(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の表面の第2の部分は、前記突出部を過ぎた位置から半径方向外側へ、前記金型が閉じられたときに前記中間プレートと前記第2の金型プレートとが接触する位置に沿
って延在する、請求項1に記載の金型。
前記中間プレートの第1の表面の第1の部分に押しつけられるようにして前記予備成形物が前記第1のキャビティ内で型成形され得る、中間プレートの第1の表面の第1の部分があり、
前記第1の表面の第2の部分が、前記窪みを過ぎた位置から、前記金型が閉じられたときに前記中間プレートと前記第1の金型プレートとが接触する位置に沿ってほぼ平坦に延在する、請求項1に記載の金型。
前記第1の金型プレートの前記第1のキャビティおよび前記第2の金型プレートの前記第2のキャビティの各々が、半球状部分に型成形されるべき予備成形物を受け入れるように構成されている、請求項1に記載の金型。
前記中間プレートの前記第2の側が突出部を含み、この突出部に前記第2の予備成形物を押し付けて、前記第2の予備成形物を半球状部分に成形する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
前記第1の金型プレートの第1のキャビティ内に、第1の予備成形物が配置される半球状部分があり、第1の予備成形物は、該第1の予備成形物が前記第1のキャビティに配置されたときに該第1の予備成形物が前記内側コアに面する第1の表面と、該第1の予備成形物が前記第1のキャビティ内に配置されたときに前記第1のキャビティと接触する第2の表面とを有することを特徴とし、
前記第1の表面の周囲が前記内側コアと直接接触する前に、前記第1の表面の中心が前記内側コアと直接接触するように、金型の閉鎖を開始させる工程を含む、請求項8に記載のゴルフボールを製造する方法。
前記第1の予備成形物と前記内側コアが、前記金型を閉じることによって一体成形品として結合され、前記第2の予備成形物が、前記一体成形品と別個の第2の半球状部分として成形されることを特徴とし、
前記金型から前記中間プレートを取り外した後、前記金型を再び閉じることによって、二重層コアを形成するように前記一体成形品と前記第2の半球状部分を結合させる工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に記載される実施形態は、圧縮成形品を製造するための金型および方法に関する。圧縮成形品は、内側コアと組み合わされた半球状部分などの、ゴルフボールを作製するのに使用される構成要素であり得る。金型は、半球状部分/内側コアの組合せに加えて、第2の半球状部分をさらに生成し得る。金型は、第1の金型プレートと、第2の金型プレートと、中間プレートとを含み得る。中間プレートは、第1の表面に1つ以上の窪みを含んでいてもよく、第2の表面に1つ以上の突出部を含んでいてもよい。窪みは、凹形状を有し得る一方、突出部は、凸形状を有し得る。
【0021】
成形プロセス中、内側コアが、材料とともに金型内に設置されて、半球状部分が形成される。内側コアは、中間プレートの窪み内に設置され得る。半球状部分を形成するための材料は、第1の金型プレートおよび第2の金型プレートのそれぞれのキャビティ内に設置され得る。その後、半球状部分は、一緒に成形されて、内側コアを包む外側コアが形成される。半球状部分を形成するための材料は、予備成形物の形態であり得る。半球状部分を形成するための材料が、内側コアを中心として成形されるように、内側コアは、成形面として働く。内側コアと内側コアの周りに成形される半球状部分とは、成形操作によって、一体成形品として一緒に結合され得る。このような成形操作を用いて、改良された同心性およびより高い効率を有する二重コアが提供され得る。
【0022】
内側コアおよび外側コアを有するマルチピース構造が一般にどのように作製されるかを説明する前に、まず、ゴルフボール構造に関する説明が提供される。中実のゴルフボールは、従来から、多層を有する。1つの固体材料で作製されるゴルフボールを使用することが可能であるが、このようなワンピースのボールは、典型的に、低い性能を示し、これは、多層を有するゴルフボールは、典型的に、ボールが、1つの固体材料で作製されるボールより長い距離をまたはより高い制御で飛ぶように、ゴルファーがボールを打つことができるように設計されるためである。ゴルフボールの各層は、ゴルファーに1つ以上の主な特性を与えるように選択される。本発明の実施形態は、多層も含む。
【0023】
ワンピースの中実のゴルフボールによって通常示されない様々な特性を有するゴルフボールを提供するために、マルチピース構造を有するゴルフボールが開発されている。様々なピースのマルチピースゴルフボールが、様々に機能する様々な材料で作製され得る。例えば、マルチピースゴルフボールの1つのピースは、所望の圧縮を有する一方、別のピースは、耐久性のあるカバーを提供し得る。これより、マルチピースゴルフボールの例示的実施形態が概説される。
【0024】
図1〜4は、本開示に係るマルチピースゴルフボールの様々な実施形態を示す。
図1は、本開示に係る態様を有する第1のゴルフボール100を示す。ゴルフボール100は、2ピースゴルフボールである。具体的には、ゴルフボール100は、コア120を実質的に囲むカバー層110を含む。カバー層110は、ある実施形態において、おそらく比較的軟質であるが耐久性のある材料である、当該技術分野において公知の任意のゴルフボールカバー材料で形成され得る。例えば、カバー層110は、ボールのスピンおよびプレーヤーへの打感を提供するために、ゴルフクラブで打ったときに圧縮する/屈曲する材料で形成され得る。材料は、比較的軟質であるが、クラブおよび/またはゴルフ場からの擦り傷に耐えるために耐久性もあり得る。
【0025】
図1は、一般的なディンプル模様を有するカバー層110の外面を示す。ゴルフボール100におけるディンプル模様がゴルフボール100の飛行経路に影響を与え得るが、任意の好適なディンプル模様が、開示される実施形態で使用され得る。ある実施形態において、ゴルフボール100には、約250〜450の総数のディンプルを含むディンプル模様が設けられ得る。
【0026】
図2は、本開示に係る態様を有する第2のゴルフボール200を示す。ゴルフボール200は、コア230と、コア230を実質的に囲むマントル層220と、マントル
層220を実質的に囲む外側カバー層210とを含む。
【0027】
図3は、本開示に係る態様を有する第3のゴルフボール300を示し、ここで、第3のゴルフボール300は、3ピース構造を有する。3ピースゴルフボール300は、第1の内側コア330と、第1の内側コア330を実質的に囲む第1の外側コア320と、第1の外側コア層320を実質的に囲む第1のカバー層310とを含む。
【0028】
図4は、本開示に係る態様を有する第4のゴルフボール400を示し、ここで、第4のゴルフボール400は、4ピース構造を有する。ゴルフボール400は、第2の内側コア層440と、第2の内側コア層440を実質的に囲む第2の外側コア層430と、外側コア層430を実質的に囲むマントル層420と、マントル層420を実質的に囲む外側カバー層410とを含む。
