(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直列及び/又は並列に互いに接続されている多数の個別セル(1)と、電気的接続のために嵌合い接合及び/又は一体接合によってセルコネクタ(4)と接続されている該個別セルの電極(1.2、1.3)と、前記セルコネクタ(4)と嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続されているバッテリモニタユニット(10)とを備えるバッテリであって、
前記個別セル(1)の前記電極(1.2、1.3)及び前記バッテリモニタユニット(10)は、それぞれ、嵌合い接合及び/又は一体接合のための複数の接触部分(K1、K2)を有し、それぞれ、前記複数の接触部分(K1、K2)の1つだけが嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続されていることを特徴とする、バッテリ。
前記それぞれのトング形部分(1.2.1〜1.2.3及び1.3.1〜1.3.3ならびに1.2.4〜1.2.6及び1.3.4〜1.3.6)が、予め決められた破断箇所を有することを特徴とする、請求項3に記載のバッテリ。
前記多数の個別セル(1)と、前記個別セルの電極(1.2、1.3)と、前記バッテリモニタユニット(10)とを構成部品として備える請求項1〜8のいずれか一項に記載のバッテリのメンテナンス、修理及び/又は最適化方法であって、
構成部品を交換するために、前記交換しない構成部品の前記接触部分(K1、K2)であって、前記交換する構成部品と前記交換しない構成部品とを電気的に互いに接触させている前記接触部分の嵌合い接合及び/又は一体接合による接続を、破壊によって切り離し、交換部品を、前記破壊された接触部分(K1、K2)とは別の接触部分(K1、K2)と嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続することを特徴とする、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、電気的に互いに接続されている多数の個別セルを備える、従来技術に比べ改善されたバッテリ及びそのようなバッテリのメンテナンス、修理及び/又は最適化方法を提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明に基づき、バッテリに関しては請求項1に記載の特徴によって解決され、方法に関しては請求項9に記載の特徴によって解決される。
【0005】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0006】
バッテリは、直列及び/又は並列に互いに接続されている多数の個別セルとバッテリモニタユニットとを備え、個別セルの電極は、電気的接続のために直接に、又はセルコネクタを用いて
嵌合い接合及び/又は一体接合によって相互に接続されており、バッテリモニタユニットは、電極及び/又はセルコネクタと
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続されている。本発明に基づき、個別セルの電極、隣接する個別セルを電気的に接続するためのセルコネクタ及び/又はバッテリモニタユニットは、それぞれ、
嵌合い接合及び/又は一体接合のための余分な接触部分を有し、その際、それぞれ、互いに余分な接触部分の1つだけが
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続されている。
【0007】
構成部品としての電極、セルコネクタ及び/又はバッテリモニタユニットが、互いに余分な接触部分を有していることにより、構成部品を
嵌合い接合及び/又は一体接合によって互いに接続している接触部分が破壊されても、それぞれの構成部品をもう一度
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続することが可能となるのはとくに有利である。互いに余分な接触部分を使って、例えば、修理、メンテナンス及び/又は交換のために、
嵌合い接合及び/又は一体接合による接続の接触部分を破壊することによってバッテリの構成部品を取り外し、取り外した構成部品又は交換部品を配置し、破壊した接触部分の余分な接触部分を使って
