取り込みは、予め選択した量によって、調節前pHから調節された調節されたpHを有する帯の部分内で起こる。いくつかの実施形態では、強化された取り込みは、予め選択した量によって、中性pHから調節した調節されたpHを有する帯の部分内で起こる。いくつかの実施形態では、予め選択した量は、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、−0.5、−1.0、−1.5、−2.0、−2.5、−3.0、−3.5、−4.0、−4.5、0.5から5.0、1.5から4.5、2.0から4.0、約0.5、−0.5から−5.0、−1.5から−4.5、−2.0から−4.0、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約−0.5、約−1.0、約−1.5、約−2.0、約−2.5、約−3.0、約−3.5、約−4.0、および約−4.5のうち1つまたは複数の、調節されたpHと調節前pHとの間のpHの差、または調節されたpHと中性pHとの間のpHの差である。いくつかの実施形態では、調節されたpHは、帯外側の組織よりも低いpH、帯外側の組織よりも高いpH、調節する前の組織のpHよりも低いpH、または調節する前の組織のpHよりも高いpHである。いくつかの実施形態では、調節されたpHは、帯外側の組織のpHよりも酸性であるか、または、帯外側の組織のpHよりもアルカリ性である。調節されたpHが、少なくとも7、最大で11、少なくとも7および最大で11、少なくとも8および最大で10、またはそのような治療剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である所定のpHである、請求項42に記載の方法。いくつかの実施形態では、治療剤は、グアネチジンを含む。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、一硫酸塩またはヘミ硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、少なくとも7、最大で11、少なくとも7および最大で11、少なくとも8および最大で10の調節されたpH、またはそのような治療剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である所定のpH。
参考による組み込み
【0048】
本明細書に記載した全ての出版物および特許出願は、それぞれ個々の出版物または特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれることが示されるのと同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
以下の例示的な実施形態を示す詳細な記載と添付の図面を参照することにより、提供される組成物、システム、デバイス、および方法の特徴および利点がよりよく理解される。
一つの実施形態において、本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
8より高いpHを有するグアニジンを含む組成物。
(項目2)
前記グアニジンが、グアネチジンである、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記グアネチジンが、一硫酸塩を包含する、項目2に記載の組成物。
(項目4)
前記グアネチジンが、脱神経用に形成された溶液中のヘミ硫酸塩を包含する、項目2に記載の組成物。
(項目5)
前記グアネチジンが、脱神経に適した溶液中のヘミ硫酸塩を包含する、項目2に記載の組成物。
(項目6)
前記pHが9より高い、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記pHが10より高い、項目1に記載の組成物。
(項目8)
アルカリ性バッファーをさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記アルカリ性バッファーが、NaOHを含む、項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記アルカリ性バッファーが、NaOHを、前記グアニジンの濃度に対して50%またはそれよりも高いモル濃度比で含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
前記アルカリ性バッファーが、NaOHを、前記グアニジンと等モル濃度でまたはそれよりも高いモル濃度で含む、項目1に記載の組成物。
(項目12)
造影剤をさらに含む、項目1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
(項目13)
塩化ナトリウムをさらに含む、項目1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
(項目14)
前記塩化ナトリウムが、前記溶液の0.7%〜0.9%である、項目13に記載の組成物。
(項目15)
前記グアネチジン一硫酸塩が、0.1mg/mL〜50mg/mLの濃度で存在する、項目3に記載の組成物。
(項目16)
前記グアネチジン一硫酸塩が、1mg/mL〜20mg/mLの濃度で存在する、項目3に記載の組成物。
(項目17)
局所組織の生理機能を調節する方法であって、液体、ゲル、または半固体を含む調製物を該組織に送達する工程を含む、方法。
(項目18)
前記調製物が、前記局所組織のpHを高くするかまたは低くすることによって前記局所組織の生理機能を緩衝化する、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記調製物が、該調製物の送達によって調節された生理条件で該調製物の指標効果を有するが、中性の生理条件では指標効果を有さない治療剤を含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記調製物が、該調製物の送達によって調節された生理条件で追加の指標効果または強化された指標効果を有するが、中性の生理条件では該追加の指標効果や強化された指標効果を有さない治療剤をさらに包含する、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記ゲルが、ヒドロゲルを含む、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記ヒドロゲルが、前記組織で再吸収するときにプロトンを消費する、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記ヒドロゲルが、アルカリ性である、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記調製物が、グアネチジン一硫酸塩を包含する、項目17〜23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記調製物が、8より高いpHを有する、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記調製物が、造影剤を包含する、項目24に記載の方法。
(項目27)
十分に低いまたは高いpHを有する酸または塩基の限局性送達により、限局性神経損傷または破壊を生じさせる工程を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目28)
他の局所組織を温存しながらニューロンの破壊を生じさせる非等張または非等モル浸透圧溶液の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目29)
腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む、高血圧を処置する方法。
(項目30)
血管内の側からの送達をさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む、心不全を処置する方法。
(項目32)
腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む、インスリン抵抗性を処置する方法。
(項目33)
腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む、全身性炎症を処置する方法。
(項目34)
腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む、睡眠時無呼吸を処置する方法。
(項目35)
洗浄剤、溶媒、エタノール、強酸、強塩基、緩衝剤、アルカリ性緩衝剤、酸性緩衝剤、0.7%〜0.9%の間の塩化ナトリウム含量を有する組成物、約9.5のpHを有する組成物、アルカリ性緩衝剤で緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有する組成物、水酸化ナトリウムで緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有する組成物、または8〜11の間のpHを有する組成物から選択される薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目36)
前記緩衝剤が、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸、塩酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエチルバルビツール酸、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、サリンソジウムシトレート(saline sodium citrate)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、およびグリシンのうち1つまたは複数を含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
以下のもの:7より高いpHの1μg/mLから50mg/mLの範囲の濃度のグアネチジン、7より高いpHの1mg/mLから30mg/mLの範囲の濃度のグアネチジン、0.7%〜0.9%の間の塩化ナトリウム含量を有するグアネチジンを含む組成物、約9.5のpHを有するグアネチジンを含む組成物、アルカリ性緩衝剤で緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有するグアネチジンを含む組成物、水酸化ナトリウムで緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有するグアネチジンを含む組成物、または8〜11の間のpHを有するグアネチジンを含む組成物から選択される薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目38)
テトロドトキシンおよびバトラコトキシンのうち1つまたは複数を含む、ナトリウムチャネルを介して細胞に入る第一の毒素、
マウロトキシン、アジトキシン、カリブドトキシン、マルガトキシン、スロトキシン、シクラトキシン、およびヘフトキシンのうち1つまたは複数を含む、カリウムチャネルを介して細胞に入る第二の毒素、および/または
カルシセプチン、タイカトキシン、カルシクルジン、およびPhTx3のうち1つまたは複数を含む、カルシウムチャネルを介して細胞に入る第三の毒素
を局所的にの限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目39)
アドレナリン遮断薬、アンドロゲン阻害剤、アドレナリン刺激剤、アルファ−/ベータ−アドレナリン遮断薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE受容体アンタゴニスト、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、I〜IV群の抗不整脈薬、抗不整脈薬、強心薬、アルファ−2−アゴニスト、グアニジン誘導体、イミダゾリン受容体アゴニスト、神経節遮断薬、ニコチンアンタゴニスト、神経節遮断薬、ニコチンアンタゴニスト、MAOI阻害剤、アドレナリン取り込み阻害薬、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、アルファ−1遮断薬、非選択的アルファ遮断薬、セロトニンアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、硬化薬、または脱感覚神経薬を含む薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目40)
ドキサゾシン、グアナドレル、グアネチジン、フェノキシベンザミン、プラゾシン+ポリチアジド、テラゾシン、メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン、ラベタロール、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、およびカルシウムチャネル遮断薬と利尿薬との組合せ、ロサルタン、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、フィモロール、ピンドロール、プロプラノロール、ペンブトロール、メトプロロール、ナドロール、ソタロール、アミロリド、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、イスラジピン、ニフェジピン、ベラパミル、フェロジピン、ニカルジビン、ニモジピン、ブレチリウム、ジソピラミド、エンカイニド、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン、プロパフェノン、プロカインアミド、キニジン、トカイニド、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、アミオダロン、ソタロール、ベラパミル、ジルチアゼム、ピンドロール、ブプラノロール塩酸塩、トリクロルメチアジド、フロセミド、プラゾシン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、カルテオロール塩酸塩、オクスプレノロール塩酸塩、およびプロプラノロール塩酸塩、アデノシン、ジゴキシン;メチルジゴキシン、カフェイン、ドパミン塩酸塩、ドブタミン塩酸塩、オクトパミン塩酸塩、ジプロフィリン、ユビデカレノン、ジギタリス、カプサイシン、抗神経成長因子、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ、抗アセチルコリンエステラーゼ、6−ヒドロキシルドパミン(6−OHDA)、トシル酸ブレチリウム、グアナクリン、およびN−(2−クロロエチル)−N−エチル−2−ブロモベンジルアミン(DSP4)、OX7−SAP、192−SAP、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼサポリン(DBH−SAP)、および抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ免疫毒素(DHIT)、フェノール、エタノール、クロニジン、グアンファシン、メチルドパ、ベタニジン、グアノキサン、デブリソキン、グアノクロル、グアナゾジン、グアノキサベンズ、モキソニジン、リルメニジン、メカミラミン、トリメタファン、パルギリン、レシンナミン、レセルピン、メチロシン、プラゾシン、インドラミン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ウラピジル、フェントラミン、ケタンセリン、ボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタン、キナクリン、クロロキン、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミン、モルイン酸ナトリウム、ポリドカノール、または高張液を含む薬剤の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法。
(項目41)
前記薬剤それ自身または該薬剤を含む組成物が、少なくとも7のpH、最大で11のpH、少なくとも7および最大で11のpH、少なくとも8および最大で10のpH、該薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるpH、または該薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるレベルに調整されるpHを有する、項目39または項目40に記載の方法。