【0029】
一般に、本明細書において使用される際の「コア」という用語は、ゴルフボールの最内構成要素の少なくとも1つを指す。したがって、コアという用語は、
図3を参照するが、本明細書に記載されるいずれの実施形態にも適用可能であり、(1)第1の内側コア330のみ、(2)まとめて第1の内側コア330および第1の外側コア320の両方、または(3)第1の外側コア320のみを指し得る。コアという用語は、例えば、さらなる構造層が、第1の内側コア330と第1の外側コア320との間に存在するかまたは第1の外側コア320を覆っている場合、3層以上の層も包含し得る。
【0030】
コアが、ポリウレタン、ポリ尿素、部分的にまたは完全に中和されたアイオノマーなどの熱硬化性または熱可塑性材料、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンジエンモノマーゴムなどの熱硬化性ポリジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、バラタ、ブチルゴム、ハロブチルゴム、スチレンブタジエンゴムまたはスチレンエチレンブタジエンスチレンゴムなどの任意のスチレンブロックコポリマー、メタロセンまたは他のシングルサイト触媒で触媒された(single site catalyzed)ポリオレフィン、例えばシリコーンとのポリウレタンコポリマーから形成され得る。
【0031】
上記の材料に加えて、コア、カバー、または任意の中間層(最内コアと最外カバー層との間の層)などの、ゴルフボールの部分用の組成物は、1つ以上のポリマーを組み込み得る。好適なさらなるポリマーの例としては、限定はされないが、以下のものが挙げられる:熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、コポリマーアイオノマー、ターポリマーアイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、コポリマーポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性が改良されたポリフェニレンエーテル、耐衝撃性の高いポリスチレン、フタル酸ジアリルポリマー、メタロセンで触媒されたポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン変性SANおよびアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、官能化スチレンコポリマー、官能化スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリ尿素、およびポリシロキサンまたはこれらの化学種の任意のメタロセンで触媒されるポリマー。本発明の範囲内で組成物中のさらなる材料として使用するのに好適なポリアミドとしては、(1)(a)シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸と、(b)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンまたはデカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミンまたはm−キシリレンジアミンなどのジアミンとの重縮合、(2)ε−カプロラクタムまたはω−ラウロラクタムなどの環状ラクタムの開環重合、(3)6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸または12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸の重縮合、または(4)環状ラクタムと、ジカルボン酸およびジアミンとの共重合によって得られる樹脂も挙げられる。好適なポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、共重合されたナイロン、ナイロンMXD6、およびナイロン46が挙げられる。
【0032】
組成物中の材料として使用するのに好適な他の材料としては、SK Chemicals(Republic of Korea)によってSKYPELという商標で販売されているポリエステルエラストマー、または日本の倉敷市の株式会社クラレによってSEPTONという商標で、およびKraton Polymera Group of Companies(Chester,United Kingdom)によってKRATONで販売されている、ジブロックもしくはトリブロックコポリマーが挙げられる。上に挙げた材料の全ては、本発明の範囲内で調製されるボールの層に特定の向上を提供することができる。
【0033】
アイオノマーも、単独でまたは組成物のブレンド中で、ゴルフボール材料としてよく適している。好適なアイオノマーポリマー(すなわち、コポリマー型またはターポリマー型のアイオノマー)としては、α−オレフィン/不飽和カルボン酸コポリマー型のアイオノマーまたはターポリマー型のアイオノマー樹脂が挙げられる。コポリマーアイオノマーは、α−オレフィンと3〜8個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸とのコポリマー中のカルボン酸基の少なくとも一部を、金属イオンで中和することによって得られる。好適なα−オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および1−ヘキセンが挙げられる。好適な不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸が挙げられる。コポリマーアイオノマーとしては、上記の一価または二価カチオンによって中和される、可変の酸含量および酸中和度を有するアイオノマーが挙げられる。
【0034】
ターポリマーアイオノマーは、α−オレフィンと、3〜8個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸と、2〜22個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボキシレートとのターポリマー中のカルボン酸基の少なくとも一部を、金属イオンで中和することによって得られる。好適なα−オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および1−ヘキセンが挙げられる。好適な不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸が挙げられる。好適なα,β−不飽和カルボキシレートの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸n−ブチルが挙げられる。ターポリマーアイオノマーとしては、上記の一価または二価カチオンによって中和される、可変の酸含量および酸中和度を有するアイオノマーが挙げられる。好適なアイオノマー樹脂の例としては、E.I.du Pont de Nemours & Company(Wilmington,Del.)製のSURLYN(登録商標)の名称で、およびExxon Mobil Corporation(Irving,Tex.)製のIOTEK(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