嵌合い接合及び/又は一体接合で接続することが実現可能となる。
【0008】
さらに、互いに余分な接触部分があることにより、初期組立て時にバッテリの構成部品間で接合を行った際に、その接合が不十分な品質を有していることが確認できた場合には、構成部品を
嵌合い接合及び/又は一体接合で接続するためのもう1つの接触部分を活用できるため、1つ又は複数の構成部品を交換する必要がなくなる。このことによって、バッテリ製造の費用及び時間を有利に縮小することができる。
【0009】
とくに好ましくは、それぞれの余分な接触部分が独立して及び/又は分離可能に形成されているため、
嵌合い接合及び/又は一体接合の破壊によって使用できなくなった接触部分を取り除くことができる。そのために、接触部分は、多くの費用をかけることなく、及び/又は操作に手間のかかるツールを使用しないで取り除くことができるように、独立して及び/又は分離可能に形成されている。
【0010】
可能な実施形態では、個別セルのそれぞれの電極が、互いに余分な複数の接触部分を有しており、これらの接触部分は、トング形部分として形成されている。この場合、個別セルのそれぞれの電極のトング形部分は、有利には、隣接する個別セルの電極に一体接合で電極を固定するため、又はセルコネクタに一体接合で電極を固定するための溶接ポイントを形成する。
【0011】
有利には、損傷によって使用できなくなった、トング形部分として形成されている接触部分を、比較的簡単に取り除くことができるようにするため、とくに好ましくは、それぞれのトング形部分が予め決められた破断箇所を有し、それによって、新たな
嵌合い接合及び/又は一体接合による接続前に、接触部分として使用できなくなったトング形部分を取り除くことができる。
【0012】
有利な実施形態では、個別セルのそれぞれの電極が、互いに余分な接触部分を少なくとも2つ並べて形成されるような幅を有しており、このとき、それぞれ1つの接触部分には、セルコネクタを
嵌合い接合及び/又は一体接合によって固定することができる。2つの互いに余分な接触部分を形成することによって、個別セルは2度、もう1つの構成部品と
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続可能である。つまり、バッテリを製造する際には、接触部分を使って、個別セルのそれぞれの電極をもう1つのバッテリ構成部品と
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続することができ、この接触部分が、接続の破壊によって使用できなくなった場合には、もう1つの接触部分を使用して、個別セルを
嵌合い接合及び/又は一体接合によって、とくにセルコネクタと接続することが可能である。
【0013】
好ましくは、さらに、隣接する個別セルを電気的に互いに接続できるそれぞれのセルコネクタが、予め決められた破断箇所を有するようになっている。予め決められた破断箇所は、有利には、セルコネクタを溶接している個別セルの電極から個別セルを取り外すために、セルコネクタを切り離して、個別セルを取り外せることができるようにする。
【0014】
代替的に又は追加的には、セルコネクタが、予め決められた脆性を有する材料から形成されており、それによって、予め決められた力を作用させるとセルコネクタを分離できるため、例えば、セルコネクタが
嵌合い接合及び/又は一体接合によって固定されている個別セルの取外しが可能となる。
【0015】
もう1つの有利な実施形態では、バッテリモニタユニットに配置されている接続エレメントが、セルコネクタ及び/又は個別セルの電極と接続するために、少なくとも2つの並列に配置されている互いに余分な接触部分を有しており、これらの接触部分は、予め決められた破断箇所によって互いに分離されている。これにより、有利には、バッテリモニタユニットを電極及び/又はセルコネクタから切り離し、もう1つの接触部分は、個別セルの電極及び/又はセルコネクタへの新たな
嵌合い接合及び/又は一体接合のために利用することが可能となる。
【0016】
好ましくは、互いに余分な接触部分を、比較的コストの高い構成部品に形成することにより、これらの構成部品を
嵌合い接合及び/又は一体接合によって何度もその他の構成部品に接続することができる。
【0017】
