【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1に係る空気調和システムの各構成要素である空気調和機の室内機100、室外機200、及びリモコンの正面図である。
図1に示すように、空気調和機Aは、室内機100と、室外機200と、リモコンReを備えている。室内機100と室外機200とは冷媒配管(図示せず)で接続され、周知の冷媒サイクルによって、室内機100が設置されている室内を空調する。また、室内機100と室外機200とは、通信ケーブル(図示せず)を介して互いに情報を送受信するようになっている。室外機200は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風ファンと膨張機構を有する。
【0011】
リモコンReはユーザによって操作され、室内機100のリモコン送受信部Qに対して赤外線信号を送信する。当該信号の内容は、運転要求、設定温度の変更、タイマ、運転モードの変更、停止要求などの指令である。空気調和機Aは、これらの信号に基づいて、冷房モード、暖房モード、除湿モードなどの空調運転を行う。また、室内機100のリモコン送受信部Qから、室温情報、湿度情報、電気代情報などのデータをリモコンReへ送信する。また、室内機100の前面パネル106の左右方向中央の下部には、撮像手段110が設置されている。
【0012】
図2は、実施例1に係る空気調和機の室内機の側断面図である。筐体ベース101は、熱交換器102、送風ファン103、フィルタ108などの内部構造体を収容している。
【0013】
熱交換器102は複数本の伝熱管102aを有し、送風ファン103により室内機100内に取り込まれた空気を、伝熱管102aを通流する冷媒と熱交換させ、前記空気を加熱又は冷却するように構成されている。なお、伝熱管102aは、前記した冷媒配管(図示せず)に連通し、周知の冷媒サイクル(図示せず)の一部を構成している。
【0014】
左右風向板104は、室内機100のマイコン(図示せず)からの指示に従い、下部に設けた回動軸(図示せず)を支点にして左右風向板用モータ(図示せず)により回動される。
【0015】
上下風向板105は、室内機100マイコンからの指示に従い、両端部に設けた回動軸(図示せず)を支点にして上下風向板用モータ(図示せず)により回動される。
【0016】
前面パネル106は、室内機100の前面を覆うように設置されており、下端を軸として前面パネル用モータ(図示せず)により回動可能な構成となっている。ちなみに、前面パネル106を、下端に固定されるものとして構成してもよい。
【0017】
図2に示す送風ファン103が回転する事によって、空気吸込み口107及びフィルタ108を介して室内空気を取り込み、熱交換器102で熱交換された空気が吹出し風路109aに導かれる。さらに、吹出し風路109aに導かれた空気は、左右風向板104及び上下風向板105によって風向きを調整され、空気吹出し口109bから外部に送り出されて室内を空調する。
【0018】
なお、
図1、
図2に示す空気調和機100の構成は、あくまで本実施例に係る一例であり、あらゆる空気調和機の形態についても適用可能出る事は、言うまでもない。
【0019】
図3は、実施例1に係る空気調和機の制御手段130を含む構成を示すブロック図である。撮像手段110は、例えば、CMOSイメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)カメラ等、撮像が可能なカメラによって構成されており、前述の通り、前面パネル106の左右方向中央の下部に設置されている(
図1参照)。また、撮像手段110は、撮像手段110の取付位置から水平方向に対して所定角度だけ下方を向くように設置され、室内機100が設置されている室内を適切に撮像できるようになっている。一般に、壁掛け式や天井埋め込み式の空気調和機は、室内全体の空調を行えるよう室内全体が見渡せる、室内の高所に取り付けられる事から、室内の環境を検出するには非常に有利である。
【0020】
また、撮像手段110は、空調室内を連続的に撮像し、A/D変換器120にて画像データに変換し、制御手段130に出力する構成となっている。制御手段130は、画像データを在室者検出部132にて、各種画像処理を行う。ここでは一例として、人体検出部131、顔検出部132、個人検出部133を備える場合の構成を示している。また、室内の間取りを検出する132を備える場合の構成を示している。なお、詳細な処理の内容については後述する。
【0021】
また、このとき、環境検出手段111として撮像手段110および在室者検出部だけでなく、例えばサーモパイルによる温度センサや、照度センサ、またはフレネルレンズ及び赤外線センサを用いた活動量検出センサなど、各種センサを空気調和機本体に備える構成としても良い。
【0022】
制御手段130は、撮像手段110から入力される画像情報、リモコンReから入力される指令信号、及び各種センサから入力されるセンサ出力などに応じて、空気調和機Aの動作を統括制御する事により、よりきめの細かい運転制御が可能となる構成を実現できる。
【0023】
記憶手段140は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)など含んで構成される。そして、ROMに記憶されたプログラムが制御手段130の演算処理部141内のCPU(Central Processing Unit)によって読み出されてRAMに展開され、実行される。
【0024】