【0035】
シリコーン材料も、単独でまたは材料のブレンド中の成分として、ゴルフボールに使用するのによく適している。これらは、さらなる強化充填剤を用いるかまたは用いずに、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、またはポリマーであり得る。好適な1つのタイプのシリコーン材料が、それらの分子中に少なくとも2個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルケニル基を組み込み得る。これらのアルケニル基の例としては、以下に限定はされないが、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルおよびデセニルが挙げられる。アルケニル官能基は、構造の一方または両方の末端を含む、シリコーン構造の任意の位置に配置され得る。この成分中の残りの(すなわち、アルケニルでない)ケイ素結合された有機基は、独立して、脂肪族不飽和を含有しない炭化水素またはハロゲン化炭化水素基から選択される。これらの非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルなどのアルキル基、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどのシクロアルキル基、フェニル、トリルおよびキシリルなどのアリール基、ベンジルおよびフェネチルなどのアラルキル基、ならびに3,3,3−トリフルオロプロピルおよびクロロメチルなどのハロゲン化アルキル基が挙げられる。本発明に使用するのに好適な別のタイプのシリコーン材料は、脂肪族不飽和を含まない炭化水素基を有するものである。本発明の組成物を作製するのに使用するのに好適なシリコーンの具体例としては、トリメチルシロキシで末端封鎖されたジメチルシロキサン−メチルヘキセニルシロキサンコポリマー、ジメチルヘキセニルシロキシで末端封鎖されたジメチルシロキサン−メチルヘキセニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシで末端封鎖されたジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシで末端封鎖されたメチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシで末端封鎖されたジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシで末端封鎖されたジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシで末端封鎖されたメチルフェニルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシで末端封鎖されたメチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、および上に挙げたコポリマーが挙げられ、ここで、少なくとも1つの末端基が、ジメチルヒドロキシシロキシである。本発明の範囲内で組成物に使用するのに好適な市販のシリコーンとしては、Dow Corning Corp.(Midland,Mich.)製のSilastic、GE Silicones(Waterford,N.Y.)製のBlensil、およびWacker Silicones(Adrian,Mich.)製のElastosilが挙げられる。
【0036】
他のタイプのコポリマーも、本発明の範囲内で組成物に加えられ得る。本発明の範囲内で使用するのに好適な、エポキシモノマーを含むコポリマーの例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(ここで、ポリブタジエンブロックはエポキシ基を含有する)、およびスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(ここで、ポリイソプレンブロックは、エポキシを含有する)が挙げられる。これらのエポキシ官能性コポリマーの市販の例としては、日本の大阪市のダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries,Ltd.)によって販売されている、ESBS A1005、ESBS A1010、ESBS A1020、ESBS AT018、およびESBS AT019が挙げられる。
【0037】
次に、内側コアおよび外側コアを有するゴルフボールがどのように作製されるかについての一般的な説明が提供される。ゴルフボール300の第1の内側コア330および第1の外側コア320ならびにゴルフボール400の第2の内側コア層440および第2の外側コア層430などの複数のピースによって形成されるコアを含むゴルフボールは、多段階プロセスによって形成され得る。例えば、第1の外側コア320および第2の外側コア層430は、まず、別々に成形された部分として形成されてもよく、これが、その後、それぞれ第1の内側コア330および第2の内側コア層440の周りに成形されて、第1の内側コア330の周りに第1の外側コア320が形成され、第2の内側コア層440の周りに第2の外側コア層430が形成される。ブタジエン(BR)などの熱硬化性材料で作製される場合、このような成形された部分は、半球状部分またはカップの形態で製造されてもよく、この半球状部分またはカップは、半球状部分が内側コアを中心として成形されるとき、既に成形された内側コアを包むように構成され、それにより、半球状部分が一緒に結合されて、外側コアが形成される。その後、外側コアおよび内側コアの成形された組合せは、例えば、成形バリを研削して取り除き、外側コア/内側コアの組合せを転動(タンブル)させ、その外面を粗面化し、マントルおよび/またはカバー用の材料などのさらなる材料を適用することなどによって、ゴルフボールを製造するためにさらに加工され得る。
【0038】
図5Aは、外側コアの半球状部分を製造するための従来の金型500の垂直断面図を示す。このような半球状部分は、対応する半球状部分と合致され得る。その後、2つの半球状部分が、一緒に成形されて、例えば、ゴルフボール300の外側コア320またはゴルフボール400の外側コア層430などの外側コアが製造され得る。1つまたは複数の別の部分も、一緒に成形される前に、半球状部分間に位置決めされ得る。金型500は、材料を圧縮成形するための上側金型プレート510および下側金型プレート520を含み得る。下側金型プレート520が、突出部522を含み得る一方、上側金型プレート510は、突出部522を受け入れるサイズおよび形状のキャビティ512を含み得る。突出部522は、内側コアが配置され得る半球状部分の内面に対応する形状を有する。このような実施形態において、突出部522は、丸みを帯びた突出部として設けられ得る。キャビティ512は、半球状部分の外面に対応する形状を有する。下側金型プレート520は、上側金型プレート510および下側金型プレート520を位置決めするための突起526または他の器具を含み得る。上側金型プレート510は、金型500が閉じられるとき、突起526を受け入れるための陥凹527を含み得る。別の例では、突起526は、金型500が閉じられるとき、上側金型プレート510と下側金型プレート520との間の間隙を設けるのに使用され得る。当業者によって認識されるように、突起526は、代わりに、上側金型プレート510に配置されてもよく、陥凹527は、下側金型プレート520に配置されてもよく、または突起52
