特許第6069405号(P6069405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069405第1のデバイスから第2のデバイスに共有される情報の選択的制御の提供
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069405
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】第1のデバイスから第2のデバイスに共有される情報の選択的制御の提供
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170123BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170123BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170123BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20170123BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04M11/00 302
   G06F13/00 353C
   G06F21/60
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-90215(P2015-90215)
(22)【出願日】2015年4月27日
(65)【公開番号】特開2015-213316(P2015-213316A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】14/266,406
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】アップトン ビール ボウデン
(72)【発明者】
【氏名】セオドア チャールズ ウィングローブ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー チャールズ チャッティ
(72)【発明者】
【氏名】ヤニーナ ゴンチャレンコ
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02610834(EP,A1)
【文献】 特開2008−181467(JP,A)
【文献】 特開2008−172701(JP,A)
【文献】 特開2006−163508(JP,A)
【文献】 特開2004−234390(JP,A)
【文献】 特開2012−048713(JP,A)
【文献】 特開2006−067192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
B60R 16/00−17/02
B60R 25/00−99/00
G06F 13/00
G06F 12/14
G06F 21/10
G06F 21/60−21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデバイスから第2のデバイスに共有される情報の選択的制御を提供するためのシステムであって、
前記選択的制御の提供のための命令のプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体を備えるデータ記憶部と、
前記命令のプログラムを実行するプロセッサと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の近距離通信を検出するための接続検出器と、
セキュリティ設定を設定または取得するためのセキュリティ設定器と、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記近距離通信が終了したか否かを検出するための切断検出器と、
前記セキュリティ設定に基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記近距離通信を介して共有される情報のデータ管理を実施するためのワイパと、
を備え
前記セキュリティ設定器は、ワイプまたはロックするデータの部分的選択を選択的に可能にするデータ設定器をさらに備え、
データをワイプするように設定されている前記セキュリティ設定に基づいて、前記ワイパは、前記近距離通信を介して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスの間で共有される前記データを削除し、
前記ワイパは、データをロックするように設定されている前記セキュリティ設定に基づいて、前記データをロックし、前記システムは、適切に満たしている認証プロセスに応答して、その後の近距離通信セッションに関する前記データへのアクセスを可能にする、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記セキュリティ設定は、前記第1のデバイスまたは前記第2のデバイスを介して設定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のデバイスは、車両のインフォテインメントシステムであり、前記第2のデバイスは、携帯デバイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記切断検出器は、所定の時間間隔の経過を待って、前記検出された終了が依然として有効であるか否かを判定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1のデバイス及び第2のデバイスによって実行され、前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに共有される情報の選択的制御を提供するための方法であって、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の近距離通信を検出することと、