負荷150は、例えば、室内機100が備える室内ファンモータ(図示せず)、室外機200が備える圧縮機モータ(図示せず)、上下風向板105に設置される上下風向板用モータ(図示せず)、左右風向板104に設置される左右風向板用モータ(図示せず)を含んでいる。これらの負荷150は、制御手段130の駆動制御部136から入力される駆動信号に従って駆動する。
【0025】
また、在室者検出部139での在室者の位置情報などの検出データは、演算処理部141に送信される構成となっている。演算処理部141は、設定された空調運転の運転設定に加え、この検出データを用いて空調運転の補正を行う。なお、これら制御手段130での詳細な制御内容は後述する。なお、この在室者検出部139などにより画像処理によって得られる検出データは、空調運転の補正を行うのに用いるために抽出された在室者の位置や活動量等の情報のみであり、人が目視で映像として捉える事が可能な画像データは含んでいない。そのため、ソフトウェアを変更した場合であっても画像データが制御手段130の外へ取りだせない構成となっている。なお、詳細な制御の内容については、後述する。
【0026】
この制御手段130はネットワーク通信部137を備え、ネットワーク通信を用いてインターネット上のサーバやクラウドサービスへのアクセスおよび、これらを通して外部の情報端末との情報通信が可能な構成となっている。また、図示の通り家庭用の無線LAN等のローカルネットワーク通信を使用し、外部の情報端末と直接通信を行う構成としても良い。また、図に示す構成の通り、ネットワーク通信部137に無線通信手段138を備える事により、ネットワークへの接続は無線通信による構成とすることも可能である。
【0027】
図4は、実施例1に係る空気調和機を無線LANによるローカルネットワークへ接続し、ルータを介してインターネットへ接続して、サーバ及び外部の情報端末と情報通信を可能とした際の構成の例を示す図である。
図4に示す通り、外部の情報端末は、インターネット上のサーバを介して空気調和機と情報通信、または無線LANのルータを介して空気調和機の制御手段130と情報通信を行える構成としている。
【0028】
制御手段130については、撮像手段110によって得られる画像データを基に、各種の画像処理、例えば人の頭部、胸部、腕、足等の人の身体を検出する人体検出部131や、人の顔の位置を検出する顔検出部132、顔から個人を特定する個人検出部133等、空気調和機の仕様に合わせた種々の検出部を内包する在室者検出部を備える事により、各種の画像処理を行う。
【0029】
制御手段130にはインターネット等のネットワークへ接続し、情報通信を行うためのネットワーク通信部137を備える。ネットワーク通信部137は、主に一般家庭で使用される方式の通信装置、例えば有線式のLAN接続、または無線LAN接続によりインターネット用のモデムに接続され、インターネット接続できる構成となっている。
【0030】
ネットワーク通信部137は、所定のインターネット上のサーバもしくは所定のクラウドサービスへ接続する。この前記のインターネット上のサーバもしくは所定のクラウドサービスを経由し、一般的に使用される任意の、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PC、専用コントロール端末、集中コントロール端末等と、情報通信を行う。これにより、各種の運転指令信号を含む各種の情報を通信できる構成である事から、外部の情報端末から空気調和機への運転開始、運転停止を含む運転指令や、運転モードの変更など、各種設定を行える構成としても良い。またこのとき、例えばスマートフォンに音声認識ソフトを内蔵し、この音声指令によって空気調和機へ運転指示を行うなど、通信に使用する情報端末の仕様に応じた各種の操作が可能である。また、情報端末専用のアプリケーションソフトを支給し、運転制御の詳細な設定や節電に関する制御など、使用者が任意に空気調和機の制御を設定できる構成としても良い。また、空調室内の間取りや家具の配置などの室内情報などを、情報機器から入力してもらい、空気調和機でその情報を記憶し、これに応じて空気調和機の風向、風量制御などの運転制御や、在室者検出部での検出の補正を行う構成としても良い。
【0031】
また同様に、空気調和機の在室者検出部によって検出した各種情報や、空気調和機の運転情報、その他記憶手段によって保持している情報を、必要に応じて前記ネットワーク通信部137を介して所定のインターネット上のサーバもしくは所定のクラウドサービスへ送信する構成としても良い。このとき、前記の所定のインターネット上のサーバもしくは所定のクラウドサービスを介して前記の外部の情報端末へ情報を送信する構成とする。または、前述の通り、ローカルネットワークを介して通信を行う方式としても良い。
【0032】
上記の様に、空気調和機と外部の情報端末による情報通信を行う機能は多々あるが、本実施例にかかる空気調和機においては、在室者検出部の検出結果とを関連付けて記憶手段に記憶し、所定のパラメータに応じて運転制御に反映する事で、更にきめ細かい空調制御を可能としている。
【0033】
前述の様に外部の情報端末と空気調和機において行われる運転指令などの情報通信の内容及び当該情報端末の情報と、在室者検出部の検出結果を関連付けて記憶手段に記憶する。例えば、当該情報端末から運転指令があった際の在室者検出部の検出結果から、所定のパラメータを用いて在室者検出部の検出結果に特徴が見いだせる場合、以前に当該情報端末で室内での活動範囲、在室位置や以前の運転内容などの情報を読み出す事で、室内の優先的に空調が必要な範囲などを予測する事も可能で、これにより、情報端末からの運転指令の送信後、即座に在室者にあった快適な空調を提供できる。