6および陥凹527が、上側金型プレート510および下側金型プレート520の両方に配置されてもよい。
【0039】
図5Bの例に示されるように、予備成形物530が、突出部522とキャビティ512との間で、金型500内に設置され、これは、成形される材料として働き得る。予備成形物530は、熱硬化性材料または上記の他の材料のいずれかなどの、外側コア層を成形するのに後に使用される半球状部分を成形するのに好適な材料であり得る。予備成形物530は、例えば、押出しプロセスまたは当該技術分野において使用される他のプロセスによって製造され得る。押出しプロセスは、予備成形物530の材料を、開口部を通して送る工程と、押し出された材料を長さに切断する工程とを含み得る。予備成形物530は、ドーム形、円筒形、または他の好適な形状などの、金型500に使用するのに好適な形状を有し得る。押出し開口部は、予備成形物530のこのような形状を製造するように選択され得る。例えば、押出し開口部は、押し出された材料が長さに切断されるとき、円筒形の予備成形物530を提供するように丸みを帯びていてもよい。さらに、
図5Bに示されるように、突出部522に面し、それに係合する予備成形物530の表面は、ほぼ平坦であり得る。
図5Bに示されるように、予備成形物530のこのような表面には、陥凹または凹面がなくてもよい。
【0040】
本明細書に記載される方法に使用するのに適した他の予備成形物としては、全体が参照により本明細書に援用される、2011年12月5日に出願された、Chien−Hsin Chouらへの米国特許出願第13/311,415号明細書に記載されるものが挙げられる。
【0041】
予備成形物530が、押出しプロセスなどによって作製された後、予備成形物530は、予備成形物530をさらに成形または加工せずに、金型500を用いたプロセスなどの成形プロセスに使用され得る。言い換えると、予備成形物950は、押出しなどによって、第1の形状へと製造されてもよく、予備成形物950が金型500内に設置されるとき、予備成形物950は、予備成形物950の製造から予備成形物950が金型500内に設置されるまで第1の形状のままであるように、第1の形状を依然として有し得る。別の例では、予備成形物950は、押出しなどによって、第1の形状へと作製され、次に、第1の形状から第2の形状へと成形されてもよく、そのため、予備成形物950が金型500内に設置されるとき、予備成形物950は、金型500の閉鎖の前に第2の形状を有する。
【0042】
予備成形物530の位置を金型500内に維持するのを補助するために、突出部522は、予備成形物530を突出部522にある程度取り付けるための機械的固定器具524を含み得る。例えば、
図5Bに示されるように、機械的固定器具524は、予備成形物530の材料を貫通するピンであってもよいが、他の固定器具が使用されてもよい。
【0043】
予備成形物530が、金型500内に設置された後、金型500は、上側金型プレート510および下側金型プレート520が合わさって半球状部分(図示せず)が形成されるように閉じられる。上側金型プレート510および下側金型プレート520は、ガイドロッドに沿って移動し、ヒンジ式に動かされ、或いは他の器具(図示せず)によって作動されて、上側金型プレート510および下側金型プレート520のうちの少なくとも一方が、互いに対して移動して、金型500を閉じることができる。金型500を閉じると、予備成形物530が、特に、突出部522の外面およびキャビティ512内で、上側金型プレート510と下側金型プレート520との間で変形されるが、予備成形物530は、上側金型プレート510と下側金型プレート520との間に設けられた間隙内にある程度外側に突出し得る。一実施形態によれば、上側金型プレート510および下側金型プレート520のうちの少なくとも一方が、予備成形物530の変形を補助し、および/または予備成形物530の材料を部分的に硬化するように加熱され得る。
【0044】
金型はまた、単一の圧縮成形操作で2つの半球状部分を成形するために提供され得る。
図5Cを参照すると、第1の金型プレート610と、第2の金型プレート630と、中間プレート620とを含む従来の金型600が示されている。中間プレート620は、第1の金型プレート610に面する第1の突出部622と、第2の金型プレート630に面する第2の突出部623とを含む。第1の突出部622は、予備成形物530を第1の突出部622にある程度取り付けるための機械的固定器具624を含み得る。中間プレート620は、1つ以上の突起626も含んでいてもよく、第1の金型プレート610および第2の金型プレート630は、陥凹627を含み得る。第1の金型プレート610および第2の金型プレート630は、ガイドロッドに沿って移動し、蝶番式に移動され、または他の器具(図示せず)によって作動されて、第1の金型プレート610および第2の金型プレート630のうちの少なくとも一方が、互いに対して移動して、金型600を閉じることができる。さらに、第1の金型プレート610、第2の金型プレート630、中間プレート620のうちの少なくとも1つが、予備成形物530の変形を補助し、および/または予備成形物530の材料を部分的に硬化するように加熱され得る。
【0045】
金型600は、2つの予備成形物530が金型600に挿入された状態で、開いた位置で
図5Cに示されている。1つの予備成形物530が、機械的固定器具624上など、第1の突出部622上に設置されており、別の予備成形物530が、第2の突出部623の反対側の第2の金型プレート630上に設置されている。
図5Dに示されるように、金型600は、第1の金型プレート610および第2の金型プレート630のそれぞれを、中間プレート620と接触させることによって閉じられ、予備成形物530のそれぞれが、第1の金型プレート610と中間プレート620との間および第2の金型プレート630と中間プレート620との間で変形され得る。
【0046】
金型500および金型600のキャビティおよび突出部の表面の形状により、金型500および金型600内に設置される予備成形物530は、
図5Eに示される半球状部分730などの特定の形状へと変形される。言い換えると、各予備成形物530は、半球状部分730へと成形されてもよく、ここで、金型500が、1つの半球状部分730を一度に生成し、金型600が、2つの半球状部分を一度に生成する。このような半球状部分730は、カップ状の形状を有し得る。各半球状部分730は、例えば、
