特許第6069492号(P6069492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069492
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】C型肝炎ウイルス阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20170123BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20170123BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 31/695 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 31/7056 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 38/21 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 47/50 20170101ALI20170123BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   C07D405/14
   C07F7/10 S
   A61K31/496
   A61K31/695
   A61K31/7056
   A61K37/66 G
   A61K45/00
   A61K47/48
   A61P31/14
【請求項の数】27
【全頁数】88
(21)【出願番号】特願2015-509101(P2015-509101)
(86)(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公表番号】特表2015-515494(P2015-515494A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013037934
(87)【国際公開番号】WO2013163270
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】61/637,956
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/773,977
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514190040
【氏名又は名称】セラヴァンス バイオファーマ アール&ディー アイピー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マッキネル, ロバート マレー
(72)【発明者】
【氏名】ロング, ダニエル ディー.
【審査官】 榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/094977(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/091417(WO,A1)
【文献】 特表2013−544812(JP,A)
【文献】 特表2014−532716(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/165796(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化70】

または式(II)の化合物、
【化71】

またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であって、式中、
式(II)の破線で示される結合は、存在しても、存在しなくてもよく、
Wは、
【化72】

から選択され、
Gは、
【化73】

であり、
は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、フェニル、C3〜6シクロアルキル、非芳香族複素環、およびヘテロアリールから選択され、ここで、C1〜6アルキルは、−ORアミノ、−SR非芳香族複素環、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されており、C1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、非芳香族複素環は、−OR、アミノ、もしくは−C(O)OC1〜6アルキルで、または1個もしくは2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されおり、
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され、
は、水素、C〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−C(O)NR、−C(O)C3〜6シクロアルキル、および−S(O)1〜3アルキルから選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、およびハロから選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、−OR、ハロ、−S(O)C1〜3アルキル、−S(O)1〜3アルキル、NR、−CN、および−C(O)NRから選択され、
は、独立に、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択され、
は、ハロ、C1〜3アルキル、およびC1〜3アルコキシから選択され、ここで、C1〜3アルキルおよびC1〜3アルコキシは、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで必要に応じて置換されており、
は、−ORで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルであり、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−NR、ヘテロアリール、非芳香族複素環、および−CH−ヘテロアリールから選択され、
ここで、
1〜6アルキルは、−OR、−NR、−NHC(O)C1〜3アルキル、−NHC(O)C3〜6シクロアルキル、および−NHC(O)OC1〜3アルキルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており、
1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、
任意のC3〜6シクロアルキルは、C1〜3アルキル、ハロ、−OR、および−CDから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、
任意の非芳香族複素環は、C1〜3アルキル、ハロ、−C(O)OC1〜3アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、−C(O)C3〜6シクロアルキル、−C(O)NHC1〜6アルキル、および−C(O)NHC3〜6シクロアルキルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、
ここで、任意の−C(O)C1〜6アルキルは、−NHC(O)OC1〜3アルキル、−ORまたは−NRで必要に応じて置換されており、
任意のヘテロアリールは、1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されており、
、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルから選択され、
10は、水素、ハロ、または、1個、2個、もしくは3個のハロで、もしくは−ORで置換されているC1〜3アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択され、
12は、水素であるか、またはR11およびR12は、一緒になって、−CH−を形成し、
は、−NHC(O)−または−C(O)NH−であり、
aは、0、1、または2であり、
bは、0、1または2である、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項2】
式(I)の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)の化合物が式(Ia)の化合物である、
【化74】

請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルが−ORで必要に応じて置換されており、
が、水素またはC1〜6アルキルであり、
が、水素1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
が、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキル、および1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されているC3〜4シクロアルキルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
式(I)の化合物が、式(Ib)の化合物である、
【化75】

請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
式(II)の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式(II)の化合物が、式(VIII)の化合物である、
【化76】

請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルが、−ORで必要に応じて置換されており、
が、水素またはC1〜6アルキルであり、
が、水素、C1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択され、Rが、水素またはC1〜3アルキルであり、
が、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択され、
が、メチルであり、
が、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキル、および1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されているC3〜4シクロアルキルから選択され、
およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、
aが、2であり、
bが、1である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式(II)の化合物が、式(IX)の化合物である、
【化77】

請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
が、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルが、−ORで必要に応じて置換されており、
が、水素またはC1〜6アルキルであり、
が、水素、C1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択され、Rが、水素、C1〜3アルキル、または−ORであり、
が、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択され、
が、メチルであり、
が、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキル、および1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されているC3〜4シクロアルキルから選択され、
およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、
aが、2であり、
bが、1である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
C型肝炎ウイルス感染を処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤をさらに含む、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、およびHCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤から選択される、請求項14に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
療法において使用するための薬学的組成物であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項17】
哺乳動物におけるC型肝炎ウイルス感染の処置において使用するための薬学的組成物であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項18】
1種または複数種の他の治療剤と組み合わせて使用するための、請求項17に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
哺乳動物におけるC型肝炎ウイルスの複製の阻害において使用するための薬学的組成物であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項21】
HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される1種または複数種の他の治療剤と組み合わせて使用するための、請求項20に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法のための薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含み、前記方法は、前記薬学的組成物を前記哺乳動物に投与することを含む、薬学的組成物。
【請求項23】
前記方法は、C型肝炎ウイルス感染を処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を投与することをさらに含む、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される、請求項23に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法のための薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含み、前記方法は、前記薬学的組成物を前記哺乳動物に投与することを含む、薬学的組成物。
【請求項26】
前記方法は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を、前記哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される、請求項26に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製の阻害剤として有用な化合物を対象とする。本発明はまた、このような化合物を含む薬学的組成物、HCV感染を処置するためにこのような化合物を使用する方法、ならびにこのような化合物を調製するのに有用なプロセスおよび中間体を対象とする。
【背景技術】
【0002】
(最新技術)
最近の推定によると、世界中でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している人の数は、米国における300万人を含めて、1億7000万人超とされている。感染率は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染率のおよそ4〜5倍であると考えられる。ある個人においては天然の免疫応答によってウイルスを克服することができる一方、たいていの場合、慢性感染が確立され、肝硬変および肝細胞癌を発症する危険性の上昇がもたらされる。したがって、C型肝炎による感染は、重大な公衆衛生の問題を提示する。
【0003】
2011年半ば以前に、HCVに対する認められた標準治療は、リバビリンと一緒に、体の免疫応答を増強することによって作用すると考えられるペグ化インターフェロンの使用を伴っていた。残念ながら、処置の過程は長期に亘り、典型的には48週間であり、うつ、インフルエンザ様症状、疲労、および溶血性貧血を含めた重症の有害な副作用を伴うことが多く、50%までの患者において無効である。2011年半ばにおいて、米国で、2種のHCVプロテアーゼ阻害剤が、インターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて使用されることが承認された。より良好な治癒率が報告されてきたが、療法の過程はまだ長期に亘り、望ましくない副作用を伴う。したがって、HCV処置において重大な未だ対処されていない必要性が依然として存在する。
【0004】
HCV感染に関与するウイルスは、フラビウイルス科に属するプラス鎖RNAウイルスとして同定されてきた。HCVゲノムは、ウイルスの生活環の間に、構造タンパク質および非構造タンパク質の両方を含めた10の個々のタンパク質に切断されるポリタンパク質をコードする。NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、およびNS5Bと表される6つの非構造タンパク質は、RNA複製のために必要であることが示されてきた。特に、NS5Aタンパク質は、ウイルス複製において、および宿主細胞の生理学のモジュレーションにおいて重大な役割を果たしているように思われる。インターフェロンシグナル伝達、細胞増殖およびアポトーシスのレギュレーションに対するNS5Aの作用はまた、同定されてきた。(Macdonaldら、Journal of General Virology(2004年)、85巻、2485〜2502頁)。NS5Aタンパク質の機能を阻害する化合物は、HCV療法に対する新規アプローチを提供することが期待されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Macdonaldら、Journal of General Virology(2004年)、85巻、2485〜2502頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
一態様において、本発明は、HCVウイルスの複製を阻害する新規化合物を提供する。
【0007】
したがって、本発明は、式(I)の化合物
【0008】
【化1】
【0009】
または式(II)の化合物、
【0010】
【化2】
【0011】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を提供し、式中、
式(II)において破線で示される結合は、存在しても、存在しなくてもよく、
Wは、
【0012】
【化3】
【0013】
から選択され、
Gは、
【0014】
【化4】
【0015】
であり、
は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、フェニル、C3〜6シクロアルキル、複素環、およびヘテロアリールから選択され、ここで、C1〜6アルキルは、−OR、アミノ、−SR、複素環、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されており、C1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、複素環は、−OR、アミノ、もしくは−C(O)OC1〜6アルキルで、または1個もしくは2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されており、
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−C(O)NR、−C(O)C3〜6シクロアルキル、および−S(O)1〜3アルキルから選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、およびハロから選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、−OR、ハロ、−S(O)C1〜3アルキル、−S(O)1〜3アルキル、NR、−CN、および−C(O)NRから選択され、
は、独立に、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択され、
は、ハロ、C1〜3アルキル、およびC1〜3アルコキシから選択され、ここで、C1〜3アルキルおよびC1〜3アルコキシは、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで必要に応じて置換されており、
は、−ORで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルであり、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−NR、ヘテロアリール、複素環、および−CH−ヘテロアリールから選択され、
ここで、
1〜6アルキルは、−OR、−NR、−NHC(O)C1〜3アルキル、−NHC(O)C3〜6シクロアルキル、および−NHC(O)OC1〜3アルキルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており、
1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、
任意のC3〜6シクロアルキルは、C1〜3アルキル、ハロ、−OR、および−CDから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、
任意の複素環は、C1〜3アルキル、ハロ、−C(O)OC1〜3アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、−C(O)C3〜6シクロアルキル、−C(O)NHC1〜6アルキル、および−C(O)NHC3〜6シクロアルキルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、
ここで、任意の−C(O)C1〜6アルキルは、−NHC(O)OC1〜3アルキル、−ORまたは−NRで必要に応じて置換されており、
任意のヘテロアリールは、1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されており、
、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルから選択され、
10は、水素、ハロ、または、1個、2個、もしくは3個のハロで、もしくは−ORで置換されているC1〜3アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択され、
12は、水素であるか、またはR11およびR12は、一緒になって、−CH−を形成し、
は、−NHC(O)−または−C(O)NH−であり、
aは、0、1、または2であり、
bは、0、1または2である。
【0016】
本明細書において以下で使用する場合、「式(I)の化合物」という語句は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を意味し、すなわち、この語句は、特に示さない限り、遊離塩基の形態または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物を意味し、「式(II)の化合物」に対しても同様である。
【0017】
本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物、薬学的に許容される担体、およびC型肝炎ウイルス感染を処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0018】
本発明はまた、哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物または薬学的組成物を投与することを含む。さらに、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物または薬学的組成物、およびC型肝炎ウイルス感染を処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を投与することを含む。さらに、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法を提供し、この方法は、本発明の化合物または薬学的組成物を投与することを含む。
【0019】
別々および別個の態様において、本発明はまた、本発明の化合物を調製するのに有用な、本明細書に記載されている合成プロセスおよび中間体を提供する。
【0020】
本発明はまた、医学療法において使用するための本明細書に記載の本発明の化合物、および哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置するための製剤または医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式(I)の化合物
【化70】

または式(II)の化合物、
【化71】

またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であって、式中、
式(II)の破線で示される結合は、存在しても、存在しなくてもよく、
Wは、
【化72】

から選択され、
Gは、
【化73】

であり、
は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、フェニル、C3〜6シクロアルキル、複素環、およびヘテロアリールから選択され、ここで、C1〜6アルキルは、−ORアミノ、−SR、複素環、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されており、C1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、複素環は、−OR、アミノ、もしくは−C(O)OC1〜6アルキルで、または1個もしくは2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されおり、
は、水素およびC1〜6アルキルから選択され、
は、水素、C〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−C(O)NR、−C(O)C3〜6シクロアルキル、および−S(O)1〜3アルキルから選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、およびハロから選択され、Rは、水素、C1〜6アルキル、−OR、ハロ、−S(O)C1〜3アルキル、−S(O)1〜3アルキル、NR、−CN、および−C(O)NRから選択され、
は、独立に、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択され、
は、ハロ、C1〜3アルキル、およびC1〜3アルコキシから選択され、ここで、C1〜3アルキルおよびC1〜3アルコキシは、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで必要に応じて置換されており、
は、−ORで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルであり、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−NR、ヘテロアリール、複素環、および−CH−ヘテロアリールから選択され、
ここで、
1〜6アルキルは、−OR、−NR、−NHC(O)C1〜3アルキル、−NHC(O)C3〜6シクロアルキル、および−NHC(O)OC1〜3アルキルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており、
1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、
任意のC3〜6シクロアルキルは、C1〜3アルキル、ハロ、−OR、および−CDから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、任意の複素環は、C1〜3アルキル、ハロ、−C(O)OC1〜3アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、−C(O)C3〜6シクロアルキル、−C(O)NHC1〜6アルキル、および−C(O)NHC3〜6シクロアルキルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、
ここで、任意の−C(O)C1〜6アルキルは、−NHC(O)OC1〜3アルキル、−ORまたは−NRで必要に応じて置換されており、
任意のヘテロアリールは、1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されており、
、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルから選択され、
10は、水素、ハロ、または、1個、2個、もしくは3個のハロで、もしくは−ORで置換されているC1〜3アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択され、
は、−NHC(O)−または−C(O)NH−であり、
aは、0、1、または2であり、
bは、0、1または2である、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
(項目2)
式(I)の化合物である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
式(I)の化合物が式(Ia)の化合物である、
【化74】

項目2に記載の化合物。
(項目4)
が、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルが−ORで必要に応じて置換されており、
が、水素またはC1〜6アルキルであり、
が、水素(hdyrogen)、C1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択される、項目3に記載の化合物。
(項目5)
が、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択される、項目3に記載の化合物。
(項目6)
が、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキル、および1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されているC3〜4シクロアルキルから選択される、項目3に記載の化合物。
(項目7)
式(I)の化合物が、式(Ib)の化合物である、
【化75】

項目2に記載の化合物。
(項目8)
式(II)の化合物である、項目1に記載の化合物。
(項目9)
式(II)の化合物が、式(VIII)の化合物である、
【化76】

項目8に記載の化合物。
(項目10)
が、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルが、−ORで必要に応じて置換されており、
が、水素またはC1〜6アルキルであり、
が、水素、C1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択され、Rが、水素またはC1〜3アルキルであり、
が、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択され、
が、メチルであり、
が、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキル、および1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されているC3〜4シクロアルキルから選択され、
aが、2であり、
bが、1である、項目9に記載の化合物。
(項目11)
式(II)の化合物が、式(IX)の化合物である、
【化77】

