【実施例】
【0013】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)75.0kg、高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)25.0kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物1を製造した。
(実施例2)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)62.5kg、高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)37.5kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物2を製造した。
(実施例3)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)50.0kg、高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)50.0kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物3を製造した。
(実施例4)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)37.5kg、高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)62.5kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物4を製造した。
上記実施例1〜4にて製造した各液状甘味料組成物について原料の糖組成を測定し、それぞれ配合比から求められた組成(%)、果糖、ぶどう糖、果糖及びぶどう糖以外の還元糖の割合、水分(重量%)を表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
(実施例5)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)78.652kg、結晶果糖(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)16.123kg、精製水5.225kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物5を製造した。
(実施例6)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)67.416kg、結晶果糖(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)24.609kg、精製水7.975kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物6を製造した。
(実施例7)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)56.180kg、結晶果糖(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)33.094kg、精製水10.726kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物7を製造した。
(実施例8)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)44.944kg、結晶果糖(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)41.580kg、精製水13.476kgを攪拌混合し、液状甘味料組成物8を製造した。
上記実施例5〜8にて製造した各液状甘味料組成物について原料の糖組成を測定し、それぞれ配合比から求められた組成(%)、果糖、ぶどう糖、果糖及びぶどう糖以外の還元糖の割合、水分(重量%)を表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】
(実施例9−12)
上記実施例1−4と同様に製造した液状甘味料組成物1−4をそれぞれ26.49gと精製水173.51gを混合し、固形分として10%含む水溶液を表3に示した混合割合で処方した。
【0018】
<比較試験1>