【0034】
具体例としては、外室先から帰宅前にスマートフォンによって予め空調運転を開始しておく場合を示す。例として、スーパーからの買い物帰りにこの機能を使用する人の場合を示すと、空気調和機は停止状態からネットワーク通信部137から運転情報を受信する事になる。在室者検出部においてはスマートフォンから空気調和機への通信後、情報端末の使用者が帰宅するまでしばらくの間在室者が検出されず、情報端末の使用者が帰宅して食材を冷蔵庫に格納し、又、調理を行うため、冷蔵庫のある方向に居る事が検出される。これらの運転情報、在室者検出部の検出結果を記憶しておく事で、空気調和機の停止状態から当該情報端末から運転指令が送信された場合、空気調和機は記憶手段から当該情報端末に関連付けられて保存されているこれらの情報を読み出し、以前に同様の条件にて在室が頻繁に検出されたエリアを重点的に空調する制御を行う。これにより、操作者が同様に帰宅した際、帰宅直後に使用している事が多い台所付近の空調の快適性を上げて置く事ができる。
【0035】
この例に示す以外にも、外部の情報端末の情報及び、運転情報、在室者検出部の検出結果を任意のパラメータに従って記憶手段に記憶しておく事により、種々の快適制御を提供する事が可能な構成である。別の例は後述する。
【0036】
一方、上記の様に多くの情報を空気調和機内のマイクロコンピュータによって処理しきれない場合、検出結果をインターネット上のサーバにアップロードし、サーバ上で所定のパラメータによって処理を行い、当該空気調和機へその結果のみを送信する方式としても良い。この場合、本実施例に掛る空気調和機においては画像情報を画像情報として外部に送信しない構成となっているため、このような構成とした場合であっても使用者のプライバシーを確保する事が可能である。
【0037】
また、本実施例に係る空気調和機に於いては、撮像手段110を備えてはいるものの、取得された画像情報から検出した人の在室情報等の情報を空調運転制御に反映させるのが目的であるため、撮像手段110で取得される画像情報自体を検出結果として運用しない。そのため、ハードウェアの構成的に画像データをネットワークに接続される構成であるものの、コンピュータウィルスの送信、ハッキングなどされた場合であっても、構造的に画像データを取りだす術がないため、画像情報などが不正に取り出され悪用される恐れがない。前記の制御手段130では、在室者検出部での検出結果のみを前記のネットワーク通信部137に送信する構成とし、構成上画像情報を画像として取り出せない構成としても良い。このとき、外部の情報端末で画像情報を直接見る事が出来なくなるのみで、それ以外の検出や制御については同様の効果を得る事が出来るのは言うまでもない。
【0038】
また、無線LANのルータを介し、ローカルネットワークを通じてインターネットへ接続される場合、同じローカルネットワークに前記任意の携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PC、専用コントローラなどの端末を検出、接続可能な構成とする事で、更に機能を拡充できる。
【0039】
図5は実施例1に係る在室者検出部139での検出結果の一例を示す図である。この例では、室内のエッジを検出して空調室内の間取りを検出する制御を併用している場合の例である。撮像手段110によって検出された画像情報から、在室者の位置および、空調室内の部屋の形を検出し、在室情報として取りだす。在室者の位置の推定や、室内機100からの距離の検出は、撮像手段110の画角や取付位置に応じてパラメータを任意に設定し、これに従って画像処理を行う事で、在室者の位置を座標データとして検出する。
【0040】
在室者検出部139による在室者の検出結果を開示する際は、在室者検出部139によって検出された在室者の検出結果を、
図5の在室者検出結果(撮像方向)に示す様に撮像手段110での撮像結果に従う形、又、
図5の在室者検出結果(室内上面図)に示す様に室内上面方向から見た在室者の位置を示す形で可視化して開示することができる。
【0041】
なお、人体を検出する際、人の身体のシルエットを基に人体を検出する方法においては、人の身体の形に類似したものを人の身体として誤検出してしまう場合も考えられる。このとき、例えば顔検出や個人検出、または人の顔のパーツや肌等から性別や年齢を推測する制御等、その他の画像検出を併用する事により、誤検出を回避してより正確な検出が可能となる。また、人の身体を連続的に検出する事により、人の動きを検出する事が可能である。これにより、例えば個人検出を行う制御を追加している場合などにおいて、個人検出によって検出された結果と画像情報上で近接して検出された身体を関連づけておく事により、在室者が空気調和機へ背中を向けて顔が見えなくなってしまった場合であっても、連続して検出された在室者の身体の位置から、個人を推定する事が可能となる。
【0042】
また、身体検出及び顔検出の検出結果を組み合わせる事により、多くの情報を得る事が可能な構成を実現できる。例えば、撮像手段110によって取得された画像情報の中にある身体の大きさ及び顔の大きさから、空気調和機から検出された在室者までの距離を推測する事も可能である。例えば、空気調和機の近くの在室者の顔または身体は大きく写り、空気調和機からより離れている在室者の顔または身体は小さく写るといった具合である。
これを検出し、さらに身体の位置情報と関連づける事により、精度良く在室者の位置を検出する事が可能となる。
【0043】