項目8に記載の化合物。
(項目12)
が、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルが、−ORで必要に応じて置換されており、
が、水素またはC1〜6アルキルであり、
が、水素、C1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択され、Rが、水素、C1〜3アルキル、または−ORであり、
が、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択され、
が、メチルであり、
が、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキル、および1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されているC3〜4シクロアルキルから選択され、
aが、2であり、
bが、1である、項目11に記載の化合物。
(項目13)
項目1から12のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
(項目14)
C型肝炎ウイルス感染を処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤をさらに含む、項目13に記載の薬学的組成物。
(項目15)
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、およびHCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤から選択される、項目14に記載の薬学的組成物。
(項目16)
療法において使用するための、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
哺乳動物におけるC型肝炎ウイルス感染の処置において使用するための、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
1種または複数種の他の治療剤と組み合わせて使用するための、項目17に記載の化合物。
(項目19)
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される、項目18に記載の化合物。
(項目20)
哺乳動物におけるC型肝炎ウイルスの複製の阻害において使用するための、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目21)
HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される1種または複数種の他の治療剤と組み合わせて使用するための、項目20に記載の化合物。
(項目22)
哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法であって、前記哺乳動物に、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を投与することを含む方法。
(項目23)
C型肝炎ウイルス感染を処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を投与することをさらに含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される、項目23に記載の方法。
(項目25)
哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法であって、前記哺乳動物に、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を投与することを含む方法。
(項目26)
哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を、前記哺乳動物に投与することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記1種または複数種の他の治療剤が、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される、項目26に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
他の態様の中で、本発明は、式(I)のHCV複製の阻害剤、その薬学的に許容される塩、およびこれらの調製のための中間体を提供する。下記の置換基および値は、本発明の様々な態様の代表例を提供することを意図する。これらの代表値は、このような態様をさらに定義することを意図し、他の値を除外することも本発明の範囲を制限することも意図しない。
【0022】
特定の態様において、Rは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、フェニル、C3〜6シクロアルキル、複素環、およびヘテロアリールから選択され、ここで、C1〜6アルキルは、−OR、アミノ、−SR、複素環、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されており、C1〜6アルコキシは、−ORで必要に応じて置換されており、複素環は、−OR、アミノ、もしくは−C(O)OC1〜6アルキルで、または1個もしくは2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されている。
【0023】
別の特定の態様において、Rは、C1〜6アルキル、フェニル、および複素環から選択され、ここで、C1〜6アルキルは、−ORで必要に応じて置換されており、複素環は、6個の環原子を有し、−ORもしくはアミノで、または1個もしくは2個のメチルで必要に応じて置換されている。
【0024】
別の特定の態様において、Rは、C1〜6アルキル、フェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択され、ここで、C1〜6アルキルは、−ORで必要に応じて置換されており、ここで、Rは、水素またはC1〜3アルキルである。
【0025】
特定の態様において、Rは、C1〜3アルキルである。
【0026】
別の特定の態様において、Rは、イソプロピルである。
【0027】
また別の特定の態様において、Rは、フェニルである。
【0028】
さらに別の特定の態様において、Rは、テトラヒドロピラニルである。
【0029】
さらに別の特定の態様において、Rは、テトラヒドロピラン−4−イルである。
【0030】
特定の態様において、Rは、水素またはC1〜6アルキルである。
【0031】
他の特定の態様において、Rは、水素もしくはC1〜3アルキルであるか、またはRは、水素である。
【0032】
特定の態様において、Rは、水素、C1〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−C(O)NR、−C(O)C3〜6シクロアルキル、および−S(O)1〜3アルキルから選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成する。
【0033】
別の特定の態様において、Rは、水素、C1〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−C(O)NR、−C(O)C3〜6シクロアルキル、および−S(O)1〜3アルキルから選択される。
【0034】
別の特定の態様において、Rは水素、C1〜6アルキル、および−C(O)OC1〜6アルキルから選択される。
【0035】
また別の特定の態様において、Rは、−C(O)OC1〜3アルキルである。
【0036】
特定の態様において、Rは、C1〜6アルキルであり、Rは、水素である。そして、Rは、−C(O)OC1〜6アルキルである。
【0037】
別の特定の態様において、Rは、イソプロピルであり、Rは、水素であり、Rは、−C(O)OCHである。
【0038】
また他の特定の態様において、Rは、フェニルであり、RおよびRは、それぞれC1〜3アルキルであるか、またはRはフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、−C(O)OC1〜3アルキルであるか、またはRは、テトラヒドロピラニルであり、Rは、水素であり、Rは、−C(O)OC1〜3アルキルである。
【0039】
特定の態様において、Rは、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、およびハロから選択される。
【0040】
特定の態様において、Rは、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルである。
【0041】
別の特定の態様において、Rは、C1〜6アルキルである。
【0042】
別の特定の態様において、Rは、C3〜6シクロアルキルである。
【0043】
別の特定の態様において、Rは、メチルまたはシクロプロピルである。
【0044】
特定の態様において、Rは、水素、C1〜6アルキル、−OR、ハロ、−S(O)C1〜3アルキル、−S(O)1〜3アルキル、NR、−CN、および−C(O)NRから選択される。
【0045】
別の特定の態様において、Rは、水素、C1〜6アルキル、および−ORから選択される。
【0046】
特定の態様において、Rは、水素またはC1〜3アルキルである。
【0047】
別の特定の態様において、Rは、メチルである。
【0048】
特定の態様において、Rは、水素、C1〜6アルキル、およびハロから独立に選択される。
【0049】
別の特定の態様において、Rは、水素またはC1〜3アルキルである。
【0050】
別の特定の態様において、Rは、メチルである。
【0051】
特定の態様において、Rは、ハロ、C1〜3アルキル、およびC1〜3アルコキシから選択され、ここで、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシは、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで必要に応じて置換されている。
【0052】
別の特定の態様において、Rは、ハロ、C1〜3アルキル、およびC1〜3アルコキシから選択され、ここで、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシは、1個、2個、または3個のハロで置換されている。
【0053】
また別の特定の態様において、Rは、フルオロ、クロロ、−CF、および−OCFから選択される。
【0054】
特定の態様において、Rは、−ORで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルであり、ここで、Rは、水素またはC1〜3アルキルである。
【0055】
特定の態様において、Rは、C1〜3アルキルである。
【0056】
別の特定の態様において、Rは、メチルである。
【0057】
特定の態様において、Rは、式(I)および(II)と同様に定義される。
【0058】
別の特定の態様において、Rは、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−NR、ヘテロアリール、および複素環から選択され、ここで、任意のヘテロアリールまたは複素環は、5個または6個の環原子を有し、C1〜6アルキルは、−OR、−NR、−NHC(O)C1〜3アルキル、および−NHC(O)OC1〜3アルキルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており、任意のC3〜6シクロアルキルは、C1〜3アルキルおよびハロから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されており、任意の複素環は、C1〜3アルキル、ハロ、−C(O)OC1〜3アルキル、−C(O)C1〜6アルキルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されており、ここで、任意の−C(O)C1〜6アルキルは、−NHC(O)OC1〜3アルキルまたは−ORで必要に応じて置換されている。
【0059】
また別の態様において、Rは、−ORで必要に応じて置換されているC1〜6アルキルから選択され、ここで、Rは、水素またはC1〜3アルキルであり、C3〜4シクロアルキルは、1個または2個のC1〜3アルキルで必要に応じて置換されている。
【0060】
またさらなる態様において、Rは、シクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、tert−ブチル、および3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルから選択される。
【0061】
特定の態様において、R10は、水素、ハロ、またはC1〜3アルキルであり、ここで、C1〜3アルキルは、1個、2個、もしくは3個のハロで、または−ORで必要に応じて置換されている。
【0062】
特定の態様において、R10は、水素、ハロ、または、1個、2個、もしくは3個のハロで置換されているC1〜3アルキルである。
【0063】
他の特定の態様において、R10は、水素またはハロであるか、またはR10は水素、クロロ、またはフルオロである。
【0064】
別の特定の態様において、R10は、クロロである。
【0065】
また別の特定の態様において、R10は、水素である。
【0066】
特定の態様において、R11は、水素、C1〜6アルキル、およびハロから選択される。
【0067】
別の特定の態様において、R11は、水素またはC1〜6アルキルである。
【0068】
また別の特定の態様において、R11は、メチルである。
【0069】
特定の態様において、R12は、水素である。
【0070】
別の特定の態様において、R11およびR12は、一緒になって、−CH−を形成する。
【0071】
特定の態様において、aは、0、1、または2である。
【0072】
別の特定の態様において、aは、1または2である。
【0073】
特定の態様において、bは、0、1、または2である。
【0074】
他の特定の態様において、bは、1もしくは2であるか、またはbは、1である。
【0075】
一態様において、本発明は、式(Ia)の化合物を提供し、
【0076】
【化5】
【0077】
式中、式(Ia)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0078】
別の態様において、本発明は、式(Ib)の化合物を提供し、
【0079】
【化6】
【0080】
式中、式(Ib)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0081】
さらに別の態様において、本発明は、式(III)の化合物を提供し、
【0082】
【化7】
【0083】
式中、式(III)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0084】
また別の態様において、本発明は、式(IV)の化合物を提供し、
【0085】
【化8】
【0086】
式中、式(IV)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0087】
さらに別の態様において、本発明は、式(V)の化合物を提供し、
【0088】
【化9】
【0089】
式中、式(V)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0090】
別の態様において、本発明は、式(VI)の化合物を提供し、
【0091】
【化10】
【0092】
式中、式(VI)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0093】
別の態様において、本発明は、式(VII)の化合物を提供し、
【0094】
【化11】
【0095】
式中、式(VII)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0096】
さらなる態様において、本発明は、式(VIII)の化合物を提供し、
【0097】
【化12】
【0098】
式中、式(VIII)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0099】
またさらなる態様において、本発明は、式(IX)の化合物を提供し、
【0100】
【化13】
【0101】
式中、式(IX)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0102】
さらに別の態様において、本発明は、式(X)の化合物を提供し、
【0103】
【化14】
【0104】
式中、式(X)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0105】
さらなる別の態様において、本発明は、式(XI)の化合物を提供し、
【0106】
【化15】
【0107】
式中、式(XI)の可変基は、本明細書に定義されている通りである。
【0108】
一態様において、本発明は、以下の実施例1〜15および表1〜5の化合物を提供する。
【0109】
本明細書において使用される化学命名規則を、実施例1の化合物について例示する。
【0110】
【化16】
【0111】
これは、AutoNomソフトウェア(MDL Information Systems,GmbH、Frankfurt、Germany)によって実施されるように、IUPAC規則に従って、[(S)−1−((S)−2−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステルである。
【0112】
式(I)の構造内のイミダゾール部分は、実施例1の化合物のフラグメントについて以下に例示された互変異性形態で存在する。
【0113】
【化17-1】
【0114】
IUPAC規則に従うと、これらの表示は、イミダゾール部分の原子の異なる付番をもたらす。
【0115】
【化17-2】
【0116】
同様に、実施例8の化合物のフラグメントに対して例示された式(II)のナフトイミダゾール(napthimidazole)構造は、互変異性形態で存在する。
【0117】
【化18-1】
【0118】
これらもまた、異なる付番をもたらす。
【0119】
【化18-2】
【0120】
構造はある特定の形態で示されているか、または命名されているが、本発明はまた、その互変異性体も含むことを理解されたい。
【0121】
本発明の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有し、したがって、このような化合物(およびその中間体)は、ラセミ混合物;純粋な立体異性体(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー);立体異性体が富化された混合物などとして存在することができる。キラル中心において定義された立体配置を伴わない、本明細書において示されるかまたは命名されたキラル化合物は、他に示さない限り、定義されていない立体中心における任意または全ての可能性のある立体異性体の変形形態を含むことが意図される。特定の立体異性体を提示または命名することは、他に示さない限り、微量の他の立体異性体もまた存在し得るという了解のもとで、示された立体中心が、指定された立体配置を有することを意味するが、ただし、示されるかまたは命名された化合物の有用性は、別の立体異性体の存在によって排除されない。
【0122】
式(I)の化合物はまた、いくつかの塩基性基(例えば、アミノ基)を含有し、したがって、このような化合物は、遊離塩基として、または様々な塩の形態、例えば、モノプロトン化された塩の形態、ジプロトン化された塩の形態、トリプロトン化された塩の形態、もしくはこれらの混合物で存在することができる。全てのこのような形態は、他に示さない限り本発明の範囲内に含まれる。
【0123】
本発明はまた、式(I)の同位体標識化合物、すなわち、原子が、同じ原子番号を有するものの原子質量が天然で優勢である原子質量と異なる原子で置き換えられるか、または富化されている、式(I)の化合物を含む。式(I)の化合物に組み込み得る同位元素の例には、これらに限定されないが、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、36Cl、および18Fが含まれる。特に対象とするのは、トリチウムまたは炭素−14が富化された式(I)の化合物であり、この化合物を、例えば、組織分布研究において使用することができる。また特に対象とするのは、特に代謝の部位において重水素が富化された式(I)の化合物であり、この化合物は、より大きな代謝安定性を有することが予想される。さらに特に対象とするのは、ポジトロン放出同位体(11C、18F、15Oおよび13Nなど)が富化された式(I)の化合物であり、この化合物は、例えば、ポジトロン放出断層撮影(PET)研究において使用することができる。
【0124】
定義
その様々な態様および実施形態を含めて本発明を記載するときに、下記の用語は、他に示さない限り下記の意味を有する。
【0125】
「アルキル」という用語は、直鎖状もしくは分枝鎖状またはこれらの組合せでよい一価の飽和炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、このようなアルキル基は典型的には、1〜10個の炭素原子を含有する。代表的なアルキル基には、例として、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(n−Pr)または(nPr)、イソプロピル(i−Pr)または(iPr)、n−ブチル(n−Bu)または(nBu)、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(t−Bu)または(tBu)、n−ペンチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルペンチル、2−プロピルペンチルなどが含まれる。
【0126】
炭素原子の特定の数が特定の用語について意図されるとき、炭素原子の数は、用語に先行して示される。例えば、「C1〜3アルキル」という用語は、炭素原子が直鎖状または分枝鎖状の配置を含めた任意の化学的に許容される配置にある、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0127】
「アルコキシ」という用語は、一価の基−O−アルキルを意味し、アルキルは上記のように定義される。代表的なアルコキシ基には、例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどが含まれる。
【0128】
「シクロアルキル」という用語は、単環式であっても多環式であってもよい一価の飽和炭素環基を意味する。別段の定義がない限り、このようなシクロアルキル基は典型的には、3〜10個の炭素原子を含有する。代表的なシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル(cPr)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルなどが含まれる。
【0129】
「複素環」、「複素環式」、または「複素環式環」という用語は、計3〜10個の環原子を有する一価の飽和または部分不飽和の環状非芳香族基を意味し、環は、2〜9個の炭素環原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を含有する。複素環式基は、単環式であっても多環式(すなわち、縮合もしくは架橋したもの)であってもよい。代表的な複素環式基には、例として、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリル、インドリン−3−イル、2−イミダゾリニル、テトラヒドロピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、キヌクリジニル、7−アザノルボルナニル、ノルトロパニル(nortropanyl)などが含まれ、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素環原子に存在する。状況によって複素環式基の結合点が明らかである場合、このような基は代わりに、無価種、すなわち、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾール、テトラヒドロピランなどと称してもよい。
【0130】
「ヘテロアリール」または「ヘテロアリール環」という用語は、計5〜10個の環原子を有する一価の芳香族基を意味し、環は、1〜9個の炭素環原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を含有する。ヘテロアリール基は、単環式または多環式でよい。代表的なヘテロアリール基には、例として、ピロリル(pyrroyl)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリジル(または、同等に、ピリジニル)、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどが含まれ、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素環原子に存在する。状況によってヘテロアリール基の結合点が明らかである場合、このような基は代わりに、無価種、すなわちピロール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、イミダゾールなどと称してもよい。
【0131】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0132】
「治療有効量」という用語は、処置を必要としている患者に投与するときに、処置を達成するのに十分な量を意味する。
【0133】
「処置」という用語は、本明細書において使用する場合、下記の1つまたは複数
(a)疾患、障害、もしくは医学的状態が生じることを予防すること、すなわち、疾患もしくは医学的状態の再発を予防すること、または疾患もしくは医学的状態に罹患しやすい患者の予防的処置;
(b)疾患、障害、または医学的状態を寛解すること、すなわち、他の治療剤の作用を減殺することを含めた、患者における疾患、障害、または医学的状態を解消するか、またはその軽減をもたらすこと;
(c)疾患、障害、または医学的状態を抑制すること、すなわち、患者における疾患、障害、または医学的状態の発症を遅延または抑止すること;あるいは
(d)患者における疾患、障害、または医学的状態の症状を緩和すること
を含む、哺乳動物(特に、ヒト)などの患者における疾患、障害、もしくは医学的状態(C型肝炎ウイルス感染など)の処置を意味する。
【0134】