(項目42)
前記薬剤が送達される組織が、少なくとも7のpH、最大で11のpH、少なくとも7および最大で11のpH、少なくとも8および最大で10のpH、該薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるpHに調節される、項目39または40に記載の方法。
(項目43)
前記薬剤の前記組織への送達の前に、その後に、またはその間に、該組織が調節される、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記薬剤それ自身または該薬剤を含む組成物が、最大で7のpH、少なくとも3のpH、最大で7および少なくとも3のpH、最大で6および少なくとも4のpH、該薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である酸性pH、または該薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるレベルに調整される酸性pHを有する、項目39または40に記載の方法。
(項目45)
前記薬剤が送達される組織が、最大で7のpH、少なくとも3のpH、最大で7および少なくとも3のpH、最大で6および少なくとも4のpH、該薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である酸性pHに調節される、項目39または40に記載の方法。
(項目46)
前記薬剤の前記組織への送達の前に、その後に、またはその間に、該組織が調節される、項目45に記載の方法。
(項目47)
組織への治療剤の取り込みを強化する方法であって、
中心と外縁とを有する該組織の帯を生じさせることにより該組織のpHを調節する工程
を含み、
ここで、該帯は、調節する前の該組織の調節前pHと比較して、または中性pHと比較して調節されたpHを含み、
帯は、該帯の該中心で最もよく調節され、かつ該帯の該外縁で該組織の該調節前pHまたは中性pHまで低下させるpHの勾配を含み、
該帯において、該調節前pHまたは中性pHで組織へと起こる取り込みと比較して治療剤の強化された取り込みが起こる、方法。
(項目48)
前記帯に前記治療剤を送達する工程を含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記治療剤が全身に送達され、前記組織のpHの調節により、前記帯における該治療剤の集積が強化されるか、または該帯における治療指数が改善される、項目47に記載の方法。
(項目50)
前記強化された取り込みが、予め選択した量によって、前記調節前pHから調節された前記調節されたpHを有する前記帯の部分内で起こる、項目47に記載の方法。
(項目51)
前記強化された取り込みが、予め選択した量によって、中性pHから調節された前記調節されたpHを有する前記帯の部分内で起こる、項目47に記載の方法。
(項目52)
前記予め選択した量が、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、−0.5、−1.0、−1.5、−2.0、−2.5、−3.0、−3.5、−4.0、−4.5、0.5から5.0、1.5から4.5、2.0から4.0、約0.5、−0.5から−5.0、−1.5から−4.5、−2.0から−4.0、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約−0.5、約−1.0、約−1.5、約−2.0、約−2.5、約−3.0、約−3.5、約−4.0、および約−4.5のうち1つまたは複数の、前記調節されたpHと前記調節前pHとの間のpHの差、または前記調節されたpHと前記中性pHとの間のpHの差である、項目48または49に記載の方法。
(項目53)
前記調節されたpHが、前記帯外側の前記組織よりも低いpH、該帯外側の該組織よりも高いpH、調節する前の該組織のpHよりも低いpH、または調節する前の該組織のpHよりも高いpHである、項目47に記載の方法。
(項目54)
前記調節されたpHが、前記帯外側の組織のpHよりも酸性であるか、または、該帯外側の組織のpHよりもアルカリ性である、項目47に記載の方法。該調節されたpHが、少なくとも7、最大で11、少なくとも7および最大で11、少なくとも8および最大で10、または前記治療剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である所定のpHである、項目47に記載の方法。
(項目55)
前記治療剤が、グアネチジンを含む、項目47に記載の方法。
(項目56)
前記グアネチジンが、一硫酸塩またはヘミ硫酸塩を包含する、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記調節されたpHが、少なくとも7、最大で11、少なくとも7および最大で11、少なくとも8および最大で10、または前記治療剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である所定のpHである、項目47に記載。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1A】
図1Aは、本発明の方法およびシステムでの使用に適した管内注射用カテーテルの概略的な斜視図である。
【0051】
【0052】
【0053】
【
図2A】
図2Aは、展開した注射針と共に示した
図1A〜1Cのカテーテルの概略的な斜視図である。
【0054】
【0055】
【
図3】
図3は、本発明の方法に従って体の管腔の周りの外膜の空間へと治療剤を注射する
図1A〜1Cの管内カテーテルの概略的な斜視図である。
【0056】
【
図4A】
図4A〜4Dは、本発明の方法において有用な管内注射用カテーテルの膨張過程の断面図である。
【
図4B】
図4A〜4Dは、本発明の方法において有用な管内注射用カテーテルの膨張過程の断面図である。
【
図4C】
図4A〜4Dは、本発明の方法において有用な管内注射用カテーテルの膨張過程の断面図である。
【
図4D】
図4A〜4Dは、本発明の方法において有用な管内注射用カテーテルの膨張過程の断面図である。
【0057】
【
図5A】
図5A〜5Cは、本発明の方法において有用な膨張した管内注射用カテーテルの断面図であり、これは複数の管腔径を取り扱う(treat)能力を図示する。
【
図5B】
図5A〜5Cは、本発明の方法において有用な膨張した管内注射用カテーテルの断面図であり、これは複数の管腔径を取り扱う(treat)能力を図示する。
【
図5C】
図5A〜5Cは、本発明の方法において有用な膨張した管内注射用カテーテルの断面図であり、これは複数の管腔径を取り扱う(treat)能力を図示する。
【0058】
【
図6】
図6は、本発明の方法およびシステムにおいて有用なニードル注射用カテーテルの斜視図である。
【0059】
【
図7】
図7は、引き込んだ配置にある注射針を共に示した
図6のカテーテルの断面図である。
【0060】
【
図8】
図8は、本発明に従う治療剤または診断剤を送達するために注射針を管腔組織に向かって横方向に送り出した状態を示す
図7に類似した断面図である。
【0061】
【
図9】
図9は、血管周囲組織、外膜、および血管壁要素間の関係を図示した、動脈と周辺組織との概略図である。
【0062】
【0063】
【
図10B】
図10Bは、腎動脈周辺の大動脈近傍の叢(plexi)または神経節から出て腎臓まで通じる交感神経を示した
図10Aの概略図である。
【0064】
【0065】
【
図11A】
図11A〜11Cは、本発明に従って薬剤を交感神経に順次送達するために外膜に向かって送り出した注射針を共に示す、
図4Aおよび4Dに類似した断面図である。
【
図11B】
図11A〜11Cは、本発明に従って薬剤を交感神経に順次送達するために外膜に向かって送り出した注射針を共に示す、
図4Aおよび4Dに類似した断面図である。
【
図11C】
図11A〜11Cは、本発明に従って薬剤を交感神経に順次送達するために外膜に向かって送り出した注射針を共に示す、
図4Aおよび4Dに類似した断面図である。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【
図12】
図12は、本発明の方法を達成するのに使用することができる一実施形態のカテーテルを表し、図の左側では、鞘状の萎んだ形状(断面図)から膨張して展開した形状(断面図)に上から下へ連続的に展開しており、図の右の画像では、そのような実施形態の写真が示される。
【0070】
【
図13】
図13は、一実施形態のカテーテルが管腔または血管壁を通じて展開した状態の血管の断面を表し、さらに組織への薬剤の送達を示し、加えて、いくつかの実施形態では、薬剤が送達された位置からの距離が増すにつれて、薬物濃度が減少し、送達される薬剤のpHがより中性になることを示す。
【0071】
【
図14】
図14は、薬剤の送達地点からの距離が増すにつれてどのように薬物濃度が減少して、pHがより中性になり得るかを示す、
図13に記載の断面で表したものと類似した別の実施形態の図を表す。
【0072】
【
図15】
図15は、x軸における注射部位からの距離の増加に対する正規化した濃度およびpHを示す2つの時点、すなわち上のプロットにおける時点1(T1)、および下のプロットにおける時点2(T2)(時点1の後)における一連の2つのプロットであり、pHおよび濃度は共にy軸に表し、さらに存在する治療帯を表し、この治療帯において、濃度は、いくつかの最大の正規化濃度のうち少なくとも0.25であり、pHは少なくとも8である。
【0073】
【0074】
【
図17A】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17B】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17C】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17D】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17E】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17F】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17G】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17H】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17I】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17J】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17K】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【
図17L】
図17A〜17Lは、アラマーブルーで約4または24時間インキュベートすることによる、48時間目、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。
【0075】
【
図18A】
図18A〜18Dは、
図18Dにおけるグアネチジン一硫酸塩と
図18Cにおけるグアネチジンヘミサルフェートとの間の差を表し、一硫酸塩(monosulate)は、より低いpHを有し、特定の前臨床試験では不確定または無効な結果を有することが見出され、ヘミ硫酸塩は、より高いpHを有し、特定の前臨床試験では優れた前臨床の結果を有することが見出された。
【
図18B】
図18A〜18Dは、
図18Dにおけるグアネチジン一硫酸塩と
図18Cにおけるグアネチジンヘミサルフェートとの間の差を表し、一硫酸塩(monosulate)は、より低いpHを有し、特定の前臨床試験では不確定または無効な結果を有することが見出され、ヘミ硫酸塩は、より高いpHを有し、特定の前臨床試験では優れた前臨床の結果を有することが見出された。
【
図18C】
図18A〜18Dは、
図18Dにおけるグアネチジン一硫酸塩と
図18Cにおけるグアネチジンヘミサルフェートとの間の差を表し、一硫酸塩(monosulate)は、より低いpHを有し、特定の前臨床試験では不確定または無効な結果を有することが見出され、ヘミ硫酸塩は、より高いpHを有し、特定の前臨床試験では優れた前臨床の結果を有することが見出された。
【
図18D】
図18A〜18Dは、
図18Dにおけるグアネチジン一硫酸塩と
図18Cにおけるグアネチジンヘミサルフェートとの間の差を表し、一硫酸塩(monosulate)は、より低いpHを有し、特定の前臨床試験では不確定または無効な結果を有することが見出され、ヘミ硫酸塩は、より高いpHを有し、特定の前臨床試験では優れた前臨床の結果を有することが見出された。
【0076】
【
図19A】
図19Aは、末梢交感神経のニューロンを模擬した細胞系における48時間にわたるグアネチジン曝露によるLC50レベルを示す、高pHにおけるグアネチジン効果のin vitroでの確認を提供し、第一のカラムではSH−SY5Y細胞をpH6.3で4時間試験し、第二のカラムではSH−SY5Y細胞をpH9.3で4時間試験し、第三のカラムではPC−12細胞をpH6.3で4時間試験し、第四のカラムではPC−12細胞をpH9.3で4時間試験した。
【0077】
【
図19B】
図19Bは、一次末梢交感神経ニューロンにおける48時間にわたるグアネチジン曝露によるLC50レベルを示す、高pHのグアネチジン効果のin vitroでの確認を提供し、第一のカラムではSCG細胞を中性pHで試験し、第二のカラムではSCG細胞をpH9.3で1時間試験した。
【0078】
【
図20A】
図20Aは、緩衝化して、例えば溶液中のグアネチジンヘミサルフェートのpHレベルにpHを高めた、溶液中のグアネチジン一硫酸塩の一実施形態の組成を表す。
【0079】
【
図20B】
図20Bは、グアネチジンヘミサルフェートのpHに達することが可能なグアネチジン一硫酸塩(guanethidne)の緩衝化を表し、ここで、NaOHで緩衝化したグアネチジン一硫酸塩(イスメリン)の10mg/mLのデータは、菱形のマーカーを有する破線(チャートの左下から始まる)のデータで示し、17%のisoVUE370を含むNaOHで緩衝化したグアネチジン一硫酸塩(イスメリン)の10mg/mLのデータは、四角形のマーカーを有する実線のデータ(チャートの左下でx軸の0.0において約6.3pHから始まる)で示し、0.9%食塩水中のNaOHで緩衝化した10mg/mLのグアネチジンヘミサルフェートは、三角形のマーカーと、x軸の1.0において10を上回るpHから始まる破線とで示し、17%のIsoVUE370中のNaOHで緩衝化した10mg/mLのグアネチジンヘミサルフェートは、丸のマーカーと、x軸の1.0において約9.3のpHから始まる実線とで示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本出願は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれるところの、2010年4月22日付けで出願され、US2011/0104060として公開された共有に係る先行出願第12/765,708号からの
図1〜8および全てのテキストを包含する。以下の記載および
図1〜8では、血管周囲の空間または外膜の組織へと神経調節物質を送達するのに適した微細針を有するカテーテルの3つの代表的な実施形態が提供される。カテーテルおよびその製作方法のより詳細な記載は、それらの全開示が参照により本明細書に組み込まれるところの米国特許第7,141,041号;同第6,547,803号;同第7,547,294号;同第7,666,163号、および同第7,691,080号に提供される。
【0081】
図1A〜2Bに示すように、微細加工した管内カテーテル10は、アクチュエーター本体12aと中央縦軸12bとを有するアクチュエーター12を包含する。アクチュエーター本体は、程度の差はあるが、開口部またはスリット12dを有して実質的にその長さ方向に沿って伸びているU型またはC型の輪郭を形成する。微細針14は、以下でより詳細に論じられるように、アクチュエーターが作動していない状態(たたまれた状態)のときに(
図1B)、アクチュエーター本体内に配置する。アクチュエーターが稼働して作動した状態(広がった(unfurled)状態)になると(
図2B)、微細針はアクチュエーター本体の外側に移動する。