セキュリティ設定を取得することと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記近距離通信が終了したか否かを検出することと、
前記セキュリティ設定に基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間の前記近距離通信を介して共有される情報のデータ管理を実施することと、を含み、
前記セキュリティ設定を取得することは、ワイプまたはロックするデータの部分的選択を選択的に可能にすることをさらに含み、
データをワイプするように設定されている前記セキュリティ設定に基づいて、前記近距離通信を介して前記第1のデバイスと前記第2のデバイスの間で共有される前記のデータを削除し、
データをロックするように設定されている前記セキュリティ設定に基づいて、前記データをロックし、適切に満たしている認証プロセスに応答して、その後の近距離通信セッションに関する前記データへのアクセスを可能にする、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスは、車両に関連付けられている、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記セキュリティ設定は、前記第1のデバイスまたは前記第2のデバイスを介して設定される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のデバイスは、車両のインフォテインメントシステムであり、前記第2のデバイスは、携帯デバイスである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
所定の時間間隔の経過を待って、前記検出された終了が依然として有効であるか否かを判定することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カーオーディオシステム、マルチメディアシステム等の電子デバイスは、可搬式および携帯電子デバイスと連動するように構成されている。例えば、携帯デバイスは、主要な電子デバイスと連動し得、携帯デバイスは、近距離ネットワーク接続を利用することによって、情報を共有し、電子デバイスを制御し得る。
【0002】
上述のもの等の相互作用を可能にすることによって、オペレータは、静的電子デバイスの動作および制御を、個人用携帯デバイスと統合し得る。したがって、静的電子デバイスの動作は、個々のユーザの優先度に対してより相互作用的かつ構成可能となる。
【0003】
例えば、車両は、設置され、かつ近くの携帯デバイスと遠隔で接続するように構成される、インフォテインメントシステムを有し得る。近くの携帯デバイスは、スマートフォン、ラップトップ、装着可能な時計等の任意の種類の携帯デバイスであり得る。インフォテインメントシステムは、情報および娯楽を車両の運転手または乗客に提供することが可能な任意の電子システムであり得る。インフォテインメントシステムによって提供されるサービスは、グローバルポジションサテライト(GPS)サービス、オーディオプレーヤー、ビデオプレーヤー、温度制御システム、または車両インフォテインメントシステムを介して提供される任意の種類の電子的に連動可能なインターフェースであるがこれらに限定されない。
【0004】
車両の運転手は、インフォテインメントシステムに接近し得(例えば、車両に入り得)、接続オプションを連動させて、近くの携帯デバイスをインフォテインメントシステムと接続させ得る。接続オプションを連動させた後、インフォテインメントシステムは、種々の無線接続を通じて近くの携帯デバイスとハンドシェイクし得る。例えば、ハンドシェイクは、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、ローカライズされたローカルエリアネットワーク、BTLE等の種々の接続を介して起こり得る。その後、近くの携帯デバイスは、インフォテインメントシステムを制御するために、インフォテインメントシステムと情報を共有し得る。例えば、インフォテインメントシステムが、近くの携帯デバイスからのテキストメッセージの音声を表示し、供給することが可能な場合、インフォテインメントシステムは、テキストを受信し、したがって、テキストメッセージを表示または再生する。
【発明の概要】
【0005】
第1のデバイスから第2のデバイスに共有される情報の選択的制御を提供するためのシステムおよび方法。システムは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の近距離通信を検出するための接続検出器と、セキュリティ設定を設定または取得するためのセキュリティ設定器と、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の近距離通信が終了したかを検出するための切断検出器と、セキュリティ設定に基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の近距離通信を介して共有される情報のデータ管理を実施するためのワイパと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