「薬学的に許容される塩」という用語は、患者または哺乳動物(ヒトなど)への投与に対して許容される塩(例えば、所与の投与計画について哺乳動物の許容される安全性を有する塩)を意味する。代表的な薬学的に許容される塩には、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エジシル酸、フマル酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルコロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オロト酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸およびキシナホ酸などの塩が含まれる。
【0135】
「その塩」という用語は、酸の水素が、カチオン(金属カチオンまたは有機カチオンなど)によって置き換えられるときに形成される化合物を意味する。例えば、カチオンは、式(I)の化合物のプロトン化した形態、すなわち、1個または複数のアミノ基が酸によってプロトン化されている形態であり得る。典型的には、塩は、薬学的に許容される塩であるが、これは患者への投与を意図しない中間化合物の塩については必要とされない。
【0136】
「アミノ保護基」という用語は、アミノ窒素における望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味する。代表的なアミノ保護基には、これらに限定されないが、ホルミル;アシル基、例えば、アルカノイル基(アセチルおよびトリ−フルオロアセチルなど);アルコキシカルボニル基(tertブトキシカルボニル(Boc)など);アリールメトキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)など);アリールメチル基(ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルなど);シリル基(トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)など)などが含まれる。多数の保護基、ならびにこれらの導入および除去は、T. W. GreeneおよびG. M. Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、New Yorkに記載されている。
【0137】
一般合成手順
本発明の化合物、およびその中間体は、市販または通例通りに調製した出発物質および試薬を使用して、下記の一般方法および手順によって調製することができる。下記スキームにおいて使用される置換基および可変基(例えば、R、R、R、Rなど)は、他に示さない限り、本明細書において他で定義したものと同じ意味を有する。さらに、他に示さない限り、酸性または塩基性の原子または官能基を有する化合物を使用してもよく、または塩として生成してもよい(場合によっては、特定の反応における塩の使用は、反応を行う前に、通例の手順を使用して、塩から非塩形態、例えば、遊離塩基への変換を必要とする)。
【0138】
本発明の特定の実施形態を、下記の手順において示すか、または記載し得るが、本発明の他の実施形態または態様はまた、このような手順を使用して、または当業者には公知の他の方法、試薬、および出発物質を使用することによって調製できることを当業者であれば理解するであろう。特に、本発明の化合物は、反応物が異なる順序で混合され、最終生成物を生成する途中の異なる中間体を提供する、種々のプロセス経路によって調製してもよいことを理解されたい。
【0139】
合成の1つの例示的方法において、式(1〜7)の化合物(式中、Aは−NHC(O)−と定義される)は、パラジウム触媒の存在下、鈴木カップリング反応で調製される(MiyauraおよびSuzuki、Chem. Rev.1995年、95巻、2457〜2483頁)。下記スキーム1Aに示されているように、カップリングパートナーのいずれかは、ボロネート部分を担持し得る。代わりに、ボロン酸試薬を、ボロネート試薬、例えば、スキーム1Aに描写されているピナコールボロネートの代わりに使用し得る。
【0140】
【化19】
【0141】
ここで、
【0142】
【化20】
【0143】
を表し、Pgはアミノ保護基を表す。次いで、鈴木カップリング反応により形成された、保護された中間体1−5を、例えば、酸で処理することによって脱保護し、化合物1−6を得て、これを、塩基の存在下で酸塩化物と反応させるか、またはアミド結合形成条件下でカルボン酸と反応させて、式1−7の本発明の化合物を調製する。カルボン酸試薬HO−C(O)−Rをアミド結合形成反応に使用する場合、カップリング剤、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)または当技術分野で公知の他のカップリング剤が、典型的に反応に含まれる。
【0144】
保護された中間体1−2が中間体1−2’によって置き換えられた場合、
【0145】
【化21】
【0146】
スキーム1Aの第1のステップでのボロネート1−1の鈴木カップリングが本発明の最終化合物を直接提供する。
【0147】
本発明の最終化合物を調製するための別の有用な順序を、スキーム1Bに例示する。
【0148】
【化22】
【0149】
ここで、Aと標識された環の窒素が保護基Pgを担持する保護された形態の鈴木カップリングパートナー1−1’または1−3’、および置換基Rを担持する中間体1−2’または1−4’を第1のステップで使用して、保護された中間体1−5’を形成する。保護された中間体1−5’を、(i)慣例的に脱保護し、次いで(ii)試薬HO−Gと反応させて、本発明の化合物を得る。
【0150】
ブロモ中間体1−2は、スキーム2に示されているように、例えば、アリールアミン2−1とフルオロピリジンカルボニルクロリド2−2とのアミドカップリング、その後の保護されたピペラジン2−4との反応によって調製され得る。
【0151】
【化23】
【0152】
代わりに、中間体1−2は、スキーム3に示されているように、アリールアミン2−1とカルボン酸中間体3−1との反応により調製することもできる。
【0153】
【化24】
【0154】
置換基Rを担持する中間体が、対応する保護された化合物から調製され得ることは、容易に理解される。例えば、ブロモ中間体1−2’は、中間体1−2を脱保護し、次いでスキーム1Aと同様に酸塩化物またはカルボン酸と反応させることによって調製され得る。
【0155】
中間体3−1の調製プロセスを以下のスキームにおいて示す。
【0156】
【化25】
【0157】
スキーム4での、中間体3−1を提供するためのフルオロニコチン酸4−1と保護されたピペラジン2−4との反応は典型的には、約−20℃より低い温度で、塩化イソプロピルマグネシウムを使用して行われる。
【0158】
スキーム1の鈴木反応において使用された中間体1−1および1−3は、例えば、スキーム5および6に示されているように調製することができる。
【0159】
【化26】
【0160】
試薬5−1(Xはブロモまたはクロロを表す)を、保護されたプロリンまたはピペリジンカルボン酸5−2と反応させて、中間体5−3を得て、これを過剰の酢酸アンモニウムの存在下で中間体5−4に変換する。閉環反応は、典型的には、約100℃〜約120℃の温度で、約4〜約24時間にわたって行われる。化合物1−3を得るために、典型的には、中間体5−4を脱保護し、試薬HO−Gとカップリングさせて、化合物1−3を得る。
【0161】
最後に、ボロネート中間体1−1を得るために、スキーム6に示されているように、パラジウム触媒の存在下で、中間体1−3をジボロネート6−1と反応させる。
【0162】
【化27】
【0163】
可変基Aが−C(O)NH−と定義されている式7−5の化合物を、上に記載したプロセスと類似のプロセスで調製する。式7−5の化合物の1つの例示的な調製プロセスを、スキーム7に示す。
【0164】
【化28】
【0165】
酸7−1およびアミノピリジン7−2をアミド結合形成条件下で反応させて、式7−3の保護された中間体を得て、次いでこれを脱保護し、スキーム1と同様に酸塩化物またはカルボン酸と反応させて、本発明の最終化合物を得る。
【0166】
スキーム7の中間体は、従来の合成反応により調製され得る。例えば、ビフェニル酸7−1は、ボロネート中間体1−1とブロモ−安息香酸エステルとの鈴木カップリング反応、これに続く酸への加水分解(示されていない)によりビフェニル酸7−1を得ることによって、調製され得る。
【0167】
【化29】
【0168】
代わりに、式7−5の化合物は、ボロネート中間体1−1と、スキーム1の中間体1−2と類似のブロモ中間体との鈴木カップリングにより調製され得る。
【0169】
式(II)の化合物は、例えばスキーム1およびスキーム8および以下の反応において、中間体1−1および1−3の代わりにナフトイミダゾールブロミドまたはボロネート試薬
【0170】
【化30】
【0171】
を使用して、類似の反応により調製され得る。
【0172】
本発明の代表的化合物またはそれへの中間体を調製するための特定の反応条件および他の手順に関する詳細を、下記の実施例において記載する。
【0173】
したがって、その方法の態様の1つにおいて、本発明は、上に記載されているスキームのプロセスおよびこれに対する変法ならびに以下に例示されるプロセスを提供する。
【0174】
この開示は、上および以下に記載したものなどの合成プロセスによって、あるいはヒトもしくは動物の体においてインビボで、またはインビトロで起こるものを含めた代謝過程によって調製されるとき、式(I)の化合物を包含することがさらに理解される。
【0175】
薬学的組成物
本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩は典型的には、薬学的組成物または製剤の形態で使用される。このような薬学的組成物は、これらに限定されないが、経口、経直腸、経膣、経鼻、吸入、局所(経皮的を含めた)および非経口の投与方法を含めた任意の許容される投与経路によって患者に投与され得る。
【0176】
したがって、その組成物の態様の1つにおいて、本発明は、薬学的に許容される担体または添加剤と、式(I)の化合物とを含む薬学的組成物を対象とし、上記定義のように、「式(I)の化合物」とは、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を意味する。必要に応じて、このような薬学的組成物は、必要に応じて他の治療剤および/または製剤化剤(formulating agent)を含有し得る。組成物およびその使用について考察するとき、「本発明の化合物」はまた、本明細書において「活性剤」と称してもよい。本明細書において使用する場合、「本発明の化合物」という用語は、式(I)および式(II)に包含される全ての化合物、ならびに、式(III)から式(XI)において具体化される種、ならびにその薬学的に許容される塩を含むことが意図される。
【0177】
本発明の薬学的組成物は典型的には、治療有効量の本発明の化合物を含有する。しかし、当業者であれば、薬学的組成物は、治療有効量超(すなわち、バルク組成物)、または治療有効量未満(すなわち、治療有効量を達成するための複数回投与のために設計された個々の単位用量)を含有し得ることを理解する。
【0178】
典型的には、このような薬学的組成物は、約0.1〜約95重量%の活性剤、好ましくは、約5〜約70重量%、より好ましくは約10〜約60重量%の活性剤を含有する。
【0179】
任意の従来の担体または添加剤を、本発明の薬学的組成物において使用し得る。特定の担体もしくは添加剤の選択、または担体もしくは添加剤の組合せは、特定の患者を処置するために使用する投与方法、または医学的状態もしくは病態のタイプによって決まる。これに関しては、特定の投与方法に適した薬学的組成物の調製は、十分に製薬技術における当業者の範囲内である。さらに、本発明の薬学的組成物において使用される担体または添加剤は市販されている。さらに例示するために、従来の製剤技術は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(2000年)およびH.C. Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(1999年)に記載されている。
【0180】
薬学的に許容される担体としての役割を果たすことができる材料の代表例には、これらに限定されないが、糖類(ラクトース、グルコースおよびスクロースなど);デンプン(トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなど);セルロース(微結晶性セルロースなど)、およびその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど);トラガカント粉末;モルト;ゼラチン;タルク;添加剤(カカオバターおよび坐剤ワックスなど);油(ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油など);グリコール(プロピレングリコールなど);ポリオール(グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなど);エステル(オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなど);寒天;緩衝剤(水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど);アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに薬学的組成物において用いられる他の無毒性の適合性物質が含まれる。
【0181】
薬学的組成物は典型的には、活性剤と、薬学的に許容される担体および1種または複数種の任意選択の成分とを徹底的におよび密接に混合またはブレンドすることによって調製される。次いで、このように得られた均一にブレンドされた混合物は、従来の手順および装置を使用して、錠剤、カプセル剤、丸剤などに成形または充填され得る。
【0182】
本発明の薬学的組成物は好ましくは、単位剤形にパッケージされる。「単位剤形」という用語は、患者への投与に適した物理的に個別の単位を意味する、すなわち、各単位は、単独で、または1種もしくは複数のさらなる単位と組み合わせて、所望の治療効果を生じさせるように計算された所定の量の活性剤を含有する。例えば、このような単位剤形は、非経口投与に適したカプセル剤、錠剤、丸剤など、または単位パッケージであり得る。
【0183】
一実施形態において、本発明の薬学的組成物は、経口投与に適している。経口投与のための適切な薬学的組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤の形態;または水性もしくは非水性液体中の溶液剤もしくは懸濁剤として;または水中油型もしくは油中水型の液体乳剤として;またはエリキシル剤もしくはシロップ剤などとして(それぞれは、活性成分として所定の量の本発明の化合物を含有する)でよい。
【0184】
固体剤形(すなわち、カプセル剤、錠剤、丸剤など)での経口投与を意図するとき、本発明の薬学的組成物は典型的には、活性剤、および1種または複数種の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムを含む。必要に応じてまたは代わりに、このような固体剤形はまた、充填剤または増量剤(デンプン、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸など);結合剤(カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど);保湿剤(グリセロールなど);崩壊剤(寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および/または炭酸ナトリウムなど);溶解遅延剤(パラフィンなど);吸収促進剤(第四級アンモニウム化合物など);湿潤剤(セチルアルコールおよび/またはモノステアリン酸グリセロールなど);吸収剤(カオリンおよび/またはベントナイトクレイなど);滑沢剤(タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、および/またはこれらの混合物など);着色剤;および緩衝剤を含み得る。
【0185】
離型剤、湿潤剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、保存剤および抗酸化剤がまた、本発明の薬学的組成物中に存在することができる。薬学的に許容される抗酸化剤の例には、水溶性抗酸化剤(アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);油溶性抗酸化剤(パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および金属キレート剤(クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)が含まれる。錠剤、カプセル剤、丸剤などのためのコーティング剤には、腸溶性コーティングのために使用されるもの、例えば、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸メタクリル酸エステルコポリマー、酢酸トリメリット酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが含まれる。
【0186】
例として、様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース;または他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/もしくはミクロスフィアを使用して、本発明の薬学的組成物をまた製剤して、活性剤の遅延放出または制御放出を実現し得る。さらに、本発明の薬学的組成物は、乳白剤を必要に応じて含有してもよく、活性成分を、消化管の特定の部分のみにおいてか、または優先的にその部分において、必要に応じて遅延した形式で放出するように製剤され得る。使用することができる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。活性剤はまた、適切な場合、上記の添加剤の1つまたは複数を有するマイクロカプセル化形態であってよい。
【0187】
経口投与のための適切な液体剤形には、例示として、薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。液体剤形は典型的には、活性剤および不活性賦形剤、例えば、水または他の溶剤、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含む。懸濁剤は、活性成分に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにこれらの混合物を含有し得る。
【0188】
本発明の化合物はまた、(例えば、静脈内、皮下、筋内または腹腔内注射によって)非経口的に投与することができる。非経口投与のために、活性剤を典型的には、例として、無菌水溶液、食塩水、低分子量アルコール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、植物性油、ゼラチン、脂肪酸エステル(オレイン酸エチルなど)などを含めて、非経口投与のための適切なビヒクルと混合する。非経口製剤はまた、1種または複数種の抗酸化剤、可溶化剤、安定剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤、または分散化剤を含有し得る。これらの製剤は、無菌の注射用媒体、滅菌剤、濾過、照射、または熱を使用することによって無菌にされ得る。
【0189】
代わりに、本発明の薬学的組成物は、吸入による投与のために製剤される。吸入による投与のための適した薬学的組成物は典型的には、エアゾールまたは粉末の形態である。このような組成物は一般に、周知の送達装置、例えば、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、ネブライザーまたは同様の送達装置を使用して投与される。
【0190】
加圧式容器を使用して吸入によって投与されるとき、本発明の薬学的組成物は典型的には、活性成分および適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体を含む。さらに、薬学的組成物は、本発明の化合物と、粉末吸入器における使用に適した粉末とを含む、(例えば、ゼラチンでできている)カプセル剤またはカートリッジの形態であってよい。適切な粉末基剤には、例として、ラクトースまたはデンプンが含まれる。
【0191】
本発明の化合物はまた、公知の経皮的な送達系および添加剤を使用して経皮的に投与することができる。例えば、活性剤は、浸透促進剤、例えば、プロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、アザシクロアルカン−2−オンなどと混合し、パッチまたは同様の送達系に組み込むことができる。ゲル化剤、乳化剤および緩衝液を含めたさらなる添加剤を、必要に応じてこのような経皮的な組成物中で使用し得る。
【0192】
以下の非限定的例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。
【0193】
経口用の固体剤形
本発明の化合物は、任意選択で加熱しながら、2以下のpHに酸性化したポリエチレングリコールに溶解させて、10%w/wまたは40%w/wの活性剤を含む溶液を形成する。溶液をスプレー乾燥させて、散剤を形成する。このように得られた散剤を、カプセル剤、例えばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル剤の中に充填し、1つのカプセル剤当たり、それぞれ14mgまたは56mgの単位投薬量の活性剤を得る。
【0194】
経口用液体製剤
本発明の化合物(100mg)をエタノール(5mL)、プロピレングリコール(10mL)、およびポリエチレングリコール(25mL)の混合物に加える。溶解が達成されたら、酸性化した蒸留水(100mLまで適量)を加えて、1mg/mLの活性剤の濃度で液体製剤を得る。
【0195】
脂肪乳剤製剤
本発明の化合物(10%)、オレイン酸(78%)ポリエチレングリコール(10%)、およびポリソルベート20(2%)w/wを含む脂肪乳剤製剤は、本発明の化合物を残りの成分の混合物に加えることによって形成される。
【0196】
脂肪乳剤製剤
本発明の化合物(10%)およびオレイン酸(90%)w/wを含む脂肪乳剤製剤は、本発明の化合物をオレイン酸に加えることによって形成される。
【0197】
マイクロエマルジョン製剤
本発明の化合物(1g)を、エタノール(2mL)、プロピレングリコール(2mL)、ポリエチレングリコール400(4mL)、およびポリエチレングリコール−15−ヒドロキシステアレート(4mL)の混合物に溶解させる。酸性化した蒸留水(100mLまで適量)を加えると、自己乳化マイクロエマルジョン製剤が形成される。
【0198】
有用性
本発明の化合物は、HCVレプリコンアッセイにおいてウイルス複製を阻害することが示されてきており、したがってC型肝炎ウイルス感染の処置に有用であることが予想される。
【0199】
したがって一態様において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容される担体および本発明の化合物を含む薬学的組成物を投与することを含む。
【0200】
本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法をさらに提供し、この方法は、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容される担体および本発明の化合物を含む薬学的組成物を投与することを含む。
【0201】
本発明の化合物は、HCVゲノムによってコードされるNS5Aタンパク質の機能を阻害することによって、ウイルス複製を阻害し得る。したがって、一態様において、本発明は、哺乳動物においてHCVのNS5Aタンパク質を阻害する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物または組成物を投与することを含む。
【0202】
HCV感染を処置するために使用されるとき、本発明の化合物は典型的には、他の形態の投与を使用し得るが、単一の1日用量でまたは1日当たりの複数回用量で経口的に投与される。用量毎に投与される活性剤の量、または1日当たりに投与される総量は典型的には、処置される状態、選択した投与経路、投与される実際の化合物およびその相対活性、個々の患者の年齢、体重、および反応、患者の症状の重症度などを含めた関連する状況を考慮して医師によって決定される。
【0203】
HCV感染を処置するのに適切な用量は、平均70kgのヒトについて、約5〜約300mg/日および約10〜約200mg/日の活性剤を含めて、約1〜約2000mg/日の活性剤の範囲である。
【0204】
併用療法
本発明の化合物はまた、同じ機序または異なる機序によって作用してHCVの処置を達成する1種または複数種の剤と組み合わせて使用され得る。併用療法に有用なクラスの剤には、これらに限定されないが、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、NS4Bタンパク質阻害剤、HCVウイルス侵入阻害剤、シクロフィリン(cyclophyllin)阻害剤、トール様受容体アゴニスト、熱ショックタンパク質の阻害剤、干渉RNA、アンチセンスRNA、HCV配列内リボソーム進入部位(IRES)阻害剤、チアゾリド、ヌクレオシド類似体(リバビリンおよび関連する化合物など)、インターフェロンおよび他の免疫調節剤、イノシン5’−モノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)阻害剤、ならびに他のNS5Aタンパク質阻害剤が含まれる。任意の他の機序によってHCV複製を阻害するように作用する剤をまた、本化合物と組み合わせて使用し得る。
【0205】
併用療法において使用し得るHCV NS3プロテアーゼ阻害剤には、これらに限定されないが、Incivek(登録商標)(テラプレビル、VX−950)、ボセプレビル(SCH−503034)、シメプレビル(TMC−435)、ナルラプレビル(SCH−900518)、バニプレビル(MK−7009)、ダノプレビル(ITMN−191、R−7227)、BI−201335、ABT−450/r、アスナプレビル(BMS−650032)、GS−9256、GS−9451、ソバプレビル(ACH−1625)、ACH−2684、BMS−605339、VX−985、PHX−1766、BMS−791325、IDX−320、およびMK−5172が含まれる。
【0206】
