(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記鞘の前記管腔内に配置されている場合、前記アクセスカテーテルの前記遠位セクションの前記調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記鞘の前記管腔からの延長時、前記アクセスカテーテルの前記遠位セクションの前記調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記調整可能な部分は、前記予め規定される弓形の形状である場合、前記カテーテル本体の前記管腔によって規定される長手方向軸に対して少なくとも1つの角度を形成し、該少なくとも1つの角度は、0度より大きく、かつ、170度より小さい、請求項1に記載のシステム。
前記スタイレット部材が前記アクセスカテーテルの前記遠位セクションの前記調整可能な部分の管腔内に配置されている場合、該調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
前記調整可能な部分の前記管腔内からの前記スタイレット部材の取り外し時、該調整可能な部分は、前記予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
前記アクセスカテーテルは、少なくとも1つの制御要素をさらに含み、該少なくとも1つの制御要素は、該少なくとも1つの制御要素への力の適用時、前記カテーテル本体の前記管腔によって規定される長手方向軸に対する少なくとも前記遠位端の移動を生じさせるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記鞘の前記管腔内に配置されている場合、前記アクセスカテーテルの前記遠位セクションの前記調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成され、該鞘の該管腔からの延長時、該アクセスカテーテルの該遠位セクションの該調整可能な部分は、前記予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
背景
胆嚢、膵臓、および胆管(例えば、膵胆道系)の疾患および障害は、顕著な病的状態、死亡率、および損なわれた生活の質と関連付けられている。閉塞、腫瘍、傷害、漏れ、および病変は、これらの構造において起こり得、これらは、最終的に、例えば、胆石仙痛、胆嚢炎、総胆管結石症、胆石症、膵炎、膵管の石形成、および慢性的な腹部の痛みの状態をもたらし得る。さらに、膵胆道系の疾患/障害は、栄養障害(例えば、栄養不良、肥満、ならびに高コレステロール)と関連付けられ得る。
【0003】
図1は、膵胆道系を含むヒトの身体の一部分を例示している。肝臓100は、脂肪性食物の消化のために不可欠な流体である胆汁を産生する。胆汁は、塩、コレステロール、様々な色素、および排泄産物(例えば、ビリルビン)を含む。胆汁は、特定の排泄産物を除去すること、ならびに脂肪の乳化および腸からの脂肪の吸収を助けることによって消化を補助することという少なくとも2つの主要な機能を果たす。胆汁は、総肝管102において集まる管のネットワークによって収集される。少量の胆汁が十二指腸120(胃のすぐ下流の小腸の上部)の管腔の中に直接流れ出る一方で、ほとんどの胆汁は、総肝管102を通って移動し、胆嚢104内にたまる。胆嚢104の収縮は、胆汁が胆嚢104から胆嚢管106を通って、総胆管108として公知である大きい胆管の中に流れることを強制する。胆汁は、総胆管108から、ファーター膨大部118を通って、十二指腸120の中に流れ、この十二指腸120において、胆汁は、消化している食物と混合され、反応する。
【0004】
膵臓114は、内分泌腺(インシュリン、グルカゴン、およびソマトスタチンを含むいくつかの重要なホルモンを産出する)、ならびに外分泌腺の両方であり、消化酵素を含む膵液を分泌し、膵液は、小腸へ通行する。膵管112は、ファーター膨大部118の直前で総胆管108と合流している。従って、膵液は、消化をさらに補助するために、ファーター膨大部118を通って、十二指腸の中に流れ出る。
【0005】
総胆管および膵管は、肝臓、胆嚢、および膵臓からのドレナージを提供するために必須である。しかし、いくつかの場合において、これらの管は、瘢痕、外科手術からの傷害、腫瘍、または他の原因に由来する、嚢胞、拡大したリンパ節、胆石、管の炎症、狭窄、または狭まりの結果として閉塞され得、これは、胆汁および/または膵液の不十分なドレナージをもたらし得る。
【0006】
例えば、
図2に示されるように、胆道系において発生するよくある問題は、胆石症と呼ばれる状態である胆石の形成である。胆石は、胆嚢104、胆嚢管106、および/または総胆管108において形成され得る。胆石110は、それらだけでは、必ずしも疾患状態をもたらすとは限らない。しかし、石は、胆嚢炎として公知である状態である感染および炎症を生じさせ得、胆嚢炎は、概して、胆嚢104および総胆管108からの胆汁の流れ、または膵臓114によって分泌される流体の流れを制限することまたは妨げることの結果である。胆石110’が総胆管108の中でつかえている場合、その状態は、総胆管結石症として公知である。この状態の症状としては、痛み、嘔気、および嘔吐が挙げられ、幾人かの患者は、黄疸になり、色が濃い尿および/または色がより薄い便、速い心拍を有し、血圧の急な低下を経験する。胆管における妨害はまた、他の閉塞によって生じさせられ得、他の閉塞としては、腫瘍、外傷もしくは疾病に起因する炎症(例えば、膵炎)、感染、括約筋バルブの不適切な開放、管内の病変および/もしくは瘢痕、ならびに/または偽嚢胞(流体および組織屑の蓄積)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
胆管内の妨害由来の合併症は、非常に深刻であり得、総胆管108の感染(胆管炎)、および膵臓114の炎症(膵炎)を含み、死亡をもたらす可能性がある。従って、冒された管を通した十分なドレナージを回復させるために、そのような妨害に取り組むことが重要である。いくつかの場合において、閉塞は、外科手術治療またはバイパスを受け入れることができない場合があり、代わりに、緩和ドレナージ手順を必要とする。緩和ドレナージ手順は、患者の状態が不治である場合、患者の生命を延ばすために、および患者をより楽にするために設計されている。
【0008】
患者が胆道閉塞を有し得る場合において、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)が、緩和胆道ドレナージを実施するための標準手順として、より侵襲性の経皮経肝胆道ドレナージ(「PTBD」)アプローチよりも臨床家によって使用されている。ERCPアプローチは、胆管および膵管の問題を処置するために、上部胃腸管(GI)内視鏡検査とx線とを組み合わせる内視鏡手順である。例えば、
図3に示されるように、ERCP手順中、内視鏡122は、患者の口の中に挿入され、食道を下り、胃の中、十二指腸120の管腔の中へ通行して、ファーター膨大部118に隣接する位置に挿入される。内視鏡122は、全般的な処置領域への最初のアクセスおよび全般的な処置領域の直接の可視化を提供する。
【0009】
内視鏡122は、概して、近位端(示されない)と、遠位端124と、その長さを延びている少なくとも1つの管腔とを含む。内視鏡122の遠位端124は、概して、管腔と流体連通している側面開口部を含み、その結果、さらなる医学的デバイスが、内視鏡122からこの側面開口部を通って出現し得る。所望の管内をナビゲートし、所望の管内の異常な病状を処置するために使用されるのは、内視鏡122を通過するこれらのさらなる医学的デバイスである。特に、胆道カテーテル126は、胆道カテーテル126の遠位先端が内視鏡122の側面開口部から出現するまで、内視鏡122を通って前進させられ、総胆管108および膵管112につながっているファーター膨大部118に前進させられる。
【0010】
ガイドワイヤー(示されない)が、胆樹128内の所望の場所にアクセスすることを補助するために、胆道カテーテル126とともに使用され得る。例えば、ガイドワイヤーは、胆道カテーテル126の近位端における開口部に挿入され、ガイドワイヤーは、それが、胆道カテーテル126の遠位端から出現するまでカテーテル管腔を通して導かれる。胆道カテーテル126は、次に、カテーテルの遠位端が、胆樹128の中で所望の場所に位置決めされるまでガイドワイヤー上を前進させられる。次に、胆道カテーテル126は、所望の管内の造影剤の送達のための正しい位置にあり、造影剤は、胆樹128内の解剖学的詳細部の透視検査上の可視化を可能にする。透視検査上の可視化は、処置(例えば、胆道ドレナージ)を必要とし得る総胆管108内の異常および/または妨害を示し得る。
【0011】
ERCPは、高い成功率を享受しているが、胆道カニューレ挿入は、症例の約5%〜約20%で失敗している。例えば、ファーター膨大部のカニューレ挿入は、臨床家にとって非常に困難なタスクであり得る。管へのアクセスを得るために、臨床家は、ファーター膨大部の開口部の中に、およびファーター膨大部の開口部を通して、胆道カテーテルの先端、またはガイドワイヤーをやさしく押圧しなければならない。しかし、臨床家の最大の努力にもかかわらず、ファーター膨大部のカニューレ挿入は、内視鏡医の未熟さ、十二指腸または膨大部の腫瘍進入に起因するファーター膨大部のゆがめられた解剖学的構造、外科手術で変更された解剖学的構造、および/または複雑な胆道構造に起因して、慣習的な「プッシュプル(push−pull)」技術を通して行われない。これらの例において、臨床家は、延長された期間、膨大部を調べ得るものの、ほとんど成功しない。長引く検査は、膨大部の炎症をさらに生じさせ得、カニューレ挿入における各試みは、周囲組織への外傷を増大させ、その後、患者によって経験される不快さを増大させる。
【0012】
胃腸管内視鏡の分野の進歩は、慣習的なERCPが失敗した場合に、または慣習的なERCPが行われ得ない場合に、内視鏡超音波ガイド下胆道ドレナージ(EUS−BD)を実施する能力を臨床家に提供している。特に、内視鏡超音波ガイド下細針吸引(EUS−FNA)は、EUS/ERCPランデブー技術を介して胆管にカニューレ挿入するために使用されている。例えば、
図4に示されるように、臨床家は、ランデブー技術下で、胆管が(例えば、内視鏡的超音波検査を介して)可視化され得る場所まで患者の十二指腸120の管腔の中にEUS内視鏡122を前進させ得る。次に、臨床家は、矢印132によって示されるように、経十二指腸で穿刺することによって、EUSガイダンス下でFNA針130を総胆管108の中に前進させ得る。胆管穿刺の確認後、ガイドワイヤー134は、次に、胆管108を通して、ファーター膨大部118を横断して遠位方向に前進させられ得る。ガイドワイヤーが膨大部を通って十二指腸120の中に通行した後に、内視鏡の交換が実施され、EUSスコープ122は、引き抜かれ、ガイドワイヤー134を適所に残し、次に、側視内視鏡(例えば、十二指腸鏡)が、EUSが置いたガイドワイヤー134に隣接して十二指腸120の中に通行させられる。ガイドワイヤー134は、次に、(例えば、胆道カテーテルを介した)その後のオーバーザワイヤー(over−the−wire)カニューレ挿入のためにスネアまたは鉗子で把持され、オーバーザワイヤーカニューレ挿入のときに総胆管108へのアクセスが達成され、次に、標準ERCP手順が実施され得る(例えば、妨害されている管を開放し、胆石を破壊もしくは除去し、管における腫瘍を除去し、ステントを挿入し、そして/または内視鏡括約筋切開術を行う)。他のEUS/ERCPランデブー手順において、総胆管108へのアクセスが、
図4に例示されるような経十二指腸アクセスに限定されないことが留意されるべきである。例えば、総胆管108へのアクセスは、FNA針130が、EUSガイダンス下で、胃の胃壁を通して総胆管108の中に前進させられるように、経胃で達成され得る。
【0013】
EUS/ERCPランデブー技術は、特に胆道ドレナージについて、それが提供する、より侵襲性でない特性に起因して、多くの内視鏡医にとって好ましいアプローチであり得る。しかし、このアプローチは、多くの欠点を有し得る。例えば、ランデブー技術は、概して、特に好結果のガイドワイヤートラッキングのために設計されている現在利用可能なツールがないので、臨床家に顕著なスキルを要求する。特に、現在の針の設計は、剛であり、それにより、臨床家がガイドワイヤーを誘導する能力をひどく限定する。さらに、ランデブー技術を介した胆道ドレナージは、難しい角度形成またはきつい遠位胆道狭窄に起因してガイドワイヤーが膨大部を通って前進させられない場合、可能ではない場合がある。従って、針ランデブー技術による胆道ドレナージは、異なる角度での繰り返しの穿刺を必要とし得、しばしば、ガイドワイヤーの剪断および/または胆汁の漏れのリスクを伴う長引く労力集中手順をもたらす。EUS/ERCPランデブー技術を実施する臨床家によって現在認められるさらなる困難さは、閉塞を横断してガイドワイヤーを前進させること、または誘導することの困難さ、胆管への貫通を達成することの困難さ、管の外傷に起因する臨床的な合併症(例えば、膵炎)である。さらに、ガイドワイヤー回収のためのEUS内視鏡とERCPスコープとの間の必要とされるスコープ交換は、厄介なものであり得、困難さに苦しめられ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
概要
本開示は、動かしやすいカテーテルアセンブリを有する内視鏡超音波(EUS)ガイド下アクセスシステムを提供し、この動かしやすいカテーテルアセンブリは、所望の脈管のその後の処置のために、所望の脈管へのアクセスを提供し、所望の脈管をナビゲートするために構成されている。本明細書中に記載される実施形態において、アクセスシステムは、処置を提供する目的のために、膵胆道系と関連付けられている1つ以上の組織/器官へのアクセスを提供するために構成されている。特に、本明細書中に記載されるアクセスシステムは、内視鏡超音波ガイド下細針吸引(EUS−FNA)技術を介して少なくとも総胆管へのアクセスを提供するように構成され、胆管内の狭くなった領域または妨害を処置する手順(緩和ドレナージ手順が挙げられる)をさらに可能にするように構成されている。従って、アクセスシステムは、内視鏡超音波ガイド下胆道ドレナージ(EUS−BD)を提供するように構成されている。しかし、本発明のアクセスシステムが膵胆道系に限定されないことが留意されるべきである。本発明のアクセスシステムは、特に操作性および正確性が望まれるヒトの身体の多様な異なる系へのアクセスを提供するために使用され得る。