【0082】
アクチュエーターは、その近位端12eおよび遠位端12fで、治療用カテーテル20のリード端部16および先端部18によりそれぞれキャップしていてもよい。カテーテルの先端部は、放射線不透過性コーティングまたはマーカーを使用することにより体の管腔の内部にアクチュエーターを配置する手段として役立つ。またカテーテルの先端は、また、アクチュエーターの遠位端12fにおいてシールを形成する。カテーテルのリード端部は、アクチュエーターの近位端12eで必要な(流体工学的な、機械的な、電気的な、または光学的な)相互連絡をもたらす。
【0083】
止め輪(retaining ring)22aおよび22bは、それぞれアクチュエーターの遠位および近位端に配置する。カテーテルの先端は、止め輪22aにつながれ、一方でカテーテルのリードは、止め輪22bにつながれる。止め輪は、薄い、およそ10〜100ミクロン(μm)の、実質的に可撓性であるが比較的非膨張性の材料、例えばパリレン(Parylene)(タイプC、DまたはN)、または金属、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、金、チタンもしくはタングステンで作製される。止め輪は、アクチュエーターの各末端で、可撓性であるが比較的非膨張性の、実質的に「U」型または「C」型の構造を形成する。カテーテルは、例えば突合わせ溶接、超音波溶接、一体型のポリマー封止(integral polymer encapsulation)またはエポキシもしくはシアノアクリレートなどの接着剤によって止め輪につながっていてもよい。
【0084】
アクチュエーター本体は、止め輪22aと止め輪22bとの間に配置した中央拡張性セクション24をさらに含む。拡張性セクション24は、活性化流体がその領域に供給されたときに迅速に拡張するための内部開口領域26を包含する。中央セクション24は、薄い、半可撓性であるが比較的非膨張性であるか、または可撓性であるが比較的非膨張性の拡張性材料、例えばパリレン(タイプC、DまたはN)、シリコーン、ポリウレタンまたはポリイミドなどのポリマーで作製される。中央セクション24は、作動すると、いくぶんバルーンデバイスのように拡張性である。
【0085】
中央セクションは、開口領域26に活性化流体が適用される際に、最大約200psiの圧力に耐えることができる。活性化流体が開口領域26から除去される場合、中央セクションが実質的にその元の形状および位置(作動していない状態)に戻るという点で、中央セクションを作製する材料は、可撓性であるが比較的非膨張性であるか、または半可撓性であるが比較的非膨張性である。したがって、この意味において、中央セクションは、本質的に安定な構造を有していないバルーンとは大きく異なっている。
【0086】
アクチュエーターの開口領域26は、カテーテルのリード端部からアクチュエーターの近位端まで伸長している送達用の導管、チューブまたは流体経路28に接続する。活性化流体は、送達用チューブを介して開口領域に供給される。送達用チューブは、Teflon(登録商標)またはその他の不活性プラスチックで作製してもよい。活性化流体は、塩類溶液または放射線不透過性色素であってもよい。
【0087】
微細針14は、中央セクション24のほぼ中央に配置されていてもよい。しかしながら、以下で考察されるように、特に複数の微細針が使用される場合は必ずしもこの限りではない。微細針は、中央セクションの外表面24aに固着する。微細針は、シアノアクリレートなどの接着剤によって表面24aに固着する。あるいは、微細針は、金属製メッシュ様またはポリマーメッシュ様構造物30によって表面24aに接続される可能性もあり(
図2Aを参照)、そのような構造物それ自身は、接着剤で表面24aに固着する。メッシュ様構造物は、例えば鋼またはナイロンで作製されていてもよい。
【0088】
微細針は、鋭い先端14aとシャフト14bとを含む。微細針の先端は、挿入用エッジまたはポイントを提供し得る。シャフト14bは、中空であってもよく、上記先端は、患者への神経調節物質または薬物の注射を許容する出口ポート14cを有し得る。しかしながら、微細針が、その他のタスクを達成するための神経プローブのように構成される可能性もあるため、微細針は必ずしも中空である必要はない。示した通り、微細針は、表面24aからほぼ垂直に伸長する。したがって、記載したように、微細針は、それが挿入されている管腔の軸に対して実質的に垂直に移動して、体の管腔壁の直接的な穿刺または突破を可能にする。
【0089】
微細針はさらに、神経調節物質または薬物の供給管、チューブまたは流体経路14dを包含しており、それにより、微細針が、カテーテルのリード端部において適切な流体の相互連絡部と流体連通するように配置される。この供給チューブは、シャフト14bと一体化して形成してもよいし、または後に例えばエポキシなどの接着剤によってシャフトにつながれる別個のピースとして形成してもよい。微細針14は、例えばシアノアクリレートなどの接着剤で供給チューブに固着させてもよい。
【0090】
針14は、30ゲージまたはより低いゲージの鋼鉄製の針であってもよい。あるいは微細針は、ポリマー、その他の金属、金属合金または半導体材料から微細加工されていてもよい。例えば針は、パリレン、ケイ素またはガラスで作製されていてもよい。微細針および製作方法は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるところの2001年6月8日付けで出願された「微細加工された外科デバイス」(”Microfabricated Surgical Device”)という表題の米国特許出願第09/877,653号に記載されている。
【0091】
カテーテル20は、使用において、体の開口部(例えば気管支または洞の処置のため)を介して、または経皮穿刺部位(例えば動脈または静脈の処置のため)を介して挿入され、特定の標的とした領域34に到達するまで患者の身体通路32内を移動する(
図3を参照)。標的とした領域34は、組織損傷の部位であってもよいし、または、より一般的には、治療剤もしくは診断剤の移動が可能になるように典型的には100mmもしくはそれ未満でその損傷部位に隣接している。カテーテルベースの介入手順で周知のように、カテーテル20は、前もって患者に挿入されたガイドワイヤー36に続き得る。必要に応じて、カテーテル20はまた、自然開口部を介して体に挿入されたガイドワイヤーまたは内視鏡を包含する前もって挿入されたガイドカテーテル(図示せず)の通路に続き得る。
【0092】
カテーテル20の操作の間に、X線透視検査または磁気共鳴イメージング(MRI)の周知の方法を使用して、カテーテルを画像化し、標的領域におけるアクチュエーター12および微細針14の位置決定を補助することができる。患者の体内でカテーテルがガイドされるとき、体の管腔壁に外傷をつくらないように、微細針はたたまれた状態のままか、またはアクチュエーター本体の内部に保持される。
【0093】
標的領域34に位置決定された後、カテーテルの移動を停止し、アクチュエーターの開口領域26に活性化流体が供給され、拡張性セクション24が急速に広げられ、微細針14がアクチュエーター本体12aの縦の中心軸12bに対して実質的に垂直方向に移動することにより、体の管腔壁32aが穿刺される。微細針がそのたたまれた状態からその広がった状態に移るのに、およそ100ミリ秒〜5秒を要するのみであり得る。
【0094】
微細針の孔は、体の管腔組織32b、加えて体の管腔の周りの外膜、中膜、または内膜に入るように設計されていてもよい。加えて、アクチュエーターは作動前に「パックされている」または停止しているので、体の管腔壁への貫入に対してより正確な配置および制御が得られる。
【0095】
微細針が作動して薬剤が微細針を介して標的領域に送達されたら、アクチュエーターの開口領域26から活性化流体が排出され、それにより拡張性セクション24がその元のたたまれた状態に戻る。さらにそれによって、微細針も体の管腔壁から引き抜かれる。引き抜かれた微細針は再び、アクチュエーターに収められる。
【0096】
流れを計量して、生体組織試料を採取し、pHを測定するために、様々な微細加工されたデバイスを針、アクチュエーター、およびカテーテルへと一体形にすることができる。例えばデバイス10は、微細針を介して流量ならびに展開された神経調節物質のpHを測定するための電気センサーを包含することができる。またデバイス10は、血管壁を位置決定するための血管内超音波センサー(IVUS)と、当技術分野で周知のように、標的領域を調べるための光ファイバーとを包含していてもよい。そのような完全なシステムのために、高完全性の電気的、機械的、および流体の連絡部が提供され、それにより信頼性をもって電力、エネルギー、および神経調節物質または生物学的作用物質を移動させる。
【0097】
一例として、微細針は、約200〜3,000ミクロン(μm)の間の全体の長さを有していてもよい。シャフト14bおよび供給チューブ14dの内部断面の寸法は、およそ20〜250μmであってもよく、一方でそのチューブおよびシャフトの外部断面の寸法は、約100〜500μmの間であってもよい。アクチュエーター本体の全体の長さは、約5〜50ミリメートル(mm)の間であってもよく、一方でアクチュエーター本体の外部および内部断面の寸法は、それぞれ約0.4〜4mmの間、および0.5〜5mmの間であってもよい。アクチュエーターの中央セクションがそれを通して広がるところのギャップまたはスリットは、約4〜40mmの長さと約50μm〜4mmの断面寸法を有していてもよい。活性化流体用の送達用チューブの直径は、100〜500μmの間であってもよい。カテーテルのサイズは、1.5〜15フレンチ(Fr)の間であってもよい。
【0098】
図4A〜4Dを参照すると、エラストマーの構成要素は、
図1〜3の管内カテーテルの壁に一体化されている。
図4A〜Dでは、そのような構造物の加圧の進行が、圧力が増加する順で表示されている。
図4Aでは、体の管腔L内にバルーンが配置される。管腔壁Wが、管腔と、特定の管腔の解剖学的構造に応じて管腔周辺組織Tまたは外膜A
*とを隔てている。圧力は中間(neutral)であり、非膨張性の構造は、針14が収められている
図1の形状と類似した、U型の内巻きの形状の(involuted)バルーン12を形成する。この図では針が表示されているが、切刃、レーザーもしくは光ファイバーチップ、高周波トランスミッターを包含するその他の作業要素、またはその他の構造物を、針の代わりに置き換えてもよい。しかしながら、そのような全ての構造に関して、エラストマーのパッチ400は通常、内巻きの形状のバルーン12を間にして針14の反対側に配置される。
【0099】
バルーン12の動作は、陽圧化により起こる。
図4Bでは、圧力(+ΔP
1)がかけられると、可撓性であるが比較的非膨張性の構造物の変形が始まり、それによりバルーンの内巻きの形状(involution)から円形の圧力容器(round pressure vessel)のより低いエネルギー状態への逆転が起こる。
図4Cのより高い圧力の+ΔP
2では、可撓性であるが比較的非膨張性のバルーン材料はその丸い形状に達し、エラストマーのパッチは伸張を始めている。最終的に、さらにより高い圧力の+ΔP
3の
図4Dでは、エラストマーのパッチが伸張して管腔径全体に収まることにより、針の先端に抵抗力を付与して、針を管腔壁を通って外膜Aへとスライドさせる。この図で意図される体の管腔についての典型的な寸法は、0.1mm〜50mmの間、より多くの場合は0.5mm〜20mmの間、ほとんどの場合は1mm〜10mmの間である。管腔と外膜との間の組織の厚さは、典型的には0.001mm〜5mmの間、より多くの場合は0.01mm〜2mmの間、および、ほとんどの場合は0.05mm〜1mmの間である。バルーンを作動させるのに有用な圧力+ΔPは、典型的には0.1気圧から20気圧の範囲、より典型的には0.5から20気圧の範囲、および、多くの場合は1から10気圧の範囲である。
【0100】
図5A〜5Cで図示されているように、
図4A〜4Dに示されるデュアルモジュラス構造により、管内医療用デバイスを低い圧力(すなわち、体組織に損傷を与え得る圧力よりも低い圧力)で作動させて、針などの作業要素を管腔壁と接触するように、またはそれを通過するように配置する。一定圧力での膨張によって、エラストマー材料は、管腔径に調和して十分な密着を達成する。デュアルモジュラスバルーン12は、
図5A、5B、および5Cの3つの異なる管腔径において、パッチ400が徐々に大きく膨張することにより圧力+ΔP
3に対して膨張し、径に関係なく、血管壁を通過する針の最適な密着をもたらす。したがって、全身での、一連の径以内にある管腔において同じカテーテルを使用することができる可変径システムが作製される。ほとんどの医療製品は、それらが使用され得る管腔における極めて厳密な制約(典型的には0.5mm以内)に限定されるため、そのようなシステムは有用である。本発明で記載されるようなシステムは、それらが有用となる管腔の径において数ミリメートルレベルの変動があっても順応することができる。
【0101】
上記のカテーテル設計およびそのバリエーションは、それらの全開示が参照により本明細書に組み込まれるところの公開された米国特許第6,547,803号;同第6,860,867号;同第7,547,294号;同第7,666,163号、および同第7,691,080号で記載されている。本出願の譲受人に譲渡された同時係属中の特許出願第10/691,119号は、心臓の外膜組織および心膜組織への直接注射により送達された物質が、心臓組織内で、注射の部位から離れた位置でさえも急速かつ均一に分配するその能力について記載している。この同時係属中の特許出願の全開示も参照により本明細書に組み込まれる。本発明の治療剤または診断剤を送達するのに適した代替の針カテーテルの設計を以下に記載する。そのような特定のカテーテル設計は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれるところの米国特許第7,141,041号で記載されており、特許請求されている。
【0102】
ここで
図6を参照すると、本発明の原理に従って作製された針の注射用カテーテル310は、遠位端314および近位316を有するカテーテル本体312を含む。通常、ガイドワイヤーの管腔313は、カテーテルの遠位ノーズ352内に提供されるが、オーバーザワイヤーやガイドワイヤーの配置を必要としない実施形態も本発明の範囲内である。2ポートのハブ320は、カテーテル本体312の近位端316に取り付けられ、例えばシリンジ324を使用して含水流体を送達するための第一のポート322と、例えばシリンジ328を使用して神経調節物質を送達するための第二のポート326とを包含する。往復可能な、方向を変えられる(deflectable)針330は、カテーテル本体312の遠位端の近くにマウントされ、
図6では該針が側方に送り出される配置で示されている。
【0103】
ここで
図7を参照すると、カテーテル本体312の近位端314は、針330、往復可能なピストン338、および含水流体送達用チューブ340を保持するメインの管腔336を有する。ピストン338は、レール342にわたってスライドするようにマウントされ、針330に固定される。したがって、チューブ340の管腔341を通って加圧された含水流体を蛇腹構造物344に送達することにより、針が、カテーテルノーズ352中に形成された方向を変えられる通路350を通過するように、ピストン338は、遠位先端に向かって軸方向に進めることができる。
【0104】
図8で認めることができるように、カテーテル310は、血管BVにおいて、ガイドワイヤーGWの上に従来の方式で位置決定されていてもよい。ピストン338が遠位に進むことにより、針330が、血管においてそれが存在する場合、カテーテル近傍の管腔の周りの組織Tに向かって進む。続いて、
図8で例証されるように、心臓組織中に薬剤のプルームPを導入するために、シリンジ328を用いてポート326を介して治療剤または診断剤を導入することができる。プルームPは、上記したように組織損傷の領域内に存在するか、またはその近傍に存在する。
【0105】
針330は、カテーテル本体312の全長に伸長してもよいし、または、より一般的には、チューブ340中の治療剤もしくは診断剤が送達される管腔337に向けてのみ部分的に伸長する。針の近位端は、針を介した薬剤の加圧送達を可能とするように、管腔337と共にスライディングシールを形成することができる。
【0106】