HCV NS5Bヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤の例には、これらに限定されないが、メリシタビン(RG7128)、IDX−184、ソホスブビル(GS−7977、PSI−7977)、PSI−7851、PSI−938、BMS−986094(INX−189、INX−08189)、RG7348、MK−0608、TMC−649128、HCV−796、およびALS−2200(VX−135)が含まれ、一方、非ヌクレオシドHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤には、これらに限定されないが、フィリブビル(PF−8685540)、テゴブビル(GS−9190)、VX−222、VX−759、セトロブビル(ANA−598)、ABT−072、ABT−333、BI−207127、BMS−791325、MK−3281、IDX−37、BMS−824393、TMC−647055が含まれる。
【0207】
抗ウイルス性、抗増殖性または免疫調節性作用を有する、α、β、ω、およびγインターフェロンを含めた多種多様のインターフェロンおよびペグ化インターフェロンを、本化合物と組み合わせることができる。代表例には、これらに限定されないが、Intron(登録商標)A(インターフェロン−α2b)、Actimmune(登録商標)(インターフェロン−γ−1b)、Alferon N、Advaferon(登録商標)、Roferon−A(インターフェロンα−2a)PegIntron(登録商標)(ペグインターフェロン−α2b)、Alfaferone、Pegasys(登録商標)(ペグインターフェロンα−2a)、Alfanative(インターフェロンα)、Zalbin(商標)(アルブインターフェロンα−2b)、Infergon(登録商標)(インターフェロンアルファコン−1)、Omega DUROS(登録商標)(ωインターフェロン)、Locteron(商標)(インターフェロンα)、PEG−rIL−29(ペグ化インターフェロンλ)、およびRebif(登録商標)(インターフェロンβ−1a)が含まれる。
【0208】
ヌクレオシド類似体抗ウイルス剤には、これらに限定されないが、リバビリン(Copegus(登録商標)、Rebetol(登録商標)、Virazole(登録商標))およびViramidine(タリバビリン)が含まれる。インターフェロンおよびリバビリンはまた、例えば、これらに限定されないが、Rebetron(登録商標)(インターフェロンα−2b/リバビリン)およびPegetron(登録商標)(ペグインターフェロンα−2b/リバビリン)を含むキットの形態で提供される。
【0209】
他の機序によって作用する有用な化合物には、これらに限定されないが、シクロフィリン阻害剤、例えば、DEB−025、SCY−635、NIM−811、ならびにシクロスポリンおよび誘導体;トール様受容体アゴニスト、例えば、レシキモド、IMO−2125、およびANA−773、HCVウイルス侵入阻害剤、例えば、civacir、チアゾリド、例えば、ニタゾキサニド、ならびに広域ウイルス阻害剤、例えば、イノシン−5’−モノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)阻害剤が含まれる。
【0210】
さらに、本発明の化合物は、NS5A阻害剤、例えば、ダクラタスビル(BMS−790052)、AZD−7295、PPI−461、PPI−1301、GS−5885、GSK2336805、ABT−267、ACH−2928、ACH−3102、EDP−239、IDX−719、MK−8742、またはPPI−668と組み合わせてもよい。
【0211】
したがって、別の態様において、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の処置において使用するための療法の組合せを提供し、組合せは、本発明の化合物と、HCVを処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤とを含む。例えば、本発明は、本発明の化合物と、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドおよび非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、インターフェロンおよびペグ化インターフェロン、シクロフィリン阻害剤、HCV NS5A阻害剤、ならびにリバビリンおよび関連するヌクレオシド類似体から選択される1種または複数種の剤とを含む組合せを提供する。したがって、また提供するのは、本発明の化合物と、HCVを処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤とを含む薬学的組成物である。
【0212】
さらに、方法の態様において、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物およびHCVを処置するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を投与することを含む。
【0213】
別の方法の態様において、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物およびC型肝炎ウイルスの複製を阻害するのに有用な1種または複数種の他の治療剤を投与することを含む。
【0214】
例えば、1つの方法の態様において、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物、インターフェロンまたはペグ化インターフェロン、およびリバビリンを投与することを含む。
【0215】
別の例示的な方法の態様において、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物、インターフェロンまたはペグ化インターフェロン、リバビリン、およびHCV NS3プロテアーゼ阻害剤を投与することを含む。
【0216】
さらに別の方法の態様において、本発明は、哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、本発明の化合物、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、およびリバビリンを投与することを含む。
【0217】
他の方法の態様において有用な、さらに他のすべての経口用併用療法は、例えば、本発明の化合物およびHCV NS3プロテアーゼ阻害剤;本発明の化合物およびHCV NS5Bヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤;本発明の化合物、HCV NS5Bヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、およびリバビリン;本発明の化合物、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、およびHCV NS5Bヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤;本発明の化合物、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤およびリバビリン;本発明の化合物、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、およびHCV NS5B非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤;ならびに本発明の化合物、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5B非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤およびリバビリンを含む。
【0218】
別の方法の態様において、本発明は、上記のような他の剤と組み合わせて本発明の化合物を使用する、哺乳動物においてC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法を提供する。
【0219】
併用療法において使用するとき、剤は、上記で開示したように、単一の薬学的組成物に製剤してもよく、または剤は、同じもしくは異なる投与経路によって同時にもしくは別々の時に投与される別々の組成物において提供されてもよい。別々に投与されるとき、剤は、所望の治療効果を提供するために、十分に時間的に近接して投与される。このような組成物は、別々にパッケージされ得るか、またはキットとして一緒にパッケージされ得る。キットにおける2種以上の治療剤は、同じ投与経路によって、または異なる投与経路によって投与し得る。
【0220】
最後に、本発明の化合物はまた、例えば、新規HCV NS5Aタンパク質阻害剤を発見するための、またはHCV複製の機序を明らかにするための研究ツールとして有用であり得る。
【0221】
本発明の化合物は、下記の実施例において記載するように、HCVレプリコンアッセイにおいてHCV複製の強力な阻害剤であることが示されてきた。
【実施例】
【0222】
下記の合成例および生物学的例を、本発明を例示するために提示するが、少しも本発明の範囲を限定するものとは解釈されるべきでない。下記の実施例において、下記の略語は、他に示さない限り下記の意味を有する。下記で定義されていない略語は、これらの一般に認められた意味を有する。
ACN=アセトニトリル
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA=N,N−ジメチルアセトアミド
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMP=1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン(デス−マーチンペルヨージナン)
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDC=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc=酢酸エチル
h=時間
HATU=N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCTU=2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート
HOAt=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
min=分
Pd(dppf)Cl=ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)ジパラジウム(II)
Pd(PPh=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
MTBE=メチルtert−ブチルエーテル
RT=室温
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
ビス(ピナコラト)ジボロン=4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル]。
【0223】
試薬および溶媒は、商業的供給業者(Aldrich、Fluka、Sigmaなど)から購入し、それ以上精製することなく使用した。他に断らない限り、反応を窒素雰囲気下にて行った。反応混合物の進行を、薄層クロマトグラフィー(TLC)、分析的高速液体クロマトグラフィー(分析的HPLC)、および質量分析法によってモニターした。反応混合物を、各反応において具体的に記載する通りに後処理した。一般に、これらは、抽出および他の精製方法、例えば、温度依存性および溶媒依存性結晶化、ならびに沈殿によって精製した。さらに、反応混合物を、典型的にはC18またはBDSカラムパッキングおよび従来の溶離液を使用して、通例通りに分取HPLCによって精製した。典型的な分取HPLC条件を下に記載する。
【0224】
反応生成物の特性決定は、質量分析法およびH−NMR分光測定によって通例通りに行った。NMR分析については、試料を重水素化溶媒(CDOD、CDCl、またはd−DMSOなど)に溶解させ、H−NMRスペクトルを、標準的観察条件下でVarian Gemini2000機器(400MHz)で得た。化合物の質量分析による同定を、Applied Biosystems(Foster City、CA)モデルAPI150EX機器またはAgilent(Palo Alto、CA)モデル1200LC/MSD機器でエレクトロスプレーイオン化法(ESMS)によって行った。
【0225】
一般分取HPLC条件
カラム:C18、5μm、21.2×150mmまたはC18、5μm、21×250またはC14、21×150
カラム温度:室温
流量:20.0mL/分
移動相:A=水+0.05%TFA
B=ACN+0.05%TFA
注入量:(100〜1500μL)
検出器波長:214nm。
【0226】
粗化合物を、約50mg/mLで1:1の水:酢酸に溶解させた。2.1×50mmのC18カラムを使用した4分の分析スケールの試験操作を行い、それに続いて分析スケールの試験操作のB%保持に基づいた勾配を伴う、100μLの注入を使用した15分または20分の分取スケールの操作を行った。正確な勾配は、試料に依存した。僅差の不純物を有する試料を、最良の分離のために21×250mmのC18カラムおよび/または21×150mmのC14カラムでチェックした。所望の生成物を含有する画分を、質量分光測定分析によって同定した。
【0227】
超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)条件
機器 Thar80
カラム: AD5μm 30×250mm
カラム温度: 38℃
ノズル圧力: 100バール
ノズル温度: 60℃
エバポレーター温度: 20℃
トリマー温度 25℃
注入量: (100〜1500μL)
検出器波長: 220nm。
【0228】
調製1:4−(4−ブロモ−フェニル)−2−((S)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)−1H−イミダゾール
【0229】
【化31】
【0230】
(a)(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル
塩化チオニル(47g、393mmol)を、無水メタノール(200mL)中の(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(40g、0.31mol)の撹拌溶液に0℃にて滴下で添加した。反応を一晩進行させ、濃縮し、表題中間体(50g)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ (ppm) 4.56 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.41(m, 1H), 3.28 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 2.22 (m, 1H)。
(b)(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
前のステップの生成物(1g、6.89mmol)のDCM(500mL)溶液に、トリエチルアミン(68.8g)および二炭酸ジ−tert−ブチル(74.2g、0.34mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、1MのHCl(50mL)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題中間体を得た(45g)。H NMR(400 MHz, CDCl): δ(ppm) 4.44 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.56 (m, 1H), 3.43〜3.53 (m, 1H), 2.25〜2.30 (m, 2H), 2.03 (m, 1H), 1.35〜1.44 (m, 9H)。
(c)(S)−4−オキソ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
前のステップの生成物(45g、0.18mol)のDCM(500mL)溶液に、クロロクロム酸ピリジニウム(77.6g、0.36mol)を少しずつ加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、セライト(登録商標)を通して濾過した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中20%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(20g、46%収率)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl): δ(ppm) 4.72(m, 1H), 3.87〜3.90 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 2.88〜2.99 (m, 1H), 2.56 (m, 1H), 1.42 (s, 9H)。
(d)(S)−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−2,5−ジヒドロ−ピロール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
1Mのヘキサメチルジシラザンナトリウム(41.1mL、41.10mmol)の撹拌溶液に、乾燥THF(80mL)中の前のステップの生成物(10g、41.10mmol)の撹拌溶液を−78℃にて、N下で加えた。反応混合物を−78℃にて30分間撹拌し、次いでN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(15.4g、43.16mmol)のTHF(100mL)溶液を滴下で添加し、混合物をさらに2時間撹拌した。反応をNaHCO(水性)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中2%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(3.5g、23%収率)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl): δ(ppm) 5.73 (m, 1H), 5.00〜5.07 (m, 1H), 4.24〜4.39 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 1.42〜1.47 (m, 9H)。
(e)(S)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
前のステップの生成物(3.5g、9.33mmol)のジオキサン(50mL)溶液に、メチルボロン酸(1.12g、18.66mmol)、NaCO(9.33mL、18.66mmol、2M)およびPd(PPh(1.08g、0.93mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で2時間加熱還流させ、室温に冷却し、濾過し、濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中2%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(1.4g、62%収率)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl): δ(ppm) 5.28〜5.35(m, 1H), 4.86〜4.88 (m, 1H), 4.02〜4.15(m, 2H), 3.71 (s, 3H), 1.76 (s, 3H), 1.40〜1.46 (m, 9H)。
(f)(S)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
前のステップの生成物(1.4g、5.80mmol)のTHF:水(2:1、30mL)溶液に、水酸化リチウム(730mg、17.4mmol)水溶液を加えた。混合物を、窒素下で、室温で一晩撹拌し、1NのHClでpH2に調節し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題中間体(1.3g)を得た。
(g)(S)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1,2−ジカルボン酸2−[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]エステル1−tert−ブチルエステル
前のステップの生成物(1.3g、5.72mmol)のACN(30mL)溶液に、ジエチルアミン(2.22g、17.16mmol)および2−ブロモ−1−(4−ブロモ−フェニル)−エタノン(2.38g、8.58mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAc:水(1:1、100mL)で希釈した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題中間体(2.4g)を得た。
(h)(S)−2−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
前のステップの生成物(2.4g、5.66mmol)のトルエン(40mL)溶液に酢酸アンモニウム(8.72g、112mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で一晩加熱還流させ、濃縮し、残渣をEtOAc(50mL)およびHO(50mL)に溶解させた。水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機画分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中10%〜50%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(1.4g、61%収率)を得た。(m/z):C1922BrNの[M+H]の計算値404.09、406.09、実測値404.1、406.1。
(i)4−(4−ブロモ−フェニル)−2−((S)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)−1H−イミダゾール
DCM(10mL)中の前のステップの生成物(1.4g、3.46mmol)の冷却(0℃)溶液に、HCl/ジオキサン(10mL)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、表題中間体(1g)を得た。m/z):C1414BrNの[M+H]の計算値304.04、306.04、実測値304.0、306.0。
【0231】
調製2:(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸
【0232】
【化32】
【0233】
メチルクロロホルメート(14.5mL、0.188mol)を、水(200mL)中の、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(20.0g、0.171mol)、NaOH(6.80g、0.171mol)および炭酸ナトリウム(18.1g、0.171mol)の冷却した(0〜6℃)混合物に、15分にわたり加えた。冷却槽を除去し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。濃HCl水溶液(30mL)を反応混合物に加えて、pHを約1に調節した。固体が形成され、混合物を90分間撹拌した。混合物を濾過し、固体を40℃にて一晩減圧下で乾燥させ、表題中間体(27.8g、93%収率)を得た。H NMR (CDOD, 400 MHz) δ (ppm) 4.87 (br. s, 2H), 4.05 (d, J = 5.49, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 2.25−2.05 (m, 1 H), 0.98 (d, J = 6.87, 3 H), 0.94 (d, J = 6.87, 3 H)。
【0234】
調製3:((S)−1−{(S)−2−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0235】
【化33】
【0236】
4−(4−ブロモ−フェニル)−2−((S)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)−1H−イミダゾール(1.10g、3.62mmol)のDCM(50mL)溶液に、DIPEA(2.34g、18.1mmol)、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(761mg、4.34mmol)およびHATU(1.65g、4.34mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中10%〜50%のEtOAc)によって精製し、所望の生成物を得て、これを超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)[移動相A:超臨界CO、B相:メタノール+0.05%ジエチルアミン;流量:80mL/分]によって精製し、表題中間体(750mg、45%収率)を得た。m/z):C2125BrNの[M+H]の計算値461.11、463.11、実測値461.1。
【0237】
調製4:[(S)−2−メチル−1−((S)−4−メチル−2−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0238】
【化34】
【0239】
((S)−1−{(S)−2−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(520mg、1.13mmol)のジオキサン(20mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(430mg、1.69mmol)、酢酸カリウム(222mg、2.26mmol)およびPd(dppf)Cl(92mg、0.113mmol)を加えた。混合物を窒素下で90℃にて一晩加熱し、濾過し、濾液を水(50mL)およびEtOAc(50mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。このように得られた材料を、同じプロセスで1.62mmolスケールで調製した別個のバッチの生成物と合わせ、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中20%〜50%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(750mg、54%収率)を得た。m/z):C2737BNの[M+H]の計算値509.29、実測値509.4。H NMR (400 MHz, CDOD): δ(ppm) 7.70 (m, 2H), 7.62 (m, 2H), 7.31 (s, 1H), 5.79 (m, 1H), 5.47 (m, 1H), 4.56 (m, 2H), 3.63 (s, 3H), 1.95 (m, 1H), 1.86 (s, 3H), 1.33 (s, 9H), 0.87 (m, 6H)。
