(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分と、イソシアネート成分と、発泡剤とを含む原料を反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、ポリオール成分は、エチレンオキサイドの含有率が70質量%以上であるエチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)共重合体ポリエーテルポリオールと、エチレンオキサイドの含有率が70質量%未満であるポリエーテルポリオールとを含み、ポリオールの合計質量に対するエチレンオキサイドの割合が25質量%以上であり、NCOインデックスが90以上である。
【0014】
このような軟質ポリウレタンフォームは、季節に関係なく、快適な温度及び湿度に保つことができ、更に十分な耐久性を有している。そして、寝具内に水蒸気がこもることで発生する結露と、この結露により生じるカビの発生とを防ぐことが可能である。
【0015】
本実施形態に係る軟質ポリウレタンフォームについて、より詳細に説明する。
この軟質ポリウレタンフォームは、(A)ポリオール成分と、(B)イソシアネート成分と、(C)発泡剤とを含む原料を発泡成形させてなる。この原料は、更に添加物を含むことができる。
【0016】
ポリオール成分として親水性の高い(A1)と疎水性の高い(A2)を混合することで、発泡反応中に両者の極性の違いから相分離が起こる。この相分離が発泡中の気泡膜を破るきっかけとなり、そのため高い通気性を持たせることができる。
【0017】
(A)ポリオール成分は、(A1)エチレンオキサイドの含有率が70質量%以上であるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールと、(A2)エチレンオキサイドの含有率が70質量%未満であるポリエーテルポリオールとを含んでいる。
【0018】
(A)ポリオール成分は、(A1)エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールを、例えば、60質量%以上含有しており、好ましくは、75質量%以上含有している。
【0019】
(A)ポリオール成分が含んでいるポリオールの合計質量に対するエチレンオキサイドの割合は25質量%以上である。この割合が25質量%以上であると、生成される軟質ポリウレタンフォームは、吸放湿性が優れている。
【0020】
この理由は定かではないが、本発明者らは以下のように考えている。
この軟質ポリウレタンフォームは、高湿度な環境において、ポリエチレングリコール鎖の酸素原子が、空気中の水と水素結合することにより吸湿する。この水素結合は、通常の環境において切断され、水が放出される。即ち、この軟質ポリウレタンフォームは、化学的放湿性を有している。
【0021】
これに対し、例えば羊毛を用いたマットレスは、高湿度な環境において、毛の繊維の間に表面張力により水を保持する。この水は、通常の環境において、毛の繊維の間から空気中へと放出される。即ち、このようなマットレスは、物理的放湿性を有している。
【0022】
吸放湿性の観点からは、化学的放湿性は、物理的放湿性と比較して優れている。つまり、化学的放湿性を有したマットレスは、物理的放湿性を有したマットレスと比較して、高湿度な環境において、単位時間当たりにより多くの水を吸湿できる。一方、通常の環境において、単位時間当たりにより多くの水を放湿できる。
【0023】
(A)ポリオール成分が含んでいるポリオールの合計質量に対するエチレンオキサイドの割合は、25質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。この割合が40質量%以上であると、寝床内気候の変動を大幅に小さくすることができる。
【0024】
寝床内気候とは、人が就寝した際に、人と寝具との間にできる空間の温度及び湿度を意味する。快適な寝床内気候は、上述したように、温度33±1℃、湿度50±5%RHであることが知られている。
【0025】
発明者らは、最適寝床内気候を維持できるのは、本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの吸放湿性による余分な水分の吸収が関与していると考えている。
【0026】
(A1)エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオール官能基数は、例えば2〜4である。
【0027】
(A2)ポリエーテルポリオールは、例えば、プロピレンオキサイド(PO)重合体ポリエーテルポリオール、プロピレンオキサイド重合体ポリエーテルポリオールの末端をエチレンオキサイドでキャップしたEO含有率が10〜20%のポリオール、エチレンオキサイドの含有率が70質量%未満であるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオール、スチレン又はアクリロニトリル等のビニルモノマーをグラフト重合したものを分散させたポリマーポリオール、及び、テトラメチレングリコールを重合したポリテトラメチレングリコール等からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0028】
(A2)ポリエーテルポリオールが、プロピレンオキサイド重合体ポリエーテルポリオールを含んでいる場合、得られる軟質ポリウレタンフォームは、通気性が高く、且つ耐久性に優れたものになる傾向がある。
【0029】