【0015】
本発明のアクセスシステムは、調整可能な送達ハンドルアセンブリとアクセスカテーテルサブアセンブリとを含み、このアクセスカテーテルサブアセンブリは、所望の部位に送達されるように構成され、この部位へのアクセスをさらに得るように構成されている。アクセスカテーテルサブアセンブリは、少なくとも遠位部分を有するアクセスカテーテルを含み、この少なくとも遠位部分は、その長さに沿って調整可能な部分を有し、この調整可能な部分は、特に所望の部位(例えば、総胆管)の中に配備されると、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている。予め規定される弓形の形状は、カテーテルが管を通してナビゲートされる場合、カテーテルの遠位端に対する方向制御を臨床家に提供するように構成されており、ここで管の内部解剖学的構造は、複雑で狭いものであり得る。いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルは、1つ以上の切断要素(例えば、誘電性焼灼リングおよび/または切断ナイフ)をさらに含み得、1つ以上の切断要素は、閉塞された経路を広げるため、および/または腫瘍もしくは他の閉塞(例えば、胆石)を完全に除去するために、臨床家が組織を切除/切断することを可能にするように構成されている。さらに、または代替的に、アクセスカテーテルは、舵取り可能な機能性も有し得る。例えば、1つ以上の制御ワイヤーまたは舵取りワイヤーが、少なくとも遠位セクション内に位置決めされ得、および少なくとも遠位セクションに留められ得、その結果、1つ以上の制御ワイヤーに適用される力は、少なくとも遠位端の操作をもたらす。
【0016】
ハンドルアセンブリは、1つ以上の要素を含み、1つ以上の要素は、脈管をナビゲートする間、臨床家がアクセスカテーテルの遠位端を動かし、操作することを可能にするように構成されている。1つの実施形態において、ハンドルアセンブリは、内側ハブハウジングを含み、この内側ハブハウジングは、その内径に配置されている第1の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有し、アクセスカテーテルサブアセンブリは、カテーテルハブをさらに含み、このカテーテルハブは、内側ハブハウジングの中への挿入のために構成されている。カテーテルハブは、その外径に配置されている第2の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有し、第2の複数のバーブの各々は、内側ハブハウジングに対するカテーテルハブの増分回転を可能にするために、第1の複数のバーブのうちの対応する1つとの選択的な係合のために構成されている。アクセスカテーテルは、カテーテルハブに結合され、その結果、アクセスカテーテルの遠位セクションは、カテーテルハブの増分回転とともに、カテーテル本体の管腔によって規定される長手方向軸の周りを増分で回転するように構成されている。臨床家による回転力の除去時、第1のバーブと第2のバーブとの間の係合は、遠位セクション、特に調整可能な部分が、所望の場所に固定されたままであり、急に動かないことを確実にする。従って、臨床家は、ハンドルアセンブリの把握を放してもよいが、このとき遠位セクションの位置は、維持される。
【0017】
従って、本発明のアクセスシステムは、特に調整可能な部分が予め規定される弓形の形状である場合、遠位セクションの調整可能な部分を操作する能力を臨床家に提供し、それにより、脈管のナビゲーション中の改善された操作を可能にする運動の範囲全体の増大を提供する。従って、(現在の技術は、胆管ドレナージのためのランデブー手順中、USスコープからERCPスコープへの交換を必要とするけれども)本発明のアクセスシステムは、スコープ交換を実施する必要なく、(ファーター膨大部を横切って)経乳頭設置を達成するために、および(例えば、ステントの順行性設置を介して)胆管の内部ドレナージをさらに達成するために、適切な脈管(例えば、胆管)へのアクセスを提供し、カテーテル、ならびに他のツール(例えば、ガイドワイヤー)の正しい位置への操作を可能にする。
【0018】
本発明のアクセスシステムは、EUS/ERCPランデブー技術に関連付けられる欠点のうちの多くを克服する。特に、本発明のアクセスカテーテルの予め規定される弓形の形状は、胆管の管腔に対して比較的直交した角度で起きる最初の経十二指腸穿刺に一部起因して、胆管への改善された最初のアクセスを提供する。従って、カテーテルでの胆管への最初のアクセス時、遠位セクションの予め規定される弓形の形状は、カテーテルの遠位端が胆管の管腔と整列していることをもたらし、その結果、ガイドワイヤーの前進は、改善され、ガイドワイヤーを前進させる場合の周囲組織への傷害のリスクを減少させる。さらに、回転態様においてだけではなく、カテーテルの長手方向軸に対して左方向、右方向、前方向、および後方向にもおけるアクセスカテーテルの増大された移動度、特に遠位端の増大された可撓性、ならびに遠位端の改善された操作は、臨床家が、管の管腔をナビゲートして、EUS/ERCPランデブー技術において使用される従来のカテーテルでは通れなかった場合がある閉塞を越えてさらに前進させる能力を改善する。
【0019】
特定の局面において、本開示は、脈管へのアクセスを提供するためのシステムを提供する。システムは、送達ハンドルアセンブリを含む調整可能な送達ハンドルシステムを含み、送達ハンドルアセンブリの少なくとも一部分は、複数の交換可能なサブアセンブリのうちの1つを受け取るように構成されている内側管腔を含む。送達ハンドルサブアセンブリは、ハンドルアセンブリの遠位端に結合されている鞘をさらに含み、この鞘は、送達ハンドルアセンブリの内側管腔と流体連通している管腔を有する。システムは、アクセスカテーテルサブアセンブリをさらに含み、このアクセスカテーテルサブアセンブリは、送達ハンドルアセンブリの内側管腔内および鞘の管腔内に取り外し可能に配置されている。アクセスカテーテルサブアセンブリは、細長い管状本体を有するアクセスカテーテルを含み、この細長い管状本体は、近位端を有する近位セクションと、遠位端を有する遠位セクションと、外側表面と、内側表面とを有し、近位端から遠位端に延びている管腔を規定する。遠位セクションは、その長さに沿って調整可能な部分を含み、この調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状と実質的に線形の形状との間を移行するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態において、鞘の管腔内に配置されている場合、アクセスカテーテルの遠位セクションの調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている。鞘の管腔からの延長時、アクセスカテーテルの遠位セクションの調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている。調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状である場合、カテーテル本体の管腔によって規定される長手方向軸に対して少なくとも1つの角度を形成し、少なくとも1つの角度は、0度と170度との間である。
【0021】
いくつかの実施形態において、システムは、スタイレット部材をさらに含み、スタイレット部材は、送達ハンドルアセンブリの内側管腔内、鞘の管腔内、およびアクセスカテーテルの管腔内に取り外し可能に配置されている。スタイレット部材は、脈管の内部へのアクセスを提供するために、脈管の組織を刺すように構成されている遠位端を有する。スタイレット部材がアクセスカテーテルの遠位セクションの調整可能な部分の管腔内に配置されている場合、調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている。調整可能な部分の管腔内からのスタイレット部材の取り外し時、調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルの近位セクションおよび遠位セクションは、異なるレベルの剛性を有する。例えば、近位セクションは、遠位セクションよりも大きいレベルの剛性を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルの遠位セクションは、遠位端に隣接して、強化されたエコー源性または音響反射を有する部分をさらに含み、それは、超音波技術を介して遠位セクションを捜し当てることにおいて特に有用であり得る。いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルの遠位セクションは、遠位端において金属製遠位先端を有する。金属製遠位先端は、遠位端が比較的堅いおよび/または繊維状の組織を通して穿刺することを可能にするために十分な耐久性および強度を提供し得る。このような組織において、遠位端は、金属製遠位先端がなければ偏倚する。いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルの遠位セクションは、密に充填された管状コイルから形成されている管状本体を含む。遠位セクションの管腔の内部表面は、その上に配置されているライナーを有し、このライナーは、比較的低い摩擦係数を有する。そのようなコイル状構成は、アクセスカテーテルの前進のために可撓性を高めるように構成され、一方でまた、操作中、トルク伝送を高める。
【0024】
いくつかの実施形態において、送達ハンドルアセンブリは、そこに結合されている内側ハブハウジングをさらに含む。内側ハブハウジングは、その内径に配置されている第1の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有する。アクセスカテーテルサブアセンブリは、カテーテルハブをさらに含み、カテーテルハブは、内側ハブハウジングの中への挿入のために構成され、カテーテルハブは、その外径に配置されている第2の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有する。第2の複数のバーブの各々は、内側ハブハウジングに対するカテーテルハブの増分回転を可能にするために、第1の複数のバーブのうちの対応する1つとの選択的な係合のために構成されている。アクセスカテーテルの近位セクションは、カテーテルハブに結合され、その結果、アクセスカテーテルの遠位セクションは、カテーテルハブの増分回転とともに、カテーテル本体の管腔によって規定される長手方向軸の周りを増分で回転するように構成されている。
【0025】
いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルは、切断要素をさらに含み、この切断要素は、遠位端に隣接して遠位セクションに位置決めされている。切断要素は、焼灼リング、または切断ナイフなどを含み得る。いくつかの実施形態において、アクセスカテーテルは、少なくとも1つの制御要素をさらに含み、少なくとも1つの制御要素は、少なくとも1つの制御要素への力の適用時、カテーテル本体の管腔によって規定される長手方向軸に対する少なくとも遠位端の移動を生じさせるように構成されている。例えば、カテーテルの遠位セクションは、制御ワイヤーへの力(例えば、引張)の適用時、舵取り可能であり得る。
【0026】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
脈管へのアクセスを提供するためのシステムであって、該システムは、
調整可能な送達ハンドルシステムであって、該調整可能な送達ハンドルシステムは、
送達ハンドルアセンブリであって、該送達ハンドルアセンブリの少なくとも一部分は、複数の交換可能なサブアセンブリのうちの1つを受け取るように構成されている内側管腔を含む、送達ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリの遠位端に結合されている鞘であって、該鞘は、該送達ハンドルアセンブリの該内側管腔と流体連通している管腔を有する、鞘と
を含む、調整可能な送達ハンドルシステムと、
該送達ハンドルアセンブリの該内側管腔内および該鞘の管腔内に取り外し可能に配置されているアクセスカテーテルサブアセンブリと
を含み、該アクセスカテーテルサブアセンブリは、
細長い管状本体を有するアクセスカテーテルであって、該細長い管状本体は、近位端を有する近位セクションと、遠位端を有する遠位セクションと、外側表面と、内側表面とを有し、該近位端から該遠位端に延びている管腔を規定する、アクセスカテーテル
を含み、該遠位セクションは、その長さに沿って調整可能な部分を含み、該調整可能な部分は、少なくとも予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、システム。
(項目2)
上記鞘の上記管腔内に配置されている場合、上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションの上記調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている、上記項目に記載のシステム。
(項目3)
上記鞘の上記管腔からの延長時、上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションの上記調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目4)
上記調整可能な部分は、上記予め規定される弓形の形状である場合、上記カテーテル本体の上記管腔によって規定される長手方向軸に対して少なくとも1つの角度を形成し、該少なくとも1つの角度は、0度と170度との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