【0240】
調製5:4−(4−ブロモ−フェニル)−2−((S)−4−シクロプロピル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)−1H−イミダゾール
【0241】
【化35】
【0242】
調製1のステップ(e)において、メチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を使用して、調製1のステップ(e)から(i)のプロセスに従い、表題中間体を調製した。m/z):C1616BrNの[M+H]の計算値330.05、332.05、実測値330.0、332.1。
【0243】
調製6:((S)−1−{(S)−2−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−シクロプロピル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0244】
【化36】
【0245】
4−(4−ブロモ−フェニル)−2−((S)−4−シクロプロピル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)−1H−イミダゾール(1.8g、5.45mmol)のDCM(30mL)溶液に、DIPEA(3.52g、27.25mmol)、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(1.14g、6.54mmol)およびHATU(2.49g、6.54mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。このように得られた材料を同じプロセスで、0.61mmolスケールで調製した別個のバッチの生成物と合わせ、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中20%〜50%のEtOAc)によって精製し、所望の生成物を得て、これをSFC分離によって精製し、表題中間体(800mg、30%収率)を得た。m/z):C2327BrNの[M+H]の計算値487.13、489.12、実測値487.1。
【0246】
調製7:[(S)−1−((S)−4−シクロプロピル−2−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0247】
【化37】
【0248】
((S)−1−{(S)−2−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−シクロプロピル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(800mg、1.64mmol)のジオキサン(30mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(322mg、3.28mmol)、酢酸カリウム(322mg、3.28mmol)およびPd(dppf)Cl(134mg、0.164mmol)を加えた。混合物を窒素下で90℃にて一晩加熱し、濾過し、濾液を水(50mL)およびEtOAc(50mL)で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。このように得られた材料を、同じプロセスで1.03mmolスケールで調製した別個のバッチの生成物と合わせ、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中20%〜50%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(1.1g、77%収率)を得た。m/z):C2939BNの[M+H]の計算値535.30、実測値535.3。H NMR (400 MHz, CDOD): δ(ppm) 7.73 (m, 2H), 7.66 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 5.81 (s, 1H), 5.50 (s, 1H), 4.64 (m, 2H), 4.11 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 1.99 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.37 (s, 12H), 0.91 (m, 6H), 0.80 (m, 2H), 0.70 (m, 2H)。
【0249】
調製8:(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0250】
【化38】
【0251】
(a)4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルアミン
ACN(60mL)中の4−ブロモ−3−トリフルオロメトキシ−フェニルアミン(2.0g、7.8mmol)の混合物に、N−クロロスクシンイミド(1.0g、7.8mmol)のACN(40mL)溶液をゆっくりと加えた。反応混合物を60℃にて一晩加熱し、酢酸エチル(actetate)/水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(40gのカラム、100%のヘキサンから10%のEtOAc:ヘキサン)によって精製し、所望の生成物を橙色がかった油(1.4g、64%収率)として得た。
(b)N−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニル)−6−フルオロ−ニコチンアミド
前のステップの生成物(1.2g、4.1mmol)のDCM(5mL)溶液に、2−フルオロピリジン−5−カルボニルクロリド(0.66g、4.1mmol)のDCM(3mL)溶液をゆっくりと加え、20滴のDMAを加えた。反応混合物を濃縮し、黄色がかった固体(2g)を形成させた。(m/z):C13BrClFの[M+H]の計算値412.92、414.92、実測値413、415。
(c)(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.84mL、4.83mmol;)およびDMSO(0.86mL、12.08mmol)の混合物中の前のステップの生成物(999mg、2.42mmol)の反応混合物に、(R)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(726mg、3.62mmol)を加え、反応混合物を120℃にて一晩加熱し、酢酸エチル/水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。色の濃い油状物を少量のDCMに溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(24gカラム、0〜40%の酢酸エチル:ヘキサン)によって精製し、表題中間体を白色の固体として生成した(916mg、64%収率)。(m/z):C2325BrClFの[M+H]の計算値593.07、595.07、実測値595.4。
【0252】
調製9:(R)−5−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン
【0253】
【化39】
【0254】
(a)(2R,5R)−2−[(クロロメチル−ジメチル−シラニル)−メチル]−5−イソプロピル−3,6−ジメトキシ−2,5−ジヒドロ−ピラジン
(R)−2−イソプロピル−3,6−ジメトキシ−2,5−ジヒドロ−ピラジン(7.0g、38mmol)、ビス(クロロメチル)ジメチルシラン(6.0g、38mmol)のTHF(150mL)溶液に、n−ブチル−リチウム(20mL、50mmol)を−65〜−75℃にて滴下で添加した。混合物を室温まで一晩徐々に温めた。塩化アンモニウム溶液を0℃にて加え、反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の2%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(5g、44%収率)を透明な油状物として得たH NMR: (MeOD, 400 MHz) δ(ppm): 4.15 (m, 1H), 3.99 (m, 1H), 3.72(m, 6H), 2.95 (m, 2H), 2.30(m, 1H), 1.45(m, 1H), 1.08(m, 4H), 0.75(m, 3H), 0.26(s, 6H)。
(b)(R)−2−アミノ−3−(クロロメチル−ジメチル−シラニル)−プロピオン酸メチルエステル
前のステップの生成物(2.7g、8.8mmol)のMeOH(20mL)溶液に、HCl溶液(7.0mL)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、濃縮し、表題中間体(1.3g)を黄色の油状物として得た。(m/z):C16ClNOSiの[M+H]の計算値210.06、実測値210.1。
(c)(S)−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−5−カルボン酸メチルエステル
前のステップの生成物(1.3g、6.2mmol)およびヨウ化ナトリウム(1.3g、8.8mmol)のDCM:THF(1:1、100mL)溶液に、DIPEA(3.0g、26mmol)を室温で加え、反応混合物を室温で5時間撹拌し、表題中間体を得た。(m/z):C15NOSiの[M+H]の計算値174.09、実測値174.1。
(d)(S)−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル5−メチルエステル
前のステップの生成物の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.9g、8.8mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、水で洗浄し、EtOAcで抽出し、有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(10:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(2.0g)を透明な油状物として得た。
(e)(R)−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
前のステップの生成物(2.0g、8.8mmol)およびLiOH.HO(1.6g、38.8mmol)のTHF:水(1:1、50mL)溶液を室温で一晩撹拌し、1NのHClでpH3〜4に酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、表題中間体(1.6g)を透明な油状物として得た。
(f)(R)−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1,5−ジカルボン酸5−[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]エステル1−tert−ブチルエステル
DCM(100mL)中の前のステップの生成物(1.6g、5.7mmol)、2−ブロモ−1−(4−ブロモ−フェニル)−エタノン(1.6g、5.7mmol)、および炭酸カリウム(2.4g、17mmol)の混合物を室温で2時間撹拌し、水で洗浄し、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、表題中間体(2.5g、53%収率)を黄色の油状物として得た。(m/z):C1418BrNOSiの[M+H−Boc]の計算値356.02、実測値356.1。
(g)(R)−5−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(100mL)中の前のステップの生成物(2.5g、5.7mmol)、酢酸アンモニウム(10g、0.13mol)の混合物を110〜130℃にて一晩撹拌し、水で洗浄し、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の8.5%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(400mg、17%収率)を茶色の油状物として得た。(m/z):C1926BrNSiの[M+H−Boc]の計算値436.10、438.10、実測値438.0。H NMR (MeOD, 400 MHz) δ (ppm): 7.62 (m, 2H), 7.45 (m, 2H), 7.19(s, 1H), 5.50 (m, 1H), 2.88 (m, 1H), 2.50 (m, 2H), 1.98 (m, 1H), 1.45 (s, 9H), 1.26 (m, 1H), 0.26 (m, 6H)。
(h)(R)−5−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン
前のステップの生成物(400mg、0.92mmol)のHCl/MeOH(30mL)溶液を室温で2時間撹拌し、濃縮し、表題中間体(350mg)を緑色の固体として得た。(m/z):C1418BrNSiの[M+H]の計算値336.05、実測値336.0。
【0255】
調製10:((S)−1−{(R)−5−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0256】
【化40】
【0257】
DCM(50mL)中の(R)−5−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン(350mg、0.92mmol、調製9)、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(170mg、0.97mmol)、HATU(400mg、1.05mmol)、およびDIPEA(700mg、5.4mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中20%のEtOAc)によって精製し、表題中間体(300mg、66%収率)をむぎわら色の固体として得た。(m/z):C2129BrNSiの[M+H]の計算値493.12、実測値493.1。
【0258】
調製11:[(S)−1−((R)−3,3−ジメチル−5−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0259】
【化41】
【0260】
ジオキサン(100mL)中の((S)−1−{(R)−5−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(300mg、0.60mmol、調製10)、ビス(ピナコラト)ジボロン(190mg、0.75mmol)、および酢酸カリウム(200mg、2.04mmol)、Pd(dppf)Cl(30mg、0.04mmol)の混合物を、数回、真空下で脱気して窒素でパージした。混合物を100℃にて一晩撹拌し、濃縮し、粗生成物を水で洗浄し、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(1:1のEtOAc:石油エーテル)によって精製し、表題中間体および対応するボロン酸の混合物(130mg、40%収率)を黄色の固体として得た。(m/z):C2741BNSiの[M+H]の計算値541.29、実測値541.3。ボロン酸:(m/z)C2131BNSiの:[M+H]の計算値459.22、実測値459.2。
【0261】
調製12:7−ブロモ−2−((2S,4S)−4−メチル−ピロリジン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール
【0262】
【化42】
【0263】
(a)(2S,4S)−2−(2−アミノ−6−ブロモ−ナフタレン−1−イルカルバモイル)−4−メチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
6−ブロモ−ナフタレン−1,2−ジアミン(2.0g、8.5mmol)のDMF(150mL)溶液に、(2S,4S)−4−メチル−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(2.14g、10.2mmol)、DIPEA(3.29g、25.5mmol)、およびHATU(4.84g、12.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAc/HO(150mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(2:1のEtOAc:石油エーテル)によって精製し、表題中間体(1.6g)を得た。
(b)(2S,4S)−2−(7−ブロモ−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル)−4−メチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
前のステップの生成物(1.6g、3.57mmol)の酢酸(15mL)溶液を窒素下、60℃に1時間加熱し、1NのNaOHでpHを8〜10に調節し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題中間体(1.5g)を得た。(m/z):C2124BrNの[M+H]の計算値430.11、432.11、実測値432.1。
(c)7−ブロモ−2−((2S,4S)−4−メチル−ピロリジン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール
前のステップの生成物(1.5g、3.5mmol)のDCM(20mL)溶液に、TFA(2mL)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、1NのNaOH(5mL)でpHを約10に調節し、DCM(3×200mL)で抽出した。反応混合物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題中間体(1.1g)を得た。(m/z):C1616BrNの[M+H]の計算値330.05、332.05、実測値330.2、332.1。
【0264】
調製13:((S)−2−メチル−1−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0265】
【化43】
【0266】
(a){(S)−1−[(2S,4S)−2−(7−ブロモ−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル)−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル]−2−メチル−プロピル}−カルバミン酸メチルエステル
7−ブロモ−2−((2S,4S)−4−メチル−ピロリジン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール(1.05g、3.2mmol;調製12)のDCM(20mL)溶液に、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(672mg、3.84mmol)、DIPEA(825mg、6.4mmol)、およびHATU(1.82g、4.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、DCM(3×250mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(1:1のEtOAc:石油エーテル)によって精製し、表題中間体(1.2g)を得た(m/z):C2327BrNの[M+H]の計算値487.13、489.12、実測値489.2。
(b)((S)−2−メチル−1−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(1.1g、2.2mmol)のジオキサン(20mL)溶液に、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](838mg、3.3mmol)、Pd(dppf)Cl(161mg、0.22mmol)および酢酸カリウム(646mg、6.6mmol)を窒素下、室温で加えた。反応混合物を90℃にて一晩を撹拌し、EtOAc/HO(3×150mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(2:1の石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(450mg)を得た。(m/z):C2939BNの[M+H]の計算値535.30、実測値535.3。H NMR: (DMSO−d, 400 MHz) δ (ppm) 0.64〜0.86(m, 6H), 1.09(s, 3H), 1.31(s, 12H), 1.85〜1.90(m, 2H), 2.20〜2.38(m, 1H), 2.51(s, 1H), 3.31〜3.33(m, 1H), 3.51(s, 3H), 4.01〜4.07(m, 1H), 4.11〜4.16(m, 1H), 5.09〜5.10(m, 1H), 7.15(d, J=8.0Hz, 2H), 7.60〜7.79(m, 3H), 8.23〜8.37(m, 2H), 12.5〜13.55(d, 1H)。
【0267】
調製14:4−ブロモ−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸メチルエステル
【0268】
【化44】
【0269】
4−アミノ−3−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(504.1mg、2.28mmol)、メタノール(7.6mL)、および1,4−ジオキサン中4.0MのHCl(5.7mL)の混合物を週末にかけて室温で撹拌し、濃縮し、EtOAc(3×10mL)と共に蒸発させ、真空下で乾燥させ、茶色がかった固体を得た。固体をアセトニトリル(23mL)および水(2.3mL)の混合物に溶解させた。臭化銅(II)(595mg、2.66mmol)および亜硝酸tert−ブチル(0.39mL、3.32mmol)を反応混合物に加え、これを70℃にて1.5時間加熱し、室温に冷却し、EtOAc(70mL)で希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(2×15mL)、ブライン(2×15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、茶色がかった油状物を得て、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(24gシリカゲル、0〜50%のEtOAc/ヘキサン)によって精製した。所望の画分を合わせ、濃縮することによって、表題中間体(281mg、41%収率)を黄色がかった油状物として得た。
【0270】
調製15:4’−{2−[(S)−4−シクロプロピル−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル]−1H−イミダゾール−4−イル}−2−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−カルボン酸
【0271】
【化45】
【0272】
4−ブロモ−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸メチルエステル(124mg、0.42mmol)、[(S)−1−((S)−4−シクロプロピル−2−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル(200mg、0.37mmol;調製7)および炭酸カリウム(233mg、1.68mmol)の混合物に室温でトルエン(0.92mL)を加え、続いて水(0.47mL)を加えた。このように得られた混合物を脱気し、窒素でフラッシュし、Pd(dppf)Cl(18.5mg、0.023mmol)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物をキャップし、一晩100℃で維持し、室温に冷却し、EtOAc(10mL)および水(2mL)に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、茶色がかった油状物を得て、これをメタノール(3.8mL)および水(2mL)の混合物に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(95mg、2.27mmol)で65℃にて1時間処理した。反応混合物を濃縮し、酢酸:水(1:1、6mL)に溶解させ、濾過し、逆相HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥し、表題中間体のTFA塩(140mg、51%収率)を白色の固体として得た。(m/z):C3131の[M+H]の計算値613.22、実測値613.6。
【0273】
調製16:(R)−4−(5−カルボキシ−ピリジン−2−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0274】
【化46】
【0275】
テトラヒドロフラン(1.75L)中の6−フルオロニコチン酸(150g、1.063mol)および(R)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(234.2g、1.169mol)の混合物を−40℃に冷却し、次いで温度を−20℃より低く維持しながら、テトラヒドロフラン中2Mの塩化イソプロピルマグネシウム(1.196L、2.39mol)をゆっくりと加えた。反応混合物をゆっくりと室温に温め、室温で4時間撹拌し、次いで1NのHCl(1.75L)および水(1.175L)を加えた。反応混合物を酢酸エチルで抽出した(4L)。有機相を蒸発させて、粗固体(534g)を得た。粗固体に、アセトン(2L)および水(200mL)を加えた。このように得られた反応混合物を50℃に加熱し、次いで水(2.8L)をゆっくりと加えた。より小さなスケールでの以前の操作に由来する種晶を約1Lの水の後に加えた。反応混合物を20℃に、3時間にわたり冷却し、20℃にて一晩撹拌し、濾過した。固体を2:3のアセトン:水(2x500mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(329g、96%収率)をオフホワイト色の固体として得た。HPLC法A:保持時間9.73分。