実施例9−12にて処方した水溶液と、次の比較例1〜3として処方した水溶液について官能評価を行い、甘味質、キレ等を比較した。また、グラニュー糖(砂糖)と比較した場合のコストメリットについても評価した。
(比較例1)
グラニュー糖(株式会社パールエース製)20.01gと精製水179.99gを混合し、固形分として10%含む水溶液を表3に示した混合割合で処方した。
(比較例2)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)26.49gと精製水173.51gを混合し、固形分として10%含む水溶液を表3に示した混合割合で処方した。
(比較例3)
高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)26.49gと精製水173.51gを混合し、固形分として10%含む水溶液を表3に示した混合割合で処方した。
【0019】
<官能評価>
パネラー5名で次の1〜4の評価項目について、それぞれ比較例1のグラニュー糖を含む水溶液に近ければ「0」、比較例3の高果糖液糖を含む水溶液に近ければ「5」として、0、1、2、3、4、5点のいずれかの点数を与え、5名の平均点が、1点未満であれば「−」、1点以上2点未満であれば「×」、2点以上3点未満であれば「△」、3点以上4点未満であれば「○」、4点以上であれば「◎」と評価した。
【0020】
<評価項目>
1.甘味の発現の早さ:0(遅い:砂糖)〜5(早い:高果糖液糖)
2.甘味トップの高さ:0(低い:砂糖)〜5(高い:高果糖液糖)
3.甘味トップの幅:0(広い:砂糖)〜5(狭い:高果糖液糖)
4.キレ:0(悪い:砂糖)〜5(良い:高果糖液糖)
【0021】
<コストメリットの評価>
グラニュー糖を1とした場合、高果糖液糖は0.8〜0.95で、異性化糖(果糖分70%)は0.7〜0.85、異性化糖(果糖分55%)は0.65〜0.8であるとし、原料の配合割合に応じて、より安価でコストメリットが大きいものを「◎」(非常に大きい)とし、以下「○」(大きい)、「△」(やや大きい)、「×」(小さい)として評価した。
【0022】
【表3】
【0023】
その結果、表3に示したように、比較例1のグラニュー糖を含む水溶液は、1.甘味の発現の早さが遅く、2.甘味トップの高さが低く、3.甘味トップの幅が広く、4.キレが悪く、清涼感を感じにくかった。
比較例2の果糖ぶどう糖液糖を含む水溶液は、1.甘味の発現の早さ、4.キレともに比較例1より良く、清涼感をやや感じやすかった。
比較例3の高果糖液糖を含む水溶液は、比較例1や比較例2の水溶液より、1.甘味の発現の早さが早く、2.甘味トップの高さも高く、3.甘味トップの幅も狭く、また4.キレも非常に良く、清涼感を強く感じた。ただ、比較例1や比較例2の水溶液より甘味トップの幅が狭いため、ややボディ感・飲み応えに欠ける傾向があった。
【0024】
実施例9の水溶液は、1.甘味の発現の早さが比較例1のグラニュー糖を含む水溶液より良く、3.甘味トップの幅が広く、4.キレも良い為、清涼感と飲み応えを感じた。しかし、2.甘味のトップが低く、甘さが物足りなくも感じた。また、グラニュー糖とのコストメリットが大きかった。
実施例10の水溶液は、1.甘味の発現の早さや、4.キレが比較例3の高果糖液糖を含む水溶液に近く、2.甘味トップの高さも実施例9の水溶液より高く、清涼感を強く感じた。また、3.甘味トップに幅がややあるため、比較例3の水溶液よりややボディ感を感じた。グラニュー糖とのコストメリットは、実施例9の水溶液よりやや低いものの十分なコストメリットがあった。
実施例11の水溶液は、1.甘味の発現の早さや、2.甘味トップの高さは比較例3の水溶液と同様の傾向があるが、4.キレが悪く不満足であった。
実施例12の水溶液は、1.甘味の発現の早さ、2.甘味トップの高さ、3.甘味トップの幅ともに実施例9より良く、清涼感を感じた。また、グラニュー糖とのコストメリットは、実施例9−11の水溶液より低いものであった。
【0025】
(実施例13−16)
上記実施例5−8と同様に製造した液状甘味料組成物5−8をそれぞれ26.49gと精製水173.51gを混合し、固形分として10%含む水溶液を表4に示した混合割合で処方した。
【0026】
<比較試験2>
実施例13−16にて処方した水溶液と、上記の比較例1、2及び次の比較例4として処方した水溶液について、比較試験1と同様に官能評価を行い、甘味質、キレ等を比較した。
(比較例4)
結晶果糖液(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)20.01gと精製水179.99gを混合し、固形分として10%含む水溶液を表4に示した混合割合で処方した。