スタイレット部材をさらに含み、該スタイレット部材は、上記送達ハンドルアセンブリの上記内側管腔内、上記鞘の管腔内、および上記アクセスカテーテルの管腔内に取り外し可能に配置され、該スタイレット部材は、脈管の内部へのアクセスを提供するために、該脈管の組織を刺すように構成されている遠位端を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
上記スタイレット部材が上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションの上記調整可能な部分の管腔内に配置されている場合、該調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
上記調整可能な部分の上記管腔内からの上記スタイレット部材の取り外し時、該調整可能な部分は、上記予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
上記アクセスカテーテルの上記近位セクションおよび上記遠位セクションは、異なるレベルの剛性を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
上記近位セクションは、上記遠位セクションよりも大きいレベルの剛性を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションは、上記遠位端に隣接して、強化されたエコー源性または音響反射を有する部分をさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションは、金属製遠位先端を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションは、密に充填された管状コイルから形成されている管状本体を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目13)
上記遠位セクションの上記管腔の内部表面は、その上に配置されているライナーを有し、該ライナーは、比較的低い摩擦係数を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目14)
上記送達ハンドルアセンブリは、そこに結合されている内側ハブハウジングをさらに含み、該内側ハブハウジングは、その内径に配置されている第1の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目15)
上記アクセスカテーテルサブアセンブリは、カテーテルハブをさらに含み、該カテーテルハブは、上記内側ハブハウジングの中への挿入のために構成され、該カテーテルハブは、その外径に配置されている第2の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有し、該第2の複数のバーブの各々は、該内側ハブハウジングに対する該カテーテルハブの増分回転を可能にするために、上記第1の複数のバーブのうちの対応する1つとの選択的な係合のために構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目16)
上記アクセスカテーテルの上記近位セクションは、上記カテーテルハブに結合され、該アクセスカテーテルの上記遠位セクションは、該カテーテルハブの増分回転とともに、上記カテーテル本体の上記管腔によって規定される長手方向軸の周りを増分で回転するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目17)
上記アクセスカテーテルは、切断要素をさらに含み、該切断要素は、上記遠位端に隣接して上記遠位セクションに位置決めされている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目18)
上記アクセスカテーテルは、少なくとも1つの制御要素をさらに含み、該少なくとも1つの制御要素は、該少なくとも1つの制御要素への力の適用時、上記カテーテル本体の上記管腔によって規定される長手方向軸に対する少なくとも上記遠位端の移動を生じさせるように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
(項目19)
脈管へのアクセスを提供するためのシステムであって、該システムは、
調整可能な送達ハンドルシステムであって、該調整可能な送達ハンドルシステムは、
送達ハンドルアセンブリであって、該送達ハンドルアセンブリの少なくとも一部分は、複数の交換可能なサブアセンブリのうちの1つを受け取るように構成されている内側管腔を含む、送達ハンドルアセンブリと、
該送達ハンドルアセンブリの一部分に結合されている内側ハブハウジングであって、該内側ハブハウジングは、その内径に配置されている第1の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有する、内側ハブハウジングと、
該ハンドルアセンブリの遠位端に結合されている鞘であって、該鞘は、該送達ハンドルアセンブリの該内側管腔と流体連通している管腔を有する、鞘と
を含む、調整可能な送達ハンドルシステムと、
該送達ハンドルアセンブリの該内側管腔内および該鞘の管腔内に取り外し可能に配置されているアクセスカテーテルサブアセンブリと
を含み、該アクセスカテーテルサブアセンブリは、
該内側ハブハウジングの中への挿入のために構成されているカテーテルハブであって、該カテーテルハブは、その外径に配置されている第2の複数の半径方向に間隔が空けられているバーブを有し、該第2の複数のバーブの各々は、該内側ハブハウジングに対する該カテーテルハブの増分回転を可能にするために、上記第1の複数のバーブのうちの対応する1つとの選択的な係合のために構成されている、カテーテルハブと、
細長い管状本体を有するアクセスカテーテルであって、該細長い管状本体は、該カテーテルハブに結合されている近位端を有する近位セクションと、遠位端を有する遠位セクションと、外側表面と、内側表面とを有し、該近位端から該遠位端に延びている管腔を規定する、アクセスカテーテルと
を含み、
該遠位セクションは、その長さに沿って調整可能な部分を含み、該調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状に移行するように構成され、該カテーテル本体の該管腔によって規定される長手方向軸に対して少なくとも1つの角度を形成し、該少なくとも1つの角度は、0度と170度との間であり、
該調整可能な部分を含む該アクセスカテーテルの該遠位セクションは、該カテーテルハブの増分回転とともに、該カテーテル本体の該管腔によって規定される長手方向軸の周りを増分で回転するように構成されている、システム。
(項目20)
上記鞘の上記管腔内に配置されている場合、上記アクセスカテーテルの上記遠位セクションの上記調整可能な部分は、実質的に線形の形状を維持するように構成され、該鞘の該管腔からの延長時、該アクセスカテーテルの該遠位セクションの該調整可能な部分は、上記予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【0027】
(摘要)
本開示は、動かしやすいカテーテルアセンブリを有するアクセスシステムを提供し、この動かしやすいカテーテルアセンブリは、所望の脈管のその後の処置のために、所望の脈管へのアクセスを提供し、所望の脈管をナビゲートするために構成されている。アクセスシステムは、調整可能な送達ハンドルアセンブリとアクセスカテーテルサブアセンブリとを含み、このアクセスカテーテルサブアセンブリは、動かしやすいアクセスカテーテルを有し、この動かしやすいアクセスカテーテルは、状態の処置(例えば、内視鏡超音波ガイド下胆道ドレナージ(EUS−BD)技術を介した胆管のドレナージ)を助けるために、所望の部位(例えば、十二指腸内)に送達されるように構成されている。アクセスカテーテルは、少なくとも遠位セクションを含み、この少なくとも遠位セクションは、その長さに沿って調整可能な部分を有し、この調整可能な部分は、予め規定される弓形の形状に移行することにより、カテーテルが脈管(例えば、胆管)を通してナビゲートされる場合、カテーテルの遠位端に対する方向制御を提供するように構成されている。ハンドルアセンブリは、さらなる要素を含み、このさらなる要素は、臨床家がアクセスカテーテルの遠位端を動かし、操作することを可能にするように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、例示的な胆道系の概観を例示している。
【
図2】
図2は、胆管において1つ以上の閉塞を有する
図1の胆道系を例示している。
【
図3】
図3は、ファーター膨大部に隣接する位置への十二指腸を通した内視鏡の前進を例示している。
【
図4】
図4は、胆道ドレナージを達成するための内視鏡超音波ガイド下ランデブー技術を例示している。
【
図5】
図5は、意図される使用分野のための送達システムハンドルと、カテーテル鞘と、吸引針とを組み込んでいる本発明を描いている組み立て図である。
【
図6】
図6は、本発明の吸引針サブアセンブリの図である。
【
図7】
図7は、
図6に示される本発明の針プロテクターの実施形態の断面図である。
【
図8】
図8は、
図6に示される吸引針サブアセンブリの近位端の断面図である。
【
図8A】
図8Aは、ひずみリリーフを有する吸引針サブアセンブリの近位端の代替の好ましい実施形態の図である。
【
図8B】
図8Bは、ひずみリリーフを有する吸引針サブアセンブリの近位端の断面図である。
【
図9A】
図9A〜
図9Dは、本発明の送達システムハンドルの近位部分に含まれるサムラッチ構成要素の様々な拡大された図を描いている。
【
図9B】
図9A〜
図9Dは、本発明の送達システムハンドルの近位部分に含まれるサムラッチ構成要素の様々な拡大された図を描いている。
【
図9C】
図9A〜
図9Dは、本発明の送達システムハンドルの近位部分に含まれるサムラッチ構成要素の様々な拡大された図を描いている。
【
図9D】
図9A〜
図9Dは、本発明の送達システムハンドルの近位部分に含まれるサムラッチ構成要素の様々な拡大された図を描いている。
【
図9】
図9は、本発明の送達システムハンドルの断面図である。
【
図10】
図10は、
図9に示される囲んだ部分Aの拡大された図であり、本発明の送達システムハンドルの針の係止機構の断面図を描いている。
【
図11】
図11は、
図9に示される囲んだ部分Bの拡大された図であり、本発明の送達システムハンドルの針の延長の長さの調整機構の断面図を描いている。
【
図12】
図12は、
図9に示される囲んだ部分Cの拡大された図であり、本発明の送達システムハンドルのカテーテル鞘の延長の長さの調整機構の断面図を描いている。
【
図13】
図13は、
図9に示される囲んだ部分Dの拡大された図であり、本発明の組み立てられた送達システムハンドルの遠位端の断面図を描いており、内視鏡への取り付けのための機構を組み込んでいる。
【
図14A】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14B】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14C】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14D】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14E】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14F】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14G】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14H】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14I】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14J】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14K】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14L】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14M】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14N】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14O】
図14A〜
図14Oは、本発明のデバイスにおける使用のための吸引針の遠位端におけるエコー源性的に強化された領域の例示的実施形態を描いている。
【
図14】
図14は、取り付けられている針コレットを有する針の遠位端の図である。
【
図16】
図16は、一次角度、二次角度、三次角度および背部切断角度の要素を組み込んでいる本発明の針の傾斜部の詳細の図である。
【
図17】
図17は、研削部の詳細の三次角度を例示している本発明の針の傾斜部の詳細の断面図である。
【
図18】
図18は、針プロテクターハブサブアセンブリの近位端の断面図である。
【
図19】
図19は、針プロテクターアセンブリの意図される機能性の図である。
【
図20】
図20は、針の交換中、およびより詳しくは、針の挿入中の針プロテクターおよび吸引針アセンブリの意図される機能性の図である。
【
図21】
図21は、針の交換中、ならびにより詳しくは、針の挿入中およびデバイスハンドル内での係止中の針プロテクターおよび吸引針アセンブリの意図される機能性の図である。
【
図22】
図22は、デバイスハンドルのハブハウジング構成要素における針プロテクターおよび吸引針サブアセンブリの係止機能性の図である。
【
図23】
図23は、針ハブ、サムラッチ、およびハブハウジングの構成要素間の係止機能性の断面図である。
【