発明を実施するための形態は、同様の数字が同様の項目を指す以下の図面を参照する。
【0007】
図1】例示的なコンピュータを説明するブロック図である。
図2】第1の電子デバイスから第2の電子デバイスに共有される情報の選択的制御を提供するためのシステムの例である。
図3】第1の電子デバイスから第2の電子デバイスに共有される情報の選択的制御を提供するための方法の例である。
図4(a)】図2および3に記載されるシステムまたは方法を実装するためのグラフィカルユーザインプリメンテーション(GUI)の例示的な実装例を説明する。
図4(b)】図2および3に記載されるシステムまたは方法を実装するためのグラフィカルユーザインプリメンテーション(GUI)の例示的な実装例を説明する。
図5】システムまたは方法に従い、データの選択的ワイプを設定するためのGUIを説明する。
図6(a)】図2のシステムが実装されていない状況の例を説明する。
図6(b)】図2のシステムが実装されていない状況の例を説明する。
図7(a)】図2のシステムが実装されている状況の例を説明する。
図7(b)】図2のシステムが実装されている状況の例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、本発明の例示的な実施形態が示される添付の図面を参照して、より十分に以下に記載される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記述される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が詳細であり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えられるように提供される。本開示の目的のために、「それぞれのうちの少なくとも1つ」は、列挙した要素のうちの複数の組み合わせを含む、それぞれの言語の後に列挙した要素の任意の組み合わせを意味するよう解釈される。例えば、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」は、Xのみ、Yのみ、Zのみ、または、X、Y、およびZ(例えば、XYZ、XZ、YZ、X)の2つ以上の項目の任意の組み合わせを意味するよう解釈される。図面および発明を実施するための形態を通じて、別途記載されない限り、図面の同一の参照番号は、同一の要素、特徴、および構造を指すよう理解される。これらの要素の相対的サイズおよび記載は、明確さ、説明、および利便性のために誇張され得る。
【0009】
種々の電子システムは、近距離通信技術を介して互いに連動し得る。例えば、2つ以上の電子デバイスは、近距離通信技術を介して互いにハンドシェイクし得(またはペアリングし得)、その他のデバイスと情報を共有し、制御し得る。いくつかの例において、電子システムのうちの一方は、静的に提供され得、一方で、他方の電子システムは、第1の電子システムに関連付けられるオペレータによって典型的に保有される、携帯デバイスであり得る。
【0010】
背景技術セクションで説明したように、そのような一実装例は、車両に関連付けられるインフォテインメントシステムである。インフォテインメントシステムは、車両の運転席(または他のエリア)に設置され得る。車両の運転手または乗客が、車両に接近すると、運転手または乗客は、接続オプションを開始して、インフォテインメントシステムを携帯デバイスとハンドシェイクさせるか、またはペアリングし得る。
【0011】
種々の動作を実施するために、携帯デバイスおよびインフォテインメントシステムは、情報を共有し得る。例えば、インフォテインメントシステムは、携帯デバイスによって行われる種々の電話およびテキストメッセージに関連付けられる情報を表示し得る。したがって、携帯デバイスは、運転手または乗客に関連付けられる個人情報をインフォテインメントシステムに共有し得る。
【0012】
運転手または乗客が、インフォテインメントシステムとの相互作用を完了した後、例えば、運転手または乗客が、車両を離れた後、インフォテインメントシステムと携帯デバイスとの間の接続は終了し得る。しかしながら、携帯デバイスとインフォテインメントシステムとの間で共有される情報は、依然として、インフォテインメントシステムで維持され得る。
【0013】
これは、多くの携帯デバイスユーザに対して望ましくない状況を提示する。携帯デバイスユーザは、ユーザの情報をインフォテインメントシステムに記憶させないことを所望し得る。特に、携帯デバイスユーザは、他のインフォテインメントユーザと個人情報または重要な情報を共有させないことを所望し得る。例えば、車両という状況において、車両は、複数の運転手によって用いられ得る。この状況において、第2の運転手は、前の携帯デバイスユーザの相互作用を介して、インフォテインメントシステムと共有される個人情報に精通するようになり得る。
【0014】
第1のデバイスから第2のデバイスに共有される情報の選択的制御を提供するための方法およびシステムが、本明細書に開示される。選択的制御を提供することによって、携帯デバイスユーザは、どの情報が第2のデバイスと共有され、どの情報がワイプアウトされるか、または第2のデバイスと連動し得る他のユーザに共有されないかを制御する堅牢な能力が与えられる。