【0276】
調製17:4−{2−[(2S,4S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−ピロリジン−2−イル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル}−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸
【0277】
【化47】
【0278】
(a)4−{2−[(2S,4S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−ピロリジン−2−イル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル}−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸メチルエステル
トルエン(2mL)および水(0.5mL)中の、((S)−2−メチル−1−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(250mg、0.48mmol;調製13)、4−ブロモ−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸メチルエステル(140mg、0.47mmol)、および炭酸カリウム(323mg、2.34mmol)の溶液を窒素で5分間パージし、次いでPd(dppf)Cl(20.5mg、0.029mmol)を加えた。反応混合物を100℃にて一晩撹拌し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄した(2×5mL)。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(20〜100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題中間体(284mg、97%収率)を得た。(m/z):C3232の[M+H]の計算値627.24、実測値627.3。
(b)4−{2−[(2S,4S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−ピロリジン−2−イル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル}−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸
前のステップの生成物のメタノール(10mL)溶液を、水(2mL)中の水酸化リチウム(112mg、2.34mmol)と共に65℃にて2時間撹拌し、濃縮し、酢酸:水(1:1、5mL)に溶解させ、濾過し、逆相HPLCによって精製し、表題中間体のTFA塩(273mg、80%収率)を得た。(m/z):C3131の[M+H]の計算値613.22、実測値613.2。
【0279】
調製18:(S)−メトキシカルボニルアミノ−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−酢酸
【0280】
【化48】
【0281】
すべての固体が溶解するまで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(12.32mL、125.6mmol)中の(S)−アミノ−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−酢酸(1g、6.28mmol)の溶液を撹拌した。クロロギ酸メチル(0.97mL、12.56mmol)を滴下で添加し、反応混合物を1時間撹拌し、1NのHClを加えて、pHを1に調節した。反応混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、一晩真空下で乾燥させて、表題中間体(1.36g、99%収率)を白色の、粘着性固体として得た。(m/z):C15NOの[M+H]の計算値218.10、実測値218.3。
【0282】
調製19:(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
【0283】
【化49】
【0284】
(a)(S)−6−オキソ−ピペリジン−2−カルボン酸
(S)−2−アミノ−ヘキサン二酸(50g、310.25mmol)、酢酸(100mL)、および水(400mL)水の混合物を3時間還流させた。変化していない開始アミノ酸を濾別し(24g)、濾液を蒸発させ、温水(50mL)に溶解させ、次いで冷却した。結晶性の沈殿物が形成され、これを濾過し、表題中間体(20g、45%収率)を得た。
(b)(S)−6−オキソ−ピペリジン−2−カルボン酸エチルエステル
乾燥エタノール(200mL)中の前のステップの生成物(8.4g、58.68mol)の混合物に塩化チオニル(69.81g、586.8mol)をゆっくりと0℃にて加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで水を加え、反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題中間体(6g)を得た。(m/z):C13NOの[M+H]の計算値172.09、実測値172.1。
(c)(S)−6−オキソ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル
乾燥ACN(100mL)中の(S)−6−オキソ−ピペリジン−2−カルボン酸エチルエステル(12g、70.10mmol)の混合物に、4−ジメチルアミノピリジン(25.69g、210.30mmol)をゆっくりと加え、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(30.6g、140.20mmol)を0℃にて滴下で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、濾過した。有機層を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(3:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(13g、68%収率)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl): δ(ppm) 4.70−4.60 (m, 1H), 4.26−4.17 (m, 2H), 2.63−2.53 (m, 1H), 2.51−2.45 (m, 1H), 2.20−2.12 (m, 1H ), 2.08−1.96 (m, 1H), 1.80−1.70 ( m, 2H), 1.50 (s, 9H), 1.30−1.25 (m, 3H)。
(d)(S)−5−メチル−6−オキソ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル
乾燥トルエン(100mL)中の前のステップの生成物(5g、18.43mmol)に、THF(21mmol)中の1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(21mL)を−78℃にて加えた。1時間後、メチルトリフルオロメタンスルホネート(3.63g、22.11mmol)を滴下で添加し、反応混合物を−78℃にて2.5時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、室温に温めた。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:3のEtOAc:石油エーテルで溶出)によって精製し、表題中間体(3.8g、72%収率)を得た。(m/z):C1423NOの[M−Boc+H]の計算値186.16、実測値186.1。
(e)(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル
(S)−5−メチル−6−オキソ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(10g、35mmol)のTHF(150mL)溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体(49mL、49mmol)を加えた。反応混合物を0℃にて1時間撹拌し、次いで40℃にて3時間撹拌した。メタノールを加え、反応混合物を濃縮し、1MのHClで洗浄し、EtOAc/水で抽出し、油層を得て、これを乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(2g、21%収率)を得た。(m/z):C1425NOの[M−100+H]の計算値172.18、実測値172.2。
(f)(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
メタノール(15mL)および水(5mL)中の、(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(1.4g、5.16mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(650mg、15.48mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮し、残渣を得て、これをEtOAc/水で抽出した。水層を1NのHClで酸性化し、EtOAcで抽出し、有機層を得て、これを乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。
【0285】
調製20:((S)−1−{(2S,5S)−2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0286】
【化50】
【0287】
(a)(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸2−[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]エステル1−tert−ブチルエステル
アセトニトリル(50mL)中の(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(1.8g、7.4mmol)および2−ブロモ−1−(4−ブロモフェニル)エタノン(2.47g、8.88mmol)の混合物に、DIPEA(2.87g、22.19mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(3:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(1.5g)を得た。(m/z):C2026BrNOの[M+H−Boc]の計算値340.10、342.10、実測値340.1、342.1。
(b)(2S,5S)−2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(60mL)中の(S)−5−メチル−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸2−[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]エステル1−tert−ブチルエステル(2.4g、5.45mmol)および酢酸アンモニウム(8.4g、109mmol)の混合物を一晩還流させた。反応混合物をEtOAc/水で抽出し、油層を得て、これを乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(1:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、生成物(1.3g)を得て、これを超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって精製し[移動相A:超臨界CO、B相:エタノール+0.05%NHOH;A:Bは70:30;流量60mL/分)、表題中間体(0.4g、20%収率)およびtrans異性体(0.26g)を得た。H NMR(400 MHz, (CDCO): δ(ppm) (d, 3H, J=2.4 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.50−1.60 (m, 2H), 1.70−1.90 (m, 1H), 1.28 (s, 4H), 2.40−2.70 (m, 2H), 3.70−4.18 (m, 1H), 5.44 (s, 1h), 7.47 (d, J=2Hz, 2H), 7.53 (m, 1H), 7.77 (d, 2 H, J=2 Hz)
(c)(2S,5S)−2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン
前のステップの生成物(400mg、0.95mmol)およびジオキサン中4MのHCl(10mL)の混合物を室温で3時間撹拌し、濃縮し、表題中間体(300mg)を得た。
(d)((S)−1−{(2S,5S)−2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
DCM(20mL)中の(2S,5S)−2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン(400mg、1.25mmol)および(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(219mg、1.25mmol)、HATU(475mg、1.25mmol)、およびDIPEA(485mg、3.75mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、薄層クロマトグラフィー(1:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(550mg、92%収率)を得た。(m/z):C2228BrNの[M+H]の計算値476.13、478.13、実測値478.7。
【0288】
調製21:[(S)−2−メチル−1−((2S,5S)−5−メチル−2−{5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−ピペリジン−1−カルボニル)−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0289】
【化51】
【0290】
ジオキサン(20mL)中の((S)−1−{(2S,5S)−2−[5−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(850mg、1.78mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(452mg、1.78mmol)、酢酸カリウム(350mg、3.56mmol)、およびPd(dppf)Cl(170mg)の混合物を3時間撹拌しながら還流させた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(1:1石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(220mg、24%収率)を得た。(m/z):C2840BNの[M+H]の計算値524.31、実測値525。H NMR(400 MHz, CDCl: δ(ppm) 0.70−090 (m, 4H), 0.97−1.03 (m, 5H), 1.28 (s, 4H), 1.30−1.60 (m, 2H), 1.80−2.10 (m, 3H), 2.74 (m, 1H), 3.60 (s, 1H), 3.61 (s, 2 H), 4.20 (d, 1 H, J=8.4 Hz), 4.50 (d, J=12.8 Hz, 1H), 5.53 (s, 1 H), 7.45−7.57 (m, 2 H), 7.60−7.78 (m, 3H)。
【0291】
調製22:(1R,3S,4S)−3−{5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0292】
【化52】
【0293】
(a)(1S,3S,4R)−2−((R)−1−フェニル−エチル)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−カルボン酸エチルエステル
トルエン(500mL)に溶解させた(R)−1−フェニル−エチルアミン(59g、0.49mmol)の溶液に、硫酸ナトリウム(173g、1.22mmol)を加え、続いてオキソ酢酸エチルエステル(134g、0.49mmol、トルエン中50%)を滴下で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、((R)−1−フェニル−エチルイミノ)−酢酸エチルエステルを得て、これをDMF(300mL)に室温で溶解させた。TFA(56g、0.49mmol)を室温にて滴下で添加し、続いて10分後、シクロペンタ−1,3−ジエン(65g、0.98mmol)および水(0.25ml)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮し、残渣をNaHCOの10%水溶液(500mL)に注ぎ入れた。溶液を固体NaCOでpH8に調節し、EtOAc(3×80mL)で抽出した。合わせた有機層をシリカゲルクロマトグラフィー(30:1〜15:1の石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(35g、26%収率)を無色の油状物として得た。(m/z):C1721NOの[M+H]の計算値272.16、実測値272.2。
(b)(1R,3S,4S)−2−((R)−1−フェニル−エチル)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸エチルエステル
EtOH(300mL)中の、前のステップの生成物(6g、22.11mmol)およびPd/C(0.6g)の混合物を、室温で一晩、H(30psi)下で撹拌した。混合物を濾過し、1mLの濃HClを濾液に加えた。溶液を真空下で濃縮して、表題中間体(6g、100%)を白色の固体として得た。(m/z):C1723NOの[M+H]の計算値274.17、実測値274.2。
(c)(1R,3S,4S)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸2−tert−ブチルエステル
メタノール(50mL)中の、前のステップの生成物(1g、3.66mmol)およびPd(OH)/C(100mg、1%HO)の混合物を40℃にて一晩、水素(50psi)下で撹拌し、濾過し、真空下で濃縮し、(1R,3S,4S)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸エチルエステル(0.6g、100%)を、薄黄色の固体として得て、これを濃HCl水溶液(10mL)と混合した。反応混合物を真空下で濃縮し、(1R,3S,4S)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸(0.5g)を薄黄色の固体として得た。
【0294】
薄黄色の固体(0.5g)、NaOH(0.44g、11.01mmol)、THF(20mL)および水(4mL)の混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いで、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.8g、3.67mmol)を滴下で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。THFを減圧下で除去し、水(20mL)を加えた。溶液をEtOAc(2×10mL)で洗浄した。水層を3MのHClでpH5に調節し、凍結乾燥した。固体を1:8のメタノール:DCM(30mL)に溶解させ、濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題中間体(220mg)を白色の固体として得た。(m/z):C1219NOの[M+H−tBu]の計算値186.07、実測値186.1。
(d)(1R,3S,4S)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸3−[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]エステル2−tert−ブチルエステル
ACN(500mL)中の、化合物(1R,3S,4S)−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸2−tert−ブチルエステル(3g、12.43mmol)、2−ブロモ−1−(4−ブロモフェニル)エタノン(3.80g、12.43mmol)および炭酸セシウム(12.15g、37.30mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、固体をEtOAc(3×50mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(20:1〜5:1の石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(3g、45%収率)を白色の固体として得た。(m/z):C2024BrNOの[M+H−tBu]の計算値382.02、384.02、実測値381.9。
(e)(1R,3S,4S)−3−[4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(500mL)中の、前のステップの生成物(3g、5.57mmol)および酢酸アンモニウム(4.29g、55.73mmol)の混合物を100℃にて一晩撹拌し、真空下で濃縮し、DCM(500mL)に溶解させ、水で洗浄した(3×50mL)。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(20:1〜5:1の石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(1.6g、69%収率)を白色の固体として得た。(m/z):C2024BrNの[M+H]の計算値418.11、420.11、実測値418.1。
(f)(1R,3S,4S)−3−{5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
1,4−ジオキサン(200mL)中の、前のステップの生成物(1.50g、3.59mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.00g、3.94mmol)、Pd(dppf)Cl(150mg、10.76mmol)および酢酸カリウム(1.06g、10.76mmol)の混合物を80℃にて3時間窒素下で撹拌し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(10:1〜5:1の石油エーテル:EtOAc)によって精製し、表題中間体(500mg、44%収率)を白色の固体として得た。(m/z):C2636BNの[M+H]の計算値466.28、実測値466.4H NMR (400 MHz, CHOD): δ(ppm) 1.18 (s, 6 H), 1.23 (s, 2 H), 1.25 (s, 4 H), 1.34 (s, 9 H), 1.36 − 1.41 (m, 1 H), 1.58 − 1.65 (m, 1 H), 1.65 − 1.78 (m, 2 H), 1.79 − 1.97 (m, 2 H), 2.55 − 2.70 (m, 1 H), 4.22 − 4.35 (m, 1 H), 4.45 (d, J=12.57 Hz, 1 H), 7.34 (d, J=12.35 Hz, 1 H), 7.56 − 7.84 (m, 4 H)。
【0295】
調製23:[(S)−2−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
【0296】
【化53】
【0297】
(a)7−ブロモ−2−((2S,4S)−4−メチル−ピロリジン−2−イル)−3Hナフト[1,2−d]イミダゾール
(2S,4S)−2−(7−ブロモ−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル)−4−メチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(300mg、0.70mmol)、および1,4−ジオキサン中4MのHCl(2mL)の混合物を50℃にて1時間加熱し、濃縮し、EtOAcに溶解させ、EtOAcと共に蒸発させ(2×)、表題中間体のHCl塩を黄色の固体として得た。(m/z):C1616BrNの[M+H]の計算値330.05、332.05、実測値331.9。
(b)[(S)−2−[(2S,4S)−2−(7−ブロモ−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル)−4−メチル−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
前のステップからの黄色の固体をDMF(5mL)に溶解させ、DIPEA(0.61mL、3.5mmol)を加えた。DMF(5mL)に溶解させた、(S)−メトキシカルボニルアミノ−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−酢酸(189mg、0.87mmol)およびHATU(331mg、0.871mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、EtOAc(100mL)に溶解させ、水(300mL)で洗浄した。水層をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%のEtOAc:ヘキサン)で精製し、表題中間体(344mg、90%収率)を淡い色の固体として生成した。(m/z):C2529BrNの[M+H]の計算値529.14、531.14、実測値529.1。