図24】
図24は、非回転を確実にするためのインターロック能力を有するハブ針ハブおよびハブハウジングの図である。
【
図25】
図25は、針ハブ構成要素とハブハウジング構成要素との間の回転を容易にするための本発明の代替の実施形態である。
【
図26】
図26は、針の交換中、吸引針サブアセンブリを送達システムハンドルから引き抜くための本発明の意図される機能性の図である。
【
図27】
図27は、針の交換中、およびより詳しくは、デバイスハンドルからの針の抜き取り中の針コレットの意図される機能性の図である。
【
図28】
図28は、針の交換中、およびより詳しくは、デバイスハンドルからの針の抜き取り中の針コレットの意図される機能性の図である。
【
図29】
図29は、吸引針の端に固定されている針プロテクターサブアセンブリ、および本発明の針鞘の意図される機能性の図である。
【
図30】
図30は、本発明の送達システムのカテーテル鞘の中に収容されている吸引針サブアセンブリの遠位端の図である。
【
図31】
図31は、本発明の送達システムのカテーテル鞘から延びている吸引針サブアセンブリの遠位端の図である。
【
図32】
図32は、本発明の意図される機能性、より詳しくは、本発明のカテーテル鞘の意図される機能性の図である。
【
図33】
図33は、本発明のカテーテル鞘構成要素の構築の図である。
【
図34】
図34は、本発明のアクセスカテーテルサブアセンブリの側面図である。
【
図36】
図36は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの側面図である。
【
図37A】
図37Aは、一部が断面図での、
図34の鞘内でのアクセスカテーテルの収納の側面図であり、アクセスカテーテル内に位置決めされているスタイレットを含む。
【
図37C】
図37Cは、一部が断面図での、アクセスカテーテルの遠位セクションの一部分内からのスタイレットの引き抜きの側面図である。
【
図37D】
図37Dは、一部が断面図での、
図34の鞘からのアクセスカテーテルのさらなる延長の側面図であり、予め規定される弓形の形状に移行している調整可能な部分を例示している。
【
図38】
図38は、一部が断面図での、アクセスカテーテルの延長された遠位端の側面図であり、カテーテルハブの回転移動に基づく遠位端の操作を例示している。
【
図39】
図39は、送達ハンドルアセンブリの内側ハブハウジングおよびアクセスカテーテルアセンブリのカテーテルハブの斜視図である。
【
図40】
図40は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。
【
図41】
図41は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。
【
図42】
図42は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。
【
図44】
図44は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
概観として、本開示は、概して、動かしやすいカテーテルアセンブリを有するアクセスシステムに関し、この動かしやすいカテーテルアセンブリは、所望の脈管のその後の処置のために、所望の脈管へのアクセスを提供し、所望の脈管をナビゲートするために構成されている。本明細書中に記載される実施形態において、アクセスシステムは、内視鏡超音波(EUS)を介して導かれ、処置を提供する目的のために、膵胆道系と関連付けられている1つ以上の組織/器官へのアクセスを提供するために構成されている。特に、本明細書中に記載されるアクセスシステムは、内視鏡超音波ガイド下細針吸引(EUS−FNA)技術を介して少なくとも総胆管へのアクセスを提供するように構成され、胆管内の狭くなった領域または妨害を処置する手順(緩和ドレナージ手順が挙げられる)をさらに可能にするように構成されている。従って、アクセスシステムは、内視鏡超音波ガイド下胆道ドレナージ(EUS−BD)を提供するように構成されている。しかし、本発明のアクセスシステムが膵胆道系に限定されないことが留意されるべきである。本発明のアクセスシステムは、特に操作性および正確性が望まれるヒトの身体の多様な異なる系へのアクセスを提供するために使用され得る。
【0030】
次に、本開示の実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々における、同一の要素または対応する要素を表す。本明細書中で用いられる場合、用語「臨床家」は、医師、看護師、または任意の他の世話をする人を指し、援助要員を含み得る。本記載にわたって、用語「近位」は、臨床家により近い、デバイスまたはその構成要素の部分を指し、用語「遠位」は、臨床家からより遠い、デバイスまたはその構成要素の部分を指す。さらに、図面において、および以下の記載において、用語(例えば、前方、後方、上方、下方、上部、底部、および同様の方向の用語)は、記載の便宜のために単に使用され、本開示を限定することを意図されない。以下の記載において、周知の機能または構築は、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを避けるために詳細に記載されない。
【0031】
本開示のアクセスカテーテルアセンブリは、最小限に侵襲性の手順(例えば、内視鏡生検手順)とともに使用され得る。例えば、アクセスカテーテルは、例えば、生検針は、内視鏡生検デバイス(例えば、内視鏡超音波手順のために構成されている針生検送達デバイス)と適合可能であり得る。例えば、アクセスカテーテルは、「Needle Biopsy Device with Exchangeable Needle and Integrated Needle Protection」米国特許出願公開第2012/0116248号、「Rapid Exchange FNA Biopsy Device with Diagnostic and Therapeutic Capabilities」米国特許出願公開第2011/0190662号、「Device for Needle Biopsy with Integrated Needle Protection」米国特許出願公開第2010/0121218号、および「Needle Biopsy Device」米国特許出願公開第2010/0081965号において議論される例示的な内視鏡送達システムおよび方法との使用のために適合可能であり得、これらの米国特許出願公開の各々の内容は、それらの全体が本明細書により参考として援用される。
【0032】
本開示のアクセスカテーテルとの使用のための内視鏡送達デバイスの例示的実施形態は、
図5に例示されている。デバイス設計は、ハンドル機構(送達システムハンドル10)および吸引針サブアセンブリ15からなる。送達システムハンドル10は、近位ハンドル部材10aと、中間ハンドル部材10bと、遠位ハンドル部材10cとを含む。近位ハンドル部材、中間ハンドル部材、および遠位ハンドル部材は、各々が内側管腔を含み、近位ハンドル部材、中間ハンドル部材、および遠位ハンドル部材は、一緒に結合され、長手方向軸を規定し、その結果、内側管腔は、絶えず連通し、結合されているハンドル部材の長さにわたって延びている。近位ハンドル部材10aは、中間ハンドル部材10bの少なくとも一部分を覆ってスライド可能に配置され、中間ハンドル部材10bは、遠位ハンドル部材10cの少なくとも一部分を覆ってスライド可能に配置されている。近位ハンドル部材10aは、近位ハンドルグリップ10a1と遠位ハンドルグリップ10a2とを含む。送達ハンドルシステム10は、中間ハンドル部材10bの内側管腔内に配置されている内側ハンドル部材10dをさらに含む(
図9および
図11に示される)。送達システムハンドル10は、遠位ハンドル部材10cの遠位端に結合されているカテーテル鞘14構成要素も組み込んでいる。この構成要素は、吸引針の交換中、送達システムハンドル10と標的サンプリング部位との間にコンジットを提供する。デバイス設計は、病変または異常の部位において内視鏡医によって取得される各個々の「通過(pass)」サンプルまたは吸引されたサンプルについて、針サブアセンブリ15が、デバイスの近位ハンドル10aから分離され得るという点で、モジュール式である。
【0033】
送達システムハンドル10は、2つのつまみねじ係止機構の調整を介して作動させられる2つの長さ調整特徴を組み込んでいる。ねじ切りされた近位つまみねじ12および係止リング33が、中間ハンドル部材10bの周りに移動可能に配置され、近位つまみねじ12は、係止リング33を緩めるために緩められ、係止リング33は、中間ハンドル部材10bに沿って遠位方向に移動させられ、係止リング33は、ユーザーがカテーテル鞘14の端を越える設定された深さの針の貫通を確立することを可能にするように、中間ハンドル部材10bに沿った所望の位置において、近位つまみねじ12を介して締められる。ねじ切りされた遠位つまみねじ13は、中間ハンドル部材10bの遠位部分において横に配置され、遠位つまみねじ13は、中間ハンドル部材10bを遠位方向に、および/または近位方向に移動させるために緩められ、遠位つまみねじ13は、ユーザーが、内視鏡の端を越える設定された深さのカテーテル鞘14の延長を確立することを可能にするように締められる。
【0034】
針サブアセンブリ15は、針シャフト21(それは、長さにおいて、500mm〜最大2500mmの範囲に及び得るが、より好ましくは、それは、長さにおいて、1640mm〜1680mmの間の範囲に及び得る)であって、針シャフト21は、サンプルの入手中、組織貫通を高めるために遠位針端において傾斜させられている、針シャフト21、針ハブ17、針ルアー18、針コレット19、針プロテクターサブアセンブリ9、スタイレットハブ20、およびスタイレットシャフト22からなる。針構成要素自体は、多くの金属ベースの材料(ステンレス鋼またはその合金;ニチノールまたはその合金など)、またはポリマーベースの材料(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、エーテルブロックアミドコポリマー、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、および/またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)から製造され得る。
【0035】
図6は、本発明の吸引針サブアセンブリ15を例示している。このサブアセンブリは、組織サンプルを入手する場合に、送達システムハンドル10の管腔の中に挿入され、送達システムハンドル10の管腔から取り外される。サブアセンブリ15は、スタイレットハブ20およびスタイレットシャフト22の構成要素からなり、それらは、従来の内部ルアーねじ溝を介して、吸引針の針ルアー18に固定して係止される。スタイレットハブ20は、多くの処理技術(例えば、接着結合またはインサート射出成形)を介してスタイレットシャフト22に取り付けられ得る。吸引針の雌ルアーは、嵌合ルアーねじ溝詳細部を組み込んでおり、これに対してスタイレットハブ20が締められ得る。本開示の針ルアー18の要素は、多くの処理技術(例えば、接着結合またはインサート射出成形)を介して、針シャフトの近位端に取り付けられ得る。
【0036】
吸引針サブアセンブリ15は、針コレット19(「針突出部(複数可)」として前に記載され、出願人の同時係属中の出願(US2010/0081965として公開された米国第12/243,367号)の
図7および
図14に示されている)も組み込んでいる。この針コレット19の機能は、(1)針の交換中、送達システムのカテーテル鞘の中で針シャフト構成要素を中央に置く手段を提供すること、(2)一旦、針が送達システムハンドルから係止解除され、引き抜かれると、針プロテクターサブアセンブリを吸引針の遠位端に固定し、係止するための機構を提供することである。本発明の針コレット19は、多くの処理技術(例えば、接着結合、レーザー溶接、抵抗溶接、またはインサート射出成形)を介して、針シャフト21の遠位端に取り付けられ得る。針コレット19は、金属材料(例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン、またはそれらの合金)、またはポリマー材料(例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、またはそれらの誘導体であるが、これらに限定されない)から製作され得る。針コレット19は、傾斜させられた針の最遠位端からの設定値距離に位置している。針の傾斜部の最遠位端から、針における近位コレット位置までの距離は、6cm〜12cmの範囲内であり得るが、より好ましくは、7cm〜9cmの範囲内であり、より好ましくは、針の端から8cmに位置する。これは、針がカテーテル鞘の遠位端に対して最大延長距離に延ばされる場合(すなわち、8cm)、コレット19がカテーテル鞘14の端から出て行かないことを確実にする。
【0037】
図7および
図18は、針の遠位端における係止された位置における本発明の針保護サブアセンブリ9の設計の実施形態を例示している。針保護サブアセンブリ9は、2つの針プロテクター(NP)ハブ半体(集合的に23)からなり、これらは、針プロテクター(NP)鞘構成要素24の近位端において互いに接着で結合される。あるいは、これらのNPハブ半体23は、アセンブリにおけるこれらの構成要素の間に確実な結合/取り付けを提供するために、一緒にスナップばめされ得るか、またはNP鞘24を覆ってインサート射出成形され得る。針保護サブアセンブリ9はまた、針プロテクター(NP)ハブO−リング構成要素25を組み込んでいる。この構成要素は、組み立てられたNPハブ半体23の中央における凹んだ切り抜きの中に存在している。このNPハブO−リング25は、サブアセンブリ9の針シャフト21の遠位端に固定して取り付けられている針コレット19とともに、NPサブアセンブリ9を針の端に係止するための機構を提供する。この手法において、針の傾斜部は、一旦、針が送達システムハンドルから取り外されると、保護され、覆われ、遮蔽される。本発明のNP鞘24は、半透明ポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリアミド、およびそれらの誘導体であるが、これらに限定されない)から製造されることが所望される。
