特許第6069495号(P6069495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許6069495マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法
<>
  • 特許6069495-マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法 図000002
  • 特許6069495-マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法 図000003
  • 特許6069495-マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法 図000004
  • 特許6069495-マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法 図000005
  • 特許6069495-マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法 図000006
  • 特許6069495-マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069495
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】マルチ・チャネルFEC符号化とデータの送信とのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   H04L1/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-514044(P2015-514044)
(86)(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公表番号】特表2015-523779(P2015-523779A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013040126
(87)【国際公開番号】WO2013176889
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2015年1月13日
(31)【優先権主張番号】13/476,606
(32)【優先日】2012年5月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】プロヒット,ビナイ,デー.
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0026623(US,A1)
【文献】 特表2002−538711(JP,A)
【文献】 特開2008−228024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数のコンピュータ・デバイスを含む装置によって、要素のアレイの内部のそれぞれの要素にデータ・ストリームの逐次的データ・ストリーム部分を関連づけるステップと、
前記装置によって、各要素グループが、前記データ・ストリームの非逐次的データ・ストリーム部分を含む複数の要素を含む、複数の要素グループを規定するステップと、
前記装置によって、それぞれのFECブロックを形成するために前記要素グループのおのおのを順方向エラー訂正(FEC)符号化するステップと、
前記装置によって、前記符号化されたFECブロックを複数のサブストリームへと分割するステップと、
前記装置によって、それぞれの送信チャネルに各サブストリームを関連づけるステップと、
前記装置によって、前記それぞれの送信チャネルを経由して送信のために適合されたそれぞれの被変調信号を生成するために各サブストリームを変調するためのパラメータを提供するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記アレイ要素は、M個の列とN個の行とを有する2次元アレイを含んでおり、MとNとは、1よりも大きい整数であり、また各要素グループは、前記アレイの内部の要素の共通の列の内部に複数の要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の数の要素に関連する前記逐次的データ・ストリーム部分についての巡回冗長検査(CRC)を算出するステップと、
アレイ要素に前記算出されたCRCを関連づけるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記被変調信号のうちの少なくともいくつかは、衛星送信リンク、マイクロ波送信リンク、または光送信リンクを経由して送信のために適合されたアップコンバートされたキャリア信号のそれぞれの部分を経由して送信のために適合される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記被変調信号のうちの少なくともいくつかは、3G通信ネットワーク、4G通信ネットワーク、またはWi−Fi通信ネットワークの内部のそれぞれのワイヤレス・チャネルを経由して送信のために適合される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記それぞれの送信チャネルのおのおのは、共通のトランスポート媒体に関連づけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記変調されたサブストリームのおのおのを復調するステップと、
前記FECブロックを回復するために前記復調されたサブストリームを結合するステップと、
前記逐次的データ・ストリーム部分を前記FECブロックから抽出するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに、
要素のアレイの内部のそれぞれの要素にデータ・ストリームの逐次的データ・ストリーム部分を関連づけるステップと、
各要素グループが、前記データ・ストリームの非逐次的データ・ストリーム部分を含む複数の要素を含む、複数の要素グループを規定するステップと、
それぞれのFECブロックを形成するために前記要素グループのおのおのを順方向エラー訂正(FEC)符号化するステップと、
前記符号化されたFECブロックを複数のサブストリームへと分割するステップと、
それぞれの送信チャネルに各サブストリームを関連づけるステップと、
前記それぞれの送信チャネルを経由して送信のために適合されたそれぞれの被変調信号を生成するために各サブストリームを変調するための関連パラメータを提供するステップと
を含む方法を実行するソフトウェア命令を含む非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項9】
少なくとも1つのコンピュータが、
要素のアレイの内部のそれぞれの要素にデータ・ストリームの逐次的データ・ストリーム部分を関連づけるステップと、
各要素グループが、前記データ・ストリームの非逐次的データ・ストリーム部分を含む複数の要素を含む、複数の要素グループを規定するステップと、
それぞれのFECブロックを形成するために前記要素グループのおのおのを順方向エラー訂正(FEC)符号化するステップと、
前記符号化されたFECブロックを複数のサブストリームへと分割するステップと、
それぞれの送信チャネルに各サブストリームを関連づけるステップと、
前記それぞれの送信チャネルを経由して送信のために適合されたそれぞれの被変調信号を生成するために各サブストリームを変調するための関連パラメータを提供するステップと
を含む方法を実行するように前記少なくとも1つのコンピュータのオペレーションを適応させるソフトウェア命令を処理するように動作する、コンピュータ・プログラム。
【請求項10】
データ・ストリームを受信し、要素のアレイの内部のそれぞれの要素に前記データ・ストリームの逐次的データ・ストリーム部分を関連づけ、各要素グループが、前記データ・ストリームの非逐次的データ・ストリーム部分を含む複数の要素を含む、複数の要素グループを規定し、またそれぞれのFECブロックを形成するために前記要素グループのおのおのを順方向エラー訂正(FEC)符号化するように構成されたエンコーダと、