別の例としては、一般に体の大きさは子供から大人で大きく異なるのに対し、人の顔の大きさについては身体の大きさの割合に対して大きさの差がない。そのため、検出された在室者の身体の大きさと検出された顔の大きさから、誤って身体の小さい子供は撮像手段110においても小さく写るため、室内の遠くにいると誤検出する事も回避可能なだけでなく、空気調和機からの距離及び年齢を推測する事が可能である。
【0044】
制御手段130では、空調室内の在室者の位置だけでなく、その経時変化を捉えることで活動量を検出する事が可能である。これを空調運転に反映することで、より空調室内の快適性を高める事が可能である。これは、空調室内の在室者の活動量の検出結果から所定のパラメータに応じて、室内の人の活動量に応じた体感温度を算出し、これを空調運転設定に反映させることで実現される。
【0045】
また、室内のポスターに描かれている人体や、テレビに映る人、人の形に類似した家具など、空調室内の条件によっては、人体と誤検出してしまう可能性のある物体が存在している可能性もある。これについては、制御手段130において、検出された人体の経時変化を抽出する制御を行う事で、リダクション可能である。これは、ポスターや家具などについては、長時間動きがないため、所定の時間、期間、検出され続けた人体については、実際の人体ではなく誤検出であるとして検出結果から除外することにより実現される。また、テレビ等については、テレビ画面は数秒ごとに切り替わるため、例え人が写っているタイミングで誤検出しても、画面が切り替わる度に検出結果が変わるため、これをリダクションすることが可能である。また、個人を検出可能な方式であった場合、TV画面上では検出される人が変わるため、誤検出のリダクションはより容易となる。
【0046】
また、制御手段130では、在室者の有無の確定は所定の時間内に、所定の回数以上人体が検出された場合に、当該個所に在室者が居る事を確定する方式としてもよい。これにより、空調室内を人が通り過ぎるだけの人と室内に在室している人を、容易に区別する事が可能である。例えば、制御手段130にて空調室内の在室者を確定するのに、当該個所での10秒間の画像検出手段での検出結果が80%以上であった場合、当該個所に在室者が居ると確定する方式の場合、部屋の中を移動して通り過ぎるだけの人は在室者として検出されないため、空調運転に誤差が発生しない。
【0047】
また、個人検出部133を使用し、在室者の個人を特定して空調制御を行う仕様である場合、予め個人を登録する方式としても良いし、検出した在室者を自動で登録しておく方式としても良い。または、所定の期間内に検出回数が所定の回数を超えた場合、その個人と空調運転の内容等を関連付けて保管しておく方式とする事で、その家の居住者およびその空調運転の傾向を、自動で登録する事が可能である。
【0048】
この場合、在室者の顔検出を行い、検出された個人と予め登録された個人およびその空調運転に関する情報を読み出し、空調運転の設定を補正する事により、より快適な空調運転を提供可能である。
【0049】
これら各種画像処理の方法は、本実施例を適用する空気調和機の一例であり、空気調和機の仕様に応じて、適当な検出方法を設定した場合であっても同様の効果を得る事ができることは言うまでもない。
【0050】
また、これら人の身体を検出する方式の他に、撮像手段110によって得られる画像データからエッジを検出し、空調室内の形状や広さ等の間取りを検出する制御を、追加しても良い。
【0051】
更に制御手段130は、前記の各種画像処理結果から、人の時間ごとの移動量を算出する移動量算出部134と、その算出結果を用いて所定のパラメータで活動量を算出する活動量算出部135を備える事で、この各算出結果から人の活動量を生活シーンの判定、個人の特定などを抽出し、空気調和機の運転制御に反映する。なお、画像処理の種類については一例であり、各空気調和機の仕様に合わせ、任意に各種画像検出を設定すれば良い。
また、この検出結果は、空気調和機の仕様に合わせて検出対象やそれによる運転モードへの反映度などのパラメータを設定すれば良い。
【0052】
なお、これら画像データから各種画像処理により人体を検出する方式は、適用する空気調和機の仕様に合わせて変更してもよい。例えば、室内の中央に取り付けられる事の多い天井埋め込み式の空気調和機の場合、撮像手段110は在室者を真上から捉えることとなるため、顔の検出及び、肩および頭部の輪郭の検出が行えないため、人を真上方向から撮像可能なソフトウェアを使用することで、効果を得る事が可能である。
【0053】
本実施例に掛る空気調和機には、撮像手段110と在室者検出部139を備える。在室者検出部139における検出結果を運転設定に応じた所定のプログラムによって集計し、その結果をネットワークを通じて、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PC等の端末へ送信する事で、当該所定のプログラムの仕様ごとに多種多様な機能を提供する事が可能である。
【0054】
例えば、外出先で前記在室者検出部の検出結果をスマートフォン等の情報端末で受信する事で、家族の帰宅や在室人数等を確認する事も可能である。
【0055】
また、在室者の体格、性別、年齢を推定する制御や、個人を検出する個人検出部133などの制御を追加している場合、更にその精度は高まり、より正確な情報を提供できる。
【0056】