針330は、弾性材料、典型的には弾性または超弾性金属からなり、典型的には、ニチノールまたはその他の超弾性金属である。あるいは、針330は、方向を変えられる通路を通過するときに成形される非弾性的に変形可能な、または展性の金属から形成され得る。しかしながら、非弾性的に変形可能な金属は、一般的に、それらが方向を変えられる通路を通過した後にまっすぐな形状を保持しないため、非弾性的に変形可能な金属の使用はあまり好ましくない。
【0107】
蛇腹構造物344は、心棒にパリレンまたは別の順応性ポリマー(conformal polymer)層を堆積させ、続いて心棒をポリマーシェル構造内から分離させることによって作製することもできる。あるいは、蛇腹344をエラストマー材料で作製して、バルーン構造物を形成してもよい。さらなる代替例において、加圧含水流体の非存在下でその中の閉鎖位置に蛇腹を動かすために、蛇腹の中、その上、またはその上方でスプリング構造物を利用することができる。
【0108】
治療用材料が針330を通って送達された後、
図8で示されるように、針を引き込み、カテーテルをさらなる薬剤の送達のために再配置するか、または引き込む。いくつかの実施形態では、針は、単に蛇腹344から含水流体を吸引することにより引き込まれる。その他の実施形態では、針の引き込みは、例えばピストン338の遠位面と遠位先端352の近位壁(図示せず)との間に固定されたリターンスプリングによって補助されてもよいし、および/またはピストンに取り付けられ、管腔341を通るプルワイヤーによって補助されてもよい。
【0109】
血管周囲の空間は、動脈または静脈のいずれかの「血管壁」外面にわたる潜在的な空間である。
図9を参照すると、典型的な動脈壁の断面が示されており、この図において、内皮Eは、血管管腔Lに露出する壁の層である。内皮の下に存在するのは基底膜BMであり、このBMもまた内膜Iで取り囲まれている。この内膜もまた内弾性板IELで取り囲まれており、その上に中膜Mが配置される。この中膜は、また、外弾性板(EEL)で被覆され、このEELは、集合的にWとして示される動脈壁を外膜層Aから隔てる外部バリアとして作用する。通常、血管周囲の空間は、外膜内の領域とその外側を含む外弾性板EELの外側にあるあらゆる空間とみなされる。
【0110】
ここで
図10A〜Cを参照すると、腎動脈の位置および構造が示される。
図10Aでは、大動脈(Ao)から分岐して血液を腎臓に送る右腎動脈(RRA)および左腎動脈(LRA)と共に、大動脈が体の中心動脈として示されている。例えば、右腎動脈は、酸素化した血液を右腎(RK)に送る。
図10Bでは、大動脈から腎臓に通じる神経(N)が表示されている。神経は、腎動脈を取り囲んで、ほぼ平行に通っているが、いくらか蛇行した大動脈から腎臓に分岐する経路に沿って示されている。続いて
図10Cに、
図10Bのライン10C−10Cに沿った断面が示されている。腎動脈のこの断面図からわかるように、大動脈から腎臓に通じる神経(N)は、外弾性板(EEL)の近傍で、ただしEELの外側で動脈の外膜(A)を通る。この
図10Cに動脈全体の断面が示され、この図において、管腔(L)は、内部から外側にかけて内皮(E)、内膜(I)、内弾性板(IEL)、中膜(M)、外弾性板(EEL)、最後に外膜(A)で取り囲まれている。
【0111】
図11A〜Fで図示されているように、本発明の方法は、
図1〜5によって図示されたものと類似した注射または注入用カテーテルを
図10Cで図示されたように血管へと配置し、神経調節物質のプルーム(P)が腎動脈の外膜(A)を神経支配する神経(N)と接触するように該外膜に該薬剤を注射するのに使用することができる。
図11Aで認めることができるように、針が血管壁を削って傷害を引き起こすことなくアクチュエーターが体の血管を進むことができるように、アクチュエーターが針を遮蔽している
図4Aと同じ状態のカテーテルは、中膜(M)、外膜(A)、および外膜内かつ中膜のちょうど外側に神経(N)を有する動脈に挿入される。
図11Dに
図11Aのライン11D−11Dに沿った断面が示される。この断面から、治療機器は、
図1〜3に示されたものと同様に、カテーテル(20)に取り付けられたアクチュエーター(12)と、アクチュエーター内に配置された針(14)とを有することがわかる。
【0112】
図11Bおよび11Eを参照して、本発明者らは、
図11Aおよび11Dのシステムと同じシステムを示しており、ここでも同様に、
図11Eは、
図11Bのライン11E−11Eに沿った断面図である。しかしながら、
図11Bおよび11Eでは、アクチュエーターが流体で満たされることにより、アクチュエーターの広がりと拡張が起こり、針の孔が中膜を貫通して神経がある外膜へと至る。針が外膜に貫通したら、放射線不透過性造影剤などの診断剤もしくはグアネチジンなどの神経調節物質のいずれか、または診断剤と治療剤との組合せからなるプルーム(P)がEELを通って外膜に送達される。プルーム(P)は、外膜内で円周方向および縦方向に移動し始め、外膜を通過する神経線維と接触するようになる。この時点で、医師が治療効果を認識し始める可能性がある。通常、注射の存在および注射の位置を診断するのに使用されるプルームPは、10から100μlの範囲であり、より多くの場合はおよそ50μlである。プルームは通常、以下の4つの結果:(1)針が外膜へと貫通し、プルームが、血管の周辺およびで血管の外側に沿って滑らかなパターンで拡散し始めるという結果、(2)プルームが動脈の側枝路を辿るという結果(この場合、針の孔は、外膜中ではなく側枝に配置されている)、(3)プルームが、カテーテルが配置されている動脈路を辿るという結果(これは、針が血管壁を貫通せず、流体が漏出してメインの血管管腔に戻ることを示す)、または(4)きつく圧縮されたプルームが形成されて、血管周辺で縦方向もしくは円柱状に拡散しないという結果(これは、針の孔が、EELから内部へ、中膜または内膜の内側に配置されることを示す)のうち1つを示す。したがってプルームは、施術する医師にとって、注射の継続か、アクチュエーターの収縮と新しい処置部位への再配置かの妥当性を決定するのに有用である。
【0113】
図11Cおよび11Fにおいて、
図11Fは
図11Cのライン11F−11Fに沿った断面図であるが、適切な組織注射位置を診断するのにプルームが使用された後、さらなる注射を行って、血管を神経調節物質で囲むことが可能であることが理解できる。最終的なプルームP
*の範囲は通常、動脈を取り囲んで完全に環状になっており、通常、注射体積が300μl〜3mLの間である場合、縦方向に少なくとも1cm移動する。多くの場合において、患者の高血圧に対する治療的有用性を評するためには、この体積よりも少ない体積しか要しない可能性がある。いくつかの実施形態では、最終的な所望の治療的有用性を達成するには、この体積よりも多いまたは少ない体積が使用される。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、2μgから750mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、10μgから500mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、10μgから200mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、100μgから200mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、500μgから200mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、500μgから200mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、1mgから200mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、1mgから100mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、約10mgから約100mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、約20mgから約80mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、約40mgから約80mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、約45mgから約75mgである。いくつかの実施形態では、動脈1本あたりの神経調節物質の総量は、約50mgから約60mgである。本明細書で使用される用語「約」は、送達される薬剤の総量について述べられる際に使用される場合、送達される量に応じて、+/−5%、+/−10%、+/−15%、+/−25%、+/−50%、+/−0.5μg、+/−1μg、+/−10μg、+/−50μg、+/−1mg、+/−3mg、または+/−5mgの変動を意味する。
【0114】
いくつかの実施形態では、約2mLから約8mLのグアネチジンなどの神経調節物質の溶液は、動脈1本あたり約5mg/mLから約15mg/mLの濃度で送達される。この時点で、神経調節物質はすでに動脈全体を取り巻く神経に浸透しており、それにより化学的脱神経、神経調節による脱神経、または生物学的な脱神経が生じ、神経シグナル伝達がブロックされる。本明細書で使用される用語「約」は、送達される薬剤の総体積について述べられる際に使用される場合、+/−5%、+/−10%、+/−15%、+/−25%、+/−50%、+/−0.5mL、+/−1mL、または+/−2mLの変動を意味する。本明細書で使用される用語「約」は、送達される薬剤の濃度について述べられる際に使用される場合、+/−1%、+/−5%、+/−10%、+/−15%、+/−25%、または+/−50%の変動を意味する。
【0115】
本明細書において、グアネチジン一硫酸塩という医薬品の局所投与によってこの作用をもたらす組成物、方法、デバイス、およびシステムが提供され、グアネチジン一硫酸塩はまた、2−(オクタヒドロ−1−アゾシニル)エチルグアニジンサルフェート;ヘプタメチレンイミン、1−(2−グアニジノエチル)−;N−(2−ペルヒドロアゾシン−1−イルエチル)グアニジン;アゾシン,1−((2−(アミノイミノメチル)アミノ)エチル)オクタヒドロ−;(2−(ヘキサヒドロ−(2H)−アゾシン−1−イル)エチル)グアニジニウムサルフェート;アゾシン,1−(2−グアニジノエチル)オクタヒドロ−;グアニジン,[2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)−エチル]−,サルフェート(1:1);2−[2−(アゾカン−1−イル)エチル]グアニジン;アバプレシン;オクタジン;ドポン;N−(2−グアニジノエチル)ヘプタメチレンイミンサルフェート;ユーテンソール;エシミル;ドパム;2−(1−N,N−ヘプタメチレンイミノ)エチルグアニジン;グアニジン,(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)−,サルフェート(1:1);グアネチジナム[国際一般名−ラテン語];オクタテンジン;オクタテンシン;イスメリン(商標);グアニジン,(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)−;グアネチジーナ[国際一般名−スペイン語];オクタテンシン;(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)グアニジンハイドロゲンサルフェート;サノテンシン;2−[2−(アゾカン−1−イル)エチル]グアニジン;硫酸;2−(1−アザシクロオクチル)エチルグアニジン;硫酸イスメリン;グアネチジンサルフェート;(2−(オクタヒドロ−1−アゾシニル)エチル)グアニジン;イスメリン;または化学式はC
10H
22N
4・H
2O
4Sであり
図16に示す分子構造を有する(2−(ヘキサヒドロ−1(2H)−アゾシニル)エチル)グアニジンサルフェート(1:1)としても公知である。本明細書において、グアネチジンヘミサルフェートという医薬品の局所投与によってこの作用をもたらす組成物、方法、デバイス、およびシステムが提供される。
【0116】
本発明は、一般的に、疾患を処置するための医薬調製物、医療用デバイスを包含するシステムおよび診断剤または治療剤、ならびに方法に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、局所的または全身に送達される治療剤または診断剤の治療指数を調節するための局所組織環境の改変に関する。さらにより具体的には、本発明の実施形態は、体内の動脈および静脈周辺の外膜および血管周囲組織における交感神経の活動を抑制する能力の改善に関する。
【0117】
本発明の特定の態様は、高血圧、心不全、睡眠時無呼吸、インスリン抵抗性、または炎症を処置するために、腎動脈周辺の局所組織環境を調節して、医薬品によるより効果的な脱神経を可能にする能力である。
【0118】
本明細書において、その全開示が参照により組み込まれるところの米国特許出願第12/765,708号および同第12/765,720号に記載の発明の実施に関する方法、システム、および組成物が提供される。
【0119】
本明細書において、薬物治療の改善方法が示される。一般的に、本方法の実施形態は、生理的な組織状態の調節による薬物治療指数の改善を包含する。具体的には、本方法の実施形態は、組織のpHを局所で調節することに基づいて、組織に送達された薬剤の治療指数を強化するために、または直接的な治療効果を有するために、局所の薬物またはバッファーの送達により局所組織のpHの調節を含む。この作用は、薬剤の分子構造のプロトン付加、およびプロトン化部分または非プロトン化部分における細胞の高いまたは低い親和性に応じて、より高いまたはより低いpHでより効果的に細胞膜を通過する薬剤の能力に基づき得る。
【0120】
本明細書において、高pHの状態におけるグアネチジンの神経変性作用に対する特異的な改善を包含する方法、およびそのような状態をもたらす方法が提供される。これらの方法は、腎動脈の周りの外膜および血管周囲組織に位置する腎神経の変性に特に有用である。これらの神経は、高血圧状態の開始時とその持続時に重要であり、腎動脈の脱神経は、血圧の低下、心不全の改善、インスリン抵抗性および睡眠時無呼吸の低減に関して有益な効果があることが示されており、さらに血管の炎症性疾患の改善に関しても有益な効果があることが推測される。
【0121】
グアネチジンのin vitroの研究では、収集し培養したラット上頸神経節ニューロンに対してグアネチジン一硫酸塩が細胞毒性である細胞培養条件について記載されている(Johnson EMおよびAloe L. Suppression of the in vitro and in vivo cytotoxic effects of guanethidine in sympathetic neurons by nerve growth factor、Brain Research 1974年;81巻:519〜532頁;Wakshull E、Johnson MI、Burton H. Persistence of an amine uptake system in cultured rat sympathetic neurons which use acetylcholine as their transmitter、J. Cell Biology 1978年;79巻:121〜131頁)。Johnson、Wakshullらによる実験では、100μM濃度のグアネチジンに40〜48時間にわたり曝露した場合、グアネチジンは、7.0〜7.2のpHで弱い細胞毒性活性を有し、pH8.0で強い細胞毒性活性を有することが見出された。
【0122】
グアネチジンのニューロンへの細胞毒性のin−vivo試験では、ブタに、濃度が8.3mg/mLでありpHが8.5〜9.5であるグアネチジンヘミサルフェートを血管周囲に注射したところ腎脱神経が起こるが、5.5〜6.5のpHで8.3mg/mLのグアネチジン一硫酸塩を血管周囲に注射したところ、同様の脱神経が起こらないことが示されている。
【0123】
血管周囲および外膜の空間への注射に関して、注射剤は、参照により本明細書に組み込まれるところの米国特許第7,744,584号で記載されている方法で追跡され、さらに薬剤は、好ましくは、参照により本明細書に組み込まれるところの米国特許第7,691,080号で記載されているカテーテルに類似したカテーテルで注射される。しかしながら、その他のカテーテルまたは針を使用して組織内に薬剤を局所注射することによって、本明細書において記載される効果に類似した効果を達成できることが認識されている。
【0124】