軟質ポリウレタンフォームの通気性が向上すると、寝床内に熱がこもり難い。つまり、寝床内の温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。それ故、寝床内気候の変動を抑制するためには、通気性が良いことが有利である。
【0030】
但し、通気性が良すぎると、冬場の環境では寝床内と外気との温度差が顕著であるため、寝床内温度を33℃付近に保つことが難しくなる可能性がある。また、この場合、床面からの冷気を受けやすく、結露が生じ易くなる可能性がある。
【0031】
(A2)ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、例えば、500〜7000の範囲内にあり、好ましくは、700〜5000の範囲内にある。
【0032】
(A2)ポリエーテルポリオールの分子量がこの範囲内にある場合、触感が硬すぎず、柔らかすぎて底づきしてしまうようなこともなく、良好な触感と保持性を持たせることができる。
【0033】
(A)ポリオール成分中、(A1)エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールと、(A2)ポリエーテルポリオールとの比は、例えば、60:40〜90:10であることが好ましく、70:30〜85:15であることがより好ましい。
【0034】
(A)ポリオール成分に占める、(A1)エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールの割合が大きくなるほど、多くの水蒸気を吸湿及び放湿することができる。逆に、(A)ポリオール成分に占める、(A2)ポリエーテルポリオールの割合が大きくなるほど、通気性及び耐久性が上がる傾向にある。
【0035】
それ故、(A)ポリオール成分中の(A1)エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールと(A2)ポリエーテルポリオールとの比を適宜変更することにより、所望の吸放湿性、温度一定性及び耐久性を備えた軟質ポリウレタンフォームを得ることが可能となる。
【0036】
(B)イソシアネート及び(C)発泡剤は、一般的に用いられているものを制限なく使用することができる。
【0037】
(B)としては、通常軟質ポリウレタンフォームの製造に使用されるトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やTDIとMDIとの混合物を使用することができる。用途によっては脂肪族系のイソシアネートも用いることが出来る。(C)発泡剤は、例えば水である。
【0038】
この軟質ポリウレタンフォームのNCOインデックスは、例えば、90以上125以下であり、95以上であることが好ましく、110以上であることが更に好ましい。NCOインデックスが110以上であると、例えば、硬度低下率及び厚み低下率を非常に低くすることが可能である。なお、NCOインデックスとは、原料の(A)ポリオール成分中の水酸基に対する、ポリイソシアネートのNCO基の当量比を表した数値である。
【0039】
NCOインデックスが90未満であると、樹脂強度の低下により硬度低下率が悪化する傾向がある。NCOインデックスが125超であると、しっとりとした触感、風合いが損なわれる可能性がある。
【0040】
添加物としては、例えば、触媒、整泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び顔料を挙げることができる。それぞれの添加物は、一般的に用いられているものを適宜使用することができる。
【0041】
発泡成形後の軟質ポリウレタンフォームのコア密度は、例えば30〜100kg/m
3であり、好ましくは40〜75kg/m
3である。
【0042】
JIS K6401(2004)は、硬度低下率の値によって耐久性をクラス分けしている。硬度低下率22%以下であるクラスV、又は、超過酷な用途にも推薦できる硬度低下率13%以下のクラスXであれば、寝具用途にはもちろんのこと、例えば座席シートの用途としても長期間使用することが可能である。
【0043】
更に、この軟質ポリウレタンフォームは、常態環境(温度20℃、湿度50%RH)と高湿度環境(温度40℃、湿度95%RH)との間を3時間毎に移行する繰り返し試験において、高湿度環境下で1.5mg/cm
3以上の水分の吸湿があり、常態環境で、吸湿した水分の80%以上を2時間以内に放湿する。この軟質ポリウレタンフォームは、高湿度環境下で4mg/cm
3以上の水分の吸湿があり、常態環境で、吸湿した水分の80%以上を2時間以内に放湿することが好ましい。
【0044】
本実施形態に係る軟質ポリウレタンフォームは、寝具用の用途の他に、自動車シート用、表皮材用、又はシール材用など、他の用途で使用してもよい。
【0045】
他の用途で使用する場合、例えば、原料における発泡剤及び触媒などの配合量を調整することで、それぞれの用途に適した物性を有する軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0046】
この軟質ポリウレタンフォームは、例えば、スラブフォーム発泡成形法、又は定型の型に原料を流し込み、その後成形するモールド発泡成形法により製造することができる。これら成形法は、目的に応じて選択することが可能である。
【0047】
更に、上記成形法により得られた成形品に対して、プロファイル加工、又は熱プレスなどの加工を施すことも可能である。
【実施例】