図3のゴルフボール300の第1の外側コア320および
図4のゴルフボール400の第2の外側コア層430などの、外側コアのほぼ半分を形成することができ、これは、その後、2つの半球状部分730から成形される。
【0047】
2つの半球状部分730が成形された後、半球状部分730は、
図5Eに示されるように、既に成形された内側コア740を包むように配置される。次に、半球状部分730および内側コア740は、内側コア740が半球状部分730間に設置された状態で、
図5Fに示されるように、第1の金型部分810と第2の金型部分820との間で、金型800に設置される。その後、第1の金型部分810および第2の金型部分820は、半球状部分730を結合するように押し付けられて、完成したコアが形成され、これは、
図3に示されるゴルフボール300の外側コア320または
図4に示されるゴルフボール400の外側コア430などの、内側コア740を包む外側コアを有する。第1の金型部分810および第2の金型部分820はまた、半球状部分730および/または内側コア740を硬化または部分的に硬化するように加熱され得る。別の例では、半球状部分730は、内側コア740とともに金型600内に設置され、金型600中の中間プレート620を取り外し、半球状部分730および内側コア740を、第1の金型プレート610および第2の金型プレート630を用いて一緒に成形することなどによって、完成したコアを形成するように一緒に成形され得る。このような成形操作は、金型800などのさらなる金型を使用せずに、金型600中で有利に行われ得る。
【0048】
図5A〜5Dに示される金型中で半球状部分730を成形するときの重要な考慮事項は、予備成形物530が、成形操作中、金型500内および金型600内に適切に配置され、中心を合わされることである。予備成形物530が、成形操作中、金型500内または金型600内に適切に配置されない場合、不十分な形状を有する半球状部分730が製造され得る。
【0049】
例えば、金型500の突出部522の上部または金型600の第1の突出部622の上部に設置される予備成形物530は、突出部522または突出部622に対して移動し得る。このような移動は、望ましくなく、望ましくない形状を有する半球状部分(図示せず)を形成し得るが、その理由は、予備成形物530が、突出部522または第1の突出部622に中心を合わされず、代わりに、突出部522または突出部622の片側に偏って配置され得るためである。また、それにより、特に、材料が熱硬化性である場合、成形および硬化中に、空隙が形成され得る。結果として、成形された半球状部分は、1つの側が別の側より厚くなることがあり、それにより、内側コアが、ゴルフボール内で中心からずれる。別の場合、半球状部分730は、
図5Fの内側コア740の周りに半球状部分730を成形する前またはその間に移動することがあり、それにより、内側コア740が、内側コア740の周りに成形される半球状部分730内および外側コア内で中心からずれる。
【0050】
図6に示されるように、内側コア740の周りにこのような半球状部分から成形される外側コア730により、内側コア740は、外側コア730内で中心からずれるため、内側コア740は、外側コア730と同心でない。例えば、
図6の距離10は、距離12より大きくなることがあり、距離20は、距離22より大きくなることがあり、距離10、12、20、22のそれぞれは、内側コア740の表面から外側コア730の表面までの距離である。このような中心からずれた内側コア740は、説明目的のために中心からずれた内側コア740の誇張された例を示す
図6の例ほど内側コア740が中心からずれていない場合でさえ、ゴルフボールに最善でない結果をもたらす可能性が高い。
【0051】
本明細書に記載される実施形態は、成形材料の、成形プロセス中のその適切な位置からの移動を最小限に抑えるかまたはなくす機械および方法を提供することによって、この問題に有利に対処する。この機械および方法はまた、ゴルフボールを製造するプロセスの工程の数を減少させることなどによって、ゴルフボールを製造するためのより高い効率を提供し得る。この問題に対処するための一方法は、外側コア用の半球状部分を成形するプロセスに内側コアを含めることである。
【0052】
図7を参照すると、半球状部分を成形するための金型900の一実施形態が示されている。金型900は、第1の金型プレート910と、第2の金型プレート930と、中間プレート920とを含む。第1の金型プレート910および第2の金型プレート930は、ガイドロッドに沿って移動し、ヒンジ式に動かされ、或いは他の器具(図示せず)によって作動されて、第1の金型プレート910および第2の金型プレート930のうちの少なくとも一方が移動し、中間プレート920と接触して、金型900を閉じることができる。第1の金型プレート910、第2の金型プレート930、および中間プレート920のいずれかまたは全てが、成形材料の変形を補助し、および/または金型900内に使用される成形材料を部分的に硬化するように加熱され得る。
【0053】
第2の金型プレート930は、キャビティ932を含み、中間プレート920は、窪み924を含む。窪み924は、例えば、中間プレート920の窪んだ陥凹として形成され得る。
図8を参照すると、中間プレート920の窪み924のうちの1つの断面図が、第1の金型プレート910および第2の金型プレート930とともに示されている。
図8に示されるように、第1の金型プレート910は、第1のキャビティ912を含んでいてもよく、第2の金型プレートのキャビティ932は、第2のキャビティとして働き得る。中間プレート920は、中間プレート920の第1の表面923に、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912の反対側に位置する窪み924、ならびに中間プレート920の第2の表面925に、第2の金型プレート930の第2のキャビティ932の反対側に位置する突出部922を含む。突出部922は、例えば、中間プレート920の全般的に凸状の突出部として設けられ得る。結果として、中間プレート920は、第1の表面923に1つ以上の陥凹924および第2の表面925に1つ以上の突出部922を含み得る。
【0054】
圧縮成形操作中に金型900が閉じられるとき、第1の金型プレート910および中間プレート920が接触するとき、第1のキャビティ912および窪み924が、内側コア(図示せず)とともに半球状部分を成形する空間を提供するように、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912は、窪み924に合致する。圧縮成形操作中に金型900が閉じられたとき、中間プレート920と第2の金型プレート930が接触されるとき、突出部922がキャビティ
932に挿入されるように、第2の金型プレート930の第2のキャビティ932は、半球状部分(図示せず)を成形するための空間を提供するために、中間プレート920の突出部922に合致する。
【0055】
