(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
変形阻止部は、複数の第二凸条のそれぞれに設けられ、複数の第二凸条のそれぞれの変形阻止部は、隣り合う伝熱プレートの凸条を躱して、該凸条の延びる方向に整列して配置される請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【背景技術】
【0002】
従来から、第一流体と第二流体とを熱交換させる熱交換器の一つとして、
図19に示す如く、第一流体Xを流通させる第一流路Paと第二流体Yを流通させる第二流路Pbとを区画するプレート本体50を有する伝熱プレート5であって、該プレート本体50を一方向に重ね合わせて配置された複数の伝熱プレート5…を備えたプレート式熱交換器Eが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
伝熱プレート5は、金属プレートをプレス成形したもので、プレート本体50は、第一面Saと該第一面Saの反対面である第二面Sbとを有する。そして、プレート本体50は、
図20に示す如く、第一面Sa及び第二面Sbのそれぞれに複数の凹条51…及び凸条52…を有する。すなわち、プレート本体50は、金属プレートを部分的に谷折りして形成された凹条51と、金属プレートを部分的に山折りして形成された凸条52とを有する。複数の凹条51…及び凸条52…は、プレート本体50の両端部から当該プレート本体50の中心線CLに向けて延び、中心線CLに対して所定角度で傾斜している。なお、
図20において、凹条51の底を実線で表現し、凸条52の頂部を二点鎖線で表現している。
【0004】
各伝熱プレート5…は、
図19に示す如く、自身のプレート本体50の第一面Saを一方向の一方側で隣り合う伝熱プレート5のプレート本体50の第二面Sbと対向させ、自身のプレート本体50の第二面Sbを一方向の他方側で隣り合う伝熱プレート5のプレート本体50の第一面Saと対向させる。
【0005】
そして、この種にプレート式熱交換器Eにおいて、隣り合う伝熱プレート5,5間にガスケットが介装されたり、隣り合う伝熱プレート5,5同士がロウ付けされたりすることで、隣り合う伝熱プレート5,5間がシールされる。
【0006】
これにより、この種のプレート式熱交換器Eにおいて、
図19、
図21(a)及び
図21(b)に示す如く、第一流路Paと第二流路Pbとが伝熱プレート5のプレート本体50を挟んで一方向で交互に形成される。なお、第一流路Pa及び第二流路Pbが形成されるに伴い、複数の伝熱プレート5…に設けられた一対の第一開口53,53のそれぞれが一方向に連なることで、第一流路Paのみと連通して第一流路Paに第一流体Xを流出入させる第一流入路Pc及び第一流出路Pdが形成されるとともに、複数の伝熱プレート5…に設けられた一対の第二開口54,54のそれぞれが一方向に連なることで、第二流路Pbのみと連通して第二流路Pbに第二流体Yを流出入させる第二流入路Pe及び第二流出路Pfが形成される。
【0007】
これに伴い、この種のプレート式熱交換器Eは、
図21(a)に示す如く、第一流入路Pcに供給された第一流体Xを第一流路Paで流通させた上で第一流出路Pdに排出させるとともに、
図21(b)に示す如く、第二流入路Peに供給された第二流体Yを第二流路Pbで流通させた上で第二流出路Pfに排出させる。すなわち、この種のプレート式熱交換器Eは、第一流路Paを流通する第一流体Xと第二流路Pbを流通する第二流体Yとを伝熱プレート5…(プレート本体50)を介して熱交換させる。
【0008】
ところで、この種のプレート式熱交換器Eには、伝熱プレート5におけるプレート本体50の第一面Sa及び第二面Sbの少なくとも何れか一方に設けられる複数の凸条52…の高さが異なるものがある。
【0009】
具体的に説明すると、上述の如く、プレート本体50の第一面Sa及び第二面Sbのそれぞれには、凹条51及び凸条52が自身の延びる長手方向と直交する方向で交互に配置されることで、複数の凸条52…が長手方向と直交する方向に間隔をあけて(凹条51を挟んで)配置される。そして、この種のプレート式熱交換器Eにおいては、
図22に示す如く、プレート本体50の第一面Sa及び第二面Sbの少なくとも何れか一方の面に配置される複数の凸条52として、隣り合う伝熱プレート5の凸条52と接触可能な高さで形成される複数の第一凸条52aと、第一凸条52a,52a間に配置され、第一凸条52aよりも低く形成された第二凸条52bとが設けられる。
【0010】
このように、この種のプレート式熱交換器Eにおいては、伝熱プレート5の凸条52として、第一凸条52a及び第二凸条52bが設けられるため、複数の伝熱プレート5…を重ね合わせた状態で、凸条52として第一凸条52a及び第二凸条52bを含む伝熱プレート5は、隣り合う伝熱プレート5の凸条52に対して第一凸条52aのみを接触させ、第二凸条52bを隣り合う伝熱プレート5に対して隙間をあけて配置させる。
【0011】
これにより、この種のプレート式熱交換器Eは、複数の凸条52…が同一高さにして形成された伝熱プレート5を備えたものに比して、隣り合う伝熱プレート5,5の凸条52同士の接触点の数が少なくなるため、第一流体X及び第二流体Yの少なくとも何れか一方の流通性能を高めることができるとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、この種のプレート式熱交換器Eにおいて、複数の伝熱プレート5を重ね合わせて第一流路Pa及び第二流路Pbを形成するにあたり、隣り合う伝熱プレート5,5間のシール性能を高めるべく、隣り合う伝熱プレート5,5同士の密接度が高められている。すなわち、この種のプレート式熱交換器Eにおいては、
図23に示す如く、重ね合わされた複数の伝熱プレート5…に対して一方向に圧縮力Fが加えられる。
【0014】