【0048】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0049】
下記表1〜3に記載の実施例及び比較例における原料は以下の通りである。表1〜3において、原料の欄に記載している各数値は質量部を示している。但し、表1〜3では、触媒、整泡剤、発泡剤及びイソシアネートの質量部の記載を省略している。
(1)(A1)ポリオールa:三井化学(株)製の商品名:EP505S(EO=72%、3官能、水酸基価52mgKOH/g)
(2)(A2)ポリオールa:三井化学(株)製の商品名:EP455S(EO=10%、3官能、水酸基価45mgKOH/g)
(3)(A2)ポリオールb:三井化学(株)製の商品名:T−3000(3官能、水酸基価56mgKOH/g)
(4)(A2)ポリオールc:三井化学(株)製の商品名:T700S(3官能、水酸基価250mgKOH/g)
(5)触媒:東ソー(株)製の商品名:TEDA−L−33
(6)整泡剤:東レ・ダウコーニング(株)製の商品名:SF2904
(7)発泡剤:水
(8)イソシアネート:TDI−80(2,4−TDI/2,6−TDI=80/20)。
【0050】
(実施例1
、2、5、6及び11−14
、参考例3−4及び7−10、並びに比較例1)
下記表1〜3に示す配合比に従って原料を混合及び攪拌し、この混合物を発泡ボックス中に注入し、フリー発泡させた。こうして、実施例1
、2、5、6及び11−14
、参考例3−4及び7−10、並びに比較例1に係るポリウレタンフォームを製造した。なお、比較例1は、汎用の軟質ポリウレタンフォームの代表的な処方である。
【0051】
(比較例2)
網状繊維を用いたマットレスを用意し、これを比較例2とした。
(比較例3)
汎用の低反発ポリウレタンフォームを用意し、これを比較例3とした。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
(寝床内環境の評価)
実施例1、及び比較例1〜3に係るマットレスを、それぞれ寝具として使用した場合を想定して、寝床内環境の評価試験を実施した。
図1は、この評価試験方法を模式的に示した断面図である。
【0056】
発汗ホットプレート(ISO11092準拠)10は、上部が開口した筐体11内に、温度制御可能な温熱ガード12、温度制御可能な金属ブロック13、及び多孔質金属からなる熱板14が積層され、発汗ホットプレート10の底部から筐体11、温熱ガード12、及び金属ブロック13を貫通して、熱板14に達する水供給管15が設けられている。熱板14を覆うようにセロファン16が設けられる。
【0057】
発汗ホットプレート10上には、セロファン16を介して被測定試料であるマットレス20が載せられる。マットレス20は、直方体に加工したマットレス芯材21を2層に重ねて水蒸気を透過するカバー22で覆ったものである。マットレス芯材21は、奥行きD300mm×幅W300mm×高さH50mmの大きさに加工している。2つのマットレス芯材21の間に、温湿度センサー23が設置されている。マットレス20の上に、平板のフローリング板31及び重り32が載せられる。重り32の重さは、適宜設定することができるが、例えば5kg程度の重りを使用し、フローリング板31を介してマットレス20にヒトが横たわることを想定した荷重をかける。
【0058】
温熱ガード12及び金属ブロック13の温度を制御して、熱板14を設定温度に調整するとともに、水供給管15を通して供給した水を設定温度に調整する。この結果、水蒸気が多孔質金属からなる熱板14及びセロファン16を通してマットレス20の表面に沿って流れる。水は、常に一定量が供給され続ける仕様ではなく、熱板14の表面から水分が無くなった後に一定量が供給される仕様になっている。
【0059】
この方法により、冬場環境(10℃)又は夏場環境(30℃、80%RH)の雰囲気において、熱板14の温度をヒトの体温に近い35℃に設定し、ヒトが就寝している際に放出する量と同等か又はそれに近い量の水蒸気を発生させるようにした。
【0060】
この試験では、上記温湿度センサー23の位置で、経過時間に対する、温度(℃)及び相対湿度(%RH)を測定した。この結果を
図2及び
図3に示す。
図2は、冬場環境(10℃)の結果を示すグラフであり、
図3は、夏場環境(30℃、80%RH)の結果を示すグラフである。
【0061】
冬場環境において、比較例2に係る網状繊維を用いたマットレスは、30℃を超えることがなく、寒く感じると考えられる。また、比較例2に係るマットレス及び比較例1に係るマットレスは、早い時期に湿度が100%に達しており、蒸れやすいと考えられる。
【0062】
また、夏場環境において、比較例2に係るマットレスは、早い時期に湿度が100%に達しており、蒸れやすいと考えられる。
【0063】
これに対し、実施例1に係るマットレスは、冬場環境と夏場環境との何れにおいても、最適な寝床内環境であると考えられている温度33℃及び湿度50%RHに近い寝床内環境を達成できていることがわかる。
【0064】
(吸放湿性の評価)
参考例3〜4、実施例
5〜6及び比較例1に係るポリウレタンフォーム並びに羊毛を、常態環境(温度20℃、湿度50%RH)と高湿度環境(温度40℃、湿度95%RH)との間を3時間毎に移行する繰り返し試験に供した。
【0065】