【0015】
図1は、例示的なコンピュータ100を説明するブロック図である。コンピュータ100は、チップセット104に連結される少なくとも1つのプロセッサ102を含む。チップセット104は、メモリコントローラハブ120および入力/出力(I/O)コントローラハブ122を含む。メモリ106およびグラフィックスアダプタ112は、メモリコントローラハブ120に連結され、ディスプレイ118は、グラフィックスアダプタ112に連結される。記憶デバイス108、キーボード110、ポインティングデバイス114、およびネットワークアダプタ116は、I/Oコントローラハブ122に連結される。コンピュータ100の他の実施形態は、異なるアーキテクチャを有し得る。
【0016】
記憶デバイス108は、ハードドライブ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、DVD、またはソリッドステートメモリデバイス等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。メモリ106は、プロセッサ102によって用いられる命令およびデータを保持する。ポインティングデバイス114は、マウス、トラックボール、または他の種類のポインティングデバイスであり、キーボード110と組み合わせて使われて、コンピュータ100にデータを入力する。ポインティングデバイス114はまた、ゲーミングシステムコントローラであり得るか、またはゲーミングシステムを制御するために用いられる任意の種類のデバイスであり得る。例えば、ポインティングデバイス114は、バイオメトリック走査を利用して、特定のユーザを検出するビデオまたは画像捕捉デバイスに接続され得る。特定のユーザは、挙動または身振りを利用して、コンピュータ100の種々の態様を制御するようポイントデバイス114に指令し得る。
【0017】
グラフィックスアダプタ112は、画像および他の情報をディスプレイ118に表示する。ネットワークアダプタ116は、コンピュータシステム100を1つ以上のコンピュータネットワークに連結する。
【0018】
コンピュータ100は、本明細書に記載される機能性を提供するためのコンピュータプログラムモジュールを実行するように適合される。本明細書で用いられる場合、用語「モジュール」は、特定の機能性を提供するために用いられるコンピュータプログラム論理を指す。したがって、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアに実装することができる。一実施形態において、プログラムモジュールは、記憶デバイス108に記憶され、メモリ106にロードされ、プロセッサ102によって実行される。
【0019】
本明細書に開示されるエンティティおよびプロセスによって用いられるコンピュータの種類は、実施形態およびエンティティによって必要とされる処理能力によって異なることができる。コンピュータ100は、携帯デバイス、タブレット、スマートフォン、または上記に挙げた要素を有する任意の種類のコンピューティング要素であり得る。例えば、ハードディスク、ソリッドステートメモリ、または記憶デバイス等のデータ記憶デバイスは、連携して、本明細書に記載される機能性を提供する複数のブレードサーバを備える分散データベースシステムに記憶され得る。コンピュータは、キーボード110、グラフィックスアダプタ112、およびディスプレイ118等の上述のコンポーネントのうちの一部を欠くことができる。
【0020】
コンピュータ100は、本明細書に開示されるコンテンツ共有サービスのためのサーバ(図示せず)として機能し得る。コンピュータ100は、他のコンピュータ100デバイスとクラスタ形成されて、サーバを作り得る。
【0021】
図2は、第1の電子デバイス260から第2の電子デバイス270に共有される情報の選択的制御を提供するためのシステム200の例である。システム200は、コンピュータ100等のデバイスに実装され得る。図2に示されるように、電子デバイス260および電子デバイス270が示される。電子デバイス260および電子デバイス270は、背景技術セクションで列挙されたもの等、近距離ネットワーク250を介して接続することが可能な任意の種類の電子デバイスであり得る。システム200は、電子デバイス260もしくは電子デバイス270のいずれか、または図示されていない第三者デバイスに実装され得る。第三者デバイスは、2つ以上のデバイス間の近距離通信に浸透する任意の種類のルータであり得る。
【0022】
例えば、車両という状況において、電子デバイス260は、インフォテインメントシステムであり得、一方で、電子デバイス270は、携帯デバイスであり得る。ペアリング(すなわち、2つのデバイス間の接続)は、電子デバイス260または電子デバイス270のいずれかから開始され得る。したがって、指令は、ネットワーク250を介して開始されて、ペアリングを要求する。
【0023】
接続検出器210は、電子デバイス260と電子デバイス260との間の接続が確立されたことを検出する。例えば、電子デバイス270に関連付けられるユーザは、電子デバイス260とのBluetooth(登録商標)ペアリングを引き起こし得る。例えば、電子デバイス260は、車両のインフォテインメントシステムであり得、一方で、電子デバイス270は、車両の乗客または運転手に関連付けられる携帯デバイスであり得る。車両の乗客または運転手は、電子デバイス260に関連付けられるユーザインターフェースを用いて、あるデータおよびアプリケーションを制御するために、電子デバイス270を電子デバイス260とインターフェースさせることを望み得る。例えば、乗客または運転手は、電子デバイス260に関連付けられる車両と、音楽を共有すること、携帯メッセージングを実施すること、グローバルポジショニングサテライトとインターフェースさせること等を要求し得る。