これに伴い、上述の如く、伝熱プレート5の複数の凸条52…に第二凸条52bが含まれていると、伝熱プレート5…に作用させた圧縮力Fが第二凸条52bには作用せずに第二凸条52bの両側にある第一凸条52aを圧縮する。そうすると、圧縮力Fの作用により、金属プレートを部分的に山折りにして形成された第一凸条52a(第二凸条52bの両側にある第一凸条52a,52a)が自身の延びる長手方向と直交する方向に広がり、これに伴って、第二凸条52b、及び該第二凸条52bと第一凸条52aとを接続する凹条51が長手方向と直交する方向に変形することがある。その結果、第一凸条52aと連続する第二凸条52bが隣り合う伝熱プレート5に接近し、隣り合う伝熱プレート5の凸条52と第二凸条52bとの間隔が狭くなったり、隣り合う伝熱プレート5の凸条52と第二凸条52bとが接触してしまったりすることがある(
図23参照)。
【0015】
従って、上述の如く、第一流体X及び第二流体Yの少なくとも何れか一方の流通性を高めるべく、伝熱プレート5の複数の凸条52に第二凸条52bが含まれていたとしても、完成品たるプレート式熱交換器において、隣り合う伝熱プレート5,5の間隔が必要とする間隔よりも狭くなることがある。そのため、第一流路Paや第二流路Pbの流路断面が必要以上に小さくなり、必要な流通性能が得られなくなることがある。
【0016】
そこで、本発明は、第一流体及び第二流体の少なくとも何れか一方の流通性能を高めた状態で維持することのできるプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るプレート式熱交換器は、第一流体を流通させる第一流路と第二流体を流通させる第二流路とを区画するプレート本体
と、プレート本体の外周から延出した環状の嵌合部とを有する複数の伝熱プレートであって、それぞれのプレート本体が一方向に重ね合わせられるとともに、一方向でプレート本体同士が隣り合う伝熱プレートの嵌合部同士が密接状態で嵌合された複数の伝熱プレートとを備え、各伝熱プレートのプレート本体は、自身の中心線に対して所定角度で傾斜した複数の凹条及び凸条を有する第一面と、第一面に対して反対向きの第二面であって、第一面の凸条及び凹条と対応し、自身の中心線に対して所定角度で傾斜した複数の凹条及び凸条を有する第二面とを含み、第一面及び第二面の少なくとも何れか一方は、複数の凸条として、所定の高さの複数の第一凸条と、該第一凸条よりも低い高さの第二凸条であって、第一凸条間に配置された第二凸条とを有し、複数の伝熱プレートのプレート本体が一方向に重ね合わされることにより、各伝熱プレートの第一凸条が隣り合う伝熱プレートの凸条と交差衝合し、プレート本体を境にして第一流路と第二流路とが交互に形成されたプレート式熱交換器において、各伝熱プレートは、第一凸条及び第二凸条の少なくとも何れか一方が自身の延びる長手方向と直交する方向に変形するのを部分的に阻止する変形阻止部を備え
、変形阻止部は、第二凸条を部分的に窪ませた凹部であることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、複数の伝熱プレートが一方向に重ね合わされた上で、これらに一方向の圧縮力が加えられると、隣り合う伝熱プレートの凸条と交差衝合する第一凸条にも圧縮力が作用し、その圧縮力の影響で第一凸条が自身の延びる長手方向と直交する方向に広がろうとする(拡張変形しようとする)。すなわち、第一凸条は、自身の延びる長手方向と直交する方向の両端を位置変更させようとする。
【0019】
しかし、各伝熱プレートは、第一凸条及び第二凸条の少なくとも何れか一方が自身の延びる長手方向と直交する方向に変形するのを部分的に阻止する変形阻止部を備えるため、第一凸条及び第二凸条の少なくとも何れか一方が自身の延びる長手方向と直交する方向に変形することが阻止される。これにより、第一凸条の変形(自身の延びる長手方向と直交する方向の両端が位置変更すること)が直接的又は間接的に阻止され、第一凸条と第二凸条との位置関係が維持される結果、第二凸条が隣り合う伝熱プレート側に変位することが阻止される。
【0020】
従って、完成品たるプレート式熱交換器において、隣り合う伝熱プレートの凸条と第二凸条とが必要な間隔をあけた状態で維持する。これにより、第一流路の流路断面及び第二流路の流路断面が必要な断面となり、必要な流通性能が得られる。
【0021】
そして、変形阻止部は
、第二凸
条を部分的に窪ませた凹部であるた
め、凹部を画定する壁に凸条の延びる方向と直交する方向に広がる部位が含まれる。従って
、第二凸
条に凹部で構成された変形阻止部が設けられることで、変形阻止部(凹部)を画定する壁の一部がリブとして機能し、第一凸条及び第二凸条の少なくとも何れか一方が長手方向と直交する方向に変形(拡張又は縮小)することが阻止される。
【0022】
この場合、変形阻止部は、複数の第二凸条のそれぞれに設けられ、複数の第二凸条のそれぞれの変形阻止部は、隣り合う伝熱プレートの凸条を躱して、該凸条の延びる方向に整列して配置されることが好ましい。このようにすれば、変形阻止部が設けられても、第一流体及び第二流体の円滑な流通性が確保される。
【0023】
具体的には、伝熱プレートは、金属プレートをプレス成形したものであるため、第二凸条の反対側は凹条となり、変形阻止部が凹部で構成されるとその裏側は凸部となる。そのため、変形阻止部が隣り合う伝熱プレートの凸条に対応して配置されると、隣り合う伝熱プレートの凸条と変形阻止部の裏側の凸部との関係で、第一流路又は第二流路が分断されたり縮小されたりする虞がある。しかし、上記の通り、変形阻止部が、隣り合う伝熱プレートの凸条を躱して、凸条の延びる方向に整列して配置されると、第一流路又は第二流路が部分的又は全体的に分断や縮小されることがなく、第一流体及び第二流体の円滑な流通性が確保される。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、第一流体及び第二流体の少なくとも何れか一方の流通性能を高めた状態で維持することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0027】