前記符号化されたFECブロックを複数のサブストリームに分割し、またそれぞれの送信チャネルに各サブストリームを関連づけるように構成されたスライサと
を備える装置であって、
前記装置はさらに、前記それぞれの送信チャネルを経由して送信のために適合されたそれぞれの被変調信号を生成するために各サブストリームを変調するための関連パラメータを提供するように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、「SYSTEM AND METHOD PROVIDING RESILIENT DATA TRANSMISSION VIA SPECTRAL FRAGMENTS」という名称の、2012年5月15日に出願した米国特許出願第13/471,504号(整理番号809662)に関連している。
【0002】
本発明は、一般に、通信ネットワークに関し、またより詳細には、排他的にではないが、ポイント・ツー・ポイント通信ネットワークと、ポイント・ツー・マルチポイント通信ネットワークと、バックホール・リンクとに関する。
【背景技術】
【0003】
伝統的なワイヤレス・システムは、送信されるべきデータの量に比例した帯域幅を有するスペクトルの隣接したブロックの使用可能性を仮定している。送信システムは、このようにして、典型的使用ケースまたは平均的使用ケースが、場合によっては、ずっと少ない帯域幅(すなわち、スペクトル)を必要として、最悪ケースの帯域幅要件のために、しばしば設計される。衛星通信システムと、他のポイント・ツー・ポイント通信システムとの関連の中では、顧客に割り付けられる使用可能なスペクトルは、時間とともに断片化されるようになる可能性があり、これは、スペクトルの割り付けられたブロックの間の未使用のブロックをもたらす。未使用のスペクトルのブロックがあまりにも小さすぎるときに、顧客の間でスペクトルを再割付けすること、または既存のスペクトル割付けから新しいスペクトル割付けへと顧客を「移動させる」ことが必要であり、その結果、スペクトルの未使用のブロックは、単一のスペクトル領域へとまとめあげられることもある。残念ながら、そのような再割付けは、非常に破壊的である。
【0004】
さらに、データを送信するための様々な既存の技法は、干渉および/または他のエラーの原因に対する影響の受けやすさを示している。改善された回復力が、改善されたスペクトル効率を伴うのが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
先行技術についての様々な欠陥は、要素のアレイの内部のそれぞれの要素に逐次的データ・ストリーム部分を関連づけることと、非逐次的データ・ストリーム部分を含む複数の要素グループのうちのおのおのを規定すること、およびFEC符号化することと、FECブロックのシーケンスを複数のサブストリームへと分割することと、それぞれの送信チャネルに各サブストリームを関連づけることとにより、データ・ストリームDの回復力のある送信のためのシステム、方法、および装置についての本発明によって対処される。
【0006】
本発明の教示は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を考慮することにより、簡単に理解される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】様々な実施形態から利益を受けるシステムの高レベルのブロック図である。
図2】様々な実施形態において使用するために適した汎用コンピューティング・デバイスの高レベルのブロック図である。
図3】一実施形態による方法の流れ図である。
図4】様々な実施形態を理解する際に有用なインターリーブされたストレージ・アレイのグラフィック表現を示す図である。
図5】一実施形態による方法の流れ図である。
図6】様々な実施形態を理解する際に有用なスペクトル割付けのグラフィック表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能であれば、それらの図面に共通である同一の要素を指定するために、使用されている。
【0009】
本発明は、主として、衛星通信システムとの関連で説明されるであろう。しかしながら、当業者と、本明細書における教示を通知される者は、本発明が、マイクロ波通信システムやワイヤレス通信システムなど、柔軟なスペクトル割付けから利益を受ける任意のシステムに対しても、適用可能であることに気が付くであろう。さらに、主としてポイント・ツー・ポイント通信システムとの関連で説明されるが、様々な実施形態は、同様にポイント・ツー・マルチポイント通信システムとの関連での適用可能性を見出している。
【0010】
様々な実施形態は、ソース・ノードAから宛先ノードBへのデータ・ストリーム、D、の信頼できる送信を提供する一般的な問題に対処している。Dは、イーサネット/IPを含めて、任意のパケット化されたデータとすることができ、あるいはRS−232、RS−422、EIA−530、DVB−ASI、MPEG、IPなどのような標準インターフェースの上の直列化されたデータとすることができる。
【0011】
一般的に言って、様々な実施形態は、データ・ストリームDが送信されるために、以下のプロセスが、すなわち、(1)データ・ブロックのシーケンスを提供するようにデータ・ストリームDを符号化するプロセスと、(2)メモリの中の符号化されたブロックを特定の順序(すなわち、図2に関して以下で説明されるなどの、パッキング順序および/または送信順序)で配列するプロセスと、(3)配列されたブロックをN個の部分へとセグメント化するプロセスまたはスライスするプロセスとが、実行されるトランスミッタ装置を提供しており、ここでN個の部分のうちのおのおのは、P個の異なる送信リンクのうちのそれぞれ1つによって送信される。物理リンクの上で送信されるデータの量は、一般的に、そのリンクのスループットに比例するように選択されることに注意すべきである。すべてのP個のリンクが、等しい容量のものである様々な実施形態においては、各リンクには、元のストリームDのうちの等しい部分が、割り当てられる可能性がある。様々な実施形態においては、複数のリンクの使用は、他のスキームにおいて使用される伝統的なタイム・ドメイン・インターリービングにとって有利である、データの自然インターリービングを提供する。
【0012】
同様に、様々な実施形態は、データ・ストリームDが受信されるために、様々なリンクを経由してデータを受信するプロセス、様々な部分を再結合するプロセス、様々なデータ・ブロックを逆インターリーブするプロセス、データ・ストリームDをそれから抽出するようにインターリーブされたデータ・ブロックを復号化するプロセスなど、上記で説明されたプロセスの逆が実行されるレシーバ装置を提供する。様々な実施形態は、トランスミッタ(単数または複数)と、レシーバ(単数または複数)との間で、符号化パラメータと、インターリーブ・パラメータと、リンク・パラメータと、他のパラメータと、オプションとしての暗号化パラメータなどとを搬送するメカニズムを提供する。
【0013】
様々な実施形態が、衛星通信システムとの関連で実施される。しかしながら、当業者と、本明細書における教示を通知される者は、本発明が、マイクロ波通信システムやワイヤレス通信システムなど、柔軟なスペクトル割付けから利益を受ける任意のシステムに対しても、適用可能であることに気が付くであろう。
【0014】
図1は、様々な実施形態から利益を受けるシステムの高レベルのブロック図を示すものである。具体的には、図1のシステム100は、ソース110から宛先190に向かってデータ・ストリームDを送信するように適合される。システム100は、順方向エラー訂正(FEC:forward error correction)エンコーダ/インターリーバ120と、スライサ130と、複数のトランスミッタ・モジュール140と、ワイヤレス・ネットワークや有線ネットワークなど、1つまたは複数のタイプの伝送媒体150と、複数のレシーバ・モジュール160と、結合器170と、FECデコーダ/逆インターリーバ180とを含む。オプションとしての制御モジュール105が、システム100との関連で使用される可能性もある。
【0015】