中間プレート920は、1つ以上の突起926および陥凹927も含み得る。別の例では、突起926は、第1の金型プレート910および第2の金型プレート930に配置されてもよく、陥凹927は中間プレート920に配置されてもよく、または突起926および陥凹927は、第1の金型プレート910、第2の金型プレート930、および中間プレート920の全てに配置されてもよい。
【0056】
図9の例に示されるように、予備成形物950が、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912内に設置されてもよく、予備成形物950は、操作者などによって、第2の金型プレート930の第2のキャビティ932内に設置されてもよい。さらに、内側コア940が、金型900内に設置される。特には、内側コア940は、中間プレート920の窪み924内に設置されてもよい。圧縮成形操作中に金型900が閉じられるとき、キャビティ912内に設置される予備成形物
950を内側コア940の周りに成形することなどによって、半球状部分が内側コア940の周りに成形され得るように、これは行われる。
【0057】
第1の金型プレート910の第1のキャビティ912内の予備成形物950の位置決めをさらに補助するために、予備成形物950が、内側コア940と直接接触した状態で設置され得る。このような配置は、成形プロセス中、第1のキャビティ912内の予備成形物950の位置決めを有利に補助し、内側コア940の中心を合わせるのを補助し得る。
【0058】
例えば、
図9の例に示されるように、内側コア940が、まず、中間プレート920の窪み924内に設置され、次に、予備成形物950が、予備成形物950と内側コア940とが直接接触した状態で、内側コア940の上部に設置され得る。
図9に示されるように、予備成形物950と内側コア940との直接接触は、内側コア940と直接接触している、内側コア940に面する予備成形物950の表面(第1の表面)の中心によって与えられ得る。さらに、
図9に示されるように、この表面の中心の周りに延在し得る、内側コア940に面する予備成形物950の表面の周囲が、最初に、内側コア940と接触していなくてもよい。結果として、内側コア940に面する予備成形物950の表面の中心は、表面の周囲が内側コア940と直接接触する前に、直接接触していてもよい。予備成形物950は、予備成形物950がキャビティ
912内に設置されたとき、第1のキャビティ912と接触する、第1のキャビティ912に面する表面(第2の表面)を有し得る。ここで、
図9に示されるように、予備成形物950が第1の金型プレート910および内側コア940の両方と直接接触した状態で、予備成形物が第1の金型プレート910の第1のキャビティ912内に設置されるように、第1の金型プレート910が、予備成形物950上で閉じられ得る。
【0059】
別の例では、予備成形物950と内側コア940との直接接触がなされるまで、予備成形物950の変形は起こらない。例えば、第1の金型プレート910と予備成形物950、および内側コア940と予備成形物950との直接接触がなされるまで、予備成形物950の変形は、起こらないであろう。予備成形物950と内側コア940との直接接触がなされた後、予備成形物950の変形を開始させることによって、成形が開始し得る。
【0060】
金型900内で半球状部分を内側コア940へと直接成形することによって、内側コア940自体が、予備成形物950を半球状部分へと成形するための成形面として働き得る。例えば、内側コア940は、中間プレート920および第1の金型プレート910の第1のキャビティ912と協働して、予備成形物950を半球状部分へと変形する成形面を提供し得る。内側コア940は、ほぼ球状であってもよく、したがって、内側コア940上に成形された半球状部分内のカップ状の形状または窪みを形成する成形面を提供し得る。
【0061】
内側コア940自体が、予備成形物950を、変形し、内側コア940の周りの半球状部分へと成形するのに使用される場合、内側コア940が半球状部分内で適切に中心を合わされ、半球状部分との所望の同心性を有するように、半球状部分が、より確実に製造され得る。例えば、内側コア940が、中間プレート920の窪み924内に設置され、載せられるため、内側コア940が、成形される半球状部分内で内側コア940の中心を合わせるのに実質的に影響するほど移動しないように、内側コア940の移動は、制限されるかまたはなくされる。同様に、予備成形物950が、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912内に設置されるため、予備成形物950から成形される半球状部分が、内側コア940を中心として適切に位置決めされるように、内側コア940に対する予備成形物950の移動は、制限されるかまたはなくされる。さらに、半球状部分および内側コア940が一体成形品として製造されるように、半球状部分を内側コア940上に直接成形することによって、半球状部分および内側コアの別々の処理を減少させることによって、成形プロセスは、より効率的になり得る。結果として、内側コア940および成形される半球状部分は、別々に処理される必要がない。
【0062】
予備成形物950が、第1の金型プレート910と中間プレート920との間に設置され、予備成形物950が、中間プレート920と第2の金型プレート930との間に設置された後、第1の金型プレート910および中間プレート920が合わさり、第2の金型プレート930および中間プレート920が合わされて、予備成形物950を2つの半球状部分へと成形するための圧縮成形操作が開始され、第1のキャビティ912内に設置される予備成形物950は、内側コア940上に成形される。成形操作中、第1の金型プレート910、第2の金型プレート930、および中間プレート920は、互いに対して移動し得る。例えば、
図10に示されるように、金型900が部分的に閉じると、第1の金型プレート910のキャビティ912内の予備成形物950が、内側コア940に押し付けられ、予備成形物950が、変形され、内側コア940の周りに成形される。第2の金型プレート930のキャビティ932内の予備成形物950が、中間プレート920の突出部922と接触して、予備成形物950が、変形され、突出部922の周りに成形される。これにより、2つの予備成形物950が変形され、類似の形状へと成形されるが、内側コア940により、第1のキャビティ912に設置される予備成形物950が、カップ状の形状で成形される一方、第2のキャビティ932に設置される予備成形物950は、突出部922によって、カップ状の形状で成形される。
【0063】
図11を参照すると、予備成形物950の圧縮成形を半球状部分へと完成させるために、金型900が、加えられる所定の圧力により完全に閉じられ、第1の金型プレート910のキャビティ912内の予備成形物950が、内側コア940の周りに成形され、それに結合される。この位置において、第1の金型プレート910が、(互いに直接または突起926を介して間接的に)中間プレート920と接触し、それに押し付けられ得る。第2の金型プレート930も、(直接または突起926を介して間接的に)中間プレート920と接触し、それに押し付けられ得る。