図1に示す如く、プレート式熱交換器HEは、複数の伝熱プレート1…,2…を備える。複数の伝熱プレート1…,2…のそれぞれは、
図2に示す如く、一方向に重ね合わされるプレート本体10,20を有する。
【0028】
本実施形態において、プレート式熱交換器HEは、二種類の伝熱プレート1,2を備え、種類を異にする伝熱プレート1,2が一方向で交互に重ね合わされている。
【0029】
二種類の伝熱プレート1,2のうちの一方の伝熱プレート(以下、第一伝熱プレートという)1は、第一面Sa1と該第一面Sa1に対して反対側を向く第二面Sb1を有するプレート本体10と、プレート本体10の外周から第二面Sb1側に延出した環状の嵌合部11を備える。
【0030】
第一伝熱プレート1において、プレート本体10は、
図3及び
図4に示す如く、四つの開口12,13,14,15を有する。具体的に説明すると、プレート本体10は、正面視長方形状に形成され、四隅部分に開口12,13,14,15を有する。
【0031】
プレート本体10の長手方向の一端側で且つ長手方向と直交する方向の一端側にある開口(以下、第一開口という)12の周囲の領域、及びプレート本体10の長手方向の他端側で且つ長手方向と直交する方向の他端側にある開口(以下、第二開口という)13の周囲の領域は、第一面Sa1側から見て奥側に窪んでいる。すなわち、第一開口12及び第二開口13の周囲の領域は、第二面Sb1側から見て手前側に突出している。
【0032】
これに対し、プレート本体10の長手方向の一端側で且つ長手方向と直交する方向の他端側にある開口(以下、第三開口という)14の周囲の領域、及びプレート本体10の長手方向の他端側で且つ長手方向と直交する方向の一端側にある開口(以下、第四開口という)15の周囲の領域は、第一面Sa1側から見て手前側に突出している。すなわち、第三開口14及び第四開口15の周囲の領域は、第二面Sb1側から見て奥側に窪んでいる。なお、
図3及び
図4においては、第一開口12、第二開口13、第三開口14及び第四開口15の周囲の凹凸関係を明示するために、手前側に突出している領域にドットを付している。
【0033】
第一伝熱プレート1において、プレート本体10は、第一面Sa1及び第二面Sb1のそれぞれに複数の凹条16…及び凸条17…を有する。本実施形態に係るプレート本体10は、第一開口12、第二開口13、第三開口14、及び第四開口15の周囲の領域以外の領域に凹条16…及び凸条17を有する。凹条16及び凸条17は、自身の延びる長手方向と直交する方向に交互に配置される。なお、
図3及び
図4において、凹条16の底を実線で表現し、凸条17(17a,17b)の頂部を二点鎖線で表現している。
【0034】
第一伝熱プレート1は、金属プレートをプレス成形したものである。そのため、
図5に示す如く、プレート本体10の第一面Sa1上の凹条16は、当該プレート本体10の第二面Sb1上の凸条17を構成し、プレート本体10の第一面Sa1上の凸条17は、当該プレート本体10の第二面Sb1上の凹条16を構成する。すなわち、プレート本体10は、
図3、
図4、及び
図5に示す如く、長手方向に延びる中心線CLに対して所定角度で傾斜した複数の凹条16…及び凸条17…の形成された第一面Sa1と、第一面Sa1の反対側の第二面Sb1であって、第一面Sa1の凹条16…に対応した凸条17…及び第一面Sa1の凹条16…に対応した凸条17の形成された第二面Sb1とを有する。
【0035】
第一伝熱プレート1において、凹条16…及び凸条17は、
図3及び
図4に示す如く、プレート本体10の長手方向に延びる中心線CLを境にした一方側の領域(プレート本体10の長手方向と直交する方向の一端側の半分の領域)と、他方側の領域(プレート本体10の長手方向と直交する方向の他端側の半分の領域)とに設けられている。そして、一方側の領域内の凹条16…及び凸条17…と、他方側の領域内の凹条16…及び凸条17…とは、中心線CL上で接続されている。
【0036】
本実施形態において、一方側の領域内の凹条16…及び凸条17…と、他方側の領域内の凹条16…及び凸条17…とは同一直線上に配置され、連続して直線状をなす。
【0037】
本実施形態において、凹条16…及び凸条17は、第一面Sa1側から見てプレート本体10の長手方向と直交する方向の他端から一端に向けて先下りに設けられている。すなわち、凹条16…及び凸条17は、第二面Sb1側から見てもプレート本体10の長手方向と直交する方向の他端から一端に向けて先下りに設けられている。
【0038】
本実施形態において、
図5及び
図6に示す如く、第一面Sa1上の複数の凸条17…として、複数の第一凸条17a…と、複数の第二凸条17b…とが設けられている。第二凸条17bは、自身の延びる長手方向と直交する方向の両側にある第一凸条17a,17aに挟まれた配置とされる。本実施形態では、二つの第一凸条17a,17a間に一つの第二凸条17bが配置された態様とされる。すなわち、第一凸条17aと第二凸条17bは、自身の延びる長手方向と直交する方向に凹条16を介して一つおきで交互に配置されている。
【0039】
複数の第一凸条17a…は、伝熱プレート1,2を重ね合わせる方向と対応する一方向の高さH1が隣り合う伝熱プレート2に接触可能となる高さに設定され、それぞれ同一の高さに設定される。複数の第二凸条17b…は、伝熱プレート1,2を重ね合わせる方向と対向する一方向の高さH2が第一凸条17aよりも低い高さに設定され、それぞれ同一高さに設定される。すなわち、複数の第一凸条17a…の頂部は、共通の仮想面上に位置し、複数の第二凸条17b…の頂部は、第一凸条17aとは異なる共通の仮想面上に位置している。
【0040】