【0038】
本発明の
図6および
図8に示されるように、吸引針サブアセンブリの針ハブ17の実施形態は、(1)(本開示において後に記載されるように)ハブハウジング27およびサムラッチ28の構成要素によって、吸引針サブアセンブリ15を送達システムハンドル10の中に係止する機構であって、(2)後に記載されるように、
図7に示される針保護サブアセンブリ9の実施形態を送達システムデバイスハンドル10の中に係止する手段を提供する機構を提供する。
図8に示されるように、針ハブ構成要素17は、吸引針サブアセンブリ15の針ルアー18および針シャフト21の構成要素に固定して取り付けられている。本発明の針ハブ要素17は、多くの処理技術(例えば、接着結合またはインサート射出成形)を介して、針ルアー構成要素18の遠位端に取り付けられ得る。
【0039】
吸引針サブアセンブリ15の近位端の代替の好ましい実施形態は、
図8Aおよび
図8Bに示されている。この実施形態は、ひずみリリーフ構成要素26を組み込み、このひずみリリーフ構成要素26は、針ルアー構成要素18の遠位端から針ハブ構成要素17の本体を通して延び、針ハブ17の遠位端を越えて延びている。この管状ひずみリリーフ構成要素26は、特に、より小さい針ゲージサイズ(例えば、22AWGおよび25AWG)の場合において、針ハブ17構成要素と針シャフト21構成要素との間のよりゆるやかな剛性の移行を提供することが意図されている。このひずみリリーフ構成要素26は、長さにおいて、10mm〜50mmの範囲に及び得るが、より好ましくは、25mm〜35mmの範囲内である。このひずみリリーフ構成要素26の直径は、ひずみリリーフ構成要素26が針保護サブアセンブリ9の近位端の中に嵌り(
図7に示されるように)、NPサブアセンブリ9がそこで前後にスライドする能力を損なわないように、十分に小さくなければならない。このひずみリリーフ構成要素26は、外径において、0.020インチ〜0.060インチの範囲に及び得るが、より好ましくは、0.026インチ〜0.045インチの範囲内である。この管状ひずみリリーフ26は、金属ベースの材料(例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン、またはそれらの合金であるが、これらに限定されない)、またはポリマー材料(例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、またはそれらの誘導体であるが、これらに限定されない)から製作され得る。
【0040】
図9は、その中に装填されている吸引針サブアセンブリ15を有さない、本発明のための送達システムハンドル10の断面図である。
図10(
図9からの詳細A)は、組み立てられたデバイスハンドルの近位端10aの断面図を例示している。ハンドル(
図20および
図22にも示される)のこの近位部分は、送達システムハンドル10の中での吸引針サブアセンブリ15の、確実だが解放可能である係止を確実にするための要素を含む。ハブハウジング構成要素27は、接着結合または超音波溶接技術を介して近位送達システムハンドル半体10aに固定されている。サムラッチ構成要素28は、一方向のキー止め作用(one−way keying action)を介してハブハウジング構成要素27の中に固定して係止されている。サムラッチ構成要素28がハブハウジング構成要素27の中に挿入されると、サムラッチ28は、分解され得ず、組み立てられた機構を作動させるために、横方向に移動させられ得るだけである。
【0041】
図9A、
図9B、
図9C、および
図9Dは、送達システムハンドル10のサムラッチ構成要素28の例示的実施形態の様々な図を描いている。サムラッチ構成要素28は、吸引針サブアセンブリ15の針ハブ17を送達デバイスの近位ハンドル部材10aのハブハウジング27内に解放可能に係止するための機構を表している。サムラッチ28は、例えば、プッシュボタンであり得、このプッシュボタンは、外部の力がサムラッチ28を解放するために適用されないと「ホーム」位置へ戻ることを提供するための偏倚可能なヒンジ部材28aの使用を作動させる。ヒンジ部材28aは、送達システムハンドル10からの吸引針サブアセンブリ15の取り外し中、「ロック」の開閉を提供するために、弾力的に変形し得る。1つの実施形態において、サムラッチ28は、外部カプラーハウジング28bとプッシュボタン設計機構とを組み込んでいる。
図9Cおよび
図9Dは、代表的な作動サイクル中の、開放位置および閉鎖位置にあるサムラッチ28を例示している。
【0042】
図9Aおよび
図9Bを参照すると、サムラッチ28および外部カプラーハウジング28bは、ある種類の剛である変形不可能な熱可塑性または熱硬化性の材料(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリスチレン、またはそれらの剛である誘導体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリカーボネート)から製造され得る。実施形態において、製造の材料は、35〜120ショアーDの範囲内のデュロメーターを有するが、より好ましくは、80〜110ショアーDの範囲内のデュロメーターを有する。
【0043】
ヒンジ部材28aは、ある種類の剛である熱可塑性または熱硬化性材料(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリスチレンまたはそれらの剛である誘導体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリカーボネート)から製造され得る。実施形態において、製造の材料は、クレージング、疲労、またはクラッキングなく、適用される負荷(例えば、針生検デバイスについての代表的な「開閉」サイクル中に遭遇されるもの)の適用下で、曲げることにおいて変形可能である。
【0044】
送達システムハンドル10の近位ハンドル部材10aの近位部分は、保持カラー29と保持カラーO−リング構成要素30とを組み込んでいる。保持カラー構成要素29は、近位ハンドル半体における切り抜きネストの中に存在し、内側ハブハウジング構成要素27と連通している。保持カラー29は、円筒形構成要素であり、内部の凹んだシェルフを提供するために、内部にテーパをつけられ、凹まされている。保持カラーO−リング構成要素30は、この凹んだシェルフの中に存在し、送達システムハンドル半体の両方の半体の組み立てを通して正しい位置に固定される。この保持O−リング構成要素30の目的は、下で詳細に記載されるように、組織サンプル部位が臨床家によってアクセスされる間に、吸引針サブアセンブリ15の針プロテクターハブサブアセンブリ9を、送達システムのハンドル10の中に固定して、係止し、維持するための方法を提供することである。この保持カラーO−リング構成要素30の機能性および動作は、出願人の同時係属中の特許出願米国第12/607,636号(US2010/0121218として公開された)の
図41および
図42、ならびに明細書の関連付られている概要に記載されているものと同じである。
【0045】
図10に示されるように、本発明の送達システムハンドルアセンブリ10は、内側ハイポチューブ構成要素31を組み込んでいる。
図11に示される送達システムの近位ハンドル部材10aと外側ハイポチューブ構成要素32との間にコンジットを提供することが、この構成要素の設計の意図である。内側ハイポチューブ構成要素31は、金属ベースの材料(例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン、またはそれらの合金であるが、これらに限定されない)、またはポリマー材料(例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、またはそれらの誘導体であるが、これらに限定されない)から製作され得る。内側ハイポチューブ31は、接着結合またはインサート射出成形技術を介して、デバイスの組み立てられたハンドル半体に固定されている。針の前進中、送達システムの近位ハンドル部材10aは、針の遠位端を所望の組織サンプリング部位に前進させるために、遠位方向に前進させられる。近位ハンドル部材10aが遠位方向に前進させられる場合、内側ハイポチューブ31も一斉に遠位方向に前進させられる。内側ハイポチューブ構成要素31は、外側ハイポチューブ構成要素32と絶えず長手方向に連通しており、常に外側ハイポチューブ構成要素32内に入れ子式であるように設計されている。これは、針の交換中、送達システムの内外への針の通行が損なわれないことを確実にする。
【0046】
次に、
図11(
図9からの詳細B)を参照すると、近位ハンドル部材10aの遠位端および中間ハンドル部材10bの断面図が例示されている。代表的なEUS FNA手順中、係止リング構成要素33は、必要とされる針の貫通の深さに依存して、臨床家によって、近位つまみねじ12を介して緩められ、遠位方向に移動させられ、予め確立された深さに設定される。係止リング33が(近位つまみねじを介して)遠位方向に移動させられ、貫通の必要とされる深さに係止されると、送達システムの近位ハンドル部材10aは、前進させられる。前進中、近位ハンドル部材10aは、中間ハンドル部材10bおよび内側ハンドル部材アセンブリ10dを覆って長手方向に移動する。内側ハンドル部材10dおよび中間ハンドル部材10bの構成要素は、接着結合または超音波溶接技術を介して各々に固定して結合され、遠位方向への近位ハンドル10aの作動を介した針の前進中、静止した係止された位置にとどまる。
【0047】
図12に示されるように、外側ハイポチューブ構成要素32はまた、送達システムのカテーテルシャフト構成要素14と絶えず連通している。カテーテルシャフト構成要素14の近位端は、外方方向に広がっている。外側ハイポチューブ構成要素32の遠位端は、カテーテルシャフト14の広がった端の中に挿入され、接着結合またはインサート射出成形技術を介してそこに固定される。内側ハンドル部材10dは、接着結合またはインサート射出成形技術を介してカテーテルシャフト14の近位端/外側ハイポチューブ32アセンブリの両方に結合される。この手法において、内側ハイポチューブ31、外側ハイポチューブ32、およびカテーテル鞘14は、絶えず連通し、針の交換中、滑らかな針の通行を確実にする。この設計の実施形態はまた、必要とされる場合、カテーテル鞘14が遠位ハンドル部材10cを通して前進させられ得ることを確実にする。
【0048】
図12および
図13は、本発明の場合におけるカテーテル鞘の延長の長さの調整のための設計アセンブリの実施形態を例示している。
図12を参照すると、中間ハンドル部材10bの遠位端は、ねじ切りされたインサート7と遠位つまみねじ13とを組み込んでいる。内視鏡の端を越えたカテーテル鞘の延長距離は、遠位つまみねじ13を緩めて、遠位ハンドル部材10cを覆って中間ハンドル部材10bを遠位方向に前進させることによって調整され得る。遠位ハンドル部材10cおよび中間ハンドル部材10bは、互いに絶えず長手方向に連通している。
【0049】
図13を参照すると、送達システムハンドルアセンブリ10の遠位端が例示されている。遠位ハンドル部材10cは、接着結合または超音波溶接技術を介して、遠位ルアーホルダー6における凹部に固定されている。遠位ルアーホルダー構成要素6は、接着結合またはインサート射出成形技術を介して、スコープルアーロック構成要素5に固定して取り付けられている。遠位ハンドル部材10cは、デバイスハンドルが内視鏡の作業チャネルポートに取り付けられると、組み立てられたスコープルアーロック5および遠位ルアーホルダー6構成要素から独立してアセンブリが回転することができないような手法で設計されている。(
図5および断面図
図9に示されるような)送達システムハンドル10全体がスコープルアーロック5を介して内視鏡の中に係止されると、カテーテル鞘の長さ、および針が貫通するために延長する長さは、前に記載されるように確立され得る。
【0050】
図14は、本発明の吸引針の遠位端の例示であり、針コレット(US2010/0121218として公開された、出願人の同時係属中の特許出願米国第12/607,636号において「針突出部」と称される)が針に固定されている。この針コレット19の長さは、2mm〜10mmの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、3.5mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。針コレット19の外径は、0.030インチ〜0.080インチの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、0.040インチ〜0.070インチの範囲内であることが好ましい。この針コレット構成要素19(
図18および
図30も参照のこと)はまた、針コレット構成要素19の近位端および遠位端において面取りされている。針コレットの食いつき角は、15度〜80度の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、30度〜60度の範囲内であることが好ましい。針コレット19の両端におけるこの面取りは、針の交換中、針プロテクターサブアセンブリ9との滑らかな係止および係止解除を提供することを意図されている。
【0051】
図14、および
図14A〜
図14Oに描かれるように、本発明の針の遠位端は、針のエコー源性シグネチャー(signature)を高めるための実施形態を組み込んでいる。本発明の場合において、このエコー源性的に強化された領域34は、針傾斜部35の近位端に近い予め規定される長さにわたって、針の端を粗くすることによって製作され得るが、これに限定されない。このエコー源性的に強化された領域34の長さは、2mm〜20mmの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、10mm〜15mmの範囲内であることが好ましい。本発明の場合において、エコー源性強化パターンは、特定の長さにわたって針の表面を粗くするマイクロブラストプロセスを介して針に与えられ得、内視鏡超音波下での針の可視性を改善する。