本明細書において、注射またはその他の手段によって生理的なpHを局所で調節する組成物、デバイス、システム、および方法が提供される(例えば電気シグナルまたは特定の金属物質の存在下で例えば局所のpHを調節できることが公知である)。いくつかの実施形態では、本方法は、治療剤のグアネチジン一硫酸塩が送達される間に、その前に、またはその後に、脱神経の標的である神経の周りの組織におよそ9のpHで存在する組成物を注射する工程を含む。腎動脈の周りの組織にこの組成物を注射または注入して(以下の
図11を参照)、およそ7.3〜7.4の中性の生理的pHを有する間質液を置き換える。
【0125】
本発明のその他の方法は、局所張度もしくは容量オスモル濃度を調節する薬剤と共に、またはこのような薬剤の前もしくは後に送達される製剤中の医薬品の細胞による取り込みを強化するために、局所張度または容量オスモル濃度の調節を包含する。例えば、高張塩類溶液の送達は、浸透により、細胞による液体の放出を引き起こす。同様に、低張溶液の送達は、細胞がその周囲からさらなる液体を吸収しながら膨潤を引き起こし得る。細胞周辺の間質に点滴注入した薬剤は、局所組織の張度に依存して取り込みの改善を潜在的に有する。この挙動は、膜受容体タンパク質に結合するかまたはチャネルもしくは孔を介して細胞に入る薬剤の能力に起因しており、治療剤によって異なる。
【0126】
本発明の追加の方法は、組織生理機能の局所改変と協調する治療剤の適用は包含しないが、それは、治療目的を達成するための局所調節に直接依存する。例えば、高張塩類溶液、洗浄剤、エタノールなどの溶媒、強酸、および強塩基はそれぞれ、局所生理機能の調節と共に細胞への損傷、変性または破壊を引き起こし得る。また本発明で記載される方法によるこれらの薬剤の送達は、本明細書に記載された局所神経破壊などの目的を達成するのにも有用である。溶液のpHの調節は、アルカリ性または酸性緩衝剤により達成することができる。緩衝剤としては、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸、塩酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエチルバルビツール酸、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、サリンソジウムシトレート(saline sodium citrate)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、またはグリシンが挙げられる。
【0127】
本発明のさらに別の態様では、新規の組成物が記載される。局所組織への送達におけるグアネチジンの性能を改善することにおいて、pHの調整が必要とされる場合がある。本発明の組成物は、7より高いpHで1μg/mLから50mg/mLの濃度範囲のグアネチジンの製剤を包含する。本発明の特定の態様では、製剤の濃度は、1〜30mg/mLの間であり、塩化ナトリウム含量は、0.7%〜0.9%の間であるが、それよりも高いまたは低い濃度も使用することができ、pHは、所望のpHが達成されて長期間維持できるようになるまで、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性バッファーまたは上記したその他のバッファーで緩衝化することによって約9.5に調整されるが、少なくとも8〜11の間に調整される。
【0128】
米国特許出願第10/765,720号で記載されている薬剤に加えて、10/765,720号、さらに本発明に示される方法で送達される場合、追加の薬剤が有用である。これらの薬剤としては、ナトリウムチャネルを介して細胞に入る毒素、例えばテトロドトキシンおよびバトラコトキシン、カリウムチャネルを介して細胞に入る毒素、例えばマウロトキシン、アジトキシン、カリブドトキシン、マルガトキシン、スロトキシン、シクラトキシン、およびヘフトキシン、ならびにカルシウムチャネルを介して細胞に入る毒素、例えばカルシセプチン、タイカトキシン、カルシクルジン、およびPhTx3が挙げられる。
【0129】
本明細書および参照された特許出願で記載される方法の利益を享受するその他の薬剤としては、アドレナリン遮断薬および刺激因子(例えばドキサゾシン、グアナドレル、グアネチジン、フェノキシベンザミン、プラゾシンおよびポリチアジド、テラゾシン、メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン);アルファ−/ベータ−アドレナリン遮断薬(例えばラベタロール);アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、およびカルシウムチャネル遮断薬と利尿薬との組合せ;ACE受容体アンタゴニスト(例えばロサルタン);ベータ遮断薬(例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、フィモロール、ピンドロール、プロプラノロール、ペンブトロール、メトプロロール、ナドロール、ソタロール);カルシウムチャネル遮断薬(例えばアミロリド、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、イスラジピン、ニフェジピン、ベラパミル、フェロジピン、ニカルジビン、ニモジピン);I〜IV群の抗不整脈薬(例えばブレチリウム、ジソピラミド、エンカイニド、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン、プロパフェノン、プロカインアミド、キニジン、トカイニド、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、アミオダロン、ソタロール、ベラパミル、ジルチアゼム、ピンドロール、ブプラノロール塩酸塩、トリクロルメチアジド、フロセミド、プラゾシン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、カルテオロール塩酸塩、オクスプレノロール塩酸塩、およびプロプラノロール塩酸塩);ならびに混合型の抗不整脈薬および強心薬(例えばアデノシン、ジゴキシン;メチルジゴキシン、カフェイン、ドパミン塩酸塩、ドブタミン塩酸塩、オクトパミン塩酸塩、ジプロフィリン、ユビデカレノン、ジギタリス)、ならびに脱感覚神経薬、例えばカプサイシンが挙げられる。
【0130】
同様に部分的または完全な交感神経切除をもたらすその他の薬剤も示されており、本明細書において記載されているような治療剤として使用することができる。そのような薬剤としては、免疫性交感神経切除薬、例えば抗神経成長因子(抗NGF);自己免疫性交感神経切除薬、例えば抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ(抗D.ベータ.H)および抗アセチルコリンエステラーゼ(抗AChe);化学的交感神経切除薬、例えば6−ヒドロキシルドパミン(6−OHDA)、トシル酸ブレチリウム、グアナクリン、およびN−(2−クロロエチル)−N−エチル−2−ブロモベンジルアミン(DSP4);ならびに免疫毒素による交感神経切除薬、例えばOX7−SAP、192−SAP、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼサポリン(DBH−SAP)、および抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ免疫毒素(DHIT)が挙げられる。これらの薬剤の詳細な記載は、Picklo M J、J Autonom Nerv Sys 1997年;62巻:111〜125頁に見出される。フェノールおよびエタノールも化学的交感神経切除をなすのに使用されており、これらも本発明の方法において有用である。その他の交感神経遮断薬としては、アルファ−2−アゴニスト、例えばクロニジン、グアンファシン、メチルドパや、ベタニジン、グアネチジン、グアノキサン、デブリソキン、グアノクロル、グアナゾジン、グアノキサベンズなどのグアニジン誘導体;イミダゾリン受容体アゴニスト、例えばモキソニジン、リルメニジンなど;神経節遮断薬またはニコチンアンタゴニスト、例えばメカミラミン、トリメタファンなど;MAOI阻害剤、例えばパルギリンなど;アドレナリン取り込み阻害薬、例えばレシンナミン、レセルピンなど;チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、例えばメチロシンなど;アルファ−1遮断薬、例えばプラゾシン、インドラミン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ウラピジルなど;非選択的アルファ遮断薬、例えばフェントラミンなど;セロトニンアンタゴニスト、例えばケタンセリンなど;およびエンドセリンアンタゴニスト、例えばボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタンなどが挙げられる。
【0131】
加えて、神経を硬化させる薬剤を使用して、神経溶解または交感神経遮断を起こすこともできる。血管周囲の神経損傷を引き起こす硬化薬としては、キナクリン、クロロキン、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミン、モルイン酸ナトリウム、ポリドカノール、フェノール、エタノール、または高張液が挙げられる。
【0132】
図12では、本発明の方法を達成するのに使用できるカテーテルが表示される。
図12の右側において、カテーテルの鞘状のエンベロープ内に微細針が保持されている鞘状の形状(上)のカテーテルが写真で示される。カテーテルは、萎んだ状態、かつ針がバルーン内に収められた状態で、動脈へと導入される。バルーン壁は針(微細針)を収め、デバイスの導入または除去の間に動脈壁を保護する。カテーテルのバルーンが膨張すると、
図12の左側の断面で示されるように、微細針は鞘状のエンベロープから押し出され、血管壁を通って展開が可能になる。
図12の左側の図は、針が収められているとき(左上)から膨張して針が動脈壁に押し入る間(左下)までのバルーン輪郭の断面を示す。バルーンが膨張すると、一般的にカテーテル長軸に対して垂直に(すなわち一般的にカテーテルの長さに沿った軸に垂直に)針が外側に押し出される。
図12の右側(下)の画像は、拡張したカテーテルを、展開された針と、壁(例えば気管支またはその他の管腔壁、例えば動脈壁)へと針をスライドさせるための対抗する力を付与する裏当てバルーン(backing balloon)と共に示す。脱神経、具体的には腎脱神経の場合、腎神経は外膜および血管周囲組織内にあるため、治療剤送達に理想的な位置は外弾性板の外側である。
【0133】
ここで
図13を参照すると、
図11および12と同様に類似の血管断面が示される。例えば上記したような微細針が、腎動脈または腎静脈などの血管壁を通って展開される。当然ながら、その他の経皮手段を介して腎動脈または静脈の外膜および血管周囲の空間に到達することもできるが、本明細書において記載されているようなカテーテルほど正確ではない。どのように外膜および血管周囲組織に接近するかにかかわらず、局所組織の生理に影響を与える媒体の送達と共に、その前に、またはその後に、治療剤を送達してもよい。本明細書において記載される本方法の特定の実施形態は、脱神経剤のグアネチジンと共に、8〜10の範囲のpH、または7〜13の範囲のpH、または約8〜約10のpH、または約8.5〜約9.5のpH、または約8.3のpH、または約9.3のpHを有する高pHの溶液の、血管周囲の空間への注射を含む。グアネチジンは、好ましくは、その塩のグアネチジン一硫酸塩として水性形態で送達される。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、グアネチジンヘミサルフェートとして水性形態で送達される。この実施形態で送達された組成物は、好ましくはおよそ10mg/mLのグアネチジン一硫酸塩を含有するが、1mg/mL〜30mg/mLの範囲内で含有していてもよいし、または1μg/mL〜50mg/mLの範囲内であってもよい。本組成物はさらに、塩化ナトリウムを、好ましくは0.7%〜0.9%の範囲で含有するが、0%から3%のいずれかで塩化ナトリウムを含有していてもよい。さらに本組成物は、好ましくは8〜10のpHを有するか、または本明細書の上記で記載された7のpHに関するその他のpH範囲のいずれかを有し、さらにオムニパーク、ビジパーク、またはイソブエ(Isovue)(ただしその他の周知のコントラスト剤も本組成物で使用することができる)などの放射線不透過性造影剤を含有していてもよい。本明細書で使用される用語「約」は、pHについて言及される場合、+/−0.5pH、+/−0.3pH、+/−0.2pH、または+/−0.1pHを意味する。
【0134】
図13および14では、破線は、薬物濃度の一致したレベルまたは組織のpHの一致したレベルを示す。薬剤が組織に送達されると、薬剤が送達された地点から、送達位置から離れた地点にかけて、薬剤濃度は減少する。したがって、例えば数ミリリットルが注入される場合、濃度は、注入部位では高く、注入部位からの数センチメートルの地点ではそれより低い。同様に、針を介してアルカリ性組成物が送達される場合、局所組織のpHは、注入部位では高く、それより離れた組織では7.0〜7.3の中性pHに低下する。また
図13および14の破線からも組織の一致したpHを表わすことができ、注射部位から離れた線は中性に近く、注射部位に近い線は高pHを示す。
【0135】
ここで
図15を参照すると、時点T1およびT2における一連の2つのプロットが表示されており、ここで、T2は、T1より後のいつかの時点である。正規化した濃度1.0(例えば100μg/mL)および10のpHの治療剤を注射した後の時点T1において、薬剤濃度は注射部位からの距離に伴いゼロに向けて低下し、局所組織のpHは注射部位からの距離に伴い中性pHに向けて低下する。例証の目的で、治療帯は、8より高いpHを有する組織の領域における少なくとも0.25の有効濃度(例えば25μg/mL)によって定義される。
図15の図解プロットからわかるように、薬物が注射部位から離れて分配されるにつれて、局所の濃度が低下して遠方の濃度が上昇し、それと並行して生理的な排出と間質液の交換により組織が中和されるにつれてpHがゆっくり中性pHに近づくために、この治療帯は、時間によって変化する。一例として、グアネチジンの場合、神経を破壊するにはpH8で20〜30μg/mLの濃度が効果的であるが、pH7では、100μg/mLの濃度でさえも神経は維持される。これは、グアネチジンが非プロトン化状態で神経に侵入する能力が、そのプロトン化状態と比較して強化されたことによる可能性が最も高い。したがって、治療帯(ここでグアネチジンはアルカリ性の環境にあり、プロトン化されないかまたは単一プロトン化される可能性がより高い)にある神経は破壊されるが、治療帯の外側(ここでグアネチジンはより中性の環境にあり、単一または二重プロトン化される可能性がより高い)の神経は維持される。さらに、グアネチジンは神経を特異的に標的とし、pHは、その他の組織を破壊する作用を引き起こすほど高くないために、治療帯にあるその他の組織は犠牲にならない。
【0136】
本明細書において、組織への治療剤の取り込みを強化する方法であって、中心と外縁とを有する組織の帯を生じさせることにより組織のpHを調節する工程を含み、該帯は、調節する前の組織の調節前pHと比較して、または中性pHと比較して、調節されたpHを含み、ここで、帯は該帯の中心で最もよく調節され、かつ帯の外縁で組織の調節前pHまたは中性pHまで低下させるpHの勾配を含み、ここで、該帯において、調節前pHまたは中性pHで組織へと起こる取り込みと比較して、治療剤の強化された取り込みが起こる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、帯は、治療帯を含む。いくつかの実施形態では、帯の部分は、
図15で示されるような治療帯である。そのような方法は
図13〜15に表されており、本明細書において記載される通りである。
【0137】
本明細書において、組織への治療剤の取り込みを強化する方法であって、− 中心と外縁とを有する組織の帯を生じさせることにより組織のpHを調節する工程と、− 該帯へと治療剤を送達する工程とを含み;該帯は、調節する前の組織の調節前pHと比較して、または中性pHと比較して、調節されたpHを含み、ここで、帯は該帯の中心で最もよく調節され、かつ該帯の外縁で組織の調節前pHまたは中性pHまで低下させるpHの勾配を含み、該帯において、調節前pHまたは中性pHで組織へと起こる取り込みと比較して治療剤の強化された取り込みが起こる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、帯は、治療帯を含む。いくつかの実施形態では、帯の部分は、
