(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069414
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】管持上げ装置
(51)【国際特許分類】
F16L 1/00 20060101AFI20170123BHJP
E03F 3/06 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
F16L1/00 L
E03F3/06
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-112823(P2015-112823)
(22)【出願日】2015年6月3日
(65)【公開番号】特開2016-223599(P2016-223599A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2015年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】藤田 弘司
(72)【発明者】
【氏名】大川 耕司
(72)【発明者】
【氏名】吉田 義徳
(72)【発明者】
【氏名】冨田 直岐
(72)【発明者】
【氏名】魚津 颯二郎
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−126807(JP,A)
【文献】
特開2004−190690(JP,A)
【文献】
特開2001−193865(JP,A)
【文献】
特開2001−18790(JP,A)
【文献】
特開平11−287094(JP,A)
【文献】
特開平7−217772(JP,A)
【文献】
特開平7−208646(JP,A)
【文献】
特開昭55−90781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 1/00
E03F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新管(P)をさや管(P’)内で走行させるために用いる走行用台車(3)を前記新管(P)から取り外す際に、その新管(P)を持ち上げる管持上げ装置において、
前記さや管(P’)の内面間に架け渡される円弧状のアーチ材からなるベース部材(11)と、前記ベース部材(11)のアーチ軸方向中ほどに設けられる持上手段(12)とを備え、前記持上手段(12)は、前記新管(P)に設けた管端反力受部(20)を押し上げることにより前記新管(P)を持ち上げる管持上げ装置。
【請求項2】
前記ベース部材(11)は、基部(11a)の両端に同方向への立上り部(11b,11b)を有する断面形状のC型鋼である請求項1に記載の管持上げ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の管持ち上げ装置に用いられるベース部材(11)であって、前記さや管(P’)の内面間に架け渡される円弧状のアーチ材からなり、そのアーチ軸方向中ほどに前記持上手段(12)を設けるための接続部(13)を備える管持上げ装置用のベース部材。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の管持ち上げ装置を用いる走行用台車(3)の引き抜き方法であって、前記新管(P)の管端付近における前記さや管(P’)の内面間に前記ベース部材(11)を架け渡し、前記ベース部材(11)のアーチ軸方向中ほどに設けられる前記持上手段(12)によって前記新管(P)に設けた管端反力受部(20)を押し上げることにより前記新管(P)を持ち上げ、その後、前記新管(P)の下方から前記走行用台車(3)を引き抜く走行用台車の引き抜き方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水道、ガス、下水道等に用いる流体輸送用配管を、既設のさや管内に配設する工法に用いられ、さや管内に配設する管体を走行用台車に載せてそのさや管内に搬入し、所定の場所において走行用台車を取り外す際にその管体を持ち上げる管持上げ装置、及び、その管持上げ装置を用いた走行用台車の引き抜き方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダクタイル鋳鉄管等の各種流体輸送用配管を地中に埋設する工法として、推進やシールド工法等によって新設された管をさや管(鞘管)として、その内部に、ダクタイル鋳鉄管等の新しい管体(新管)を配設する工法が採用される場合がある。また、既に供用されている既設管をさや管として、その内部に口径の小さい新管を挿入して管路を更新する工法が採用される場合もある。
【0003】
この種の工法において、新管には、走行用台車が取り付けられる。走行用台車には車輪が設けられており、車輪の転動により、新管がさや管内を走行できるようになっている。このため、作業車による牽引や推進により新管はさや管内を走行して、所定の配設箇所へ運搬される。
【0004】
新管が所定の配設箇所に運搬された後、走行用台車を取り外す際は、その新管を一時持ち上げる必要がある。このため、さや管内において管持上げ装置が用いられる。