一方、空気調和機と外部の情報端末がネットワークを通じて通信可能である場合、任意の外部情報端末を使用して通常のリモコンでは設定できない詳細な運転制御の追加を行う事も可能な構成である。例えば、運転モードの詳細な設定や、間取り等の空調制御に関わる情報、運転のタイマ制御や、前記在室者検出部で個人検出を行う場合は、使用者ごとの情報登録などである。
【0057】
インターネットなどのネットワークを介して各種の情報通信を行える事から、空調室内に不在時に室内の状況を確認する事ができる。例えば、外出先から留守番をしている子供の様子を確認する事や、旅行先から室内の情報を確認し、空き巣等の不審者が室内に入ってきていない事を確認する事、体の弱いご老人などの生活状況を親族やホームヘルパーなどが外部から確認を行う等、多種多様な応用が可能で、種々のニーズに応える事が可能である。
【0058】
また、このように外部の情報端末へ送信する情報についても、空気調和機の運転状況、制御手段130によって検出された室内での在室者の活動量、在室者の個人検出の検出結果、撮像手段110で取得される室内照度等の情報など、前記の情報端末ごとに、任意に受信可能な在室者検出部139の検出結果や制御手段130での空気調和機の運転制御の情報を、使用者が予め設定しておける構成とする事で、ネットワークへ接続されている場合であっても、必要以上に情報を流出してしまう事が無いよう配慮し、十分に使用者のプライバシーを確保する事ができる。
【0059】
なお、通知の内容や通知を行う検出モードなどについては、空気調和機の仕様に合わせて設定、または空気調和機の使用者が任意に設定できる構成とする事で、不要な通知を防ぎ、使用者に煩わしさを与える事はない。
【0060】
また、本実施例に係る空気調和機に於いては、併せて空調室内の気温や湿度等、空気調和機本体で取得される他の情報を付加しても良い。また、熱中症予防等の観点から、所定の気温や湿度を超えた際、予め設定しておいた端末へこの旨を通知する構成としてもよい。この構成を利用して、高齢者の熱中症予防等をその家族等、外から確認する事が可能な構成を実現する事ができる。更に、環境検出手段として、サーモパイル等を用いた温度センサを利用している場合、これを利用し、炎等の高温を検出した場合に報知する制御や、空気の汚れ度合いを検出するガスセンサ等搭載する場合であれば、これにより所定の値以上の空気の汚れを煙として検出する制御を行う事により、ボヤを検出するなど、搭載する各種センサの出力を利用する事が可能である。
【0061】
空調運転実施の有無に関わらず、所定の運転モードが設定されたとき、撮像手段110を含む在室者検出部139の結果を用いて、在室者が検出された場合に、予め設定された携帯電話等の情報端末へ、空調制御用のアプリケーションソフトまたは電子メールにて通知を行う事で、不在時の侵入者の検出が可能である。
【0062】
具体的には、本実施例に係る空気調和機の室内機100は、被空調室内を撮像する撮像手段110と、撮像手段110により撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときに外部の情報端末へ通知する外部通知モードと、外部通知モードを選択することができる通知モード設定部160を有する制御手段130とを備える。本実施例によれば、空気調和機の室内機100が設置された被空調室内を監視する際に、変化があったときに外部の情報端末へ通知される。そのため、常に被空調室内を監視し続ける必要がなく、監視負担を軽減することができる。
【0063】
なお、撮像手段110により撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときに外部の情報端末へ通知しない非通知モードを備え、通知モード設定部160で非通知モードを選択することができるようにしてもよい。
【0064】
ここで、撮像手段110により撮像された画像から検出される在室者の状態が変化したときとは、在室者数の増減、在室者の活動量の変化などが挙げられる。特に、本実施例では、撮像手段110により撮像された画像から在室者を検出する在室者検出部139を有する制御手段130を備え、通知モード設定部160で外部通知モードが選択されている場合であって、在室者検出部139による検出される在室者の数が変化したときに、外部の情報端末へ通知する。
【0065】
本実施例によれば、家族が不在時に侵入者が室内に侵入してきた場合、在室者の数が増えるため、外部の情報端末へ通知することができる。また、例えば、大人が外出し、子供だけが在室している時に侵入者が室内に侵入してきた場合も、在室者の数が増えるため、外部の情報端末へ通知することができる。
【0066】
通常の運転モード(空気調和機の運転中)であれば、制御手段130で人の在室を確定するのに、20秒間(第1の設定時間)での在室者検出部139での当該個所での検出結果が80%以上であった場合に、当該個所への在室者の存在を確定する方式である場合、侵入者が室内を移動している場合、室内に人が居る事を検出できない。不在時に侵入者の有無の確認を行う場合は、室内での人の在室位置ではなく、在室者の有無を優先して検出すればよいので、この制御手段130での在室者の確定時間を、例えば1秒(第2の設定時間)とすることにより、人の室内への侵入をリニアに検出する事が可能となる。
【0067】
すなわち、本実施例に係る空気調和機の室内機100は、在室者検出部139は、空気調和機の運転中は第1の設定時間において設定割合以上在室者を検知したときに在室者の在室を確定し、通知モード設定部160で外部通知モードが選択されているときは第1の設定時間より短い第2の設定時間において設定割合以上在室者を検知したときに在室者の在室を確定する。このように、同一の在室者検出部139の検出結果から、検出対象に合わせて制御手段130での制御方法を変更する制御を行う事で、より高精度に検出を行う事が可能となる。