厚み50mmで250×250mmのサンプルを使用し、温度20℃、湿度50%RHの恒温恒湿槽で12時間放置後、初期の質量を測定する。その後同じ恒温恒湿槽で条件を温度40℃、湿度95%RH(高湿度環境)に設定する。設定してから1時間後、2時間後及び3時間後に恒温恒湿槽から取り出し質量を測定する。3時間経過した後に恒温恒湿槽の条件を温度20℃、湿度50%RH(常態環境)に変更する。条件変更してから1時間後、2時間後及び3時間後に恒温恒湿槽から取り出し質量を測定する。3時間経過後に恒温恒湿槽を再び高湿度環境に変更する。以上説明したのと同様な手順で、常態環境、高湿度環境、常態環境と環境をサイクルさせた際の測定を実施する。
【0066】
この結果を
図4に示す。
図4の結果から、比較例1に係るポリウレタンフォームと羊毛とは、吸放湿性に優れていないことがわかる。つまり、これらを使用したマットレスを寝具として使用した場合、寝床内が高湿度になり易い。
【0067】
一方、実施例
5〜6に係るポリウレタンフォームの結果は、高湿度環境において急速に吸湿し、常態環境において急速に放湿していることがわかる
。エチレンオキサイドの含有率が80質量%以上である実施例5及び6は、1時間以内に放湿可能な水蒸気の量が非常に多くなっており、顕著に優れた吸放湿性を達成していることがわかる。
【0068】
実施例に係るポリウレタンフォームをマットレスとして使用した場合は、寝返りの際や、このマットレスを折りたたむ際など、雰囲気が変化することで水蒸気が十分に放湿される。それ故、マットレス内での水蒸気の留まり、及び、この水蒸気の結露によって生じるカビの発生を十分に防止できると考えられる。
【0069】
(耐久性の評価)
参考例7〜10及び実施例
11〜14に係るポリウレタンフォームについて、定変位繰返し圧縮の厚み低下率と定荷重繰返し圧縮後の硬度低下率とをJIS K6400−2に則り試験した。この結果を
図5に示す。なお、表3に記載しているように、
参考例7〜10及び実施例
11〜14に係るポリウレタンフォームは、何れもコア密度が40kg/m
3である。
【0070】
NCOインデックスを変更することによりポリウレタンフォームの風合いや硬さなどを調整できることは公知であり、NCOインデックスを低下させるほど、耐久性が悪化すると考えられている。
【0071】
また、
参考例8〜10及び実施例
11〜14に係るポリウレタンフォームは、硬度低下率が13%以下である。即ち、これらポリウレタンフォームは、JISK6401に記載されている硬さ低下率のクラス分けにおいて、いずれもクラスXを有している。
【0072】
更に、厚み低下率は、NCOインデックスが変化してもほとんど影響がない。このことは、本発明の軟質ポリウレタンフォームが、寝具用途のみならず、自動車シート用途を含んだ他の多くの用途にも使用できる可能性があることを示している。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
ポリオール成分と、イソシアネート成分と、発泡剤とを含む原料を反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、
前記ポリオール成分は、エチレンオキサイドの含有率が70質量%以上であるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールと、エチレンオキサイドの含有率が70質量%未満であるポリエーテルポリオールとを含み、ポリオールの合計質量に対するエチレンオキサイドの割合が25質量%以上であり、
NCOインデックスが90以上であり、
前記軟質ポリウレタンフォームは、常態環境(温度20℃、湿度50%RH)と高湿度環境(温度40℃、湿度95%RH)との間を3時間毎に移行する繰り返し試験において、前記高湿度環境下で1.5mg/cm3以上の水分の吸湿があり、前記常態環境で前記吸湿した水分の80%以上を2時間以内に放湿する軟質ポリウレタンフォーム。
[2]
前記ポリオール成分は、前記エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールを75質量%以上含有している[1]に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
[3]
前記ポリオール成分は、ポリオールの合計質量に対するエチレンオキサイドの割合が50%以上である[1]又は[2]に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
[4]
NCOインデックスが110以上である[1]〜[3]の何れか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
[5]
定荷重繰返し圧縮による硬さ低下率がクラスV以上である[1]〜[4]の何れか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【解決手段】実施形態に係る軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分と、イソシアネート成分と、発泡剤とを含む原料を反応させてなり、ポリオール成分は、エチレンオキサイドの含有率が70質量%以上であるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体ポリエーテルポリオールと、エチレンオキサイドの含有率が70質量%未満であるポリエーテルポリオールとを含み、ポリオールの合計質量に対するエチレンオキサイドの割合が25質量%以上であり、NCOインデックスが90以上であり、常態環境(温度20℃、湿度50%RH)と高湿度環境(温度40℃、湿度95%RH)との間を3時間毎に移行する繰り返し試験において、高湿度環境下で1.5mg/cm