【0052】
本発明の特定の局面において、針のエコー源性的に強化された領域は、より大きな反射率および増強された反射信号を提供するために、針の表面からの材料の除去を通して達成される。しかし、材料の除去が、プッシャビリティの観点から針の性能を低減しないこと、または所望のサンプルを入手するその能力を阻止しないことが企図される。
【0053】
次に、
図14Aを参照すると、針600の実施形態の斜視図が表されている。針600は、複数のくぼみ602から構成されている。くぼみ602は、針600の表面上でへこみの形態をとる円形、凹形、円筒形、螺旋形、卵形、長方形、および正方形の要素であり得るが、これらに限定されない。くぼみ602は、遠位針端の周囲に螺旋形(渦巻き形)の様式で配置され得る。これらのへこみは、傾斜部の最端まで延び得るか、または針600の傾斜部から特定の距離において終わり得る。これらのくぼみを含む針600の遠位端の長さは、例えば、1センチメートル〜20センチメートルであり得る。別の実施形態において、長さは、5センチメートル〜10センチメートルの間である。
図14Bおよび
図14Cを参照すると、くぼみ602は、凹形の詳細部604を有する。
図14Dおよび
図14Eを参照すると、くぼみ602は、正方形の基部エッジ606を有する。
図14Fおよび
図14Gを参照すると、くぼみ602は、半球の基部詳細部608を有する。
【0054】
次に、
図14Hを参照すると、針610の別の実施形態の斜視図が表されている。針610は、針610の遠位端の周囲の楕円形のくぼみ612から構成されている。
図14Iを参照すると、正方形のくぼみ616を有する針614の実施形態の斜視図が表されている。くぼみ616は、傾斜部の最端まで延び得るか、または針614の傾斜部から特定の距離において終わり得る。次に、
図14Jおよび
図14Kを参照すると、渦巻き形のくぼみ620および螺旋形のくぼみ622を含む針614の実施形態が表されている。
図14Lを参照すると、くぼみ624は、凹形の詳細部を有する。
図14Mを参照すると、くぼみ626は、正方形の基部エッジを有する。
図14Nを参照すると、くぼみ628は、半球の基部詳細部を有する。
【0055】
次に、
図14Oを参照すると、針のくぼみにそれぞれα1 630の角度およびβ1 632の角度で衝突している超音波の線図が表されている。実施形態において、波は、くぼみの基部にぶつかり、それぞれα2 634の反射角およびβ2 636の反射角で上方に反射させられ、それらは、それぞれα1 630の入射角およびβ1 632の入射角と等しい。この反射させられたビームは、くぼみの隣接する壁からそれぞれα3 638の反射角およびβ3 640の反射角でもう一度反射させられ、それらは、それぞれ入射角α1 630およびβ1 632、ならびにそれぞれ第1の反射角α2 634およびβ2 636と等しい。この態様において、反射させられた波は、最初に伝搬される入射ビームと同じ入射角に沿って反射させられて、超音波デバイスの変換器に戻る。実施形態において、正方形のエッジのくぼみの設計は、手順中、超音波のより効率的な送信を提供し得る。
【0056】
図15および
図16は、本発明の針の遠位端の図である。本発明の針の遠位端35は、サンプル入手中、組織を貫通する針の能力を高めるために傾斜させられている。本発明の傾斜部の詳細35は、4つの角度付き傾斜研削部を組み込んでおり、4つの角度付き傾斜研削部は、組織貫通を高めることの他に、針の交換中、送達システムのカテーテル鞘を通る針の滑らかな通行も確実にする。
図16を参照すると、本実施形態の針傾斜研削部は、一次角度(「A」)、二次角度(「B」)、背部切断角度(「C」)、および
図17に示されるような三次角度(「D」)を組み込んでいる。一次角度は、10度〜25度の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、12度〜18度の範囲内であることが好ましい。二次角度は、15度〜35度の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、22度〜28度の範囲内であることが好ましい。三次角度は、15度〜35度の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、22度〜28度の範囲内であることが好ましい。背部切断角度は、15度〜70度の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、25度〜45度の範囲内であることが好ましい。
【0057】
針の交換中、(予め装填されているスタイレット2を有する)吸引針が、カテーテル鞘14の内部壁にひっかかることなく、カテーテル鞘14の内径を通過し得ることが重要である。これを達成するために、本発明の傾斜研削部は、背部切断研削詳細部を組み込んでいる。この背部切断詳細部は、鞘を通した針の通行中、「バンパー」として働く。針が前進する場合、背部切断部のヒールは、鞘の内径と接触し、針端35構成要素とカテーテル鞘14構成要素との間の摩擦を低減する。この手法において、針は、カテーテル鞘14の端から出て行くようにカテーテル鞘を滑らかにたどらされ得る。
【0058】
図18および
図19は、取り付けられているコレット19を有する吸引針サブアセンブリ15と、針プロテクター(「NP」)サブアセンブリ9との間の係合および係合解除の方法を例示している。
図18を参照すると、NPハブ23は、シャフト21をNPハブ23の中に挿入することによって、針シャフト21の遠位端において、針コレット19に対して係止される。針/NPプロテクターアセンブリが送達システムのハンドルの中に挿入される場合、針21および針コレット19は、針コレット19が変形可能なNPハブO−リング25を横断するように前進させられる。変形していない状態におけるNPハブO−リング25の内径は、針コレット19の外径よりも小さい。針21および取り付けられている針コレット19が遠位方向に移動させられる場合、NPハブO−リング25の軟らかいデュロメーターおよび弾力のある特性に起因して、NP O−リング25は変形し、適用される長手方向の力の下、コレットがNP O−リング25を横断することを可能にする。針コレット19がNP O−リング25を横断すると、予め取り付けられているコレット19を有する針21は、意図される標的部位までカテーテル鞘14をたどる。本発明のこの局面はまた、
図27に例示されている。
【0059】
図20、
図21、および
図22は、吸引針サブアセンブリ15が送達システムのハンドル10の中に係止される機構を例示している。第1に、吸引針サブアセンブリ15は、前に記載されるように、針保護サブアセンブリ9と予め取り付けられている。
図20に示されるように、針の挿入のサイクルの開始時、吸引針/保護アセンブリは、送達システムハンドル10の近位ハンドル部材10aの中に挿入される。針/保護アセンブリが前進させられる場合、針プロテクターハブ23は、保持カラーo−リング30に接触する。(
図18および
図19によって例示されるように)さらなる力の適用下で、針コレット19は、上に記載されるように、内部NPハブO−リング25を横断し、カテーテル鞘14を遠位方向に前進する。針ハブ17構成要素が近位ハンドル部材10aのハブハウジング構成要素27の中に前進させられる場合、針ハブ17の遠位端は、NPサブアセンブリ9の近位端に接触する。針ハブ17を連続して挿入することは、NPサブアセンブリ9を前方に押し、その結果、NPハブ23は、NPハブ23が停止するところまで変形可能な保持カラーo−リング30を横断する。この時点において、NPハブ23およびサブアセンブリ9は、近位ハンドル部材10a内で正しい位置に係止されており、移動しない。同時に、針ハブ17は、サムラッチ構成要素28を偏倚させる。(
図22に示されるように)NPサブアセンブリ9が保持カラーo−リング30を横断すると、針ハブ17は、針ハブ構成要素17における内部ランドリング36を横断させることによって、
図23の詳細Fに示されるように、ハブハウジング27の中に固定して係止される。
【0060】
図23は、送達システムハンドル10のサムラッチ28/ハブハウジング27の構成要素の中に係止されている吸引針の断面図を例示している。針ハブ17がハンドルにおけるハブハウジング27の中に前進させられる場合、ハブ17は、サムラッチ遠位端においてサムラッチ28の内部テーパに接触する。これは、サムラッチ28遠位端が側方に移動することを生じさせ、サムラッチ28の偏倚可能なヒンジ28a(
図26も参照のこと)がハブハウジングバーブ37に対して塑性変形下で変形することも生じさせる。針ハブ17がハブハウジング27の中に完全に前進させられると、サムラッチ28の遠位端部分は、ホーム位置に戻る。針ハブ17における内部ランドリング36と、サムラッチ遠位端との間の干渉は、針ハブ17が後方に移動しないことを確実にする。
【0061】
サムラッチ28の意図される機能性は、サムラッチ28を解放するために力が適用されることなく、吸引針サブアセンブリ15が近位ハンドル部材10aから取り外されることを防止することである。
図26に示されるように、サムラッチ構成要素28を押し下げ、針ハブ17をハブハウジング27から引き抜くことによって、吸引針は、交換され得るか、または送達システムハンドル10から引き抜かれ得る。サムラッチ28が押し下げられる場合、サムラッチ28の偏倚可能なヒンジ28aは、ハブハウジングバーブ37に接触する。サムラッチ28は、側方方向に移動する。この動きは、内部針ハブランドリング36と、サムラッチ構成要素28の遠位端との間の干渉を解く。この手法において、吸引針は、送達システムハンドルから損なわれずに取り外され得る。さらに、後に続くサンプルが、同じかまたは未使用の吸引針サブアセンブリを用いて入手され得る。
【0062】
図24は、本発明のハブハウジング27および針ハブ17の実施形態の好ましい実施形態を例示している。この例において、ハブハウジング構成要素27は、ハブハウジング27の内径において、くぼんだ雌移動止め40を含む。これらの移動止め特徴40は、ハブハウジング本体の内部周囲に等間隔で配置されている。移動止め特徴の数は、2〜15の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、6〜10の範囲内であることが好ましい。これらの移動止め特徴は、針ハブバレル17の外部表面における対応するインターロックバーブ特徴41との機械的係止を提供する。針ハブ17がデバイスハンドルにおけるハブハウジング構成要素27の中に固定して係止されると、針ハブ17におけるインターロックバーブ41は、ハブハウジングの移動止め特徴40の中に置かれることになる。この機械的係止は、代表的な内視鏡超音波手順中、針ハブ17が針ハブハブハウジング27および送達システムハンドル10に対して回転することを防止する。あるいは、ハブハウジング構成要素27の内側表面は、滑らかな内側表面27aであり得る。同様に、針ハブ17の外部表面は、滑らかな外部表面17aであり、内視鏡超音波手順中、針ハブ17が針ハブハブハウジング27および送達ハンドルシステム10に対して回転することを可能にする(
図25)。
【0063】
吸引針の交換中、およびより詳しくは、針の挿入中、針コレット構成要素19は、上で説明されるように、NPハブO−リング25を横断することによって、NPハブO−リング25から係合解除する。
図27および
図28は、サンプル入手後の針の抜き取り時の、針プロテクターサブアセンブリ9との針コレット19の係合を例示している。吸引針が、送達システムハンドル10から引き続き抜き取られる場合、針コレット19は、
図27に示されるように、NPハブO−リング25に接触する。吸引針が引き続き引き抜かれる場合、針コレット19は、
図28に示されるように、NPハブO−リング25を横断する。針がさらに引き抜かれる場合、針プロテクターハブ23は、
図29および詳細Gに例示されるように、保持カラーO−リング30を横断し、針がシステムから完全に取り外され得、針プロテクターサブアセンブリ9が針の遠位傾斜部35を包み、不注意な「針の突き刺し」を防止する。
【0064】
本発明の場合において、針プロテクター鞘24は、遠位端において内部にテーパをつけられている24a(
図29)。この内部テーパの長さは、1mm〜10mmの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、3mm〜6mmの範囲内であることが好ましい。針プロテクター鞘の遠位端における内部テーパの角度はまた、2度〜30度の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、5度〜15度の範囲内であることが好ましい。
【0065】
図30は、送達システム(示されない)のカテーテル鞘14の遠位端14aの例示であり、吸引針はデバイスハンドルの中に装填されており、デバイスハンドルは完全に後退させられた位置にある。この例において、針の遠位端は、カテーテル鞘14の遠位のテーパをつけられた端14aに対して近位に位置する。
図31は、針が完全に延ばされた位置にある場合のカテーテル鞘14に対する針21および針コレット19の位置を例示している。完全に延ばされた位置において、針コレット19は、テーパをつけられた遠位先端に対して近位でカテーテル鞘14内に収容されたままである。
【0066】
本発明の場合において、カテーテルシャフト構成要素14は、熱可塑性ポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリアミドおよびその誘導体、エーテルブロックアミドコポリマー、ポリイミド、プラセンタル(Placental)、ポリエチレンおよびその誘導体、ポリテトラフルオロエチレンであるが、これらに限定されない)から製造される。(