なお、ここで「高さ」とは、谷折り状態の凹条16と山折り状態の凸条17(第一凸条17a、第二凸条17b)との接続位置(山谷が切り替わる位置)を通る基準線BLから凸条17(第一凸条17a、第二凸条17b)の頂部までの高さH1,H2を言う。
【0041】
これに対し、第二面Sb1上の複数の凸条17…の一方向の高さH3は、それぞれ同一の高さに設定されている。なお、上述の如く、第一面Sa1上の凸条17(第一凸条17a、第二凸条17b)は、第二面Sb1上の凹条16を構成するため、第二面Sb1において、第一凸条17aの裏側となる凹条16の一方向の深さは、第二凸条17bの裏側となる凹条16の一方向の深さよりも深くなっている。すなわち、第二凸条17bの裏側となる凹条16の一方向の深さは、第一凸条17aの裏側となる凹条16の一方向の深さよりも浅くなっている。なお、「深さ」とは、谷折り状態の凹条16と山折り状態の凸条17(第一凸条17a、第二凸条17b)との接続位置(山谷が切り替わる位置)を通る基準線BLから凹条16の底までの深さを言う。
【0042】
第一伝熱プレート1は、上記構成を前提に、
図3に示す如く、第一凸条17a及び第二凸条17bの少なくとも何れか一方が長手方向と直交する方向に変形するのを阻止する変形阻止部18を備える。
【0043】
複数の凸条17(第一凸条17a、第二凸条17b)のそれぞれは、
図6に示す如く、一端と他端とを有する一対の凸壁170,170であって、一端同士が接続されて頂部を構成する一方で一端から他端に向かうにつれて互いに離間し、他端が凹条16に接続される一対の凸壁170,170を有する。これを前提に、変形阻止部18は、凸条17における一対の凸壁170,170の相対的な移動を拘束する(長手方向と直交する方向への間隔の変更を規制する)接続片18aを備える。
【0044】
本実施形態に係る変形阻止部18は、第二凸条17bを部分的に窪ませた凹部であり、凹部を画定する壁180a及び底180bが接続片18aとして機能する。より具体的には、本実施形態に係る変形阻止部18は、
図6及び
図7に示す如く、第二凸条17bの頂部を長手方向と直交する方向に延びる溝状に窪ませた凹部である。これに伴い、変形阻止部18は、接続片18aとして、第二凸条17bの長手方向に間隔をあけた一対の壁180a,180aであって、第二凸条17bを形成する一対の凸壁170,170を連結する一対の壁180a,180aと、一対の壁180a,180aを連結しつつ一対の凸壁170,170を連結する底部180bとを有する。かかる変形阻止部18は、接続片18aとしての壁180a及び底180bが第二凸条17bの一対の凸壁170,170を拘束することにより、第二凸条17b全体の変形を阻止する。
【0045】
本実施形態において、変形阻止部18は、複数の第二凸条17b…のそれぞれに設けられている。複数の第二凸条17b…のそれぞれの変形阻止部18は、隣り合う第二伝熱プレート2の凸条27を躱して、該凸条27の延びる方向に整列して配置される。
【0046】
すなわち、変形阻止部18は、
図3に示す如く、中心線CLに対して傾斜する仮想線(図示しない)であって、中心線CLを基準として凸条17(第一凸条17a,第二凸条17b)と対称的な配置となる仮想線(隣り合う伝熱プレート2の凸条27と平行となる仮想線)上に配置される。本実施形態において、複数の第二凸条17bのそれぞれに対して複数の変形阻止部18…が配置される。複数の第二凸条17bのそれぞれに設けられた複数の変形阻止部18…は、異なる仮想線上で整列し、複数の列をなしている。
【0047】
二種類の伝熱プレート2,2のうちの他方の伝熱プレート(以下、第二伝熱プレートという)2は、
図2、
図8及び
図9に示す如く、第一面Sa2と該第一面Sa2に対して反対側を向く第二面Sb2を有するプレート本体20と、プレート本体20の外周から第二面Sb2側に延出した環状の嵌合部21を備える。
【0048】
第二伝熱プレート2において、プレート本体20は、
図8及び
図9に示す如く、四つの開口22,23,24,25を有する。具体的に説明すると、プレート本体20は、正面視長方形状に形成され、四隅部分に開口22,23,24,25を有する。
【0049】
プレート本体20の長手方向の一端側で且つ長手方向と直交する方向の一端側にある開口(以下、第一開口という)22の周囲の領域、及びプレート本体20の長手方向の他端側で且つ長手方向と直交する方向の他端側にある開口(以下、第二開口という)23の周囲の領域は、第一面Sa2側から見て手前側に突出している。すなわち、第一開口22及び第二開口23の周囲の領域は、第二面Sb2側から見て奥側に窪んでいる。
【0050】
これに対し、プレート本体20の長手方向の一端側で且つ長手方向と直交する方向の他端側にある開口(以下、第三開口という)24の周囲の領域、及びプレート本体20の長手方向の他端側で且つ長手方向と直交する方向の一端側にある開口(以下、第四開口という)25の周囲の領域は、第一面Sa2側から見て奥側に窪んでいる。すなわち、第三開口24及び第四開口25の周囲の領域は、第二面Sb2側から見て手間側に突出している。なお、
図8及び
図9においては、第一開口22、第二開口23、第三開口24及び第四開口25の周囲の凹凸関係を明示するために、手前側に突出している領域にドットを付している。
【0051】
第二伝熱プレート2において、プレート本体20は、第一面Sa2及び第二面Sb2のそれぞれに複数の凹条26…及び凸条27…を有する。本実施形態に係るプレート本体20は、第一開口22、第二開口23、第三開口24、及び第四開口25の周囲の領域以外の領域に凹条26…及び凸条27を有する。凹条26及び凸条27は、自身の延びる長手方向と直交する方向に交互に配置される。なお、
図8及び
図9において、凹条26の底を実線で表現し、凸条27(27a,27b)の頂部を二点鎖線で表現している。
【0052】