【0024】
セキュリティ設定器220は、電子デバイス270の電子デバイス260との情報の共有に関連付けられる設定を取得する。設定は、永続記憶部205から取得され得、したがって、電子デバイス270に関連付けられる既定のユーザまたは特定のユーザに以前に既知であるか、または以前に構成され得る。代替的に、GUI選択メニューは、電子デバイス260または電子デバイス270のいずれか(または両方)に通信され得、所望のレベルのセキュリティをユーザに促す。例示的なGUIは、図3(a)および3(b)に示される。
【0025】
例えば、種々の設定が選択され得るか、または取得され得る。ユーザは、何も行わないことを選択し得る。この場合、共有のこれまでの状態が維持される。代替的な例において、ユーザは、データをワイプするオプションを選択し得る。この場合、以下により詳細に説明されるが、データは、電子デバイス270が電子デバイス260と切断したときにワイプされる。別の代替的な例において、データは、ロックされ得る。この場合、電子デバイス270のユーザは、電子デバイス260と電子デバイス270とのペアリングに関連付けられるパスワードを事前設定し得、したがって、認証プロセスが正常に実施されるまで、電子デバイス260に共有されるデータをロックし得る。
【0026】
セキュリティ設定器220は、データセレクタ221を含み得る。データセレクタ221は、ユーザに提示されるGUIを介して、ユーザがワイプするデータの種類および維持しないデータの種類を選択することを可能にする、選択可能な画面を提示し得る。例えば、ユーザは、テキストメッセージまたは音声メール等のある種類のデータを記憶させないことを所望し得、一方で、音楽またはビデオ等の他の種類のデータを記憶させることを所望し得る。この場合、データセレクタ221は、GUIまたは所定の設定と相互作用して、ワイプまたは保護するデータの種類を設定し得る。
【0027】
切断検出器230は、電子デバイス260および電子デバイス270が近距離通信ネットワーク250を介して互いに接続されていないことを検出する。切断検出器230は、電子デバイス270のオペレータが切断オプションを手動で開始したときに引き起こされ得る。代替的に、電子デバイス270のオペレータは、電子デバイス270および電子デバイス260が互いに通信し得る物理的エリア271を離れ得る。
【0028】
切断検出器230からの指標に基づいて、ワイパ240は、セキュリティ設定器220によって行われるか、または取得される設定に基づいて情報をセキュリティ化する動作を、電子デバイス260を介して実施する。
【0029】
したがって、ワイパ240は、何も行い得ないか、全ての個人データ(または事前構成された種類のデータ)を電子デバイス260からワイプし得るか、または永続記憶部205に情報をロックし得る。したがって、電子デバイス270が、近距離通信ネットワーク250を介して電子デバイス260と接続していない場合、ワイパ240は、セキュリティ設定器220によって構成された設定に応じてアクションを実施する。
【0030】
図3は、第1の電子デバイスから第2の電子デバイスに共有される情報の選択的制御を提供するための例示的な方法300を説明する。方法300は、システム200等のデバイスに実装され得る。
【0031】
動作310において、近距離通信の検出が行われる。近距離通信は、上記に列挙されたまたは当業者には周知の近距離通信技術のうちのいずれかであり得る。例えば、車両という状況において、乗客が車両に入り、Bluetooth(登録商標)接続を介して携帯デバイスをインフォテインメントシステムとインターフェースさせる場合、Bluetooth(登録商標)を介した接続が検出され得る。
【0032】
動作320において、接続に関連付けられるセキュリティ設定が取得され得る。セキュリティ設定は、二次デバイス、例えば、インフォテインメントシステムに記憶される情報の量を示す。
【0033】
セキュリティ設定は、事前構成された設定を介して取得され得るか(動作321)、または、代替的に、もしくは加えて、共有されている情報に関連付けられるオペレータは、使用可能なオプションとともにGUIが提示され得る(動作322)。GUIは、第1または第2のデバイスのいずれかに提示され得る。使用可能なオプションは、全てのデータをワイプすることか、一部のデータをワイプすることか(データのカテゴリがオペレータを介して選択される)、データをロックすることか、または何のアクションも実施しないことに及び得る。
【0034】
動作330において、動作310で検出された近距離通信が終了したか判定される。終了していない場合、動作330は、所定の時間間隔で反復して実施され得るか、またはアクションによって引き起こされ得る(例えば、デバイスをオフにする、車両を出る、デバイスが互いの範囲内でない等)。終了した場合、方法300は、動作340へ進む。
【0035】
