(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069390
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20170123BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
G06F3/02 310J
G06F1/16 312E
G06F1/16 312S
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-48729(P2015-48729)
(22)【出願日】2015年3月11日
(65)【公開番号】特開2016-170539(P2016-170539A)
(43)【公開日】2016年9月23日
【審査請求日】2016年2月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼販売日 平成27年2月5日 ▲2▼出荷した場所 NECパーソナルコンピュータ株式会社 米沢事業場(山形県米沢市下花沢二丁目6−80) ▲3▼公開者 NECパーソナルコンピュータ株式会社 ▲4▼公開された発明の内容 NECパーソナルコンピュータ株式会社は、脇野潤が発明した「情報処理装置」を出荷した。
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】脇野 潤
【審査官】
山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平3−225404(JP,A)
【文献】
特開2002−341970(JP,A)
【文献】
特開2009−110514(JP,A)
【文献】
特表2008−544396(JP,A)
【文献】
特開平4−47419(JP,A)
【文献】
特開平11−184604(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/117457(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する情報処理部を収納し、最大の面であって設置されたときに設置面に直接対向しない第1の面が前記設置面と平行になるよう前記設置面に設置される略直方体の本体筺体と、
前記設置面に垂直な前記本体筺体の第2の面から挿入された前記情報処理部に対するキー入力を行うキーボードを収納するキーボード収納部と、
前記キーボード収納部に収納された前記キーボードが脱落しないようロックするキーボードロック部と、を有し、
前記本体筺体の前記第2の面に対向する第3の面と前記第1の面との交線の一端近傍に前記キーボードロック部のロックを解除するスイッチが設置されていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記スイッチは、前記キーボードロック部と連動していることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記キーボード収納部は、側面にキーボードを誘導する樹脂製部品が設置されていることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記キーボードは、側面に前記樹脂製部品の先端が掛かる溝が形成されていることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを備えたパーソナルコンピュータ(PC)が普及している。タッチパネルは、表示画面の表面に装着される。文字等の入力はタッチパネルの表示画面にキーボードを表示させて入力したり、マイクで音声入力をすることができる。他にキーボードでのキー入力が一般的である。
【0003】
キーボードは表示画面の前方下に配置され、使用しない時は無駄なスペースになってしまうという問題があった。そこで、PC本体にキーボードを収納し、省スペース化を実現することが考えられる。
【0004】
特許文献1には、情報処理装置本体に設けた開口にキーボードを収納して奥でロックする構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4237095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されている技術では、本体部に収納したキーボードを側面でロックし、キーボードを押し込む動作によりロックを解除する構造のため、構造が大きくなり本体の小型化・薄型化を実現できないという問題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、キーボードを内蔵可能な本体を小型化・薄型化できる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
【0009】
本発明に係る情報処理装置は、情報処理を実行する情報処理部を収納し、最大の面であって設置されたときに設置面に直接対向しない第1の面が前記設置面と平行になるよう前記設置面に設置される略直方体の本体筺体と、前記設置面に垂直な前記本体筺体の第2の面から挿入された前記情報処理部に対するキー入力を行うキーボードを収納するキーボード収納部と、前記キーボード収納部に収納された前記キーボードが脱落しないようロックするキーボードロック部と、を有し、前記本体筺体の前記第2の面に対向する第3の面と前記第1の面との交線の一端近傍に前記キーボードロック部のロックを解除するスイッチが設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、キーボードを内蔵可能な情報処理装置本体を小型化・薄型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置を示す正面図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置を示す側面図である。
【
図3】本実施形態に係る本体筐体のCD/DVDドライブ側を示す側面図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理装置のキーボードを示す上面図である。
【
図5】本実施形態に係るキーボード収納部を示す斜視図である。
【
図6】本実施形態に係るキーボードの側面を示す斜視図である。
【
図7】本実施形態に係るキーボードが収納されたキーボード収納部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について図面により詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1を示す正面図である。情報処理装置1は、情報処理を実行する情報処理部が収納される本体筐体2と、情報処理部の情報処理結果を表示する表示部と表示部に重畳して取り付けられるとともにタッチ入力を受け付けて情報処理部に座標情報を出力するタッチパネル3を備える表示部筐体4とを有している。