【0068】
また、撮像手段110により、室内のエッジの検出を行い、空調室内の間取りや広さを推測する機能が付加されている場合、部屋の出入り口を検出する事が可能であるため、この侵入者の検出モードが設定された場合、この部屋の出入り口の方向にカメラを向けて置く制御を行う事により、侵入者の検出精度を向上させる事が可能である。
【0069】
また、室内が暗く、撮像手段110により画像が検出できず、人を検出できない場合も考えられる。このとき、在室者検出部139の一部として、フレネルレンズおよび赤外線センサを用いた人の活動量検出センサが搭載されている場合、撮像手段110によって撮像が行えなかった場合であっても、同様の効果を得る事が可能である。また、ホームオートメーションシステムを始めとする、各家電製品のネットワーク通信が可能である場合、当該人の活動量算出部135によって、人の活動が検出された場合、室内の照明を点灯させることで、撮像手段110で空調室内の在室者を確認する方式としてもよい。
【0070】
また、この侵入者の検出の通知は、単純に使用者へ侵入者が検出された事を通知するだけでなく、検出された侵入者が部屋のどの位置に居るのか等の情報を併せて通知しても良い。
【0071】
一方、この不在時の侵入者の検出モードが設定されている場合に、他の同居人が帰宅した場合、侵入者同様に検出、通知されてしまう。この時、他の同居人の情報端末上から侵入者の検出モードを解除しても良いし、撮像手段110で取得された画像から、個人を検出する方式の場合、同居人を検出したことを外出中の使用者へ通知し、外出中の使用者から侵入者の検出モードを解除する方式としても良く、本実施例を適用する空気調和機の仕様にあわせて設定すればよい。
【0072】
図6は、実施例1に係る在室者検出部139の検出結果を応用した制御の一例のフローチャートである。
図6の例に於いては、この見守り機能が設定された際、在室者が部屋を出て外出するまでの時間を5分以下として、安定時間を設け、5分経過後在室者検出部139による検出動作を開始する。すなわち、本実施例に係る空気調和機の室内機100は、通知モード設定部160で外部通知モードが選択された時から安定時間経過後に在室者検出部139の動作を開始する。言い換えると、通知モード設定部160で外部通知モードが選択された時から安定時間経過前に在室者検出部139で検出される在室者の数が変化した場合は外部の情報端末に通知せず、安定時間経過後に在室者検出部139で検出される在室者の数が変化した場合は外部の情報端末に通知する。なお、外部通知モードが選択された時から安定時間経過時における在室者の数、在室者の活動量を基準としている。
【0073】
制御手段130にて、記憶手段140から外出時の見守り機能のプログラムを読み出して実行する。この例では、在室者検出部139の検出結果が、3秒間での身体の検出回数が70%以上である場合を、不在時の室内への侵入者の判定基準としている。これを判定した場合、在室者検出部139の個人検出部133で検出された結果が、予め登録されている居住者の情報と一致するか、記憶手段140から当該データを読み込み、比較を行う。比較の結果、居住者でなかった場合は、制御手段130は、外部の情報端末へ、室内の在室者が検出された位置、例えば「室内右方向」「手前位置」などの情報を、数値または文章にて画像データを用いずに通知すると共に、「登録された居住者以外の人が在室している可能性があります。」と通知を行い、室内に侵入者がいる可能性を通知し、プログラムを終了する。また、検出された在室者が記憶手段140に登録されている居住者である事が検出された場合、制御手段130は、外部の情報端末へ、室内の在室者が検出された位置、例えば「室内右方向」「手前位置」などの情報を、数値または文章にて画像データを用いずに通知すると共に、「居住者が帰宅した可能性があります。見守り設定を解除します」と通知を行い、見守り機能のプログラムを終了する。
【0074】
なお、画像認識ソフトに個人を検出する機能を備え、撮像手段110によって検出された画像から個人を特定可能な方式で有る場合、不在時に検出された人が予め登録されている人かどうかを検出し、情報端末へ送信することにより、他の家族等の同居人と侵入者を区別する事が可能であり、より精度の高い侵入者検出機能を提供できる。
【0075】
このとき、より空調室内への侵入者を検出するため、リモートコントローラまたは情報端末上から、所定の侵入者検出モードを設定しておく。このとき、空気調和機の運転制御手段130では、空調運転に用いていた在室者検出部139の検出結果を用いて、運転モード設定中の在室者の検出を行うが、このとき、在室者の検出プログラムを変更しても良い。
【0076】
なお、
図6の例では侵入者の検出に身体検出部および顔検出部132、個人検出部133を備える在室者検出部139のみで侵入者の検出を行い、個人検出部133での検出結果を併せて通知する方式としているが、実際には空気調和機の仕様に合わせて制御内容を設定すればよい。
【0077】
空気調和機から情報を外部の情報端末へ送信する場合、外部の情報端末から空気調和機へ要求信号が送信され、空気調和機はこの信号を受信した際に制御手段130に保持している各種情報をネットワーク経由で送信する方法と、撮像手段110を備える在室者検出部139または制御手段130において、所定の条件を検出した場合に前記外部の情報端末へ自動で情報を送信する方式があるが、これらは各検出対象に合わせて情報を送信するよう設定すればよい。