【0027】
【表4】
【0028】
その結果、表4に示したように、比較例4の結晶果糖液を含む水溶液は、比較例3の高果糖液糖を含む水溶液と同様に、1.甘味の発現の早さ、2.甘味トップの高さ、4.キレとも非常に良く、清涼感を強く感じた。
実施例13の水溶液は、実施例9の水溶液と同様に、1.甘味の発現の早さが比較例1のグラニュー糖を含む水溶液より良く、また3.トップの幅が広く、4.キレもある為、清涼感と飲み応えを感じた。
実施例14の水溶液は、実施例10の水溶液と同様に、1.甘味の発現の早さ、4.キレが比較例4の結晶果糖液を含む水溶液に近く、また3.甘味トップの高さも実施例9の水溶液より高く、清涼感を強く感じた。また、3.甘味トップに幅がややあるため比較例4の結晶果糖液を含む水溶液よりややボディ感を感じた。
実施例15の水溶液は、実施例11の水溶液と同様に、1.甘味の発現の早さ、3.甘味トップの高さは比較例4の結晶果糖液を含む水溶液と同様の傾向があるが、4.キレが悪く不満足であった。
実施例16の水溶液は、実施例12の水溶液と同様に、1.甘味の発現の早さ、4.キレ、3.甘味トップの高さが実施例9の水溶液や実施例13の水溶液より良く、清涼感を強く感じた。
【0029】
また、比較試験1及び比較試験2の結果を比較したところ、実施例9−12は高果糖液糖を果糖の原料として使用しており、実施例13−16は結晶果糖を使用している。これらの糖は、果糖以外の糖の組成が異なるが同等の果糖量(実施例9と実施例13、実施例10と実施例14、実施例11と実施例15、実施例2と実施例16)においては甘味に違いは認められなかった。従って、この結果より、1.甘味の発現の早さや4.キレにおいて、使用する液状甘味料組成物の果糖割合が重要であることが確認できた。
【0030】
(実施例17−20)
上記実施例1−4と同様に製造した液状甘味料組成物1−4をそれぞれ11.92gと、クエン酸0.3g、食塩0.08g、スクラロース0.00384g、グレープフルーツフレーバー0.2g、精製水残部からなるスポーツ飲料を表5−1に示した混合割合で処方した。
【0031】
<比較試験3>
実施例17−20にて処方したスポーツ飲料と、次の比較例5−8として処方したスポーツ飲料について、比較例5のグラニュー糖を含むスポーツ飲料に近ければ「0」とした以外は比較試験1と同様に官能評価を行い、甘味質、キレ等を比較した。また、この官能評価とともに、次の評価項目5、6についても官能評価を行った。このうち、ボディ感については、水に近ければ「0」とし、比較例5のグラニュー糖を含むスポーツ飲料に近ければ「5」とした。
【0032】
<評価項目>
5.フレーバーとの相性:0(悪い:砂糖)〜5(良い:高果糖液糖)
6.ボディ感:0(弱い:水)〜5(強い:砂糖)
【0033】
(比較例5)
グラニュー糖(株式会社パールエース製)を9.00g、クエン酸0.3g、食塩0.08g、スクラロース0.00384g、グレープフルーツフレーバー0.2g、精製水残部からなるスポーツ飲料を表5−2に示した混合割合で処方した。
(比較例6)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)を11.92g、クエン酸0.3g、食塩0.08g、スクラロース0.00384g、グレープフルーツフレーバー0.2g、精製水残部からなるスポーツ飲料を表5−2に示した混合割合で処方した。
(比較例7)
高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)を11.92g、クエン酸0.3g、食塩0.08g、スクラロース0.00384g、グレープフルーツフレーバー0.2g、精製水残部からなるスポーツ飲料を表5−2に示した混合割合で処方した。
(比較例8)
結晶果糖液(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)を9.00g、クエン酸0.3g、食塩0.08g、スクラロース0.00384g、グレープフルーツフレーバー0.2g、精製水残部からなるスポーツ飲料を表5−2に示した混合割合で処方した。
【0034】
【表5-1】
【0035】
【表5-2】
【0036】
その結果、表5−2に示したように、比較例5のグラニュー糖を含むスポーツ飲料は、1.甘味の発現の早さが遅く、2.甘味トップの高さが低く、3.甘味トップと幅が広く、4.キレが悪く清涼感を感じにくかった。また、甘味とフレーバーを同時に感じてしまい、フレーバーリリースが良くなかった。さらに、甘味料として添加している高甘味度甘味料のスクラロースは砂糖に近い甘味質であるため、比較例1のグラニュー糖を含む水溶液よりもキレが悪く清涼感を感じにくい飲料であった。