図15で示されるような治療帯である。そのような方法は
図13〜15に表されており、本明細書において記載される通りである。
【0138】
いくつかの実施形態では、本方法は、帯へと治療剤を送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、治療剤が全身に送達され、組織のpHを調節することにより、帯における治療剤の集積が強化されるか、または帯における治療指数が改善される。
【0139】
いくつかの実施形態では、強化された取り込みは、予め選択した量によって、調節前pHから調節された調節されたpHを有する帯の部分内で起こる。いくつかの実施形態では、強化された取り込みは、予め選択した量によって、中性pHから調節された調節されたpHを有する帯の部分内で起こる。いくつかの実施形態では、帯の部分は、
図15およびその記載で示されるような治療帯である。いくつかの実施形態では、予め選択した量は、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、−0.5、−1.0、−1.5、−2.0、−2.5、−3.0、−3.5、−4.0、−4.5、0.5から5.0、1.5から4.5、2.0から4.0、約0.5、−0.5から−5.0、−1.5から−4.5、−2.0から−4.0、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約−0.5、約−1.0、約−1.5、約−2.0、約−2.5、約−3.0、約−3.5、約−4.0、および約−4.5のうち1つまたは複数の、調節されたpHと調節前pHとの間のpHの差、または調節されたpHと中性pHとの間のpHの差である。いくつかの実施形態では、調節されたpHは、帯外側の組織よりも低いpH、帯外側の組織よりも高いpH、調節する前の組織のpHよりも低いpH、または調節する前の組織のpHよりも高いpHである。いくつかの実施形態では、調節されたpHは、帯外側の組織のpHよりも酸性であるか、または、帯外側の組織のpHよりもアルカリ性である。調節されたpHが、少なくとも7、最大で11、少なくとも7および最大で11、少なくとも8および最大で10、またはそのような治療剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である所定のpHである、請求項42に記載の方法。いくつかの実施形態では、治療剤は、グアネチジンを含む。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、一硫酸塩またはヘミ硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、調節されたpHは、少なくとも7、最大で11、少なくとも7および最大で11、少なくとも8および最大で10、またはそのような治療剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的である所定のpHである。
【0140】
上記の段落の別の要点は、局所の生理機能(pH)を調節して治療剤(グアネチジン)を送達することにより、組織の調節と薬物濃度が有効である境界において特定の効果を局所化することができる本発明の重要な態様を例証することである。高血圧処置のためのグアネチジンによる腎動脈の脱神経の場合と同様に、体内の腸間膜、肝臓、またはその他の系に至る神経などの遠位の神経に影響を与えずに、腎動脈を取り囲む神経の局所的および集中的な脱神経を生じさせることが望ましい。薬物は生理的なpHでは永続的な神経破壊を起こさないため、最終的に薬物が血流や泌尿器系を介して分配して遠位の組織に到達したとしても同じことが言える。したがって、本明細書で記載された新規の組成物および新規の方法を用いれば、遠隔領域での合併症を起こすことなく永続的な効果を対象の局所組織に集中させることができる。
【0141】
本明細書において、pHを調整することによって神経の周りの組織をプライミングして、該神経に送達される、または該神経の周りの該組織に送達される脱神経組成物または治療剤の有効性を強化する方法が提供される。本明細書において、神経の周りの組織のpHを調整して、該神経に送達される、または該神経の周りの該組織に送達される脱神経組成物または治療剤の有効性を強化する方法が提供される。いくつかの実施形態では、組織のpHは、アルカリ性に調整される。いくつかの実施形態では、組織のpHは、酸性に調整される。いくつかの実施形態では、組織のpHは、中性pHに調整される。そのような組織のpHを調整することができる複数の方法があり、これらはいずれも本明細書に包含されるものとし、そのうちいくつかの例を本明細書でより詳細に考察するが、そのような例に範囲を限定されないものとする。
【0142】
薬剤の送達、調節因子の送達(あらゆる順番で):本明細書において、局所的に神経を脱神経させる治療剤を被験体に送達する方法であって、被験体に治療剤を送達する工程、および脱神経の標的である神経の周りの組織の局所のpHを調節するのに効果的である調節因子または組成物を送達する工程を含む、方法が提供される。治療剤および/または調節因子もしくは組成物の送達は、例えば本明細書において記載されているような1つまたは複数のデバイスを使用して経管的に行ってもよい。そのような上記組成物の送達は、薬剤送達の間に、その前に、またはその後に行ってもよい。治療剤は、グアネチジン、または本明細書に記載された別の治療剤であってもよい。そのような調節により、組織のpHを、非限定的な例として少なくとも7、7〜11の間、または8〜10の間、または8.5〜9.5の間に変化させることができる。いくつかの実施形態では、調節因子は、バッファーまたは緩衝剤である。いくつかの実施形態では、本組成物は、バッファーまたは緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、治療剤の送達と調節因子または組成物の送達とは、同じ注射デバイスを使用して、または別個の注射デバイスを使用して、同時に、並行して、または逐次的になされる。
【0143】
調節因子の単独での送達:別の実施形態では、本方法は、治療剤を必要とすることなく、脱神経の標的である神経の周りの組織のpHを局所で調節する組成物の送達を含む。そのような実施形態では、本組成物それ自身が、標的神経を脱神経させるという治療的目的を達成する。
【0144】
緩衝化した薬剤の送達:別の実施形態では、本方法は、神経の周りの組織への送達の前に、pH調節されている組成物の送達を含む。そのような組成物は、pH調節因子と治療剤とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、治療剤とpH調節因子とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、非限定的な例として、少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間のpHの治療剤を含む。いくつかの実施形態では、治療剤のみを含む水溶液(調節因子は含まず)は、治療剤と調節因子との水溶液を含む組成物よりも酸性である。いくつかの実施形態では、治療剤のみを含む水溶液(調節因子は含まず)は、治療剤と調節因子との水溶液を含む組成物よりもアルカリ性である。pH調節因子は、組成物を、標的pHに、非限定的な例として少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間に調整するバッファー、アルカリ性バッファー、例えばNaOH、または別のバッファーであってもよい。pH調節因子は、酸、酸性物質、または酸もしくは酸性物質の塩であってもよい。そのような実施形態では、本組成物は、治療剤と、本組成物のpHを非限定的な例として少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間に調節するpH調節因子とを含む。そのような組成物を、脱神経の標的である神経の周りの組織に送達することができる。いくつかの実施形態では、上記組成物の単回の注射が、1つまたは複数の標的神経を脱神経させることにおいて効果的であり得る。いくつかの実施形態では、治療剤は、グアネチジン、グアネチジン一硫酸塩、もしくはグアネチジンヘミサルフェート、または本明細書の他所に記載されたあらゆる薬剤(すなわち治療剤)を含む。いくつかの実施形態では、調節因子は、バッファーまたは緩衝剤である。いくつかの実施形態では、バッファーは、水酸化ナトリウムを含む。
【0145】
グアネチジンヘミサルフェート薬剤の送達:いくつかの実施形態では、本方法は、アルカリ性のpHを有する水溶液中の治療剤を含む組成物の送達を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、酸性のpHを有する水溶液中の治療剤を含む組成物の送達を含む。そのような実施形態では、pH調節因子は、組成物が送達される組織で神経を脱神経させることにおいて治療剤の有効性を強化するpHを必ずしも達成しない。そのような組成物は、非限定的な例として、少なくとも7、7〜11の間、8〜10の間、または8.5〜9.5の間のpHを有する水溶液中に治療剤を含んでいてもよい。
【0146】
本明細書において、8より高いpHを有するグアニジン含有組成物が提供される。いくつかの実施形態では、グアニジンは、グアネチジンである。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、一硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、脱神経用に形成された(configured)溶液中のヘミ硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、グアネチジンは、脱神経に適した溶液中のヘミ硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、pHは9より高い。いくつかの実施形態では、pHは10より高い。
【0147】
いくつかの実施形態では、本組成物は、アルカリ性バッファーをさらに含む。いくつかの実施形態では、アルカリ性バッファーは、NaOHを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ性バッファーは、NaOHを、50%またはそれよりも高い、グアニジン濃度に対するモル濃度比で含む。いくつかの実施形態では、アルカリ性バッファーは、NaOHを、グアニジンと等モル濃度でまたはそれよりも高いモル濃度で含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、本組成物は、造影剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、塩化ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムは、溶液の0.7%〜0.9%である。いくつかの実施形態では、グアネチジン一硫酸塩は、0.1mg/mL〜50mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、グアネチジン一硫酸塩は、1mg/mL〜20mg/mLの濃度で存在する。
【0149】
本明細書において、液体、ゲル、または半固体を含む調製物の組織への送達を含む、局所組織の生理機能を調節する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本調製物は、局所組織のpHを高くするかまたは低くすることによって局所組織の生理機能を緩衝化する。いくつかの実施形態では、本調製物は、そのような調製物の送達によって調節された生理条件で調製物の指標効果を有するが、中性の生理条件では指標効果を有さない治療剤を含む。いくつかの実施形態では、本調製物はさらに、そのような調製物の送達によって調節された生理条件で追加の指標効果または強化された指標効果を有するが、中性の生理条件ではそのような追加の指標効果や強化された指標効果を有さない治療剤を包含する。いくつかの実施形態では、治療剤が全身に送達され、組織は、局所で調節された組織における治療剤の蓄積の強化または治療指数の改善に作用するように、局所のpH変化で調節される。いくつかの実施形態では、ゲルは、ヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、組織で再吸収するときにプロトンを消費する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、アルカリ性である。いくつかの実施形態では、本調製物は、グアネチジン一硫酸塩を包含する。いくつかの実施形態では、本調製物は、8より高いpHを有する。いくつかの実施形態では、本調製物は、造影剤を包含する。いくつかの実施形態では、本調製物は、本明細書において記載されているような組成物である。いくつかの実施形態では、本調製物は、本明細書において記載される組成物を含む。
【0150】
本明細書において、十分に低いまたは高いpHを有する酸または塩基の限局性送達により、限局性神経損傷または破壊を生じさせる工程を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0151】
本明細書において、他の局所組織を温存しながらニューロンの破壊を生じさせる非等張または非等モル浸透圧溶液の限局性送達を含む、腎脱神経を生じさせる方法が提供される。
【0152】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む高血圧を処置する方法が提供される。
【0153】
いくつかの実施形態では、本方法は、血管内の側からの送達をさらに含む。本明細書で記載されているような送達デバイスを使用することができ、または別の送達デバイスを使用することもできる。送達は、経管的であってもよい。
【0154】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む心不全を処置する方法が提供される。
【0155】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含むインスリン抵抗性を処置する方法が提供される。
【0156】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む全身性炎症を処置する方法が提供される。
【0157】
本明細書において、腎動脈外膜および血管周囲組織への、8より高いpHのグアネチジン一硫酸塩の調製物または8より高いpHのグアネチジンヘミサルフェートの調製物の送達を含む睡眠時無呼吸を処置する方法が提供される。
【0158】
本明細書において、以下のもの:高張塩類溶液、洗浄剤、溶媒、エタノール、強酸、強塩基、緩衝剤、アルカリ性緩衝剤、酸性緩衝剤、0.7%〜0.9%の間の塩化ナトリウム含量を有する組成物、約9.5のpHを有する組成物、アルカリ性緩衝剤で緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有する組成物、水酸化ナトリウムで緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有する組成物、または8〜11の間のpHを有する組成物から選択される薬剤の限局性送達を含む、脱神経を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、脱神経は、腎神経の脱神経である。いくつかの実施形態では、本方法は、腎脱神経を生じさせる。いくつかの実施形態では、脱神経は、肺の近くの神経などの非腎神経の脱神経である。
【0159】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸、塩酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエチルバルビツール酸、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、サリンソジウムシトレート(saline sodium citrate)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、およびグリシンのうち1つまたは複数を含む。
【0160】