【0078】
例えば、不在時の侵入者の有無の検出を行う場合、空気調和機の制御手段130において空調室内に侵入者が検出された場合などにおいては、即座に外部の情報端末へこの旨を送信する方式とした方がよい。また、子供などの見守り機能については、室内での活動をまとめたデータを一定時間置きに送信、また、新たな在室者が検出された場合は即座にその旨を外部の情報端末へ送信する方式とすればよく、検出対象および仕様に合わせて情報通信のタイミングを補正すれば良い。または、使用者が詳細に通知条件などを設定できるようにしても良い。
【0079】
また、一般家庭用ではなく、ビル用の空調等に用いられる天井埋め込み式の空気調和機等に於いても同様である。特に、この場合はインターネットを経由せず、ローカルネットワークによって管理室等と接続し、管理室の集中コントローラからの要求信号に応じて、要求された情報を管理室の集中コントローラへ送信する方式としても良い。
【0080】
また、空調室内の在室者側から、所定のリモコン操作などにより、所定の検出結果を予め設定された外部の情報端末へ送信する方式としても良い。
【0081】
本実施例に掛る空気調和機においては、前記のとおり撮像手段110と在室者検出部を備える。前記在室者検出部における検出結果及び、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PCや専用コントローラなどの外部の情報端末が独自の機能より取得した情報を、前記の空気調和機と前記の外部の情報端末間で情報通信を行い、または無線LANのルータ等のローカルネットワーク上への外部の情報端末の検出、またはローカルネットワークの接続が切れた事を検出した結果を、空気調和機の運転制御へ反映する事で、顧客の様々なニーズに対応する事が可能である。または、無線LAN等のローカルネットワーク上への外部の情報端末の検出、またはローカルネットワークの接続が切れた事を検出しても良い。
【0082】
例えば現在、携帯電話やスマートフォン、タブレットPC等の情報端末では、GPS機能等により、前記の情報端末の位置を特定できるものが一般的になっている。そのため、この情報を利用する事により、より利便性の高い空調制御を実現できる。
【0083】
一例としては、前記の空気調和機が設置された部屋に在室時に、情報端末のGPSデータを使用して、空気調和機の位置情報をインターネットのサーバ上に保存する。これにより、その在室者が空気調和機を停止せずに前記の情報端末を持って外出した際、前記の情報端末のGPSデータを自動でインターネットのサーバまたはクラウドサービスへ送信し、予め登録された空気調和機との距離を算出する。その距離が所定の距離を超えた場合、空気調和機停止の有無を確認する通知をサーバまたはクラウドサービスから前記の情報端末へ送信し、前記の情報端末での操作に応じてインターネット上のサーバまたはクラウドサービスから空気調和機の運転継続、運転停止、運転モードの変更信号を送信する。これにより、外出時の空気調和機の停止忘れなどを防止する制御が実現できる。
【0084】
または、在室者が空気調和機を停止せずに前記外部の情報端末を持って外出した際、GPSデータによって前記の情報端末と空気調和機の距離が所定の値を超えている場合、前記の在室者検出部によって所定の時間在室者が検出されない場合、空調運転を弱める制御、または空調運転を停止する制御を追加しても良い。また、在室者が所定時間検出されない場合、空調制御の変更の是非を前記情報端末へ確認の通知をする方式としても良い。もしくは、GPSの距離データではなく、単にローカルネットワーク上から前記の外部の情報端末が消えた事を検出した際、前記の外部の情報端末が空気調和機から所定の距離異常離れたと判断し、上記のような通知、または空調運転の変更や停止を行っても同様の効果を得る事ができる。
【0085】
また、複数台の前記外部の情報端末を登録し、空気調和機に接続できる構成とした場合、更に制御の精度を向上させる事が可能である。
【0086】
例えば一家全員分の携帯電話及びスマートフォンなどの情報端末を前記空気調和機にインターネットで接続する構成の場合、前記全ての携帯電話及びスマートフォンなどの情報端末が、登録された前記空気調和機の位置から所定の距離以上離れた場合、空気調和機の運転を停止するなど、複数の情報端末に接続する場合においては、より実情に適った制御が実現できる。
【0087】
また、前記の情報端末と前記空気調和機までの距離が所定の距離以内になった事を検出した場合、インターネット上のサーバまたはクラウドサービスから前記空気調和機へ運転信号を送信し、所定の空調運転、または予め設定された空調運転を開始する構成とする事で、帰宅を見据えて予め運転開始させる制御を実現できる。または、無線LANのルータ等の家庭用のローカルネットワーク上に外部の情報端末を検出した場合、所定の通知または運転を行う構成としても良い。
【0088】
なお、前記の空気調和機の位置情報の登録は、前記外部の情報端末によって入力を行う方式としても良いし、サービスマンが空気調和機の設置作業時に前記サーバに登録する方式としても良く、空気調和機の仕様に合わせて実施すれば良い。
【0089】
上記の様に、ネットワーク通信を利用して、種々の通知や設定が行える事から、各種の利便性の高い空調制御を実現できる。なお、上記に示した制御は一例であり、空気調和機の性能や用途、設計に合わせた制御を任意に設定した場合であっても、同様の効果が得られる事は言うまでもない。
【0090】