【0064】
中間プレート920と第1の金型プレート910との係合を促進するために、中間プレート920の第1の表面923が、ほぼ平坦であり得る。例えば、第1の表面923は、ほぼ平坦な表面を提供するためにほぼ平面状であり得る。別の例では、第1の表面923には、1つ以上の窪み924の存在を除いて、突出部または窪みがなくてもよい。このような場合、第1の表面923のほぼ平坦な部分は、突出部または窪みなしで、窪み924の間に延在し得る。別の例では、ほぼ平坦な表面は、金型の成形面に典型的に使用される表面粗さを有する機械加工された成形面であってもよく、この成形面は、肉眼で見える突出部または窪みのないほぼ平坦な平滑な表面を有するが、機械加工された表面に固有の粗さで存在する微細な凹凸を含む。
図8に示されるように、中間プレート920が、中間プレート920および第1の金型プレート910を位置決めするための突起926を含み場合、第1の表面923は、窪み924と突起926との間で、突出部または窪みがない平坦なほぼ平面状の態様で延在し得る。ここで、
図11に示されるように、第1の表面923は、第1の金型プレート910の反対面と合致して、これらの表面が、直接面接触し得るようになっている。
【0065】
さらに、予備成形物950の成形を、金型900内で所望の態様で有利に促進するために、
図11に示されるように、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912内に配置される第1の表面923の一部は、ほぼ平坦であり、窪み924の周りに突出部または窪みがなくてもよい。ほぼ平坦な第1の表面923の一部が形成する表面に押しつけるようにして、予備成形物950が第1のキャビティ912内で成形される。例えば、
図11に示されるように、ほぼ平坦な第1の表面923の一部は、窪み924から、金型900が閉じられたときに中間プレート920および第1の金型プレート910が接触する位置916まで延在し得る。さらに、第1の表面923の一部は、窪み924から、金型900が閉じられたときに中間プレート920および第1の金型プレート910が接触する位置916まで半径方向外側に延在し得る。言い換えると、窪み924は、窪み924から、金型900が閉じられたときに中間プレート920および第1の金型プレート910が接触する位置まで、第1の表面923のほぼ平坦な一部によって囲まれ得る。
【0066】
第1の表面923がほぼ平坦でない場合、第1の表面923は、予備成形物950の成形された形状に影響を与える突出部または窪みを含むであろう。中間プレート920の第1の表面923によって予備成形物950上に形成される窪みまたは突出部は、予備成形物950を、ゴルフボールの外側コアへと成形する際に、空隙または他の望ましくない構造を形成する可能性があり得る。窪み924の周りで第1のキャビティ912内にほぼ平坦な第1の表面923を設けることによって、
図11に示されるように、予備成形物950が成形される場合、予備成形物950は、最少量の窪みまたは突出部で、中間プレート920の第1の表面923に対して有利に形成され得る。
【0067】
同様に、中間プレート920の第2の表面925が、ほぼ平坦であり得る。例えば、第2の表面925は、平坦なほぼ平面状の態様で延在し得る。別の例では、第2の表面925は、ほぼ平坦であり、1つ以上の突出部922を除いて、突出部または窪みがなくてもよい。
図8に示されるように、中間プレート920が、中間プレート920および第2の金型プレート930を位置決めするために突起926を含む場合、第2の表面925は、突出部922と突起926との間で、ほぼ平坦な態様で延在し得る。
図11に示されるように、このような配置は、第2の表面925と第2の金型プレート930の反対面との直接の面接触を有利に促進し得る。
【0068】
さらに、予備成形物950の成形を、金型900内で所望の態様で有利に促進するために、
図11に示されるように、第2の金型プレート930の第2のキャビティ932内に配置される第2の表面925の一部は、ほぼ平坦であり、突出部922の周りに突出部または窪みがなくてもよい。ほぼ平坦な第2の表面925の一部が形成する表面に押しつけるようにして予備成形物950が第2のキャビティ932内で成形される。例えば、
図11に示されるように、ほぼ平坦な第2の表面925の一部は、突出部922から、金型900が閉じられたときに中間プレート920および第2の金型プレート930が接触する位置936まで延在し得る。さらに、第2の表面925のこのような一部は、突出部922から、金型900が閉じられたときに中間プレート920および第2の金型プレート930が接触する位置936まで半径方向外側に延在し得る。言い換えると、突出部922は、突出部922から、金型900が閉じられたときに中間プレート920および第2の金型プレート930が接触する位置まで、第2の表面925のほぼ平坦な一部によって囲まれ得る。別の例では、第1の表面923のほぼ平坦な一部および第2の表面925のほぼ平坦な一部は、互いにほぼ平行であり得る。
【0069】
第2の表面
925がほぼ平坦でない場合、第2の表面
925は、予備成形物950の成形された形状に影響を与える突出部または窪みを含
み得る。中間プレート920の第2の表面
925によって予備成形物950上に形成される窪みまたは突出部は、予備成形物950を、ゴルフボールの外側コアへと成形する際に、空隙または他の望ましくない構造を形成する可能性があり得る。突出部922の周りで第2のキャビティ932内にほぼ平坦な第2の表面
925を設けることによって、
図11に示されるように、予備成形物950が成形される場合、予備成形物950は、最少量の窪みまたは突出部で、中間プレート920の第2の表面
925に対して有利に形成され得る。
【0070】
一実施形態によれば、第1の金型プレート910が中間プレート920に直接接触する場合(突起926が存在しない場合など)、間隙が、第1の金型プレート910と中間プレート920との間に形成されてもよく、その中で、予備成形物950が変形され、内側コア940を中心として半球状部分へと成形され得る。同様に、第2の金型プレート930および中間プレート920はまた、間に間隙が形成された状態で、直接接触してもよく、その中で、予備成形物950が変形され、半球状部分へと成形され得る。
【0071】
成形プロセスが完了し、第1のキャビティ912内に設置される予備成形物950が、
図12に示される内側コア940の周りの半球状部分951などの、内側コアの周りの半球状部分へと成形された後、それが結合されて一体成形品になる。
図12に示されるように、成形プロセスはまた、第2のキャビティ932内に設置される予備成形物950を、半球状部分951および内側コア940と別個の半球状部分952へと成形する。
【0072】