比較例6の果糖ぶどう糖液糖を含むスポーツ飲料は、1.甘味の発現の早さ、4.キレともに比較例1のグラニュー糖を含む水溶液より良く、清涼感がやや感じやすかった。さらに、甘味とグレープフルーツの爽やかさを同時に感じ、フレーバーリリースが良くなかった。また、高甘味度甘味料のスクラロースとも近い甘味のパターンであるが、比較例5のグラニュー糖を含むスポーツ飲料より清涼感がやや感じやすい飲料であった。
【0037】
比較例7の高果糖液糖を含むスポーツ飲料は、比較例5や比較例6のスポーツ飲料より、1.甘味の発現の早さ、2.甘味トップの高さ、4.キレとも非常に良く、清涼感を感じた。さらに、比較例7のスポーツ飲料は高甘味度甘味料のスクラロースの添加によって、3.甘味トップの持続がやや長くなり、ややボディ感が付与される傾向であった。比較例7のスポーツ飲料はキレを感じ始めるとグレープフルーツの爽やかさを感じるため、フレーバーリリースが良い飲料であった。また、スクラロースの添加によって後味が引っ張られてしまい、比較例3の高果糖液糖を含む水溶液に比べるとキレはやや弱く感じられたが、清涼感と飲み応えがあるおいしい飲料であった。
比較例8の結晶果糖液を含むスポーツ飲料は、比較例7のスポーツ飲料と同様の甘味質であり、果糖の由来が結晶果糖でも高果糖液糖でも大きく甘味質には変わりはなかった。フレーバーとの相性も比較例7と同様であった。
【0038】
実施例17のスポーツ飲料は、1.甘味の発現の早さ、4.キレが良く、3.トップの幅がある為、清涼感と飲み応えを感じた。また、2.甘味のトップは低いものの高甘味度甘味料のスクラロースに後味が引っ張られておらず、キレと清涼感が感じやすかった。また、グレープフルーツの爽やかさが甘味のキレと重なって感じる為、フレーバーリリースが良い飲料であった。また、6.ボディ感も十分であった。
実施例18のスポーツ飲料は、1.甘味の発現の早さ、4.キレが比較例7、比較例8のスポーツ飲料に近く、2.甘味トップの高さも実施例17のスポーツ飲料より良く、清涼感を強く感じた。また、甘味トップにやや幅がありボディ感を感じると共にスクラロースに後味が引っ張られておらず、比較例7、比較例8のスポーツ飲料よりキレと清涼感をやや強く感じるおいしい飲料であった。また、強いキレと共にグレープフルーツの爽やかさを感じることによって清涼感のある飲料であった。また、6.ボディ感も十分であった。
【0039】
実施例19のスポーツ飲料は、1.甘味の発現の早さ、2.甘味トップの高さ、4.キレが実施例18のスポーツ飲料より良く、清涼感を強く感じた。また、3.甘味トップにやや幅がありボディ感を感じると共にスクラロースに後味が引っ張られておらず、実施例18のスポーツ飲料よりキレと清涼感をやや強く感じるおいしい飲料であった。また、強いキレと共にグレープフルーツの爽やかさを感じることによって清涼感のある飲料であり、比較例7、比較例8のスポーツ飲料より飲んでいて飽きが来ないため、飲み易い飲料であった。また、6.ボディ感も良好であった。
実施例20のスポーツ飲料は、1.甘味の発現の早さ、4.キレ、3.甘味トップの高さが実施例18のスポーツ飲料より良く、清涼感を強く感じた。さらに、高甘味度甘味料のスクラロースの添加によって甘味トップの持続がやや長くなり、ややトップの幅が付与される傾向であった。また、スクラロースの添加によって後味がやや引っ張られてしまい、キレはやや弱いと感じられたが、清涼感と飲み応えがあるおいしい飲料であった。また、グレープフルーツの爽やかさが甘味のキレと重なって感じる為、フレーバーリリースが良い飲料であった。また、6.ボディ感も良好であった。
これら、実施例17−20のスポーツ飲料は果糖量を調整した飲料となっているが、スクラロースの後味の引っ張り、甘味トップの高さ、甘味トップの幅、フレーバーとの相性、キレなどが果糖量に関与していた。従って、これらの結果より、使用する液状甘味料組成物の果糖割合が重要であることが確認できた。
【0040】
(実施例21−24)
上記実施例1−4と同様に製造した液状甘味料組成物1−4をそれぞれ26.49gと、クエン酸0.2g、サイダーフレーバー0.2g、炭酸水残部からなる炭酸飲料を表6−1に示した混合割合で処方した。
【0041】
<比較試験3>