【0005】
管持上げ装置として、例えば、特許文献1に記載のものがある。特許文献1の管持上げ装置は、さや管の底面から立ち上がるように配置される門形の基台と、その基台の中央に設けられた上下方向の支柱とを備える。基台は、横方向の梁材の両端に脚部を備える。支柱は、新管の管軸と交差するように配置され、その支柱に沿って設けた油圧ジャッキにより、新管の頂部内面を押し上げて新管を持ち上げ、新管の下方から走行用台車を引き出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭59−77184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種の門形の基台を用いた管持上げ装置は、さや管内に広い作業空間が確保できる場合には有効である。しかし、作業空間が狭い小径のさや管内での施工には不向きであるという問題がある。また、さや管の内面は円弧状であるため、現場の状況によっては、基台がバランスを崩して転倒する危惧もある。
【0008】
さらに、走行用台車を新管の下から引き出すためには、管持上げ装置の基台のスパン(両端の脚部間の長さ)を長くする必要がある。基台の脚部間の空間を利用して、走行用台車を通過させるためである。しかし、基台のスパンが長くなると、新管の持ち上げに伴って梁材や脚部の部材に作用するモーメントが大きくなる。このため、部材が大型化してしまう。
【0009】
そこで、この発明は、管持上げ装置の基台をさや管の底面に安定して配置できるようにし、また、部材をより軽量でコンパクトにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、新管をさや管内で走行させるために用いる走行用台車を前記新管から取り外す際に、その新管を持ち上げる管持上げ装置において、前記さや管の内面間に架け渡される円弧状のアーチ材からなるベース部材と、前記ベース部材のアーチ軸方向中ほどに設けられる持上手段とを備え、前記持上手段は、前記新管に設けた管端反力受部を押し上げることにより前記新管を持ち上げる管持上げ装置を採用した。
【0011】
このとき、前記ベース部材としては、直線状の鋼材を円弧状に曲げ加工したものを採用することができる。
【0012】
また、前記ベース部材としては、基部の両端に同方向への立上り部を有する断面形状のC型鋼である構成を採用することができる。
【0013】
これらの各構成からなる管持ち上げ装置に用いられるベース部材であって、前記さや管の内面間に架け渡される円弧状のアーチ材からなり、そのアーチ軸方向中ほどに前記持上手段を設けるための接続部を備える管持上げ装置用のベース部材を採用することができる。
【0014】
また、これらの各構成からなる管持ち上げ装置を用いる走行用台車の引き抜き方法であって、前記新管の管端付近における前記さや管の内面間に前記ベース部材を架け渡し、前記ベース部材のアーチ軸方向中ほどに設けられる前記持上手段によって前記新管に設けた管端反力受部を押し上げることにより前記新管を持ち上げ、その後、前記新管の下方から前記走行用台車を引き抜く走行用台車の引き抜き方法を採用することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、持上手段を固定する基台として、さや管の内面間に架け渡される円弧状のアーチ材からなるベース部材を採用したので、新管の一端の持ち上げの際にベース部材にモーメントが作用しても、アーチの効果により、部材の圧縮応力が卓越した状態で荷重を安定的に支持することができる。このため、従来の門形の基台を用いた管持上げ装置と比較して、装置をより安定して配置でき、また、部材をより軽量でコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の第一の実施形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(b)の要部拡大図
【
図2】この発明の管持上げ装置を利用した走行用台車の引き抜き方法の説明図
【
図3】ベース部材の詳細を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図
【
図4】管端反力受部を構成する受け部材を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図
【
図5】この発明の第二の実施形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の右側面図
【
図6】この発明の第三の実施形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の右側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、鋼管、コンクリート管などの地中に埋設されたさや管P’内に、ダクタイル鋳鉄管等の管体Pを配設するために、その管体Pを走行用台車3に載せてさや管P’内の所定の配設場所に運搬した後、走行用台車3を管体Pの下から引き抜く走行用台車3の引き抜き工法、及び、その際に、管体Pを持ち上げるために用いる管持上げ装置10に関するものである。