第二伝熱プレート2は、金属プレートをプレス成形したものである。そのため、
図10に示す如く、プレート本体20の第一面Sa2上の凹条26は、当該プレート本体20の第二面Sb2上の凸条27を構成し、プレート本体20の第一面Sa2上の凸条27は、当該プレート本体20の第二面Sb2上の凹条26を構成する。すなわち、プレート本体20は、
図8、
図9、及び
図10に示す如く、長手方向に延びる中心線CLに対して所定角度で傾斜した複数の凹条26…及び凸条27…の形成された第一面Sa2と、第一面Sa2の反対側の第二面Sb2であって、第一面Sa2の凹条26…に対応した凸条27…及び第一面Sa2の凹条26…に対応した凸条27の形成された第二面Sb2とを有する。
【0053】
第二伝熱プレート2において、凹条26…及び凸条27は、
図8及び
図9に示す如く、プレート本体20の長手方向に延びる中心線CLを境にした一方側の領域(プレート本体20の長手方向と直交する方向の一端側の半分の領域)と、他方側の領域(プレート本体20の長手方向と直交する方向の他端側の半分の領域)とに設けられている。そして、一方側の領域内の凹条26…及び凸条27…と、他方側の領域内の凹条26…及び凸条27…とは、中心線CL上で接続されている。
【0054】
本実施形態において、一方側の領域内の凹条26…及び凸条27…と、他方側の領域内の凹条26…及び凸条27…とは同一直線上に配置され、連続して直線状をなす。
【0055】
本実施形態において、凹条26…及び凸条27は、第一面Sa2側から見てプレート本体20の長手方向と直交する方向の一端から他端に向けて先下りに設けられている。すなわち、凹条26…及び凸条27は、第二面Sb2側から見てもプレート本体20の長手方向と直交する方向の一端から他端に向けて先下りに設けられている。
【0056】
第二伝熱プレート2の凹条26…及び凸条27…は、重ね合わされる第一伝熱プレート1の凹条16…及び凸条17…に対し、中心線CLを基準として対称的に配置されている。すなわち、第二伝熱プレート2の凹条26…及び凸条27…は、重ね合わされる第一伝熱プレート1の凹条16…及び凸条17…に対して逆勾配で設けられる。
【0057】
本実施形態において、
図10及び
図11に示す如く、第一面Sa2上の複数の凸条27…として、複数の第一凸条27a…と、複数の第二凸条27b…とが設けられている。第二凸条27bは、自身の延びる長手方向と直交する方向の両側にある第一凸条27aに挟まれた配置とされる。本実施形態では、二つの第一凸条27a,27a間に一つの第二凸条27bが配置された態様とされる。すなわち、第一凸条27aと第二凸条27bは、自身の延びる長手方向と直交する方向に凹条26を介して一つおきで交互に配置されている。
【0058】
複数の第一凸条27a…は、伝熱プレート2,2を重ね合わせる方向と対向する一方向の高さH4が隣り合う伝熱プレート2に接触可能となる高さに設定され、それぞれ同一の高さに設定される。複数の第二凸条27b…は、伝熱プレート2,2を重ね合わせる方向と対向する一方向の高さH5が第一凸条27aよりも低い高さに設定され、それぞれ同一高さに設定される。すなわち、複数の第一凸条27a…の頂部は、共通の仮想面上に位置し、複数の第二凸条27b…の頂部は、第一凸条27aとは異なる共通の仮想面上に位置している。
【0059】
なお、ここで「高さ」とは、谷折り状態の凹条26と山折り状態の凸条27(第一凸条27a、第二凸条27b)との接続位置(山谷が切り替わる位置)を通る基準線BLから凸条27(第一凸条27a、第二凸条27b)の頂部までの高さH4,H5を言う。
【0060】
これに対し、第二面Sb2上の複数の凸条27…の一方向の高さH6は、それぞれ同一の高さに設定されている。なお、上述の如く、第一面Sa2上の凸条27(第一凸条27a、第二凸条27b)は、第二面Sb2上の凹条26を構成するため、第二面Sb2において、第一凸条27aの裏側となる凹条26の一方向の深さは、第二凸条27bの裏側となる凹条26の一方向の深さよりも深くなっている。すなわち、第二凸条27bの裏側となる凹条26の一方向の深さは、第一凸条27aの裏側となる凹条26の一方向の深さよりも浅くなっている。なお、「深さ」とは、谷折り状態の凹条26と山折り状態の凸条27(第一凸条27a、第二凸条27b)との接続位置(山谷が切り替わる位置)を通る基準線BLから凹条26の底までの深さを言う。
【0061】
第二伝熱プレート2は、上記構成を前提に、
図8に示す如く、第一凸条27a及び第二凸条27bの少なくとも何れか一方が長手方向と直交する方向に変形するのを規制する変形阻止部28を備える。
【0062】
複数の凸条27(第一凸条27a、第二凸条27b)のそれぞれは、
図11に示す如く、一端と他端とを有する一対の凸壁270,270であって、一端同士が接続されて頂部を構成する一方で一端から他端に向かうにつれて互いに離間し、他端が凹条26に接続される一対の凸壁270,270を有する。これを前提に、変形阻止部28は、凸条27における一対の凸壁270,270の相対的な移動を拘束する(長手方向と直交する方向への間隔の変更を規制する)接続片28aを備える。
【0063】
本実施形態に係る変形阻止部28は、第二凸条27bを部分的に窪ませた凹部であり、凹部を画定する壁280a及び底280bが接続片28aとして機能する。より具体的には、本実施形態に係る変形阻止部28は、
図11及び
図12に示す如く、第二凸条27bの頂部を長手方向と直交する方向に延びる溝状に窪ませた凹部である。これに伴い、変形阻止部28は、接続片28aとして、第二凸条27bの長手方向に間隔をあけた一対の壁280a,280aであって、第二凸条27bを形成する一対の凸壁270,270を連結する一対の壁280a,280aと、一対の壁280a,280aを連結しつつ一対の凸壁270,270を連結する底部280bとを有する。かかる変形阻止部28は、接続片28aとしての壁280a及び底280bが第二凸条27bの一対の凸壁270,270を拘束することにより、第二凸条27b全体の変形を阻止する。