実施例21−24にて処方した炭酸飲料と、次の比較例9−12として処方した炭酸飲料について、比較例9のグラニュー糖を含む炭酸飲料に近ければ「0」とした以外は比較試験1、比較試験2と同様に1.甘味の発現の早さ、4.キレ、5.フレーバーとの相性について官能評価を行った。また、6.ボディ感については、水に近ければ「0」とし、比較例5のグラニュー糖を含む炭酸飲料に近ければ「5」として官能評価を行った。
【0042】
(比較例9)
グラニュー糖(株式会社パールエース製)を20.00g、クエン酸0.2g、サイダーフレーバー0.2g、炭酸水残部からなる炭酸飲料を表6−2に示した混合割合で処方した。
(比較例10)
果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFM−75、水分24.5%)を26.49g、クエン酸0.2g、サイダーフレーバー0.2g、炭酸水残部からなる炭酸飲料を表6−2に示した混合割合で処方した。
(比較例11)
高果糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製、HFS−95、水分24.5%)を26.49g、クエン酸0.2g、サイダーフレーバー0.2g、炭酸水残部からなる炭酸飲料を表6−2に示した混合割合で処方した。
(比較例12)
結晶果糖液(Tate&Lyle社製、果糖99.97%)を20.00g、クエン酸0.2g、サイダーフレーバー0.2g、炭酸水残部からなる炭酸飲料を表6−2に示した混合割合で処方した。
【0043】
【表6-1】
【0044】
【表6-2】
【0045】
その結果、表6−2に示したように、比較例9のグラニュー糖を含む炭酸飲料は、1.甘味の発現の早さが遅く、2.キレが悪く清涼感を感じにくかった。また、4.ボディ感を感じやすく、昔ながらのおいしいサイダーであった。
比較例10の果糖ぶどう糖液糖を含む炭酸飲料は、1.甘味の発現の早さ、2.キレともに比較例1のグラニュー糖を含む水溶液より良く、清涼感がやや感じやすかった。さらに、甘味とフレーバーを同時に感じてしまい、サイダー感が弱く、また嫌な後味を感じた。
【0046】
比較例11の高果糖液糖を含む炭酸飲料は、比較例9や比較例10の炭酸飲料より、1.甘味の発現の早さ、2.キレとも非常に良く、清涼感を感じた。比較例11の炭酸飲料はキレを感じ始めるとサイダーの爽やかさを感じるため、フレーバーリリースが良い飲料であった。また、ボディ感が弱く、スッキリとした炭酸飲料である為、飲み応えを弱く感じるサイダーであった。
比較例12の結晶果糖液を含む炭酸飲料は、比較例11の炭酸飲料と同様の甘味質であり、果糖の由来が結晶果糖でも高果糖液糖でも大きく甘味質には変わりはなかった。フレーバーとの相性も比較例11と同様であった。
【0047】
実施例21の炭酸飲料は、1.甘味の発現の早さ、2.キレが良く、清涼感と飲み応えを感じた。また、サイダーの爽やかさが甘味のキレと重なって感じる為、フレーバーリリースが良い飲料であった。また、4.ボディ感も十分であった。
実施例22の炭酸飲料は、1.甘味の発現の早さ、2.キレが比較例11、比較例12の炭酸飲料に近く、清涼感を強く感じた。また、甘味トップにやや幅がありボディ感を感じると共に、比較例11、比較例12の炭酸飲料よりキレと清涼感をやや強く感じるおいしい飲料であった。また、強いキレと共にサイダーの爽やかさを感じることによって清涼感のある飲料であり、比較例9、比較例10の炭酸飲料と同程度のボディ感もあり、比較例11、比較例12の炭酸飲料より飲んでいて飽きが来ないため、飲み応えがあり、飲み易い炭酸飲料であった。
【0048】
実施例23の炭酸飲料は、1.甘味の発現の早さ、2.キレが実施例22の炭酸飲料より良く、清涼感を強く感じた。また、甘味トップにやや幅がありボディ感を感じると共に、実施例22の炭酸飲料よりキレと清涼感をやや強く感じるおいしい飲料であった。
また、強いキレと共にサイダーの爽やかさを感じることによって清涼感のある飲料であり、比較例11、比較例12の炭酸飲料より飲んでいて飽きが来ないため、飲み易い炭酸飲料であった。
実施例24の炭酸飲料は、1.甘味の発現の早さ、2.キレが実施例22の炭酸飲料より良く、清涼感を強く感じた。また、サイダーの爽やかさが甘味のキレと重なって感じる為、フレーバーリリースが良く、清涼感と飲み応えがあるおいしい飲料であった。
これら、実施例21−24の炭酸飲料は果糖量を調整した飲料となっているが、甘味の発現、甘味トップの高さ、甘味トップの幅、フレーバーとの相性、キレ、ボディ感などが果糖量に関与していた。従って、これらの結果より、使用する液状甘味料組成物の果糖割合が重要であることが確認できた。