【0018】
管体Pは、受口2に挿し口1を挿入して継ぎ合わせる継手構造であり、さや管P’内に持ち込まれた後、先行する管体Pに順次継ぎ合わせられる。以下、さや管P’内に配設する管体Pを、新管Pと称する。
【0019】
さや管P’内への新管Pの持ち込みに際し、新管Pの底には走行用台車3が取り付けられる。この走行用台車3には、新管Pの底を支える台枠3aと、その台枠3aに回転自在の車輪3bが設けられている。台枠3aの上に新管Pを載せれば、車輪3bの回転により新管Pがさや管P’内を走行できる。新管Pの運搬は、例えば、
図2に示すように、駆動力によって走行する作業車4と走行用台車3とを連結材5で連結して、その作業車4が走行用台車3上の新管Pを推進していく。走行用台車3や作業車4はさや管P’内のレールR上を走行する。
【0020】
なお、新管P同士の継手部の形態は、管路の用途や仕様に応じて適宜選択される。例えば、挿し口1の先端に突起、受口2の内面にロックリングがそれぞれ設けられて、ゴム輪等を介在した状態で挿し口1を受口2に挿し込んだ後、押し輪によってゴム輪を挿し口1と受口2との間の間隙に押し込んでシールした構造を採用することができる。
【0021】
この発明では、新管Pから走行用台車3を取り外す際に、新管Pの一端を持ち上げる管持上げ装置10を用いている。管持上げ装置10によって新管Pの一端を持ち上げた状態で、作業車4が、連結材5を通じて走行用台車3を新管Pの下から引き抜いて、新管Pから走行用台車3を取り外す。
【0022】
管持上げ装置10は、
図1及び
図3に示すように、さや管P’の内面間に架け渡される円弧状のアーチ材からなるベース部材11と、そのベース部材11のアーチ軸方向中ほどに設けられる持上手段12とを備える。
【0023】
この実施形態では、持上手段12として、ロッドの進退により部材を持ち上げ可能なジャッキ装置を採用し、ジャッキ装置は、ベース部材11のアーチ軸方向中ほどに設けた接続部13によって、そのベース部材11に固定されている。以下、この実施形態の持上手段12のことをジャッキ装置12と称する。
【0024】
また、ジャッキ装置12は、新管Pに設けた管端反力受部20を押し上げることにより、ベース部材11及びさや管P’の内面に反力をとって、その新管Pを持ち上げる構造となっている。
【0025】
ベース部材11は、
図3に示すように、基部11aの両端に同方向への立上り部11b,11bを有するC型鋼である。基部11aに対して立上り部11b,11bは、アーチの円弧の外径側、すなわち、ベース部材11の敷設状態において、基部11aから上方へ向かって立ち上がっている。
【0026】
ベース部材11のアーチ軸方向中央部11cに荷重が作用した際に、さや管P’からの反力がベース部材11の端部11d,11d間を圧縮するように作用する。このとき、接続部13において、ジャッキ装置12からの下向き荷重によりベース部材11に作用する応力を、その圧縮応力が卓越する。この圧縮応力の卓越により、ベース部材11を上記のようなC型鋼とすることができ、部材の軽量化ができる。
【0027】
また、走行用台車3を新管Pの下から引き出す際、ベース部材11が円弧状のアーチ部材であるので、直線状の部材をさや管P’の内面間に架け渡す場合と比較して、その内面への支持部間のスパンを短くすることができる。これにより、ベース部材11に作用するモーメントを小さくすることができる。また、部材の大型化を抑制できる。
【0028】
なお、ベース部材11として前述のC型鋼に代えて、断面H型の鋼材など、他の断面形状の鋼材としてもよい。通常は、金属製の部材が用いられるが、強度に問題がなければ、金属以外の他の素材としてもよい。
【0029】
これらのベース部材11として、直線状の部材を円弧状に曲げ加工したものを採用すると、その加工が容易である。曲げ加工前の直線状の部材は、例えば、圧延により所定の断面形状に成型されたものや、溶接により所定の断面形状に成されたものを採用できる。特に、金属製の部材を採用する場合は、曲げ加工による製作が容易である。
【0030】
ベース部材11としては、この他にも、曲げ加工を伴うことなく、鋳造等により予めアーチ状の部材として成型されたもの、あるいは、複数の円弧状部材が溶接により接合されてアーチ状の部材に成されたもの等を用いてもよい。
【0031】
また、ベース部材11の両端は、さや管P’の内面にしっかりと支持されるように、その支持点におけるさや管P’の内面の円弧方向に沿う形状であることが好ましい。ここで、ベース部材11の両端面は、さや管P’の円筒状の内面に面接触する円弧面としてもよいが、さや管P’の円筒状の内面に沿うフラット面であってもよい。ベース部材11の両端面をフラット面とする場合、そのフラット面の面方向は、例えば、
図1(c)に示すように、その接触範囲におけるさや管P’の円筒状の内面の上端位置aと下端位置bとを結ぶ弦の垂直二等分線dに対して直交していることが望ましい。また、ベース部材11の円弧状のアーチ軸線cは、上端位置aと下端位置bとを結ぶ弦の中点eにおけるアーチ軸線cの接線方向が、垂直二等分線dに一致していることが望ましい。
【0032】
第一の実施形態において、接続部13は、
図1及び