その後、内側コア940とともに半球状部分951が、第2の金型プレート964内など、金型960のキャビティ963内に設置される。半球状部分951および内側コア940が一体成形品として一緒に成形されたため、内側コア940が半球状部分951内で適切に中心を合わされるように、内側コア940は、半球状部分951内に注意深く設置される必要がない。その代わりに、上述される成形プロセスは、内側コア940が半球状部分951内で既に中心を合わされた状態で、一体成形品としての半球状部分951および内側コア940を提供した。半球状部分952が、第1の金型プレート962内など、金型960内に別々に設置される。あるいは、半球状部分951および内側コア940は、第1の金型プレート962内に設置されてもよく、半球状部分952は、第2の金型プレート964内に設置されてもよい。
図13Bに示されるように、次に、金型960が、内側コア940の周りに、半球状部分951および半球状部分952を一緒に成形するように閉じられ得る。金型960はまた、半球状部分951、952および/または内側コア940を少なくとも部分的に硬化するように加熱され得る。
図13Cに示されるように、この成形プロセスにより、内側コア940および半球状部分951、952から形成される外側コア970を含む二重コアが製造される。別の例では、半球状部分951、952および内側コア940は、中間プレート920を取り外し、半球状部分951、952および内側コア940を、第1の金型プレート910と第2の金型プレート930との間で一緒に成形することによって、金型900を用いて一緒に成形され得る。このようなプロセスは、金型960などのさらなる金型を使用せずに、金型900中で有利に行われ得る。
【0073】
他の形態および例が、上述される実施形態に用いられ得る。
図14に示されるように、第1の金型プレート910は、予備成形物950を、第1の金型プレート910のキャビティ912内に、少なくともある程度取り付けるための機械的固定器具914を含み得る。例えば、
図14に示されるように、機械的固定器具914は、予備成形物950の材料を貫通するピンであってもよいが、他の固定器具が使用されてもよい。予備成形物950が硬化されないかまたは部分的に硬化される場合、特に、機械的固定器具914が使用され得る。機械的固定器具914は、例えば、第1の金型プレート910が垂直方向に中間プレート920の上に位置決めされるとき、予備成形物950の位置を維持するのを補助することができ、それによって、予備成形物950が、圧縮成形操作が開始する前に、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912から外れ落ちないようになっている。別の例では、予備成形物950は、機械的固定器具914を使用せずに、金型900内に設置され得る。
【0074】
図15を参照すると、ゴルフボールを製造する方法が示されている。本方法は、本明細書に記載される金型および方法の特徴および実施形態のいずれかを含んでいてもよく、以下に記載されていないさらなる工程および特徴も含まれ得る。本方法の第1の工程1000において、内側コアが、当該技術分野において公知の任意の技術を用いて成形される。工程1000は、例えば、射出成形プロセスまたは圧縮成形プロセスであり得る。内側コアは、例えば、熱可塑性材料であり得る。例えば、内側コアは、本質的に熱可塑性ポリマーまたはゴムからなり得る。熱可塑性ポリマーは、例えば、高度に中和されたポリマーであり得る。別の場合、内側コアは、熱可塑性材料で作製されてもよく、熱可塑性材料以外の他のタイプの材料を含まない。さらなる例では、ポリマーは、HPF 2000であり得る。別の例では、内側コアは、本質的にゴム組成物などの熱硬化性材料からなり得る。
【0075】
次の工程1010において、内側コアは、
図9の中間プレート920の窪み924など、中間プレートキャビティに設置される。その後、工程1020において、外側コア材料が、上側および下側金型キャビティに設置される。例えば、予備成形物950が、第1の金型プレート910の第1のキャビティ912内に設置されてもよく、予備成形物950が、
図9の第2の金型プレート930の第2のキャビティ932内に設置されてもよい。別の例では、予備成形物950が、第2の金型プレート930の第2のキャビティ932内に設置されてもよく、予備成形物950が、中間プレート920上に配置される内側コア940の上部に設置されてもよい。
【0076】
予備成形物950の材料などの外側コア材料は、熱硬化性材料であり得る。一実施形態において、外側コア材料は、高シスポリブタジエンゴムなどのゴム組成物であり得る。予備成形物950は、金型部分のキャビティ内に設置される前に、未硬化であってもよい。
【0077】
その後の工程1030において、
図10および11に示されるように、金型は、予備成形物950などの外側コア材料から半球状のカップまたは部分を形成するように閉じられる。工程1030において、半球状部分の1つが、内側コアの周りに成形される。工程1030において、外側コア材料は、部分的に硬化されて、部分的に硬化された半球状部分が得られる。工程1040において、組み合わされた内側コア/半球状部分を含む成形された半球状部分が、金型から取り外される。あるいは、工程1040において、半球状部分および内側コアは、さらなる金型を使用せずに、半球状部分を成形するのに使用される金型内で一緒に成形され得る。したがって、工程1010〜1040は、内側コアおよび外側コアを含む二重コア用の半球状部分を成形するための工程であり得る。
【0078】
工程1050において、成形された半球状部分/内側コアは、
図13Aの第2の金型プレート964中など、金型半部に設置される。工程1060において、別個の半球状部分が、
図13Aの第1の金型プレート962中など、他方の金型半部に設置される。その後、工程1070において、
図13Bおよび13Cに示されるように、金型プレートは、一緒に閉じられて、内側コアおよび外側コアを含む二重コアが形成される。したがって、工程1000〜1070は、内側コアおよび外側コアを含む二重コアを作製するための工程であり得る。
【0079】
次に、二重コアは、ゴルフボールを製造するように加工され得る。例えば、工程1080において、工程1070の成形プロセスから存在するバリが除去され、工程1090において、二重コアの表面が二重コアへのさらなる層の付着性を促進するために粗面化されるように、二重コアの表面は、タンブルされ得る。最後に、工程1100において、カバー材料が、二重コアに適用されて、ゴルフボールが製造されるが、カバー材料を適用する前に、他の材料および層が、二重コアに適用されてもよい。
【0080】
本発明の様々な実施形態が説明されてきたが、説明は、限定的ではなく、例示的であることが意図され、本発明の範囲内にある多くのさらなる実施形態および実装例が可能であることが、当業者に明らかであろう。さらに、本明細書において特に限定されない限り、本明細書に説明または記載される任意の実施形態の任意の要素が、本明細書に記載される任意の他の実施形態に使用され得るかまたは使用するように構成され得る。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物を考慮することを除いて限定されるものではない。また、様々な変更および変形が、添付の特許請求の範囲内で行われ得る。