図33に示されるように)カテーテルシャフト14の好ましい実施形態は、カテーテルシャフト14が、螺旋形にブレイドされた補強構造45を組み込んでいることであり、この螺旋形にブレイドされた補強構造45は、外側熱可塑性材料(例えば、滑らかな内側ライナーまたはコアに関して上で言及されたもの)の内側ポリマー46a層と外側ポリマー46b層との間に収容されている。本発明の場合において、螺旋形にブレイドされた補強45は、ステンレス鋼ワイヤーから製作される。この補強ブレイドワイヤーの直径は、0.0005インチ〜0.010インチの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、0.0015インチ〜0.005インチの範囲内であることが好ましい。カテーテル鞘14の外径は、0.050インチ〜0.140インチの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、0.085インチ〜0.0105インチの範囲内であることが好ましい。カテーテル鞘14の内径は、0.050インチ〜0.120インチの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、0.065インチ〜0.085インチの範囲内であることが好ましい。
【0067】
本発明の場合において(ならびに
図30および
図31に例示されるように)、カテーテル鞘14の遠位端14aは、カテーテル鞘先端の外径および内径の両方を低減するためにテーパをつけられていることが好ましい。このテーパは、スエージ加工または熱形成(thermal heat forming)技術を介して、カテーテル鞘14の遠位端に与えられ得る。カテーテル鞘14の内径は、遠位端14aにおいて、0.020インチ〜0.060インチの範囲内、より好ましくは、0.040インチ〜0.050インチの範囲内の内径へテーパを付けられていることが好ましい。
【0068】
次に、
図32を参照すると、先行技術のデバイスよりも改善された手順上の性能を臨床家に提供する本発明の局面は、本発明のテーパをつけられたカテーテル鞘14の、デバイスの吸引針を内視鏡の作業チャネルコンジットにおいて中央に保持する能力に関する。先行技術の外径(約5フレンチ〜約5.4フレンチ)と比較して、本発明のカテーテル鞘14の増大した外径(6.5フレンチ〜8フレンチの範囲内)に起因して、カテーテル鞘は、カテーテル鞘14と内視鏡作業チャネルの内径との間の環状クリアランスを低減する。内視鏡の作業チャネルとの環状クリアランスを低減することによって、本発明のカテーテル鞘14の出口の角度は、作業チャネルに対して同軸である。これは、針がカテーテル鞘の遠位端を出て行く場合、針が、内視鏡の長手方向軸に対して、より「法」平面でカテーテルの遠位端を出て行くことを確実にする。内部テーパをカテーテル鞘の遠位端に含むことはまた、針が、先行技術のデバイスの場合よりも「法」平面でカテーテルから出て行くことを確実にする。
【0069】
図34は、本発明のアクセスカテーテルサブアセンブリの側面図である。本明細書で前に記載されるように、本開示のアクセスカテーテルアセンブリは、最小限に侵襲性の手順とともに使用され得る。例えば、本開示と一致するアクセスカテーテルは、「Needle Biopsy Device with Exchangeable Needle and Integrated Needle Protection」米国特許出願公開第2012/0116248号、「Rapid Exchange FNA Biopsy Device with Diagnostic and Therapeutic Capabilities」米国特許出願公開第2011/0190662号、「Device for Needle Biopsy with Integrated Needle Protection」米国特許出願公開第2010/0121218号、および「Needle Biopsy Device」米国特許出願公開第2010/0081965号において議論される例示的な内視鏡送達システムおよび方法との使用のために適合可能であり得、これらの米国特許出願公開の各々の内容は、それらの全体が本明細書により参考として援用される。
【0070】
図34に示されるように、アクセスカテーテルアセンブリは、アクセスカテーテル200を含み、このアクセスカテーテル200は、所望の脈管のその後の処置のために、所望の脈管へのアクセスを得て、所望の脈管をナビゲートするために構成されている。本明細書中に記載される実施形態において、アクセスカテーテル200は、処置を提供する目的のために、膵胆道系と関連付けられている1つ以上の組織/器官へのアクセスを得るように構成されている。例えば、アクセスカテーテル200は、内視鏡超音波ガイド下細針吸引(EUS−FNA)技術を介して少なくとも総胆管へのアクセスを得て、少なくとも総胆管をナビゲートするために、および胆管内の狭くなった領域または妨害を処置する手順(緩和ドレナージ手順が挙げられる)をさらに可能にするために、本明細書中で前に記載されている内視鏡送達デバイスとともに使用され得る。従って、本開示と一致するアクセスシステム(アクセスカテーテルアセンブリおよび内視鏡送達デバイス)は、内視鏡超音波ガイド下胆道ドレナージ(EUS−BD)を提供するように構成されている。しかし、本発明のアクセスシステムは、膵胆道系に限定されないことが留意されるべきである。本発明のアクセスシステムは、特に、操作性および正確性が望まれるヒトの身体の多様な異なる系へのアクセスを提供するために使用され得る。
【0071】
アクセスカテーテル200は、概して、細長い管状本体を含み、この細長い管状本体は、近位端を有する近位セクション202と、遠位端208を有する遠位セクション204と、外側表面と、内側表面とを有し、近位端から遠位端208に延びている管腔を規定する。遠位セクション204は、その長さに沿って調整可能な部分206をさらに含み、この調整可能な部分206は、特定の条件下で、少なくとも予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている。カテーテル200の近位セクション202は、カテーテルハブ17に結合され、このカテーテルハブ17は、本明細書中で前に記載されている針ハブ17と同様に構成され、概して、同じ態様で機能する。
図35に示されるように、アクセスカテーテル200は、少なくともスタイレットシャフト22を中に受け取るように構成され得る。より詳細に本明細書中に記載されるように、スタイレットは、EUS−BDランデブー手順中に使用され得、このEUS−BDランデブー手順において、スタイレットの先端は、十二指腸組織の壁を通して、および総胆管(CBD)の壁を通して刺すことにより、カテーテル200がCBDへのアクセスを得て、CBDをさらにナビゲートすることを可能にするために使用され得る。
【0072】
アクセスカテーテル200は、その長さにわたって可変の剛性を有し得る。例えば、1つの実施形態において、近位セクション202および遠位セクション204は、異なるレベルの剛性を有し得る。1つの実施形態において、近位セクション202は、遠位セクション204よりも大きいレベルの剛性を有し得る。いくつかの実施形態において、近位セクション202および遠位セクション204は、同じ材料から構築され得るが、異なる厚さを有し得、それにより、異なるレベルの剛性をもたらす。例えば、近位セクション202は、より厚い壁を有し得、一方で、遠位セクション204は、より薄い壁を有し、それにより、近位セクション202が剛であり、遠位セクション204がより可撓であることをもたらす。
【0073】
他の実施形態において、近位セクション202および遠位セクション204は、異なる材料から構築され得、異なる材料は、異なるレベルの剛性をもたらす。例えば、近位セクションは、比較的剛である材料から構築され得、それには、様々な金属(ステンレス鋼、ニチノール、またはそれらの合金)、およびポリマー(剛であるポリアミド、ポリウレタン、またはそれらのコポリマー)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、または代替的に、近位セクション202は、当業者によって一般的に理解されるように、螺旋形の様式で巻かれているステンレス鋼ブレイドワイヤーを包む内側および外側のポリマー性ジャケットからなる構築でブレイドされる。
【0074】
遠位セクション204は、比較的耐久性のある可撓な材料から構築され得、それには、ポリアミド、ポリウレタン、またはそれらのコポリマー誘導体のような材料からの非補強ポリマー押出しが挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、遠位セクション204は、ブレイドワイヤー補強(例えば、前に記載されるもの)を伴うポリマーから構築され得る。
【0075】
近位セクション202は、設計が管状であり、約0.1cm〜約0.3cmの範囲内の外径を有し得る。近位セクション202は、0.03cm〜0.3cmの範囲内の内径を有し得る。近位セクション202から遠位セクション204への移行部は、ハブ17から5cmと150cmとの間に位置し得る。いくつかの実施形態において、移行部は、ハブ17から80cmと120cmとの間に位置し得る。可撓な遠位セクション204は、管状構築のものであり、0.08cmおよび0.3cmの範囲内の外径を有し得る。いくつかの実施形態において、遠位セクション204は、0.1cm〜0.2cmの範囲内の外径を有し得る。
【0076】
図36は、本発明のアクセスカテーテル200の遠位セクションの側面図である。示されるように、調整可能な部分206は、特定の条件下で、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている。調整可能な部分206は、概して、カテーテル本体の管腔によって規定される長手方向軸Xに対して湾曲した形状を形成している。湾曲した形状は、概して、矢印210によって示される第1の移行部分を有し、この第1の移行部分から、カテーテル本体は、矢印212によって示される第2の移行部分まで湾曲した道筋に沿って延び、この第2の移行部分の点から、カテーテル本体は、比較的線形の道筋を遠位端208に延びる。従って、調整可能な部分206は、第1の移行部分210と第2の移行部分212との間に、弓形の形状にされた部分214を有する。湾曲スタイルは、カテーテル200が挿入されることになっている特定の組織/器官、および/または位置のインチに依存して、長さおよび角度形成において様々であり得る。調整可能な部分206が予め規定される弓形の形状である場合、調整可能な部分206は、カテーテル本体の管腔によって規定される長手方向軸Xに対して少なくとも1つの角度Aを形成している。1つの実施形態において、少なくとも1つの角度Aは、0度と170度との間である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの角度Aは、30度と140度との間である。別の実施形態において、少なくとも1つの角度Aは、45度と120度との間である。別の実施形態において、少なくとも1つの角度Aは、60度と100度との間である。好ましい実施形態において、少なくとも1つの角度Aは、90度と170度との間である。調整可能な部分206は、1つよりも多くの湾曲したセクションを含み得ることが留意されるべきである。例えば、調整可能な部分206は、ピグテール構成などのものであり得る。湾曲角の異なる形状および範囲は、解剖学的構造における違いに応え、ガイドワイヤーの前進を助けるために十分な角度選択肢を臨床家に提供するように構成されている。
【0077】
図37Aは、一部が断面図での、
図5のカテーテル鞘14内でのアクセスカテーテル200の収納の側面図であり、アクセスカテーテル200内に位置決めされているスタイレット22を含む。本明細書中で前に記載されるように、アクセスカテーテル200は、本明細書中で前に記載されている送達システムハンドル10とともに使用されることになっている。従って、アクセスカテーテル200、ならびにハブ17は、送達ハンドルアセンブリの内側管腔および鞘14の管腔内に取り外し可能に配置され得る。この例において、スタイレット22はまた、カテーテル200の管腔215内に位置決めされている。示されるように、鞘14の管腔内に配置されている場合、アクセスカテーテル200の調整可能な部分206は、実質的に線形の形状を維持するように構成されているか、または鞘14の輪郭に対応する形状を少なくとも維持するように構成されている。換言すると、調整可能な部分206を含む遠位セクション204は、鞘14内に装填されている間、鞘14の管腔の形状に対応するように構成されている十分に可撓な材料から構築されている。
【0078】
図37Bに示されるように、矢印218に示されるようなアクセスカテーテル200およびスタイレット22の延長時でさえ、カテーテル200の調整可能な部分206は、実質的に線形の形状を維持するように構成されている。特に、比較的剛であるスタイレット22が、カテーテル200の遠位セクション204、特に調整可能な部分206内に位置決めされている間、調整可能な部分206は、予め規定される弓形の形状への移行を防止されている。この例において、スタイレット22の遠位のとがった先端216は、カテーテル200が脈管へのアクセスを得ることを可能にするために、脈管の組織を刺す(例えば、十二指腸の壁、および総胆管の壁を刺す)ために使用され得る。
【0079】
図37Cは、一部が断面図での、アクセスカテーテル200の遠位セクション204の一部分内からのスタイレット22の引き抜きの側面図である。示されるように、矢印220に示されるようなスタイレットの引き抜き時、調整部分206は、予め規定される弓形の形状に移行するように構成されている。これは、概して、調整可能な部分206が十二指腸と総胆管との間の穿刺を通して導かれると起きる。従って、調整部分206は、形状記憶特性を有する可撓な材料から構築され得る。
図37Dに示されるように、矢印222によって示されるような鞘14からのアクセスカテーテル200のさらなる延長は、調整可能な部分206が弓形の形状へ完全に移行することをもたらし得る。この点において、遠位端208におけるカテーテル200の管腔は、総胆管の管腔と相対的に同軸の整列状態にあり得、それにより、胆道ドレナージ手順を続けるためのさらなるツール(例えば、ガイドワイヤー)のための、管への改善された最初のアクセスを臨床家に提供する。
【0080】