FECエンコーダ/インターリーバ120は、ルータ、コンピュータ・ネットワーク要素、衛星ダウンリンク・システム、光トランスポート・ネットワークなど、実例としてのソース110からデータ・ストリームDを受信する。一般的に言えば、データ・ストリームDは、この目的のために適した任意の技術またはメカニズムを経由してFECエンコーダ/インターリーバ120に対して搬送される。FECエンコーダ/インターリーバ120は、(1)データ・ストリームDをFEC符号化して、それによって複数のFEC符号化されたデータ・ブロックを提供すること、および(2)図2に関して以下でより詳細に説明されるなど、実例として、N行とM列とのメモリ・アレイにFEC符号化されたデータ・ブロックを記憶することによりデータ・ストリームDを処理するように動作する。FECエンコーダ/インターリーバ120は、スライサ130に対してFEC符号化され、またインターリーブされたデータ・ストリームD’を提供する。
【0016】
スライサ170は、符号化され、またインターリーブされたデータ・ストリームD’を複数のP個のサブストリーム(例えば、D、D、...DP−1)へとスライスし、逆多重化し、かつ/または分割しており、ここでPは、リンクおよび/またはスペクトル・フラグメントの数に対応する。様々な実施形態においては、P個よりも多い、または少ないリンクおよび/またはスペクトル・フラグメントが、使用されることもある。
【0017】
サブストリームD、D、...DP−1のおのおのは、それぞれのトランスミッタ・モジュール140(例えば、140、140、...140P−1)に結合される。
【0018】
トランスミッタ・モジュール140のおのおのは、そのそれぞれのサブストリーム(例えば、D、D、...DP−1)を変調して、ワイヤレス・ネットワークや有線ネットワークなど、適切な伝送媒体150を通して送信チャネルを経由して対応するレシーバ・モジュール160(例えば、160、160、...160P−1)に対して送信するために対応する被変調信号(例えば、S、S、...SP−1)を提供する。
【0019】
各トランスミッタ・モジュール140は、追加の順方向エラー訂正(FEC)処理と、様々な他の処理とを提供することができる。送信されるべきデータは、188−バイトの転送ストリーム(TS:transport stream)パケットや64〜1500バイトのイーサネット・パケットなどのデータ・パケットDのストリームとして提供されることもある。特定のパケット構造、パケット構造の内部で搬送されるデータなどは、本明細書において説明される様々な実施形態に対して簡単に適応される。
【0020】
トランスミッタ・モジュール140は、波形タイプの特性、コンステレーション・マップ、順方向エラー訂正(FEC)設定、対象とする伝送媒体など、トランスミッタ・モジュールごとに異なる変調特性、エラー訂正特性、および/または他の特性を含むことができる。各トランスミッタ・モジュール140は、特定のタイプのトラフィック(例えば、ストリーミング媒体、非ストリーミング・データなど)、その対応するスペクトル・フラグメント判断基準および/または他の判断基準に関連する特定のチャネル状態に従って最適化されることもある。
【0021】
レシーバ・モジュール160のおのおのは、そのそれぞれの受信信号(例えば、S、S、...SP−1)を復調して、結合器170によってさらに処理されるべき対応する復調されたサブストリーム(例えば、D、D、...DP−1)をそれから抽出する。レシーバ・モジュール160は、波形タイプの特性、コンステレーション・マップ、順方向エラー訂正(FEC)設定、伝送媒体など、レシーバ・モジュールごとに異なる変調特性、エラー訂正特性、および/または他の特性を含むことができる。各レシーバ・モジュール160は、特定のタイプのトラフィック(例えば、ストリーミング媒体、非ストリーミング・データなど)、その対応するスペクトル・フラグメント判断基準および/または他の判断基準に関連する特定のチャネル状態に従って最適化されることもある。
【0022】
一般的に言えば、各トランスミッタ・モジュール140は、対応するレシーバ・モジュール160と対にされて、それによって同種または異機種の伝送媒体150を通してサブストリームまたはストリーム・セグメントを伝搬するための通信チャネルを確立することができる。トランスミッタ・モジュール140と、レシーバ・モジュール160と、伝送媒体150とは、1つまたは複数のポイント・ツー・ポイント通信システム(例えば、衛星リンク、マイクロ波リンク、光リンクなど)と、1つまたは複数のポイント・ツー・マルチポイント通信システム(例えば、パケット交換ネットワーク)などとを実施することができる。
【0023】
伝送媒体150は、衛星通信システム、マイクロ波通信システム、および/または他の高周波数のポイント・ツー・ポイント通信システムもしくはポイント・ツー・マルチポイント通信システムを含むことができる。これらの実施形態においては、トランスミッタ・モジュール140と、レシーバ・モジュール160とは、信号バッファリング、電力増幅、アップ・コンバージョン、ダウン・コンバージョン、周波数/符号の変調など、様々なノーム・プロセス(gnome processes)を実行する必要な回路、機能要素などを含む。
【0024】
図1において、1対1の対として示されているが、1つまたは複数のトランスミッタ・モジュール140は、望ましい構成のタイプと、利用される伝送媒体150の性質などとに応じて、1つまたは複数のレシーバ・モジュール160と対にされることもある。一般的に言えば、一部または全部の伝送媒体150を形成する物理送信リンクは、任意の有線(ファイバ/DSL)リンク、または3Gネットワーク、4Gネットワーク、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)ネットワーク、Wi−Fiネットワーク、WiMAXネットワーク、802.11xネットワーク、マイクロ波ネットワークなどのワイヤレス・リンク、すなわち一般的に言えば、パケット化されたデータを搬送することができる任意のタイプの通信ネットワークまたは電気通信ネットワークを備えることができる。
【0025】
結合器170は、様々なレシーバ・モジュール160から復調されたサブストリームを受信し、それらのサブストリームを結合し、またFECデコーダ/逆インターリーバ180に対して結果として生じるFEC符号化された/インターリーブされた入力データ・ストリームD”を供給する。一般的に言えば、結合器170は、スライサ130の機能と逆の機能を実行する。
【0026】
FECデコーダ/逆インターリーバ180は、結合器170から受信されるFEC符号化された/インターリーブされた入力データ・ストリームD”を処理して、元の逆インターリーブされた、また復号されたデータ・ストリームDをそれから抽出し、この復号されたデータ・ストリームDは、次いで宛先190に対して供給される。一般的に言えば、FECデコーダ/逆インターリーバ180は、FECエンコーダ/インターリーバ120の機能と逆の機能を実行する。
【0027】
オプションとしての制御モジュール105は、図1に関して本明細書において説明される機能を実施するネットワーク要素を管理する際に使用するために適した要素管理システム(EMS:element management system)、ネットワーク管理システム(NMS:network management system)、および/または他の管理もしくは制御のシステムと相互作用する。制御モジュール105を使用して、図1に関して本明細書において説明される要素の内部で、様々なエンコーダ、インターリーバ、スライサ、トランスミッタ・モジュール、レシーバ・モジュール、結合器、デコーダ、逆インターリーバ、および/または他の回路を構成することができる。さらに、制御モジュール105は、それによって制御される要素に関してリモートに位置しており、送信回路に近接して位置しており、レシーバ回路に近接して位置していることなどもある。
【0028】
制御モジュール105は、本明細書において説明されるなど、特定の制御機能を実行するようにプログラムされた汎用コンピュータとして実施されることもある。一実施形態においては、制御モジュール105は、それぞれ第1の制御信号TXCONFと、第2の制御信号RXCONFとを経由して、トランスミッタに関連した機能要素と、レシーバに関連した機能要素とについての構成および/またはオペレーションを適応させる。この実施形態においては、複数の制御信号が、複数のトランスミッタとレシーバとの場合に供給されることもある。
【0029】