【0064】
本実施形態において、変形阻止部28は、複数の第二凸条27b…のそれぞれに設けられている。複数の第二凸条27b…のそれぞれの変形阻止部28は、隣り合う第一伝熱プレート1の凸条17を躱して、該凸条17の延びる方向に整列して配置される。
【0065】
すなわち、変形阻止部28は、
図8に示す如く、中心線CLに対して傾斜する仮想線(図示しない)であって、中心線CLを基準として凸条27(第一凸条27a,第二凸条27b)と対称的な配置となる仮想線(隣り合う伝熱プレート1の凸条17と平行となる仮想線)上に配置される。本実施形態において、複数の第二凸条27bのそれぞれに対して複数の変形阻止部28…が配置される。複数の第二凸条27bのそれぞれに設けられた複数の変形阻止部28…は、異なる仮想線上で整列し、複数の列をなしている。
【0066】
そして、第一伝熱プレート1及び第二伝熱プレート2は、
図2に示す如く、第一伝熱プレート1におけるプレート本体10の第二面Sb1に第二伝熱プレート2におけるプレート本体20の第一面Sa2を対向させるとともに、第一伝熱プレート1におけるプレート本体10の第一面Sa1に第二伝熱プレート2におけるプレート本体20の第二面Sb2を対向させた状態で、一方向に交互に重ね合わされる。
【0067】
この状態において、第一伝熱プレート1の嵌合部11と第二伝熱プレート2との嵌合部21とが密接状態で嵌合される(
図1参照)。
【0068】
また、第一伝熱プレート1のプレート本体10の第一面Sa1のうちの第三開口14及び第四開口15の周囲(第一面Sa1側から見て手前側に突出した部位:
図3においてドットを付した領域)と、第二伝熱プレート2のプレート本体20の第二面Sb2のうちの第三開口24及び第四開口25の周囲(第二面Sb2側から見て手前側に突出した部位;
図9においてドットを付した領域)とが密接し、第一伝熱プレート1のプレート本体10の第二面Sb1のうちの第一開口12及び第二開口13の周囲(第二面Sb1側から見て手前側に突出した部位:
図4においてドットを付した領域)と、第二伝熱プレート2のプレート本体20の第一面Sa2のうちの第一開口22及び第二開口23の周囲(第一面Sa2側から見て手前側に突出した部位:
図8においてドットを付した領域)とが密接する。
【0069】
また、
図13及び
図14に示す如く、第一伝熱プレート1のプレート本体10の第一面Sa1上にある凸条17と、第二伝熱プレート2のプレート本体20の第二面Sb2上にある凸条27とが交差衝合し、第一伝熱プレート1のプレート本体10の第二面Sb1上にある凸条17と、第二伝熱プレート2のプレート本体20の第一面Sa2上にある凸条27とが交差衝合する。本実施形態においては、第一伝熱プレート1におけるプレート本体10の第一面Sa1上の凸条17として、第一凸条17a及び第二凸条17bが混在しているため、第一伝熱プレート1におけるプレート本体10の第一面Sa1上の第一凸条17aのみが、第二伝熱プレート2におけるプレート本体20の第二面Sb2上の凸条27に交差衝合する。また、第二伝熱プレート2におけるプレート本体20の第一面Sa2上の凸条27として、第一凸条27a及び第二凸条27bが混在しているため、第二伝熱プレート2におけるプレート本体20の第一面Sa2上の第一凸条27aのみが、第一伝熱プレート1におけるプレート本体10の第二面Sb1上の凸条17に交差衝合する。
【0070】
この状態において、第一伝熱プレート1及び第二伝熱プレート2は、一方向に押し付けられた状態(圧縮力が加えられた状態)にされた上でロウ付けされ、互いに密接する部位同士、及び互いに交差衝合する部位(交差点)同士が接合される。すなわち、隣り合う第一伝熱プレート1と第二伝熱プレート2との密接部位がロウ付けによりシールされる。
【0071】
これにより、本実施形態に係るプレート式熱交換器HEにおいて、
図2、
図15、及び
図16に示す如く、第一流体Xを流通させる第一流路P1と、第二流体Yを流通させる第二流路P2がプレート本体10,20を境にして形成され、複数の伝熱プレート1,2に設けられた四つの開口12,13,14,15,22,23,24,25のうちの二つの開口12,22,13,23(第一開口12,22及び第二開口13,23)のそれぞれが一方向に連なることで、第一流路P1のみと連通して第一流路P1に第一流体Xを流出入させる第一流入路Px1及び第一流出路Px2が形成されるとともに、複数の伝熱プレート1,2に設けられた四つの開口12,13,14,15,22,23,24,25のうちの二つの開口14,24,15,25(第三開口14,24及び第四開口15,25)のそれぞれが一方向に連なることで、第二流路P2のみと連通して第二流路P2に第二流体Yを流出入させる第二流入路Py1及び第二流出路Py2が形成される。
【0072】
本実施形態においては、第一開口12,22と第二開口13,23とがプレート本体10,20の対角位置にあり、第三開口14,24と第四開口15,25とがプレート本体10,20の別の対角位置にあるため、第一流路P1は、プレート本体10,20の対角方向に第一流体Xを流通させる斜行流路とされ、第二流路P2は、プレート本体10,20の対角方向に第二流体Yを流通させる斜行流路とされる。すなわち、第一流路P1及び第二流路P2は、一方向から見て第一流体Xの流れと第二流体Yの流れとが交差するように構成されている。
【0073】