図38は、一部が断面図での、アクセスカテーテル200の延長された遠位端208の側面図であり、カテーテルハブ17の回転移動に基づく遠位端208および調整可能な部分206の操作を例示している。本明細書中でより詳細に記載されるように、ハンドルアセンブリ10は、脈管をナビゲートする間、臨床家がアクセスカテーテル200の調整可能な部分206および遠位端208を動かし、操作することを可能にするように構成されている1つ以上の要素を含む。例えば、臨床家は、矢印224によって示されるように、カテーテルハブ17を回転させ得、それは、次に、矢印226によって示されるように、調整可能な部分206および遠位端208の回転移動をもたらす。従って、臨床家は、脈管をより良好にナビゲートするようにカテーテル200を操作することができ得る。調整可能な部分206は、長手方向軸Xに対して0度〜360度の範囲内で増分で回転し得る。例えば、臨床家は、ハブ17を約180度回転させ得、それにより、調整可能な部分が180度(206aの位置から206bの位置に)回転することをもたらす。
【0081】
図39は、送達ハンドルアセンブリ10の内側ハブハウジング27およびアクセスカテーテルアセンブリのカテーテルハブ17の斜視図である。本明細書中で前に記載され、
図24に示されるように、ハブハウジング27は、くぼんだ雌移動止め40を含み、このくぼんだ雌移動止め40は、ハブハウジング27の内径において、隣接する半径方向に間隔が空けられているバーブの間に位置決めされている。これらの移動止め特徴40は、ハブハウジング本体の内部周囲に等間隔で配置されている。移動止め特徴は、カテーテルハブ17の外部表面における対応するインターロックバーブ特徴41aとの機械的係止を提供する。第2の複数のバーブ41aの各々は、内側ハブハウジング27に対するカテーテルハブ17の増分回転を可能にするために、第1の複数のバーブのうちの対応する1つおよび対応する雌移動止め40との選択的な係合のために構成されている。第2の複数のバーブ41aの各々は、バーブ41aが、増分干渉を提供するために、低減された高さを有するという点で本明細書中で前に記載されているバーブ41と異なる。換言すると、バーブ41aの低減された高さは、対応する移動止めの中に完全に係止されるよりも、一時的な係合を可能にし、十分な回転力において、各バーブ41aは、移動止めから移動止めに増分で移動し得る。従って、アクセスカテーテル200の遠位セクション204、特に調整可能な部分206および遠位端208は、カテーテルハブ17の増分回転とともに、長手方向軸Xの周りを増分で回転するように構成されている。従って、回転力の除去時、内側ハブハウジング27とカテーテルハブ17との間の係合は、遠位セクション、特に調整可能な部分206が、所望の場所に固定されたままであり、急に動かないことを確実にするために十分であり、臨床家がハンドルアセンブリの把握を放し得、一方で、遠位セクションの位置は、維持されることをさらに可能にする。
【0082】
図40は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。示されるように、調整部分206aは、遠位端208に隣接して金属製遠位先端228を含み得る。金属製先端228は、任意の公知の技術によってカテーテルに結合され得る。例えば、1つの実施形態において、金属製先端228は、カテーテル200の遠位端208に熱で結合され得る。金属製遠位先端228は、遠位端208が比較的堅く、密な、および/または繊維状の組織を通して(例えば、十二指腸壁または胃壁を通して)、胆樹の中に穿刺することを可能にするために十分な耐久性およびカラム強度およびプッシャビリティを提供し得る。先端228は、長さにおいて2mmと30mmとの間で変動し得る。1つの実施形態において、先端228は、2mm〜10mmの範囲内の長さを有し得る。金属製先端228の外側表面は、エコー源性または音響反射を強化される。例えば、このエコー源性的に強化された領域は、予め規定される長さにわたって金属製先端228を粗くすることによって製作され得るが、これに限定されない。エコー源性的に強化された領域の長さは、2mm〜20mmの範囲内であり得るが、より好ましくは、10mm〜15mmの範囲内である。エコー源性強化パターンは、特定の長さにわたってカテーテルの表面を粗くするマイクロブラストプロセスを介して金属製先端228に与えられ得、内視鏡超音波下での先端228の可視性を改善する。他の表面を粗くする技術(例えば、レーザーまたは化学エッチング)が使用され得る。他の実施形態において、先端228のエコー源性的に強化された領域は、より大きい反射率および増強された反射信号を提供するために、先端228の表面からの材料の除去を通して達成され得る。
【0083】
図41は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。例示される実施形態において、アクセスカテーテル200は、切断要素230をさらに含み、この切断要素230は、調整可能な部分206bに位置決めされ、遠位端208に隣接している。一般に理解されるように、切断要素230は、組織および/または屑を摘出、切断、切除、またはそうでなければ除去するように構成されている任意の要素としての実施形態であり得る。例えば、切断要素230としては、誘電性焼灼リング、切断ナイフ、切断ワイヤー、ピンチングカッターなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。切断要素230は、閉塞された経路を広げるため、および/または腫瘍もしくは他の閉塞(例えば、胆石)を完全に除去するために、臨床家が組織を切除/切断することを可能にするように構成されている。
【0084】
図42は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図であり、
図43は、
図42のアクセスカテーテルの遠位セクションの一部分の断面図である。示されるように、アクセスカテーテル200は、少なくとも1つの制御要素をさらに含み得、少なくとも1つの制御要素は、長手方向軸Xに対するカテーテル200の少なくとも遠位端208および/または調整可能な部分206cの移動を生じさせるように構成されている。例えば、カテーテル200は、舵取り可能な機能性を有し得、1つ以上の制御ワイヤーまたは舵取りワイヤー232は、1つ以上の制御ワイヤー232に適用される力が、少なくとも遠位端208(208a、208bとして示される)の操作をもたらすように、カテーテル200の少なくとも遠位セクション204内に位置決めされ得、カテーテル200の少なくとも遠位セクション204に留められ得る。制御ワイヤー232に対する制御は、ハンドルアセンブリ10内、および/または別個にカテーテルハブ17に提供され得る。従って、臨床家の1つ以上の制御ワイヤー232に対する引張の適用時、少なくとも遠位端208は、カテーテル200のナビゲーションを改善するための改善された操作を提供するように移動する。
【0085】
図44は、本発明のアクセスカテーテルの遠位セクションの別の実施形態の側面図である。示されるように、カテーテル200の少なくとも遠位セクション204は、密に充填された管状コイルから形成されている管状本体を含む。いくつかの実施形態において、遠位セクション204の管腔の内部表面は、その上に配置されているライナーを有し、このライナーは、比較的低い摩擦係数を有する。例えば、ライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ライナーであり得る。低い摩擦係数を有するライナーを提供することによって、潤滑性は、潤滑性およびガイドワイヤー移動を高める。さらに、そのようなコイル状構成は、アクセスカテーテルの前進のために可撓性を高めるように構成され、一方でまた、回転操作中、ハブ17からのトルク伝送を高める。
【0086】
従って、本発明のアクセスシステムは、特に調整可能な部分が予め規定される弓形の形状である場合、遠位セクションの調整可能な部分を操作する能力を臨床家に提供し、それにより、脈管のナビゲーション中の改善された操作を可能にする運動の範囲全体の増大を提供する。従って、(現在の技術は、胆管ドレナージのためのランデブー手順中、USスコープからERCPスコープへの交換を必要とするけれども)本発明のアクセスシステムは、スコープ交換を実施する必要なく、(ファーター膨大部を横切って)経乳頭設置を達成するために、および(例えば、ステントの設置を介して)胆管の内部ドレナージをさらに達成するために、適切な脈管(例えば、胆管)へのアクセスを提供し、カテーテル、ならびに他のツール(例えば、ガイドワイヤー)の正しい位置への操作を可能にする。
【0087】
本発明のアクセスシステムは、EUS/ERCPランデブー技術に関連付けられる欠点のうちの多くを克服する。特に、本発明のアクセスカテーテルの予め規定される弓形の形状は、胆管の管腔に対して比較的直交した角度で起きる最初の経十二指腸穿刺に一部起因して、胆管への改善された最初のアクセスを提供する。従って、カテーテルでの胆管への最初のアクセス時、遠位セクションの予め規定される弓形の形状は、カテーテルの遠位端が胆管の管腔と整列していることをもたらし、その結果、ガイドワイヤーの前進は、改善され、ガイドワイヤーを前進させる場合の周囲組織への傷害のリスクを減少させる。さらに、回転態様においてだけではなく、カテーテルの長手方向軸に対して左方向、右方向、前方向、および後方向にもおけるアクセスカテーテルの増大された移動度、特に遠位端の増大された可撓性、ならびに遠位端の改善された操作は、臨床家が、管の管腔をナビゲートして、EUS/ERCPランデブー技術において使用される従来のカテーテルでは通れなかった場合がある閉塞を越えてさらに前進させる能力を改善する。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書中に記載され、例示されてきたが、当業者は、機能を実施するための、ならびに/または、結果および/もしくは本明細書に記載される利点のうちの1つ以上を得るための、多様な他の手段および/または構造を容易に想定し、そのようなバリエーションおよび/または改変の各々は、本開示の範囲内にあると考えられる。より一般的に、当業者は、本明細書中に記載される全てのパラメーター、寸法、材料、および構成は、例示であることを意図されていること、ならびに実際のパラメーター、寸法、材料、および/または構成は、本開示の教示が使用される1つまたは複数の特定の適用に依存することを容易に認識する。
【0089】
当業者は、本明細書中に記載される本開示の特定の実施形態に対する多くの等価物を、認識するか、またはごく普通の実験のみを用いて確かめることができる。従って、前述の実施形態が例示としてのみ提示されること、ならびに特に記載され、特許請求されるものと別の方法で、本開示が、添付の特許請求の範囲およびそれに対する等価物の範囲内で、実施され得ることが理解されるべきである。本開示は、本明細書中に記載される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意に組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに相反するものではない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0090】
本明細書中で規定され、使用される全ての定義は、辞書の定義、参考として援用される文書における定義、および/または規定される用語の通常の意味を制御することが理解されるべきである。
【0091】
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書においておよび特許請求の範囲において、本明細書中で使用される場合、そうでないと明らかに示されない限り、「少なくとも1つ」を意味することが理解されるべきである。
【0092】
句「および/または」は、本明細書においておよび特許請求の範囲において、本明細書中で使用される場合、そのように等位接続されている要素、すなわち、いくつかの場合において接続的に存在する要素および他の場合において離接的に存在する要素の、「いずれかまたは両方」を意味することが理解されるべきである。「および/または」の節によって特に識別される要素以外に、特に識別される要素と関係があろうと、無関係であろうと、そうでないと明らかに示されない限り、他の要素が、任意に存在し得る。
【0093】
本明細書にわたって、「1つの実施形態」または「実施形態」に対する参照は、実施形態に関して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。従って、本明細書にわたって、様々な場所における句「1つの実施形態において」または「実施形態において」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指している必要はない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な態様で組み合わせられ得る。
【0094】
本明細書中で用いられている用語および表現は、記載の用語として使用されており、限定するものではなく、示され、記載される特徴(またはその部分)の任意の等価物をそのような用語および表現の使用において除外する意図はなく、特許請求の範囲の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。従って、特許請求の範囲は、全てのそのような等価物を含むことが意図される。
【0095】
参考としての援用
他の文書(例えば、特許、特許出願、特許公報、雑誌、本、論文、ウェブコンテンツ)に対する参照および引用が、本開示にわたってなされている。全てのそのような文書は、全ての目的のために、それらの全体が本明細書により本明細書中で参考として援用される。
【0096】
等価物
本発明の様々な改変およびそれらの多くのさらなる実施形態は、本明細書中に示され、記載されるものの他に、本明細書中に引用される科学的文献および特許文献への参照を含む本文書の完全な内容から当業者に明らかとなる。本明細書中の主題は、その様々な実施形態およびその等価物において、本発明の実施に適合され得る重要な情報、例証、および手引きを含む。