様々な実施形態においては、図1のシステム100は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、「SYSTEM AND METHOD PROVIDING RESILIENT DATA TRANSMISSION VIA SPECTRAL FRAGMENTS」という名称の、2012年5月15日に出願した米国特許出願第13/471,504号に関してより詳細に説明される仮想スペクトル集約(VSA:virtual spectral aggregation)技法を利用している。
【0030】
例えば、本発明の様々な実施形態においては、トランスミッタ・モジュール140のうちのいくつかは、スペクトル領域、あるいは1つまたは複数のキャリア信号に関連するスペクトル領域の内部のフラグメントを経由してそれらのそれぞれのセグメントまたはスライスを送信するように適合される。キャリア信号は、1つの衛星の1つまたは複数のトランスポンダ、複数の衛星の1つまたは複数のトランスポンダ、地上波マイクロ波リンクなどに関連するアップリンク・キャリア信号を含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態においては、スライスまたはセグメントは、複数のトランスミッタ・モジュール140を経由して搬送されて、それによってデータの冗長送信を提供する。これらの実施形態においては、複数のレシーバ・モジュール160は、好ましい受信信号(またはその一部分)を選択するように動作し、そのような好みは、ビット・エラー・レート、チャネル品質、および/または他のパラメータに基づいている。
【0032】
図2は、様々な実施形態において使用するために適した汎用コンピューティング・デバイスの高レベルのブロック図を示すものである。例えば、図2に示されるコンピューティング・デバイス200を使用して、本明細書において説明されることになるように、様々なトランスミッタ処理機能、レシーバ処理機能、および/または管理処理機能を実施するために適したプログラムを実行することができる。
【0033】
図2に示されるように、コンピューティング・デバイス200は、入出力(I/O)回路210と、プロセッサ220と、メモリ230とを含む。プロセッサ220は、I/O回路210と、メモリ230とのおのおのに結合される。
【0034】
メモリ230は、バッファ232、トランスミッタ(TX)プログラム234、レシーバ(RX)プログラム236、および/または管理プログラム238を含むように示されている。メモリ230に記憶される特定のプログラムは、コンピューティング・デバイス200を使用して実施される機能に依存する。
【0035】
一実施形態においては、図1に関して上記で説明されるFECエンコーダ/インターリーバ120は、図2のコンピューティング・デバイス200などのコンピューティング・デバイスを使用して、実施される。具体的には、プロセッサ220は、エンコーダ/インターリーバ120に関して上記で説明される様々な機能を実行する。この実施形態においては、I/O回路210は、データ・ソース(例えば、データ・ソース110)から入力データ・ストリームDを受信し、またスライサ130に対してFEC符号化された/インターリーブされた入力データ・ストリームD’を供給する。
【0036】
一実施形態においては、図1に関して上記で説明されるスライサ130は、図2のコンピューティング・デバイス200などのコンピューティング・デバイスを使用して、実施される。具体的には、プロセッサ220は、スライサ130に関して上記で説明される様々な機能を実行する。この実施形態においては、I/O回路210は、FECエンコーダ/インターリーバ120からFEC符号化された/インターリーブされた入力データ・ストリームD’を受信し、またそれらの対応する送信モジュール140に対してP個のサブストリームを提供する。
【0037】
一実施形態においては、図1に関して上記で説明される結合器170は、図2のコンピューティング・デバイス200などのコンピューティング・デバイスを使用して、実施される。具体的には、プロセッサ220は、結合器170に関して上記で説明される様々な機能を実行する。この実施形態においては、I/O回路210は、それらの対応するレシーバ・モジュール160からP個のサブストリームを受信し、またFECデコーダ/逆インターリーバ180に対して結合された、または受信されたFEC符号化された/インターリーブされた入力データ・ストリームD”を供給する。
【0038】
一実施形態においては、図1に関して上記で説明されるFECデコーダ/逆インターリーバ180は、図2のコンピューティング・デバイス200などのコンピューティング・デバイスを使用して、実施される。具体的には、プロセッサ220は、デコーダ/逆インターリーバ180に関して上記で説明される様々な機能を実行する。この実施形態においては、I/O回路210は、結合器170から結合された、または受信されたFEC符号化された/インターリーブされた入力データ・ストリームD”を受信し、またそれから宛先190に対して逆インターリーブされた、また復号されたデータ・ストリームDを供給する。
【0039】
一実施形態においては、図1に関して上記で説明されるオプションとしての制御モジュール105は、図2のコンピューティング・デバイス200などのコンピューティング・デバイスを使用して、実施される。
【0040】
コンポーネントの特定のタイプと、配列とを有するように主として示され、また説明されるが、コンポーネントの任意の他の適切なタイプおよび/または配列が、コンピューティング・デバイス200のために使用され得ることが、理解されるであろう。コンピューティング・デバイス200は、本明細書において説明される様々な機能を実施するために適した任意の方法で実施されることもある。
【0041】
図2に示されるコンピュータ200は、本明細書において説明される機能要素、および/または本明細書において説明される機能要素の一部分を実施するために適した汎用アーキテクチャと機能とを提供することが、理解されるであろう。本明細書において示され、また説明される機能は、例えば、汎用コンピュータ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、および/または他の任意のハードウェア同等物を使用して、ソフトウェアおよび/またはハードウェアで実施されることもある。
【0042】
ソフトウェアの方法として本明細書において考察されるステップのうちのいくつかは、ハードウェアの内部で、例えば、様々な方法ステップを実行するようにプロセッサと協調する回路として実施され得ることが、企図される。本明細書において説明される機能/要素の一部分は、コンピュータ・プログラム製品として実施されることもあり、そこでは、コンピュータ命令は、コンピュータによって処理されるときに、本明細書において説明される方法および/または技法が、呼び出され、あるいは提供されるようにコンピュータのオペレーションを適応させる。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定された媒体または着脱可能な媒体に記憶され、ブロードキャスト媒体または他の信号保持媒体においてデータ・ストリームを経由して送信され、有形の媒体を経由して送信され、かつ/または命令に従って動作するコンピューティング・デバイスの内部のメモリに記憶されることもある。
【0043】
図3は、一実施形態による、また図1に関して上記で説明されるなど、送信のためのデータ・ストリームDを処理するために適した方法の流れ図を示すものである。図4は、様々な実施形態を理解する際に有用なインターリーブされたストレージ・アレイのグラフィック表現を示すものである。これらの2つの図は、特定の実施形態との関連で一緒に説明されるであろう。
【0044】
ステップ310において、1つまたは複数のデータ・ストリームが、1人または複数人の顧客から受信される。ボックス315を参照すると、1つまたは複数のデータ・ストリームは、衛星リンク、マイクロ波リンク、ワイヤレス・チャネル、有線チャネル、および/または他の手段を経由して、受信されることもある。
【0045】