さらに、本発明は、直列及び/又は並列に互いに接続されている多数の個別セルとバッテリモニタユニットとを構成部品として備えるバッテリのメンテナンス、修理及び/又は最適化方法に関し、個別セルの電極は、電気的接続のために直接又はセルコネクタを用いて
嵌合い接合及び/又は一体接合によって相互に接続されており、バッテリモニタユニットは、電極及び/又はセルコネクタと
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続されている。本発明に基づき、構成部品を交換するために、交換しない構成部品の接触部分であって、交換する構成部品及び交換しない構成部品を電気的に互いに接触させている接触部分の
嵌合い接合及び/又は一体接合による接続を、破壊によって切り離し、交換部品を、破壊された接触部分の余分な接触部分と
嵌合い接合及び/又は一体接合によって接続する。さらに、2つの接触部分の不良な
嵌合い接合及び/又は一体接合による接続は、そのための余分な2つの接触部分の
嵌合い接合及び/又は一体接合による接続によって代替又は補足される。
【0018】
この場合、交換部品は、溶接、トックス接合、クリンチ接合、圧着及び/又はリベットを用いて
嵌合い接合及び/又は一体接合で余分な接触部分と接続される。
【0019】
本発明の実施例を、図に基づいて以下に詳しく説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
互いに対応する部品は、全ての図の中で同一の記号が付されている。
【0022】
図1及び2には、ポーチセルとして実施された多数の個別セル1から形成されているセル結合体2を示している。この場合、少なくとも1つの個別セル1は、とくに
図2、3及び4において詳細に示されている。
【0023】
セル結合体2はバッテリの構成部品であり、このバッテリは、とくに電気車両、ハイブリッド車両又は燃料電池で駆動される車両の車両用バッテリである。この場合、このバッテリは、そのような車両のトラクションバッテリである。
【0024】
セル結合体を形成している個別セル1はポーチセルであり、すなわち、個別セル1はプラスチックカバー1.1を有し、このプラスチックカバーの中には、電極箔構造3が電極箔スタック又は電極箔コイルの形で配置されている。それぞれの電極箔構造は、コーティングされたアノード箔とカソード箔を電極箔として有しており、これらはセパレータ箔によって互いに分離されている。
【0025】
電極箔構造3のエッジ部分では、1つの極性をもつ電極箔が部分的に電極箔構造3から引き出されており、極接点3.1として互いに接続されている。それぞれの極接点3.1は、電極1.2、1.3を形成するために、シートメタル部品と共にプラスチックカバー1.1から引き出されている。
【0026】
セル結合体2の個別セル1は、電気的に相互に直列接続されており、このために個別セル1の電極1.2、1.3は、それぞれ1つのセルコネクタ4によって、隣接する個別セル1の電極1.2、1.3と接続されている。それぞれの個別セル1の電極1.2、1.3は、超音波溶接によってセルコネクタ4と接続されており、
図3、4及び5には、一体接合による接続に用いる超音波溶接ツール5が詳しく示されている。
【0027】
本発明に基づき、個別セルのそれぞれの電極1.2、1.3は、多数の接触部分K1、K2を有しており、これらは互いに余分な接触部分である。この場合、接触部分K1、K2は、トング形部分1.2.1〜1.2.6及び1.3.1〜1.3.6として、互いに独立して形成され、それぞれの電極1.2、1.3に接して形成されている。
図3及び4に詳しく示されているように、第1の接触部分K1には、3つのトング形部分1.2.1.〜1.2.3及び1.3.1〜1.3.3.が割り当てられ、第2の接触部分K2には、別の3つのトング形部分1.2.4〜1.2.6及び1.3.4〜1.3.6が割り当てられている。
【0028】
セルコネクタ4は、ホルダフレーム6に配置されているか、又は形成されており、それぞれ1つの個別セル1が、ホルダフレーム6の側面に配置され、また隣接する個別セル1の電極1.2、1.3は、セルコネクタ4によって電気的に互いに接続されている。好ましくは、ホルダフレーム6はプラスチックから作られている。
【0029】