本明細書において、以下のもの:7より高いpHの1μg/mLから50mg/mLの範囲の濃度のグアネチジン、7より高いpHの1mg/mLから30mg/mLの範囲の濃度のグアネチジン、0.7%〜0.9%の間の塩化ナトリウム含量を有するグアネチジンを含む組成物、約9.5のpHを有するグアネチジンを含む組成物、アルカリ性緩衝剤で緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有するグアネチジンを含む組成物、水酸化ナトリウムで緩衝化することによって約9.5に調整されたpHを有するグアネチジンを含む組成物、または8〜11の間のpHを有するグアネチジンを含む組成物から選択される薬剤の限局性送達を含む、脱神経を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、脱神経は、腎神経の脱神経である。いくつかの実施形態では、本方法は、腎脱神経を達成する。いくつかの実施形態では、脱神経は、肺の近くの神経などの非腎神経の脱神経である。
【0161】
本明細書において、ナトリウムチャネルを介して細胞に入る第一の毒素(そのような第一の毒素は、テトロドトキシンおよびバトラコトキシンのうち1つまたは複数を含む)、カリウムチャネルを介して細胞に入る第二の毒素(そのような第二の毒素は、マウロトキシン、アジトキシン、カリブドトキシン、マルガトキシン、スロトキシン、シクラトキシン、およびヘフトキシンのうち1つまたは複数を含む)、および/またはカルシウムチャネルを介して細胞に入る第三の毒素(そのような第三の毒素は、カルシセプチン、タイカトキシン、カルシクルジン、およびPhTx3のうち1つまたは複数を含む)の限局性送達を含む、脱神経を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、脱神経は、腎神経の脱神経である。いくつかの実施形態では、本方法は、腎脱神経を達成する。いくつかの実施形態では、脱神経は、肺の近くの神経などの非腎神経の脱神経である。
【0162】
本明細書において、アドレナリン遮断薬、アンドロゲン阻害剤、アドレナリン刺激剤、アルファ−/ベータ−アドレナリン遮断薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE受容体アンタゴニスト、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、I〜IV群の抗不整脈薬、抗不整脈薬、強心薬、アルファ−2−アゴニスト、グアニジン誘導体、イミダゾリン受容体アゴニスト、神経節遮断薬、ニコチンアンタゴニスト、神経節遮断薬、ニコチンアンタゴニスト、MAOI阻害剤、アドレナリン取り込み阻害薬、チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、アルファ−1遮断薬、非選択的アルファ遮断薬、セロトニンアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、硬化薬、または脱感覚神経薬を含む薬剤の限局性送達を含む、脱神経を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、脱神経は、腎神経の脱神経である。いくつかの実施形態では、本方法は、腎脱神経を達成する。いくつかの実施形態では、脱神経は、肺の近くの神経などの非腎神経の脱神経である。
【0163】
本明細書において、ドキサゾシン、グアナドレル、グアネチジン、フェノキシベンザミン、プラゾシン+ポリチアジド、テラゾシン、メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン、ラベタロール、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、およびカルシウムチャネル遮断薬と利尿薬との組合せ、ロサルタン、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、フィモロール、ピンドロール、プロプラノロール、ペンブトロール、メトプロロール、ナドロール、ソタロール、アミロリド、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、イスラジピン、ニフェジピン、ベラパミル、フェロジピン、ニカルジビン、ニモジピン、ブレチリウム、ジソピラミド、エンカイニド、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン、プロパフェノン、プロカインアミド、キニジン、トカイニド、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、アミオダロン、ソタロール、ベラパミル、ジルチアゼム、ピンドロール、ブプラノロール塩酸塩、トリクロルメチアジド、フロセミド、プラゾシン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、カルテオロール塩酸塩、オクスプレノロール塩酸塩、およびプロプラノロール塩酸塩、アデノシン、ジゴキシン;メチルジゴキシン、カフェイン、ドパミン塩酸塩、ドブタミン塩酸塩、オクトパミン塩酸塩、ジプロフィリン、ユビデカレノン、ジギタリス、カプサイシン、抗神経成長因子、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ、抗アセチルコリンエステラーゼ、6−ヒドロキシルドパミン(6−OHDA)、トシル酸ブレチリウム、グアナクリン、およびN−(2−クロロエチル)−N−エチル−2−ブロモベンジルアミン(DSP4)、OX7−SAP、192−SAP、抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼサポリン(DBH−SAP)、および抗ドパミンベータ−ヒドロキシラーゼ免疫毒素(DHIT)、フェノール、エタノール、クロニジン、グアンファシン、メチルドパ、ベタニジン、グアノキサン、デブリソキン、グアノクロル、グアナゾジン、グアノキサベンズ、モキソニジン、リルメニジン、メカミラミン、トリメタファン、パルギリン、レシンナミン、レセルピン、メチロシン、プラゾシン、インドラミン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ウラピジル、フェントラミン、ケタンセリン、ボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタン、キナクリン、クロロキン、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミン、モルイン酸ナトリウム、ポリドカノール、または高張液を含む薬剤の限局性送達を含む、脱神経を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、脱神経は、腎神経の脱神経である。いくつかの実施形態では、本方法は、腎脱神経を達成する。いくつかの実施形態では、脱神経は、肺の近くの神経などの非腎神経の脱神経である。
【0164】
いくつかの実施形態では、薬剤それ自身またはそのような薬剤を含む組成物は、少なくとも7のpH、最大で11のpH、少なくとも7および最大で11のpH、少なくとも8および最大で10のpH、そのような薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるpH、またはそのような薬剤が送達される神経を脱神経させるのに効果的であるレベルに調整されたpHを有する。
【実施例】
【0165】
(実施例1)
in vitroでのpHおよびグアネチジン一硫酸塩濃度に対する神経および平滑筋細胞の応答
【0166】
グアネチジン一硫酸塩とpHとの相互作用の研究を、交感神経ニューロン性細胞型ならびに血管周囲細胞型および血管細胞型で行った。以下の細胞型を調べた:
・ SH−SY5Y:プレート培養したが誘導しなかったヒト神経芽細胞腫系SH−SY5Y、
・ 誘導SH−SY5Y:レチノイン酸で誘導して軸索が成長している交感神経細胞に分化したSH−SY5Y、
・ rPC−12:プレート培養したが誘導しなかった接着性ラットPC−12細胞、
・ 誘導rPC−12:NGFで誘導して軸索が成長している交感神経細胞に分化したPC−12、
・ ラットSCG:初代ラット上頸神経節細胞、
・ hAoSMC:初代ヒト大動脈平滑筋細胞。
【0167】
細胞を、0、1、10、100もしくは1000μg/mLのグアネチジン一硫酸塩(GNT)、または10μg/mLのGNT、および17%のIsoVUE370で、pH6.3およびpH9.3で処理した。4時間で、反復培養では24時間で、培地を同じ薬物濃度を有する通常の増殖培地で置き換えた。試験方法を以下のようにして段階的に行った:pH6.3またはpH9.3のいずれかのグアネチジン一硫酸塩の組成物(0、1、10、100もしくは1000μg/mLのグアネチジン一硫酸塩、または、10μg/mLのGNTおよび17%のIsoVUE370の濃度で)で細胞を処理する;4時間または24時間待ち、次に培地を、pH調節していないグアネチジン一硫酸塩の組成物(0、1、10、100もしくは1000μg/mLのグアネチジン一硫酸塩、または、10μg/mLのGNTおよび17%のIsoVUE370の濃度で)で置き換える;48時間で、アラマーブルー(約4時間インキュベート)によって、細胞を生存率に関して試験する;pH調節していないグアネチジン一硫酸塩を、標準的な増殖培地に交換する;7日目に、アラマーブルー(約4時間インキュベート)によって、細胞を生存率に関して試験する。
図17A〜17Lに、x軸において10+IVと表示された、10μg/mLのGNTおよび17%のIsoVUE370に関するデータを示す。ラットSCG細胞を用いてさらなる試験を行い、pH9.3曝露で1時間またはpH7.3(通常の増殖培地)で24時間の効果を調べた。これらの細胞は、24時間でのみ調べた。pHまたは薬物添加の直前に細胞を顕微鏡法で調べ、48時間で再度調べた。観察を記録して写真を撮った。
【0168】
上記したように、48時間(2日目)および7日目にアラマーブルーと約4時間インキュベートすることによって、細胞を生存率に関して試験した。薬物の毒性およびpHの馴化を、増殖培地のみの陰性対照および通常の増殖培地中の1%トリトン(TX−100)の陽性対照に対して比較した。全ての条件を3連で行った。米国薬局方(USP)グアネチジン一硫酸塩参照標準(CAS645−43−2)からグアネチジン試料を調製した。
【0169】
腎動脈の交感神経の高周波アブレーションは、薬物抵抗性高血圧において血圧を低下させることが示されている。(Doumas M、Douma S. Interventional management of resistant hypertension、Lancet、2009年;373巻:1228〜1229頁)。腎脱神経と高血圧とを結びつける生理的なメカニズムは、腎臓の交感神経によるノルエピネフリン(NE)生成の減少である。(DiBona GF、Esler M. Translational medicine:the antihypertensive effect of renal denervation、Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol.2010年2月;298巻(2号):R245〜53頁。2009年12月2日に電子出版)。完全な腎脱神経により、ブタ(452±83から15±27ng/gに減少)およびイヌ(260±19から24±12ng/gに減少)において腎臓組織中のNE含量の約90%の減少が生じる。(Connors BA、Evan AP、Willis LR、Simon JR、Fineberg NS、Lifshitz DA、Shalhav AL、Paterson RF、Kuo RL、Lingeman JE. Renal nerves mediate changes in contralateral renal blood flow after extracorporeal shockwave lithotripsy、Nephron Physiol.2003年;95巻(4号):67〜75頁;Mizelle HL、Hall JE、Woods LL、Montani JP、Dzielak DJ、Pan YJ. Role of renal nerves in compensatory adaptation to chronic reductions in sodium intake、Am J Physiol.1987年2月;252巻(2分冊のうち第2分冊):F291〜8頁)。
【0170】
圧力の減少が報告されており、処置後15〜30日で脱神経された腎動脈からのNEのスピルオーバーによる平均47%の低下(N=10人の患者)が報告された。(Doumas 2009年)。腎臓の交感神経は、腎動脈外膜に存在する。
【0171】
特定の実験では、ブタ腎動脈外膜から腎臓皮質におけるグアネチジンによる脱神経によるNEの49〜58%の低下ならびに神経の変質および線維化の組織学的証拠が示されており、本明細書では、pH9.3のグアネチジン+IsoVUEと比較して、pH6.3のグアネチジン+IsoVUEでは脱神経が起こらなかったことに基づき、この効果はpH依存性であることが示される。
【0172】
グアネチジン一硫酸塩は、296.39g/molの分子量を有する。10mg/mLの濃度が、33.7mmol/L(33.7mM)のモル濃度になる。0.2mM(60μg/mL)またはそれより高い濃度が、in vitroで軸索退縮を引き起こすことが示されている。(Hill CEら Use of tissue culture to examine the actions of guanethidine and 6−hydroxydopamine、European Journal of Pharmacology 1973年;23巻:1620〜74頁)。
【0173】
グアネチジンは、培養中の初代ラット上頸神経節ニューロンにおいてpH依存性の効果を有し、すなわちpH8.0で100μg/mLから細胞毒性を示すがpH7.2で細胞毒性がなくなることが示されている(Johnson EMおよびAloe L. Suppression of the in vitro and in vivo cytotoxic effects of guanethidine in sympathetic neurons by nerve growth factor、Brain Research 1974年;81巻:519〜532頁;Wakshull E、Johnson MI、Burton H. Persistence of an amine uptake system in cultured rat sympathetic neurons which use acetylcholine as their transmitter、J. Cell Biology 1978年;79巻:121〜131頁)。
【0174】
アラマーブルーは、生細胞の自然の還元力を利用してリザズリンを蛍光分子のレゾルフィンに変換する、立証済みの細胞生存率の指標である。アラマーブルーの活性成分(リザズリン)は、青色で実質的に非蛍光性の非毒性細胞透過性化合物である。リザズリンは、細胞に入るとレゾルフィンに還元され、これが極めて明るい赤色蛍光を発する。生存細胞は連続的にリザズリンをレゾルフィンに変換するため、生存率、すなわち細胞毒性の定量的尺度が得られる。
【0175】
神経節後交感神経ニューロンの挙動を再現するという試みにおいて、ラット褐色細胞腫細胞(PC−12)、ヒト神経芽細胞腫細胞(SH−SY5Y)、および初代ラット上頸神経節(ラットSCG)細胞をこれらの実験で使用した。これらの実験において、いずれの細胞型も増殖して軸索を形成することができた。アラマーブルーとのインキュベート後、全ての試料で蛍光単位(FU)を測定した。
【0176】
図17A〜17Lは、アラマーブルーと約4時間インキュベートすることによる、48時間、すなわち2日目(左の列は、
図17A、17C、17E、17G、17I、および17Kのプロットを包含する)および7日目(右の列は、
図17B、17D、17F、17H、17J、および17Lのプロットを包含する)の3連でなされた生存率試験の結果を示す。以下に示される
図17A〜17Lのデータは、以下の方程式により計算され、式中、FU
試料は、バックグラウンドを差し引いた試料の蛍光であり、FU
陰性対照は、バックグラウンドを差し引いた増殖培地中の細胞の蛍光であり、FU
陽性対照は、バックグラウンドの蛍光を差し引いた1%トリトン曝露後の細胞の蛍光(全ての細胞の死滅)である。方程式は、以下の通りである:%=100×((FU
試料−FU
陽性対照)/(FU
陰性対照−FU
陽性対照))。
【0177】