ステップ320において、受信されたデータ・ストリームDからのワード(1バイトまたは複数のバイトから構成される)などのデータ部分は、アレイの内部の行に、または他の規定される順序で記憶され、ここで、巡回冗長検査(CRC:circular redundancy check)値は、オプションとして、1つまたは複数の行、または規定された順序の他の部分に関連づけられる。ボックス325を参照すると、アレイは、メモリの規定されたエリア、ポインタのアレイ(入力バッファを指し示すことなど)、リンクされたリスト、または他のストレージ・メカニズムを含むことができる。本明細書において説明される特定の実施形態においては、N行×M列を含むメモリ・アレイが、より詳細に説明される。
【0046】
ステップ330において、K個の行が満たされるときに、FEC符号化ブロックは、同じ列の中のK個の要素の各グループのために、形成される。ボックス335を参照すると、FEC符号化は、デフォルトのFECパラメータを使用して、あるいは送信チャネル雑音レベルおよび/または互換性の考慮、レシーバ互換性の考慮、基礎となる符号化/暗号化互換性の考慮など、様々な判断基準に応じて適合されたFECパラメータを使用して実行されることもある。さらに、巡回冗長検査(CRC)パラメータは、FEC符号化プロセスの一部として算出され、また符号化されたデータ・ブロックのシーケンスへと定期的に注入されて、エラー検出/訂正能力を高めることができる。
【0047】
ステップ340において、ステップ310〜330がK個の行の次のグループについて反復される。ボックス345を参照すると、Kは、何らかの状態に基づいて可変に、適応的にあらかじめ規定されてもよく、あるいは何らかの他の方法で決定されてもよい。ステップ310〜340は、その後にさらなる処理のためにスライサ130に提供される、FEC符号化されたブロックのシーケンスを生成するように動作する。ステップ310〜340のオペレーションについては、さらに、図4を参照して以下で説明されるであろう。
【0048】
ステップ350において、FEC符号化されたブロック・データは、複数の(実例としてP個の)ストリーム・セグメントおよび/またはサブストリームへとスライスされ、ストリーム・セグメントおよび/またはサブストリームのおのおのは、様々な実施形態に関して本明細書において考察されるようなそれぞれのスペクトル・フラグメントおよび/またはリンクに関連づけられる。ボックス355を参照すると、ストリーム・セグメントおよび/またはサブストリームは、顧客、固定サイズもしくは可変サイズの使用可能なスペクトル・フラグメント、データ・タイプもしくは信号タイプ、スペクトル・フラグメントもしくはリンク容量、スペクトル・フラグメントもしくはリンク・パラメータ、および/または他のパラメータもしくは判断基準に従って規定されることもある。
【0049】
ステップ360において、ストリーム・セグメントおよび/またはサブストリームは、適切な変調パラメータ、帯域幅割付け、優先順位レベル、および/またはそれらのそれぞれのスペクトル・フラグメントもしくはリンクについての他のパラメータに従って変調され、また次いで、対応する送信モジュールを経由してなど、これらのそれぞれのスペクトル・フラグメントまたはリンクによって送信する。
【0050】
図4は、様々な実施形態を理解する際に有用なインターリーブされたストレージ・アレイのグラフィック表現を示すものである。具体的には、図4は、n個の行と、m個の列とを有するメモリ要素のアレイ400を示しており、ここで、行iと列jとに記憶されるバイトは、Sijと呼ばれる。
【0051】
一実施形態においては、示されるアレイ400は、図1に関して上記で説明されるFECエンコーダ/インターリーバ120のオペレーションによって入力される。様々な実施形態を利用して、図示されたアレイ400に従ってデータを記憶することができる。同様に、図示されたアレイ400の構造は、様々な実施形態に従って適応される可能性もある。同様に、FECデコーダ/逆インターリーバ180は、本明細書に示されるような実質的に逆オペレーションを実行する。
【0052】
この考察の目的のために、データ・ストリームDに関連するデータ・バイトは、FECエンコーダ/インターリーバによって処理され、また図に示されるようなN×Mのアレイに記憶されることが、仮定される。低レイテンシーを保証するために、着信データ・バイトは、スライサ130に対して同時に転送される可能性もある(オプションとして、定期的に注入された巡回冗長検査(CRC)バイトを含んでいる)。
【0053】
一実施形態においては、FECエンコーダ/インターリーバ120は、行の順序で、実例としては、行0が最初に満たされ、行1が次に満たされるなど、行k−1が満たされるまで、データ・ストリームDからアレイに対して着信するデータ・バイトを記憶する。オプションとして、巡回冗長検査(CRC)バイトが、バイトの各行について定期的に算出され、また実例として各行の最後の列として示されるアレイに記憶される。CRCの目的(Ciとしてアレイにおいて示される)は、レシーバ・モジュール160などのレシーバが、その行においてパケットについての高速なCRCチェックを実行できるようにすることであり、また最初に逆インターリーバ・アレイを満たし、また次いでエラー訂正の目的のためのパリティを算出することに関連する遅延を招くことなく、その行のすべてのデータ・バイトの使用を可能にすることである。
【0054】
行k−1の中の要素が、データ・バイトと、(オプションとして)CRCバイトとで満たされた後に、FEC符号化は、m個の列のうちのおのおのに対して個別に適用される。すなわち、同じ列mの内部にある行0〜kの中のこれらのデータ・バイトは、FEC符号化を使用して一緒に処理されて、それによってFECブロックを形成する。すなわち、FECブロックは、各列の中のバイトのブロックを使用して形成される。いくつかのシステムにおいては、k個の行のうちのサブセット(例えばk’個)だけが満たされ、また残りのz=k−k’個の行はゼロにされ、またはゼロで埋められることもある。
【0055】
図4を参照すると、Pk,0として示される第1のFECブロックは、柱状要素(columnar−wise elements)i=0からi=k−1(すなわち、S0,0、S1,0...Sk−1,0)に対してFEC符号化を適用することにより、第1の列(j=0)の中で形成されることが分かる。同様にして、Pk,1として示される第2のFECブロックは、柱状要素i=0からi=k−1(S0,1、S1,1...Sk−1,1)に対してFEC符号化を適用することにより、第2の列(j=1)の中で形成され、Pk,2として示される第3のFECブロックは、柱状要素i=0からi=k−1(S0,2、S1,2...Sk−1,2)に対してFEC符号化を適用することにより、第3の列(j=2)の中で形成され、また列j=m−1まで同様に行われる。
【0056】
上記処理ステップは、アレイの内部のK個の行のおのおのについて実施される可能性がある。アレイの一部分はまた、対応するFECブロックがスライサ130に対して送信されるときに、無効にされる可能性もある。
【0057】
様々な実施形態においては、体系立てられたブロックFECスキームが提供される(すなわち、その出力に元の入力バイトを保存するもの)。そのようなスキームは、実例として、LDPCスキームまたはBCHスキームを含んでおり、あるいは消去を取り扱う他のFECスキームが、あらゆる列において使用可能なユーザ・バイトに対して適用される可能性もある。FECエンコーダの出力パリティ・バイトは、あらゆる列の残りのN−K個の行を満たす。様々な実施形態においては、実例として、低送信レイテンシーが必要条件でない場合に、体系立てられていないFECコードが使用されることもある。
【0058】
様々な実施形態においては、バイトの送信は、行ごとに起こる。様々な実施形態においては、スライサ130に対するユーザ・データ・バイトの送信と、ロケーションSi,jにおけるインターリーバ・アレイにおけるストレージとは、体系的なFECコードを使用する場合に、同時に起こり、このようにして、レイテンシーを招かない。元のデータ・バイト(Si,j)は、それらがアレイに記憶される順序と同じ順序で、送信される。体系立てられていないFECコードでは、VSAスライサに向かってのバイトの送信は、エンコーダが入力列ごとにその出力を生成した後だけに開始される。ゼロの埋め込みバイトを有する行は、オプションとして送信されないこともある。
【0059】