図14に示されている導熱板7を使ってセル結合体2を温度調節するように設けられている場合は、セルコネクタ4が、個別セル1と導熱板7との間の接続点となる。セルコネクタ4が、一体接合によってそれぞれの個別セル1の電極1.2、1.3と接続されていることにより、セルコネクタ4はセル内部に熱を伝えるため、セルコネクタ4は補助的に熱伝導エレメントとしても働く。セルコネクタ4と導熱板7との間には、セルコネクタ4に対して導熱板7を電気的に絶縁するための熱伝導シート(詳細に図示されていない)が配置されている。
【0030】
セル結合体2を軸方向に圧迫するため、緊締ロッド8が設けられており、これは、セル結合体2の正面に配置されているプレッシャプレート9及びそれぞれのホルダフレーム6のコーナ部分にある開口部を通過している。
【0031】
図3には、両側でホルダフレーム6に配置されている2つの個別セル1の斜視図が示されている。さらに
図3には超音波溶接ツール5も示されており、このツールにより、電極1.2、1.3は接触部分K1、K2を使ってセルコネクタ4と接続可能である。
【0032】
この超音波溶接ツール5は、可動ソノトロード5.1及び固定アンビル5.2を有し、
図5において、超音波溶接ツール5による一体接合の工程が詳しく示されている。
【0033】
個別セル1を製造する場合、電極1.2、1.3は、これらの電極が、それぞれのトング形部分1.2.1〜1.2.3及び1.3.1〜1.3.3ならびに1.2.4〜1.2.6及び1.3.4.〜1.3.6の形で、2つの接触部分K1、K2に分かれているように形成される。
【0034】
それぞれの個別セル1がセル結合体2の構成部品である場合、
図8に詳しく示されているように、個別セル1のそれぞれの電極1.2、1.3は、第1の接触部分K1であるそれぞれ3つのトング形部分1.2.1〜1.2.3及び1.3.1〜1.3.3によって、セルコネクタ4と一体接合によって接続される。好ましくは、両方のトング形部分1.2.1〜1.2.6及び1.3.1.〜1.3.6が、一体接合による接続のための溶接点を形成する。
【0035】
図4は、ホルダフレーム6、2つの個別セル1、第1の電極1.2に配置されているセルコネクタ4及び超音波溶接ツール5の展開図を示し、
図5は、接触部分K1、K2とセルコネクタ4とを一体接合で接続する場合の、2つの個別セル1の上方部分の断面図を示している。セルコネクタ4は、ホルダフレーム6の上に載せられ、第1の接触部分K1であるトング形部分1.2.1〜1.2.3によって第1の電極1.2と接続される。
【0036】
上述したように、超音波溶接ツール5は高周波で動くソノトロード5.1と固定アンビル5.2から成り、このとき、一体接合による接続のために、個別セル1の第1の電極1.2の第1の接触部分K1のトング形部分1.2.1〜1.2.3と、第2の電極1.3のトング形部分1.3.1〜1.3.3と、ホルダフレーム6上方のソノトロード5.1とアンビル5.2との間にセルコネクタ4とが配置されている。このために、ソノトロード5.1は、セルコネクタ4のポケットの中に挿入することができ、このセルコネクタを一体接合によって第2の電極1.2の第1のトング形部分1.3.1と接続し、これによって溶接接続が形成されている。
【0037】
図6及び7は、ポーチセルとして実施されている個別セル1の第1の電極1.2の外観をそれぞれ示している。
【0038】
第1の電極1.2は、2つの接触部分K1、K2に分かれており、6つのトング形部分が接触部分として設けられている。
【0039】
この場合、1番目、4番目及び7番目のトング形部分1.2.1〜1.2.3は、個別セル1の第1の電極1.2の第1の接触部分K1を形成し、2番目、5番目及び8番目のトング形部分1.2.4〜1.2.6は第2の接触部分K2を形成している。
【0040】
図8及び9に詳しく示されているように、第1の電極1.2の接触部分K1、K2のトング形部分1.2.1〜1.2.6の間に形成されている部分は、セルコネクタ4のウェブ(Stegen)に接触し、さらなる接触部分にはならない。
【0041】
図8及び9は、第1の電極1.2を拡大した部分をそれぞれ示しており、第1の電極は、その第1の接触部分K1によってセルコネクタ4と一体接合によって接続されている。
【0042】
セル結合体2を分解する場合、第1の接触部分K1の一体接合による接合は破壊してのみ切り離すことができ、このことから、第1の接触部分K1のトング形部分1.2.1〜1.2.3及び1.3.1〜1.3.3は、再度接合プロセスを行うために、例えば変形、亀裂及び/又は粉砕などによって使用不能になる。