図3に示すように、ベース部材11のアーチ軸方向中ほどに、取付穴13aを備える。また、接続部13は、その取付穴13aに挿通され、ベース部材11とジャッキ装置12とを接続するジャッキ固定ボルト13bを備える。
【0033】
接続部13は、通常は、ベース部材11のアーチ軸方向中央部11cに設けられ、ジャッキ装置12が、新管Pの管軸を通る鉛直線に対して線対称に新管Pを支持するように設定されるが、場合によっては、ジャッキ装置12が新管Pを支えるのに支障がない範囲で、アーチ軸方向中央部11cからずれていてもよい。
【0034】
第一の実施形態において、管端反力受部20は、
図1及び
図4に示すように、ジャッキ装置12のジャッキヘッド(進退するロッド12aの先端)が当接する受け部材21によって構成されている。受け部材21は、新管Pの挿し口1の上部付近に固定される。
【0035】
受け部材21は、
図4に示すように、ベース部材11と同様のC型鋼等からなる管内面側部材21aと、それに平行に伸びる管外面側部材21b、及び、その両者を接続する接続部材21c等からなる一体の部材と、その管内面側部材21aに形成されたネジ部21dにねじ込まれたボルト21e等を備える。
【0036】
管内面側部材21aと管外面側部材21bとに挟まれた隙間に、円筒部材である挿し口1の端部を差し込み、ボルト21eを新管Pの内面に向かってねじ込んで締め付けることによって、管外面側部材21bが新管Pの外面に密着し、受け部材21は、新管Pに強固に固定される。
【0037】
この状態で、管内面側部材21aの下面に設けたジャッキ用の当接部21fに、ジャッキ装置12のジャッキヘッドが当接し、その当接部21fを管端反力受部20として、新管Pが持ち上げられる。
【0038】
第二の実施形態を
図5に示す。
図5の実施形態は、新管Pの内面を管端反力受部20として、その管端反力受部20に、ジャッキ装置12のジャッキヘッドに取り付けたアダプタ部材22が当接するようにしたものである。
【0039】
アダプタ部材22は、ジャッキ装置12のジャッキヘッド、すなわち、ロッド12aの先端に取り付けられる本体部22aと、その本体部22aの上端において、側方へ突出する押上部22bとを備える。押上部22bが、管端反力受部20である新管Pの内面に当接し、新管Pが持ち上げられる。
【0040】
第三の実施形態を
図6に示す。
図6の実施形態は、新管Pに取り付けた横方向の梁材23に、管端反力受部20を設けたものである。
【0041】
図では、梁材23は、新管Pの高さ方向中ほど、特に、管軸の高さ付近に設けているが、梁材23の高さは適宜設定できる。
【0042】
管端反力受部20は、梁材23の長さ方向中央部に、その梁材23から新管Pの管軸方向外側へ突出して設けられた受け部材24によって構成されている。受け部材24の下面に設けたジャッキ用の当接部24aに、ジャッキ装置12のジャッキヘッドが当接し、新管Pが持ち上げられる。
【0043】
これらの構成からなる管持上げ装置10を用いた走行用台車3の引き抜き方法について、以下にその手順を説明する。新管Pは、既に、さや管P’内の所定の配設箇所に運搬済であるものとし、その場所で、新管Pの下部から走行用台車3を引き抜く場合を想定する。
【0044】
まず、新管Pの管端付近におけるさや管P’の内面間に、円弧状のベース部材11を架け渡す。新管Pの挿し口1は、先行する別の新管Pの受口2に挿入されているので、ベース部材11の架け渡し場所は、持ち上げようとする新管Pの受口2の端縁の管軸方向すぐ側方(外方)である。ベース部材11の両端部11d,11dは、さや管P’の内面に対してがたつきが生じないようしっかりと載置する。
【0045】
つぎに、ベース部材11の接続部13にジャッキ装置12を取り付ける。場合によっては、ジャッキ装置12を取り付けた状態のベース部材11を、新管Pの側方に設置してもよい。
【0046】
ジャッキ装置12を操作し、そのジャッキ装置12のジャッキヘッドで、新管Pに設けた管端反力受部20を押し上げることにより、新管Pを持ち上げる。ジャッキ装置12は、例えば、油圧や空気圧等の流体の圧力作用でロッドが進退する流体圧式ジャッキであってもよいし、モータや人力の回転力によってロッドを進退させるネジ式ジャッキ等であってもよい。
【0047】
その後、新管Pの下方から走行用台車3を引き出し、走行用台車3が新管Pの下から離脱して所定の位置に到達すれば、再度、ジャッキ装置12を操作して、さや管P’の底の所定の高さに新管Pを載置し、作業を終了する。
【0048】
この実施形態では、管端反力受部20は受口2側に設けたが、さや管P’内における新管Pの向きによっては、挿し口1側に設けることも可能である。
【0049】
さらに、走行用台車3の態様はこの実施形態に限定されず、新管Pの底を支える台枠3aと、その台枠3aに回転自在の車輪3bが設けられているものであれば、種々の形態のものが利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 挿し口
2 受口
3 走行用台車
4 作業車
5 連結材
10 管持上げ装置
11 ベース部材
12 持上手段(ジャッキ装置)
13 接続部
20 管端反力受部
P 新管
P’ さや管