様々な実施形態においては、ひとたび第1のK’個の行からのデータ・バイトと、関連するオプションとしてのCRCバイトとが送信された後に、パリティ・コードを含む行からの(行Kから開始される)バイトの送信が開始される。このようにして、行Kにおけるバイトが最初に送信され、また次いで行K+1などが送信される。
【0060】
行のデータ・バイトは、効果的に、パケットのペイロードを構成する。インターリーバは、(1)行サイズ、M(これは、行当たりのユーザ・データ・バイト+1つのオプションとしてのCRCバイトの数である)が、VSAスライサによって生成されるパケットのペイロード・サイズに等しく、また(2)スライサが、それがインターリーバの第1の行に対応するパケットについての断定できるシーケンス番号を割り当てるように同期させられることを提供するように構築されることもある。
【0061】
様々な実施形態においては、複数の送信リンクに起因して、インターリーバの異なる行は、複数の送信リンクを通して送信されることもあり、それによってデュアル周波数と、データの時間インターリービングとを効果的に提供している。最大限のインターリービングは、等しい容量の送信リンクを用いて達成され、ここでは、インターリーバの行は、ラウンド・ロビン様式で送信リンクを通して分布させられる。それらのリンクが等しくない場合、分布は、リンク当たりの使用可能な帯域幅に比例している。
【0062】
様々な実施形態においては、低送信レイテンシーが重要な要件でない可能性がある場合に、それらの行(K’個の行のユーザ・データ、およびN−K個の行のパリティ・バイト)は、非逐次的な方法で送信されて、さらなるインターリービングを提供することができる。様々な実施形態においては、行#0は、送信される第1の行である。
【0063】
様々な実施形態は、K個の行のデータが、m個の列(またはCRCデータが、ある行の中のある要素を占有する場合には、m+1個の列)のおのおのについてのFEC符号化との関連で処理されることを企図している。スーパーブロックは、k個の行に関連するFECブロック・データを含むように規定されることもある。様々な実施形態においては、アレイは、アレイのメモリが後続のスーパーブロックのために再使用されて、少数のスーパーブロックだけを記憶するようなサイズにされることもある。様々な実施形態においては、スーパーブロック・サイズは、チャネル最適化パラメータ、データ・タイプ・パラメータ、および/または他のパラメータに応じて適応される。そのようなスーパーブロックは、他のアレイ構造との関連で規定される可能性もある。
【0064】
様々な実施形態においては、Mの値は、送信リンクの上で送信されるパケットのペイロード・サイズにマッチするように選択される。これは、すべてのリンク集約技法のために必要でないこともあるが、それは、VSA送信技法とのインターリーバ同期化を確実に保証する助けを行う。本明細書において説明されるこれらのスキームに加えて様々な同期化スキームが、様々な実施形態との関連で使用されることもある。
【0065】
図5は、一実施形態による方法の流れ図を示すものである。特に、図5の方法500は、図1に関して上記で説明されるなど、1つまたは複数の受信されたサブストリームを処理するために適している。一般的に言えば、図5の方法500は、図3の方法300に関して上記で説明されるトランスミッタ機能と実質的に逆のやり方で動作するレシーバ機能を提供する。2つの方法300、500のうちのいずれか一方に関して本明細書において提示されるどのような逆ではない機能も、その方法についての代替的な実施形態を備えており、この実施形態はまた、2つの方法500、300のうちの他の方法の形で実施されることも企図している。
【0066】
ステップ510において、1つまたは複数の変調されたサブストリームは、受信され、また必要な場合に、ダウン・コンバートされる。ボックス515を参照すると、1つまたは複数のデータ・ストリームは、衛星リンク、マイクロ波リンク、ワイヤレス・チャネル、有線チャネル、および/または他の手段を経由して受信されることもある。
【0067】
ステップ520において、トランスミッタにおいて以前に結合される任意のサブストリームは、分離されて、個別のサブストリームを提供し、またステップ530において、個別のサブストリームのおのおのは、適切な復調器を使用して復調される。
【0068】
ステップ540において、1つまたは複数の復調されたサブストリームが選択的に遅延させられて、その結果、結果として生じる復調されたデータ・ストリームは、時間的に配列されることもある。
【0069】
ステップ510〜530に関して本明細書において説明される機能は、図1に関して上記で説明されるなど、実例として、レシーバ・モジュール160によって実行され得ることに注意すべきである。同様にして、ステップ540は、図1に関して上記で説明されるレシーバ・モジュール160および/または結合器170の様々な実施形態など、十分なバッファリング/タイミング回路を含めて、任意の機能要素によって実行されることもある。
【0070】
ステップ550において、復調され、また選択的に遅延されたサブストリームは、その中で、初期のデータ・ストリームDの非連続的な、または逐次的な部分を含むFECブロックのシーケンスなど、符号化されたブロック・データの結果として生じるストリームまたはシーケンスを提供するように結合される。
【0071】
ステップ560において、ブロック・データは、ブロック・データを確立するために使用される初期アレイ構造ごとに適応される。すなわち、ブロック・データは、メモリ・アレイ構造、ポインタ・アレイ構造、またはFEC符号化のための非逐次的データ部分をグループ分けするために使用される他の構造に従って適応されることもある。
【0072】
ステップ570において、バイト、ワード、パケット、または入力データ・ストリームDの他の逐次的データ部分は、FEC符号化ブロックから抽出され、また様々な実施形態において説明されるなど、必要に応じて訂正される。
【0073】
2次元アレイの実施形態に関して以前に指摘されるように、連続的な、または逐次的なデータ部分の各行に関連するCRCデータは、エラーがその行の内部に存在することを示すために有用である。行の中にエラーが存在することを決定するとすぐに、様々な行に関連するFECデータを使用して、エラーが訂正されるように行データを置換することができる。
【0074】
一般的に言えば、上記で説明される実施形態は、ストレージ要素の2次元アレイ、ポインタ(またはそれに対するポインタ)との関連で説明され、そこでは、逐次的なデータ・ストリーム部分(例えば、連続的なワード、バイト、パケットなど)は、要素のアレイの内部のそれぞれの要素に関連づけられる(に記憶され、またはに対して指し示される)。非逐次的要素のグループは、それによってFECを経由して処理される非逐次的なデータ・ストリーム部分を含めるように規定される(例えば、行に関連した要素ではなくて列に関連した要素)。これは、基礎となるデータ・ストリーム順序に関して、効果的にインターリーブされるFECブロックのシーケンスをもたらす。FECブロックは、実例として、ブロックのストリームとして逐次的に配列され、またFECブロックのシーケンスのそれぞれの部分を含むサブストリームへと分割される。次いで、各サブストリームは、複数の送信チャネルのうちの1つ(または複数)を経由して送信のために処理される。
【0075】
アレイは、1次元アレイ、3次元アレイ、または他のタイプの構造とすることができる。様々な実施形態は、それぞれのCRCデータを有するデータ・ストリームDの逐次的または連続的なデータ部分のグループ(例えば、行)を記憶することまたは配列することと、FECブロックを提供するために非逐次的または非連続的なデータ部分のグループ(例えば、列)をFEC符号化することとを企図しており、これらのFECブロックは、次いで、ブロックのストリームまたはシーケンスとして送信のために配列され、これらのブロックのストリームまたはシーケンスは、さらに、ブロックのサブストリームまたはサブシーケンスへとスライスされ、あるいはセグメント化され、これらのブロックのサブストリームまたはサブシーケンスは、次いでレシーバに向かって様々な送信チャネルを経由して送信される。レシーバは、逆プロセスを実行して、元のデータ・ストリームDを回復する。
【0076】
トランスミッタ/レシーバの同期化