【0043】
好ましくは、第1の接触部分K1のトング形部分1.2.1〜1.2.3及び1.3.1〜1.3.3が予め決められた破断箇所(詳しく図示されていない)を有しているため、第1の接触部分K1を個別セル1の第1の電極1.2から取り除くことができる。
【0044】
図10及び11には、第1の接触部分K1を取り除いた個別セル1の第1の電極1.2が示されている。
【0045】
1番目、4番目、7番目のトング形部分1.2.1〜1.2.3を備える第1の接触部分K1は、予め決められた破断箇所の破砕によって個別セル1の第1の電極1.2から取り除かれている。
【0046】
図12及び13に詳しく示されているように、個別セル1を再び、セルコネクタ4によって隣接する個別セル1と電気的に接続するために、電極1.2、1.3の第2の接触部分K2がセルコネクタ4と接続される。
【0047】
図14及び15は、双極性フラットセルとして実施されている個別セル1で形成されているセル結合体2をそれぞれ示している。
図14はセル結合体2の斜視図であり、
図15も同様に、一部を展開した場合の斜視図である。
【0048】
セル結合体2には底面に導熱板7を配置し、この導熱板を使って、個別セル1の充電及び放電時に発生する損失熱を逃がすことができる。導熱板7は、詳しく図示されていないチャンネル構造を有しており、このチャンネル構造を冷却液又は温度調節媒体が流れるようになっているため、導熱板7に伝わる損失熱を効率的に逃がすることができる。このために、チャンネル構造は、入口開口部7.1及び出口開口部7.2を有している。
【0049】
個別セル1として双極性フレームフラットセルを用いて形成したセル結合体2は、
図1及び2によるセル結合体2と同様に、正面に配置したプレッシャプレート9と緊締ロッド8とによって軸方向に張着される。
【0050】
図16に図示されている双極性フレームフラットセルの形の個別セル1は、金属製ハウジングを有しており、このハウジングは、2枚のカバーパネル1.4、1.5と、その間にある電気絶縁フレーム1.6とから形成されている。そのために、フレーム1.6はプラスチックから作られている。
【0051】
本実施例では、カバーパネル1.4、1.5が平面的に実施されているが、カバーパネル1.4、1.5の少なくとも1つは、シェル型のカバーパネルとして形成することもできる。
【0052】
ハウジング内には、同様に、電極箔コイル又は電極箔スタックの形の電極箔構造3が配置されており、それぞれ1つの電極箔構造3の極接点3.1がカバーパネル1.4、1.5と接続されているため、カバーパネル1.4、1.5に電圧が通り、従って、これらのカバーパネルは個別セル1のそれぞれの1つの電極1.2、1.3を形成する。これに加え、それぞれの個別セル1のカバーパネル1.4、1.5は熱伝導プレートとしても用いられる。
【0053】
第1のカバーパネル1.4の上部には2つのフラッグ型延長部1.4.1、1.4.2が形成され、第2のカバーパネル1.5には2つのフラッグ形延長部1.5.1、1.5.2が形成され、それぞれ1つのフラッグ形延長部1.4.1、1.4.2、1.5.1、1.5.2は、個別セル1を直列に電気的に接続するため、隣接する個別セル1のフラッグ形延長部1.4.1、1.4.2.1.5.1、1.5.2と、例えば超音波溶接などによって一体接合で接続されている。
【0054】
本発明に基づき、それぞれのフラッグ形延長部1.4.1、1.4.2、1.5.1、1.5.2は、一体接合のための溶接トングとして、2つのトング形部分1.4.1.1、1.4.1.2、1.4.2.1、1.4.2.2、1.5.1.1、1.5.1.2、1.5.2.1、1.5.2.2に分かれているため、フラッグ形延長部1.4.1、1.4.2に関して、電気的接続のための2つの接触部分K1、K2が形成されている。
【0055】
これらのそれぞれ2つのトング形部分1.4.1.1、1.4.1.2、1.4.2.1、1.4.2.2、1.5.1.1、1.5.1.2、1.5.2.1、1.5.2.2も、詳しく図示されていない予め決められた破断箇所を有している。
【0056】
図17には、双極性フレームフラットセルの形の、電気的に直列に相互接続されている個別セル1を拡大した部分の斜視図が示されている。
【0057】