図17Aは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、2日目のrPC−12における正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0178】
図17Bは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、7日目のrPC−12における正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0179】
図17Cは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、2日目の誘導したrPC−12における正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0180】
図17Dは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、7日目の誘導したrPC−12における正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0181】
図17Eは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、2日目のSH−SY5Yにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0182】
図17Fは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーとオーバーラップした白四角のマーカーを有する一番上の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、7日目のSH−SY5Yにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0183】
図17Gは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、2日目の誘導したSH−SY5Yにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0184】
図17Hは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から3番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する一番下の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番上の線)の場合の、7日目の誘導したSH−SY5Yにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0185】
図17Iは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する上から3番目の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から4番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から一番下の線であり、24時間のpH9.3のデータとオーバーラップする)、pH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線であり、pH9.3で4時間のものとオーバーラップする)、pH7.3(中性)で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、星型のマーカーを有する一番上の線)、およびpH9.3で1時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒丸マーカーを有する上から2番目の線)の場合の、2日目のラットSCGにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0186】
図17Jは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する上から3番目の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(0μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から2番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、7日目のラットSCGにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0187】
図17Kは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、2日目のhAoSMCにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0188】
図17Lは、pH6.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白菱形のマーカーを有する一番上の線)、pH6.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒菱形のマーカーを有する上から2番目の線)、pH9.3で4時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、白四角のマーカーを有する上から3番目の線)、およびpH9.3で24時間にわたるグアネチジン(1μg/mLのグアネチジン濃度における、黒四角のマーカーを有する一番下の線)の場合の、7日目のhAoSMCにおける正常細胞と比較したアラマーブルーの蛍光%を示す。
【0189】
LC50は、細胞の50%が死に至る薬物の濃度である。上記で示され
図17A〜17Lで示されるようなデータからの計算により、表1で示されるようなLC50値が得られた。pH効果が薬物の添加なしに50%より低い生存細胞をもたらす場合、LC50チャートには「0」と表示される。LC50がゼロと最低用量(1μg/mL)との間であった場合、LC50値は、「<1」と記入される。24時間のpH曝露について計算は行わなかったが、これは、そのような長時間の曝露ではLC50はゼロであることが多く、さらにin vivoでは24時間のpH曝露は起こりにくく、pHは、24時間よりもかなり早い段階で注射した組織で中和される可能性があると予想されるためである。
【表1】
【0190】
図19Aは、末梢交感神経ニューロンを模擬した細胞系における48時間にわたるグアネチジン曝露によるLC50レベルを示す高pHにおけるグアネチジン効果のin vitroでの確認を提供し、第一のカラムではSH−SY5Y細胞をpH6.3で4時間試験し、第二のカラムではSH−SY5Y細胞をpH9.3で4時間試験し、第三のカラムではPC−12細胞をpH6.3で4時間試験し、第四のカラムではPC−12細胞をpH9.3で4時間試験した。
図19Bは、一次末梢交感神経ニューロンにおける48時間にわたるグアネチジン曝露によるLC50レベルを示す、高pHのグアネチジン効果のin vitroでの確認を提供し、第一のカラムではSCG細胞を中性pHで試験し、第二のカラムではSCG細胞をpH9.3で1時間試験した。
図19Aおよび19Bでは、y軸は、μg/mLの単位で示される。
【0191】
pH9.3への長時間の曝露(24時間)により、研究した細胞型の大半においてある程度の量の分解が起きるが、pH6.3への24時間の曝露は、細胞への作用は限定的である。pH9.3またはpH6.3への4時間の曝露では、これらの実験で研究したニューロン細胞系それぞれに対するグアネチジンの毒性濃度において明らかな差が認められる。この結果は、細胞が、48時間の薬物曝露の直後または7日目に調べられるかどうかにも当てはまる。研究したいずれの細胞型においても、グアネチジンは、pH6.3よりもpH9.3において一桁低い濃度で細胞に対して毒性を示した。
【0192】
ラットSCG細胞におけるpH9.3で1時間の曝露による追跡研究から、グアネチジンの用量依存性毒性が示された。
【0193】
pH9.3のグアネチジンを用いたin vivoの実験では、28および60日目に10mg/mLで投与したpH9.3のグアネチジンにより有意な識別可能な神経毒性が起こったが、10mg/mLで投与したpH6.3のグアネチジンを用いたin vivoの実験では、90日目で腎臓の交感神経の有意な変化は起こらなかった。
【0194】
これは、in vivoで、pH9.3のグアネチジン注射後、グアネチジンのニューロンにおける取り込みおよび/またはニューロンへの細胞傷害作用を強化するのに十分な長い期間、組織のpHがアルカリ性を保つことを示す。しかしながら、非ニューロン細胞型では、in vivoでのpH9.3のグアネチジンの細胞毒性は明らかでなかったことにも留意すべきである。
【0195】
最終的に、動脈1本あたり50mgの用量を、10mg/mLで投与したpH9.3のグアネチジンの注射によるin vivo実験により、組織のグアネチジン濃度が、24時間で、腎動脈では4.3±2.9μg/g(組織の重量あたりのグアネチジンの量で示される)および腎臓の血管周囲組織では1.9±1.0μg/gになった。これらの濃度は上記で報告されたLC50レベルにかなり匹敵する。これらの平均組織濃度は観察されたLC50値よりもわずかに低いが、これは、グアネチジンは、神経細胞で濃縮されることが公知であるが、神経細胞は、そのような初期の濃度研究で評価される組織塊全体のうちほんのわずかな部分にすぎないため、そのin vivoの研究では効果が平均化された可能性がある。
【0196】
まとめると、これらの研究は、グアネチジンは、pH6.3の場合と比較して、pH9.3で、改善されたニューロンの細胞毒性を有することを示す。グアネチジン応答性の毒性は、研究した細胞系の大半で、pH6.3とpH9.3の両方で用量依存性の効果を示し、pH9.3よりもpH6.3方が少なくとも10倍高いLC50を示した。加えて、pH6.3への曝露の時間は、pH9.3への曝露の時間よりも作用が少なく、低いグアネチジン濃度またはグアネチジン非存在下で、pH9.3への曝露時間を長くすると毒性作用を引き起こした。
【0197】
(実施例2)
動物実験および追跡研究
【0198】
特定の前臨床試験で試験したグアネチジンは、神経損傷があることを示したが、これらの研究で試験したグアネチジンの形態はグアネチジンヘミサルフェートであった。緩衝化していないpH(6.3またはそれ未満)でグアネチジン一硫酸塩を使用した動物実験におけるその後の試験では、安全な結果が得られたが、有意な脱神経を示すことはできなかった。グアネチジンヘミサルフェートを使用してうまく脱神経を示す範囲のpHにグアネチジン一硫酸塩を緩衝化することが可能である。
図20Bで示されるような滴定実験は、どのようにグアネチジン一硫酸塩を水酸化ナトリウムで緩衝化して、脱神経が成功した研究で使用されるグアネチジンヘミサルフェートと同じpHを達成することができるかを示す。このグアネチジン一硫酸塩のアルカリ性に緩衝化した形態を使用して、そのような神経の周りの組織にそのような組成物を送達することにより神経を脱神経させることができる。そのような送達は、例えば本明細書に記載されたデバイスを使用して経管的になされてもよいし、または別の方法で脱神経しようとする神経(または複数の神経)の周りの組織に送達してもよい。グアネチジン効果は、pH依存性であり、pHが高いほど神経毒性が増加する。中性pHのグアネチジンは、神経をブロックすることができるが、脱神経はしない。グアネチジン(緩衝化した一硫酸塩またはヘミ硫酸塩のどちらでも)の局所pHの上昇は、神経を破壊し周辺組織を温存する。したがって、グアネチジンヘミサルフェートを含む組成物、または高いpHを有する緩衝化したグアネチジン一硫酸塩を代わりに含む組成物は、脱神経において効果的であり、加えて安全である。この効果は、その薬物の局部または全身性の作用なしで正確な局所の脱神経を可能にする。
【0199】
水性一硫酸塩の形態は、グアネチジン1分子あたり2つの遊離の水素イオンを有する(遊離の水素は、分かれてSO
42−および2H
+になる硫酸塩分子に由来する)。しかしながら、ヘミ硫酸塩の水性形態は、グアネチジン1分子あたり1つの遊離の水素イオンのみを有する。このため、一硫酸塩の水溶液では主として二重プロトン化形態(したがって酸性pH)が生じるが、ヘミ硫酸塩では主として単一プロトン化形態(したがってアルカリ性pH)が生じる。その水溶液から水素イオンを除去すると、より高いpHが生じ、グアネチジンへのプロトン化が少なくなる。
【0200】
図18A〜18Dは、
図18Dのグアネチジン一硫酸塩と
図18Cのグアネチジンヘミサルフェートとの間の差を表し、一硫酸塩の形態は、水溶液中でより低いpHを有し、特定の前臨床試験では不確定または無効な結果を有することが見出され、ヘミ硫酸塩の形態は、水溶液中でより高いpHを有し、特定の前臨床試験では肯定的な前臨床の結果を有することが見出された。
【0201】
図20Aは、緩衝化して、例えば溶液中の同じ濃度のグアネチジン分子をもたらすグアネチジンヘミサルフェートと等しいpHレベルまでpHを高めた、グアネチジン一硫酸塩の一実施形態の組成を表す。
図20Bは、グアネチジンヘミサルフェートのpHに達することが可能なグアネチジン一硫酸塩の緩衝化を表す。NaOHで緩衝化したグアネチジン一硫酸塩(イスメリン)の10mg/mLのデータは、菱形のマーカーを有する破線(チャート左下から始まる)のデータで示され、17%のisoVUE370を含む、NaOHで緩衝化したグアネチジン一硫酸塩(イスメリン)の10mg/mLのデータは、四角形のマーカーを有する実線のデータ(チャート左下のx軸の−0.0においての約6.3pHから始まる)で示され、0.9%食塩水中の、NaOHで緩衝化した10mg/mLのグアネチジンヘミサルフェートは、三角形のマーカーと、x軸の1.0においての10を超えるpHから始まる破線とで示され、17%のIsoVUE370中の、NaOHで緩衝化した10mg/mLのグアネチジンヘミサルフェートは、丸のマーカーと、x軸の0.0においての約9.3のpHから始まる実線とで示される。
【0202】
このチャートにおいて、x軸は、グアネチジン一硫酸塩(2つの[H+]プロトン毎に1つの[Gnt]分子を有することが示される)またはグアネチジンヘミサルフェート(1つの[H+]プロトン毎に1つの[Gnt]分子を有することが示される)のいずれかへのバッファー[OH−]分子またはグアネチジン[Gnt]分子の付加を示す。このチャートにおいて、基準のグアネチジンヘミサルフェート(緩衝化していない)は、各[Gnt][H+][H+]に正確に1つの付加した[Gnt]を有し[OH−]イオンを有さないため、x軸上で1.0の値で存在するが、追加の[Gnt]分子も[OH−]イオンも有さない基準のグアネチジン一硫酸塩(緩衝化していない)は、0.0の値で存在する。バッファー(この場合はNaOH)が添加されると、プロトンは、[Gnt]分子から分離して、[Gnt]を脱プロトン化し、組織へと送達すると神経破壊を引き起こすその能力を高める可能性が高い。グアネチジン一硫酸塩組成物が、同じ濃度のグアネチジンヘミサルフェートと溶液中で同じpHに達するためには、等モルのNaOH添加(または公知のバッファーによる同等の緩衝化)を必要とする。続いて等モルの緩衝化したグアネチジン一硫酸塩またはグアネチジンヘミサルフェートのいずれかをさらに緩衝化して、溶液のpHをさらに高めることができる。本組成物に総体積の17%の比率で造影剤(一例としてIsoVUE370)を添加すると、
図20Bの1.0よりも高い緩衝化レベルでpHが低下し、広範囲なバッファーの変動(例えばx軸において1.0〜2.0の間)にわたり9〜10の間の安定なpHをもたらす。
【0203】
緩衝化したグアネチジン一硫酸塩の特定の実施形態は、造影剤添加前では10〜10.5のpHを有し、17%の体積を造影剤で置き換えた後は、9〜9.5のpHを有する。緩衝化したグアネチジン一硫酸塩は、0.7%〜0.90%のNaCl溶液中の、40.5mM溶液である12mg/mLのグアネチジン一硫酸塩(Gnt・H
2SO
4)および等モル量のNaOH(40.5mM、または1.6mg/mL)からなる。IsoVUE370で17%希釈することにより、10mg/mLのGnt・H
2SO
4、0.72%のNaCl、1.35mg/mLのNaOH、および17%のIsoVUE370を含み、9〜9.5のpHを有する最終組成物が作製される。この組成物は、一例として提供されたものであり、限定することを意図しない。