様々な実施形態においては、送信システムと受信システムとの間のインターリーバ同期化が、送信されたパケット構造の内部のシーケンス番号を使用することにより提供されることもある。それらのシーケンス番号は、データ・ストリームDをセグメントへとスライスするときに、スライサ130によって生成され、またそれらのセグメントをデータ・ストリームDへと再結合するときに結合器170によって使用されることもある。
【0077】
例えば、状態(シーケンス_番号モジュロN)==0を有するパケットは、インターリーバの行0に対してマッピングされる。後続のパケット・シーケンス番号は、連続する行に対してマッピングされる。スライサは、シーケンス番号0からQを割り当てることができ、ここでQ=K’+(N−K)−1である。それゆえに、ユーザ・データ・バイトSijを含む行はシーケンス番号0..K’−1を受け取るが、パリティ・バイトを含む行はシーケンス番号K’...Qを受け取る。
【0078】
ひとたびインターリーバ行列からのすべての行が送信された後に、スライサは、その次に使用可能なシーケンス番号をNに設定する。同様にして、インターリーバからの第3の組のパケットでは、開始するシーケンス番号は、2*Nなどである。開始するシーケンス番号は、(k*N+Q)が、パケットのシーケンス番号を搬送するためのVSAスライサによって利用されるビットの数によってサポートされる最大のシーケンス番号を超過する場合に、反復kの後に、0に折り返す可能性がある。
【0079】
他の実施形態においては、異なる同期化技法が、どのようにしてパケットが逆インターリーバに記憶されるかを決定するために使用されることもあるが、ここで説明される全般的なFEC技法が、依然として適用される。
【0080】
Nが一定のまま(例えば、256)に留まる場合のシステムなど、様々な実施形態においては、値、K、は、必要とされるエラー保護の程度を変化させるように調整されることもある。Kを減少させることは、エラー保護能力を増大させる。例えば、NとKとは、固定されていてもよい。K’(およびこのようにしてZ=K−K’)の値を調整することは、FECレートを調整するための代替的な方法である。実効的なFECレートは、このようにして(K−Z)/(N−Z)である。送信されたペイロードのより大きな部分がエラー保護パリティ・バイトを構成するので、Z(送信されないゼロを埋め込まれた行の数)を増大させることにより、実効的なFECレートは、低減される(すなわち、FECは、より強くされる)。Zが、実例として、1のステップ・サイズで調整され得るこれらの実施形態においては、非常にきめの細かいFECコード・レート・スキームが、提供される。一例では、Nが256であり、またKが224である場合、実効的なFECレートは、224/256(レート7/8と同じ)、223/255、222/254などからどこへでも調整される可能性がある。この微細なレートの調整は、エンコーダの複雑さを増大させることはなく、また実施するために比較的に簡単であることに注意すべきである。
【0081】
様々な実施形態においては、FEC符号化パラメータは、媒体150を通して様々なスライスを転送するために使用される送信チャネルまたはリンクの数Pに応じて適応される。例えば、リンクの数が増大するにつれて、FEC符号化に起因するオーバーヘッドは、低減させられることもある。
【0082】
残念ながら、チャネル障害は、与えられた任意の時刻に、1つまたは複数の送信リンクの上のパケットの配信を阻止する可能性がある。いくつかのより一般的に見出されたチャネル障害は、(1)ワイヤレス送信のために使用されるRF信号における雑音および干渉と、(2)P個の送信リンクのうちの1つについてのトランスミッタまたはレシーバのいずれかの中の機器障害と、P個の送信リンクのために使用される有線ネットワークの中間ノードのうちの1つの中でパケット脱落をもたらすバッファ混雑状態(IPルータまたはスイッチの中などの)とである。
【0083】
様々な実施形態においては、複数のレシーバ・インスタンス、Rx0...RxP−1、は、スライサによって送信されるパケットを受信し、またデータ・ストリーム、D、を再構成するための結合器に対してこれらのパケットを供給する。結合器に到着するパケットは、実例として、それらの中で見出されるシーケンス番号に基づいて、並べ替えられる。特定の送信要素(衛星リンクの場合におけるDVB−S2など)によって導入されている可能性がある制御パケットおよびヌル・パケットは、VSA結合器によってフィルタをかけられる。結合器は、FECデコーダ/逆インターリーバ・ブロックに対して受信パケットと、それらの関連するシーケンス番号とを提供する。
【0084】
様々な実施形態においては、FECデコーダ/逆インターリーバ180は、以上のトランスミッタの節で説明される第1の行パケットについての同期化判断基準にマッチしたシーケンス番号の到着を待つ。パケットは、第1の行(実例として、行0)において開始される逆インターリーバのメモリ・アレイに記憶されることもある。なくなっているシーケンス番号に対応する行は、ヌルまたはゼロで満たされることもある。これらの行は、消去を構成しており、またなくなっているパケットは、柱状FECブロック当たりの1つの消去ロケーションをもたらす。消去行は、それらのロケーションが、FECデコーダが呼び出されるときに失われたバイトを再構築する際に有用であるものとして、知られている。
【0085】
以上で指摘されるように、様々な実施形態は、ユーザ・データ・バイトに対応する(シーケンス番号モジュロN)=[0...K’−1]を利用しており、またこれらは、逆インターリーバ・メモリの行[0...K’−1]に、それぞれ記憶される。シーケンス番号モジュロN=K’...Qは、パリティ・バイトを含むパケットのために使用されることもあり、またそれぞれ行K...N−1に記憶される。ゼロを埋め込まれたバイトに対応するZ個の行は、影響を受けないままである。
【0086】
様々な実施形態においては、[0...K’−1]の中の行のうちのどれかについてのパケットが、受信モジュール160によって受信されるときに、オプションとしてのCRCバイト、Ci、がそのパケットの中に存在する場合に、検査される。パケットは、CRC検査が合格する場合に直ちにエンド・ユーザ・ノード、B、に対して送信される。エンド・ユーザに対する受信バイトのこの直接送信は、FECバイパスとして示されることもある。チャネル状態が良好であるときに、これは、非常に低いレイテンシーを保証する。すべてのユーザ・データ行についてのCRC検査が合格する場合、さらなる検査は、逆インターリーバ・メモリの現在の反復において必要ではなく、また我々は、ステップ5へと進んで、次の反復を開始する。任意のパケットについてのCRC検査が失敗し、またはなくなっているシーケンス番号が、ユーザ・バイト行のどれかについて通知される場合、FECバイパスは、FECインターリーバ・メモリのその反復のために、すべての後続のパケットについて停止される。これは、エラーのある/正しくないバイト、またはなくなっているパケットを再構築するために必要である。
【0087】
なくなっているパケットは、インターリーバ・メモリのすべての列に及ぶエラー・バイトとして現れることに注意すべきであろう。各列は、FECデコーダのための入力の別個のブロックとして取り扱われるので、なくなっているパケットの実際の影響は、単一の消去バイトだけが各列の中で訂正を必要とするので、非常に小さい。本明細書において考察される様々な実施形態においては、FECデコーダ/逆インターリーバは、列ごとに適用されて、なくなっているバイトを再構築する。
【0088】
一般的に言えば、訂正されたバイトの数は、使用される特定のFECデコーダに依存する。例えば、リード・ソロモン/BCHデコーダが使用される場合には、N−K個のパリティ・バイトは、各列においてエラーにされた/正しくない(N−K)/2個までのバイト、または(N−K)個までの消去の訂正を可能にする。別の言い方をすれば、逆インターリーバ・メモリを通して反復を行うQ個のパケットの各組ごとにN−K個までの失われたパケットが、成功裏に再構築される。
【0089】
本明細書において考察される様々な実施形態は、複数の送信リンクを使用したワイヤレスおよび有線の送信ネットワークを設計する際に、かなりの柔軟性を提供している。エラー保護は、延長された持続時間にわたって、物理リンクの機能停止の存在においてさえ、ユーザ・ストリームDのヒットのない配信に至るまでの(ネットワーク混雑状態に起因した)偶発的な脱落したパケットのヒットのない再構築など、広い範囲の状態のために設計されることもある。