セル結合体2を形成するため、第1の接触部分K1に割り当てられている、個別セル1の電極1.2、1.3であるカバーパネル1.4、1.5のフラッグ形延長部1.4.1.1、1.4.2.1、1.5.1.1、1.5.2.1は、隣接する個別セル1の第1の接触部分K1と一体接合によって接続されている。
【0058】
例えばメンテナンス及び/又は修理のために、セル結合体2を分解する場合は、
図18の個別セル1の例で示されているように、力を作用させて予め決められた破断箇所を壊し、第1の接触部分K1のトング形部分1.4.1.1、1.4.2.1、1.5.1.1、1.5.2.1を切断することにより、隣接する個別セル1の第1の接触部分K1間の一体接合を切り離す。
【0059】
図19に詳しく示されているように、セル結合体2を再度組み立てる場合は、隣接する個別セル1を電気的に接続するため、第2の接触部分K2のカバーパネル1.4、1.5のフラッグ形延長部1.4.1、1.4.2、1.5.1、1.5.2のトング形部分1.4.1.2、1.4.2.2、1.5.1.2、1.5.2.2を、超音波溶接を用いて一体接合によって互いに接続する。
【0060】
図20及び21には、金属製ハウジングを備える個別セル1から作られているセル結合体が示されている。
図20では、セル結合体2が斜視図で示され、
図21では上から見た図で示されている。
【0061】
個別セル1の電極1.2、1.3は、個別セル1の上面、すなわちセルカバー1.7に形成又は配置されている。
【0062】
電気的接続のために、隣り合う個別セル1の電極1.2、1.3はセルコネクタ4によって接続され、このとき、セルコネクタ4は、溶接を用いて、詳細にはオーバーラップ法でのレーザー溶接を用いて、個別セル1の電極1.2、1.3に一体接合により固定されている。このために、セルコネクタ4には、とくにレーザーシームを施すためのマークが取付け補助として付けられている。
【0063】
個別セル1の電極1.2、1.3は、これらが、並べて配置されている互いに余分な2つの接触部分K1、K2を有するように形成されている。つまり、個別セル1の電極1.2、1.3は、それぞれの電極1.2、1.3にセルコネクタ4を2つ並べて配置できるような幅を有している。
【0064】
セルコネクタ4は、ウェブ状(stegformig)に形成され、隣接する個別セル1を電気的に接続するために個別セル1の長手方向に対して垂直に配置されている。この場合、セルコネクタ4は予め決められた破断箇所(詳しく図示されていない)を有しており、このとき、セルコネクタ4は、代替又は追加的に、予め決められた脆性を有する材料から作られている。
【0065】
セル結合体2を製造する場合、セルコネクタ4は、隣接する個別セル1の電極1.2、1.3の第1の接触部分K1に固定される。
【0066】
個別セル1をセル結合体2から取り外す場合、個別セル1の電極1.2、1.3の第1の接触部分K1に一体接合によって固定されているセルコネクタ4は、例えば予め決められた破断箇所で切り外される。この場合、予め決められた破断箇所はセルコネクタ4の付近に形成されており、セルコネクタは隣接する個別セル1の電極1.2、1.3の間に配置されている。
【0067】
該当する個別セル1のセルコネクタ4は取り外されるが、このとき、セルコネクタ4の破片4.1は、交換する個別セル1又は隣接する個別セル1の電極1.2、1.3の第1の接触部分K1に残っている。
【0068】
図22及び23に示されているように、代わりの個別セル1は、セル結合体2内の空いている位置に配置されるが、このとき、新しいセルコネクタ4は、個別セル1と隣接する個別セル1とを電気的に接続するため、該当する個別セル1の電極1.2、1.3の第2の接触部分K2に一体接合によって固定される。
【0069】
この場合、
図22は、交換済みの個別セル1であって、第2の接触部分K2を使って電気的に接続した個別セル1を備えるセル結合体2の斜視図を示し、
図23はそのセル結合体2を上から見た図である。
【0070】
個別セル1を取り外すためにセルコネクタ4を切り離し、破片4.1は電極1.2、1.3の第1の接触部分K1に残ることにより、個別セル1の比較的壊れやすい電極1.2、1.3の損傷を大幅に排除することができる。
【0071】
図24には、ポーチセルとして形成されている個別セル1を備えるセル結合体2及びバッテリモニタユニット10を展開した斜視図が示され、