以上のように、本実施形態に係るプレート式熱交換器HEは、金属プレートをプレス成形した複数の伝熱プレート1…,2…(第一伝熱プレート1,第二伝熱プレート2)であって、第一流体Xを流通させる第一流路P1と第二流体Yを流通させる第二流路P2とを区画するプレート本体10,20を有する複数の伝熱プレート1…,2…を備え、各伝熱プレート1,2のプレート本体10,20は、自身の中心線CLに対して所定角度で傾斜した複数の凹条16…,26…及び凸条17…,27…を有する第一面Sa1,Sa2と、第一面Sa1,Sa2に対して反対向きの第二面Sb1,Sb2であって、第一面Sa1,Sa2の凸条17…,27…及び凹条16…,26…と対応し、自身の中心線CLに対して所定角度で傾斜した複数の凹条16…,26…及び凸条17…,27…を有する第二面Sb1,Sb2とを含み、第一面Sa1,Sa2及び第二面Sb1,Sb2の少なくとも何れか一方は、複数の凸条17…,27…として、所定の高さの複数の第一凸条17a…,27a…と、該第一凸条17a…,27a…よりも低い高さの第二凸条17b…,27b…であって、第一凸条17a,17a,27a,27a間に配置された第二凸条17b,27bとを有し、複数の伝熱プレート1,2のプレート本体10,20が一方向に重ね合わされることにより、各伝熱プレート1,2の第一凸条17a…,27a…が隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17と交差衝合し、プレート本体10,20を境にして第一流路P1と第二流路P2とが交互に形成され、各伝熱プレート1,2は、第一凸条17a…,27a…及び第二凸条17b…,27b…の少なくとも何れか一方が自身の延びる長手方向と直交する方向に変形するのを部分的に阻止する変形阻止部18,28を備える。
【0074】
これにより、複数の伝熱プレート1,2が一方向に重ね合わされた上で、これらに一方向の圧縮力が加えられると、隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17,27と交差衝合する第一凸条17a,27aにも圧縮力が作用し、その圧縮力の影響で第一凸条17a,27aが自身の延びる長手方向と直交する方向に広がろうとする(拡張変形しようとする)。すなわち、第一凸条17a,27aは、自身の延びる長手方向と直交する方向の両端を位置変更させようとする。
【0075】
しかし、各伝熱プレート1,2は、
図13及び
図14に示す如く、第一凸条17a,27a及び第二凸条17b,27bの少なくとも何れか一方が自身の延びる長手方向と直交する方向に変形するのを部分的に阻止する変形阻止部18,28を備えるため、第一凸条17a,27a及び第二凸条17b,27bの少なくとも何れか一方が自身の延びる長手方向と直交する方向に変形することが阻止される。これにより、第一凸条17a,27aの変形(自身の延びる長手方向と直交する方向の両端が位置変更すること)が直接的又は間接的に阻止され、第一凸条17a,27aと第二凸条17b,27bとの位置関係が維持される結果、第二凸条17b,27bが隣り合う伝熱プレート1,2側に変位することが阻止される。
【0076】
従って、完成品たるプレート式熱交換器HEにおいて、隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17,27と第二凸条17b,27bとが必要な間隔をあけた状態で維持する。これにより、第一流路P1の流路断面及び第二流路P2の流路断面が必要な断面となり、必要な流通性能が得られる。
【0077】
本実施形態において、変形阻止部18,28は、第二凸条17b,27bを部分的に窪ませた凹部であるため、凹部を画定する壁に凸条17の延びる長手方向と直交する方向に広がる部位が含まれる。従って、第二凸条17b,27bに凹部で構成された変形阻止部18,28が設けられることで、変形阻止部(凹部)18,28を画定する壁の一部(本実施形態においては、壁180a,280a及び底180b,280b)がリブとして機能し、第二凸条17b,27bが長手方向と直交する方向に変形(縮小)することが阻止される。
【0078】
これにより、第一凸条17a,27aは、第二凸条17b,27bに設けられた変形阻止部18,28によって間接的に変形が阻止され、第一凸条17a,27aと第二凸条17b,27bとの位置関係が維持される結果、第二凸条17b,27bが隣り合う伝熱プレート1,2側に変位することが阻止される。従って、完成品たるプレート式熱交換器HEにおいて、隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17,27と第二凸条17b,27bとが必要な間隔をあけた状態で維持する。これにより、第一流路P1の流路断面及び第二流路P2の流路断面が必要な断面となり、必要な流通性能が得られる。
【0079】
また、本実施形態において、変形阻止部18,28は、複数の第二凸条17b…,27b…のそれぞれに設けられ、複数の第二凸条17b…,27b…のそれぞれの変形阻止部18,28は、隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17(17a,17b)を躱して、該凸条17(17a,17b)の延びる方向に整列して配置されるため、第一流体X及び第二流体Yの円滑な流通性が確保される。
【0080】
具体的には、伝熱プレート1,2は、金属プレートをプレス成形したものであるため、第二凸条17b,27bの反対側は凹条となり、変形阻止部18,28が凹部で構成されるとその裏側は凸部となる。そのため、変形阻止部18,28が隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17に対応して配置されると、隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17,27と変形阻止部18,28の裏側の凸部との関係で、第一流路P1又は第二流路P2が分断されたり縮小されたりする虞がある。しかし、上記の通り、変形阻止部18,28が、隣り合う伝熱プレート1,2の凸条17(17a),27(27a)を躱して、凸条17(17a),27(27a)の延びる方向に整列して配置されると、第一流路P1又は第二流路P2が部分的又は全体的に分断や縮小されることがなく、第一流体X及び第二流体Yの円滑な流通性が確保される。