【0090】
それらの様々な実施形態は、ワイヤレス・ネットワークにおいて非常に回復力のある送信との関連で特定の適用可能性を見出している。
【0091】
一例として、P*Wという全体のスペクトル使用をもたらす等しい帯域幅WのP個のバラバラなスペクトル・スライスを使用したワイヤレス送信スキームを考える。これらのスペクトル・スライスは、ポイント・ツー・ポイントマイクロ波送信や衛星通信用など、様々なアプリケーションにおいて使用されることもある。スペクトル・スライスのおのおのは、VSA集約スキームを使用して集約されるものと仮定する。本発明者等は、疑似エラー・フリー(QEF:Quasi Error Free)しきい値を超過するビット・エラー・レートをもたらす送信リンクのおのおのの物理レイヤについての最高のFECレート(すなわち、最低のエラー訂正オーバーヘッド)を使用する。以下のパラメータ、すなわち、各行についてのCRC検査がディスエーブルにされたN=256、K=240、Z=0、M=184に従ったマルチ・キャリアFECスキームと、FEC符号化スキーム=リード・ソロモンとを仮定する。この構成は、ユーザ・ノードBにおいてどのようなビット・エラーももたらさずに、あらゆる256個の送信されたパケットについてN−K=16個の失われたパケットを容認することができる。追加の保護は、Zの値を増大させることにより、可能にすることができる。送信リンクが信頼できるものと考えられる場合に、保護は、Kのより高い値を選択することにより、低減させられることもある。
【0092】
別の例として、無期限の持続時間にわたっての物理リンク機能停止に耐えることができ、またパケット損失またはビット・エラーを経験するはずがない非常に回復力のあるシステムを考慮する。等しい容量のP個の送信リンクを仮定し、K=N*(P−1)/Pを設定するが、これは、FEC逆インターリーバ・ブロックを通しての反復当たりのN−K=N/P個の失われたパケットが、成功裏に再構築され得ることを意味する。各リンクは、等しい容量のものであるので、各リンクは、許容され得る(送信されている全体のデータの一部分として)消去の実効的な数にマッチする全体のトラフィックの1/Pを実質的に搬送する。この構成は、(P−1)/PのFECレートを実質的に提供して、無期限の持続時間にわたって完全な機能停止を受けるリンクの中ですべてのパケットの再構築を可能にする。Pが4である場合に、それは、3/4だけのコード・レートへと変換する。Pが8である場合には、FECレートは、実質的に7/8であるなどである。
【0093】
それらの様々な実施形態は、かなりの符号化利得の改善を提供する。具体的には、毎秒E個のシンボルのシンボル・レートを使用した伝統的な単一キャリア・ワイヤレス・システムにおいては、有限の持続時間、T、にわたって続く強い雑音源は、E*T個のシンボルを完全に一掃する(破損する)ことができる。これはまた、有線システムにも適用され、ここでは、失われるパケットの数は、雑音源の持続時間に直接に比例している。
【0094】
異なる有線リンクのいずれか(またはワイヤレス・システムのためのバラバラのスペクトル・ブロック)に基づいて、複数の送信リンクを使用するシステムにおいては、与えられた帯域幅を制限された雑音源は、与えられた任意の時刻に、ただ1つの送信チャネルまたはリンクに影響を及ぼす可能性が高い。複数の物理リンク(またはスペクトル・ブロック)は、同時に影響を受ける可能性があるが、その確率はずっと低い。すべてのスペクトル・スライスが等しい帯域幅のものである場合、それらは、秒当たりにE/P個のシンボルを実質的に搬送し、ここでPは、スペクトル・スライスの数である。単一のキャリア・システムにおいてE*T個のシンボルを破損した同じ雑音源は、今ではE*T/P個のシンボルだけを破損する。単一キャリア・システムと、マルチ・キャリア・システムとの両方を通した同じFEC符号化レートでは、エラー保護能力は、今では10*log(P)dBのファクタだけ実質的に改善される。
【0095】
スペクトル・フラグメント割付けの実施形態
本明細書において説明される様々な実施形態は、仮想スペクトル割付け(VSA:virtual spectrum allocation)技法と、オプションとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、「SYSTEM AND METHOD PROVIDING RESILIENT DATA TRANSMISSION VIA SPECTRAL FRAGMENTS」という名称の、2012年5月15日に出願した米国特許出願第13/471,504号の中でより詳細に説明されるなど、様々な回復力強化技法とを使用するように適合されることもある。
【0096】
簡潔に言えば、上記で説明される様々な実施形態は、累積的な帯域幅が、構成要素であるブロックの帯域幅の合計にほとんど等しくなるように、ワイヤレス・スペクトルの複数のフラグメント化されたブロックを1つの連続した仮想ブロックへと集約するための効率的な、また汎用の技法をオプションとして利用する。フラグメント化されたブロックは、オプションとして、保護ブロック、他のパーティによって所有されるブロック、ある地域または国のワイヤレス・スペクトル規制機関によって禁止されるブロックなど、スペクトルのブロックによって互いに分離される。スペクトル・フラグメントは、変調されたキャリア信号Cに関連するスペクトルが、変調されたデータ・サブストリームを搬送するために使用される複数のスペクトル・フラグメントへと論理的に、または仮想的に分割されるように、1つまたは複数のキャリア信号Cの上へと変調され、またはアップコンバートされる。
【0097】
スペクトル・フラグメント割付けテーブル、または他のデータ構造を使用して、どのスペクトル・フラグメントが規定されているかと、どのスペクトル・フラグメントが使用中であるか(またどのデータ・サブストリームによるか)と、どのスペクトル・フラグメントが使用可能であるかとを追跡する。一般的に言えば、各トランスポンダ/送信チャネルは、複数のスペクトル・フラグメントまたは領域へと分割されることもある。これらのスペクトル・フラグメントまたは領域のおのおのは、特定のデータ・サブストリームに割り当てられることもある。データ・サブストリームのおのおのは、固有の、または一般的な変調技法に従って変調されることもある。
【0098】
1つまたは複数の衛星トランスポンダ、または他のキャリア信号送信メカニズムを使用して、単一の衛星、複数の衛星、または他の組合せ/タイプのキャリア信号送信手段を経由して、トランスミッタ・モジュールと、レシーバ・モジュールとの間で、その上で変調されるスペクトル・フラグメントを有するキャリア信号を送信することができる。
【0099】
図6は、様々な実施形態を理解する際に有用なスペクトル割付けのグラフィック表現を示すものである。具体的には、図6は、第1の顧客が、スペクトルの第1の部分610を、実例としては単一の10MHzブロックを割り付けられ、第2の顧客が、スペクトルの第2の部分620を、実例としては単一の8MHzブロックを割り付けられ、第3の顧客が、スペクトルの第3の部分630を、実例としては単一の10MHzブロックを割り付けられ、また第4の顧客が、スペクトルの第4の部分640を、実例としては第1の1MHzブロック640と、第2の1MHzブロック640と、6MHzブロック640とを含む3つの非連続的なスペクトル・ブロックを割り付けられる36MHzスペクトル割付けをグラフで示すものである。
【0100】
本明細書において考察される様々な実施形態との関連で、第4の顧客に関連するデータ・ストリームは、単一の6MHzのスペクトル・フラグメントの中の2つの異なる1MHzのスペクトル・フラグメントへと分割され、それらのスペクトル・フラグメントのおのおのは、上記で説明されるのと実質的に同じやり方で処理される。
【0101】
上記は、本発明の様々な実施形態を対象としているが、本発明の他の実施形態と、さらなる実施形態とが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなしに、工夫される可能性がある。したがって、本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲に従って決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6