図25では、バッテリモニタユニット10が個別の構成部品として示されている。
【0072】
バッテリモニタユニット10は、ハウジング内に配置されているエレクトロニクスを有しており、このバッテリモニタユニット10は、セル電圧測定及びセル結合体2の個別セル1間の充電状態の均等化に用いられる。このために、バッテリモニタユニット10は、直接又は間接的にセル結合体2のそれぞれの個別セル1と連結している。
【0073】
バッテリモニタユニット10は、セル結合体2の上面に関して、長手方向の中心に配置され、接続エレメント10.1によって個別セル1と接続される。このために、バッテリモニタユニット10は、設定可能な数のウェブ状の接続エレメント10.1を有しており、バッテリモニタユニット10のそれぞれの側面には、多数の接続エレメント10.1が配置又は形成されている。
【0074】
この場合、バッテリモニタユニット10の接続エレメント10.1の1つが、例えば2つの隣接する個別セル1に割り当てられており、それぞれの接続エレメント10.1は、スポット溶接によってセルコネクタ4に一体接合で固定されている。さらに、バッテリモニタユニット10は、これに形成又は配置されているフランジ10.2によって、セル結合体2を終了しているプレッシャプレート9にボルト11で固定することができる。
【0075】
接続エレメント10.1は、それぞれ2つの接触部分K1、K2を有し、これらの接触部分は、それぞれの接続エレメント10.1の中に取り付けられている予め決められた破断箇所Sによって互いに分離されている。この場合、予め決められた破断箇所Sは、それぞれの接続エレメント10.1の長手方向に対して垂直に通っている。
【0076】
バッテリモニタユニット10を配置する場合、
図26及び27に詳しく示されているように、接続エレメント10.1を、それらの第1の接触部分K1を使ってセルコネクタ4に一体接合で固定する。スポット溶接によって一体接合で固定するため、
図27及び30では電極11が使用され、そのとき、溶接電流のリターンは、詳しく図示されていない第2の電極を介して行われる。
【0077】
セルコネクタ4には、接続エレメント10.1の接触部分K1、K2に割り当てられている部分に、
図24に示されているそれぞれ2つの突起状の凸部4.2が、セルコネクタ4と接続エレメント10.1との間に規定の電流経路を設定するための溶接ポイントとして形成されている。それぞれ2つの突起状の凸部4.2は、セルコネクタ4の長手方向に関して連続して配置されているため、一方の突起状の凸部4.2は、セル結合体2に関してもう1つの突起状の凸部4.2よりも外側に形成されている。
【0078】
この場合、それぞれの接続エレメント10.1の第1の接触部分K1は、セル結合体2にバッテリモニタユニット10を取付ける場合、一方の突起状の凸部4.2に一体接合で固定されている。
【0079】
これと代替的には、突起状の凸部4.2が接続エレメント10.1に形成されている。
【0080】
バッテリモニタユニット10を取り外すために、接続エレメント10.1の接触部分K1、K2を分離している予め決められた破断箇所Sが例えば支持クランプによって壊され、第1の接触部分Kが接続エレメント10.1から取り除かれることから、
図28に示されているように、接続エレメント10.1は第2の接触部分K2だけを有することになる。接続エレメント10.1の第1の接触部分K1は、それぞれのセルコネクタ4から取り除くのが好ましい。
【0081】
バッテリモニタユニット10を、例えば修理の後で再度セルコネクタ4に配置する場合、
図29に示されているように、セルコネクタ4に一体接合で固定するには、接続エレメント10.1の第2の接触部分K2を使用する。
【0082】
それぞれ第1の接触部分K1の部分には、セルコネクタ4の溶接ポイントである突起状の凸部4.2の残留物が残っている。
【0083】
従って、新しいバッテリモニタユニット10をセル結合体2に配置する場合は、接続エレメント10.1を、その第1の接触部分K1を使って内側にあるもう1つの突起状凸部4.2に一体接合で固定する。
【0084】
図30には、電極11を使って実施する一体接合によって、バッテリモニタユニット10の接続エレメント10.1の第2の接触部分K2とセルコネクタ4とを固定する場合の拡大図が示されている。