(c)[(S)−2−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(344mg、0.65mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(250mg、0.97mmol)、および酢酸カリウム(96mg、0.97mmol)を1,4−ジオキサン(2.2mL)と混合した。このように得られた懸濁液に窒素を注入してから、Pd(dppf)ClCHCl(26mg、0.032mmol)を加え、反応混合物を100℃にて一晩加熱し、室温に冷却し、セライト(登録商標)上にシリカゲルを積み重ねたパッドを通して濾過した。パッドをEtOAc(180mL)で洗浄した。濾液を濃縮することによって、黒色の油状物を得て、これを、DCMを用いて12gのゴールドシリカゲルの使い捨てカラムに充填した(0〜100%のEtOAc:ヘキサンで溶出)。所望の画分を合わせ、濃縮し、表題中間体(256mg)を黄色がかった泡として得た。(m/z):対応するボロン酸C2531BNの[M+H]の計算値495.231、実測値495.0。
【0298】
調製24:(1R,3S,6S)−2−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸2−tert−ブチルエステル
【0299】
【化54】
【0300】
(b)(S)−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−2−オン
(S)−6−オキソピペリジン−2−カルボン酸(17g、120mmol)のメタノール(200mL)溶液に、塩化チオニル(87mL、1.2mol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮し、同様の調製による生成物と合わせ、NaHCO飽和水溶液で洗浄し、EtOAc(4×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、粗製の(S)−メチル6−オキソピペリジン−2−カルボキシレートを得た(36.5g)。
【0301】
前のステップの生成物(18.5g、117.7mmol)のエタノール(200mL)溶液に、室温で30分にわたり水素化ホウ素ナトリウム(6.7g、176.6mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸(17mL)を加えた。溶液を濃縮し、残渣を同様の調製による生成物と合わせ、DCMに溶解させ、炭酸水素カリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させて、表題中間体(30g)を得た。
(c)(S)−6−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピペリジン−2−オン
DCM(300mL)中の前のステップの生成物(30g、232.3mmol)の混合物に、DIPEA(90g、696.6mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(2.84g、23.2mmol)、および塩化tert−ブチルジフェニルシリル(95.7g、349.3mmol)を0℃にて加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで水を加え、反応混合物をEtOAc(4×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中50〜100%のEtOAcで溶出)によって精製し、表題中間体(5g)を得た。
(d)(S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−6−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
前のステップの生成物(24.3g、66.4mmol)をBocO(72.4g、332mmol)に溶解させ、4−ジメチルアミノピリジン(810mg、66.4mmol)を加えた。反応混合物を撹拌し、一晩還流させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0〜50%のEtOAcで溶出)によって精製し、表題中間体(28g)を得た。
(g)(2S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−6−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
トルエン中の、前のステップの生成物(14g、30mmol)の−50℃に冷却した溶液に、THF(36mmol)中の1Mのリチウムトリエチルボロハイドライド(36mL)を15分にわたり滴下で添加し、反応混合物を−50〜−45℃にて2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応混合物を0℃に温めた。過酸化水素(1mL)を加えた。反応混合物を20分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0〜20%のEtOAcで溶出)によって精製し、表題中間体(10g)を得た。(m/z):C1423NOの[M−100+H]の計算値186.16、実測値186.1。
(h)((2S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−6−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
メタノール(20mL)中の、(2S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−6−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(2g、4.3mmol)の氷冷溶液に、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(108mg、0.43mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。トリエチルアミン(87mg、0.86mmol)を加え、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0〜15%のEtOAcで溶出)によって精製し、3つの同様の操作による生成物と合わせて、表題中間体(3.5g)を得た。
(i)(S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−3,4−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート
((2S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−6−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート(9g、18.6mmol)および塩化アンモニウム(150mg、2.8mmol)の混合物を、減圧下で(50mbar)150℃にて2時間加熱し、室温に冷却し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0〜10%のEtOAcで溶出)によって精製し、表題中間体(7.2g)を得た。
(j)(1R,3S,6S)−tert−ブチル3−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−2−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−カルボキシレート
DCM(40mL)中の(S)−tert−ブチル2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−3,4−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(3.6g、8.0mmol)の氷冷溶液に、ジエチル亜鉛(9.0mL)の1M溶液を加え、続いてジヨードメタン(3.2g,12.0mmol)を15分にわたり加えた。反応混合物を0℃にて30分間撹拌し、室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物のpHを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調節した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0〜15%のEtOAcで溶出)によって精製し、同様の操作による生成物と合わせて、表題中間体(4.5g)を無色の粘着性の液体として得た。
(k)(1R,3S,6S)−tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−2−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−カルボキシレート
乾燥THF(50mL)中の前のステップの生成物(4.5g、9.7mmol)の氷冷溶液に、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(4.0g、19.4mmol)を加えた。反応液を室温に温め、12時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(50mL)に溶解させ、水で洗浄した(3×50mL)。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0〜10%のメタノールで溶出)によって精製し、表題中間体(2.0g)を得た。
(l)(1R,3S,6S)−2−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸2−tert−ブチルエステル
過ヨウ素酸ナトリウム(15.5g、72.6mmol)の水溶液(80mL)に、ACN(60mL)および四塩化炭素(60mL)中の(1R,3S,6S)−tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−2−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−カルボキシレート(5.5g、24.2mmol)の溶液を加えた。塩化ルテニウム(III)(246mg、1.21mmol)を直ちに加え、反応混合物を室温で75分間激しく撹拌し、水(80mL)で希釈し、濾過し、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮することによって、粗生成物(4.75g)を薄いチャコール色の固体として得た。粗生成物を加熱しながらEtOAc(20mL)に溶解させ、種晶を入れて室温で静置した。約15分後、急速な結晶形成が観察された。約1時間後、ヘキサン(10mL)を加え、混合物を一晩冷蔵し、濾過し、2:1の氷水冷却したヘキサン:EtOAc(50mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、表題中間体(1.9g)を得た([a]=−135.2)。母液から再結晶して、さらなる生成物(300mg)を得た([a]=−142.6)。H NMR: (DMSO−d, 400 MHz) δ(ppm) 4.1 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.30 (m, 3H), 1.17 (m, 9H), 0.96 (m, 1H), 0.50 (m, 1H), 0.0 (m, 1H)。
【0302】
(実施例1)
[(S)−1−((S)−2−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0303】
【化55】
【0304】
(a)(R)−4−[5−(5−クロロ−2−トリフルオロメトキシ−4’−{2−[(S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル]−1H−イミダゾール−4−イル}−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(1.18mL)および水(0.43mL)に溶解させた[(S)−2−メチル−1−((S)−4−メチル−2−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル(100mg、0.20mmol、調製4)および(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(110mg、0.19mmol)の溶液に、炭酸カリウム(127mg、0.92mmol)を加えた。反応混合物に15分間窒素を注入し、Pd(dppf)ClCHCl(13.55mg、0.017mmol)を加え、反応混合物に窒素を注入し、90℃に一晩加熱し、室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、色の濃い固体を生成し、これをシリカゲルクロマトグラフィー(12gシリカ、EtOAc/ヘキサン、40〜100%)によって精製して、表題中間体(51mg、31%収率)を黄色がかった固体として生成した。(m/z):C4450ClFの[M+H]の計算値895.34、実測値895.3。
(b)((S)−1−{(S)−2−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物を1,4−ジオキサン中4MのHCl(0.92mL)およびHCl(0.28mL)で処理し、反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、酢酸エチルと共に蒸発させて(2×)、表題中間体の三HCl塩(56mg、34%収率)を生成した。(m/z):C3942ClFの[M+H]の計算値795.29、実測値795.3。
(c)[(S)−1−((S)−2−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(10mg、0.011mmol)をDMA(1mL)に溶解させ、次いでDIPEA(9.63μL、0.055mmol)を加え、続いて2,2−ジメチルプロピオニルクロリド(1.33mg、0.011mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)中に溶解させ、逆相HPLCで精製することによって、表題化合物の二TFA塩(7mg、60%収率)を得た。(m/z):C4450ClFの[M+H]の計算値879.35、実測値879.8。
【0305】
(実施例2)
((S)−1−{(S)−2−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−4−(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボニル−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0306】
【化56】
【0307】
DMA中0.5Mの(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(26.5μL、0.013mmol)のDMA(1mL)溶液に、HATU(5.04mg、0.013mmol)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次いで実施例1のステップ(b)の生成物(10mg、0.011mmol)を加え、続いてDIPEA(9.63μL、0.055mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し、表題化合物の二TFA塩(7mg、55%収率)を得た。(m/z):C4550ClFの[M+H]の計算値891.35、実測値891.8。
【0308】
実施例1および2の手順に従い、調製7の中間体を使用して、実施例3および4の化合物を調製した。
【0309】
(実施例3)
[(S)−1−((S)−2−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−4−シクロプロピル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0310】
【化57】
【0311】
(0.011mmolスケール、7mg、59%収率)(m/z):C4652ClFの[M+H]の計算値905.37、実測値905.8。
【0312】
(実施例4)
((S)−1−{(S)−2−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−4−(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボニル−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−シクロプロピル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0313】
【化58】
【0314】
(0.011mmolスケール、7mg、59%収率)(m/z):C4752ClFの[M+H]の計算値917.37、実測値917.8。
【0315】
(実施例5)
((S)−1−{(R)−5−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−4−(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボニル−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0316】
【化59】
【0317】
(a)(R)−4−[5−(5−クロロ−4’−{2−[(R)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−5−イル]−1H−イミダゾール−4−イル}−2−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(0.61mL)および水(0.24mL)に溶解させた[[(S)−1−((R)−3,3−ジメチル−5−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル(51.6mg、0.096mmol;調製11)および(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(56.7mg、0.096mmol)の溶液に、炭酸カリウム(66.0mg、0.48mmol)を加えた。反応混合物に15分間窒素を注入し、Pd(dppf)ClCHCl(7.02mg、0.009mmol)を加えた。反応混合物に窒素を注入し、90℃に一晩加熱し、室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄して、色の濃い油状物を生成した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(12gシリカ、0%〜100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、黄色がかった固体(23mg;26%収率)として表題中間体を生成した(m/z):C4454ClFSiの[M+H]の計算値927.35、実測値927.4。
(b)((S)−1−{(R)−5−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物を1,4−ジオキサン中4MのHCl(0.47mL、1.91mmol)およびHCl(0.17mL)で処理し、室温で1時間撹拌し、濃縮し、酢酸エチルと共に蒸発させて(2×)、表題中間体の三HCl塩を生成した。(m/z):C3946ClFSiの[M+H]の計算値827.30、実測値827.3。
(c)((S)−1−{(R)−5−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−4−(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボニル−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
DMA中0.5Mの(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(30.7μL、0.015mmol)をDMA(1mL)に溶解させた溶液に、HATU(5.84mg、0.015mmol)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次いで前のステップの生成物(12mg、0.013mmol)を加え、続いてDIPEA(11.2μL、0.064mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し、表題化合物の二TFA塩(5mg、35%収率)を得た。(m/z):C4554ClFSiの[M+H]の計算値923.36、実測値923.8。
【0318】
(実施例6)
[(S)−1−((R)−5−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0319】
【化60】
【0320】
実施例5のステップ(b)の中間体を、2,2−ジメチルプロパニルクロリドと標準的条件下で反応させて、表題化合物の二TFA塩を得た。(0.013mmolスケール、5mg、33%収率)(m/z):C4454ClFSiの[M+H]の計算値911.36、実測値911.8。
【0321】
(実施例7)
[(S)−1−((R)−5−{4−[4’−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0322】
【化61】
【0323】
実施例5および6に類似の手順により、((S)−1−{(R)−5−[4−(4’−{[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3,3−ジメチル−[1,3]アザシロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル3HClを、2,2−ジメチルプロパニルクロリドと反応させて、表題化合物の二TFA塩を得た。(0.013mmolスケール、6.5mg、46%収率)(m/z):C4455Siの[M+H]の計算値877.40、実測値877.8。
【0324】
(実施例8)
[(S)−1−((2S,4S)−2−{7−[5−クロロ−4−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル}−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0325】
【化62】
【0326】
(a)(R)−4−[5−(2−クロロ−4−{2−[(2S,4S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−ピロリジン−2−イル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル}−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(1.19mL)および水(0.43mL)に溶解させた(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(110mg、0.19mmol)および((S)−2−メチル−1−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボニル}−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル(100mg、0.19mmol)の溶液に、炭酸カリウム(128mg、0.93mmol)を加えた。反応混合物に15分間窒素を注入し、Pd(dppf)ClCHCl(13.6mg、0.017mmol)を加えた。反応混合物に窒素を注入し、90℃にて一晩加熱し、室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、色の濃い油状物を生成し、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(24gシリカ、40%〜100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題中間体(101mg;59%収率)を黄色の固体として生成した。(m/z):C4652ClFの[M+H]の計算値921.36、実測値921.3。
(b)((S)−1−{(2S,4S)−2−[7−(5−クロロ−4−{[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物を、1,4−ジオキサン中4MのHCl(0.93mL)およびHCl(0.28mL)で処理し、反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、酢酸エチルと共に蒸発させて(2×)、表題中間体の三HCl塩を生成した。(m/z):C4144ClFの[M+H]の計算値821.31、実測値821.3。
(c)[(S)−1−((2S,4S)−2−{7−[5−クロロ−4−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル}−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(12.0mg、0.013mmol)を、DMA(1mL)に溶解させ、次いでDIPEA(11.2μL、0.065mmol)を加え、続いて2,2−ジメチルプロパノイルクロリド(1.6mg、0.013mmol)を加え、室温で一晩撹拌したままにした。反応混合物をロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し、表題化合物の二TFA塩(9.5mg、65%収率)を得た。(m/z):C4652ClFの[M+H]の計算値905.37、実測値905.8。
【0327】
(実施例9)
((S)−1−{(2S,4S)−2−[7−(5−クロロ−4−{[6−((R)−4−シクロプロパンカルボニル−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0328】
【化63】
【0329】
実施例7のステップ(b)の中間体を、DMA中0.5Mのシクロプロパンカルボニルクロリドと反応させて、表題化合物の二TFA塩を得た。(0.013mmolスケール、9.6mg、67%収率)(m/z):C4548ClFの[M+H]の計算値889.33、実測値889.8。
【0330】
(実施例10)