【0081】
以上のように、本実施形態に係るプレート式熱交換器HEによれば、第一流体X及び第二流体Yの流通性能を高めた状態で維持することができるという優れた効果を奏し得る。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更を加え得ることは勿論である。
【0083】
例えば、上記実施形態において、隣り合う伝熱プレート1,2(第一伝熱プレート1及び第二伝熱プレート2)の間をロウ付けでシールすることで、第一流路P1や第二流路P2等が形成されたが、これに限定されない。例えば、隣り合う伝熱プレート1,2間に流路形態に応じたガスケットを介装することで伝熱プレート1,2間がシールされ、第一流路P1や第二流路P2等が形成されてもよい。この場合、隣り合う伝熱プレート1,2間をガスケットで塞ぐために、隣り合う伝熱プレート1,2のシール部分同士を直接密接させる必要がない。従って、伝熱プレート1,2は、嵌合部11,21を備えることなく、プレート本体10,20のみで構成されてもよく、プレート本体10,20における第一開口12,22、第二開口13,23の周囲、第三開口14,24の周囲、第四開口15,25の周囲を凹凸させる必要もない。ただし、重ね合わされた伝熱プレート1,2に圧縮力Fを作用させて、隣り合う伝熱プレート1,2間をシールするとともに、この圧縮力Fの作用で第一凸条17a,27aと凸条17とを密接させる(交差衝合させる)ことが前提であることは言うまでもない。
【0084】
上記実施形態において、伝熱プレート1,2がプレート本体10,20の外周から延出した嵌合部11,21を備えることで、伝熱プレート1,2を重ね合わせるに際して方向性が定まったため、二種類の伝熱プレート1,2が重ね合わされたが、これに限定されない。例えば、一種類の伝熱プレート1…が複数重ね合わされてもよい。この場合、伝熱プレート1は、プレート本体10のみで構成され、一つおきにプレート本体10を180°反転、或いは、面に沿って180°回転させて重ね合わせるようにしてもよい。但し、凸条17(17a,17b)は、上記の通り伝熱プレート1…を一つおきに180°反転、或いは、面に沿って180°回転させることで、隣り合う伝熱プレート1の凸条17…と交差衝合するように配置されることは勿論である。
【0086】
また、上記実施形態において、変形阻止部18,28は、凹部とされることで、接続片18a,28aとして、壁180a,280a及び底180b,280bを備えたが、これに限定されない。例えば、変形阻止部18,28が凸条17,27(第一凸条17a,27a、第二凸条17b,27b)の長手方向と直交する方向に延びる溝状の凹部(凸条を横切る凹部)であって、長手方向と直交する方向から見て断面V字状の凹部とされてもよい。このようにすれば、凹部を画定する一対の壁(テーパー状の壁)が凸条17,27(第一凸条17a,27a、第二凸条17b,27b)の凸壁同士を接続する接続片として機能し、凸条17,27(第一凸条17a,27a、第二凸条17b,27b)の変形を阻止することができる。
【0088】
上記実施形態において、伝熱プレート1,2におけるプレート本体10,20の第一面Sa1,Sa2上の凸条17,27として、第一凸条17a,27a及び第二凸条17b,27bが設けられたが、これに限定されない。例えば、伝熱プレート1,2におけるプレート本体10,20の第二面Sb1,Sb2上の凸条17,27として、第一凸条17a,27a及び第二凸条17b,27bが設けられてもよい。また、伝熱プレート1,2におけるプレート本体10,20の第一面Sa1,Sa2、及び第二面Sb1,Sb2のそれぞれの凸条17,27として、第一凸条17a,27a及び第二凸条17b,27bが設けられてもよい。なお、この場合も、変形阻止部18,28は、第一凸条17a,27a及び第二凸条17b,27bの変形(自身の延びる長手方向と直交する方向の変形)を阻止できるものであればよい。
【0089】
上記実施形態において、
図15及び
図16に示す如く、第一流路P1及び第二流路P2が斜行流路にされたが、これに限定されない。例えば、
図17(a)及び
図17(b)に示す如く、プレート本体10,20の長手方向と直交する方向の一端側に配置された一対の開口12,22,15,25のうちの一方の開口(第一開口)12,22によって第一流入路Px1を形成するとともに、プレート本体10,20の長手方向と直交する方向の一端側に配置された一対の開口12,22,15,25のうちの他方の開口(第四開口)15,25によって第一流出路Px2を形成することで、第一流路P1を台形流路にするとともに、プレート本体10,20の長手方向と直交する方向の他端側に配置された一対の開口13,23,14,24のうちの一方の開口(第二開口)13,23によって第二流入路Py1を形成するとともに、プレート本体10,20の長手方向の他端側に配置された一対の開口13,23,14,24のうちの他方の開口(第三開口)14,24によって、第二流出路Py2を形成することで、第二流路P2を台形流路にしたものであってもよい。
【0090】
上記実施形態において、各伝熱プレート1…,2…のプレート本体10,20に設けられる凹条16…,26…及び凸条17…,27…が、プレート本体10,20の一端から他端まで連続して直線状に形成されたが、これに限定されない。例えば、凹条16…,26…及び凸条17…,27…が中心線CLに対して傾斜することを前提に、
図18に示す如く、プレート本体10,20の中心線CLを境とした一端側の半分の領域における凹条16…,26…及び凸条17…,27…と、プレート本体10,20の中心線CLを境とした他端側の半分の領域における凹条16…,26…及び凸条17…,27…とが、中心線CLを対称軸として対称的に配置されてもよい。