特許第6069478号(P6069478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069478
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】加熱炉の貫通部シール装置
(51)【国際特許分類】
   F27D 1/00 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   F27D1/00 U
   F27D1/00 R
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-248952(P2015-248952)
(22)【出願日】2015年12月21日
(62)【分割の表示】特願2013-264215(P2013-264215)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2016-65713(P2016-65713A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000244084
【氏名又は名称】明星工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 広喜
(72)【発明者】
【氏名】辻 孝史
【審査官】 佐藤 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−041411(JP,A)
【文献】 実開昭56−163878(JP,U)
【文献】 特開昭53−059102(JP,A)
【文献】 特開昭55−069392(JP,A)
【文献】 実開平02−077402(JP,U)
【文献】 特開昭56−099292(JP,A)
【文献】 特開2008−039294(JP,A)
【文献】 特開2007−024830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 1/00− 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面にキャスタブル耐火材による耐熱層を敷設してある金属筐体の内部に加熱空間を形成するとともに、その加熱空間に設けた反応管の複数本を、前記金属筐体の天井部に形成した個別貫通孔に夫々挿通させた加熱炉で、
前記個別貫通孔と前記反応管との間を覆うために、前記反応管に巻き付け自在で、且つ、上下伸縮自在な耐熱性布から成る貫通部シール部材を設け、
前記反応管に巻き付けた状態の前記貫通部シール部材の上端部に前記反応管に対する第1固定部を設けると共に、下端部に前記金属筐体に対する第2固定部を設け、
その貫通部シール部材を前記反応管に巻き付けた状態で周方向から緊縛可能なヒモを、前記貫通部シール部材の上下中間部で上下複数個所に設けてある加熱炉の貫通部シール装置。
【請求項2】
前記第1固定部は、前記反応管に対する巻き付け方向の複数個所に第1切れ込み部を設けて、前記反応管に巻き付けた状態で固定可能に形成してある請求項1に記載の加熱炉の貫通部シール装置。
【請求項3】
前記貫通部シール部材の上端部を、前記反応管に巻き付けた状態で、その外側から更に巻き付けて前記反応管に固定するステンレス製のバンドを設けてある請求項2に記載の加熱炉の貫通部シール装置。
【請求項4】
前記第2固定部は、前記反応管に対する巻き付け方向の複数個所に第2切れ込み部を設けて、前記貫通部シール部材を前記反応管に巻き付けた状態で前記金属筐体側に接当させて固定可能に形成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱炉の貫通部シール装置。
【請求項5】
前記個別貫通孔に連通させて上方に延出する金属筒部の上端部に付設したフランジ部に対し、前記第2固定部を挟持するC型リング状のステンレス製押さえ板を設け、
前記フランジ部と前記ステンレス製押さえ板とで前記第2固定部を挟持した状態で固定するボルト・ナットを設けてある請求項4に記載の加熱炉の貫通部シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉の貫通部シール装置についての発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱炉は、図5に示すように、その貫通部5において、複数本の反応管3を同時に挿通させる貫通孔を耐熱層に形成し、その貫通孔と複数の反応管3との隙間は、耐熱性布からなる貫通部シール部材9で上方から覆われていて、貫通部シール部材9の上端部を複数本の反応管3にシールバンドなどで固定しているだけであった(周知技術で適切な公報が見当たらない)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の加熱炉においては、運転時にその加熱空間において加熱される複数の反応管3が、熱膨張によって夫々別々に上方に伸び上がり、それらのバラバラの挙動によりシールバンドで固定されている貫通部シール部材9の上端部と反応管3との間に隙間が生じて、加熱空間内の高温ガスが炉外に漏れることがある。
上記の問題を解消するために、前記反応管3を夫々個別に挿通させる個別貫通孔を、耐熱層に形成すると共に、個別貫通孔の内側と反応管3との間にセラミックロープなどの耐火断熱材を充填することが考えられている。