[(S)−1−((2S,4S)−2−{7−[5−クロロ−4−({6−[(R)−4−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル}−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0331】
【化64】
【0332】
実施例7のステップ(b)の中間体を、DMA中0.5Mの(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と反応させて、表題化合物の二TFA塩を得た。(0.013mmolスケール、9.1mg、62%収率)(m/z):C4752ClFの[M+H]の計算値917.37、実測値917.8。
【0333】
(実施例11)
[(S)−1−((2S,5S)−2−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−5−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
【0334】
【化65】
【0335】
(a)(R)−4−[4−(5−クロロ−4’−{2−[(2S,5S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−5−メチル−ピペリジン−2−イル]−3H−イミダゾール−4−イル}−2−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(1.22mL)および水(0.45mL)に溶解させた[(S)−2−メチル−1−((2S,5S)−5−メチル−2−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}−ピペリジン−1−カルボニル)−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル(100mg、0.19mmol)および(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(113mg、0.19mmol)の溶液に、炭酸カリウム(132mg、0.95mmol)を加えた。反応混合物に15分間窒素を注入した。Pd(dppf)ClCHCl(14mg、0.017mmol)を加え、反応混合物に窒素を注入し、90℃にて一晩加熱し、室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、セライト(登録商標)とシリカゲルとの組み合わせたパッドを通して濾過し、EtOAcで数回フラッシュし、水およびブラインで洗浄し、色の濃い油状物を生成した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(12gシリカ、40%〜100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し表題中間体(48mg、28%収率)を黄色がかった固体として生成した。m/z):C4554ClFの[M+H]の計算値911.38、実測値911.3。
(b)((S)−1−{(2S,5S)−2−[4−(5’−クロロ−4’−{[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(48mg)を、1,4−ジオキサン中4MのHCl(0.95mL)およびHCl(0.29mL)で処理し、反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、酢酸エチルと共に蒸発させて(2×)、表題中間体の三HCl塩を生成した。m/z):C4046ClFの[M+H]の計算値811.32、実測値811.3。
(c)[(S)−1−((2S,5S)−2−{4−[5’−クロロ−4’−({6−[(R)−4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−5−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸メチルエステル
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸(1.5mg、0.013mmol)のDMA(1mL)溶液に、HATU(5.0mg、0.013mmol)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次いで前のステップの生成物(10mg、0.011mmol)を加え、続いてDIPEA(11.7μL、0.067mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し、表題化合物の二TFA塩(5.3mg、53%収率)を得た。(m/z):C4554ClFの[M+H]の計算値911.38、実測値911.8。
【0336】
(実施例12)
((S)−1−{(S)−4−シクロプロピル−2−[4−(4’−{6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イルカルバモイル}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0337】
【化66】
【0338】
(a){(S)−1−[(S)−4−シクロプロピル−2−(4−{4’−[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルカルバモイル]−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル}−1H−イミダゾール−2−イル)−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル]−2−メチル−プロピル}−カルバミン酸メチルエステル
DMF(1mL)中の4’−{2−[(S)−4−シクロプロピル−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル]−1H−イミダゾール−4−イル}−2−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−カルボン酸TFA(70mg、0.096mmol;調製15)およびHATU(40mg、0.11mmol)の混合物に、室温で、(R)−4−(5−アミノ−ピリジン−2−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(31mg、0.11mmol)およびDIPEA(83.9μL、0.48mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、EtOAc(5mL)および水(2mL)の間に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、茶色がかった赤色の油状物を得て、これを、DCM(1.7mL)およびTFA(1.7mL)の混合物で、室温で1時間処理した。反応混合物を濃縮し、水(6mL)で希釈し、濾過し、逆相HPLCによって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥して、表題中間体の三TFA塩(68mg、62%収率)を白色の固体として得た。(m/z):C4145の[M+H]の計算値787.35、実測値787。
(b)((S)−1−{(S)−4−シクロプロピル−2−[4−(4’−{6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イルカルバモイル}−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(11mg、0.010mmol)およびDIPEA(8.49μL、0.049mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、2,2−ジメチルプロパノイルクロリド(1.20μL、0.010mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し、表題化合物の二TFA塩(9.4mg)を得た。(m/z):C4653の[M+H]の計算値871.40、実測値871.8。
【0339】
(実施例13)
((S)−1−{(2S,4S)−2−[7−(4−{6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イルカルバモイル}−2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
【0340】
【化67】
【0341】
(a)(R)−4−[5−(4−{2−[(2S,4S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−ピロリジン−2−イル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル}−3−トリフルオロメトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−{2−[(2S,4S)−1−((S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−メチル−ピロリジン−2−イル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル}−3−トリフルオロメトキシ−安息香酸TFA(136mg、0.19mmol;調製17)およびHATU(86mg、0.23mmol)のDMA(3mL)溶液を10分間撹拌し、次いで(R)−4−(5−アミノ−ピリジン−2−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(55mg、0.19mmol)、およびDIPEA(98μL、0.56mmol)を加えた。このように得られた混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、20〜100%)によって精製し、表題中間体(158mg、95%収率)を得た。(m/z):C4653の[M+H]の計算値887.40、実測値887.4。
(b){(S)−2−メチル−1−[(2S,4S)−4−メチル−2−(7−{4−[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルカルバモイル]−2−トリフルオロメトキシ−フェニル}−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボニル]−プロピル}−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物を、1,4−ジオキサン(2mL)中4.0MのHClで1時間処理し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、表題中間体の三HCl塩(157mg、94%収率)を得た。(m/z):C4145の[M+H]の計算値787.35、実測値787.3。
(c)((S)−1−{(2S,4S)−2−[7−(4−{6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イルカルバモイル}−2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−4−メチル−ピロリジン−1−カルボニル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸メチルエステル
前のステップの生成物(15mg、0.017mmol)およびDIPEA(14.6μL、0.084mmol)のDMA(0.5mL)溶液に、2,2−ジメチルプロピオニルクロリド(2.06μL、0.017mmolを加えた。このように得られた混合物を室温で一晩撹拌し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、酢酸:水(1:1,1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し表題化合物の二TFA塩(7.8mg)を得た。(m/z):C4653の[M+H]の計算値871.40、実測値871.8。
【0342】
(実施例14)
[(S)−2−((2S,4S)−2−{7−[4−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−5−クロロ−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル}−4−メチル−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
【0343】
【化68】
【0344】
(a)(R)−4−{5−[2−クロロ−4−(2−{(2S,4S)−1−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アセチル]−4−メチル−ピロリジン−2−イル}−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−7−イル)−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル]−ピリジン−2−イル}−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(0.92mL)および水(0.34mL)に溶解させた[(S)−2−{(2S,4S)−4−メチル−2−[7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル(80mg、0,10mmol;調製23)および(R)−4−[5−(4−ブロモ−2−クロロ−5−トリフルオロメトキシ−フェニルカルバモイル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(85mg、0.14mmol)の混合物に、炭酸カリウム(103mg、0.75mmol)を加えた。反応混合物に窒素を注入し、Pd(dppf)ClCHCl(7.0mg、0.009mmol)を加え、反応混合物を90℃に一晩加熱し、室温に冷却し、セライト(登録商標)とシリカゲルとの組み合わせたパッドを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を水およびブラインで洗浄し、茶色がかった固体を生成し、これをシリカクロマトグラフィー(12gカラム、5〜100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題中間体(89mg、60%収率)を淡い色の固体として生成した。(m/z):C4854ClFの[M+H]の計算値963.37、実測値963.5。
(b)[(S)−2−{(2S,4S)−2−[7−(5−クロロ−4−{[6−((R)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル]−4−メチル−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
前のステップからの固体を、1,4−ジオキサン中4MのHCl(1mL)で処理し、室温で一晩撹拌し、濃縮し、EtOAcと共に蒸発させ(2×)、表題中間体の三HCl塩(80mg、60%収率)を黄色の固体として生成した。(m/z):C4346ClFの[M+H]の計算値863.32、実測値863.6。
(c)[(S)−2−((2S,4S)−2−{7−[4−({6−[(R)−4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−5−クロロ−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル}−4−メチル−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
DMF(0.5mL)に溶解させた、前のステップの生成物(23mg、0.024mmol)およびDIPEA(29μL、0.16mmol)の溶液に、2,2−ジメチルプロピオニルクロリド(2.9μL、0.024mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、酢酸:水(1:1、1.5mL)に溶解させ、逆相HPLCによって精製し、表題化合物の二TFA塩(14.1mg)を得た。(m/z):C4854ClFの[M+H]の計算値947.38、実測値947.8。
【0345】
(実施例15)
[(S)−2−((2S,4S)−2−{7−[4−({6−[(R)−4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピオニル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−カルボニル}−アミノ)−5−クロロ−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3H−ナフト[1,2−d]イミダゾール−2−イル}−4−メチル−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸メチルエステル
【0346】
【化69】
【0347】
実施例14のステップ(b)の中間体を、0.024molスケールで2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸およびHATU(1.5当量)と反応させて、表題化合物の二TFA塩(13.9mg)を得た。(m/z):C4854ClFの[M+H]の計算値963.37、実測値963.8。
【0348】
同様の合成手順を使用して、表1〜5の化合物を調製した(任意の欄における空欄は水素を表す)。
【0349】
【表1】
【0350】
【表2】
【0351】
【表3-1】
【0352】
【表3-2】
【0353】
【表4】
【0354】
【表5-1】
【0355】
【表5-2】
【0356】
生物学的アッセイ
C型肝炎ウイルスは、ヌクレオチド配列に基づいて主要な6つの異なる遺伝子型に分類され、遺伝子型内のサブタイプにさらに分割されている。本発明の化合物は、下記のHCVレプリコンアッセイの1つまたは複数において、HCV複製の阻害を示した。
【0357】
アッセイ1:HCV遺伝子型1bレプリコンアッセイ
HCV遺伝子型1bレプリコン細胞系は、Apath LLC(Brooklyn、NY)(APC144;Huh7細胞バックグラウンド)から得た。このサブゲノムレプリコンは、ネオマイシン耐性選択マーカーに融合したHCVコアタンパク質のN末端を含有する。EMCV IRESは下流にあり、非構造タンパク質NS3〜NS5Bに融合したヒト化ウミシイタケルシフェラーゼの発現を促進する。この細胞系を使用して、レプリコンレベルの化合物の阻害の測定としてルシフェラーゼ活性の読み取りを利用して化合物の効力を決定した。
【0358】
5%CO加湿インキュベーターにおいて、10%FBS(HyClone)、1×NEAA(Invitrogen)、1×Pen−Strep(Invitrogen)、および500μg/mLのG418(Invitrogen)を有するDMEM(Invitrogen)中で37℃にて細胞を増殖させた。アッセイの1日目に、細胞を、G418を欠いている200μLの培地中で10,000細胞/ウェルでホワイト96ウェル組織培養プレート(Costar)に蒔いた。4時間後、細胞が接着すると、培地を除去し、用量反応の試験化合物を含有する培地(G418を含有せず)と置き換えた。化合物を最初にDMSOで希釈し、次いで培地でさらに200倍に希釈し、最終DMSO濃度を0.5%とした。細胞を、試験化合物と共に48時間インキュベートした。インキュベート期間の終わりに、培地および化合物をプレートから取り出し、Promega Renilla−Glo試薬を使用してルシフェラーゼ活性を決定した。
【0359】
データを分析するために、ルシフェラーゼ活性を化合物濃度に対してプロットし、GraphPad Prismソフトウェアパッケージ(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA)によって4パラメーターのロバストフィットモデルからEC50値を決定した。結果を、EC50値の負の10を底とする対数であるpEC50として表す。
【0360】
このアッセイにおいてより高いpEC50値を有する試験化合物は、HCV遺伝子型1b複製のより大きな阻害を示す。このアッセイにおいて試験した本発明の化合物は、典型的には約7〜約12のpEC50値を示した。
【0361】
アッセイ2:HCV遺伝子型1aレプリコンアッセイ
HCV遺伝子型1aレプリコン細胞系は、Apath LLC(APC89;Huh7.5細胞バックグラウンド)から得た。このサブゲノムレプリコンは、ネオマイシン耐性選択マーカーに融合したHCVコアタンパク質のN末端を含有する。EMCV IRESは下流にあり、非構造タンパク質NS3〜NS5Bの発現を促進する。レプリコンレベルの化合物の阻害の測定としてライセート中のNS3特異的プロテアーゼ活性を使用して化合物の効力を決定した。
【0362】
5%CO加湿インキュベーターにおいて10%FBS(HyClone)、1×NEAA(Invitrogen)、1×Pen−Strep(Invitrogen)、および850μg/mLのG418(Invitrogen)を有するDMEM(Invitrogen)中で37℃にて細胞を増殖させた。アッセイの1日目に、細胞を、G418を欠いている200μLの培地中で15,000細胞/ウェルでブラック96ウェル組織培養プレート(Costar)に蒔いた。4時間後、細胞が接着すると、培地を除去し、用量反応の試験化合物を含有する培地(G418を含有せず)と置き換えた。化合物を最初にDMSOで希釈し、次いで培地でさらに200倍に希釈し、最終DMSO濃度を0.5%とした。細胞を、試験化合物と共に48時間または72時間インキュベートした。インキュベート期間の終わりに、培地および化合物をプレートから取り出した。
【0363】
ライセート中でNS3特異的プロテアーゼ活性を決定するために、細胞を、50μL/ウェルの50mMのHEPES(pH7.5)、150mMのNaCl、15%グリセロール、0.15%Triton X−100、10mMのDTT中で室温にて振盪しながら20分間溶解させた。次いで、50μLのNS3/4aプロテアーゼ特異的FRET基質(Anaspec RET S1、カタログ番号22991)を、15μMの最終濃度でウェルに加えた。プレートを37℃で20分間インキュベートしたが、これはプロテアーゼ活性がまだ線形相にある時点に対応する。プロテアーゼ活性を、蛍光(励起:340nm;発光:509nm)を測定することによって決定した。
【0364】
データを分析するために、蛍光を化合物濃度に対してプロットし、GraphPad Prismソフトウェアを使用した4パラメーターのロバストフィットモデルからEC50値を決定した。このアッセイにおいて試験した本発明の化合物は、典型的には約6〜約11.5のpEC50値を示した。
【0365】
アッセイ3:耐性変異体に対するレプリコンアッセイ
対象とする耐性変異を有するレプリコン細胞を生じさせるために、部位特異的突然変異誘発によって、変異を親プラスミドに最初に導入した。遺伝子型1bにおける変異は、L31V、Y93H、およびL31V/Y93H二重変異体を含んだ。遺伝子型1aにおける変異は、Q30RおよびL31Vを含んだ。次いで、レプリコンプラスミドを直線化し、インビトロでRNAに転写した。RNAを使用して、Huh7細胞を電気穿孔によって安定的にトランスフェクトし、新規細胞系を、500μg/mLのG418で選択した。これらの変異細胞系に対する試験化合物の効力を、HCV遺伝子型1bおよび1aレプリコンアッセイについて上で記載したように決定した。
【0366】
対象とするさらなる変異に対する試験化合物の効力を、一過性トランスフェクションアッセイを使用して決定した。これらの変異体は、遺伝子型1a Y93C、Y93H、M28T、Q30E、Q30K、L31M、およびY93Nを含んだ。部位特異的突然変異誘発によって変異を親プラスミドに最初に導入した。次いで、レプリコンプラスミドを直線化し、インビトロでRNAに転写した。RNAを使用して、Huh−LUNET細胞(ReBLikon GmbH、Schriesheim、Germanyから得た)を電気穿孔によって一過性にトランスフェクトし、変異体に対する試験化合物の効力を上に記載したように決定した。
【0367】
アッセイ4:他の遺伝子型のNS5A配列に対するレプリコンアッセイ
遺伝子型間(intergenotypic)キメラを生じさせることによって、他の遺伝子型のNS5A配列に対する試験化合物の効力を決定した。遺伝子型2a、2b、3a、4a、5a、および6aからの、またはNS5Aのアミノ酸11〜118をコード化しているヌクレオチド配列の全部のNS5A遺伝子を遺伝子型1bレプリコンへとサブクローニングした。遺伝子型2aに対して、JFHおよびJ6株の両方との遺伝子型間キメラを作った。一般的に、NS5A阻害剤は、天然に存在するL31M配列変異体の存在に起因してJ6株に対して有意に弱い効力を呈することが示されている。公共のデータベースにおける遺伝子型2a配列の大部分がL31M配列変異体を含有するので、J6遺伝子型2a配列の使用は、NS5A阻害剤の抗ウイルス効力をより良く反映し得る。
【0368】
次いで、これらのキメラのレプリコンプラスミドを線形化し、RNAへインビトロで転写した。RNAを使用して、エレクトロポレーションによりHuh−LUNET細胞を一時的または安定的にトランスフェクトし、キメラに対する試験化合物の効力を、上述した通りに決定した。
【0369】
アッセイの結果
実施例1〜15および表1〜5の化合物のすべてを、上記アッセイの1つまたは複数において試験した。例えば、下記の結果を、HCV遺伝子型1aおよび1bレプリコンアッセイにおいて得た。ここで、Aは、6〜8のpEC50値(1μM〜10nMのEC50)を表し、Bは、8〜9のpEC50(1〜10nMのEC50)を表し、Cは、9〜約10のpEC50(1nM〜0.1nMのEC50)を表し、Dは、pEC50>10(EC50<0.1nM)を表す。
【0370】
【表6】
【0371】
本発明をその特定の実施形態に関して記載してきた一方で、様々な変更をしてもよく、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく等価物が代わりに用いられ得ることを当業者は理解すべきである。さらに、多くの改変を行って、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスステップ)を、本発明の目的、趣旨および範囲に適合させてもよい。全てのこのような改変は、本明細書に添付の特許請求の範囲内であることが意図される。さらに、本明細書(ここより上)において引用した全ての公開資料、特許、および特許文献は、個々に参考として援用されているかのように、本明細書において全体が参考として援用される。