また、前記の無線LANのルータ等の接続によるローカルネットワークや、インターネットなどのネットワークを介し、複数の前記外部の情報端末に接続し、情報通信を行う方式とした場合、さらに機能を拡張し、利便性の高い空気調和機を提供することができる。
これは、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PCや専用コントローラなどの外部の情報端末が、前記の空気調和機が接続されている前記のローカルネットワークに接続された事を検出、またはローカルネットワークから切断されたことを検出し、前記のローカルネットワークまたはインターネットを介して情報通信を行う事により実現される。
【0091】
例えば、室内機100に接続可能な外部の情報端末A、外部の情報端末B、外部の情報端末Cがあった場合を仮定する。この3つの外部の情報端末は、前述のインターネット上のサーバまたはクラウドサービスを介して室内機100との情報通信を行う事ができる構成である。例えば、情報端末Aから空気調和機の運転開始のタイマ予約が設定された場合、前記のインターネット上のサーバまたはクラウドサービスから、外部の情報端末Bと外部の情報端末Cへ、外部の情報端末Aから運転開始のタイマ予約が設定された事を通知する。例えば、外出先から空気調和機のタイマを設定する場合、通常は帰宅時間に合わせて設定を行うため、外部の情報端末B、外部の情報端末Cの使用者は、外部の情報端末Aの使用者の帰宅時間を予測する事が容易になる。
【0092】
また、前述の通りローカルネットワークによって空気調和機と外部の情報端末が通信可能な構成としている場合、さらにオートマチックに空調制御を行う構成を実現できる。
【0093】
例えば、各情報端末に専用のアプリケーションを使用し、各外部の情報端末の使用者ごとに任意の空調制御を入力しておく。これにより、空気調和機が運転開始した際にローカルネットワークに外部の情報端末Bのみが接続されている事が検出されたとする。このとき、室内機100は、この外部の情報端末Bに記憶された任意の空調制御に基づき、運転を開始する。また、外部の情報端末Cのみがローカルネットワークに検出された場合、同様に外部の情報端末Cに記憶された任意の空調制御に基づき、空気調和機の運転を行う。
【0094】
また、この制御を行った場合で、前記のローカルネットワークに複数の情報端末が接続されている場合、室内の空調制御をよりきめの細かい制御を行う事ができる。
【0095】
例えば、外部の情報端末Aでは冷房時に室内機100から送風される風を体に直接当てる制御を行うよう登録されおり、外部の情報端末Bでは冷房時は室内機100から送風される風が直接体に当たらないよう送風する制御を行うように登録されていたとする。空気調和機を所定のモードで冷房運転を行った際、ローカルネットワークに外部の情報端末Aと外部の情報端末Bが検出されたとする。
【0096】
このとき、制御手段130は、在室者検出部によって予め登録された外部の情報端末Aの使用者と外部の情報端末Bの使用者が室内のどの位置にいるかを検出する。例えば、情報端末Aの使用者が空気調和機の正面におり、情報端末Bの使用者が空気調和機向かって右側に居たとする。このとき、制御手段130は、室内機100からの送風を、情報端末Bの使用者へ直接あたるように送風運転を行う。
【0097】
また、送風をスイングする場合、空気調和機正面は外部の情報端末Aの使用者に直接当たらないよう、在室者の上方へ向けて送風し、風向が室内機100向かって右側の外部の情報端末Bの使用者の居る方向へ向ける場合は外部の情報端末Bの使用者に直接送風が当たるように風向制御を行う制御を行う事により、在室者に合わせた空調制御を実現する事ができる。なお、室内機100からの送風の方向の変更は、上下風向板105、左右風向板104によって行われるが、実際には風向を変更する手段であればどのような形態であっても、同様の効果を得る事ができるのは言うまでもない。
【0098】
また、情報端末を使用して個人ごとの空調制御を入力する方法や、個人検出部133での在室者の個人検出を行うにあたり、事前に外部の情報端末を使用して個人の顔の情報を登録する方法を開示したが、更にこのローカルネットワークへ接続されている情報端末を複数検出する事で、個人の運転制御の登録や個人の顔の情報の登録をオートマチックに行う構成も実現できる。制御手段130では、ローカルネットワークに接続されている外部の情報端末が1台だけであり、かつ室内の在室者が一人であった場合、そのとき在室者検出部の人体検出部131、顔検出部132、個人検出部133によって検出される特徴などの情報及び、このときの空気調和機の運転設定を、このときローカルネットワークに接続されている外部の情報端末に関連付けて、記憶手段140またはインターネット上のサーバまたはクラウドサービス上に保管する。複数回にわたるこれらの情報から、所定のパラメータを使用して空調運転の好みに関する情報や、個人検出を行う際に必要になる個人の顔の特徴に関する情報を生成し、以降の空調運転に反映する事で、個人に合わせたきめの細かい空調を、情報入力という手間を省き、オートマチックに実現する事ができる。
【0099】
なお、上記に本実施例に掛る空気調和機の一例を示したが、各外部の情報端末に入力された各外部の情報端末の所有者ごとの空調設定や個人検出に関する情報などは、前記のローカルネットワークを通して空気調和機へ直接送信する構成としても良いし、インターネットを介して空気調和機へ送信する構成、または、インターネット上のサーバやクラウドサービスへ送信し、サーバ上で情報を集約し、空気調和機へ送信する構成としても良く、空気調和機の仕様ごとに任意に設定すればよい。