しかし、加熱炉における加熱空間の熱変化に基づく反応管3の上下伸縮挙動により、前記耐火断熱材が下方に脱落し、貫通部シール部材と反応管との間から高温ガスが漏れることがある。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、貫通部シール部材と反応管との間からの高温ガスの漏れを防止できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の加熱炉の貫通部シール装置の特徴構成は、内面にキャスタブル耐火材による耐熱層を敷設してある金属筐体の内部に加熱空間を形成するとともに、その加熱空間に設けた反応管の複数本を、前記金属筐体の天井部に形成した個別貫通孔に夫々挿通させた加熱炉で、前記個別貫通孔と前記反応管との間を覆うために、前記反応管に巻き付け自在で、且つ、上下伸縮自在な耐熱性布から成る貫通部シール部材を設け、前記反応管に巻き付けた状態の前記貫通部シール部材の上端部に前記反応管に対する第1固定部を設けると共に、下端部に前記金属筐体に対する第2固定部を設け、その貫通部シール部材を前記反応管に巻き付けた状態で周方向から緊縛可能なヒモを、前記貫通部シール部材の上下中間部で上下複数個所に設けたところにある。
【0006】
本発明の第1の特徴構成によれば、耐熱性布で形成された貫通部シール部材が、反応管の全周に巻き付けられ、その上端部を、反応管に上下伸縮を許容するように固定し、且つ、下端部が金属筐体に固定してあることにより、個別貫通孔と反応管との間を、たとえ高温ガスが通過して上方に漏れようとしても、反応管と金属筐体とに固定された耐熱性布が気密性を維持し、加熱炉内の熱が漏れるのを防止でき、加熱炉内の加熱空間を良好に維持できる。
【0007】
本発明の第2の特徴構成は、前記第1固定部は、前記反応管に対する巻き付け方向の複数個所に第1切れ込み部を設けて、前記反応管に巻き付けた状態で固定可能に形成したところにある。
【0008】
【0009】
本発明の第3の特徴構成は、前記貫通部シール部材の上端部を、前記反応管に巻き付けた状態で、その外側から更に巻き付けて前記反応管に固定するステンレス製のバンドを設けたところにある。
【0010】
【0011】
本発明の第4の特徴構成は、前記第2固定部は、前記反応管に対する巻き付け方向の複数個所に第2切れ込み部を設けて、前記貫通部シール部材を前記反応管に巻き付けた状態で前記金属筐体側に接当させて固定可能に形成したところにある。
【0012】
【0013】
本発明の第5の特徴構成は、前記個別貫通孔に連通させて上方に延出する金属筒部の上端部に付設したフランジ部に対し、前記第2固定部を挟持するC型リング状のステンレス製押さえ板を設け、前記フランジ部と前記ステンレス製押さえ板とで前記第2固定部を挟持した状態で固定するボルト・ナットを設けたところにある。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】加熱炉全体の縦断面図である。
図2】貫通部の縦断面図である。
図3】要部の斜視図で、(a)は伸長状態の反応管を示し、(b)は収縮状態の反応管を示す。
図4】貫通部シール部材の展開図である。
図5】従来例の貫通部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、内面にキャスタブル耐火材による耐熱層1を敷設してある金属筐体2の内部に、燃焼バーナー19による加熱空間Sを形成するとともに、その加熱空間Sに上下方向に沿って設けた反応管3の複数本を、金属筐体2の天井部4に形成した貫通部5を通して外部空間に挿通させて加熱炉を構成してある。
【0021】
図2図4に示すように、前記反応管3を夫々個別に挿通させる個別貫通孔6を、耐熱層1に形成すると共に、個別貫通孔6の内側と反応管3との間に耐火断熱材7を充填し、耐火断熱材7を下から受け止める段部8を個別貫通孔6に形成し、個別貫通孔6と反応管3との間の隙間を、耐熱性で可撓性のあるシリカ繊維の耐熱性布からなる貫通部シール部材9で上方から覆ってある。
【0022】
前記貫通部シール部材9で個別貫通孔6と反応管3との間の隙間を覆うのに、貫通部シール部材9を反応管3の全周に巻きつけ、反応管3を上下伸縮自在に貫通部シール部材9の上端部を、ステンレス製のバンド10の巻き付けにより反応管3に固定すると共に、下端部を金属筐体2に固定してある。
前記貫通部シール部材9の下端部を金属筐体2に固定するについては、個別貫通孔6に連通させて上方に延出する金属筒部11を、金属筐体2に溶接により一体に付設し、金属筒部11の上端部にフランジ部12を設け、そのフランジ部12に貫通部シール部材9を一対のC型リング状のステンレス製押さえ板13で挟持してボルト・ナット14で固定してある。
尚、貫通部シール部材9の上下中間部は、図3(a)、(b)、図4で示すように、上下複数個所においてヒモ15により周方向から緊縛してある。
図3図4中において、20は第1固定部、21は第2固定部、22は第1切れ込み部、23は第2切れ込み部と称する。
【0023】
図2に示すように、前記耐火断熱材7は、セラミックファイバー製のブランケットと称するシートを、反応管3に巻き付けて金属筒部11と反応管3との間に充填する第1断熱材16と、貫通部シール部材9と反応管3との間で、第1断熱材16よりも薄くて反応管3に巻き付けるセラミックファイバー製ブランケットからなる第2断熱材17と、第2断熱材17と貫通部シール部材9との間の隙間を塞ぐバルク状のセラミックファイバーからなる第3断熱材18とから構成してある。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0024】
〈1〉 貫通部シール部材9は、シリカ繊維以外に耐熱繊維であれば他の繊維で形成してあっても良い。
〈2〉 前記貫通部シール部材9と同様に、耐火断熱材7もセラミックファイバー以外の例えばガラス繊維からなるものでもよい。
〈3〉 前記個別貫通孔6に連通させて設けた金属筒部11は、必ずしもなくてもよく、貫通部シール部材9の下端部を、直接金属筐体2に固定してあっても良い。
【0025】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0026】
1 耐熱層
2 金属筐体
3 反応管
4 天井部
5 貫通部
6 個別貫通孔
7 耐火断熱材
8 段部
9 貫通部シール部材
S 加熱空間
図1
図2
図3
図4
図5