さらに、動作330において、さらに、タイムアウトが実施され得る。したがって、切断が常時であるときを判定する第2の動作が、方法300に追加され得る。これは、切断が常時切断であり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、単に一時的な時間切断されているのではないことを確実にする。例えば、携帯デバイスが、Bluetooth(登録商標)でインフォテインメントシステムに接続されている状況において、携帯デバイス保持者は、車両を出て、ガソリン代を支払い得るか、または任意の他の短期的なアクションを実施し得る。この場合、後述される動作340は、必須ではない。
【0036】
動作340において、データ管理が実施される。例えば、種々の種類のデータ操作が起こり得る:近距離通信技術を介して共有される全てのデータがワイプされ得る(341)、近距離通信技術を介して共有される一部のデータがワイプされ得る(342)、データが、第2のデバイス、すなわち、情報が共有されるデバイスを介してロックされ得る(343)、または何も起こり得ない(344)。344を通じた動作341は、動作322における選択または動作321において取得される所定の設定に基づいて実施され得る。
【0037】
一部のデータがワイプされる場合(342)、あるアプリケーションまたはカテゴリに関連付けられるデータは、所定であり得るか、またはGUIを介して選択され得る。そのようなGUIの例は、図5に示される。
【0038】
データがロックされる場合(343)、前のセッションにおいて近距離通信を介して共有されたデータにアクセスするために、パスワードまたは認証技術が、その後の接続においてユーザに促され得る。
【0039】
図4(a)および(b)は、システム200または方法300を実装するために利用されるGUI400の例示的な実装例を説明する。図4(a)において、GUI400は、インフォテインメントシステムの一部として実装される。図4(b)において、GUI400は、携帯デバイスの一部として実装される。
【0040】
両方の場合において、GUI400は、ワイプする410、ロックする420、または何も実施しない430のためのアイコンまたは選択可能なオプションを提示する。GUI400は、2つのデバイス間で近距離通信が開始された後、開始されている時、または開始される前に提示され得る。ワイプ410は、図5に示されるGUI500を促し得る。
【0041】
図5は、システム200または方法300に従い、データの選択的ワイプを設定するためのGUI500を説明する。図5に示されるように、種々のアプリケーションが提示される(エリア510)。ユーザは、提示されたアプリケーションのうちの何も選択し得ないか、1つ、一部、または全てを選択し得る。例えば、ユーザがテキストを選択した場合、方法300が動作330を実施したときに、第1のデバイス260からテキストがワイプ/ロックされる。この方法で、ユーザは、ワイプすべき重要な情報とユーザが見なす情報を事前選択することができる。
【0042】
実装者の優先度に応じて、GUI400は、近距離通信技術を介して接続を行ういずれかのデバイスを介して提示され得る。したがって、セキュリティ設定は、インフォテインメントシステム、携帯デバイス、またはそれらの両方で設定され得る。代替的に、セキュリティ優先度の設定は、省略され得、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、所定の、または事前設定された設定を利用し得る。
【0043】
図6(a)および6(b)は、システム200または方法300が実装されていない状況の例を説明する。図7(a)および7(b)は、システム200または方法300が実装されている状況の例を説明する。
【0044】
図6(a)および7(a)を参照すると、乗客600は、近距離通信を介して第1の電子デバイス260を第2の電子デバイス270に接続する。示される例において、第1の電子デバイス260は、携帯デバイスであり、第2の電子デバイス270は、インフォテインメントシステムである。図6(a)および7(a)に示されるように、第2の電子デバイス270のコンテンツ(すなわち、受信テキストメッセージ)が通信され、第1の電子デバイス260に表示される。
【0045】
図6(b)および7(b)を参照すると、乗客600は、車両を離れ、電子デバイス270を乗客と一緒に持って行く。システム200を利用していない図6(b)に示されるように、図6(a)に示されるテキストメッセージは、依然として、電子デバイス260の一部として残る。図6(b)において、テキストメッセージが示されているが、しかしながら、それは、電子デバイス260に関連付けられるメモリまたは記憶デバイスに記憶され得、後で呼び戻され得る。
【0046】
ワイプまたはロックの設定が選択されたと仮定する図7(b)において、テキストメッセージは、第1の電子デバイス260から削除される。この方法において、乗客600は、乗客のデバイス(電子デバイス270)に関連付けられるデータが適切に維持され、電子デバイス260のその後のオペレータに共有されないことを適切に確実にし得る。図7(b)に示されるように、テキストは、電子デバイス260を介して表示されなくなる。
【0047】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明において種々の修正および変形がなされ得ることが当業者には明らかである。したがって、本発明は、本発明の修正および変形が、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るという条件で、それらを包含するよう意図される。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】