【0014】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1を示す側面図である。本体筐体2は略直方体であり、奥行きより横幅が長い形状である。また、本体筐体2の上面と下面とが設置面と平行になるように、本体筐体2は設置面に設置される。
表示部筐体4は長方形であり、縦幅より横幅が長い形状である。なお、表示部筐体4の形状は本実施形態に限定されず、他の形状であってもよい。
【0015】
本体筐体2と表示部筐体4とは、本体筐体2の前面上端においてヒンジ5で取り付けられ、表示部筐体4は本体筺体2の前面上端を軸として回動可能である。ヒンジ5は、2箇所に設置されているが、2箇所以上設置されていてもよい。
【0016】
表示部筐体4は、本体筐体2に対して図示した曲線の矢印方向に開閉することができる。表示部筐体4が設置面に対して立ち上がったPC形態と、表示部筐体4が設置面に対して略水平なタブレット形態とを取ることができる。
【0017】
図2(a)に示すように、表示部筐体4を最大に開いた状態では、表示部筐体4は本体筐体2に対して80度の鋭角に傾いている。表示部筐体4は80度で止まるようにしたのは、PCの転倒防止のためである。表示部筐体4の表示部が前面を向いているので、ディスプレイタッチ方向は図示した直線の矢印方向である。
なお、表示部筐体4が本体筐体2に対して垂直や鈍角の位置に移動できるように設計変更することは可能である。
【0018】
図2(b)に示すように、表示部筐体4を本体筐体2に対して閉じた状態では、表示部筐体4の裏面と本体筐体2の上面とが接触しているので、表示部が上面を向いている。本体筐体2の奥行は、表示部筐体4の高さの1/2〜1倍であり、好適には2/3である。
【0019】
表示部筐体4を本体筐体2の方向に折り畳むだけであり、PC形態から容易にタブレット形態にすることができる。また、タブレット形態では、タブレットとして使用し易く、持ち運びが容易である。
【0020】
図3は、本実施形態に係る本体筐体2のCD/DVDドライブ9側を示す側面図である。本体筐体2のキーボード収納部の上側には、一方に電子回路の基板上にCPUやHDD等が搭載され、他方にCD/DVDドライブ21が設置されている。CD/DVDの取り出し口は、本体筐体2の側面を開閉することができる。
図2に示すように、本体筐体2の基板が設置されている側には、本体筐体2の側面にUSBメモリ挿入口7やカード挿入口8等が設けられている。
【0021】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置1のキーボード11を示す上面図である。情報処理装置1は、タッチパネルによる入力だけでなく、キーボード11よる入力も可能である。
【0022】
キーボード11は薄い板状であり、本体筐体2の底面付近にキーボード11を収納することができる。
図1に示すように、本体筐体2の正面の下側にキーボード11を挿入する挿入口6が設置されている。キーボード11を使用しない時は、キーボード11を本体筐体2に収納することができるので、PCの省スペース化が可能である。
【0023】
キーボード11は、キーボードパワーボタン12とBluetooth(登録商標)接続ボタン13とを有している。キーボード11は使用する時に本体筐体2の後部に設置されたスイッチを引くことにより、本体筐体2から引き出され、Bluetooth接続される。
【0024】
次に、キーボード収納部について説明する。
図5は、本実施形態に係るキーボード収納部21を示す斜視図である。本体内部のキーボード収納部21の両側面に先端が球状に形成されたそれぞれ4個の樹脂製部品22を有する。
【0025】
図6は、本実施形態に係るキーボード11の側面を示す斜視図である。キーボード11の両側面には溝31が設けられ、樹脂製部品22がこの溝31に掛かる。樹脂製部品22により誘導され、キーボード11を装置奥まで押し込むことで、キーボード11の後端はキーボード収納部21の後方の面に設置された樹脂製のフック形状のキーボードロック部23でロックされる。
樹脂製部品22に弾力性をもたせることで、キーボード挿入後のガタを防止すると共に、キーボード11の斜め挿入を防止することができる。
【0026】
本体筐体2後方の外側の角にロック解除スイッチ24が設置されている。ロック解除スイッチ24は、本体筐体2の後端内部に収納されている板状の連結部の一端に固定され、他端がバネで固定されているので、スライドした後に元の位置に戻ることができる。また、連結部にストッパーが形成されているので、ロック解除スイッチ24は一定の距離を移動すると止まることができる。
【0027】
キーボード収納部21の後方の面に2個のキーボードロック部23が連結部に固定され、ロック解除スイッチ24と連動している。また、キーボード収納部21の後方の面に2個の金属製弾性体25が固定されていることにより、キーボード挿入時の衝撃を吸収し、キーボード挿入後のガタを防止することができる。
【0028】
さらに、キーボード収納部21の後方の面に2個の突起26が形成され、キーボード11に形成された穴32に挿入されることにより、キーボード11はキーボード収納部21に確実に固定される。
【0029】
図7は、本実施形態に係るキーボード11が収納されたキーボード収納部21を示す斜視図である。キーボードロック部23はキーボード11に形成された穴33に挿入され、キーボード収納部21に収納されたキーボード11が脱落しないようロックする。
【0030】
キーボード11を取り出す際のロック解除は、ロック解除スイッチ24を図示した矢印方向にスライドさせることにより、キーボードロック部23もスライドし、キーボード11が押し出されるため、キーボード11を引き出すことが可能となる。したがって、スライド式のロック解除スイッチ24を採用することで、情報処理装置1の小型化・薄型化を実現することができる。
【0031】
本実施形態によれば、キーボードを内蔵可能な情報処理装置本体を小型化・薄型化できる。
【0032】
尚、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 情報処理装置
2 本体筐体
3 タッチパネル
4 表示部筐体
5 ヒンジ
6 挿入口
11 キーボード
21 キーボード収納部
22 樹脂製部品
23 キーボードロック部
24 ロック解除スイッチ
25 金属製弾性体
26 突起
31 溝
32 穴